以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<写真処理システムの全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置Aを備えた写真処理システムの構成を示す部分断面図である。図1に示す写真処理システムは、画像データを取得し、この画像データに基づいて記録紙の乳剤面に画像を焼付露光し、写真プリントを作成する機能を備えている。
さらに、この写真処理システムは、現像済みの写真フィルムに形成されているコマ画像をスキャニングして画像データを取得するためのフィルムスキャナー(図示省略)や、デジタルカメラ用の記憶メディアや、その他の記録媒体に格納されている画像データを読み取るためのメディア読取部(図示省略)を備えている。
図1に示すように、上側のマガジン90及び下側のマガジン100は、長尺のペーパーPをロール状に巻いたペーパーロールRとしてそれぞれ収納するものである。上側のマガジン90はスライドレール91(図5参照)を介して画像形成装置A本体のマガジン収容部200に搬入され、マガジン収容部200内の装着位置において該画像形成装置A本体に対して着脱自在に装着される。一方、下側のマガジン100はキャスター111、111を介して画像形成装置A本体のマガジン収容部200に搬入され、マガジン収容部200内の装着位置において該画像形成装置A本体に対して着脱自在に装着される。なお、下側のマガジン100には、上側のマガジン90よりも幅広のペーパーPが収納されているものとする。
そして、前記画像形成装置A本体に取り付けられた上側又は下側のマガジン90、100のうち、一方のマガジンがプリントサイズ等に応じて選択され、該選択された方のマガジンから引き出されたペーパーPが、所定の搬送経路に沿って搬送されるようになっている。
すなわち、上側又は下側のマガジン90、100のうち一方から引き出されたペーパーPは、アドバンスローラユニット4により方向変換され、ペーパーカッター5により、所定のプリントサイズに切断される。そして、切断されたペーパーPは、搬送ユニット6によって、下流側に位置する露光エンジン7へと搬送される。
前記露光エンジン7には、上流側露光搬送ローラ9aと下流側露光搬送ローラ9bとを有する露光搬送ローラ9が設けられている。これらの露光搬送ローラ9a、9bの間には、ペーパーPをレーザー光によって露光処理するための露光位置が設定されている。露光搬送ローラ9の上流側には、ペーパー検出センサー10が設けられており、ペーパーPが送り込まれてくると、その先端(前端)部分を検出して信号を出力するようになっている。このペーパー検出センサー10は、赤外光を出力する発光素子と、これを受光する受光素子とにより構成される。このペーパー検出センサー10によってペーパーPの位置を検出することで、前記露光位置における露光開始タイミングを決めることができる。
前記露光エンジン7は、公知の構造からなるもので、レーザー光源(レーザーダイオード等)から出力されるレーザー光を画像データに基づいて光変調し、この光変調されたレーザー光をペーパーPに照射することで、画像露光を行う。画像露光を行う際には、ペーパーPは、露光搬送ローラ9a、9bにより挟持された状態で、所定速度(一定速度)で搬送される。前記レーザー光は、ペーパーPの搬送方向(副走査方向)と直交する主走査方向に走査されるため、ペーパーP上には1ラインごとに画像(潜像)が焼付露光される。
そして、前述のような画像露光が行われながら、ペーパーPは、下流側の露光搬送ローラ9bによって露光位置よりも下流側へ送り出されていく。前記露光エンジン7の下流側には、第1搬送ユニット11が設けられている。
前記第1搬送ユニット11は、所定の回転軸芯まわりに回転可能に設けられていて、下流側の露光搬送ローラ9bにより受け渡されたペーパーPを、さらに第2搬送ユニット12に受け渡す機能を備えている。
前記第2搬送ユニット12は、搬送経路に沿うように配置された複数の挟持搬送ローラ対12aと、搬送経路を形成するためのガイド板12bとを備えており、搬送ローラ対12aは図示しない駆動機構によって駆動されるように構成されており、第1搬送ユニット11から搬送されてきたペーパーPを現像処理部へ搬送する。
また、前記第1搬送ユニット11と第2搬送ユニット12との間には、搬送されるペーパーPを一時的に収容するための収容空間部Sが設けられている。
すなわち、露光位置から現像処理部までの距離よりもペーパーPの長さが長いと露光中に現像処理部に該ペーパーPが入ることになり、該現像処理部での処理によって発生する振動がペーパーPの露光部分に伝達されて露光ムラの原因となるため、露光処理後であって現像処理前には前記収容空間部S内にペーパーPを収容することで露光ムラの発生を防止するようにしている。
前記収容空間部Sには、ペーパーPを巻き取るための巻き取りドラム20と、この巻き取りドラム20の外周面にペーパーPを圧着して保持するための圧着ローラ21とが配置されている。これらの巻き取りドラム20及び圧着ローラ21は、ペーパーPの搬送方向前端側を挟持するとともに、巻き取り機構としても機能する。
搬送方向の長さが所定長さよりも長いペーパーPは、収容空間部S内において、この巻き取りドラム20等によって巻き取られながら収容される。
前記収容空間部S内の巻き取りドラム20の下方には、前記収容空間部S内に収容されるペーパーPのたるみを検出するためのたるみ検出センサー22が設けられている。このたるみ検出センサー22は、発光素子22aと受光素子22bとによって構成されている。ここで、前記発光素子22aと受光素子22bとを結ぶラインは、水平線に対して傾斜するように設定されている。そして、発光素子22aから照射される光がペーパーPによって遮断されると、たるみ量が所定量よりも大きい状態であると判断され、前記巻き取りドラム20等によってペーパーPがさらに巻き取られる。
尚、搬送方向の長さが所定長さ未満のペーパーPは、収容空間部S内に一旦収容されるだけで、巻き取りドラム20等に巻き取られることなく、前記第2搬送ユニット12に受け渡されて現像処理部へ搬送されていく。
これらマガジン90、100、露光エンジン7、第1搬送ユニット11、第2搬送ユニット12及び収容空間部Sは、遮光された筐体C内に配設されている。
<マガジンの構成>
図2は下側のマガジン100の構成を示す側面図であり、図3は下側のマガジン100の構成を示す正面図である。図2、図3に示すように、101はマガジン本体部であり、長尺のペーパーPをロール状に巻いたペーパーロールRを収納するものである。このマガジン本体部101には、作業者がペーパーロールRの脱着作業を行うための開口部が形成されており、この開口部を塞ぐようにマガジン蓋部102が取り付けられている。
前記マガジン蓋部102は、後述する下部フレーム108に取り付けられたヒンジ116を介して前記マガジン本体部101に開閉自在に取り付けられている。このように、マガジン本体部101とマガジン蓋部102とを組み合わせることで、略直方体状のマガジン100の収納部分が構成される。尚、ペーパーロールRは、そのロール軸がマガジン100の長手方向と一致する向きでマガジン100に収納されている。
前記マガジン蓋部102の側面上部には、ロール軸方向の両端部にそれぞれゴム脚115(図3では1つだけ図示)が取り付けられている。このゴム脚115は、マガジン蓋部102を開いたときにマガジン蓋部102の側面上端部がマガジンが接地している接地面に直接接触することを防止するようになっており、マガジン蓋部102にキズがついたり破損したりすることを防止する上で有利となる。
前記マガジン本体部101の上面には、前記マガジン蓋部102を係合自在に保持する係合具103が長手方向の両端部にそれぞれ設けられており、係合具103の係合を解除することで、マガジン蓋部102を開閉することができるようになっている。
前記マガジン本体部101の底面には、長手方向に延びる下部フレーム108が幅方向両端に配設されている。この下部フレーム108は、マガジン本体部101よりも長手方向一端側(図2の右側)に突出しており、この突出部分の下面には、両方の下部フレーム108、108を連結する連結フレーム109が取り付けられている。
前記各下部フレーム108の下面には、マガジン100を移動可能とする2個のキャスター111、111が長手方向の両端部に設けられ、さらに、回転軸が鉛直方向に延びるガイドベアリング112、112、…が長手方向に間隔をあけて複数配置されている。
前記各キャスター111は、鉛直軸回りに回動可能に下部フレーム108の下面に対して取り付けられた支持具111aと、この支持具111aによって水平軸回りに回動可能に支持されたローラ111bとを有する。こうして、ローラ111bが水平軸回りに回動することによってマガジン100が所定の方向へ移動すると共に、支持具111aと共にローラ111bが鉛直軸回りに回動することによってマガジン100の移動方向が方向転換される。
前記各ガイドベアリング112は、後述するタラップ350の側面ガイド板352及び装置本体内部のマガジン収容部200のマガジンガイド202に摺接させ、マガジン100の幅方向の移動を規制するためのものである。そのため、ガイドベアリング112の外周面の一部が、マガジン本体部101及びマガジン蓋部102よりも幅方向にはみ出すように配置されている(図3参照)。
また、前記マガジン本体部101の長手方向一端側の側面(図2における右側面、図3において正対する側面)には、3つの角パイプを接続して逆U字状に構成した取手110が前記下部フレーム108、108の突出部分に取り付けられている。この取手110は、作業者がマガジン100を移動させる際に把持するためのものである。マガジン100は、作業者がこの取手110を把持して押すことによって、長手方向他端側(図2の左側)を先頭に、長手方向一端側(図2の右側)を後尾にして、マガジン収容部200内へ所定の搬入方向X(図4参照)に沿って搬入される。本実施形態においては、この取手110を押してマガジン100を搬送するときを基準として、この長手方向一端側を長手方向後尾側、長手方向他端側を長手方向先頭側とする。
前記マガジン本体部101の長手方向先頭側の側面(図2における左側面)には、マガジン100がマガジン収容部200内の装着位置に装着されたときに、マガジン収容部200内に設けられた後述する突出ピン204と当接する当接部材118が設けられている。この当接部材118は、マガジン本体部101の長手方向先頭側面の表面よりも長手方向後尾側に内設されていて、該当接部材118の長手方向先頭側面に突出ピン204が当接することによってマガジン100を装着位置においてマガジン100の長手方向(後述する搬入方向X)へ位置決めする。尚、当接部材118の長手方向先頭側面の中心には、後述する突出ピン204の案内ピン204aが遊嵌する案内孔118aが形成されている。
前記マガジン本体部101の側面上部には、ペーパーロールRから引き出されたペーパーPをマガジン本体部101から外部に排出するためのペーパー排出口104が形成されている。このペーパー排出口104には、該ペーパー排出口104を閉塞するシャッター105が設けられており、マガジン100が画像形成装置A内に格納されていないときにはシャッター105が閉状態となっている。
前記マガジン本体部101の正面(長手方向後尾側)には、ペーパーロールRから引き出したペーパーPをペーパー排出口104に手動で送り出すための調整ローラ106と、前記シャッター105の開閉動作を制御するシャッター開閉スイッチ107とが設けられている。
前記シャッター開閉スイッチ107は、作業者が押すことでシャッター105の開閉を行うことが可能である。また、マガジン100を画像形成装置A内に収容した後は、図示しない装置前面カバーの閉動作に連動して、装置前面カバーの内側に設けられた突起部により押されるようになっている。これにより、装置前面カバーを閉めるだけでシャッター105が開かれ、マガジン100から画像形成装置A内にペーパーPを送り出すことができる状態となる。
前記マガジン本体部101の底面であって且つ下部フレーム108、108の間には、後述するマガジン収容部200の床面203に配設された本体側位置決め部材250A、250Bに係合してマガジン100を位置決めするためのマガジン側位置決め部材240A、240Bが長手方向の先頭側と後尾側との2箇所に設けられている(図7参照)。この点について詳しくは後述する。
前記2つの下部フレーム108、108のうち、長手方向後尾側から先頭側へ向かって見て左側に配設された下部フレーム108の長手方向先頭端部には、後述するマガジンダンパーユニット300と係合するダンパー係合ピン117が設けられている。なお、本実施形態では、下部フレーム108の先頭端部の一部を切り欠いて露出させたガイドベアリング112の回転軸をダンパー係合ピン117として用いている。もちろん、この形態に限定するものではなく、別途専用のダンパー係合ピンを配設するようにしても構わない。
<マガジン収容部の構成>
図4は画像形成装置におけるマガジン収容部200のうち前記マガジン100が収容される下側のマガジン収容部の構成を示す平面図であり、図5はマガジン収容部の構成を示す側面図である。図4、図5に示すように、マガジン収容部200は、筐体C内部において立設された4つの装置本体フレーム201で区画される領域で構成され、その下部は床面203で区画されている。この床面203が本体側基準面を構成する。このマガジン収容部200には、前記マガジン100が所定の搬入方向Xへ搬入される。この搬入方向Xは、画像形成装置Aにおけるペーパー搬送方向と直交し且つ床面203に平行な方向であり、マガジン100をその長手方向が搬入方向Xと一致するように搬入して装着位置に装着することで、マガジン100からのペーパーPの排出方向が画像形成装置Aにおけるペーパー搬送方向と一致するようになっている。尚、本明細書においては、この搬入方向Xと直交し且つ床面203に平行な方向Yを搬入幅方向Yとする。
符号202、202は一対のマガジンガイドであり、このマガジンガイド202、202は搬入幅方向Yへ所定間隔を有した状態で搬入方向Xへ延び、マガジン100のガイドベアリング112と摺接してマガジン100の搬入幅方向Yへの変位が所定範囲内に収まるように規制するものである。尚、一対のマガジンガイド202、202の幅をマガジン100の搬入幅方向Yへの変位を完全に規制するような幅に設定すると、マガジン100を搬入する際に搬入幅方向Yに余裕がなく、マガジン100が一対のマガジンガイド202、202に引っ掛かって逆に搬入し難くなる。そのため、一対のマガジンガイド202、202の搬入幅方向Yへの幅は、マガジン100の搬入幅方向Yへの変位を多少許容しつつ、その変位が所定範囲内になるように規制する幅に設定されている。つまり、この一対のマガジンガイド202、202は、マガジン収容部200へ搬入されるマガジン100を搬入幅方向Yへの変位を所定の範囲で規制しながら装着位置へと導く搬入ガイドを構成する。
前記一対のマガジンガイド202、202間には、前記マガジン側位置決め部材240A、240Bと係合することで、マガジン収容部200内に収容したマガジン100の位置決めを行う本体側位置決め部材250A、250Bが、それぞれ搬入方向Xの奥側と手前側(以下、搬入方向Xの奥側を単に奥側、搬入方向Xの手前側を単に手前側ともいう)とに配設されている。この本体側位置決め部材250A、250Bの詳細については後述する。
前記マガジン収容部200の搬入方向Xの奥側であって、搬入幅方向Yのマガジンガイド202よりも露光エンジン側(図4の左側)には、マガジンダンパーユニット300が設けられている。このマガジンダンパーユニット300は、マガジン100のマガジン側位置決め部材240A、240Bが本体側位置決め部材250A、250Bに係合する直前で、マガジン100の搬入速度を減速させて衝撃力を緩和するためのものである。
詳しくは後述するが、マガジンダンパーユニット300の先端の係合部材301のみが、マガジンガイド202上方からマガジン収容部200内に突出して延び、この係合部材301をマガジン100のダンパー係合ピン117に係合させ、係合時の衝撃力をショックアブソーバ302で緩和しながら、マガジン100を所定位置に導くようになっている。
また、前記マガジン収容部200の搬入方向Xの奥側に位置する筐体C内面には、装着位置に装着されるマガジン100の搬入方向Xへの位置決めを行う突出ピン204が設けられている。この突出ピン204は、前記筐体C内の搬入方向X奥側面から搬入方向Xの手前側へ向かって突出していて、その手前側面が、装着位置へ装着されるマガジン100の前記当接部材118と当接するようになっている。尚、突出ピン204の手前側面の中心にはさらに手前側へ突出する案内ピン204aが設けられており、この案内ピン204aがマガジン100の当接部材118に設けられた案内孔118aに遊嵌することで、突出ピン204の手前側面と当接部材118の長手方向先頭側面とが確実に当接するように構成されている。
前記マガジン収容部200の搬入方向X手前側に開口するマガジン収容口には、図5に示すように、マガジン収容部200の床面203と装置設置面との間に架設されるタラップ350が設けられている。このタラップ350は、マガジン100をマガジン収容部200へスムーズに搬入又は搬出させるためのものである。
<タラップの構成>
以下に、タラップ350の構成について図5、6を参照しながら詳細に説明する。タラップ350は、搬入方向Xに延びると共に、タラップヒンジ361を介して画像形成装置A本体に回動可能に連結される踏み板351と、踏み板351の搬入幅方向Yの両端部から立設した一対の側面ガイド板352、352と、踏み板351の搬入幅方向Yの略中央位置に配設された補強リブ353とを備えている。
このタラップ350は、タラップヒンジ361により回動自在に支持されていることから、筐体C内部に格納された格納状態と、床面203と装置設置面との間に架設される架設状態とに切替可能に構成されていて、マガジン100収容後は格納状態とすることで作業者の作業を妨げることがない。
前記踏み板351は、マガジン100のキャスター111の走行面を構成している。また、この踏み板351には、タラップ350を装置本体に格納したときに、収容されているマガジン100のシャッター開閉スイッチ107に対応する位置に抜き孔354があけられている。これにより、図示しない装置前面カバー側に設けられた突起部が、装置前面カバーを閉めたときに抜き孔354を通してシャッター開閉スイッチ107を押すことができるようになっている。
前記一対の側面ガイド板352、352は、マガジン100のガイドベアリング112と摺接してマガジン100の搬入幅方向Yへの変位が所定範囲内に収まるように規制するものであって、その搬入幅方向Yへの間隔は、前記一対のマガジンガイド202、202と同じ間隔である。また、一対の側面ガイド板352、352の入口部は搬入方向Xの手前側ほど搬入幅方向Y外側へ開口しており、これにより、マガジン100をマガジン収容部200に搬入する際に、マガジン100のタラップ350への入り勝手が良くなり、作業性が向上する。
なお、本実施形態では、両方の側面ガイド板352、352がそれぞれ搬入幅方向Y外側に開口しているが、この形態に限定するものではなく、どちらか一方の側面ガイド板352のみが搬入幅方向Y外側へ開口していても構わない。
なお、各側面ガイド板352の高さは、マガジン100を搬入するときに少なくともガイドベアリング112が摺接する高さであって、マガジン100をスムーズに搬入可能なできるだけ低い高さであることが好ましい。これは、搬入幅方向Yへの間隔が同じ前記一対のマガジンガイド202、202の搬入方向Xの手前側端部と一対の側面ガイド板352、352の搬入方向Xの奥側端部とがタラップ350を装置内部に格納したときに干渉しないように、一対のマガジンガイド202、202の手前側端部を切り欠いており、各側面ガイド板352の高さが高いと切り欠きの長さが長くなって、その結果、タラップ350架設時に一対の側面ガイド板352、352と一対のマガジンガイド202、202との隙間が大きくなってしまい、搬入されるマガジン100の各キャスター111がその隙間に引っかかるおそれがあり、マガジン100の搬入時の安定性を損なうからである。
前記補強リブ353は、前記踏み板351におけるキャスター111の走行面側に配設されており、キャスター111の走行領域とオーバーラップしない搬入幅方向Yの略中央位置で搬入方向Xに延びるように形成されている。
具体的には、板材を断面凹状に折り曲げ、さらにその両端を折り曲げてフラップを設けた形状となっており、このフラップが踏み板351に接合されている。これにより、踏み板351の強度を確保できるとともに、踏み板351の裏面に補強リブ353を設けた場合に比べてタラップ350全体の厚さが小さくて済み、作業者の作業を妨げることがなく有利である。
また、タラップ350の側面ガイド板352(図4では右側)には、一端が装置本体フレーム201に接続されたタラップ用ダンパー362が接続されている。このタラップ用ダンパー362は、タラップ350の開閉速度を制御するものであり、例えば、タラップ350開閉時に作業者がタラップ350を誤って離してしまった場合でも、勢いよくタラップ350が装置設置面上に落下してしまうことを防止し、安全性を確保する上で有利である。
なお、本実施形態では、タラップ350にタラップ用ダンパー362を設けた構造について説明したが、タラップ用ダンパー362の有無は本発明の効果に影響を与えるものではないため、特に設けなくても構わない。
また、図示しないが、タラップ350の開閉作業をやりやすくするために、タラップ350に取手を設けるようにしても構わない。
さらに、本実施形態では、タラップ350をタラップヒンジ361を介して回動自在に装置本体に取り付ける形態について説明しているが、タラップ350を装置から取り外し可能な別部材として装置内部に格納しておき、必要に応じてマガジン収容部200の床面203と装置設置面とを架設するように設置して使用するような形態であっても構わない。
このように構成されたタラップ350を用いて、マガジン100をマガジン収容部200内に搬入する動作について、以下、図5を用いて説明する。
まず、マガジン収容部200から取り外したマガジン100にペーパーロールRをセットしておき、タラップ350を回動させてマガジン収容部200の床面と装置設置面との間に架設する。
次に、作業者がマガジン100をキャスター111を介して移動させ、タラップ350の踏み板351上をその長手方向が搬入方向Xと一致するようにして走行させていく。このとき、タラップ350の一対の側面ガイド板352、352とマガジン100のガイドベアリング112、112、…とが摺接して搬入幅方向Yへの変位が規制され、マガジン収容部200内の一対のマガジンガイド202、202にマガジン100がスムーズに収容されるようになっている。
続いて、マガジン100は、タラップ350の一対の側面ガイド板352、352の場合と同様に、ガイドベアリング112、112、…と一対のマガジンガイド202、202とが摺接することで搬入幅方向Yへの変位が規制されながら、マガジン収容部200の装着位置まで搬入される。
そして、マガジン100が装着位置に近づくと、マガジン100のダンパー係合ピン117が後述するマガジンダンパーユニット300に係合して搬入速度が減速される。その後、マガジン100が装着位置に到達することで、マガジン100は、後述する位置決めユニット230によって搬入幅方向Y及び高さ方向に位置決めされると共に、当接部材118及び突出ピン204によって搬入方向Xに位置決めされる。
<位置決めユニットの構成>
以下に、位置決めユニット230A、230Bについて詳しく説明する。
位置決めユニット230A(230B)は、図7に示すように、前記マガジン100の底面に設けられたマガジン側位置決め部材240A(240B)と前記マガジン収容部200に設けられた前記本体側位置決め部材250A(250B)とによって構成され、マガジン100がマガジン収容部200の装着位置に装着されるときに、互いに対応する各マガジン側位置決め部材240A(240B)と各本体側位置決め部材250A(250B)とが係合することによって、マガジン100をマガジン収容部200の装着位置において位置決めする。尚、位置決めユニット230、マガジン側位置決め部材240及び本体側位置決め部材250の符号において、添字A及びaはマガジン長手方向の先頭側、搬入方向Xの奥側の部材に対応し、添字B及びbはマガジン長手方向の後尾側、搬入方向Xの手前側の部材に対応する。
前記マガジン側位置決め部材240A、240Bは、前述の如く、マガジン100の底面において長手方向の先頭側と後尾側との2箇所に設けられている。ここで、マガジン100は長手方向が搬入方向Xに一致するように搬入されるため、長手方向先頭側は搬入方向X奥側と呼ぶことができ、長手方向後尾側は搬入方向X手前側と呼ぶことができる。ここで、搬入方向X奥側のマガジン側位置決め部材240Aと手前側のマガジン側位置決め部材240Bとは、後述するように床面203からの高さが異なるだけで、それ以外の構成は同じであるため、基本的な構成は奥側のマガジン側位置決め部材240Aについてのみ説明する。
前記マガジン側位置決め部材240Aは、図8に示すように、マガジン100の底面において搬入幅方向Yの略中央位置に取り付けられた略直方体状の乗り上げブロック241aと、マガジン100の搬入幅方向Yの略中央位置において該乗り上げブロック241aに取り付けられ、下方に突出する嵌合部としてのピン242aとを有する。
前記乗り上げブロック241aは、下端面に乗り上げ面部としての乗り上げ面243aが形成されており、この乗り上げ面243aは、マガジン100が装着位置に装着されるときに、後述するリフトローラ255aに乗り上げるように構成されている。
前記各ピン242aは、円柱状であって、マガジン100が装着位置に装着されるときに、後述する位置決めガイド257aに形成された切欠部258aに嵌合するように構成されている。
続いて、前記本体側位置決め部材250A、250Bについて説明する。尚、奥側の本体側位置決め部材250Aと手前側の本体側位置決め部材250Bとは、後述するように床面203からの高さが異なるだけで、それ以外の構成は同じであるため、基本的な構成は奥側の本体側位置決め部材250Aについてのみ説明する。
前記本体側位置決め部材250Aは、図8、9に示すように、マガジン100に設けられた前記乗り上げブロック241aが乗り上げる受け部としてのリフトローラ255a、255aと、マガジン100に設けられた前記ピン242aが嵌合する被嵌合部としての切欠部258aとを有する。
詳しくは、本体側位置決め部材250Bは、L字状断面を有して搬入方向Xに延びる2つの設置ブラケット251a、251aが互いに対向するようにしてマガジン収容部200の床面203に設置されている。
前記設置ブラケット251a、251a間には、本体部252aが取り付けられている。本体部252aは、搬入幅方向Yに延びるローラ支軸253aを有し、このローラ支軸253aの両端は、本体部252aに接続された一対の保持ブラケット254a、254aにより保持されている。また、2つのリフトローラ255a、255aが、後述する切欠部258aを挟んで搬入幅方向Yに並設されており、このリフトローラ255a、255aはその周面が搬入方向Xへ回動するようにローラ支軸253aに対して回動自在に取り付けられている。
前記リフトローラ255aは、マガジン100の底部に取り付けられた乗り上げブロック241aの乗り上げ面243aと当接して、搬入方向Xに搬入されるマガジン100全体を持ち上げるものである。このリフトローラ255aの上端の床面203からの高さ(床面203からの突出量)Ha1は、マガジン収容部200におけるマガジン100の高さ基準となるように設定されていて、キャスター111が床面203に接地した状態における前記乗り上げ面243aの床面203からの高さ(乗り上げ面243aと床面203との間隔)ha1よりも高く設定されている。そうすることで、マガジン100が装着位置へ装着されるときに、乗り上げブロック241aが該リフトローラ255aに乗り上げ、マガジン100の高さ方向の位置決めが行われる。尚、各本体側位置決め部材250A(250B)はリフトローラ255a、255a(255b、255b)を搬入幅方向Yへ2つ並んで設けているが、これに限られず、リフトローラ255a(255b)を1つだけ設ける構成であってもよい。ただし、リフトローラに乗り上げたマガジン100が搬入幅方向Yへ傾くことを防止することができるため、複数のリフトローラを搬入幅方向Yへ並んで設ける方が好ましい。
また、前記本体部252aには、設置ブラケット251aと本体部252aとの相対的な高さを調整する高さ調整ボルト256a、256a、…が設けられており、この各高さ調整ボルト256aを調整することで、リフトローラ255aのマガジン収容部200の床面203からの高さ位置を調整することができるようになっている。
前記本体部252aの上面には、マガジン100の底部のピン242aが嵌合する位置決めガイド257aが取り付けられている。この位置決めガイド257aは、床面203と相対向して配設されたU字形状の板状部材で構成され、搬入方向Xの手前側に開口し且つ搬入方向Xの手前側から奥側に向かって切り欠かれた切欠部258aが形成されている。
前記切欠部258aは、この切欠部258aの搬入幅方向Yの間隔を規定する一対の位置決め部としての一対の辺縁部259a、259aと、該一対の辺縁部259a、259aの搬入方向Xの手前側端部からさらに手前側へ連続して延び、手前側ほど搬入幅方向Yの間隔が拡がるように設けられた一対の位置決めガイド部としての一対の開口縁部260a、260aと、該一対の辺縁部259a、259aの奥側端部同士を連結する周縁部261aとによって形成されている。この切欠部258aは、ピン242aの搬入幅方向Yへの位置決めを行うものである。詳しくは、マガジン100が搬入方向Xへ搬入されるときに、マガジン100に設けられたピン242aが一対の開口縁部260a、260aによって搬入幅方向Yへの変位を規制されながら一対の辺縁部259a、259a間に案内され、一対の辺縁部259a、259a間に嵌合することで搬入幅方向Yへの位置決めが行われる。つまり、前記一対の辺縁部259a、259aの搬入幅方向Yへの間隔は、ピン242aが嵌合する間隔、即ち、ピン242aの外径と同じか外径よりも若干大きい寸法に設定されている。
前記位置決めガイド257aの床面203からの高さHa2は、前記リフトローラ255aに乗り上げた乗り上げブロック241aが干渉しないように、リフトローラ255aの床面203からの高さHa1よりは低く且つ、リフトローラ255aに乗り上げブロック241aが乗り上げた状態において該乗り上げブロック241aに設けられたピン242aが前記切欠部258aに嵌合する高さに設定されている。
尚、マガジン100が搬入方向Xへ搬入されるときに前記乗り上げブロック241aが位置決めガイド257aと干渉しないように、位置決めガイド257aの開口側の上面はテーパー形状に加工されて、リフトローラ255aの方が位置決めガイド257aよりも上方且つ搬入方向Xの手前側に突出するように構成されている。
ここで、マガジン側位置決め部材240Aと本体側位置決め部材250Aとの係合動作について、以下に説明する。
マガジン100が装着位置に装着されるときには、まず、乗り上げ面243aの搬入方向X奥側端縁部がリフトローラ255aの周面に当接する。そして、マガジン100が搬入方向Xへさらに搬入されることによって、乗り上げブロック241aがリフトローラ255aに乗り上げる。乗り上げブロック241aがリフトローラ255aに乗り上げることによって、図10に示すように、キャスター111は床面203から浮き上がることになる。
このキャスター111が床面203から浮き上がった状態でマガジン100が搬入方向Xへさらに搬入されることで、ピン242aが切欠部258aの一対の辺縁部259a、259a間に嵌合する(図11、12参照。尚、図11、12は搬入方向X手前側の位置決めユニット230Bを図示している)。このとき、切欠部258aの入口部である一対の開口縁部260a、260aは搬入方向X手前側ほど搬入幅方向Yへ拡がっているため、ピン242aが切欠部258aに対して搬入幅方向Yへ多少ずれていても該一対の開口縁部260a、260aによって受け止められ且つ、マガジン100の搬入幅方向Yへの変位が前記マガジンガイド202、202による規制よりもさら小さくなるように該変位を規制されながら一対の辺縁部259a、259a間に導かれる。
このように、キャスター111を床面203から浮き上がらせた状態でピン242aを切欠部258aに嵌合させることによって、キャスター111によってマガジン100の移動方向が容易に方向転換されることを防止した状態でピン242aを切欠部258aに嵌合させることができる。つまり、ピン242aを切欠部258aの一対の開口縁部260a、260aに沿って一対の辺縁部259a、259a間に円滑に嵌合させることができ、マガジン100の移動方向が所望しない方向へ容易に変換されることを防止することができる。ここで、リフトローラ255aは、搬入方向Xに回動可能に支持されているため、キャスター111が床面203から浮き上がった状態であっても、マガジン100を搬入方向Xへ容易かつ円滑に搬入することができる。
こうして、奥側のマガジン側位置決め部材240Aは、奥側の本体側位置決め部材250Aと係合して、マガジン100の位置決めが行われる。
また、搬入方向X手前側においても同様に、手前側のマガジン側位置決め部材240Bと手前側の本体側位置決め部材250Bとが係合して、マガジン100の位置決めが行われる。
ただし、乗り上げブロック241a、241bのリフトローラ255a、255bへの乗り上げ動作については、奥側の乗り上げブロック241aの方が手前側の乗り上げブロック241bよりも若干早くリフトローラ255a(255b)に乗り上げるように構成されている。こうすることで、乗り上げブロック241a、241bを1個ずつ乗り上げさせることができ、乗り上げブロック241a、241bをリフトローラ255a、255bへ乗り上げさせるときの作業者の労力を分散させて、乗り上げ動作を容易に行わせることができる。
次に、マガジン側位置決め部材240A、240B及び本体側位置決め部材250A、250Bの床面203からの高さについて図7を用いて詳しく説明する。
前記本体側位置決め部材250A、250Bについては、奥側の本体側位置決め部材250Aの方が手前側の本体側位置決め部材250Bよりも床面203からの高さ(以下、単に高さともいう)が高くなっている。すなわち、奥側のリフトローラ255aの高さHa1の方が手前側のリフトローラ255bの高さHb1よりも高くなっており、また、奥側の位置決めガイド257aの高さHa2の方が手前側の位置決めガイド257bの高さHb2よりも高くなっている。
これに合わせて、前記マガジン側位置決め部材240A、240Bについても、キャスター111、111、…が床面203に接地している状態において、奥側のマガジン側位置決め部材240Aの方が手前側のマガジン側位置決め部材240Bよりも床面203からの高さが高くなっている。すなわち、奥側の乗り上げ面243aの高さha1の方が手前側の乗り上げ面243bの高さhb1よりも高くなっており、また、奥側のピン242aの高さha2の方が手前側のピン242bの高さhb2よりも高くなっている。
さらに、マガジン100を装着位置まで搬入するときに互いにすれ違う、手前側の本体側位置決め部材250Bと奥側のマガジン側位置決め部材240Aとの高さについては、奥側のマガジン側位置決め部材240Aの方が手前側の本体側位置決め部材250Bよりも床面203からの高さが高くなっている。すなわち、奥側の乗り上げ面243aの高さha1の方が手前側のリフトローラ255bの高さHb1よりも高くなっており、また、奥側のピン242aの高さha2の方が手前側の位置決めガイド257bの高さHb2よりも高くなっている。
このように、奥側のマガジン側位置決め部材240Aの高さを手前側の本体側位置決め部材250Bより高くすることによって、図13に示すように、マガジン100がマガジン収容部200へ搬入され始めるときに、マガジン100の奥側に設けられた乗り上げブロック241a及びピン242aが床面203の手前側に設けられたリフトローラ255b及び切欠部258bに乗り上げたり、嵌合したりすることがなく、奥側のマガジン側位置決め部材240Aは手前側の本体側位置決め部材250Bの上方を素通りすることができる。
そして、奥側の本体側位置決め部材250Aは、奥側のマガジン側位置決め部材240Aに対応させて、手前側の本体側位置決め部材250Bよりも床面203からの高さが高く設定されているため、手前側の本体側位置決め部材250Bの上方を通過した奥側のマガジン側位置決め部材240Aは、装着位置において該奥側の本体側位置決め部材250Aと係合するようになっている。それと略同時に、手前側のマガジン側位置決め部材240Bが手前側の本体側位置決め部材250Bと係合する。
その結果、マガジン100が搬入方向Xに沿ってマガジン収容部200へ搬入されて装着位置に装着されるときに、マガジン側位置決め部材240A、240Bが、それぞれ対応していない本体側位置決め部材250B、250Aと干渉することが防止され、それぞれ対応する本体側位置決め部材250A、250Bと係合し、マガジン100が装着位置において容易且つ円滑に位置決めされる。
<マガジンダンパーユニットの構成>
図14は、マガジンダンパーユニットの構成を示す平面図であり、マガジンダンパーユニットが作動する前の状態を示している。
前記マガジンダンパーユニット300は、マガジン100の搬入速度を減速させてマガジン100と装置本体との衝撃力を緩和する機能とマガジン100を搬入方向Xへ押圧することでマガジン100の当接部材118をマガジン収容部200内に設けられた突出ピン204に押し付けてマガジン100の搬入方向Xへの位置決めを行う機能を有するものである。このマガジンダンパーユニット300は、マガジン100のダンパー係合ピン117に係合する係合部材301とこの係合部材301に連結されたショックアブソーバ302とを備えている。
前記係合部材301は、マガジン収容部200の床面203に設置される設置ブラケット303と該設置ブラケット303に取り付けられたカバーブラケット304との間に挟まれた状態で且つ回転中心となる回転軸305を介して回転自在に該カバーブラケット304に対して取り付けられている。
前記係合部材301の係合側先端は、マガジン100のダンパー係合ピン117に当接する当接突起部301aと、ダンパー係合ピン117を保持する保持突起部301bとが形成されている。
具体的に、マガジン100をマガジン収容部200に収納していくと、マガジン100のダンパー係合ピン117は係合部材301の当接突起部301aに最初に当接し、そのまま回転軸305を中心に回転していき、係合部材301が所定角度回転した後は、保持突起部301bがダンパー係合ピン117に係合してマガジン100を保持するようになっている。
前記係合部材301の後端部には、連結軸306を介してショックアブソーバ302の一端が回動自在に連結されている。
前記ショックアブソーバ302は係合部材301の後端部を押圧するものであり、ショックアブソーバ302の他端は支点軸307を介して設置ブラケット303に回動自在に取り付けられている。また、連結軸306の下端部は、回転軸305を中心として設置ブラケット303にあけられた円弧状のガイド孔308に嵌合されている。
前記ショックアブソーバ302は、マガジン100のダンパー係合ピン117と係合部材301との係合状態に応じて、係合部材301の回転方向を変化させるように機能している。この点について、図14〜図16を用いて説明する。
図14は、マガジン100のダンパー係合ピン117が係合部材301の当接突起部301aに当接した状態を示している。この状態では、係合部材301の係合側先端が搬入方向Xの手前側を向いているため、ショックアブソーバ302は係合部材301をその係合側先端が搬入方向Xの手前側へ(図14において時計回りに)回転するように押圧している。これにより、係合部材301の、その係合側先端が搬入方向Xの奥側へ(図14において反時計回り)変位する方向への回転を許容しつつマガジン100の搬入速度を減速させることで、マガジン100搬入時の衝撃力を緩和することができるようになっている。
図15は、マガジンダンパーユニット300におけるマガジン100の搬入速度を減速させる機能と、マガジン100を搬入方向Xの奥側に押し付ける機能とが切り替わる係合部材301の角度を示している。具体的には、支点軸307の軸中心と連結軸306の軸中心とを結ぶショックアブソーバ302の軸線L1と、連結軸306の軸中心と回転軸305の軸中心とを結ぶ係合部材301の軸線L2とが一直線状になっている。この状態では、係合部材301は係合側先端の当接突起部301aと保持突起部301bとでマガジン100のダンパー係合ピン117を挟み込んでおり、ショックアブソーバ302の押圧力は係合部材301の回転に寄与せず、両者が均衡した状態となっている。
図16は、マガジン100を位置決めした状態を示す図である。この状態では、係合部材301の係合側先端が搬入方向Xの奥側を向いているため、ショックアブソーバ302は係合部材301をその係合側先端が搬入方向Xの奥側へ(図16において反時計回りに)回転するように押圧している。これにより、ショックアブソーバ302は、マガジン100の当接部材118をマガジン収容部200内に設けられた突出ピン204に押し付けて、装着位置に装着されたマガジン100の搬入方向Xへの位置決めを行っている。
このように構成された画像形成装置Aによれば、上記マガジン100の底面にキャスター111、111、…を設けることによって、マガジン100を容易に運搬することができる。その結果、マガジン100が重くても、該マガジン100を装置本体のマガジン収容部200まで容易に搬入することができる。
このようにキャスター111、111、…によりマガジン100を自在に運搬できるように構成すると、マガジン100を運搬する作業者の力加減でマガジン100の進行方向は容易に方向転換される。つまり、このマガジン100をガイド等で案内することなくマガジン収容部200内の装着位置に装着させようとすると、マガジン100を装着位置に位置合わせする際に作業者は微妙な力加減を要するため、装着位置に正確に装着することが難しくなる。そこで、前記実施形態では、一対のマガジンガイド202、202により装着位置へ搬入されるマガジン100の搬入幅方向Yへの変位を所定の範囲で規制すると共に、マガジン100が装着位置に装着されるときには、切欠部258a(258b)の一対の開口縁部260a、260a(260b、260b)によってマガジン100の搬入幅方向Yへの変位を前記所定の範囲よりもさらに厳しく規制しながら、マガジン100に設けられたピン242a(242b)を本体側位置決め部材250A(250B)の一対の辺縁部259a、259a(259b、259b)間に円滑に嵌合させることによって、マガジン100を装着位置に容易に装着させると共に容易に位置決めすることができる。
このとき、一対のマガジンガイド202、202は、マガジン100が搬入幅方向Yへ所定の範囲で変位できる程度に搬入幅方向Yへの変位を規制することによって、マガジン100が装着位置に接近するまでは、搬入幅方向Yへ多少の余裕を持った状態で搬送されるため、搬入されるマガジン100が一対のマガジンガイド202、202に引っ掛かることを防止して、マガジン100を装着位置近傍まで円滑に搬入することができる。
また、マガジン100は、前記一対のマガジンガイド202、202により搬入幅方向Yへ所定の範囲内で変位が許容された状態で装着位置まで搬入されるため、ピン242aが一対の辺縁部259a、259aに対して搬入幅方向Yへ多少ずれた状態で搬入されてくる可能性があるが、かかる場合であっても、切欠部258aの一対の開口縁部260a、260aは、搬入方向Xの手前側ほど搬入幅方向Yへ拡がって形成されているため、該ピン242aを一対の開口縁部260a、260aで確実に受け止めることができ、ピン242aを一対の辺縁部259a、259a間に案内して円滑に嵌合させることができる。
また、前記実施形態では、前記位置決めユニット230A、230Bの2つの位置決めユニットが搬入方向Xへ並んで設けられているため、搬入幅方向Yへの位置決め精度を向上させることができる。
《その他の実施形態》
本発明の構成は、前記実施形態に限定されるものではなく、それ以外の種々の構成を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、位置決めユニット230A、230Bを搬入方向Xにおいて2個設けているがこれに限られず、1個でも、3個以上設けてもよい。ただし、3個以上設ける場合には、各マガジン側位置決め部材及び各本体側位置決め部材の床面203からの高さを、マガジン100が搬入方向Xへ搬入されるときに、対応しない部材同士が干渉することなく、対応する部材同士が係合する高さに設定する必要がある。つまり、各マガジン側位置決め部材及び各本体側位置決め部材の床面203からの高さを、搬入方向Xの手前側から奥側に向かって順に高くなるように且つ、各マガジン側位置決め部材が対応する本体側位置決め部材よりも搬入方向Xの手前側に位置する本体側位置決め部材とは干渉しないように設定する必要がある。こうすることで、マガジン100を搬入方向Xへ搬入して装着位置に装着するときに、対応しないマガジン側位置決め部材と本体側位置決め部材とが干渉することを防止して、対応するマガジン側位置決め部材と本体側位置決め部材とを円滑に係合させることができる。
また、前記実施形態では、位置決めユニット230A、230Bによって、装着位置におけるマガジン100の高さ方向へ位置決めと、搬入幅方向Yへの位置決めを行っているが、これに限られるものではない。すなわち、搬入幅方向Yへの位置決めだけを行うように構成してもよい。
さらに、前記実施形態では、ピン242a、242bが嵌合する被嵌合部として切欠部258a、258bを採用しているがこれに限られるものではない。例えば、この被嵌合部は、位置決めガイド257aの上面において搬入方向Xの手前側端縁から搬入方向Xの奥側に向かって延びるように形成され且つピンが嵌合するだけの深さを有する溝部であってもよい。また、被嵌合部は、図17に示すように、搬入方向Xへ延びる辺縁部263a、263aを有する2つの板状部材262a、262aを互いの辺縁部263a、263aの搬入幅方向Yへの間隔がピン242aが嵌合する間隔に設定して配設されたものであってもよい。かかる場合、一対の辺縁部263a、263aが一対の位置決め部を構成し、ピン242aを一対の辺縁部263a、263aの間に円滑に導くために、一対の辺縁部263a、263aの搬入方向X手前側端部に形成された、手前側ほど搬入幅方向Yへ間隔が拡がっている一対の開口縁部264a、264aが一対の位置決めガイド部を構成する。尚、板状部材262a、262aは、板状部材ではなく棒状部材からなるものであってもよい。
さらに、前記実施形態では、各マガジン側位置決め部材240A(240B)を乗り上げブロック241a(241b)及びピン242a(242b)で構成し、それに対応する各本体側位置決め部材250A(250B)をリフトローラ255a、255a(255b、255b)及び切欠部258a(258b)で構成しているが、これに限られるものではない。例えば、逆に、各マガジン側位置決め部材240A(240B)の一部をリフトローラ255a、255a(255b、255b)で構成し、それに対応する各本体側位置決め部材250A(250B)の一部を乗り上げブロック241a(241b)で構成してもよいし、各マガジン側位置決め部材240A(240B)の一部を切欠部258a(258b)で構成し、それに対応する各本体側位置決め部材250A(250B)の一部をピン242a(242b)で構成してもよい。
また、各本体側位置決め部材250A(250B)のうち、乗り上げブロック241a(241b)に対応して係合する部材は、リフトローラではなく、乗り上げ面243aが乗り上げる受け面部を有する部材であれば任意の部材を採用することができる。例えば、図18に示すように、位置決めガイド257a(257b)で構成することができる。かかる構成では、位置決めガイド257aの上面265aが受け面部を構成し、乗り上げブロック241aの乗り上げ面243aが該上面265aに当接して該上面265a上を摺動することによって乗り上げ面243aが位置決めガイド257aに乗り上げることになる。このとき、位置決めガイド257aの上面265aの搬入方向X手前側端縁部はテーパー形状に加工されて、該上面265aの搬入方向X手前側端部には傾斜面部266aが形成されているため、乗り上げ面243aを該上面265aに円滑に乗り上げさせることができる。さらに、乗り上げ面243aにおいても、搬入方向X奥側端縁部をテーパ加工して、乗り上げ面243aの搬入方向X奥側端部に傾斜面部266aを形成すると共に、傾斜面部267aと乗り上げ面243aの繋ぎ目をR形状に加工することによって、乗り上げ面243aを上面265aへさらに円滑に乗り上げさせることができる。尚、かかる構成の場合、位置決めガイド257a(上面265a)の高さHa2は、マガジン100が搬入方向Xへ搬入されるときに乗り上げブロック241aの乗り上げ面243aが該位置決めガイド257aの上面265a上に乗り上げるように、該乗り上げ面243aの高さha1よりも高く設定されている。また、手前側の位置決めガイド257b(上面265b、図示省略)の高さHb2は、奥側の位置決めガイド257aの高さHa2よりも低くなっていると共に、奥側のピン242aの高さha2及び乗り上げ面243aの高さha1よりも低くなっており、マガジン100がマガジン収容部200へ搬入され始めるときに、マガジン100の奥側に設けられた乗り上げブロック241a及びピン242aが床面203の手前側に設けられた位置決めガイド257bに乗り上げたり、嵌合したりすることがなく、奥側のマガジン側位置決め部材240Aは手前側の本体側位置決め部材250Bの上方を素通りすることができる。
さらに、前記実施形態では、マガジン100をマガジン収容部200に対して搬入方向Xへ搬入するように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、図4における矢印Y方向を搬入方向として、マガジン100を搬入方向Yからマガジン収容部200へ搬入するように構成してもよい。かかる場合、ペーパーロールRは、その軸線が搬入幅方向Xと一致するようにマガジン100内に収納される。また、位置決めユニット230は、搬入方向Yに複数設けられることになり、矢印X方向を搬入幅方向として、マガジン100を搬入幅方向Xへ位置決めすることになる。このように、搬入方向と搬入幅方向とが入れ替わるだけで、他の構成は前記実施形態と同じように構成することができる。尚、矢印Y方向だけでなく、搬入方向は任意の方向に設定することができる。
さらにまた、前記実施形態では、乗り上げ面243aの床面203からの高さha1よりもリフトローラ255aの床面203からの高さHa1の方が高く設定され、マガジン100が上方へ浮き上がりながら、乗り上げブロック241aがリフトローラ255a、255aに乗り上げる構成となっているが、これに限られるものではない。すなわち、乗り上げ面243aの床面203からの高さha1よりもリフトローラ255aの床面203からの高さHa1の方が低く設定されると共に、マガジン収容部200の床面203のうち、マガジン100が装着位置近傍から装着位置まで搬入されるときにキャスター111、111、…が当接する区間は、下方に傾斜又は陥没して形成されており、マガジン100が装着位置に装着されるときには、浮き上がるのではなく、下方へ降下することによって乗り上げブロック241aがリフトローラ255a、255aに乗り上げる構成としてもよい。ただし、搬入方向X奥側のマガジン側位置決め部材240Aが手前側の本体側位置決め部材250B上方を通過するときには、マガジン側位置決め部材240Aと本体側位置決め部材250Bが干渉しないような高さにそれぞれ設定される必要がある。こうすることで、マガジン100搬入時に、対応しないマガジン側位置決め部材240Aと本体側位置決め部材250Bとが干渉することを防止しつつ、それぞれ対応するマガジン側位置決め部材240A、240Bと本体側位置決め部材250A、250Bとを係合させることができる。また、乗り上げブロック241aがリフトローラ255a、255aに乗り上げ且つ、ピン242aが切欠部258aに嵌合されるときにはキャスター111、111、…が床面203と接触していない必要がある。こうすることで、キャスター111、111、…の影響をなくした状態で、ピン242aを嵌合部258aに円滑に嵌合させることができる。
また、前記実施形態では、画像記録部としてレーザー光を用いる露光エンジンについて説明したが、この限りではなく、例えば、液晶シャッターを用いた画像露光や、インクジェットプリンタであってもよい。したがって、画像形成媒体についても、写真感光材料だけでなく、それ以外の材料からなるペーパーであってもよい。
尚、前記実施形態では、マガジン100の搬入方向は、図4等に示すように、装置本体に対して矢印X方向で示されているが、これに限られるものではない。例えば、X方向と比べて斜めの方向から搬入されたり、搬入途中に円弧を描くように搬入される構成であってもよい。要するに、マガジン100の搬入方向は、マガジン100が搬入される軌跡に沿った方向を意味し、マガジン100の搬入方向が途中で屈曲したり、湾曲したりするような場合は、その屈曲したり湾曲したりする軌跡に沿った方向が搬入方向となる。そして、かかる搬入方向に対して直交し且つ床面203と平行な方向である搬入幅方向へのマガジン100の変位をマガジンガイド202、202で規制し、さらに、一対の開口縁部260a、260a(260b、260b)で装着位置近傍における搬入幅方向へのマガジン100の変位を規制して、最終的に、一対の辺縁部259a、259a(259b、259b)で装着されるときの搬入幅方向へ位置決めする構成であればよい。