JP4815748B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4815748B2
JP4815748B2 JP2004079891A JP2004079891A JP4815748B2 JP 4815748 B2 JP4815748 B2 JP 4815748B2 JP 2004079891 A JP2004079891 A JP 2004079891A JP 2004079891 A JP2004079891 A JP 2004079891A JP 4815748 B2 JP4815748 B2 JP 4815748B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alkali metal
polyarylene sulfide
sulfide
pas
pps
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004079891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005264018A (ja
Inventor
雅治 植田
誠 花谷
裕二 竹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP2004079891A priority Critical patent/JP4815748B2/ja
Publication of JP2005264018A publication Critical patent/JP2005264018A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4815748B2 publication Critical patent/JP4815748B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィドの製造方法に関するものであり、より詳細には色調に優れたポリアリーレンスルフィドを製造する方法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと記す。)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、PASと記す。)は、耐熱性、成形加工性、耐薬品性、難燃性、寸法安定性等に優れる樹脂であり、近年、電気・電子機器部品、自動車機器部品、化学機器部品用等の材料として広く利用されてきている。これらPASは、通常、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと記す。)等の極性有機溶媒中でジクロロベンゼン等のポリハロゲン化芳香族化合物と硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物との重合反応を行うことにより製造されている。しかし、この様に製造されたPASは、溶融成形時の加熱により着色が起こり易く、得られる成形品の色調に課題があった。
そこで、色調に優れたPAS成形品を得るために着色を低減するための方法として、1)酸化チタンなどの白色顔料とエポキシ樹脂をPPSに混入する方法(例えば特許文献1参照。)、2)PASに有機リン化合物を添加した組成物とする方法(例えば特許文献2,3参照。)、3)亜鉛化合物をPASの重合系に加える白度の高いPASの製造方法(例えば特許文献4参照)、等の方法が提案されている。
特開昭60−008359号公報
特開平03−028267号公報 特開平03−028268号公報 特許第3269511号公報
しかし、特許文献1,2,3に提案の方法においては、酸化チタンや有機リン化合物がPAS、PPSの機械的特性の低下を招く、耐熱温度の低いエポキシ樹脂や有機リン化合物が成形加工時の分解ガスの発生原因となる、等の課題があった。また、特許文献4に提案の方法においては、重合反応中に亜鉛化合物を添加するため、該亜鉛化合物が重合反応を阻害する可能性があるとともに、高圧条件で運転中の重合反応装置に亜鉛化合物を圧入するための特別な装置を必要とする、等の課題があった。
そこで、本発明は、PASの有する機械的特性等の低下を招くことなく色調に優れたPASを製造する方法を提供することを目的・効果とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、少なくともアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物との重合反応開始工程からPASの回収工程におけるPAS中の副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量が特定の残存量となるまでの間の全ての工程を特定の雰囲気下で行いPASを回収することにより、PASの有する機械的特性等の低下を招くことなく色調に優れたPASを製造することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、極性有機溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物とを重合しPASを製造する方法において、少なくともアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物との重合反応開始工程からPASの回収工程におけるPAS中に含有される副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量がPASに対して10重量%以下となるまでの間の全ての工程を酸化性ガス濃度が5体積%未満となる雰囲気下で行うことを特徴とするPASの製造方法に関するものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において、PASを製造する方法としては、極性有機溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物とを重合する製造方法であれば如何なる方法を用いることも可能であり、例えば特公昭45−3368号公報に記載の有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造する方法、特公昭52−12240号公報に記載のアルカリ金属カルボン酸塩を使用する方法、米国特許第4038263号公報に記載のハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法、特公昭63−33775号公報に記載の異なる水の存在量下、多段階反応を使用する方法、等が挙げられ、基本的なPASの製造方法としては、例えば1)極性有機溶媒中でアルカリ金属硫化物の脱水を行う工程、2)1)工程の後、ポリハロゲン化芳香族化合物を添加し重合反応を行い重合体スラリーを得る工程、3)2)工程により得られた重合体スラリーを固液分離により極性有機溶媒とPASを主体とする固形分に分離し、PASを回収する工程、4)3)工程により得られたPASに含有する副生ハロゲン化アルカリ金属塩を除去する工程、5)4)工程により得られたPASを乾燥回収する工程、等の工程からなる方法を挙げることができる。
本発明において用いられる極性有機溶媒としては、極性有機溶媒の範疇に属するものであれば如何なるものも用いることが可能であり、例えばNMP、N−メチルシクロヘキシル−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等を挙げることができ、その中でも特に高分子量で機械的特性に優れるPASがより容易に得られることからNMPが好ましい。
本発明において用いられるアルカリ金属硫化物としては、アルカリ金属硫化物の範疇に属するものであれば如何なるものを用いることも可能であり、例えば無水硫化ナトリウム,2.8水塩硫化ナトリウム,5水塩硫化ナトリウム等の硫化ナトリウム、硫化リチウム、硫化ルビジュウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素リチウム等を挙げることができ、その中でも特に高分子量で機械的特性に優れるPASがより容易に得られることから硫化ナトリウム、硫化リチウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素リチウムが好ましい。そして、硫化水素ナトリウム、硫化水素リチウム等の硫化水素化物は、水酸化アルカリ金属塩と併用することにより硫化アルカリ金属塩とし用いることも可能である。
本発明において用いられるポリハロゲン化芳香族化合物としては、ポリハロゲン化芳香族化合物の範疇に属するものであれば如何なる化合物を用いることも可能であり、例えばp−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、p,p’−ジクロロジフェニル、p,p’−ジブロモジフェニル、2,6−ジクロロナフタレン、2,6−ジブロモナフタレン、1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等を挙げることができ、その中でも特に高分子量で機械的特性に優れるPASがより容易に得られることからp−ジクロロベンゼンが好ましい。そして、さらに高分子量のPASとするために1,3,5−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンを併用することも可能である。
本発明の製造方法は、得られるPASが機械的特性等の低下を招くことなく色調に優れたPASとなることから、少なくともアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物との重合反応開始工程からPASの回収工程におけるPAS中に含有される副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量がPASに対して10重量%以下となるまでの間の全ての工程を酸化性ガス濃度が5体積%未満となる雰囲気下で行うものである。ここで、酸化性ガス濃度が5体積%以上である場合、又は、PAS中に含有される副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量がPASに対して10重量%以下となる前に酸化性ガス濃度を5体積%以上とした場合、得られるPASは色調に劣るものとなる。なお、本発明でいう少なくともアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物との重合反応開始工程からPASの回収工程におけるPAS中に含有される副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量がPASに対して10重量%以下となるまでの間の全ての工程とは、例えば上記したPASの製造工程の2)工程〜4)工程でPAS中に含有される副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量がPASに対して10重量%以下となるまでの工程であり、さらに該工程間に属するものであれば付加的工程を付随したものであってもよい。
ここで、副生ハロゲン化アルカリ金属塩とはPASの製造の際に発生するハロゲン化アルカリ金属塩であり、例えば塩化ナトリウム、塩化リチウム、臭化ナトリウム、臭化リチウム等が挙げられる。また、酸化性ガスとは、例えば酸素、オゾン等が挙げられ、酸化性ガス濃度5体積%未満の雰囲気としては、窒素、ヘリウム及び/又はアルゴンの雰囲気を挙げることができる。
回収されたPASより副生ハロゲン化アルカリ金属塩の除去を行う方法としては、副生ハロゲン化アルカリ金属塩の除去が可能である限りにおいて如何なる方法を用いることも可能であり、例えばハロゲン化アルカリ金属塩を溶解する溶剤により副生ハロゲン化アルカリ金属塩を含有するPASを洗浄する方法、副生ハロゲン化アルカリ金属塩を篩別により除去する方法、等を挙げることができる。
この際のハロゲン化アルカリ金属塩を溶解する溶剤としては、PASを分解する作用などを有しないものであれば特に制限はなく、例えば水、アルコール類あるいはその混合溶剤を挙げることができ、水はとしては、蒸留水、脱イオン水であることが好ましく、また、水には必要に応じてギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、アクリル酸、クロトン酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸などの有機酸性化合物又はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩;硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪酸などの無機酸性化合物;アンモニウムイオンなどを含有する水溶液として用いてもよい。アルコール類としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
また、副生ハロゲン化アルカリ金属塩を篩別する方法として、特公昭63−33775号公報には、粒径100μm以上の顆粒状PASと粒径数10μmの微結晶として析出したハロゲン化アルカリ金属塩からなる重合体スラリーよりハロゲン化アルカリ金属塩と顆粒状PASを篩別することにより副生ハロゲン化アルカリ金属塩を除去する方法が提案されている。
本発明の製造方法においては、極性有機溶媒の回収効率を高くすることが可能となることから、副生ハロゲン化アルカリ金属塩の除去を行う前に、予め重合反応終了後の重合体スラリーの固液分離を行い極性有機溶媒の回収を行っておくことが好ましい。なお、この際の重合体スラリーの固液分離は、例えば濾過分離、沈降分離等の操作により行うことが可能であり、濾過分離を行う際の装置としては、通常の濾過分離装置を使用することができ、例えば遠心濾過分離機,振動篩,ベルトフィルター等が挙げられる。また、沈降分離を行う際の装置としては、通常の沈降分離装置を使用することができ、例えば遠心沈降分離機、静置槽等が挙げられる。そして、PASの重合体スラリーを固液分離する際の温度としては、効率よく固液分離を行うことが可能となることから常温以上220℃以下で行うことが好ましい。
本発明においては、特に高分子量で色調に優れたPASを得ることが可能となることから、極性有機溶媒中でのアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物との重合反応を少なくとも重合反応液の接触部がチタンで構成されている反応装置を用いて行うことが好ましい。
本発明において、副生ハロゲン化アルカリ金属塩を除去したPASは、常法に従って処理することによりPASとして回収することができ、その方法としては、例えば極性有機溶媒を含むPASを不活性ガス雰囲気中及び/又は減圧条件下、好ましくは150〜250℃の温度で、好ましくは5分〜24時間加熱することにより極性有機溶媒を留去し、その後水洗浄・濾過を数回繰り返した後、乾燥してPASを回収する方法、また、PASを水洗浄・濾過を数回繰り返した後、乾燥してPASを回収する方法、さらに、アルコール類、ケトン類、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、エステル類、ハロゲン系有機溶剤等の有機溶剤により、PAS中に残留する極性有機溶媒を置換した後、水洗浄・濾過を数回繰り返し、その後、乾燥してPASを回収する方法、等を挙げることができる。
本発明の製造方法により得られるPASは、溶融成形時に着色が起こり難く、色調に優れたものとなる。
本発明の製造方法により得られるPASは、慣用の添加剤を配合し各種用途に用いることも可能であり、該添加剤としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカー等の繊維状充填剤;炭酸カルシウム、マイカ、タルク、シリカ、カオリン等の無機充填剤;ワックス等の離型剤;シラン系やチタネート系のカップリング剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;結晶核剤;着色剤;ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂、等を挙げることができる。
本発明の製造方法によれば、溶融加工時に着色が起こり難く、色調に優れ、PASの有する機械的特性を保持したPASを得ることが可能となる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
〜色相の評価〜
得られたPPSをホットプレスにより320℃で90秒間予熱した後、320℃で90秒間、続けて130℃で90秒間、30kg/cmの圧力で加圧成形し、50mm×30mm×2mm厚の板状プレートとした。
そして、色彩色差計(スガ試験機株式会社製、商品名SMカラーコンピューター)を用い、該板状プレートの明度(L値)を測定した。該明度(L値)をPPSの色相の評価とした。
調製例1
チタン製のオートクレーブにNMP3232g、47.6%硫化水素ナトリウム水溶液1661g(14.12モル)及び48.9%水酸化ナトリウム水溶液1121g(13.70モル)を仕込み、窒素ガスで置換(酸素濃度0.1体積%未満)後、水、硫化水素の溜出を行いながら徐々に200℃まで昇温した。その際に水1321g、硫化水素0.56モルが溜出した。
次いで、170℃まで冷却した後、p−ジクロロベンゼン2118g及びNMP1783gを加えたところ内温は140℃に低下した。その後、225℃まで昇温させて1時間重合反応を行い、続けて250℃まで昇温して2時間重合反応を行った。更に、250℃で水407gを圧入し、再度255℃まで昇温して5時間重合反応を行った。
重合反応終了後、冷却を行い得られたPPSスラリーを窒素置換したポリタンクに移送し、窒素ボックス内で保存した。なお、移送後のポリタンク内の酸素濃度は0.1体積%未満であった。
なお、該PPSスラリー中のPPSと副生塩である塩化ナトリウムの割合は、PPSスラリー全量に対して、それぞれ15.0wt%と17.1wt%であった。
調製例2
SUS316製内筒を有するオートクレーブにNMP114g、47.0%硫化水素ナトリウム水溶液59.6g(0.50モル)及び48.0%水酸化ナトリウム水溶液40.8g(0.49モル)を仕込み、窒素ガスで置換(酸素濃度0.1体積%未満)後、水、硫化水素の溜出を行いながら徐々に200℃まで昇温した。その際に水50.5g、硫化水素0.01モルが溜出した。
次いで、150℃まで冷却し、p−ジクロロベンゼン73.5g及びNMP63.1gを添加した。その後、225℃まで昇温させて1時間重合反応を行い、続けて250℃まで昇温して2時間重合反応を行った。更に、250℃で水19.0gを圧入し、再度255℃まで昇温して5時間重合重反応を行った。
重合終了後、冷却を行い得られたPPSスラリーを窒素置換したガラス容器に移してそのまま保存した。なお、移送後のガラス容器内の酸素濃度は0.1体積%未満であった。
なお、該PPSスラリー中のPPSと副生塩である塩化ナトリウムの割合は、PPSスラリー全量に対して、それぞれ14.8wt%と16.9wt%であった。
実施例1
調製例1で得られたPPSスラリー250gをポリプロピレン製の遠心沈降用内管に分取し、室温下、遠心力300Gで40秒間の遠心沈降操作を行った後、固液分離された上澄み液を廃棄し残ったPPSを含有する沈降ケーキ156gを回収した(分離操作1)。次に、この沈降ケーキにNMP94gを加え分離操作1と同じ遠心沈降操作で固液分離を行いPPSを含有する沈降ケーキ150gを回収した(分離操作2)。さらに、この沈降ケーキにアセトン197gを加えて分離操作1と同じ遠心沈降操作で固液分離を3回繰り返して行いPPSを含有する沈降ケーキ120gを回収した(分離操作3)。そして、この沈降ケーキに蒸留水280gと35%塩酸1.4gを加え室温下で30分間撹拌した後、ガラスフィルターで吸引濾過操作を行いPPSを含有する分離ケーキ52gを回収した(分離操作4)。なお、該分離操作4によって副生塩である塩化ナトリウムの除去を行った。
ここで、分離操作1〜4は、酸素濃度0.1体積%未満に制御した窒素ボックス内で実施した。また、分離操作4で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して6.4wt%であった。
次いで、得られたPPSを80℃の蒸留水で5回洗浄した後、110℃で5時間乾燥を行いPPS36gを得た。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は85であった。
実施例2
調製例1で得られたPPSスラリー250gを目開き250ミクロンの篩を用い、室温下、篩分けによる固液分離操作を行いPPSを含有する分離ケーキ112gを回収した(分離操作1)。次に、この分離ケーキにNMP49gを加え分離操作1と同じ篩分けによる固液分離操作を行いPPSを含有する分離ケーキ87gを回収した(分離操作2)。
ここで、分離操作1及び2は、酸素濃度0.1体積%未満に制御した窒素ボックス内で実施した。また、分離操作1及び2によって、篩下に副生塩の塩化ナトリウムが除去できており、分離操作2で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して9.2wt%であった。
次いで、得られた分離ケーキを空気中に取り出しアセトン82gを加えて、ポリプロピレン製の遠心沈降用内管に分取し、室温下、遠心力300Gで40秒間の遠心沈降操作を行った後、固液分離された上澄み液を廃棄し残ったPPSを含有する沈降ケーキを回収する一連の操作を3回繰り返して行いPPSを含有する沈降ケーキ49gを回収した(分離操作3)。さらに、この沈降ケーキに蒸留水316gと35%塩酸0.34gを加え室温下で30分間撹拌した後、ガラスフィルターで吸引濾過操作を行いPPSを含有する分離ケーキ56gを回収した(分離操作4)。そして、この分離ケーキを80℃の蒸留水で5回洗浄した後、110℃で5時間乾燥を行いPPS36gを得た。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は84であった。
実施例3
分離操作1〜4における酸素濃度0.1体積%未満を酸素濃度3.5体積%とした以外は、実施例1と同様にしてPPSの回収操作を行った。なお、分離操作4で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して6.4wt%であった。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は83であった。
実施例4
分離操作4で35%塩酸を加えることなく蒸留水のみで塩化ナトリウムの除去を行ったこと以外は、実施例1と同様にしてPPSの回収操作を行った。なお、分離操作4で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して6.3wt%であった。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は86であった。
比較例1
分離操作1〜4における酸素濃度0.1体積%未満を空気中(酸素濃度21体積%)とした以外は、実施例1と同様にしてPPSの回収操作を行った。なお、分離操作4で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して6.4wt%であった。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は71と色相に劣るものであった。
比較例2
分離操作1、2における酸素濃度0.1体積%未満を空気中(酸素濃度21体積%)とした以外は、実施例2と同様にしてPPSの回収操作を行った。なお、分離操作2で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して9.2wt%であった。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は71と色相に劣るものであった。
比較例3
分離操作4における酸素濃度0.1体積%未満を空気中(酸素濃度21体積%)とした以外は、実施例1と同様にしてPPSの回収操作を行った。なお、分離操作3で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して46.7wt%であり、分離操作4で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して6.3wt%であった。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は72と色相に劣るものであった。
比較例4
分離操作4における蒸留水の量280gを135gとしたこと以外は、実施例1と同様にしてPPSの回収操作を行った。なお、分離操作4で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して25.3wt%であった。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は69と色相に劣るものであった。
比較例5
調整例1により得られたPPSスラリーを調製例2で得られたPPSスラリーとした以外は、比較例1と同様にしてPPSの回収操作を行った。なお、分離操作4で回収したPPS中の塩化ナトリウム残存量は、PPSに対して6.5wt%であった。
このようにして得られたPPSを成型したプレートの明度は53と色相に劣るものであった。
Figure 0004815748

Claims (5)

  1. 極性有機溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物とを重合しポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、少なくともアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物との重合反応開始工程からポリアリーレンスルフィドの回収工程におけるポリアリーレンスルフィド中に含有される副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量がポリアリーレンスルフィドに対して10重量%以下となるまでの間の全ての工程を酸化性ガス濃度が5体積%未満となる雰囲気下で行うことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  2. 少なくともアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物との重合反応開始工程からポリアリーレンスルフィドの回収工程におけるポリアリーレンスルフィド中に含有される副生ハロゲン化アルカリ金属塩残存量がポリアリーレンスルフィドに対して10重量%以下となるまでの間の全ての工程を窒素、ヘリウム及び/又はアルゴンの雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  3. ハロゲン化アルカリ金属塩が溶解する溶剤を用いて洗浄し、副生ハロゲン化アルカリ金属塩の除去を行うことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  4. 予め重合反応終了後の重合体スラリーを固液分離し液分として極性有機溶媒を分離した後、固形分のポリアリーレンスルフィドより残存する副生ハロゲン化アルカリ金属塩の除去を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
  5. 極性有機溶媒中でアルカリ金属硫化物とポリハロゲン化芳香族化合物とを重合しポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、重合反応を少なくとも重合反応液の接触部がチタンで構成されている反応装置を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
JP2004079891A 2004-03-19 2004-03-19 ポリアリーレンスルフィドの製造方法 Expired - Fee Related JP4815748B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004079891A JP4815748B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004079891A JP4815748B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005264018A JP2005264018A (ja) 2005-09-29
JP4815748B2 true JP4815748B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=35088892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004079891A Expired - Fee Related JP4815748B2 (ja) 2004-03-19 2004-03-19 ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4815748B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4893436B2 (ja) * 2007-04-12 2012-03-07 東ソー株式会社 ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6153671B2 (ja) 2014-09-22 2017-06-28 株式会社クレハ 供給管を備えるポリアリーレンスルフィドの製造装置
JP6456742B2 (ja) * 2015-03-26 2019-01-23 株式会社クレハ 微粉ポリアリーレンスルフィドを製造する製造方法及び微粉ポリアリーレンスルフィド

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62149725A (ja) * 1985-12-18 1987-07-03 Kureha Chem Ind Co Ltd 高分子量ポリアリ−レンスルフイドの製造法
JPH1045911A (ja) * 1996-07-31 1998-02-17 Dainippon Ink & Chem Inc ポリアリーレンスルフィドの精製方法
JPH1060113A (ja) * 1996-08-19 1998-03-03 Dainippon Ink & Chem Inc ポリアリーレンスルフィドの精製方法
JP3797446B2 (ja) * 1997-01-09 2006-07-19 大日本インキ化学工業株式会社 ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP3680457B2 (ja) * 1996-10-31 2005-08-10 大日本インキ化学工業株式会社 ポリアリーレンスルフィドの製造法
JP4016306B2 (ja) * 1998-11-02 2007-12-05 大日本インキ化学工業株式会社 ポリアリーレンスルフィドの精製方法
JP2000239383A (ja) * 1999-02-22 2000-09-05 Dainippon Ink & Chem Inc ポリアリーレンスルフィドの精製方法
JP2002293934A (ja) * 2001-03-29 2002-10-09 Toray Ind Inc ポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法
JP3882562B2 (ja) * 2001-10-02 2007-02-21 東ソー株式会社 ポリアリーレンスルフィドの回収方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005264018A (ja) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0096384B1 (en) Recovering granular poly(arylene sulfide) particles from a poly (arylene sulfide) reaction mixture
JP4777610B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法
CN107207743B (zh) 制造微粉聚亚芳基硫醚的方法以及微粉聚亚芳基硫醚
JP4310279B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法及び洗浄方法、並びに洗浄に使用した有機溶媒の精製方法
JP4782383B2 (ja) ポリアリーレンスルフィド及びその製造方法
JP4994997B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP3894496B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2000191785A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
WO2006068159A1 (ja) 分岐型ポリアリーレンスルフィド樹脂及びその製造方法、並びにその高分子改質剤としての使用
WO2006068161A1 (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物及びその製造方法
KR20180090886A (ko) 입상 폴리아릴렌 설파이드의 제조 방법, 입상 폴리아릴렌 설파이드의 평균 입자경 증대 방법, 입상 폴리아릴렌 설파이드의 입자 강도 향상 방법, 및 입상 폴리아릴렌 설파이드
JP2017071752A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
JP3882562B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの回収方法
US11661482B2 (en) Separation and purification method of polyarylene sulfide
JP4815748B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP2008201885A (ja) ポリフェニレンスルフィドフィルム
JP6366683B2 (ja) 熱処理微粉ポリアリーレンスルフィド、及び該熱処理微粉ポリアリーレンスルフィドを製造する製造方法
JP2010144085A (ja) ポリフェニレンスルフィドの製造方法
US11597800B2 (en) Separation and recovery method of polyarlene sulfide
JP2005232254A (ja) ポリアリーレンスルフィド樹脂および押出成形品
CN114196017A (zh) 一种聚苯硫醚纯化处理的方法
JP2022161191A (ja) スルフィド化剤およびポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法
JP2020050845A (ja) ポリアリーレンスルフィドの回収方法
CN115335435A (zh) 聚芳撑硫醚及其制造方法
JPH0532781A (ja) 超高分子量ポリアリ−レンスルフイドの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101116

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110815

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4815748

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees