JP2020050845A - ポリアリーレンスルフィドの回収方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ポリアリーレンスルフィドの製造工程において生成される排水に含まれる微粒子状のポリアリーレンスルフィドを効率的に分離し、回収する方法の提供。【解決手段】有機極性溶媒を主成分とし、少なくともポリアリーレンスルフィド微粒子を含む、ポリアリーレンスルフィドの製造工程で生じる排水からポリアリーレンスルフィドを回収する方法であって、前記排水を、[1]昇温し200℃を超え、270℃以下で滞留させる工程、[2]100〜150℃まで冷却し滞留させる工程、[3]固液分離する工程、をこの順に含むことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの回収方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンレンスルフィドの製造工程で発生する排水からポリアリーレンスルフィドを効率的に回収する方法に関するものである。
ポリフェニレンスルフィド(以下PPSと略す)樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下PASと略す)は優れた耐熱性、バリア性、耐薬品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラスチックとしては好適な性質を有しており、射出成形、押出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などに使用されている。
このPASの具体的な製造方法として、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機アミド溶媒中で硫化ナトリウムなどのアルカリ金属硫化物とp−ジクロロベンゼンなどのポリハロ芳香族化合物とを反応させる方法が提案されており、重合後徐冷することにより顆粒状のPASが得られることは既に知られている。この製造方法において、重合時にアルカリ金属ハロゲン化物が多量に副生し、除去工程が必要となる。PASの製造工程において副生されたアルカリ金属ハロゲン化物は、これまで熱水洗浄する方法(例えば特許文献1)や有機溶媒、或いは有機溶媒、水、および酸との混合物で洗浄する方法(例えば特許文献2、3)により除去する方法が提案されている。また、このように洗浄工程を行った際に発生する洗浄排水の処理については、湿式酸化処理(例えば特許文献4)や凝集剤の添加(例えば特許文献5)などを行うことが提案されている。また排水中に含まれる微粉PASを製品とするための回収方法(例えば特許文献6)も提案されている。
特開昭55−156342号公報 特開平4−139215号公報 特開2000−239383号公報 特開2016−121216号公報 特開2003−275773号公報 特開2016−183269号公報
しかしながら、これらの特許文献1〜3に開示された洗浄方法では、多量の洗浄排水が生じ、また、重合で副生する低分子量のPASを主成分とする微粒子状の固形物も洗浄排水に含まれてしまう。洗浄排水の処理については、特許文献4〜6に開示されているが、特許文献5でも挙げられているように、洗浄排水からPASを分離することを阻害する主要な要因のひとつにPASが微細な粒子状物であることがあり、特許文献4〜6に挙げられた方法では、排水から微細なPASを効率よく分離することができなかった。
本発明は、PASの製造工程において生成される排水に含まれる微粒子状のPASを効率的に分離し、回収する方法を見出すことを課題とする。
本発明は上記従来技術の課題を解決するため、以下の構成を有する。
(1)有機極性溶媒を主成分とし、少なくともポリアリーレンスルフィド微粒子を含む、ポリアリーレンスルフィドの製造工程で生じる排水からポリアリーレンスルフィドを回収する方法であって、前記排水を、
工程[1]昇温し200℃を超え、270℃以下で滞留させる工程
工程[2]100〜150℃まで冷却し滞留させる工程
工程[3]固液分離する工程
をこの順に含むことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの回収方法、
(2)前記排水を、200℃を超え270℃以下で滞留させる時間が10分以上2時間以内である前記(1)項に記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法、
(3)前記排水に対し、前記工程[1] 昇温し200℃を超え、270℃以下で滞留させる工程の前に、水分除去およびアルカリ金属塩除去から選択される少なくとも1つの工程を行う、前記(1)項〜(2)項のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法、
(4)前記固液分離する工程において、固液分離を濾過分離で行う前記(1)項〜 (3)項のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法、
(5)前記(1)項〜(4)項のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法により回収したポリアリーレンスルフィドを洗浄し、ポリアリーレンスルフィドを得る、ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
本発明によれば、ポリアリーレンスルフィドの製造工程(精製工程)で生じる、PAS微粒子を含む排水から、PAS粒子を含む固形物を効率的に回収することができる。
ポリアリーレンスルフィドは、通常、N−メチル−2−ピロリドン等の有機極性溶媒中で、少なくとも1種のジハロゲン化芳香族化合物と少なくとも1種のスルフィド化剤を従来公知の条件下で反応させて得られる。スルフィド化剤としては特に限定されず、公知の化合物が挙げられる。例えば、アルカリ金属硫化物または硫化水素である。重合反応後、反応生成物から減圧条件下で溶媒留去あるいは濾過等の適当な方法で脱溶媒して、溶媒回収し、洗浄を行う方法が一般的である。本発明においては、PAS製造工程からPAS微粒子を含む排水が排出されるまでの工程は限定されない。
以下、PASを製造する工程において説明する。
<アルカリ金属硫化物>
PASの製造において、スルフィド化剤として用いられるアルカリ金属硫化物の具体例としては、例えば硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を挙げることができ、なかでも硫化リチウムおよび/または硫化ナトリウムが好ましく、硫化ナトリウムがより好ましく用いられる。これらのアルカリ金属硫化物は、水和物または水性混合物として、あるいは無水物の形で用いることができる。なお、水性混合物とは水溶液、もしくは水溶液と固体成分の混合物、もしくは水と固体成分の混合物のことをさす。一般的に入手できる安価なアルカリ金属硫化物は水和物または水性混合物であるので、このような形態のアルカリ金属硫化物を用いることが好ましい。なお、スルフィド化剤と共に、アルカリ金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属水酸化物を併用することも可能である。アルカリ金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムおよびこれら2種以上の混合物を好ましいものとして挙げることができ、アルカリ土類金属水酸化物の具体例としては、例えば水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムが好ましく用いられる。
<ジハロゲン化芳香族化合物>
PASの製造において、使用されるジハロゲン化芳香族化合物としては、p−ジクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジブロモベンゼン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−3−クロロベンゼンなどのジハロゲン化ベンゼン、及び1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、1−メチル−2,5−ジクロロベンゼン、1,4−ジメチル−2,5−ジクロロベンゼン、1,3−ジメチル−2,5−ジクロロベンゼン、3,5−ジクロロ安息香酸などのハロゲン以外の置換基をも含むジハロゲン化芳香族化合物などを挙げることができる。なかでも、p−ジクロロベンゼンに代表されるp−ジハロゲン化ベンゼンを主成分とするジハロゲン化芳香族化合物が好ましい。特に好ましくは、p−ジクロロベンゼンを80〜100モル%含むものであり、さらに好ましくは90〜100モル%含むものである。
<有機極性溶媒>
PASの製造において用いる有機極性溶媒としては有機アミド溶媒が好ましい。具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどのN−アルキルピロリドン類、N−メチル−ε−カプロラクタム、ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム類、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドなどに代表されるアプロチック有機溶媒、及びこれらの混合物などが、反応の安定性が高いために好ましく使用される。これらのなかでもN−メチル−2−ピロリドンが好ましく用いられる。
<PASの重合条件>
PASの重合条件としては、従来公知の条件であって、本発明を損なわない限り、如何なる重合方法でもよい。重合温度は、特に規定はないが、好ましくは210℃〜300℃であり、より好ましくは220℃〜290℃であり、更に好ましくは225℃〜285℃である。重合時間は、他の反応条件によって広く変化するため特に規定はないが、一般には、0.01〜10時間、好ましくは0.2〜7時間、さらに好ましくは0.5〜5時間の範囲内である。
<PASの回収>
重合反応終了後のPASの回収には、重合溶液を減圧蒸留装置による溶媒蒸発で得るフラッシュ法と、重合溶液を徐冷して粒状となったPASを濾過器、遠心分離等の適当な固液分離装置にて回収されるクエンチ法がある。本発明において、PASの回収方法はどちらかに限定されるものではなく、どちらの回収方法でもよい。しかし、洗浄工程を実施しやすい形態であるクエンチ法において一般的には洗浄排水が多く発生するため、本発明ではクエンチ法による回収において特に効果を発揮するため、好ましい。
<洗浄>
分離回収されたPASには有機極性溶媒や水のほか、副生成物、未反応のモノマーやオリゴマーなどの不純物が含有されている。通常、有機極性溶媒や水による洗浄と濾過が繰り返され、ハロゲン化アルカリ金属や副生成物などが除去されることが好ましい。本発明における洗浄排水はこの洗浄工程において生成されたものである。洗浄排水は、有機極性溶媒を主成分とし、排水全重量を100重量%としたとき、有機極性溶媒を50重量%以上含むのが好ましく、より好ましくは70重量%以上である。
ここから、PASの製造工程におけるPASの洗浄により生じた排水からPASを回収する方法について説明する。排水は、昇温徐冷処理前に、濃縮などにより排水中の水分を除去する工程を追加してもよいし、遠心分離や沈降分離などにより塩化ナトリウムなどのなどのアルカリ金属塩を除去する工程を追加してもよい。アルカリ金属塩としては、主に塩化ナトリウムが挙げられるが、それ以外のアルカリ金属塩が含まれる場合もある。アルカリ金属塩除去工程は、排水中のスラリーが減少するため処理負荷の観点から実施するのが好ましく、また排水中に溶解したアルカリ金属塩も除去するため、水分除去およびアルカリ金属塩除去の両方の工程を実施することがより好ましい。水分除去を行う場合は、排水全重量を100重量%としたとき、水分率を3重量%以下とすることが好ましい。アルカリ金属塩除去を行う場合は、排水全重量を100重量%としたとき、アルカリ金属塩濃度を5重量%以下とすることが好ましい。
(1)昇温
本発明では排水を、200℃を超え270℃以下の範囲まで昇温し、滞留させることが必要である。温度については、排水中に含まれるPASが溶解することが必要であるので、200℃を超え270℃以下の範囲であれば特に限りはない。昇温させるときの雰囲気は、窒素雰囲気下であることが好ましい。
排水の昇温速度は、特に制限はないが、処理効率の観点から1〜10℃/minで昇温することが好ましい。本発明は、排水を200℃を超え270℃以下まで昇温し滞留させるが、滞留時間は10分以上2時間以内であることが好ましい。10分以上滞留することで、充分にPASを溶解させることが可能であり、処理効率の観点から2時間以内とすることが好ましい。
(2)徐冷
工程(1)の後、排水を冷却し100〜150℃で滞留させることが必要である。この温度領域で滞留させることにより、溶解していたPASをより大きい粒径で析出させることができ、後述の固液分離において濾過速度を増加させ、排水の処理効率を大幅に向上させることができる。滞留させる温度は100〜150℃、さらに好ましくは100〜120℃である。多段で滞留時間を設けることも好ましく、さらに0〜50℃℃まで冷却し滞留させることで、粒子の成長時間を持たせ、濾過速度がより増加するので、好ましい。
滞留時間についても、10分以上4時間以内の範囲が好ましく、より好ましくは、30分以上2時間以内、さらに好ましくは30分以上1時間以内である。一般に滞留時間が長い方が、過飽和の解消が進み、PASの結晶の粒子径が増加する傾向であるが、10分以上の範囲においては滞留時間による粒子径への影響は少なく、処理効率の観点から滞留時間は4時間以内で十分である。冷却操作においても窒素雰囲気下であることが好ましい。
また、降温速度は、特に制限はないが、処理効率の観点から0.5℃/min以上が好ましく、急速に冷却し過ぎると粒子径が成長しないため、2.5℃/min以内で冷却することが好ましい。
(3)固液分離
本発明の固液分離工程については、PAS粒子を排水中から回収することを目的とするため、濾過分離、遠心分離、沈降などの方法があるが、好ましくは濾過分離である。分離における温度は特に限定しないが、PASの溶解度が大きくなりやすいため100℃以下であることが好ましい。
<排水から回収したPASの洗浄>
排水から回収したPASは、産廃として廃棄せずにPASとして再利用することも可能である。再利用するためには、PAS中に含まれるPAS以外の物質を除去し、PASを得る必要がある。前記(3)固液分離工程から得られた、PAS粒子を含有するケーク中には、重合反応の副生物、例えばハロゲン化アルカリ金属塩が含まれる。これら副生物の除去を行うため、洗浄を行う。洗浄液としてはPAS重合溶媒として用いた有機極性溶媒、アセトンなどの有機溶媒、酢酸、塩酸または水の少なくとも1つから選ばれる混合物が好ましく、より好ましくは水が用いられる。
PASの洗浄回数は特に限定しないが、洗浄回数に合わせて洗浄液の除去を行う。洗浄液の除去には遠心分離、沈降などがあるが、好ましくは濾過分離である。
<PAS微粒子>
本発明に係る排水から回収したPASは、通常の重合により得られたPASに混合し、用いることが可能である。または、回収したPAS単独でも用いることが可能で、いずれも樹脂組成物(コンパウンド)の原料として用いることができる。回収したPASを含む樹脂組成物は、射出成形、射出圧縮成形、ブロー成形、押出成形などによる各種成形品の製造に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、実施例における濾過速度の測定方法およびPASの平均粒子径の測定方法は以下の通りである。
<濾過速度測定法>
濾過速度評価方法を以下に示す。
装置:直径40mmの加圧濾過器
フィルタ:1μmPTFEメンブレンフィルタ
滴下時間と濾過量およびケークの厚みを測定し、コゼニーカルマン式より整理し、ケーク厚み5mmあたりの理論平均濾過速度より評価を行った。
<PASの平均粒子径測定法>
PASの平均粒子径の測定条件を以下に示す。
装置:日機装マイクロトラックMT3300EX(レーザー回折・散乱式粒子径分布測定装置)
分散液:N−メチル−2−ピロリドン、水
PASの平均粒子径は、スラリー中のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)と水の比が55:45(重量比)になるよう調製したスラリーの測定結果より、PASに由来するピーク径を求め、これを「PASの平均粒子径」とした。なお、「スラリーの平均粒子径」とは、スラリー中に含有するPAS粒子およびPAS粒子以外の粒子(塩化ナトリウムなど)の平均粒子径を表す。
参考例
以下に示す方法で、PASを製造した。反応釜に所定量のN−メチル−2−ピロリドン、水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウム水溶液を仕込み、脱水処理を行った。次いで1.4−ジクロロベンゼン、水を添加して窒素下270℃で重合反応させた。この時点で、釜内の組成は水硫化ナトリウムと水酸化ナトリウムの反応により生じた硫化ナトリウム1モルに対して、1.4−ジクロロベンゼンは1.01モル、N−メチル−2−ピロリドンは3.0モル、水は1.5モルであった。重合溶液を0.4℃/minの冷却速度でPASを析出させた。この液を目開き180μm(80メッシュ)のスクリーンで篩分けし、洗浄工程にてN−メチル−2−ピロリドンを用いて洗浄した後、篩分けによりPASを得た。洗浄の温度は70℃から90℃の範囲内で行った。洗浄工程による排水はN−メチル−2−ピロリドンを71重量%含み、水を7.9重量%、塩化ナトリウムを17重量%、PAS微粒子を1.0重量%含有していた。この洗浄工程による排水を、以下実施例および比較例で使用した。
実施例1
前記排水をオートクレーブに仕込み、240rpmで撹拌させながら5℃/minで常温から250℃まで昇温し、250℃のまま30分間待機した後、1.7℃/minで110℃まで冷却した。更に110℃で60分間待機し、さらに50℃まで1.7℃/minで冷却した。オートクレーブ内の昇温徐冷処理は、全て窒素雰囲気下で行った。
冷却終了後、混合物スラリーを50℃から常温に冷却してからオートクレーブから取り出し、ウォーターバスで90℃に加熱した。このPAS微粒子混合スラリー30.7gを濾過器に仕込み濾過速度を測定した。濾過速度は371kg/m/hであった。このスラリーの平均粒子径は111μmであり、PASの平均粒子径は16.5μmであった。
比較例1
実施例1と同様の前記排水を、ウォーターバスで90℃に加熱し、54.5gを濾過器に仕込み濾過速度を測定した。濾過速度は116kg/m/hであった。このスラリーの平均粒子径は35.8μmであり、PASの平均粒子径は11.0μmであった。
実施例2
実施例1と同様の前記排水をエバポレータに206.9g仕込み、真空(0.1MPa)1時間、80℃に加熱した。留出液は25gであった。エバポレータ内の混合物の水分率は0.64重量%であった。エバポレータ内の混合物を取り出し、一部を実施例1と同様の条件でオートクレーブを用いて昇温徐冷処理を行った。 冷却終了後、混合物スラリーを常温に冷却してからオートクレーブから取り出し、ウォーターバスで90℃に加熱した。この混合物スラリー30.7gを濾過器に仕込み濾過速度を測定した。濾過速度は361.1kg/m/hであった。このスラリーの平均粒子径は27.1μmであり、PASの平均粒子径は31.6μmであった。
実施例3
実施例1と同様の前記排水をエバポレータに403g仕込み、真空(0.1MPa)1時間、80℃で加熱した。留出液は24.1gであった。エバポレータ内の混合物を取り出し、遠心分離機を用いて100rpmで1分間沈降分離した。沈殿物159gを除去し一部を実施例1と同様の条件でオートクレーブにて昇温徐冷処理を行った。オートクレーブに仕込んだ混合物中における水分率は2.71重量%、塩化ナトリウム濃度は3.63重量%、沈殿物における塩化ナトリウム濃度は50.6重量%であった。冷却終了後、混合物スラリーを常温に冷却してからオートクレーブから取り出し、ウォーターバスで90℃に加熱した。この混合物スラリー89.3gを濾過器に仕込み濾過速度を測定した。濾過速度は689kg/m/hであった。このスラリーの平均粒子径は33.6μmであり、PASの平均粒子径は22.0μmであった。
比較例2
実施例1と同様の前記排水を、実施例2と同様にエバポレータで処理を行った。エバポレータ処理後の混合物をウォーターバスで90℃に加熱した。得られた混合物の水分率は0.64重量%であった。混合物54.9gを濾過器に仕込み濾過速度を測定した。濾過速度は48.2kg/m/hであった。このスラリー中に含まれるスラリーの平均粒子径は30.2μmであり、PASの平均粒子径は4.63μmであった。
Figure 2020050845

Claims (5)

  1. 有機極性溶媒を主成分とし、少なくともポリアリーレンスルフィド微粒子を含む、ポリアリーレンスルフィドの製造工程で生じる排水からポリアリーレンスルフィドを回収する方法であって、前記排水を、
    工程[1]昇温し200℃を超え、270℃以下で滞留させる工程
    工程[2]100〜150℃まで冷却し滞留させる工程
    工程[3]固液分離する工程
    をこの順に含むことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  2. 前記排水を、200℃を超え270℃以下で滞留させる時間が10分以上2時間以内である請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  3. 前記排水に対し、前記工程[1] 昇温し200℃を超え、270℃以下で滞留させる工程の前に、水分除去およびアルカリ金属塩除去から選択される少なくとも1つの工程を行う、請求項1〜2のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  4. 前記固液分離する工程において、固液分離を濾過分離で行う請求項1〜3のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリアリーレンスルフィドの回収方法により回収したポリアリーレンスルフィドを洗浄しポリアリーレンスルフィドを得る、ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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