JP3680457B2 - ポリアリーレンスルフィドの製造法 - Google Patents

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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリーレンスルフィドの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィド(以下ではPPSと略すことがある)に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下ではPASと略すことがある)は、耐熱性、成形加工性、耐薬品性、難燃性、寸法安定性等に優れるため、近年、電気・電子機器部品、自動車機器部品、あるいは化学機器部品用等の材料として広く利用されてきている。とりわけ、直鎖状PASと呼ばれている、重合により高分子量化されたPASは、不純物含有量が少なく、色相も良好であり、更には熱安定性に優れているという特徴を有しており、利用価値も高い。
【0003】
該直鎖状PASを製造する方法としては、例えば、重合反応時に重合助剤としてアルカリ金属カルボン酸塩を用いる方法(特公昭52‐12240号公報)、重合反応を二段階で行い、第二段階の反応において積極的に多量の水を添加する方法(特開昭61‐7332号公報)、あるいは重合反応中、反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめる方法(特開平5‐222196号公報)が挙げられる。
【0004】
しかし、これらの方法により得られたPASを射出成形に使用した場合に、成形条件によっては結晶化が不十分になることがある。また、成形サイクルを短縮するためには、PASの結晶化速度が速いこと、即ち、結晶化温度Tc が高いことが必要である。しかし、上記の方法により得られたPASはTc が低く、成形サイクルを短縮できない。
【0005】
結晶化温度Tc を高くする方法として、例えば、特開昭62‐48728号公報には、重合終了後の重合反応混合液から、生成したPASポリマーを分離した後に、該ポリマーをpH2未満の強酸溶液中で処理する方法が開示されている。特開平7‐118389号公報には、有機溶剤:水の重量比が4:1〜1:10の範囲内にあり、濃度0.1〜5.0重量%の有機酸を含有する有機溶剤/水の混合液中で、PASを酸処理する方法が開示されている。しかし、これらの方法はいずれも低いpHの酸溶液中でPASを処理するものであり、酸処理後にPASの溶融粘度が著しく低くなるという欠点があった。また、PASの白色度も十分とは言えなかった。
【0006】
特公平6‐68025号公報には、重合終了後のPASスラリーに無機酸又は有機酸を加え、pH6以下で攪拌洗浄し、濾過、水洗、乾燥する方法が開示されている。該方法は、PAS中のアルカリ金属イオン等の不純物を除去する精製方法に関するものである。しかし、該方法により得られたPASも、上記と同様に処理後のPASの溶融粘度は著しく低く、PASの白色度も十分ではなかった。また、上記いずれの酸処理法においても、得られたPASスラリーを濾別し、水洗濾過を繰返して行うことによりPASを分離している。従って、重合に用いた溶媒の殆どは、水洗濾過によりPASから除去されて濾液中に含まれるため、溶媒の回収が必要となる。該濾液は、水/重合溶媒/副生塩から成るため溶媒の回収は複雑であり、コストがかかる。一方、溶媒の回収を実施しなければ必然的にコスト高になり、これまた経済的ではない。また、PASが微粉末状である場合には、水洗濾過に際して濾過性が低くなり、濾過に長時間を要し、生産性が低いという問題も生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、結晶化速度が速く、かつ白色度が高いばかりではなく、更に、高い機械的強度を兼ね備えたPASを製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
従来、結晶化温度Tc を高めるためには、上記のように比較的低いpH域において、酸処理を施していた。しかし、本発明者らは、下記のようにしてpHが7.0〜11.0の範囲で酸処理を実施すれば、予想に反して、Tc が高いばかりでなく、従来に比較してより白色度が高く、かつ高い機械的強度を有するPASが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、
(1)有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、反応後のポリアリーレンスルフィドのスラリーに酸又は水素塩を、該スラリーのpHが7.0〜11.0となるような量で添加して酸処理し、次いで、スラリーを濾過し、得られた含溶媒濾過ケーキを非酸化性ガス雰囲気下に加熱して溶媒を除去することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造法である。
【0010】
好ましい態様として、
(2)酸又は水素塩を添加した後のポリアリーレンスルフィドのスラリーのpHが7.5〜10.0である上記(1)記載のポリアリーレンスルフィドの製造法、
(3)酸又は水素塩を、仕込アルカリ金属硫化物1モルに対して0.2〜10モル%の量で添加する上記(1)又は(2)記載の方法、
(4)酸又は水素塩を、仕込アルカリ金属硫化物1モルに対して0.5〜6.0モル%の量で添加する上記(1)又は(2)記載の方法、
)含溶媒濾過ケーキの加熱を150〜250℃で行う上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
)含溶媒濾過ケーキの加熱を180〜230℃で行う上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の方法、
)溶媒を除去した後、加熱後の濾過ケーキを水に分散させることにより水洗浄を行う上記()〜()のいずれか一つに記載の方法、
)ポリアリーレンスルフィドの重合反応を、反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめながら行う上記(1)〜()のいずれか一つに記載の方法
を挙げることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の方法において、反応後のPASスラリーに添加される酸又は水素塩の量は、酸又は水素塩添加後のPASスラリーのpHが7.0〜11.0となるような量である。好ましくは該スラリーのpHが7.5〜10.0となるように添加される。該スラリーのpHが7.0未満では、得られたPASの分子量の低下を生じるため好ましくなく、また、PASの白色度の向上を図ることもできない。pHが11.0を超えては、結晶化温度Tc を高めることができず、また、PASの白色度も低い。該酸又は水素塩の添加量は、上記のようにPASスラリーのpHが7.0〜11.0となるような量であればよく、用いられる酸又は水素塩の種類、若しくは反応後のPASスラリーのpH等に依存するが、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対して、上限が好ましくは10モル%、特に好ましくは6.0モル%であり、下限が好ましくは0.2モル%、特に好ましくは0.5モル%である。
【0012】
本発明において使用する酸は、有機酸として、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、モノクロロ酢酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、クロトン酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、フタル酸、サリチル酸等の芳香族カルボン酸、蓚酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、あるいはメタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられ、無機酸として、例えば、塩酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸又はリン酸等が挙げられる。また、水素塩としては、例えば、硫酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等を使用し得る。実機での使用においては、金属部材への腐食が少ない有機酸が好ましい。
【0013】
本発明の方法において、PASスラリーを酸又は水素塩で処理する方法は、好ましくは下記に示す通りである。
【0014】
まず、PAS重合工程で生成したPASスラリーに酸又は水素塩を添加する。この際、酸又は水素塩が液体であるときは、そのまま又は他の溶媒、好ましくは下記において述べるPAS重合時に使用する有機アミド系溶媒(例えばN‐メチルピロリドン)で希釈して添加し、また、酸又は水素塩が固体であるときは、適切な媒体例えば水、上記有機アミド系溶媒等に酸を溶解して添加する。
【0015】
酸処理の温度は、好ましくは常温からPASの重合反応温度までの任意の温度を採ることができるが、特に好ましくは常温〜250℃である。処理温度が、上記下限未満では、本発明の効果を十分に達成できない。酸処理の時間は、処理温度及び処理されるPASの性質等により異なるが、好ましくは5分間〜24時間、特に好ましくは20分間〜3時間である。処理時間が、上記下限未満では、上記と同様に本発明の効果を十分に達成できない。また、圧力については特に制限はなく、該処理は、好ましくは、反応終了後の反応缶中に酸又は水素塩を圧入することにより行われる。
【0016】
また、本発明において、酸又は水素塩を添加する前又は同時に酸の解離を促進する目的でPASスラリーに水を添加することもできる。水の添加量は、仕込みアルカリ金属硫化物1モルに対して、上限が好ましくは100モル%、特に好ましくは60モル%であり、下限が好ましくは1.0モル%、特に好ましくは5モル%である。該水の添加に際しては、PAS重合時に使用する有機アミド系溶媒(例えばN‐メチルピロリドン)に水を混合して添加することができる。
【0017】
本発明においては、上記酸又は水素塩で処理して得られたPASスラリーを濾過した後、得られた含溶媒濾過ケーキを非酸化性ガス雰囲気下に加熱して溶媒を除去することが好ましい。
【0018】
例えば、上記のようにして処理されたPASスラリーを濾過し、溶媒を含むPASケーキを得る。次いで、該PASケーキは、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素等の非酸化性ガス気流中、好ましくは窒素ガス気流中、好ましくは150〜250℃、特に好ましくは180〜230℃の温度で、好ましくは10分間〜24時間、特に好ましくは1〜10時間加熱される。該加熱は、好ましくは200mmHg〜3気圧、より好ましくは400mmHg〜3気圧、特に好ましくは常圧下で行われる。上記の加熱による溶媒除去を行うことにより、従来の水洗浄により溶媒を除去する方法に比べて、水洗浄等の工程を簡略化でき、かつ溶媒の回収率を著しく向上せしめることができるため、生産性が高くコスト的に有利である。
【0019】
このようにして溶媒が除去されたPASに好ましくは、次いで水洗浄を施す。水洗浄は、好ましくは上記加熱後の濾過ケーキを水に分散させることにより行われる。例えば、上記のようにして得られた加熱後のPASケーキを、重量で好ましくは1〜5倍の水中に投入して、好ましくは常温〜90℃で、好ましくは5分間〜10時間攪拌混合した後、濾過する。該攪拌混合及び濾過操作を好ましくは2〜10回繰り返すことにより、PASに付着した溶媒及び副生塩の除去を行って水洗浄を終了する。上記のようにして水洗浄を行うことにより、フィルターケーキに水を注ぐ洗浄方法に比べて少ない水量で効率的な洗浄が可能となる。また、副生塩の除去を容易にするため密閉系で水の沸点以上にまで加熱して水洗を行う加圧水洗を実施することもできる。
【0020】
本発明において、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造する方法は特に制限されない。例えば、特公昭45‐3368号公報に記載の有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造する方法、特公昭52‐12240号公報記載のアルカリ金属カルボン酸塩を使用する方法、米国特許第4038263号明細書に記載のハロゲン化リチウム等の重合助剤を使用する方法、特公昭54‐8719号公報に記載のポリハロ芳香族化合物等の架橋剤を使用する方法、特公昭63‐33775号公報に記載の異なる水の存在量下、多段階反応を使用する方法等が挙げられる。
【0021】
好ましくは、特開平5‐222196号公報に記載された、有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてPASを製造する方法において、反応中に反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめる方法を使用することができる。該方法を使用することにより、比較的溶融粘度V6 の高いPASを製造することができ、従って、引張強度、衝撃強度等の機械的強度の高いPASを得ることができるため好ましい。
【0022】
該方法において、還流される液体は、水とアミド系溶媒の蒸気圧差の故に、液相バルクに比較して水含有率が高い。この水含有率の高い還流液は、反応溶液上部に水含有率の高い層を形成する。その結果、残存のアルカリ金属硫化物(例えばNa2 S)、ハロゲン化アルカリ金属(例えばNaCl)、オリゴマー等が、その層に多く含有されるようになる。従来法においては230℃以上の高温下で、生成したPASとNa2 S等の原料及び副生成物とが均一に混じりあった状態では、高分子量のPASが得られないばかりでなく、せっかく生成したPASの解重合も生じ、チオフェノールの副生成が認められる。しかし、本発明では、反応缶の気相部分を積極的に冷却して、水分に富む還流液を多量に液相上部に戻してやることによって上記の不都合な現象が回避でき、反応を阻害するような因子を真に効率良く除外でき、高分子量PASを得ることができるものと思われる。但し、本発明は上記現象による効果のみにより限定されるものではなく、気相部分を冷却することによって生じる種々の影響によって、高分子量のPASが得られるのである。
【0023】
該方法においては、従来法のように反応の途中で水を添加することを要しない。しかし、水を添加することを全く排除するものではない。但し、水を添加する操作を行えば、本発明の利点のいくつかは失われる。従って、好ましくは、重合反応系内の全水分量は反応の間中一定である。
【0024】
反応缶の気相部分の冷却は、外部冷却でも内部冷却でも可能であり、自体公知の冷却手段により行える。たとえば、反応缶内の上部に設置した内部コイルに冷媒体を流す方法、反応缶外部の上部に巻きつけた外部コイルまたはジャケットに冷媒体を流す方法、反応缶上部に設置したリフラックスコンデンサーを用いる方法、反応缶外部の上部に水をかける又は気体(空気、窒素等)を吹き付ける等の方法が考えられるが、結果的に缶内の還流量を増大させる効果があるものならば、いずれの方法を用いても良い。外気温度が比較的低いなら(たとえば常温)、反応缶上部に従来備えられている保温材を取外すことによって、適切な冷却を行うことも可能である。外部冷却の場合、反応缶壁面で凝縮した水/アミド系溶媒混合物は反応缶壁を伝わって液相の上層に入る。従って、該水分に富む混合物は、液相上部に溜り、そこの水分量を比較的高く保つ。内部冷却の場合には、冷却面で凝縮した混合物が同様に冷却装置表面又は反応缶壁を伝わって液相中に入る。
【0025】
一方、液相バルクの温度は、所定の一定温度に保たれ、あるいは所定の温度プロフィールに従ってコントロールされる。一定温度とする場合、 230〜275 ℃の温度で 0.1〜20時間反応を行うことが好ましい。より好ましくは、 240〜265 ℃の温度で1〜6時間である。より高い分子量のPASを得るには、2段階以上の反応温度プロフィールを用いることが好ましい。この2段階操作を行う場合、第1段階は 195〜240 ℃の温度で行うことが好ましい。温度が低いと反応速度が小さすぎ、実用的ではない。 240℃より高いと反応速度が速すぎて、十分に高分子量なPASが得られないのみならず、副反応速度が著しく増大する。第1段階の終了は、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が1モル%〜40モル%、且つ分子量が 3,000〜20,000の範囲内の時点で行うことが好ましい。より好ましくは、重合反応系内ジハロ芳香族化合物残存率が2モル%〜15モル%、且つ分子量が 5,000〜15,000の範囲である。残存率が40モル%を超えると、第2段階の反応で解重合など副反応が生じやすく、一方、1モル%未満では、最終的に高分子量PASを得難い。その後昇温して、最終段階の反応は、反応温度 240〜270 ℃の範囲で、1時間〜10時間行うことが好ましい。温度が低いと十分に高分子量化したPASを得ることができず、また 270℃より高い温度では解重合等の副反応が生じやすくなり、安定的に高分子量物を得難くなる。
【0026】
実際の操作としては、先ず不活性ガス雰囲気下で、重合系の水分量が所定の量となるよう、必要に応じて脱水または水添加する。水分量は、好ましくは、アルカリ金属硫化物1モル当り0.5〜2.5モル、特に0.8〜1.2モルとする。2.5モルを超えていると、反応速度が小さくなり、しかも反応終了後の濾液中にフェノール等の副生成物量が増大し、重合度も上がらない。0.5モル未満では、反応速度が速すぎ、十分な高分子量の物を得ることができないと共に、副反応等の好ましくない反応が生ずる。
【0027】
反応時の気相部分の冷却は、一定温度での1段反応の場合では、反応開始時から行うことが望ましいが、少なくとも 250℃以下の昇温途中から行わなければならない。多段階反応では、第1段階の反応から冷却を行うことが望ましいが、遅くとも第1段階反応の終了後の昇温途中から行うことが好ましい。冷却効果の度合いは、通常反応缶内圧力が最も適した指標である。圧力の絶対値については、反応缶の特性、攪拌状態、系内水分量、ジハロ芳香族化合物とアルカリ金属硫化物とのモル比等によって異なる。しかし、同一反応条件下で冷却しない場合に比べて、反応缶圧力が低下すれば、還流液量が増加して、反応溶液気液界面における温度が低下していることを意味しており、その相対的な低下の度合いが水分含有量の多い層と、そうでない層との分離の度合いを示していると考えられる。そこで、冷却は反応缶内圧が、冷却をしない場合と比較して低くなる程度に行うのが好ましい。冷却の程度は、都度の使用する装置、運転条件などに応じて、当業者が適宜設定できる。
【0028】
該方法において使用する有機アミド系溶媒は、PAS重合のために知られており、たとえばN‐メチルピロリドン(NMP)、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチル(又はジエチル)アセトアミド、N‐メチル(又はエチル)カプロラクタム、1,3‐ジメチル‐2‐イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチルウレア、N,N´‐エチレン‐2‐ピロリドン、2‐ピロリドン、ε‐カプロラクタム、ジフェニルスルホン等、及びこれらの混合物を使用でき、NMPが好ましい。これらは全て、水よりも低い蒸気圧を持つ。
【0029】
アルカリ金属硫化物も公知であり、たとえば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウム、硫化セシウム及びこれらの混合物である。これらの水和物及び水溶液であっても良い。又、これらにそれぞれ対応する水硫化物及び水和物を、それぞれに対応する水酸化物で中和して用いることができる。安価な硫化ナトリウムが好ましい。
【0030】
ジハロ芳香族化合物は、たとえば特公昭45‐3368号公報記載のものから選ぶことができるが、好ましくはp‐ジクロロベンゼンである。又、少量(20モル%以下)のジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン又はビフェニルのパラ、メタ又はオルトジハロ物を1種類以上用いて共重合体を得ることができる。例えば、o‐ジクロロベンゼン、p,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,p´‐ジクロロジフェニルエーテル、m,m´‐ジクロロジフェニルエーテル、p,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,p´‐ジクロロジフェニルスルホン、m,m´‐ジクロロジフェニルスルホン、p,p´‐ジクロロビフェニル、m,p´‐ジクロロビフェニル、m,m´‐ジクロロビフェニルである。
【0031】
PASの分子量をより大きくするために、例えば1,3,5‐トリクロロベンゼン、1,2,4‐トリクロロベンゼン等のポリハロ化合物をアルカリ金属硫化物1モルに対して好ましくは0.005〜1.5モル%、特に好ましくは0.02〜0.75モル%の量で使用することもできる。
【0032】
本発明の方法により製造されたPASは、結晶化速度が速く、かつ白色度が高いばかりではなく、更に、高い機械的強度を兼ね備えている。また、ナトリウム等の不純物含有量も少ない。従って、射出成形用として適している。
【0033】
本発明のPASを成形加工する際には、慣用の添加剤、例えばカーボンブラック、炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン等の粉末状充填剤、又は炭素繊維、ガラス繊維、アスベスト繊維、ポリアラミド繊維等の繊維状充填剤を混入することができる。
【0034】
更に、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、着色剤等の添加剤を配合することもできる。
【0035】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0036】
【実施例】
実施例において、PPSの各性状は下記の通りに測定した。
<結晶化温度TC
DSCにより結晶化温度TC を測定した。装置としては、セイコー電子製示差走査熱量計SSC/5200を用い、以下のようにして測定した。試料10mgを窒素気流中、昇温速度20℃/分で室温から320℃まで昇温した後、320℃で5分間保持して溶融した。次いで、10℃/分の速度で冷却した時の発熱ピーク温度を結晶化温度TC とした。
<溶融粘度V6
島津製作所製フローテスターCFT‐500Cを用い、300℃、荷重20kgf/cm2 、L/D=10で6分間保持した後に測定した粘度(ポイズ)である。
<色相>
得たポリマーの白度(ホットプレスL値)は、次のようにして測定した。ポリマーを320℃で1.5分間予熱した後、320℃で1.5分間、続けて130℃で1.5分間、30kg/cm2 で加圧成形して円盤状プレートを作成した。このプレートのL値を色彩色差計(東京電色株式会社製Color Ace)で測定した。
<ナトリウム含有量>
PPS粉末を700℃マッフル炉で燃焼した後、その残渣を塩酸で溶解し、原子吸光分析計として、島津製作所製AA‐670を用いて測定した。
【0037】
【実施例1】
150リットルオートクレーブに、フレーク状硫化ソーダ(60.81重量%Na2 S)15.400kgと、N‐メチル‐2‐ピロリドン(以下、NMPと略すことがある)38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら216℃まで昇温して、水3.843kgを留出させた。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン(以下、p‐DCBと略すことがある)17.640kg及びNMP16.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いて1kg/cm2 Gに加圧して昇温を開始した。液温260℃まで4時間かけて昇温し、液温が260℃になった時点でオートクレーブ上部への散水を開始した。該温度で2時間保持して反応を行った。反応終了後冷却し、液温が150℃になった時点で、酢酸0.432kg(硫化ソーダ1モルに対して6.0モル%)を加圧注入ポンプでオートクレーブ中に圧入し、次に150℃で30分間攪拌して酸処理した後、冷却した。該処理時のスラリーのpHは、9.4であった。
【0038】
得られたスラリーを濾過して溶媒を除去し、次に含溶媒濾過ケーキを窒素気流中、220℃で約6時間加熱し溶媒を除去した。次に、得られたPPS粉末に常法により水洗浄、濾過を7回繰り返した後、120℃で約8時間熱風循環乾燥機中で乾燥し、白色粉末状のポリマー(P‐1)を得た。
【0039】
【実施例2】
酢酸に代えて、蓚酸二水和物0.151kg(硫化ソーダ1モルに対して1.0モル%)をNMP0.856kgに溶かした溶液を加えたことを除き、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(P‐2)を得た。
【0040】
【実施例3】
酢酸に代えて、蟻酸0.331kg(硫化ソーダ1モルに対して6.0モル%)をNMP0.331kgに溶かした溶液を加えたことを除き、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(P‐3)を得た。
【0041】
【実施例4】
酢酸に代えて、モノクロロ酢酸0.113kg(硫化ソーダ1モルに対して1.0モル%)をNMP0.113kgに溶かした溶液を加えたことを除き、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(P‐4)を得た。
【0042】
【実施例5】
酢酸に代えて、35%塩酸0.125kg(硫化ソーダ1モルに対して1.0モル%)を加えたことを除き、実施例1と同一にして実施し、白色粉末状のポリマー(P‐5)を得た。
【0043】
【実施例6】
酢酸に代えて、硫酸水素ナトリウム一水和物0.166kg(硫化ソーダ1モルに対して1.0モル%)を水0.166kgに溶かした溶液を加えたことを除き、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(P‐6)を得た。
【0044】
【実施例7】
酢酸に代えて、蓚酸二水和物0.091kg(硫化ソーダ1モルに対して0.6モル%)をNMP0.516kgに溶かした溶液を加えたことを除き、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(P‐7)を得た。
【0045】
【比較例1】
酢酸を添加しなかった以外は、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(PC‐1)を得た。
【0046】
【比較例2】
酢酸に代えて、蓚酸二水和物0.015kg(硫化ソーダ1モルに対して0.1モル%)をNMP0.085kgに溶かした溶液を加えたことを除き、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(PC‐2)を得た。
【0047】
【比較例3】
酢酸に代えて、蓚酸二水和物1.815kg(硫化ソーダ1モルに対して12.0モル%)をNMP10.285kgに溶かした溶液を加えたことを除き、実施例1と同一に実施し、白色粉末状のポリマー(PC‐3)を得た。
【0048】
次に、各実施例及び比較例で得たPPSについて、上記の各性状を測定した。
以上の結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003680457
実施例1〜5は、各種の酸を使用して、本発明の範囲のpHでPASスラリーを処理したものである。いずれも良好な結晶化温度Tc 、溶融粘度V6 、白色度及びナトリウム含有量を示した。実施例6は、水素塩としての硫酸水素ナトリウムを使用したものである。同様に各性状はいずれも良好であった。実施例7は、実施例2に比べて蓚酸の添加量を少なくして本発明の範囲内でPASスラリーのpHを高くしたものである。結晶化温度Tc 及び溶融粘度V6 はほぼ同じであった。白色度は多少低下し、またナトリウム含有量も多少増加したが、本発明の効果を損なうものではなかった。
【0050】
一方、比較例1は、実施例1と同一条件下、酸による処理を施さなかったものてある。Tc は著しく低かった。また、白色度は低く、かつナトリウム含有量は著しく多かった。比較例2は、蓚酸の添加量が少なく、PASスラリーのpHが本発明の範囲を超えたものである。実施例2に比べて、Tc は著しく低かった。また、白色度は低く、かつナトリウム含有量は著しく多かった。比較例3は、蓚酸の添加量が多く、pH値が本発明の範囲未満となったものである。V6 が著しく低くなり、PPSの著しい低分子量化が生じていることが分かった。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、結晶化速度が速く、かつ白色度が高いばかりではなく、更に、高い機械的強度を兼ね備えたPASを製造する方法を提供する。

Claims (3)

  1. 有機アミド系溶媒中でアルカリ金属硫化物とジハロ芳香族化合物とを反応させてポリアリーレンスルフィドを製造する方法において、反応後のポリアリーレンスルフィドのスラリーに酸又は水素塩を、該スラリーのpHが7.0〜11.0となるような量で添加して酸処理し、次いで、スラリーを濾過し、得られた含溶媒濾過ケーキを非酸化性ガス雰囲気下に加熱して溶媒を除去することを特徴とするポリアリーレンスルフィドの製造法。
  2. 酸又は水素塩を添加した後のポリアリーレンスルフィドのスラリーのpHが7.5〜10.0である請求項1記載のポリアリーレンスルフィドの製造法。
  3. ポリアリーレンスルフィドの重合反応を、反応缶の気相部分を冷却することにより反応缶内の気相の一部を凝縮させ、これを液相に還流せしめながら行う請求項1又は2記載の方法。
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