JP4815147B2 - 濾過装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性不純物とともに非磁性不純物が混入したクーラントであるダーティ液を濾過する濾過装置に関する。
たとえば切削加工を行う工作機械では、ワークの加工精度を高め、工具の冷却や潤滑性能を維持するためにクーラントを使用している。この種のクーラントは加工にともなって磁性不純物が混入するばかりでなく、機械周辺の環境から砂やダストなどの非磁性不純物が混入して、ダーティ化することは避けられない。
従来から、ダーティ液を濾過するための種々の濾過装置が提案されている。たとえば[特許文献1]は、ケース内に磁性体粒封入部からなる濾過手段を設け、永久磁石である励磁手段が磁性体粒を磁化して不純物を捉えるようにしたフィルタ装置である。上記磁性体粒は、ワークの切削加工時に生じる切り屑を用いることを特徴の一つとしている。
[特許文献2]は、前段にアモルファス合金細線からなるフィルタメディアと永久磁石(フィルタ着磁装置)により構成される磁気分離フィルタを設け、後段にメッシュ勾配型深層フィルタを設けた浄油装置である。そして、前段で強磁性粒子を吸着除去し、後段で非磁性粒子を捕獲する、とある。
[特許文献3]は、非磁性ケーシング内に強磁性アモルファス合金細線からなるフィルタメディアを配置し、このフィルタメディアをケーシング外部から着磁する着磁装置をケーシングに対して脱着自在に設け、フィルタメディア中に気体噴射管を設けて磁気フィルタを洗浄する機能を備えた磁気分離装置である。
特開平11− 77479号公報 特開平 4−349908号公報 特開平 4−281807号公報
しかしながら、[特許文献1]で用いられる切り屑は形態が千差万別である。ケース内の充填密度に部分的に差が生じ全ての切り屑を均一に磁化することは不可能であり、濾過精度は期待できない。2基のケースを備え、一方が主濾過手段をなす間は他方が予備濾過手段をなすので、装置が大型化する。濾過対象物は切り屑など金属性不純物に限定され、砂やダストなどの非磁性体不純物を濾過することができず、濾過範囲が狭い。
[特許文献2]に用いられるアモルファス合金細線は高価である。また、メッシュ勾配型深層フィルタを構成するフィルタエレメントは漸次、繊維径が細く網目が小さい複数の高精度の網目からなるので高価となる。交互に使用するため、2組ずつの濾過手段と励磁手段を備えているので、装置が大型化する。目詰まりした磁性体粒を収集して再処理を施すのに手間がかかり、ランニングコストに多大の影響がある。
[特許文献3]も、フィルタメディアとして強磁性アモルファス合金細線を用いているので、高価でありコストに影響が及ぶ。目詰まりしたフィルタメディアを洗浄するために、洗浄液を導く配管と弁類およびポンプの他に、逆洗用気体を導く配管、弁類およびポンプが必要であり、装置構成が複雑化している。この装置は磁性不純物のみを濾過対象物とし、砂やダストなどの非磁性体不純物を濾過することができず、使用範囲が狭い。
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、簡素な装置構成でコストの低減を図り、磁性不純物ばかりでなく非磁性不純物の除去も可能として濾過範囲の拡大を得るとともに、高い濾過精度を保持して信頼性の向上を図れる濾過装置を提供しようとするものである。
上記目的を達成するため本発明の濾過装置は、本体に、工作機械から排出される磁性不純物および非磁性不純物を含むクーラントであるダーティ液が下から上に向けて流れる流通路と磁石収容部が幅方向に交互に並設され、上記流通路に、磁性不純物を濾過する磁性濾材が充填される濾過層およびダーティ液に含まれる非磁性不純物を濾過する非磁性濾材が充填される濾過層を組合せた濾過部を設け、上記磁石収容部に、濾過層内の磁性濾材を磁化する濾過位置と、濾過部から離間して磁性濾材を磁力から解放し自由に動き回る状態とする洗浄位置に移動可能な磁石を収容する。
本発明によれば、簡素な装置構成でコストの低減化を図り、磁性不純物および非磁性不純物を濾過して濾過範囲の拡大化を得、高い濾過精度を保持して信頼性の向上化を図る等の効果を奏する。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1(A)は濾過装置の正面視の断面図であり、図1(B)は濾過装置の側面視の断面図である。いずれも、後述するように濾過工程時の状態を示している。
濾過装置は、上部筐体1Aと下部筐体1Bとのフランジ部a,b相互を連結固定し一体化してなる本体1を備えている。上部筐体1Aは必要最小限の剛性を確保するとともに、コストを考慮した素材の板体を用いればよいが、下部筐体1Bは必要最小限の剛性を確保するとともに、鉄板のような磁性材の板体を用いる。
上部筐体1Aの上端は、天板2によって閉成される開口部を備えている。上記天板2には、後述する磁石ユニット3を構成する昇降ロッド4が昇降自在に貫通している。下部筐体1Bの下端は漏斗状に形成されるうえに開口部が設けられ、この開口部にはドレンバルブ5を備えた排水口体6が接続される。上記排水口体6は、図示しないドレン管を介して所定の排水部位に連通する。
本体1の下部筐体1B内には、排水口体6の接続部位から上方へ所定間隔を存した位置と、下部筐体1Bの上端近傍部位との間に亘り、複数の流通路7A,7Bおよび複数の磁石収容部8が、正面視で幅方向に交互に並設される。
なお説明すると、側面視で本体1の幅方向全長に亘る長さの、たとえばステンレス鋼板のような非磁性材の板体が用意され、正面視で本体1の幅方向に所定間隔を存しながら上下方向に繰り返し折曲されて隔壁板9となる。したがって、隔壁板9によって下部が開放する、ここでは合計4条の空間部7A,7Bと、上部が開放する合計3条の空間部8が設けられる。
下部が開放する空間部は上記流通路7A、7Bであり、上部が開放する空間部は磁石収容部8である。そして、左右両側の流通路7Bにおける幅寸法は、中央2条の流通路7Aにおける幅寸法の略半分となるよう形成されていて、これら左右両側の流通路を「補助流通路7B」と呼び、中央2条の流通路を「主流通路7A」と呼ぶ。
下部筐体1Bの前面における主、補助流通路7A,7Bおよび磁石収容部8の下端と上記排水口体6との間には、流入口体10が接続される開口部が設けられる。この流入口体10は流入バルブ11を備えていて、図示しないたとえば切削機械等の工作機械におけるダーティ液集溜部と連通する流入案内管が接続される。
上記主流通路7Aと補助流通路7Bの下端には、後述する濾過部であるメディアユニット12が設けられ、各流通路7A,7Bはメディアユニット12によって完全閉成状態にある。後述するように、メディアユニット12の作用により、メディアユニット12の上部はクリーンに、かつ下部はダーティに区別されている。
上記主流通路7Aと補助流通路7Bの上部で、下部筐体1Bの背面には流出口1aが設けられていて、各流出口1aには流出口体13が接続される。それぞれの流出口体13は、主流通路7Aと補助流通路7Bから突出した端部位置で1本に集合されていて、さらにこの集合管端部には図示しない案内管が接続される。この案内管は、上記工作機械に設けられるクーラント集溜部に連通する。
そして、1本に集合された流出口体13部位には、大気圧開放手段であるエアーバルブ14を備えた分岐管15が接続されている。このエアーバルブ14を開放することにより、上記流出口体13および案内管内が大気開放されるようになっている。
図2は、メディアユニット12と磁石収容部8のそれぞれ一部を拡大した図であり、特にメディアユニット12においては説明の都合上、一部を省略している。
上記メディアユニット12は、左右両側に対向する隔壁板9間に亘り、かつ上下方向に所定間隔を存して設けられる複数(4枚)のメッシュからなる仕切り部材16と、これら仕切り部材16間に介設される第1の濾過層R1と、第2の濾過層R2および第3の濾過層R3とで構成される。
上記第1の濾過層R1は最も下部側に位置し、第2の濾過層R2は中央部に位置し、第3の濾過層R3は最も上部側に位置する。第1の濾過層R1と第3の濾過層R3には、磁性濾材である、金属粒Gが充填されている。上記金属粒Gとして、たとえばスチールグリットを用いている。このスチールグリットの他に、鋼球等を代用してもよい。第2の濾過層R2には、非磁性濾材である、たとえば砥粒Tが充填されている。この砥粒Tの他に、砂等を代用してもよい。
なお、説明し易いように、図の中央部のメディアユニット12においては仕切り部材16のみを示し、第1ないし第3の濾過層R1〜R3を充填する部材については図示を省略している。
上記スチールグリットGは粒状をなしていて、鋳物や鋳鉄などの砂落し、スケール落し、エッチング、キズの発見のためのスケール落し、もしくはショットピーニング等に用いられる。用途は同一であるが、特に丸状粒のものは「スチールショット」と呼ばれ、形状が一定せず複数の角部がある粒のものは「スチールグリット」と呼ばれている。
図3(A)(B)は、上記スチールグリットGの特性を説明するための図である。
図3(A)に示すように、非磁性材で成形される容器C内に多数の粒状のスチールグリットGを収容し、内部が確認し易いように容器Cを傾けて持つ。この状態で、上記スチールグリットGは容器Cの傾けた状態での内底部に溜る。容器Cを振ったり、スチールグリットG間にたとえばピンを挿入してかき回せば、個々のスチールグリットGの粒は自由に動き得る。
図3(B)に示すように、容器Cの外周面で、かつ対向する部位に一対の磁石Ka,Kbを配置する。一方の磁石Kaの、たとえばN極を容器C外周面に対向した場合は、他方の磁石KbのS極を容器C外周面に対向する。すると、各磁石Ka,Kbから容器C周壁を介して全てのスチールグリットGに磁力が及び、スチールグリットGは磁化される。
互いの磁石Ka,Kbは、容器C周壁を介してスチールグリットGを磁気的に吸着していて、磁石Ka,Kbから手を離しても容器Cから落下せずに、そのままの状態を保持する。スチールグリットGは個々の粒がS極とN極を有することとなり、粒同士が互いに磁気的に吸着し合う。その結果、全てのスチールグリットGは容器C周壁を介し一対の磁石Ka,Kb間に亘って連鎖状態をなし、固形化した構造体に変る。
このような構造体に対して多少の押圧力を加えたところで変形せず、そのままの形態を保持する。スチールグリットGは角部を有する不定形な粒状であるので、構造体を拡大して見ると粒間に極く微細な隙間が多数形成されているのが分かる。
そして、容器Cから磁石Ka,Kbを強制的に除去すれば、スチールグリットGは磁力から解放されて連鎖構造体状が崩壊し、図3(A)に示すように個々に自由に動き得る、もとの粒状に戻る。
再び図2に示すように、以上の特性を有するスチールグリットGが第1の濾過層R1と第3の濾過層R3を構成している。磁化しない状態のスチールグリットGの粒を、各仕切り部材16間に全く動けないように密に充填したときの充填率を100%とすると、本実施の形態ではスチールグリットGの充填率を80〜85%に設定している。
なお、スチールグリットGの粒子径に関しては、それぞれの濾過条件に応じて、第1の濾過層R1に充填されるスチールグリットGと、第3の濾過層R3に充填されるスチールグリットGとを互いに同一とし、もしくは異ならせたものが選択される。
再び図1(A)(B)に示すように、上記磁石ユニットの昇降ロッド4における天板2よりも上の部位には図示しない昇降機構が設けられ、昇降ロッド4は昇降駆動されるようになっている。なお、仕様条件によっては昇降機構を不要として、作業者が手動で昇降するようにしてもよい。
本体1内における昇降ロッド4の下端部には、支持板18が設けられていて、この支持板18は図の状態で隔壁板9上面に載置される。支持板18の下面には複数(3本)の支持杆19が設けられ、磁石収容部8内に挿入される。
それぞれの支持杆19の下端には永久磁石20が取付けられていて、これら永久磁石20は磁石収容部8の正面視幅寸法と側面視幅寸法よりも僅かに小さく形成される。永久磁石20の高さ寸法は、上記主流通路7Aと補助流通路7Bに設けられるメディアユニット12の高さ寸法と互いに略同一に形成されるとともに、隔壁板9を介してメディアユニット12と対向する高さ位置にある。
いずれの永久磁石20も、正面視の一側にN極が形成され、他側にS極が形成される。中央の永久磁石20のS極とN極は、左右の主流通路7Aに設けられるメディアユニット12を介して両側に位置する永久磁石20のN極とS極に対向している。一側部に設けられる永久磁石20のN極と、他側部に設けられる永久磁石20のS極は、それぞれ補助流通路7Bに設けられるメディアユニット12を介して下部筐体1Bの側壁と対向している。なお、永久磁石20のN極とS極の位置は、左右逆であっても支障はない。
このようにして構成される濾過装置において、磁性不純物および非磁性不純物からなる不純物(スラッジ)を含んだクーラントであるダーティ液を導いて、不純物を濾過する濾過工程を図1(A)(B)に示している。そして、メディアユニット12に付着した不純物を除去する洗浄工程を図4(A)(B)に示している。
はじめに、濾過工程について説明する。
磁石ユニット3の各永久磁石20は、主流通路7Aと補助流通路7Bに設けられるメディアユニット12と高さ位置が略同一であり、隔壁板9を介して対向している。したがって、第1の濾過層R1のスチールグリットGと、第3の濾過層R3のスチールグリットGは各永久磁石20によって磁化され、先に説明したように粒同士が互いに磁気的に吸着し合って連鎖構造体を構成している。
そして、流入バルブ11が開放され、ドレンバルブ5とエアーバルブ14は閉成される。工作機械から不純物を含んだクーラントであるダーティ液が、流入バルブ11と流入口体10を介して本体1内に導入される。ドレンバルブ5が閉成していることにより、ダーティ液は本体1下部に充満する。さらに、ダーティ液の液面が上昇して主流通路7Aと補助流通路7Bに設けられるメディアユニット12を徐々に浸漬する。
すなわち、ダーティ液はメディアユニット12の下端面である仕切り部材16のメッシュ間を流通して、第1の濾過層R1の連鎖構造体となったスチールグリットGを徐々に浸漬する。ダーティ液は、スチールグリットG粒間の微細な隙間に浸入し、これら隙間を流通する。スチールグリットGは連鎖構造体として固形化されているので、隙間形状は一定であり、ダーティ液が流通する径路は変化しない。
流通途中で、たとえば金属の切り屑や切り粉のような磁性不純物が、磁化されたスチールグリットGに引き寄せられて捕捉される。非磁性不純物は、第1の濾過層R1のスチールグリットGに引き寄せられることはないが、スチールグリットGの角部に引っ掛って捕捉され、もしくはスチールグリットGに吸着された磁性不純物に引っ掛って捕捉されることが多い。そのため、ダーティ液が第1の濾過層R1を通過する際に、ある程度の量の非磁性不純物が捕捉される。
第1の濾過層R1を通過して、ダーティ液中の磁性不純物と非磁性不純物の一部もしくは大部分が捕捉され濾過されたあと、ダーティ液は第2の濾過層R2を徐々に浸漬する。この濾過層R2は微細な砥粒Tから構成されているから、第1の濾過層R1では捕捉されなかった微細な非磁性不純物が捕捉される。
ダーティ液からほとんどの磁性不純物と非磁性不純物が濾過され、クリーン化したクーラントは第3の濾過層R3を徐々に浸漬する。ここでもスチールグリットGは固形化した連鎖構造体となっていて、各粒間に微細な隙間が形成される。したがって、微細な磁性不純物はスチールグリットGに引き寄せられ、確実に捕捉される。
たとえ、第2の濾過層R2を通過した微細な非磁性不純物であっても、スチールグリットGの角部に引っ掛って捕捉され、もしくはスチールグリットGに吸着された磁性不純物に引っ掛って捕捉される。
このようにして、磁性不純物と非磁性不純物等の不純物を含むクーラントであるダーティ液が、第1の濾過層R1から第2の濾過層R2を介して第3の濾過層R3を通過したときには、磁性不純物と非磁性不純物の全てが捕捉濾過されて、工作機械で使用される前のクリーンなクーラントに戻る。
クーラントは、メディアユニット12から出て流通路7A,7Bを上昇し、これらの上部に設けられた流出口1aを介して流出口体13に導かれる。そして、流出口体13に接続される案内管から工作機械のクーラント集溜部に導かれ、再度の使用に供せられる。
濾過装置によるクーラントの濾過が継続して行われると、濾材を構成するスチールグリットGや砥粒Tに付着する磁性不純物および非磁性不純物の量が多くなる。そのまま放置すれば目詰りを起し、濾過精度が低下してしまう。そこで、所定期間毎にスチールグリットGや砥粒Tを洗浄し、付着していた不純物を除去する洗浄工程を行って、濾過精度を向上させることが必要となる。
つぎに、洗浄工程について説明する。
図4(A)(B)に示すように、磁石ユニット3を構成する昇降ロッド4を上昇駆動して、各永久磁石20を一斉に引き上げる。図では永久磁石20を上部筐体1A内まで引き上げているが、実際には、少なくとも永久磁石20の磁力がスチールグリットGに及ばさない範囲まで上昇すればよい。
永久磁石20の磁力がスチールグリットGに及ばないので、先に説明したようにスチールグリットGは磁力から解放されて連鎖構造体が崩壊し、個々のスチールグリットGが粒状のまま各濾過層R1,R3に溜って自由に動き回る状態となる。
そして、流入バルブ11を閉成して本体1内へのダーティ液の供給を中止する。同時に、ドレンバルブ5を開放して、本体1内に導かれメディアユニット12の下部にある未処理ダーティ液を排水口体6とドレンバルブ5を介して本体1外部へ排出する。
このことにより、メディアユニット12内にある濾過中のダーティ液と、既にメディアユニット12で濾過され、メディアユニット12を出て流出口1aとの間の各流通路7A,7Bに満たされているクリーン化されたクーラントが、メディアユニット12を後述するように洗浄しながら流下する。
同時に、エアーバルブ14を開放して流出管および流出口体13内を大気圧開放する。したがって、ここにあるクリーン化されたクーラントが流出口体13から各流通路7A,7Bへ円滑に逆流する。さらに、流通路7A,7Bに満たされている濾過中のクーラントと合流して大きな水量となり、メディアユニット12を瞬時に流下して洗浄する。
すなわち、第1の濾過層R1と第3の濾過層R3のスチールグリットGは自由に動き回れる状態となっているうえに、第2の濾過層R2の砥粒Tも自由に動き回れる。このような状態のスチールグリットGと砥粒Tに対して大量のクーラントが瞬時に流下すれば、全てのスチールグリットGおよび砥粒Tは、さらに活発化した状態で自由に動き回る。
したがって、スチールグリットGや砥粒Tに付着している全ての磁性不純物および非磁性不純物が洗い流され、濾過装置として使用開始の新品状態に瞬時に戻る。メディアユニット12を流下して不純物を洗い流したクーラントは、不純物とともに排水口体6とドレンバルブ5を介して本体1外部へ排出され、洗浄工程が完了する。
なお、上記エアーバルブ14は大気開放手段として用いるばかりでなく、エアーバルブ14にポンプ、配管などからなるエアーの強制供給手段を連通してエアーを強制的に吹き込み、いわゆる逆洗方式による洗浄をなすようにしてもよい。
そのあと、昇降ロッド4を降下させ、昇降ロッド4に連結される支持板18が隔壁板9上に載置した状態で、磁石ユニット3が洗浄工程位置から濾過工程位置に変る。第1、第3の濾過層R1、R3を構成するスチールグリットGは、永久磁石20による磁力の影響を受けて再び連鎖状態となり固形化した構造体をなす。ドレンバルブ5およびエアーバルブ14を閉じ、流入バルブ11を開放すれば、再びダーティ液の濾過工程に戻れる。
このような濾過装置であり、磁性濾材(金属粒:スチールグリット)Gと非磁性濾材(砥粒)Tを組合せて濾過部(メディアユニット)12を形成したから、濾過する不純物は磁性不純物ばかりでなく非磁性不純物も同時に捕捉でき、濾過範囲の拡大化を図れる。
主流通路7Aに設けられるメディアユニット12は、両側の永久磁石20から磁力を受けるので、第1、第3の濾過層R1,R3を構成するスチールグリットGは効率よく磁化され、強固に固形化した連鎖構造体が得られる。そのため、スチールグリットGの粒間に形成される隙間が細密となり、不純物を確実に捕捉できて、濾過精度の向上を図れる。
補助流通路7Bの幅寸法を主流通路7Aの幅寸法の略半分に形成するとともに、下部筐体1Bは鉄板などの磁性素材を用いたから、補助流通路7Bの片側に位置する永久磁石20の磁力が、補助流通路7Bに設けられるメディアユニット12を介して下部筐体1B側壁に確実に、かつ充分に及ぶ。すなわち、補助流通路7Bに設けられるメディアユニット12においてもスチールグリットGを連鎖構造体化でき、濾過精度の向上を図れる。
各永久磁石20においては、両側にS極とN極を備え、これらの両極を用いてスチールグリットGに磁力を及ぼすこととなり、磁石として有効利用を図れる。
磁性濾材(スチールグリット)Gおよび非磁性濾材(砥粒)Tに付着した不純物を除去する洗浄工程時において、流通路7A,7Bに満たされたクリーン化したクーラントを用いて洗浄する。したがって、濾材に付着した不純物を除去するための洗浄液および洗浄用気体の配管機構等が全く不要であり、装置構成の簡素化を図ることができる。
流出口体13に大気開放手段であるエアーバルブ14を設け、洗浄工程時に開放することで、多量のクーラントをメディアユニット12に瞬時に落下させることができる。スチールグリットGと砥粒Tを速やかに、かつ確実に洗浄して、洗浄効率の向上化を得られるとともに、ランニングコストの低減化を図れる。
なお、主流通路7Aと補助流通路7Bおよび永久磁石20の数については上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々考えられる。そして、ここでは2つの補助流通路7Bを設けて、それぞれ片側の永久磁石20から磁力を及ぼすようにしたが、全てを主流通路7Aとして両側に永久磁石20を配置する構成であってもよい。
本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。たとえば、本体を円筒型にしてもよく、また、磁性濾材が充填される濾過層と非磁性濾材が充填される濾過層の数を増減し、もしくは層厚を変えることで濾過条件に適応してもよい。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。
本発明の実施の形態に係る、濾過工程時での濾過装置の正面断面図と側面断面図。 同実施の形態に係る、濾過部および磁石収容部一部の模式的な断面図。 同実施の形態に係る、磁性濾材であるスチールグリットの特性を説明するための図。 同実施の形態に係る、洗浄工程時での濾過装置の正面断面図と側面断面図。
符号の説明
7A…主流通路、7B…補助流通路、8…磁石収容部、1…本体、G…スチールグリット(磁性濾材:金属粒)、R1…第1の濾過層、R3…第3の濾過層、T…砥粒(非磁性濾材)、R2…第2の濾過層、12…メディアユニット(濾過部)、20…永久磁石、14…エアーバルブ(大気圧開放手段)。

Claims (4)

  1. 工作機械から排出される磁性不純物および非磁性不純物を含むクーラントであるダーティ液が下から上に向けて流れる流通路と、磁石収容部が、幅方向に交互に並設される本体と、
    上記流通路に設けられ、磁性不純物を濾過する磁性濾材が充填される濾過層および、非磁性不純物を濾過する非磁性濾材が充填される濾過層を組合せた濾過部と、
    上記磁石収容部に収容され、上記濾過層内の上記磁性濾材を磁化する濾過位置と、上記濾過部から離間して磁性濾材を磁力から解放し自由に動き回る状態とする洗浄位置に移動可能な磁石とを具備することを特徴とする濾過装置。
  2. 上記磁性濾材は、金属粒からなり、上記磁石収容部内の磁石を上記濾過位置に対向させることにより、上記濾過部の両側から上記磁石の磁力を受けて上記金属粒が互いに磁気的に吸着し合い、濾過部の両側面に亘って連鎖する構造体となることを特徴とする請求項1記載の濾過装置。
  3. 上記濾過部は上記流通路の下端に設けられ、上記磁石収容部内の磁石を上記洗浄位置に移動し、流通路の上部にある濾過済み液を落下させることで、磁性濾材と非磁性濾材に付着した不純物が洗浄されることを特徴とする請求項1および請求項2のいずれかに記載の濾過装置。
  4. 上記流通路に連通して大気圧開放手段が設けられ、上記磁石収容部内の磁石を上記洗浄位置に移動したうえで、流通路を大気圧に開放してエアーを取込み、濾過部の上部にある濾過済み液を瞬時に落下させることで、磁性濾材と非磁性濾材に付着した不純物が洗浄されることを特徴とする請求項3記載の濾過装置。
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