JP2015188831A - 液体浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】スラッジ捕集装置におけるスラッジの捕集量が多くなったとしても、脱液・固形化装置におけるスラッジの処理を可能とし、各装置の処理効率の向上を実現することができる液体浄化システムを提供する。
【解決手段】被処理液体に含まれるスラッジを捕集するスラッジ捕集装置20と、スラッジを脱液・固形化する脱液・固形化装置100と、スラッジ捕集装置20と脱液・固形化装置100との間に設けられ、スラッジ捕集装置20から排出されたスラッジ含有液体を受け入れると共に、受け入れたスラッジ含有液体を脱液・固形化装置100側へ導入させる中間受入容器40と、を備えており、中間受入容器40から脱液・固形化装置100側へのスラッジ含有液体の導入流量が、スラッジ捕集装置20から中間受入容器40へのスラッジ含有液体の排出流量よりも少なく設定されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作機械に供給されるクーラント等の液体を浄化するための液体浄化システムに関する。
一般に、ホーニング盤や研削盤等の工作機械は、研削液や切削液等のクーラントを供給しながら加工部に配置された工作物(ワーク)を加工する。そして、加工の際に発生するワークの金属粉はクーラントとともに回収される。回収した使用済のクーラントは、フィルタ装置により濾過されることにより金属粉(スラッジ)が除去されて再利用される。
使用済のクーラントから金属粉を濾過するフィルタ装置として、例えば、特許文献1に記載の磁気フィルタ装置が知られている。
この磁気フィルタ装置は、処理容器内に配置された磁気材料からなる濾材と、この濾材を磁化させる磁石とを備え、使用済のクーラント中に含まれた磁性体であるスラッジを磁化された濾材に吸着させることによって濾過を行っている。
また、磁気フィルタ装置で濾過されるスラッジが増大すると濾材が目詰まりし、濾過効率が低下する。そのため、ある程度のスラッジが吸着すると濾材の洗浄工程が行われる。この洗浄工程は、濾材の磁化を解除した状態で、既に浄化されたクーラントを濾材に流すことによって濾材からスラッジを脱離する。
さらに、特許文献1には、洗浄工程で濾材から脱離されたスラッジがクーラントとともに導入され、さらにスラッジからクーラント(液分)を取り除くことによって、所定形状のブリケットに固形化処理する脱液・固形化装置も開示されている。
特開2011−11205号公報
上記のような磁気フィルタ装置は、洗浄工程を行っている間は濾過工程を停止しなければならないので、洗浄工程を行う頻度を少なくすることが望ましい。そのためには、磁気フィルタ装置を大型化し、大量のスラッジを捕集できるようにすることが有効である。
しかしながら、磁気フィルタ装置から脱液・固形化装置へ排出されるスラッジ及びクーラントの量が、脱液・固形化装置の処理容量を超えると浄化システムが破たんしてしまうため、磁気フィルタ装置の大型化にも限界がある。また、磁気フィルタ装置から脱液・固形化装置へ複数回に分けてスラッジ及びクーラントを排出したとすると、これらの全体量が多くなったとしても脱液・固形化装置による脱液処理は可能となるが、その処理の間は、磁気フィルタ装置による濾過工程を停止しなければならないため、却ってクーラントの浄化効率が低下するという弊害が生じる。
本発明は、磁気フィルタ装置等のスラッジ捕集装置におけるスラッジの捕集量が多くなったとしても、脱液・固形化装置における処理を可能とし、各装置の処理効率の向上を実現することができる液体浄化システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の第1の観点による液体浄化システムは、
被処理液体に含まれるスラッジを捕集するスラッジ捕集装置と、
前記スラッジを脱液・固形化する脱液・固形化装置と、
前記スラッジ捕集装置と前記脱液・固形化装置との間に設けられ、前記スラッジ捕集装置から排出されたスラッジ含有液体を受け入れると共に、受け入れたスラッジ含有液体を前記脱液・固形化装置側へ導入させる中間受入容器と、を備えており、
前記中間受入容器から前記脱液・固形化装置側へのスラッジ含有液体の導入流量が、前記スラッジ捕集装置から前記中間受入容器へのスラッジ含有液体の排出流量よりも少なく設定されていることを特徴とする。
以上の構成を有する本発明によれば、スラッジ捕集装置と脱液・固形化装置との間には中間受入容器が設けられ、中間受入容器から脱液・固形化装置側へのスラッジ含有液体の導入流量がスラッジ捕集装置から中間受入容器へのスラッジ含有液体の排出流量よりも少なく設定されているので、例えば、スラッジ捕集装置を大型化することによって当該スラッジ捕集装置で大量のスラッジを捕集したとしても、そのスラッジを含む液体(スラッジ含有液体)を中間受入容器で一旦受入れ、中間受入容器から脱液・固形化装置へ少ない流量でスラッジ含有液体を導入することによって、脱液・固形化装置において適切に効率よく処理を行うことが可能となる。また、スラッジ捕集装置はスラッジを排出した後即座に捕集工程に復帰することができる。したがって、スラッジ捕集装置の大型化や脱液固形化装置の小型化を実現することができ、各装置における処理の効率も向上させることができる。
なお、本明細書において、「スラッジ」とは、工作機械において発生する研削粉や切削屑等の固形物、又は当該固形物が液体を含んで泥状になったものをいう。また、スラッジ含有液体とは、スラッジを流動させる等の目的で、液体中に当該スラッジを混入させたものをいう。
(2)上記液体洗浄システムは、前記中間受入容器から前記脱液・固形化装置へのスラッジ含有液体の導入流量を調整する調整機構を備えていることが好ましい。
このような構成によって、スラッジ含有液体中のスラッジの形態(大きさや性状等)や液体の状態(粘性等)等に応じて中間受入容器から脱液・固形化装置へ最適な流量でスラッジ含有液体を導入することが可能となる。
(3)上記液体洗浄システムは、前記中間受入容器と前記脱液・固形化装置との間に、スラッジ含有液体中のスラッジを蓄積し、その蓄積したスラッジを前記脱液・固形化装置に導入させる中間蓄積装置をさらに備えていることが好ましい。
この構成によれば、中間受入容器と脱液・固形化装置との間に中間蓄積装置を設けているので、この中間蓄積装置でスラッジをより液分の少ない状態(濃縮した状態)にし、これを脱液・固形化装置に導入することができる。したがって、脱液・固形化装置に導入するスラッジの量(液体を含む全体量)を少なくすることができ、その分脱液・固形化装置の処理容量を小さくすることができるとともに、より短時間で脱液処理することが可能となる。
(4)本発明の第2の観点による液体浄化システムは、
被処理液体に含まれるスラッジを捕集するスラッジ捕集装置と、
前記スラッジを脱液・固形化する脱液・固形化装置と、
前記スラッジ捕集装置と前記脱液・固形化装置との間に設けられ、前記スラッジ捕集装置から排出されたスラッジ含有液体を受け入れる中間受入容器と、
前記中間受入容器と前記脱液・固形化装置との間に設けられ、前記中間受入容器から導入されたスラッジ含有液体中のスラッジを蓄積し、その蓄積したスラッジを前記脱液・固形化装置へ導入させる中間蓄積装置と、を備えていることを特徴とする。
以上の構成を有する本発明によれば、スラッジ捕集装置と脱液・固形化装置との間には中間受入容器が設けられ、さらに中間受入容器と脱液・固形化装置との間には中間蓄積装置が設けられているので、例えば、スラッジ捕集装置を大型化することによって当該スラッジ捕集装置で大量のスラッジを捕集したとしても、そのスラッジを含む液体(スラッジ含有液体)を中間受入容器で一旦受入れて中間蓄積装置へ導入し、この中間蓄積装置においてスラッジをより液分の少ない状態(濃縮した状態)にすることができる。したがって、中間蓄積装置から脱液・固形化装置に導入するスラッジの量(液体を含む全体量)を少なくすることができ、その分脱液・固形化装置の処理容量を小さくすることができるとともに、より短時間で効率よく脱液処理することが可能となる。
(5)上記(4)の液体洗浄システムにおいて、前記中間受入容器から前記中間蓄積装置へのスラッジ含有液体の導入流量が、前記スラッジ捕集装置から前記中間受入容器へのスラッジ含有液体の排出流量よりも少なく設定されていることが好ましい。
このような構成によって、例えばスラッジ捕集装置を大型化することによって大量のスラッジを捕集したとしても、そのスラッジを含む液体を中間受入容器で一旦受入れ、さらに中間受入装置から中間蓄積装置へは少ない流量でスラッジ含有液体を導入することができる。したがって、中間蓄積装置における液分の除去処理(スラッジの蓄積処理)を確実に行うことができ、より液分の少ないスラッジを脱液・固形化装置に導入することができる。また、スラッジ捕集装置ではスラッジを排出した後即座に捕集工程に復帰することができる。
(6)前記中間蓄積装置は、前記スラッジ捕集装置から前記中間受入容器へ排出される複数回分のスラッジの量よりも大きい蓄積容量を有していることが好ましい。
この構成によれば、スラッジ捕集装置から中間受入容器へ排出される複数回分のスラッジを中間蓄積装置で受け入れて蓄積することができる。そして、複数回分のスラッジをまとめて脱液・固形化装置に排出することができる。そのため、脱液・固形化装置の稼働回数を減らすことができる。言い換えると、脱液・固形化装置は、中間蓄積装置において複数回分のスラッジを蓄積している間、長い時間をかけて脱液・固形化の処理を行うことができるので、より確実にスラッジの脱液及び固形化を行うことができる。
(7)前記脱液・固形化装置は、スラッジ含有液体を収容し、当該スラッジ含有液体中の液体を通過させるフィルタを備えた収容容器と、所定の条件に応じて前記収容容器内の所定量以上の液体を前記収容容器の外部へ排出する排出機構とを備えていることが好ましい。
この構成によれば、収容容器内で液体がフィルタを通過せず、液体が所定量以上たまっているような状態であっても排出機構によって液体を排出し、収容容器内の液体の量を少なくすることができる。
(8)前記排出機構は、前記収容容器内の液体の上方から当該液体内に挿入される排出管を備えており、この排出管が前記フィルタ上で脱液されたスラッジの高さを検出する検出器を兼ねていることが好ましい。
このような構成によって、部品点数減及び構造の簡素化を図ることができる。
(9)上記液体洗浄システムは、前記スラッジ捕集装置によってスラッジが除去された後の被処理液体であってスラッジ発生装置に供給するための被処理液体が貯留される浄化液槽と、前記スラッジ発生装置から排出されたスラッジを含む被処理液体が貯留される汚泥液槽とを更に備えており、浄化液槽と汚泥液槽とは、互いに一方から溢れた被処理液体を他方において受入可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によって、一方の槽の被処理液体が溢れた場合でも他方の槽で受けることができ、また、一方の槽に被処理液体が偏り他方の槽が空になってしまうようなことが無く、両方の槽に被処理液体が存在している状態を維持することができる。
(10)前記浄化液槽と前記汚泥液槽とは、隣接して配置されるとともに、各槽の周壁の高さよりも低い仕切り壁によって仕切られていることが好ましい。
このような構成によって、浄化液槽及び汚泥液槽の一方から仕切り壁を越えた被処理液体を他方により受け入れることができる。
本発明によれば、スラッジ捕集装置におけるスラッジの捕集量が多くても、脱液・固形化装置における処理が可能となり、各装置の処理効率の向上を実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る液体浄化システムの概略構成図である。 図1に示される液体浄化システムの磁気フィルタ装置を示す断面説明図である。 (a)は磁気フィルタ装置の磁気ヨークを示す斜視図、(b)は同断面図である。 磁気フィルタ装置の性能説明図である。 図1に示される液体浄化システムの脱液・固形化装置を示す断面説明図である。 脱液・固形化装置の作用を示す断面説明図である。 図1に示される液体浄化システムの制御部を示すブロック図である。 磁気フィルタ装置の作用を示す断面説明図である。 磁気フィルタ装置の作用を示す断面説明図である。 液体浄化システムにおける捕集・逆洗処理の動作を示すフローチャートである。 液体浄化システムにおける捕集・逆洗処理の動作を示すフローチャートである。 液体浄化システムにおける加圧容器へのスラッジ導入処理の動作を示すフローチャートである。 液体浄化システムにおける脱液・固形化処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る液体浄化システムの概略構成図である。 図14に示される液体浄化システムの中間蓄積装置を示す断面説明図である。 中間蓄積装置の作用を示す断面説明図である。 液体浄化システムにおける捕集・逆洗処理の動作を示すフローチャートである。 液体浄化システムにおける捕集・逆洗処理の動作を示すフローチャートである。 液体浄化システムにおける中間蓄積処理の動作を示すフローチャートである。 液体浄化システムにおける加圧容器へのスラッジ導入処理の動作を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
[全体構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る流体浄化システムの概略構成図である。
本実施形態の流体浄化システムは、ホーニング盤等の工作機械1において使用されたクーラント(被処理流体)を浄化するシステムである。
流体浄化システムは、浄化液槽12と、汚泥液槽13と、ポンプ15,23と、磁気フィルタ装置(スラッジ捕集装置)20と、アキュムレータ30と、バッファタンク(中間受入容器)40と、脱液・固形化装置100と、各種センサ25,105,103と、空気源180と、制御部190と、各種弁14,21,22,24,41,42,101,102,104と、を備えている。
浄化液槽12は、工作機械1に供給するためのクーラントを貯留するために用いられる。この浄化液槽12には、未使用のクーラントだけでなく、工作機械1で使用された後に、この工作機械1で発生した金属粉等が除去されることによって浄化されたクーラントが貯留されるようになっている。浄化液槽12内のクーラントは、ポンプ15の作動によって工作機械1に供給される。また、工作機械1へのクーラントの供給とその停止は、開閉弁14によって制御される。なお、工作機械1は、ワークの加工を行うことによって金属粉等のスラッジを発生するスラッジ発生装置を構成する。
汚泥液槽13は、工作機械1で使用されたクーラント(使用済クーラント)を回収するために用いられる。したがって、汚泥液槽13には、工作機械1で発生した金属粉等のスラッジが混入している。汚泥液槽13には液面検出器60が設けられている。
浄化液槽12と汚泥液槽13とは隣接して配置されている。図示例では、1つの貯留槽10の内部を仕切り壁11で仕切ることによって2つの槽(浄化液槽12及び汚泥液槽13)が隣接して形成されている。そして、仕切り壁11は、貯留槽10の周壁の高さよりも低く形成されている。そのため、例えば、浄化液槽12から溢れたクーラントは汚泥液槽13に受け入れられ、汚泥液槽13から溢れたクーラントは浄化液槽12に受け入れられる。
浄化液槽12内のクーラントは、工作機械1に供給された後に汚泥液槽13に排出され、汚泥液槽13のクーラントは、磁気フィルタ装置20によって浄化された後に浄化液槽12に戻される。そのため、例えば、浄化液槽12内のクーラントが工作機械1に供給されている間、何らかの原因で磁気フィルタ装置20による浄化処理が停止していると、浄化液槽12のクーラントは減少し続け、工作機械1に供給できなくなってしまう可能性がある。本実施形態では、浄化液槽12と汚泥液槽13とが隣接して配置されるとともに、これらの周壁よりも低い仕切り壁11によって両槽12,13が仕切られているので、浄化液槽12のクーラントが減少したとしても汚泥液槽13で増加するクーラントが仕切り壁11を超えることによって、再び浄化液槽12にクーラントを戻すことができる。したがって、工作機械1へのクーラントの供給は継続して行うことができ、工作機械1の稼働を停止しなくてもよい。
逆に、工作機械1へのクーラントの供給が停止している間、磁気フィルタ装置20が浄化処理を継続していると、浄化液槽12のクーラントが増え続け、やがて溢れてしまうが、その溢れたクーラントは汚泥液槽13に好適に受け入れられる。
磁気フィルタ装置20は、ポンプ23の作動によって汚泥液槽13内のクーラントが供給され、このクーラントに含まれる金属粉等のスラッジを除去することによってクーラントを浄化する。この磁気フィルタ装置20の詳細な構造については後述する。
弁24は、磁気フィルタ装置20によって浄化されたクーラント(浄化済クーラント)を浄化液槽12に流す流路118を開閉する。すなわち、弁24を開くことによって浄化済クーラントを浄化液槽12に戻すことができる。また、弁24を閉じることによって浄化済クーラントをアキュムレータ30に流入させることができる。流路118において弁24よりも下流側には絞り26が設けられている。
アキュムレータ30は、内部に蓄圧ガスが充填され、この蓄圧ガスはアキュムレータ30内に流入した浄化済クーラントに圧力を付与する。このアキュムレータ30によって圧力が付与された浄化済クーラントは、磁気フィルタ装置20内を洗浄し、捕集したスラッジを取り除く、「逆洗(洗浄)工程」に利用される。この「逆洗工程」については後述する。
磁気フィルタ装置20とポンプ23との間の流路114には三方弁22が設けられている。この三方弁22は、ポンプ23の作動によって汚泥液槽13内のクーラントを磁気フィルタ装置20に流す流路bと、アキュムレータ30内の浄化済クーラントをバッファタンク40に流す流路aとに切り換えることができる。
また、磁気フィルタ装置20には、空気流路113を介して空気源180が接続され、この空気流路113には開閉弁からなる空気弁21が設けられている。
磁気フィルタ装置20の内部には、クーラントから除去したスラッジが捕集される。そして、そのスラッジが蓄積すると、次第に磁気フィルタ装置20の内部をクーラントが流れにくくなり、ポンプ23によるクーラントの送出圧が、磁気フィルタ装置20より上流側の流路114よりも下流側の流路118において小さくなる。流路118に設けられた圧力センサ25は、このような圧力の変化を検出し、磁気フィルタ装置20内のスラッジの蓄積量を間接的に検出する。そして、圧力センサ25の検出値が所定の閾値を下回ると、磁気フィルタ装置20のスラッジが許容蓄積量を超えたと判断し、「逆洗工程」が行われる。
磁気フィルタ装置20の上流側に接続される流路114には、三方弁22を介して流路116が分岐し、この流路116は、バッファタンク40に接続されている。バッファタンク40は、磁気フィルタ装置20によって捕集されたスラッジを流路116を介して受け入れ、そのスラッジを脱液・固形化装置100に導入するために用いられる。
バッファタンク40は、逆洗工程によって磁気フィルタ装置20から排出されたスラッジとクーラントとの混合液(スラッジ含有液体;以下、「汚泥液」ともいう)を受け入れることが可能な容量を有している。バッファタンク40の下流側には流路121が接続され、この流路121には三方弁101が設けられている。
また、バッファタンク40には、空気流路120を介して空気源180が接続されている。この空気流路120には開閉弁(又は流量制御弁)からなる空気弁42が設けられている。また、バッファタンク40には、内部を大気に開放するための空気弁41も設けられている。
バッファタンク40の下流側の流路121には戻し管45が接続され、この戻し管45を流れるクーラントは汚泥液槽13に戻される。
三方弁101には、流路121から分岐し、脱液・固形化装置100に繋がる流路123が接続されている。
脱液・固形化装置100は、磁気フィルタ装置20から流路116を介して流入する汚泥液に含まれる金属粉等のスラッジを分離して固化する。
脱液・固形化装置100は、汚泥液を収容する加圧容器(収容容器)70を備えている(図5参照)。この加圧容器70には、空気流路122を介して空気源180が接続されている。この空気流路122には空気三方弁104と圧力センサ105とが設けられている。また、加圧容器70には、高さセンサ(堆積検出器)103、及び排出管102aが設けられている。
なお、上記において説明した汚泥液を流す流路や圧縮空気を流す流路は、典型的には配管によって構成される。したがって、以下の説明においては「流路」という文言に代えて「配管」という文言を使うことがある。
次に、液体浄化システムを構成する磁気フィルタ装置20、脱液・固形化装置100のより詳細な構成について説明する。
[磁気フィルタ装置の構成]
図2は、図1に示される液体浄化システムの磁気フィルタ装置を示す断面説明図である。
磁気フィルタ装置20は、流路114を通じて流入する使用済みクーラント中に分散する強磁性体粒子であるスラッジ(例えば、ホーニングにより生じる金属研削粉)を、磁力作用を利用してクーラントから濾過除去する装置である。
磁気フィルタ装置20は、主として、処理容器6と、磁石ユニット2と、濾材4と、磁気ヨーク43と、液体三方弁18,22と、空気三方弁134,136と、空気弁21と、空気源180と、圧力センサ25(図1参照)とを備える。
処理容器6は、略円筒状の第1筒状体61と、略円筒状の第2筒状体62と、上蓋17bと、下蓋17aと、天板7と、基台9とを有している。
第1筒状体61の外径は、第2筒状体62の内径よりも小さく、第1筒状体61の外側に第2筒状体62が同心状に配置されている。第1筒状体61と第2筒状体62とは、略同一の筒軸方向(上下方向)の長さを有している。第1筒状体61と第2筒状体62とは、例えば非磁性体ステンレス鋼等の非磁性体材料から形成されている。
天板7は、第1筒状体61及び第2筒状体62の筒軸方向における一端側(図2における上端側)を閉塞するように第1筒状体61及び第2筒状体62に取り付けられている。また、基台9は、第1筒状体61及び第2筒状体62の筒軸方向における他端側(図2における下端側)を閉塞するように第1筒状体61及び第2筒状体62に取り付けられている。そして、第1筒状体61と第2筒状体62との間の領域が、処理室S1を構成し、第1筒状体61の内側の領域が、磁石ユニット2が配置される磁石室S2を構成している。
天板7における第1筒状体61の内側に対応する部位には、圧縮空気導入用の空気配管142が接続されている。また、天板7における処理室S1に対応する部位には、浄化済みのクーラントを処理室S1から排出するための配管118が設けられている。配管118の先端部118aは、天板7の下面よりも下方に突出している。この配管118における処理室S1内に突出した部分(突出部)は、図8に示される空気溜領域A1を形成する。この空気溜領域A1については後述する。
基台9における第1筒状体61の内側に対応する部位には、空気配管143が接続されている。また、基台9における処理室S1に対応する部位には配管114が接続されている。この配管114の先端部が、クーラントを処理室S1に導入したり、クーラントを処理室S1から排出したりするための処理流体導入排出ポート114aを構成している。
処理室S1には、濾材4が配置された濾材配置領域S11が形成されている。濾材4は、磁気材料から構成されている。濾材4としては、例えば、スチールウール、金網、線材などを採用することができる。この濾材4を備えることにより、磁気フィルタ装置20の濾過性能向上を図ることができる。
上蓋17b及び下蓋17aは、濾材4を処理容器6内に保持している。上蓋17b及び下蓋17aには、濾材4が通過できず、かつクーラントが通過し得る大きさの通液孔が多数形成されている。
液体三方弁18は、配管118に設けられており、この配管118から分岐する配管19に流路を切り替えることができる。液体三方弁18は、制御部190(図1参照)からの制御信号により切替動作を行う。なお、図1においては、液体三方弁18及び配管19は図示が省略されている。
液体三方弁22は、配管114に設けられ、この配管114から分岐する配管116に流路を切り替えることができる。液体三方弁22は、制御部190からの制御信号により切替動作を行う。
空気三方弁134,136は、空気配管142,143に設けられており、空気配管142,143を開放するように切り替えることができる。空気配管142,143は、空気源180に接続されている。なお、図1においては、これら空気三方弁134,136及び空気配管142,143の図示が省略されている。
天板7における処理室S1に対応する部位には空気配管113が接続され、この空気配管113を介して空気源180の圧縮空気を処理室S1内に流入させることができる。また、空気配管113には空気弁21が設けられている。なお、空気源180は、エアコンプレッサ等から構成することができる。
磁石ユニット2は、第1筒状体61の内側における濾材配置領域S11に対応する領域に配置されている。
磁石ユニット2は、略円柱状の形状を有し、複数(図2では8個)の磁石26と、複数(図2では9個)の副磁気ヨーク27,27A,27Bとから構成されている。
副磁気ヨーク27,27A,27Bは、磁石26から放射される磁束を後述の磁気ヨーク43へ導く働きをする。これにより、磁石26から放射される磁束が効率よく磁気ヨーク43へと導かれ、磁石26から放射される磁束の損失を低減することができる。
また、磁石26と副磁気ヨーク27,27A,27Bは、それぞれ略円盤状の形状を有している。磁石26は、例えばネオジウム磁石等の永久磁石から構成されている。また、副磁気ヨーク27,27A,27Bは、例えば軟鉄等の磁気材料から構成されている。そして、副磁気ヨーク27の外径寸法が、磁石室S2の内径寸法よりも若干小さくなるように設定され、磁石26の外径寸法が、副磁気ヨーク27の径寸法よりも小さく設定されている。
複数の磁石26と複数の副磁気ヨーク27,27A,27Bとは、交互に積層された状態で配置されている。また、磁石ユニット2の中心軸方向(上下方向)において隣り合う2つの磁石26同士は、図4に示されるように、副磁気ヨーク27を介して同じ極性(N極とN極又はS極とS極)が対向するように配置されている。したがって、磁石ユニット2は、上下方向に関して交互にS極とN極とを含んでいる。そして、各副磁気ヨーク27,27A,27Bは、複数の磁石26のそれぞれの磁極(S極、N極)に対応する位置に配置されている。
図2に示されるように、磁石ユニット2は、磁石室S2内において、第1筒状体61の筒軸方向(図2における矢印A)へ移動可能となっている。
磁気ヨーク43は、処理室S1における濾材配置領域S11に配置されている。この磁気ヨーク43は、例えば軟鉄等の磁気材料から構成されている。複数の磁気ヨーク43は、副磁気ヨーク27,27A,27Bと略重複する高さに配置されている。また、磁気ヨーク43は、磁石ユニット2の複数の磁極それぞれを起点とする磁力線を処理室S1内における磁石ユニット2から離れる方向に引き込むよう配置されている。
具体的に、図4に示されるように、一の磁気ヨーク43Aは、磁石ユニット2のN極に対応する位置の近傍に配置され、他の磁気ヨーク43Bは、磁石ユニット2のS極に対応する位置の近傍に配置されている。そして、他の磁気ヨーク43Bは、N極から一の磁気ヨーク43Aに沿って磁石ユニット2から離れる方向に引き込まれた磁界の向きを、一の磁気ヨーク43Aから他の磁気ヨーク43Bに向かう方向、すなわち図4における上下方向に変化させる。これにより、一の磁気ヨーク43Aから他の磁気ヨーク43Bに向かう磁界(クーラントの流方向に沿った磁界)の磁束密度を向上させることができる。また、第1筒状体61の外周面近傍の磁力線Mの密度(磁束密度)と、第2筒状体62の内周面近傍の磁力線Mの密度(磁束密度)との差を小さくすることができる。
そのため、濾材4には、径方向において略均一に磁力が印加され、濾材4における濾過性能の径方向の偏りを小さくすることができる。特に、濾材4のうち第2筒状体62の内周面近傍での濾過性能を向上させることができる。
そして、図8に示されるように、磁石ユニット2を上方に移動させると、濾材4に印加された磁力が解除され、濾材4に吸着された金属粉等のスラッジを脱離しやすい状態とすることができる。磁石ユニット2を上方へ移動させるには、空気三方弁134,136を操作して、圧縮空気を下部ポート143aから導入し、磁石ユニット2を空気圧によって持ち上げる。
図3(a)は磁気フィルタ装置の磁気ヨークを示す斜視図、(b)は同断面図である。
磁気ヨーク43は、円盤状に形成され、その中心には平面視円形の貫通孔43bが形成されている。したがって、磁気ヨーク43は、実質的に平面視円環状の形状を有する。磁気ヨーク43の内径寸法は、処理容器6の第1筒状体61の外径寸法よりも若干大きい。また、磁気ヨーク43の外径寸法は、処理容器6の第2筒状体62の内径寸法よりも若干小さい。そして、磁気ヨーク43は、貫通孔43bに第1筒状体61が挿通された状態で濾材配置領域S11に配置される。また、磁気ヨーク43には、その厚さ方向に貫通する複数の貫通孔43aが形成されている。また、磁気ヨーク43は、その厚さ方向が処理容器6の筒軸方向に沿うように配置されている。そして、磁気ヨーク43の貫通孔43aの内側には濾材4が充填される。
[脱液・固形化装置]
図5は、図1に示される液体浄化システムの脱液・固形化装置を示す断面説明図である。
脱液・固形化装置100は、加圧容器70と、ブリケット排出部71とを備え、これらは装置ハウジング72内に配置されている。
加圧容器70は、スラッジから液分を脱離して所定形状のブリケットに固形化するための一連の工程を行う空間であり、その底部にはフィルタ体73が設けられている。
加圧容器70の天井部分には、スラッジ導入用の配管123と圧縮空気導入用の配管122とが接続されている。
加圧容器70の下部にはフィルタ体73が設けられるとともに、フィルタ体73の下方には液体回収部75が設けられている。この液体回収部75は、加圧容器70の底部を閉鎖する蓋体により構成され、スラッジから脱離された液体(クーラント)が回収される。蓋体75の内部は、排出口75aを介して加圧容器70の外部と連通されている。
フィルタ体73は、図5(b)に示されるように、濾過機能を有するフィルタ部材73aと、フィルタ部材73aの下側に配置された保持板73bとを備えている。フィルタ部材73aは、スラッジ中の金属粉の大きさに応じた目開きの金網等から構成されている。また、保持板73bは、フィルタ部材73aを載置・保持する補強板として機能し、フィルタ部材73aにより濾過されて落下する液体を通過させる開口面積を有する多数の小孔73b1が形成されている。
スラッジ導入用の配管123は、図1に示されるように、バッファタンク40に接続された配管121から分岐し、三方弁101によって流路が切り替えられるようになっている。
圧縮空気導入用の配管122には、図1に示されるように、空気三方弁104が設けられている。この空気三方弁104は、加圧容器70を空気源180に接続する形態と、大気に開放する形態とに切り替えることができる。
高さセンサ103は、フィルタ体73上で固形化され堆積するスラッジのブリケットの高さを検出するものである。具体的に、高さセンサ103は、加圧容器70の天井部から下方に垂下状に設けられた検出子103aを備えており、この検出子103aがブリケットに接触することによってその高さを検出する。例えば、検出子103aは電極棒とされ、この検出子103aにブリケットが接触したときの電圧又は電流の変化によって高さを検出する構成とすることができる。この高さセンサ103の検出信号は、制御部190(図1参照)に入力される。
液体回収部を構成する蓋体75は、加圧容器70の底部を開閉可能である。具体的に、蓋体75は、エアシリンダ等からなる昇降機構74によって上下に昇降し、加圧容器70を開閉するように構成されている。そして、図6(a)に示されるように、蓋体75とともにフィルタ体73を下降させることによって、フィルタ体73上に堆積したブリケットBを加圧容器70の下方に取り出すことができる。この昇降機構74は、ブリケット排出部71の一構成要素である。
また、ブリケット排出部71は、下降されたフィルタ体73上のブリケットBを水平方向に押し出して、装置ハウジング72の排出口72aから排出する水平押出部77を備えている。この水平押出部77は、エアシリンダ等によって構成されており、図6(b)に示されるように、このエアシリンダを伸長させることによってフィルタ体73上のブリケットBを排出口72aに押し出している。押し出されたブリケットBは、装置ハウジング72に設けられたシュート78によって案内され、図示しないスラッジ回収部に落下・回収される。
[制御部の構成]
制御部190は、液体浄化システムの動作制御を行う。
図7は、図1に示される液体浄化システムの制御部を示すブロック図である。
制御部190は、CPU200と、メモリ201と、入出力(I/O)ポート202とを備える。そして、CPU200、メモリ201及び入出力ポート202は、バスBUSを介して接続されている。メモリ201には、制御プログラム203が格納されている。
入出力ポート202には、弁類210、ポンプ類211、空気源180を制御する制御素子(例えば、リレー)、及び圧力センサ等のセンサ類212における測定素子(例えば、アナログディジタル変換器)が接続されている。
CPU200は、メモリ201に格納された制御プログラム203を実行することにより、制御部190の各種機能を実現している。
また、制御部190は、磁気フィルタ装置20が逆洗処理を行ったことを示す情報を管理している。
[液体浄化システムの全体動作]
次に、本実施形態に係る液体浄化システムの動作について説明する。
図10〜図13は、本実施形態に係る液体浄化システムの動作を示すフローチャートである。
液体浄化システムの制御部190は、捕集・逆洗処理(図10及び図11)、加圧容器70へのスラッジ導入処理(図12)、脱液・固形化処理(図13)の各処理における動作プログラムをそれぞれ独立して実行する。
(捕集・逆洗処理)
まず、図10において、制御部190は、逆洗工程の回数Nを初期化(N=0に設定)する処理を行う(ステップS1)。そして、制御部190は、ポンプ23を作動する(ステップS2)。
次に制御部190は、図1に示される空気弁21が閉鎖していることを確認する処理を行う(ステップS3)。そして、制御部190は、磁気フィルタ装置20における磁石ユニット2を「捕集位置」に位置付ける制御を行う(ステップS4)。具体的には、図2に示される空気三方弁134,136を操作して空気源180からの圧縮空気の供給先を上部ポート142aに切り替え、磁石ユニット2を下方、すなわち濾材4及び副磁気ヨーク27,27A,27Bに対応する高さに位置付ける。
また、図1に示される三方弁22を流路bに切り替え、弁24を開く制御を行う。これにより、ポンプ23によって汚泥液槽13から吸い上げられたスラッジを含むクーラント(汚泥液)は、磁気フィルタ装置20の処理室S1に流入し、濾材4に印加された磁力によって汚泥液に含まれるスラッジが吸着される。
次に制御部190は、圧力センサ25の検出値Pが所定の閾値Pよりも小さいか否かを判断する(ステップS5)。圧力センサ25の検出値Pが所定の閾値Pよりも小さい場合、制御部190は処理を次に進め、弁24を閉鎖する制御を行う(ステップS6)。
磁気フィルタ装置20の濾材4にスラッジが吸着されていくと、いわゆる目詰まりが生じ、磁気フィルタ装置20よりも上流側における汚泥液の送出圧力が高まり、下流側における送出圧力が低下する。そのため、磁気フィルタ装置20の濾過性能を担保できる最低限の圧力値を閾値Pとして設定することによって、濾材4により多くのスラッジを捕集することができる。
ステップS6において弁24を閉鎖すると、ポンプ23によって送出される汚泥液槽13の汚泥液は磁気フィルタ装置20を通過した後にアキュムレータ30に流入し、内部の充填ガスによって圧力が付与される。
次に、図11に示されるように、制御部190は、磁石ユニット2を逆洗位置に移動させる(ステップS7)。具体的には、図2に示されるように、空気三方弁134,136を制御して空気源180の空気供給先を下部ポート143a側に切り替える。そして、空気源180の圧縮空気によって磁石ユニット2を上昇させ(例えば図8及び図9参照)、濾材4に対する磁力の印加を解除する。
次に、制御部190は、図1に示される空気弁41が開いていること、空気弁42が閉じていること、及び三方弁101が流路dに切り替わっていることをそれぞれ確認する(ステップS8)。空気弁41が開いていることによってバッファタンク40内の圧力が大気に開放され、空気弁42が閉じていることによって空気源180の圧縮空気はバッファタンク40に供給されない。また、三方弁101が流路dに切り替わっていることによってバッファタンク40内の汚泥液は戻し管45内に流入する。
次に、制御部190は、三方弁22を流路aに切り換え、空気弁21を開く(ステップS9)。これにより、アキュムレータ30において圧力が付与されたクーラントが磁気フィルタ装置20に向けて勢いよく流入し、濾材4からスラッジが脱離される。そして、脱離されたスラッジとクーラントとは配管116を介してバッファタンク40に流入する。また、空気源180から送出された圧縮空気も磁気フィルタ装置20に流入し、磁気フィルタ装置20内のスラッジ及びクーラントをバッファタンク40へ押し出す。この動作によって磁気フィルタ装置20内で濾材4が洗浄(逆洗)され、再び効率よくスラッジを捕集できる状態となる。
制御部190は、濾材4の洗浄を行っている時間を計測しており、その時間Tが予め設定された時間(閾値)Tを経過したか否かを判断する(ステップS10)。そして、所定の時間Tが経過すると、空気弁21を閉じるとともに、逆洗回数Nを1つインクリメントする(N=N+1)(ステップS11)。そして、再び図10のステップS3に処理を戻し、スラッジの捕集処理を続けて実行する。
なお、以上の逆洗処理は、ごく短い時間(例えば1分程度)で一気に磁気フィルタ装置20内のスラッジをバッファタンク40に排出する。また、上記の逆洗処理は、アキュムレータ30から圧送されるクーラントと空気源180から圧送される空気とによってスラッジを排出しているが、処理室S1内の圧力を利用した別の処理も同時に又は別途行うことができる。この別の処理の具体例については、<逆洗工程の変形例>おいて後で説明する。
(加圧容器へのスラッジ導入処理)
図12に示されるように、制御部190は、前述した捕集・逆洗処理においてカウントされる逆洗回数Nが増加(N→N+1)したか否かを監視している(ステップS21)。そして、逆洗回数が増加したと判断すると、三方弁22が流路bに切り替わっていること、空気三方弁104が流路fに切り替わっていること、及び脱液・固形化装置100の加圧容器70の蓋体75が閉鎖していることを確認する(ステップS22)。
次いで、制御部190は、図1に示される空気弁41を閉じるとともに、三方弁101を流路cに切り換え、空気弁42を開く制御を行う(ステップS23)。これにより、空気源180からの圧縮空気がバッファタンク40内に導入され、その空気圧によって流路121及び123を介してバッファタンク40内の汚泥液(スラッジ及びクーラント)が脱液・固形化装置100の加圧容器70内に導入される。
制御部190は、加圧容器70への汚泥液の導入時間が所定時間T経過したか否かを監視する(ステップS24)。そして、所定時間が経過すると、制御部190は空気弁42を閉じるとともに、三方弁101を流路dに切り換え、空気弁41を開く制御を実行する(ステップS25)。以上の動作により、バッファタンク40内の汚泥液が全て加圧容器70内に導入される。その後、制御部190は、逆洗回数Nを0にリセットする。
なお、バッファタンク40から加圧容器70への汚泥液の導入にかける時間は、磁気フィルタ装置20からバッファタンク40へ汚泥液を排出する時間よりも長い時間とされており、前者における汚泥液の流量は、後者における汚泥液の流量よりも少なくなっている。すなわち、逆洗処理を行う場合には、磁気フィルタ装置20からバッファタンク40へ短時間で汚泥液を排出することによって、その後迅速に磁気フィルタ装置20を用いたスラッジの捕集処理に復帰することができ、スラッジの捕集効率を高めることができる。
その一方で、バッファタンク40から加圧容器70へ時間をかけて汚泥液を導入することによって、次に説明する脱液処理をより確実に効率よく行うことが可能となっている。
また、バッファタンク40から加圧容器70へ導入する汚泥液の流量は、弁42の開閉時間を調整(たとえば、間欠的に開閉)したり、弁42の開度を調整したりすることによって調整することが可能であり、加圧容器70における脱液の効率等を考慮した最適な流量で汚泥液を導入することができる。
(脱液・固形化処理)
図13に示されるように、制御部190は、図12のステップS25において逆洗回数Nが0にリセットされたか否かを監視している(ステップS31)。つまり、制御部190は、バッファタンク40から加圧容器70内に汚泥液が導入されたか否かを監視している。そして、制御部190は、逆洗回数Nが0にリセットされたと判断すると、加圧容器70の蓋体75が閉じていること、三方弁101が流路dに切り替わっていること、及び弁102が閉じていることを確認する(ステップS32)。
次いで、制御部190は、空気三方弁104を流路eに切り換える制御を行う(ステップS33)。これにより空気源180からの圧縮空気が配管122を介して加圧容器70内に導入される。加圧容器70内では、図5に示されるフィルタ体73上に汚泥液が溜まった状態となっており、加圧容器70内に圧縮空気が導入されることによって、汚泥液の液分が積極的にフィルタ体73を通過して蓋体(液体回収部)75に押し出され、外部に排出される。すなわち、スラッジが脱液される。
次いで、制御部190は、圧力センサ105の検出値Pが所定の閾値Pを下回ったか否かを判断する(ステップS34)。フィルタ体73上の汚泥液の液分が減少しスラッジの表面が現れると空気が通過しやすくなるので、加圧容器70の圧力が低下する。そのため、このような圧力の変化を検出することによって脱液処理が完了したかどうかを検出することができる。そして、制御部190は、圧力センサ105の検出値Pが閾値Pを下回ったと判断すると、制御部190は、空気三方弁104を流路fに切り換え、加圧容器70内を大気に開放する(ステップS35)。
次いで、制御部190は、フィルタ体73上のスラッジの堆積量を検出する高さセンサ103の検出値Hが所定の閾値Hを下回っているか否かを判断する(ステップS36)。所定の閾値Hを下回っている場合は、まだ、加圧容器70内にスラッジを堆積することが可能であるので、処理をステップS31に戻し、以上の動作を繰り返し行う。
一方、検出値Hが所定の閾値H以上となった場合には、制御部190は、加圧容器70からのスラッジの排出処理を実行する(ステップS41)。この排出処理は、図6を参照して説明したように、昇降機構74によって蓋体75を下降させ、フィルタ体73上に堆積した脱液後のスラッジのかたまりであるブリケットBを加圧容器70から取り出し、水平押出部77によって排出口72aから装置ハウジング72外へ排出する。
一方、ステップS34において、圧力センサ105の検出値Pが閾値P以上である場合には、制御部190は、脱液を行っている時間Tが所定の時間T経過したか否かを判断する(ステップS37)。
例えば、加圧容器70内のフィルタ体73が完全に目詰まりして汚泥液中の液分を排出できなくなっていたり、蓋体75の排出口75aが詰まったりしていると、脱液を開始してから長時間が経過しても加圧容器70内の圧力は低下しない。この場合、フィルタ体73等の詰まりを取り除かなければ処理を継続することができないので、蓋体75を強制的に開くことによって加圧容器70から汚泥液を排出する必要がある。この排出の際に、汚泥液に含まれる液分が多いと、その後、液分を取り除くための処理に時間がかかるため、加圧容器70から排出する前に予め液分を減らしておくことが望まれる。
本実施形態の脱液・固形化装置100は、加圧容器70の天井部から下方に延びる排出管102aを備えており、加圧容器70内の汚泥液が排出管102aの下端を超えるとその超えた分の汚泥液を排出することが可能となっている。
具体的には、フィルタ体73上に汚泥液が溜まったまま時間が経過すると、次第にスラッジが沈殿する。一方、加圧容器70内には、空気源180から圧縮空気が供給されているので、弁102を開くことによって、排出管102aの下端を超える量の汚泥液の上澄みが排出管102aを介して排出される。これにより、加圧容器70内の汚泥液の液分を可及的に減らすことができ、加圧容器70から汚泥液を排出した後の処理に要する労力を軽減することが可能となる。したがって、ステップS34及びS37において、所定時間Tを経過しても圧力センサ105の検出値Pが閾値Pを下回らない場合には、制御部190は、弁102を開放することによって排出管102aから汚泥液中の液分を排出するのである(ステップS38)。ここにおいて、排出管102aや弁102、空気源180等は、加圧容器70内の所定量以上の汚泥液の液分(クーラント)を排出する排出機構を構成している。
図13において、制御部190は、排出管102aによる汚泥液の排出時間Tが、所定時間Tを経過したか否かを判断し(ステップS39)、所定時間Tを経過した場合には、弁102を閉じるとともに、空気三方弁104を流路fに切り換える(ステップS40)。
その後、蓋体75を開放することによって汚泥液を排出し(ステップS41)、処理をステップS31に戻す。
以上説明した本実施形態では、磁気フィルタ装置20の濾材4によって所定量のスラッジが捕集されると、逆洗工程を行うことによって濾材4からスラッジを脱離し、クーラントと共にバッファタンク40にスラッジが排出される。そして、バッファタンク40に空気源180から圧縮空気を導入することによって、汚泥液が脱液・固形化装置100の加圧容器70に導入される。このとき、バッファタンク40から加圧容器70に導入される汚泥液の流量は、磁気フィルタ装置20からバッファタンク40に排出される汚泥液の流量よりも少なくなっている。そのため、例えば磁気フィルタ装置20の捕集容量を大きくすることによって、逆洗処理の頻度を少なくし、その分、捕集処理の時間を長く確保することによって捕集効率を向上させた場合であっても、捕集された大量のスラッジを一旦バッファタンク40に排出することで、逆洗処理を短時間で完了させることができる。他方、バッファタンク40に大量のスラッジが排出されたとしても、バッファタンク40から脱液・固形化装置100には、少ない流量で汚泥液が導入されるので、脱液・固形化装置100の処理容量を超えるような汚泥液が一気に導入されてしまうことがなく、適切に汚泥を処理することが可能となっている。
<逆洗工程の変形例>
逆洗処理については既に説明したが、上記の逆洗処理に加えて又は別途実行することが可能な変形例に係る逆洗処理について説明する。
図2に示されるように、磁気フィルタ装置20によってスラッジの捕集処理を行っているときは、ポンプ23から配管114、処理室S1の順に経由して配管118へと流れる流路に設定されている。
この状態で逆洗工程を行う場合には、制御部190は、磁石ユニット2を逆洗位置に上昇させるとともに、液体三方弁18を制御して配管118を配管19に接続する。すると、クーラントの流路が、ポンプ23から配管114及び配管118の両方を通って処理室S1内へ流れ込む流路に切り替わる。そして、図8に示されるように、ポンプ23により配管19、液体三方弁18及び配管118を通じた流路でも処理容器6の処理室S1内にクーラントが供給される(図8中の矢印参照)。このとき、クーラントの液面は、ポンプ23の送出圧力により配管118の先端部よりも上方へ押し上げられる。そして、処理室S1の上方の空気溜領域A1に溜まっている空気がクーラントにより圧縮された状態となる。
制御部190は、三方弁22を制御して処理室S1に連通する配管114の接続先を脱液・固形化装置100に接続された配管116側に切り替える。すると、クーラントの流路が、ポンプ23から配管19,118、処理室S1の順に経由して配管116へと流れる流路に切り替わる。そして、図9に示されるように、空気溜領域A1に溜まっている圧縮された空気の圧力により、処理室S1内に導入されたクーラントを配管116へ勢いよく流出することができる(図9中の矢印参照)。すなわち、磁気フィルタ装置20における処理室S1内を一種のアキュムレータとして用い、その圧力を利用して勢いよくスラッジ及びクーラントをバッファタンク40に排出することができる。
<第2の実施形態>
図14は、本発明の第2の実施形態に係る液体浄化システムの概略構成図である。また、図15は、図14に示される液体浄化システムの中間蓄積装置を示す断面説明図である。
本実施形態は、バッファタンク40と脱液・固形化装置100との間に中間蓄積装置50が設けられている点で、第1の実施形態と異なっている。
この中間蓄積装置50は、バッファタンク40から導入された汚泥液を受け入れ、汚泥液中の液分を取り除き、スラッジを溜めて濃縮したあと脱液・固形化装置100に排出するように構成されている。
図15に示されるように、中間蓄積装置50は、磁気フィルタ装置20と類似した構造を備えている。具体的には、中間蓄積装置50は、処理容器51と、磁石ユニット52と、磁気ヨーク53とを備えている。処理容器51は、円筒形状の内側筒状体51A及び外側筒状体51Bとを備えており、内側筒状体51Aの外側に外側筒状体51Bが同心状に設けられている。内側筒状体51Aと外側筒状体51Bとの間が処理室S3とされ、内側筒状体51Aの内部は磁石室S4とされている。内側筒状体51Aは、外側筒状体51Bよりも筒軸方向に長く、約2倍の長さに形成されている。そして、外側筒状体51Bは、内側筒状体51Aの下部側に対応して配置されている。そのため、磁石室S4は、処理室S3よりも上方に突出した形態となっている。
磁石ユニット52は、磁石室S4に配置されており、磁気フィルタ装置20における磁石ユニット2と同一の構成を有している。つまり、磁石ユニット52は、複数の磁石55と複数の副磁気ヨーク54,54A,54Bとからなり、これらは交互に積層されている。また、上下に隣り合う磁石同士は、副磁気ヨーク54を介して同じ極性が対向するように配置されている。
処理室S3において、外側筒状体51Bの内面には磁気ヨーク53が設けられている。この磁気ヨーク53は、軟鉄等の磁気材料によって磁石ユニット52の径方向外側を取り囲むように円筒形状に形成され、外側筒状体51Bの内面に沿うように取り付けられている。このような構成によって、磁気ヨーク53が、磁石ユニット52から離れる方向に磁力線を引き込むため、処理容器51の筒軸方向に直交する方向の磁界を生成することができる。
本実施形態では、バッファタンク40から排出された汚泥液は、配管121を介して中間蓄積装置50の処理容器51内に流入する。この中間蓄積装置50には磁石ユニット52が配置されているので、汚泥液に含まれるスラッジは、内側筒状体51Aの外周面や磁気ヨーク53の内周面に吸着される。汚泥液の液分はそのまま下方に流れ、配管125及び戻し管45を介して汚泥液槽13に排出される。
また、磁石ユニット52は、磁気フィルタ装置20の磁石ユニット2と同様に上下方向に移動可能とされている(図16参照)。そして、磁石ユニット52が上方へ移動することによって、磁気ヨーク53との間の磁気的な結合が解消される。そのため、磁気ヨーク53の内面や内側筒状体51Aの外周面に吸着されたスラッジは脱離しやすい状態となる。
磁石ユニット52を上下方向に移動させるため、磁石室S4の上端は、配管242を介して空気源180が接続され、磁石室S4の下端は、配管243を介して空気源180が接続されている。各配管242,243には、空気三方弁234,236が設けられ、各配管242,243を開放するように切り換えることができる。
なお、磁石ユニット52が下方に位置しているとき、スラッジを捕集して蓄積・濃縮することができるので、この位置を「蓄積位置」といい、磁石ユニット52が上方に位置しているとき、スラッジを処理室S1内にクーラントを流入させることによってスラッジを洗い流すことができるので、この位置を「洗浄位置」という。
[液体浄化システムの全体動作]
次に、本実施形態に係る液体浄化システムの動作について説明する。
図17〜図20は、本実施形態に係る液体浄化システムの動作を示すフローチャートである。
液体浄化システムの制御部190は、捕集・逆洗処理(図17及び図18)、中間蓄積処理(図19)、加圧容器へのスラッジ導入処理(図20)、脱液・固形化処理(図13)の各処理における動作プログラムをそれぞれ単独で実行する。なお、脱液・固形化処理については、第1の実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(捕集・逆洗処理)
図17及び図18における制御部190の処理のうち、ステップS101〜ステップS107までは第1の実施形態(図10及び図11)におけるステップS1〜S7と同一であり、ポンプ23によって汚泥液槽13から吸引したクーラントを磁気フィルタ装置20に送り、クーラントに含まれるスラッジを濾材4によって捕集する。その後、磁気フィルタ装置20の磁石ユニット2を逆洗位置(上方位置)に移動させる。
次に、制御部190は、逆洗回数Nが、予め設定した繰り返し回数Nを下回るか否かを判断する(ステップS108)。そして、逆洗回数Nが繰り返し回数Nを下回る場合はステップS109〜ステップS112の処理を実行する。このステップS109〜S112は、第1の実施形態におけるステップS8〜S11の処理と同一である。
また、ステップS108において、逆洗回数Nが繰り返し回数N以上であると判断すると、制御部190は、中間蓄積装置50から加圧容器70へのスラッジ導入処理を実行する(ステップS113)。この処理については後述する。
(中間蓄積処理)
図19に示されるように、制御部190は、前述の捕集・逆洗処理において逆洗回数Nが増加したか否かを監視している(ステップS121)。そして、図18のステップS112において逆洗回数が増加(N=N+1)したことを認識すると、制御部190は、三方弁22が流路bに切り替わっていること、三方弁101が流路dに切り替わっていること、及び中間蓄積装置50の磁石ユニット52が蓄積位置に位置していることを確認する(ステップS122)。
次に、制御部190は、空気弁41を閉じ、空気弁42を開く制御を行う(ステップS123)。これにより、逆洗処理によってバッファタンク40内に排出された汚泥液は、空気源180からの圧縮空気によって押し出され、配管121を介して中間蓄積装置50に導入される。このとき空気弁42の開閉時間を調整したり、開度を調整したりすることによってバッファタンク40に供給する圧縮空気の流量を調整し、バッファタンク40から中間蓄積装置50への汚泥液の流量を調整することができる。そのため、中間蓄積装置50へゆっくりと汚泥液を供給することが可能となり、より確実に磁石ユニット52の磁力によってスラッジを捕集し、液分を分離することができる。
制御部190は、中間蓄積装置50への汚泥液の導入時間Tが所定時間T経過したか否かを監視する(ステップS124)。そして、所定時間Tが経過すると、空気弁42を閉じるとともに、空気弁41を開く制御を実行する(ステップS125)。以上の動作により、バッファタンク40内の汚泥液が全て中間蓄積装置50へ導入される。その後、制御部190は、処理をステップS121に戻す。
以上のように中間蓄積装置50では、磁気フィルタ装置20において逆洗処理が行われる度にバッファタンク40から汚泥液が導入され、汚泥液に含まれるスラッジが蓄積される。そして、この蓄積は、逆洗処理がN回行われるまで繰り返し実行される(図18のステップS108)。したがって、中間蓄積装置50の処理容器51内には、逆洗回数N回分のスラッジが濃縮された状態で蓄積される。
(加圧容器へのスラッジ導入処理)
図18のステップS108において、逆洗回数Nが上限回数Nに達すると、制御部190は、加圧容器70へのスラッジ導入処理を実行する。
図20に示されるように、制御部190は、空気弁41,42が閉じていること、空気三方弁104が流路fに切り替わっていること、及び加圧容器70の蓋体75が閉じていることを確認する(ステップS131)。
ついで、制御部190は、中間蓄積装置50における磁石ユニット52を洗浄位置(上方位置;図16参照)に移動させ、三方弁101を流路cに切り換え、三方弁22を流路aに切り換え、空気弁21を開くように制御を行う(ステップS132)。
これにより、空気源180からの圧縮空気が、磁気フィルタ装置20、三方弁22,流路116、及びバッファタンク40を介して中間蓄積装置50の処理容器51内に流入する。また、アキュムレータ30に流入していたクーラントが、磁気フィルタ装置20、三方弁22,流路116、バッファタンク40、及び流路121を介して中間蓄積装置50の処理容器51内に流入する。そして、処理容器51内で蓄積されたスラッジは、クーラントによって流されるとともに圧縮空気によって押し出され、配管123を介して脱液・固形化装置100の加圧容器70に導入される。
制御部190は、加圧容器70への汚泥液の導入時間Tが所定時間Tを経過したか否かを監視する(ステップS133)。そして、所定時間Tが経過すると、空気弁21を閉じ、三方弁101を流路dに切り換え、磁石ユニット52を蓄積位置に移動し、空気弁41を開く制御を行う。また、制御部190は、逆洗回数Nを0にリセットする。
本実施形態においては、バッファタンク40と脱液・固形化装置100との間に中間蓄積装置50が設けられ、この中間蓄積装置50において汚泥液中のスラッジが蓄積・濃縮されるので、中間蓄積装置50から脱液・固形化装置100へ液分の少ないスラッジを導入することができる。したがって、脱液・固形化装置100における脱液処理を短時間で容易に行うことが可能となる。また、第1の実施形態では磁気フィルタ装置20の逆洗処理のたびに脱液・固形化装置100にも汚泥液が導入されていたが、本実施形態では、複数回Nの逆洗処理のたびに脱液・固形化装置100にスラッジが導入される。したがって、脱液・固形化装置100の稼働回数を少なくすることができる。言い換えると、複数回の逆洗処理が完了するまでの時間を利用して、脱液・固形化装置100において脱液処理を長時間実行することができるので、より確実な処理を行うことができる。
<他の実施形態>
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜変更可能である。
例えば、図1に示されるように、脱液・固形化装置100には、排出管102aと高さセンサ(堆積検出器)103とが設けられているが、排出管102aを高さセンサの検出子(電極棒)として用いてもよい。この場合、排出管102aと高さセンサ103とを少なくとも一部において兼用することが可能である。
また、高さセンサ103を省略し、磁気フィルタ装置20における逆洗回数から脱液・固形化装置100に投入されたスラッジの量(高さ)を間接的に検出することもできる。
また、脱液・固形化装置100は、圧縮空気を導入することによって加圧容器(収容容器)70内の汚泥液を加圧し、脱液を行っているが、加圧以外の他の方法によって脱液を行うものであってもよい。
上記実施形態において、磁気フィルタ装置20からバッファタンク40へのスラッジの排出や、バッファタンク40から脱液・固形化装置100又は中間蓄積装置50へのスラッジの導入、あるいは、中間蓄積装置50から脱液・固形化装置100へのスラッジの導入の際は、クーラントを用いてスラッジを流すようにしていたが、クーラントではなく他の液体(例えば、水や油)を外部から導入してスラッジを流してもよい。この場合、戻し管45や排出管102a、加圧容器70の排出口75aの排出先を汚泥液槽13ではなく、他の槽とすればよい。
1 :工作機械(スラッジ発生装置)
2 :磁石ユニット
11 :仕切り壁
12 :浄化液槽
13 :汚泥液槽
20 :磁気フィルタ装置(スラッジ捕集装置)
40 :バッファタンク(中間受入容器)
42 :空気弁(調整機構)
50 :中間蓄積装置
70 :加圧容器(収容容器)
100 :脱液・固形化装置
102a :排出管
103 :高さセンサ

Claims (10)

  1. 被処理液体に含まれるスラッジを捕集するスラッジ捕集装置と、
    前記スラッジを脱液・固形化する脱液・固形化装置と、
    前記スラッジ捕集装置と前記脱液・固形化装置との間に設けられ、前記スラッジ捕集装置から排出されたスラッジ含有液体を受け入れると共に、受け入れたスラッジ含有液体を前記脱液・固形化装置側へ導入させる中間受入容器と、を備えており、
    前記中間受入容器から前記脱液・固形化装置側へのスラッジ含有液体の導入流量が、前記スラッジ捕集装置から前記中間受入容器へのスラッジ含有液体の排出流量よりも少なく設定されていることを特徴とする液体浄化システム。
  2. 前記中間受入容器から前記脱液・固形化装置へのスラッジ含有液体の導入流量を調整する調整機構を備えている、請求項1に記載の液体浄化システム。
  3. 前記中間受入容器と前記脱液・固形化装置との間に、スラッジ含有液体中のスラッジを蓄積し、その蓄積したスラッジを前記脱液・固形化装置に導入させる中間蓄積装置をさらに備えている請求項1又は2に記載の液体浄化システム。
  4. 被処理液体に含まれるスラッジを捕集するスラッジ捕集装置と、
    前記スラッジを脱液・固形化する脱液・固形化装置と、
    前記スラッジ捕集装置と前記脱液・固形化装置との間に設けられ、前記スラッジ捕集装置から排出されたスラッジ含有液体を受け入れる中間受入容器と、
    前記中間受入容器と前記脱液・固形化装置との間に設けられ、前記中間受入容器から導入されたスラッジ含有液体中のスラッジを蓄積し、その蓄積したスラッジを前記脱液・固形化装置へ導入させる中間蓄積装置と、を備えていることを特徴とする液体浄化システム。
  5. 前記中間受入容器から前記中間蓄積装置へのスラッジ含有液体の導入流量が、前記スラッジ捕集装置から前記中間受入容器へのスラッジ含有液体の排出流量よりも少なく設定されている、請求項4に記載の液体浄化システム。
  6. 前記中間蓄積装置は、前記スラッジ捕集装置から前記中間受入容器へ排出される複数回分のスラッジの量よりも大きい蓄積容量を有している、請求項3又は5に記載の液体浄化システム。
  7. 前記脱液・固形化装置は、スラッジ含有液体を収容し、当該スラッジ含有液体中の液体を通過させるフィルタを備えた収容容器と、所定の条件に応じて前記収容容器内の所定量以上の液体を前記収容容器の外部へ排出する排出機構とを備えている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体浄化システム。
  8. 前記排出機構は、前記収容容器内の液体の上方から当該液体内に挿入される排出管を備えており、この排出管が前記フィルタ上で脱液されたスラッジの高さを検出する検出器を兼ねている、請求項7に記載の液体浄化システム。
  9. 前記スラッジ捕集装置によってスラッジが除去された後の被処理液体であってスラッジ発生装置に供給するための被処理液体が貯留される浄化液槽と、前記スラッジ発生装置から排出されたスラッジを含む被処理液体が貯留される汚泥液槽とを更に備えており、浄化液槽と汚泥液槽とは、互いに一方から溢れた被処理液体を他方において受入可能に構成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の液体浄化システム。
  10. 前記浄化液槽と前記汚泥液槽とは、隣接して配置されるとともに、各槽の周壁の高さよりも低い仕切り壁によって仕切られている、請求項9に記載の液体浄化システム。
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