JP4813195B2 - 展示ケース - Google Patents

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Description

本発明は、脚体に支持された、展示品を載置する載置台と、該載置台上の物品を照らす照明装置と、前記載置台の上方を覆う透過性の素材でからなる下方が開口された箱状の蓋体と、を備えた展示ケースに関する。
展示品を載置する載置台と箱状の蓋体とを備え、蓋体内の展示物を照明装置により照らすことを可能とした従来の展示ケースとして、蓋体の支持部上面に蝶番を介して照明ボックスを取り付け、使用時に照明ボックスを蓋体の上部に向かって回転させて展示物をより近接した状態で内部を照明し、照明ボックスの点検や照明具の交換時には、照明ボックスを上方に回転させたたものが公知である(特許文献1参照)。また、他の照明装置付き展示ケースとして、展示ケースの後面開口部に扉を枢着し、扉の前面に照明装置を設け、この照明装置は施錠装置で開閉される蓋板に取り付けられたものが知られている(特許文献2参照)。
特開平9−403号公報(段落0016、0021、図2) 特開平9−215567号公報(段落0021、0022、図2)
しかしながら、特許文献1に記載の展示ケースにおいては、照明ボックスが蓋体の上面一部を覆うため見る方向によっては展示物が若干見づらく、しかも展示物の交換や点検のために蓋体を取り除く際に照明ボックスを上方に向かって回動させなければならず、手間が掛かった。そして照明ボックスを上方に回動させると、照明の向きが変わるため載置台にある展示物をしっかりと照明できない問題があった。一方、特許文献2に記載の展示ケースにおいては、照明装置が展示ケース内に入り込んでいるため展示空間の有効利用が損なわれると共に、展示品の交換に際して照明装置付きの扉を開閉しなければならず、しかも照明装置の交換や点検の場合は、施錠装置によって蓋板を外す作業を必要とした。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、照明装置に何等手を施すことなく容易に蓋体を載置台から取り除くことができ、照明装置の交換や点検が蓋体の開閉と無関係に行える展示ケースを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の展示ケースは、脚体に支持された、展示品を載置する載置台と、該載置台上の前記展示品を照らす照明装置と、前記載置台の上方を覆う透過性の素材でからなる下方が開口された箱状の蓋体と、を備えた展示ケースにおいて、前記載置台の後方から支持体を立設し、該支持体の上部前面に、前記蓋体の上面板から上方向に所定距離離間して前記照明装置を支持するとともに、前記脚体の上部に前記載置台を支持する枠体を構成し、前記枠体と前記載置台間、または両者間のいずれか一方に形成した一対の前後方向の溝条に蓋体を支持し、前記蓋体の下端縁を前記前後方向の溝条に沿って前後に摺動させることで、前記蓋体を前記枠体に対し取り外し可能に支持したことを特徴としている。
この特徴によれば、照明装置が蓋体の上面板から所定距離離間して支持されているので、照明装置の交換や点検が蓋体の開閉と無関係に行え、しかも展示物の交換等に際しては、蓋体を前上方に傾斜させながら、一対の前後方向の溝条内を摺動させることで、容易に載置台側から取り外すことができる。
本発明の請求項2に記載の展示ケースは、請求項1に記載の展示ケースであって、前記枠体を、前後方向に延びる左右一対の杆材と、該杆材同士を連結する前後一対の杆材とで構成し、前記溝条に開口上向き凹字状の縁材を架設したことを特徴としている。
この特徴によれば、枠体を4つの杆材で構築するので脚体の支持が安定し、かつ溝条に開口上向き凹字状の縁材を架設したことで、厳格な寸法精度が要求されることなく凹溝を形成することができる。また、縁材を丈夫で滑りやすい材質で形成することで、蓋体を縁材の凹字状の部分で安定して支持し、かつ円滑に摺動させることができる。
本発明の請求項3に記載の展示ケースは、請求項2に記載の展示ケースであって、前記枠体における左右一対の杆材に施錠装置を設けて、前記蓋体を、前記摺動可能状態と、不能状態との何れかに選択可能に支持したことを特徴としている。
この特徴によれば、蓋体を施錠装置により摺動可能状態と、不能状態との何れかに選択可能に支持したので、蓋体がみだりに取り外されて物品が盗難されるのを防止できる。
本発明の請求項4に記載の展示ケースは、請求項1乃至3の何れかに記載の展示ケースであって、前記蓋体を、軽量の透光性素材から成型したことを特徴としている。
この特徴によれば、軽量であるので蓋体の取り扱いが楽であり、脚体からの取り外しをスムーズに行うことができるとともに、上方に離間した照明装置の光も、充分に通すことができる。
本発明の請求項5に記載の展示ケースは、請求項1乃至4の何れかに記載の展示ケースであって、前記脚体を前記枠体の四隅に設けた支脚で構成し、前記支持体を、前記支脚のうち後方の二者を前記蓋体の高さよりも上方へ延設し、かつ、その上端部同士を上部横杆により連結して構成したことを特徴としている。
この特徴によれば、後方の支脚の高さを大とするという容易な方法で支持体を構成でき、別体の複雑な支持構造体を構成する必要が無い。
本発明の実施例を以下に説明する。
図1は、本発明の実施例における展示ケースの全体像を示す斜視図であり、図2は、展示ケースの分解組立斜視図であり、図3は、展示物を覆う蓋体の取り付けおよび取り外しを示す斜視図であり、図4(a)は、本実施例における蓋体の背面側の斜視図であり、図4(b)は、変形例である蓋体の背面側の斜視図であり、図5は、蓋体の取り付け時における載置台の前方角部および、その近傍を示す要部拡大斜視図であり、図6は、蓋体の取り付け時における載置台の側部および、その近傍を示す要部拡大斜視図であり、図7(a)は、載置台の開口部内に蓋体の下向片が差し込まれた状態および施錠装置に対し、鍵を操作する状態を示す正面視断面図であり、図7(b)は、図7(a)のA−A断面線の断面図であり、図8(a)は、鍵操作によって蓋体の下向片が施錠装置に施錠された平面視断面図であり、図8(b)は、図8(a)のB−B断面線の断面図であり、図9は、蓋体の取り外し過程を示す側面視概略図である。
図1に示されるように、展示ケース1の上部には、下向きに開口された蓋体15が設けられ、展示ケース1内の展示物Tを外部から保護しつつ閲覧可能となっている。以下、本実施例の説明において、図1に図示された展示ケース1を対面した状態で見て、展示ケース1の手前側を前方とし、展示ケース1の奥行き側を後方とし、左手側を左方、右手側を右方として説明する。
展示物Tが載置される上面視横長矩形の載置台2は、床面28に対して前後に配置されたアルミ合金やスチール等の金属製の左右一対の支脚となる前部脚体6,6および後部脚体7,7と、これら前後の脚体6,7の上部同士を連結する平面視方形の左右前後の杆材11,11の上面視横長の枠体12とによって支持されている。
各杆材11の四隅の前後4本の脚体6,7のうち、後部脚体7,7の上端部の位置は、蓋体15の上面板15aの高さよりも高く、上面板15aから上下方向に所定間隔離間して延設された長さとなっている。後部脚体7,7間の上端部間には、アルミの押出しによって成型された横長の上部横杆9が架設されたことで上端部同士が連結されている。上部横杆9の前面位置には下方を照らす照明装置26が支持固定され、載置台2上の展示物Tに向けてスポットライトを当てている。このように、後部脚体7,7の高さを大とする容易な方法で、かつ、その上端部同士を上部横杆9で連結して照明装置26を支持する支持体が構成されるので、別体の複雑な支持構造体を構成する必要が無い。
蓋体15は透光性を備えた軽量かつ強度のある硬質な合成樹脂材(例えばアクリル等)によって成型されているので、上方に離間した照明装置の光も、充分に通すことができるとともに、蓋体15の自重も抑えられ取り扱いも楽である。また、上部横杆9と後方の杆材11と左右の後部脚体7,7とで構成される枠内には、背面板8が嵌め込まれており、この背面板8が照明光の反射板としても活用されている。
また、照明装置26に接続される給電ケーブル(図示省略)は、載置台2の下面と床面28に架設された配線ダクト27を介して、床面28に向けて配線されている。左右一対の前部脚体6,6間および後部脚体7,7間にはそれぞれ幕板14,14が、そして前後する左右の前部脚体6,6と後部脚体7,7間にはそれぞれ幕板14’,14’が取り付け可能で載置台2の下方を遮蔽することができる。
図2に示されるように、左右の杆材11,11および前後の杆材11,11は、断面視矩形の角形金属パイプで成型され、この左右の杆材11,11の略中央位置には、施錠装置24,24を取り付ける収納凹部が11b,11bが形成されている。前部脚体6,6および後部脚体7,7の同じ高さ位置には、直交する2方向に向けて、上向きに開口するコ字状の連結部6a,7aが各々延設されている。
そこで、左右の杆材11,11の前端部に後方を向く連結部6a,6aが嵌入され、この左右の杆材11,11の後端部に前方を向く連結部7a,7aが嵌入されるとともに、前後の杆材11,11の左端部に右方を向く連結部6a,7aが嵌入され、右端部に左方を向く連結部6a,7aが嵌入されることで、前述の載置台2を取り付ける矩形の枠体12が構成される。載置台2の前端上縁および左右端上縁には、切欠き部3,4,4が形成され、左右の切欠き部4,4の前後中間位置には、上下に開放する開口4a,4aが形成されており、さらに開口4a,4aの下部側面には、受け溝4b,4bが形成されている。
載置台2の取り付けには、4つの同型の支持金具13が用いられており、各支持金具13は板金の折り曲げから側面視L字に成型され、載置台2の下面に連結される水平面13aと前後の杆材11,11の互いに対面する側端面部11a,11aに連結される垂直片13bの2片とから構成され、支持金具13を介してネジで載置台2と前後の杆材11,11とが強固に連結されている。このように、施錠装置24,24と支持金具13,13とをそれぞれ別々の一対の杆材11,11に分けて設けることができるので、施錠装置24と支持金具13とが互いに干渉することなく配設でき、展示ケース1の設計が容易となっている。
左右の後部脚体7,7の上端部の互いに対面する面には、連結材10,10がネジで螺着され、左右に延在する上部横杆9の左右端部に連結材10,10の一部が嵌入することで後部脚体7,7間に架設され連結されるとともに、この上部横杆9の下部に位置する背面板8は、後部脚体7,7に対して、背面板8の左右側端の一部が後部脚体7,7の対面側に凹凸嵌合することで架設される。
載置台2が左右前後の杆材11,11から構成される枠体12内に取り付けられると、前方の杆材11側端面部11aと切欠き部3との間に左右方向に沿って、後述する溝条が形成されるとともに、左右の杆材11の側端面部11a,11aと切欠き部4,4との間にも前後方向に沿って、後述する溝条が形成される。前方の杆材11側端面部11aと切欠き部3との間の溝条には合成樹脂製の1本の縁材22が、左右の杆材11の側端面部11a,11aと切欠き部4,4との間と、2本の縁材21,21を取り付け可能になっており、縁材22および縁材21,21には、それぞれの長さ方向に沿って凹字状内壁面22a,21aが形成され、図3に示されるように、縁材21,21および縁材22は、それぞれの凹字状内壁面21a,21a,22aを上向きに開口した状態で、各溝条内に架設されている。
蓋体15は、左右一対の側板19,19と、前後の前板20および後板18と、上部を閉蓋する前方の一部にテーパー面を備えた上面板15aと、を接着剤等の接合によって組み上げられ、下向きに開口するケース体として構成されており、これら側板19,19および前板20の下端縁16が、縁材21,22の凹字状内壁面21a,22aに載置して取り付けられる。尚、蓋体15の成型としては金型成型で一体に構成してもよいし、熱処理による折り曲げ成型によって構成してもよい。
側板19,19の下端縁16,16の前後略中間位置には、下方に向けて下向片17,17が設けられ、左右に貫通する被係合部である係合孔17a,17aが開口形成されている。左右の杆材11,11に設けられた2箇所の施錠装置24,24は、後述において詳しく説明するが、載置台2に取り付けられた蓋体15を取り外し不能に規制する手段として利用されており、蓋体15の取り外しが防止されている。また側板19,19の下部位置には前後方法に向けて手掛部19a,19aが延在されており、蓋体15の載置台2側からの着脱時に利用することができる。
尚、図4(a)に示されるように後板18の下部は、前後に貫通する開口18aが形成されたことで、蓋体15の着脱のいずれの過程において、蓋体15を照明装置26に干渉しないように前方に引き出すとき又は後方に収納するときに、載置台2上の展示物Tに後板18が干渉することが避けられ、取り付けおよび取り外しをより簡便に行える構成であることから好ましいが、図4(b)に示されるように、開口18aのない後板18’を備えた蓋体15’を載置台2に取り付けることも可能であり、展示物Tよりも蓋体15’を高く持ち上げることで、展示物Tとの干渉が避けられる。
尚、いずれの蓋体15,15’においても、左右の側板19,19の下端縁16は、後板18,18’の下端面よりも下方に向けて突設しており、前述した左右の縁材21,21の凹字状内壁面21a,21a内に側板19,19の下端縁16が収納される際に、載置台2の上面と後板18,18’の下端面との当接が避けられている。また、本実施例の展示ケース1は背面板8を備えており、開口18aを外部から閉塞する機能を備えているが、例えば、背面板8のない展示ケースの場合には、開口18aのない蓋体15’を利用する。
次に、蓋体15の取り付けについて図5および図6に基づいて具体的に説明する。図5に示されるように、前方の杆材11の側端面部11aと載置台2の切欠き部3との間に生じる溝条M1に嵌め込まれ架設した縁材22の前後一対の垂直立片の上端には、前方の杆材11および載置台2に載置する延出部22b,22bが形成されている。これにより、縁材22が溝条M1に簡易な構成で安定して支持され、且つ凹字状内壁面22aの底部は、後方の杆材11の上面よりも下方に位置するように形成されており、蓋体15の前板20の下端縁16が縁材22の凹字状内壁面22aの底部に向けて挿し込まれることで、簡便に凹字状内壁面22aを介して間接的に溝条M1内に嵌合され取り付けられる。従って、溝条M1に寸法的な誤差が多少生じても縁材22側に寸法精度が出ていれば、何等問題なく組み付けを行うことができる。
図6に示されるように、右方の杆材11の側端面部11aと載置台2の右側面側の切欠き部4との間に生じる溝条M2に嵌め込まれ架設した縁材21の左右一対の垂直立片の上端には、前述の縁材22と同様にして、延出部21b,21bが形成されたことで、縁材21が溝条M2に安定して支持され、且つ凹字状内壁面21aの底部は、右方の杆材11の上面よりも下方に位置するように形成されており、蓋体15の側板19の下端縁16が縁材21の凹字状内壁面21aに挿し込まれることで、簡便に凹字状内壁面21aを介して間接的に溝条M2内に嵌合され取り付けられる。従って、溝条M2に寸法的な誤差が多少生じても縁材21側に寸法精度が出ていれば、何等問題なく組み付けを行うことができる。
また、縁材21および縁材22は共に合成樹脂材で成型されているので、蓋体15の着脱が繰り返し行われても、蓋体15の下端部16と載置台2および前方および左右の杆材11との直接の干渉が避けられるので、互いの劣化が防止され長期間に渡り使用することができ、縁材21,22が磨耗されてきた場合には、容易に交換することが可能である。尚、以下の説明において、左方の杆材11およびその近傍の載置台2の左側面側の構成については、右方の杆材11およびその近傍の載置台2の右側面側の構成と左右対称構造のため説明を割愛する。
縁材21の凹字状内壁面21aの前後略中間位置に位置する底部には、蓋体15の下向片17を挿し込み可能な貫通孔21cが形成されており、側板19の溝条M2への取り付け時に下向片17が貫通孔21cを通過して下方に向けて挿し込まれ、さらに載置台2の切欠き部4に形成した開口4aを通過して下方に延びている。
この開口4aに隣接する側端面部11aには、開口4aに対して開口された収納凹部11bが右方の杆材11内に形成されており、施錠装置24が設けられている。施錠装置24の下部には、板状ロック片24aが水平で前方向に向けて延設されるとともに、施錠装置24の上部が右方の杆材11の上面に突設され、後述する鍵操作で施解錠可能な施錠操作部24bが形成されている。尚、図示される板状ロック片24aの前方を向く方向は施錠装置24の解錠状態の設定となっている。
尚、図5および図6に示されたように、溝条M1,M2に縁材22と縁材21を架設したことで、溝条M1,M2幅と蓋体15の下端縁16の取り付け幅とを互いに厳格な寸法精度によって形成することなく、縁材22,21によって溝条M1,M2の取り付け幅が調整されている。このようにして、凹字状内壁面22aおよび凹字状内壁面21aの底部が前方の杆材11および左右の杆材11,11の上面よりも下方に位置して形成されたことで、蓋体15の前板20および側板19の下端縁16が安定支持され、安易な取り外れが防止されている。
図7および図8に基づいて、展示ケース1の施錠方法について説明する。図7(a)に示されるように、下向片17が開口4a内に挿し込まれた状態では、係合孔17aに対して、板状ロック片24aの高さ位置が略同位置で収納凹部11b内に設けられるとともに、開口4aの受け溝4bも略同位置で形成され左右方向に連通されている。
次いで、鍵25が施錠操作部24bに挿し込まれ、図7(b)に示されるように施錠装置24の解錠状態から、矢示される時計回り方向に向けて鍵操作されることで、施錠操作部24bが回動されるとともに、板状ロック片24aが係合孔17a内に向けて移動される。そして図8(a)に示されるように、鍵25の鍵操作によって施錠操作部24bが90度に回転操作されると、板状ロック片24aの先端が係合孔17aを通過して受け溝4b内に収納され施錠装置24の施錠状態となり、施錠操作部24bから鍵25が取り外される。
図8(b)に示されるように、施錠装置24の施錠状態では、係合孔17a内に板状ロック片24aを挿通したことで下向片17が係止され、蓋体15の上方への取り外しを規制しているとともに、板状ロック片24aの先端が受け溝4b内に収納されたことで、より強固に下向片17の係止状態が維持されている。蓋体15を取り外すには、再度鍵操作によって板状ロック片24aと係合孔17aの係止状態を解除すればよく、蓋体15の下向片17と板状ロック片24aとの係脱が確実に行われる。
次に、施錠装置24の解錠後における蓋体15の着脱について説明する。図9に示されるように蓋体15を取り外すには、まず蓋体15の前方を上方に持ち上げて前板20の下端縁16を縁材22の凹字状内壁面22aから取り外し、次いで、左右一対の下向片17を少なくとも凹字状内壁面21aの底部よりも上方位置に移動して左右の側板19を前上方に傾斜させ、この傾斜を保った状態で蓋体15を前方に向けて移動することで、側板19後部の下端縁16が凹字状内壁面21a内に沿って前方に向けて円滑に摺動されながら案内される。
そして、照明装置26が蓋体15の上面板15aから上下方向に所定距離(S)離間されているので、蓋体15が持ち上げられた場合であっても、照明装置15に上面板15aが当接するようなことはなく前方に引き出され、照明装置15と干渉することのない位置まで引き出されれば、蓋体15を持ち上げて載置台2側から取り外すことができる。蓋体15の取り付けには、取り外しと逆の手順で側板19後部の下端縁16を凹字状内壁面21a内に沿って後方に向けて摺動していくことで、容易に蓋体15を載置台2に取り付けることができる。
本実施例では、照明装置26が蓋体15の上面板15aから所定距離離間して支持されているので、照明装置26の交換や点検が蓋体15の開閉と無関係に行える。しかも展示物Tの交換等に際しては、蓋体15を前上方に傾斜させながら、溝条M2に設けられた凹字状内壁面21a内を前後に摺動させることで、照明装置26に何等手を施すことなく容易に蓋体15を載置台2側から取り外すことが可能であり、蓋体15の摺動不能状態においては、蓋体15をみだりに取り外されることなく展示物Tを盗難やイタズラ等から未然に保護することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、左右の溝条M2,M2が左右の杆材11,11と載置台2の間に形成されるので複雑な構造となることなく、蓋体15を前後方向に向けて摺動できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、溝条の形成位置を、左右の杆材11,11の上面に前後の長さ方向に沿って開口上向き凹字状に形成しても良いし、載置台2の左右側端近傍の上面に前後の長さ方向に沿って開口上向き凹字状に形成しても良く、どちらの場合であっても、蓋体15を円滑に前後方向に摺動することができる。そして、溝条M1は蓋体15が安定支持されるために形性されているが、この溝条M1は形成しなくても本発明の課題は達成されるものである。
また、上記実施例では、左右の溝条M2,M2にそれぞれ縁材21,21を架設したことで、溝条M2と側板19の下端縁16との取り付け幅が調整され、蓋体15が安定支持されることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、縁材21を溝条M2に設けずに、側板19の下端縁16を直に溝条M2内に取り付けた場合であっても、下端縁16が溝条M2の前後方向に沿って摺動可能となっている。
また、上記実施例では、対向し合う左右の杆材11,11に2箇所の施錠装置24,24を設けたことで施錠の信頼度が高められ、蓋体15の取り外しを規制でき、展示物Tの盗難等を防止できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、盗難等の危険性がない展示物の場合には、施錠装置24および蓋体15の下向片17を設けずに、蓋体15によって埃や湿気等から展示物が保護される展示ケースとしても良い。
また、上記実施例では、照明装置26を取り付ける支持体を左右の後部脚体7,7を利用したことで、照明装置26の支持構造を複雑にすることなく構成できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、別途に新たな支持体を展示ケース1の後部に設け、その支持体に照明装置26を取り付けるようにしてもよい。
また、上記実施例では、蓋体15の下端縁16よりも下方に向けて設けられた下向片17の係合孔17aに板状ロック片24aが係脱され蓋体15の施解錠が行われているが、本発明はこれに限定されるものではなく、下向片17を設けることなく、例えば下端縁16に対して直に係脱可能な施錠装置を設けることで、蓋体15の施解錠を行うようにしても良い。また、係合孔17aと板状ロック片24aの係脱に限定することなく、下端縁に嵌合凹穴を形成し、施錠装置に左右方向に切換え制御する棒材を備え、嵌合凹穴と棒材との凹凸嵌合により蓋体の施解錠を行うこともできる。
本発明の実施例における展示ケースの全体像を示す斜視図である。 展示ケースの分解組立斜視図である。 展示物を覆う蓋体の取り付けおよび取り外しを示す斜視図である。 (a)は、本実施例における蓋体の背面側の斜視図であり、(b)は、変形例である蓋体の背面側の斜視図である。 蓋体の取り付け時における載置台の前方角部および、その近傍を示す要部拡大斜視図である。 蓋体の取り付け時における載置台の側部および、その近傍を示す要部拡大斜視図である。 (a)は、載置台の開口部内に蓋体の下向片が差し込まれた状態および施錠装置対し、鍵を操作する状態を示す正面視断面図であり、(b)は、図7(a)のA−A断面線の断面図である。 (a)は、鍵操作によって蓋体の下向片が施錠装置に施錠された平面視断面図であり、(b)は、図8(a)のB−B断面線の断面図である。 蓋体の取り外し過程を示す側面視概略図である。
符号の説明
1 展示ケース
2 載置台
3 前端上縁の切欠き部
4 左右端上縁の切欠き部
4a 開口
4b 板状ロック片の受け溝
6 前部脚体
6a 連結部
7 後部脚体(支持体)
7a 連結部
8 背面板
9 上部横杆
10 連結材
11 左右前後の杆材
11a 側端面部
11b 施錠装置の収納凹部
12 枠体
13 支持金具
13a 水平片
13b 垂直片
14、14’ 幕板
15、15’ 箱状の蓋体
15a 上面板
16 下端縁
17 下向片
17a 係合孔
18、18 後板
18a 開口
19 側板
19a 手掛部
20 前板
21、22 縁材
21a、22a 凹字状内壁面
21b、22b 延出部
21c 貫通孔
24 施錠装置
24a 板状ロック片
24b 施錠操作部
25 鍵
26 照明装置
27 配線ダクト
28 床面
S 所定距離
T 展示物
M1、M2 溝条

Claims (5)

  1. 脚体に支持された、展示品を載置する載置台と、該載置台上の前記展示品を照らす照明装置と、前記載置台の上方を覆う透過性の素材でからなる下方が開口された箱状の蓋体と、を備えた展示ケースにおいて、
    前記載置台の後方から支持体を立設し、該支持体の上部前面に、前記蓋体の上面板から上方向に所定距離離間して前記照明装置を支持するとともに、前記脚体の上部に前記載置台を支持する枠体を構成し、前記枠体と前記載置台間、または両者間のいずれか一方に形成した一対の前後方向の溝条に蓋体を支持し、前記蓋体の下端縁を前記前後方向の溝条に沿って前後に摺動させることで、前記蓋体を前記枠体に対し取り外し可能に支持したことを特徴とする展示ケース。
  2. 前記枠体を、前後方向に延びる左右一対の杆材と、該杆材同士を連結する前後一対の杆材とで構成し、前記溝条に開口上向き凹字状の縁材を架設した請求項1に記載の展示ケース。
  3. 前記枠体における左右一対の杆材に施錠装置を設けて、前記蓋体を、前記摺動可能状態と、不能状態との何れかに選択可能に支持した請求項2に記載の展示ケース。
  4. 前記蓋体を、軽量の透光性素材から成型した請求項1乃至3のいずれかに記載の展示ケース。
  5. 前記脚体を前記枠体の四隅に設けた支脚で構成し、前記支持体を、前記支脚のうち後方の二者を前記蓋体の高さよりも上方へ延設し、かつ、その上端部同士を上部横杆により連結して構成した請求項1乃至4のいずれかに記載の展示ケース。
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