JP4345943B2 - 鉄道車両用灯具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の客室内天井部に取り付けられて客室内部を照明するための灯具に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両の客室には、一般に、その天井部に蛍光ランプを光源とする灯具が取り付けられ、また、その灯具には、通常、照明光を和らげ、あるいは蛍光ランプに直接乗客が触れないように、蛍光ランプの下方を覆う灯具カバーが取り付けられる。
【0003】
このような鉄道車両用の灯具カバーは、蛍光ランプの交換のために簡単に開閉する必要があり、そのため、従来のこの種の灯具においては、灯具カバーをヒンジ機構やラッチ機構等を用いて開放・閉鎖自在の構造としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のような従来の鉄道車両用灯具のように、ラッチ機構やヒンジ機構を用いることによって灯具カバーの簡単な開閉が可能となるが、このようなヒンジ機構やラッチ機構を使用すると、その分コストが上昇し、灯具全体としてのコストが上昇してしまうという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、ヒンジ機構やラッチ機構等を用いた従来の鉄道車両用灯具に比してコストが低く、しかも蛍光ランプの交換等に際しての灯具カバーの開閉を、従来のヒンジ機構やラッチ機構等を用いたものと同等の容易さで行うことのできる鉄道車両用灯具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の鉄道車両用灯具は、鉄道車両の客室内の天井部に取り付けられる灯具であって、下面部に蛍光ランプを装着して車両天井部にねじ止めされる灯具本体と、蛍光ランプの下方に位置するように上記灯具本体に対して着脱自在に装着される灯具カバーを有し、その灯具カバーには、両側縁部にそれぞれ複数のカバー支え具の基端部が固着されているとともに、その各カバー支え具の先端部には、灯具カバーに対して略直交して遠ざかる向きに屈曲された立ち上がり部が形成され、かつ、その立ち上がり部の先端部にはフック状の折り曲げ部が形成され、上記灯具本体には、下面部に蛍光ランプを装着する正面壁部の両側から直交するように上方に向けて曲げられてなる側壁部が形成され、かつ、その両側壁部には、上記各カバー支え具のフック状の折り曲げ部を挿入可能な複数の開口部が形成され、上記各カバー支え具の先端の折り曲げ部を上記灯具本体の両側壁部に形成された各開口部に挿入して係止することにより、当該灯具本体に灯具カバーが装着されるように構成されていることによって特徴づけられる。
【0007】
本発明は、灯具本体に対する灯具カバーの取り付け構造に、ヒンジやラッチ等を一切用いない簡素なものとし、そのうえで灯具カバーの開閉を容易に行うことのできる構造を提供するものである。
【0008】
すなわち、鉄道車両の客室内天井部にねじ止めされた灯具本体に装着されて蛍光ランプの下方を覆う灯具カバーの両側縁部に、それぞれ複数のカバー支え具の基端部を固着する。その各カバー支え具の先端部には、灯具カバーに対して略直交して遠ざかる向きに屈曲する立ち上がり部を形成し、かつ、その立ち上がり部の先端部にはフック状の折り曲げ部を形成しておく。一方、灯具本体には、正面壁部の両側から直交するように上方に向けて曲げられてなる側壁部をそれぞれ形成し、その両側壁部には、それぞれ複数の開口部を形成して、その開口部に対してカバー支え具のフック状の折り曲げ部を係止することによって、灯具カバーを灯具本体に対して装着するように構成する。
【0009】
このような構成によれば、灯具カバーはその両側縁部の複数箇所においてカバー支え金具のフック状の折り曲げ部を介して灯具本体に対して確実に支持されるとともに、その各フック状の折り曲げ部を外すだけで、灯具本体から灯具カバーを簡単に取り外すことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の斜視図である。また、図2はその本発明の実施の形態を鉄道車両の天井部に取り付けた状態を下方から見て示す図である。図3はそのA−A断面図であって、図4は図3のB部拡大図である。なお、図2においては、灯具カバー13を透視して示している。
【0011】
本発明に係る灯具1は、蛍光ランプ11を装着し、かつ、その点灯装置を内蔵した筐体11aを収容した灯具本体12と、その灯具本体12に対して着脱自在に取り付けられる灯具カバー13を主体として構成されている。
【0012】
灯具カバー13は円筒体の一部をなす形状で、その軸方向の長さは蛍光ランプ11よりも若干長く、灯具本体12に取り付けられた状態で蛍光ランプ11の下方を覆っている。この灯具カバー13の材質としては、金属等の不透明材料とするか、あるいはアクリル樹脂等の半透明材料とすることができ、不透明材料を用いた場合には間接照明、半透明材料を用いた場合には半間接照明とすることができる。
【0013】
灯具カバー13には、その両側縁部の両端部近傍に、カバー支え具14の基端部がリベット等によって固定されている。各カバー支え具14は、例えば板厚1.5mm程度のステンレス鋼板等によって形成され、灯具カバー13の両側縁部からその中心側に向けて斜め上方に伸び、その先端部には、灯具カバー13に対して略直交して遠ざかる向きに屈曲された立ち上がり部14aが形成されているとともに、その立ち上がり部14aの先端には、フック状の折り曲げ部14bが形成されている。
【0014】
灯具本体12は、車両天井部に車両長手方向に沿って設けられている左右の受け骨2a,2bに対して、前記した筐体11aを介してビス3によって取り付けられている。また、灯具本体12は、その外壁が断面コ字形をしており、前記した蛍光ランプ11をその下面部に装着する正面壁部12aと、その正面壁部12aの両側から直交するように曲げられてなる両側壁部12b,12cを備えている。そして、その両側壁部12b,12cには、両端部近傍にカバー支え具14の先端のフック状の折り曲げ部14bを挿入可能な開口部12dがそれぞれ形成されている。
【0015】
以上の本発明の実施の形態においては、図4のように、カバー支え具14に固着されている4個のカバー支え14の各先端のフック状の折り曲げ部14bを、灯具本体12の両側壁部12b,12cの各開口部12dに挿入して係止することによって、灯具本体12に対して灯具カバー13が装着される。
【0016】
そして、その装着状態から灯具カバー13を取り外すには、灯具カバー13を少し持ち上げた後、左右両側のいずれかに押圧することにより、一方側の各カバー支え具14の立ち上がり部14aが灯具本体12の側壁部12bに当接して中央部分が弾性的に撓み、他方側の各カバー支え具14の折り曲げ部14bが灯具本体12の開口部12dから抜け出すから、その状態で灯具カバー13の他方側を下向きに移動させるように回動させることによって、その全体を簡単に灯具本体12から取り外すことができる。また、灯具カバー13を灯具本体12に対して装着するには、上記と逆の手順を踏めばよい。
【0017】
以上の本発明の実施の形態において特に注目すべき点は、灯具カバー13の開閉のためにヒンジ機構やラッチ機構を全く使用せず、しかも灯具本体12に対する着脱が簡単な点であり、これにより、低コストでありながら蛍光ランプ11の交換が容易な灯具となる。
【0018】
なお、以上の実施の形態における灯具カバー13の形状や材質、あるいは灯具1を取り付ける車両天井部の構造等は、適宜に変更し得ることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、灯具カバーの両側縁部に、先端部にフック状の折り曲げ部が形成された複数のカバー支え具を固着する一方、灯具本体の側壁部にはその各カバー支え具の折り曲げ部を係止するための複数の開口部を設け、その各開口部にカバー支え具の折り曲げ部を引っかけるだけで灯具本体に対して灯具カバーを装着するように構成することにより、ヒンジ機構やラッチ機構等を一切使用することなく、灯具本体に対して灯具カバーを簡単に着脱できるように構成しているから、従来のこの種の灯具に比して、蛍光ランプの交換作業を困難にすることなく、低コストの鉄道車両用灯具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の形態の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の複数個を鉄道車両の天井部に取り付けた状態を、各灯具カバーを透視した状態で下から見て示す図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図3のB部拡大図である。
【符号の説明】
1 灯具
11 蛍光ランプ
11a 点灯装置を収容した筐体
12 灯具本体
12a 正面壁部
12b,12c 側壁部
12d 開口部
13 灯具カバー
14 カバー支え具
14a 立ち上がり部
14b 折り曲げ部
2a,2b 受け骨
3 ビス
Claims (1)
- 鉄道車両の客室内の天井部に取り付けられる灯具であって、
下面部に蛍光ランプを装着して車両天井部にねじ止めされる灯具本体と、蛍光ランプの下方に位置するように上記灯具本体に対して着脱自在に装着される灯具カバーを有し、
その灯具カバーには、両側縁部にそれぞれ複数のカバー支え具の基端部が固着されているとともに、その各カバー支え具の先端部には、灯具カバーに対して略直交して遠ざかる向きに屈曲された立ち上がり部が形成され、かつ、その立ち上がり部の先端部にはフック状の折り曲げ部が形成され、
上記灯具本体には、下面部に蛍光ランプを装着する正面壁部の両側から直交するように上方に向けて曲げられてなる側壁部が形成され、かつ、その両側壁部には、上記各カバー支え具のフック状の折り曲げ部を挿入可能な複数の開口部が形成され、
上記各カバー支え具の先端の折り曲げ部を上記灯具本体の両側壁部に形成された各開口部に挿入して係止することにより、当該灯具本体に灯具カバーが装着されるように構成されていることを特徴とする鉄道車両用灯具。
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1999
- 1999-12-22 JP JP36541599A patent/JP4345943B2/ja not_active Expired - Fee Related
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