JP4811620B2 - タンパク質の迅速な脱水 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、生体巨大分子を含む水溶性粒子、および、水溶液から生体巨大分子を単離し、同時にタンパク質を脱水し、タンパク質生体巨大分子粒子を提供する方法に関する。本発明はまた、水混和性有機溶媒中に沈降したタンパク質を含む前記水混和性有機溶媒に関する。本発明は、生体触媒として使用する酵素の調製;医薬製剤で使用する治療タンパク質の調製;酵素を含む洗浄剤の製造;保護および/または防汚特性を付与するタンパク質を含むペンキ、ニス、コーティング、フィルム等の製造;診断キットおよび/またはバイオセンサー適用のためのタンパク質を含む、フィルム、ポリマー、インク、コーティング、電極および/または光学材料;非水性媒体中での分子認識、分子結合および阻害剤結合の研究におけるタンパク質の使用;およびタンパク質をベースとした食品添加物の調製に特に適用を見出し得る。さらに、沈降した生体巨大分子は、その後、前記の少なくともいくつかの適用に、並びに、不溶性支持体に結合した化合物の付着、切断および/または修飾用の触媒の調製などにおける固相化学に使用するために、有機溶媒に溶解し得る。
【0002】
タンパク質は、多種多様の適用に使用されている。しかし、一般的に言えば、治療目的に使用するためには、不純物が実質的に含まれていないタンパク質の調製物を得る必要がある。精製を達成し得る多くの方法があり、例えば、差異遠心法、選択的沈降法、溶媒抽出法およびクロマトグラフィープロセスである。さらに、使用前にタンパク質を脱水または乾燥する、すなわち、タンパク質から水分を除去することが望ましく、よって、取扱を容易におよび/または保存期間を向上する。
【0003】
典型的には、タンパク質は、一般的に当分野で公知の、凍結乾燥、真空乾燥または空気乾燥技術により脱水し得る。しかし、これらの技術には、多くの欠点がある。例えば、乾燥プロセスは、一般に、あまり早くなく、極めて費用がかかり得る。さらに、凍結乾燥でさえ、特に酵素および不安定なタンパク質の場合には、タンパク質機能が低下する場合もある。タンパク質機能を保存するために、追加の安定化添加剤を加えることが多い。しかし、安定化添加剤の添加は、それ自体、例えば、治療に使用するタンパク質では調節の観点から、特に望ましくない場合がある。
【0004】
米国特許第5、198、353号は、安定化酵素分散液の調製法を開示する。ポリマーおよび酵素を水溶液から共沈降して、水をベースとした液体洗浄剤に使用するための細かく分散された酵素を製造する方法が記載されている。ポリマーおよび酵素は、塩または有機溶媒の添加により沈降する。有機溶媒を沈降剤として使用する場合、有機溶媒を、タンパク質/ポリマー水溶液にゆっくりと激しく撹拌しながら加え、タンパク質を沈降させることが開示されている。しかし、有機溶媒を加える方法およびその量は、タンパク質が十分かつ迅速に脱水しないようなものである。
【0005】
米国特許第5、589、167号および米国特許第5、753、219号は、有機溶媒で処理したポリペプチドの添加剤による安定化を開示する。トレハロースなどのポリオールは、有機溶媒で処理した乾燥または水性ポリペプチドを安定化させると開示されている。しかし、ポリオールは、有機溶媒の添加時にタンパク質と共沈降するのに使用できること、またはタンパク質の脱水における関連性/重要性についての示唆はない。
【0006】
Randenら(J.Pharm.Pharmacol.1988、40、761から766)は、凍結乾燥の代替法として、酵素と水溶性デンプンの共沈降を記載する。分子量12700および100000のデンプンが、アセトン、エタノールまたはイソプロパノールの有機溶媒と混合する場合の、オキアミプロテアーゼの共沈降物質として開示されている。沈降後に生じる粒子は、低密度で200から700μmの範囲のサイズの不規則な針状物として記載されている。乾燥後、さらに均一なサイズ分布を得るために、粒子を、粉砕または摩砕によりさらに加工しなければならなかった。
【0007】
Randenらの論文を引用した後の論文では、Bustosら(J.Chem.Tech.Biotechnol.1996、65、193から199)は、共沈降剤として使用するための、さらなるポリマー化合物の使用を記載する。開示されたポリマー化合物は、加水分解コラーゲン、カゼインおよびマルトデキストリンPSM10(分子量12、100)およびPSM100(分子量100、000)である。
【0008】
本発明の目的には、タンパク質を水溶液から単離し、前記タンパク質は同時に脱水される、迅速なプロセスを提供することが含まれる。
【0009】
本発明の実施形態のさらなる目的は、タンパク質/核酸覆膜微結晶などの、生物活性分子覆膜粒子を提供することである。
【0010】
1つの態様において、本発明は、
a)共沈降剤および生体巨大分子を含む水溶液を調製し;
b)過剰の水混和性有機溶媒と、生体巨大分子/共沈降剤の溶液を迅速に混合し、よって、共沈降剤および生物活性分子は直ちに溶液から共沈降して、前記粒子を形成し;そして
c)前記粒子を有機溶媒から単離する、段階を含む、水溶性粒子を調製する方法を提供する。
【0011】
「生体巨大分子」なる語は、タンパク質、ペプチド、ポリペプチドまたは類似物、或いはDNAまたはRNAなどの核酸を意味すると理解される。後記の生体巨大分子への言及は、一般に、タンパク質への言及によりなされる。しかし、かかる言及は、他の前記の生体巨大分子とも同等とみなし得ることを理解すべきである。
【0012】
結晶形なる語は、二次元表面含む3次元形を意味すると捉えられ、従って、一般的な球状または長球形から区別できる。
【0013】
「共沈降剤」なる語は、有機溶媒を添加すると、タンパク質と共に溶液から沈降してくる化合物を意味し、名詞として使用する場合の「共沈降物」なる語は、生物活性分子−共沈降剤複合体を意味すると理解される。
【0014】
水溶液から単離するタンパク質は、任意のタンパク質またはタンパク質混合物であり得る。典型的なタンパク質は、酵素、例えばサブチリシン、キモトリプシンおよびプロテアーゼ;血液タンパク質、例えばアルブミン、フィブリノーゲン、トロンビンおよび血液因子;および治療タンパク質、例えばインシュリン、抗体、血液および輸送タンパク質、調節タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、ホルモンおよびインターフェロンを含む。
【0015】
共沈降剤は、固体として、例えば粉末として提供され得、これが水溶液に溶解される。別に、共沈降剤は、水溶液に溶解する前に、溶液または懸濁液中に存在してもよい。典型的には、共沈降剤は、実質的に飽和または高度に濃縮された溶液として提供され得る。
【0016】
共沈降剤は、溶液中のタンパク質に関して適切な重量画分が得られるように、水溶液中で十分に可溶性でなければならない。望ましくは、共沈降剤は、水溶液中よりも選択した溶媒中で、非常に低い溶解度を有するべきである。さらに、十分に規定された粒子が必要である場合、共沈降剤は結晶を形成すべきであり、それ故、高融点の共沈降剤が好ましい。必要な共沈降剤の濃度は、溶液中のタンパク質の量およびタンパク質の分子量の関数である。一般的に言えば、沈降前の溶液は、タンパク質に対してモル比の高い沈降剤を含む。典型的には、共沈降剤:タンパク質のモル比は、50以上、好ましくは200以上、より好ましくは400以上であり得る。
【0017】
好ましくは、固体形の共沈降剤(これは水和物としても存在し得る)は、加湿環境に曝露される場合に、非常に僅かの水しか吸収しないべきである。共沈降剤は、好ましくは、共沈降に使用する有機溶媒に非常に低い溶解度を示す。
【0018】
共沈降剤はまた、それによってタンパク質が僅かまたは実質的に全く変性しないように選択すべきである。
【0019】
少なくとも上記のいくつかの望ましい特性を示し得る共沈降剤は、無機塩、例えば、硫酸カリウムおよび塩化カリウム;
典型的には分子量が10、000Da以下の、糖、多糖、炭水化物、ポリオール、およびその誘導体、例えばトレハロース;
アミノ酸、例えばグリシンおよびアルギニン;
酸をベースとした緩衝剤、例えば、リン酸水素カリウム、MOPSおよびPOPSO;
両性イオン化合物、例えばベタイン;
有機塩、例えばコリンおよび安息香酸ナトリウム;
複数の塩基性基を含む化合物、例えばスペルミジンおよびその塩;
複数の酸性基を含む化合物、例えばクエン酸およびその塩;
胆汁酸塩;
水溶性ダイ;
極性またはイオン性ポリマー;
および極性またはイオン性デンドリマーから選択し得る。
【0020】
タンパク質−共沈降剤溶液を、水混和性溶媒または水混和性溶媒混合物、好ましくは溶媒または溶媒混合物が完全に混和できるものと混合する。タンパク質−共沈降剤溶液を、好ましくは、過剰の有機溶媒に加え、その逆ではなく、よってタンパク質/共沈降剤溶液の迅速な脱水が確実に生じるようにすることを注記すべきである。結果として、タンパク質覆膜粒子が再生的に得られる。過剰の完全に水に混和性の有機溶媒は、溶媒/水溶液の最終水分含量が、一般に、30%以下、典型的には20から10%以下、簡便には5%v/v以下となるようなものである。このように、有機溶媒は、好ましくは、最初に、10%v/v以下の水を含むかまたは実質的に乾燥しているが、必ずしも完全に乾燥している必要はない。適切な有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびアセトンを含む。ある場合には、有機溶媒を、タンパク質および/または共沈降剤で予め飽和して、水溶液の添加時に、2成分が、共に確実に沈降してくるようにし得る。
【0021】
「混合」なる語は、水溶液を加えている間に、有機溶媒を、水溶液と混合または撹拌するプロセス段階を意味することを理解すべきである。混合は、タンパク質が、中間組成の混合物、すなわち水溶液および有機溶媒、例えば25%ないし60%の溶媒と、最小の時間、接触するように、効率的である必要がある。それ故、混合は、全水溶液を、有機溶媒に迅速に実質的に1段階で添加する必要はないことを意味し、例えば滴下して添加し得ることは専門家の読者により理解されるだろう。
【0022】
さらに、タンパク質−共沈降剤溶液を、好ましくは、過剰の有機溶媒に加える。これは、少量のタンパク質−共沈降剤溶液を、大量の過剰の有機溶媒に加えることを包含し、よって、タンパク質−共沈降剤溶液から有機溶媒への水の迅速な希釈が、タンパク質の迅速な脱水およびタンパク質覆膜粒子の形成を伴って生じる。さらに、水溶液は、連続流、滴下またはスプレーまたはミストとしてなどの様々な方法を使用して有機溶媒に添加し得る。
【0023】
沈降を実施する温度は変更できる。例えば、水溶液および溶媒は加熱または冷却できる。タンパク質が不安定である場合には冷却が有用であり得る。別に、溶媒および水性混合物は、異なる温度でもよい。例えば、溶媒は、水性混合物の凍結点以下の温度で維持できる。さらに、圧力も変化でき、例えば、より高圧が、溶媒の揮発性を減少するのに有用であり得る。
【0024】
タンパク質−共沈降剤の溶液を過剰の有機溶媒に混合すると、タンパク質および共沈降剤の沈降は、実質的に即座に生じる。しかし、できるだけ多くのタンパク質を確実に沈降するために、溶媒/水溶液の混合は、短時間、例えば5から15分間持続し得る。
【0025】
時間と共に、共沈降物は沈殿し、タンパク質覆膜粒子を回収できる。しかし、共沈降物は、例えば、遠心分離および/またはろ過にかけて、沈降したタンパク質覆膜粒子をより迅速に回収し得る。簡単な乾燥手順を使用して、全ての残留溶媒を蒸発させ、溶媒を含まない乾燥したタンパク質覆膜粒子沈降物を遊離し得る。
【0026】
沈降したタンパク質覆膜粒子は、有機溶媒中に保存し得、タンパク質は、より長い期間極めて良好な活性の保持および安定性を示すことが有利には判明した。さらに、沈降タンパク質は、典型的には、有機溶媒中で保存するので、それ故、細菌による攻撃には抵抗性であり、従って保存寿命は増加する。
【0027】
必要であれば、沈降したタンパク質覆膜粒子はさらに、新しい有機溶媒でさらに洗浄することにより、さらに脱水し得る。
【0028】
沈降タンパク質を、使用前に水溶液に再溶解し得る。別に、沈降タンパク質は、有機溶媒に直接溶解してもよい。これは、例えば、有機の可溶性イオン対形成剤、非イオン性界面活性剤などの両性化合物の非共有結合、PEG、長鎖アルキル鎖、樹状分子またはポリマーなどの有機可溶性基の共有結合的付着を使用して達成し得る。
【0029】
以前の知識は、イオン対形成剤を有機溶媒中の酵素を可溶化するために使用する場合には、イオン対形成が生じる時にタンパク質は水溶液中にあることを教義する。しかし、本発明の方法により、イオン対形成が、非常に水分の少ない水条件下で起こることが可能となる。注記すべきこれは数個の可能性ある利点を有する:例えば、界面タンパク質変性は生じないであろう;静電気および/または極性相互作用がより強力であろう;極性溶媒への直接的可溶化が可能である;水感受性イオン対形成剤を使用できる;異なるイオン対形成剤の混合物を使用できる;タンパク質イオン化状態を、イオン対形成プロセスを妨害しない固体状態の酸をベースとした緩衝剤で制御できる;プロセスは、水活性を制御して実施できる;凍結乾燥段階は全く必要でなく、可溶化プロセスは簡単な装置のみしか必要とせず、スケールアップが容易である。
【0030】
本明細書に記載の方法により、水溶液中に存在する有機可溶性成分を、タンパク質から分離することができる。例えば、遊離塩基形でエタノールのような有機溶媒に可溶性であるトリスなどの緩衝剤は、沈降中にタンパク質から分離し得る。しかし、別の有機可溶性塩基を水溶液または有機溶媒に添加することにより、全ての緩衝剤を遊離塩基に変換することが必要である。従って、本発明はまた、望まれない成分をタンパク質から除去する方法を開示し、よって、望まれない成分は、タンパク質と共に共沈降せず、よって有機相に溶解し留まる。これは、タンパク質沈降前に、水性または有機溶媒中に、酸、塩基、イオン対形成剤およびキレート剤などの添加剤の包含により達成し得る。
【0031】
本発明は、非常に多くのものに適用できる。例えば、酵素共沈降剤粒子は、生体触媒として、特に水の少ない系、有機溶媒および超臨界流体における反応に使用し得る。
【0032】
微細な乾燥した酵素−共沈降物粒子内の触媒的に活性な酵素構造の良好な保持は、凍結乾燥粉末と比較して、水の少ない系、有機溶媒および超臨界流体中での生体触媒に重要な利点を提供する。適用は、精密化学品および医薬中間体、農芸化学物質、界面活性剤、脂肪、乳化剤、食品、ビタミン、甘味剤、香味剤および香料、モノマーおよびポリマーの有機合成および合成および天然ポリマーの修飾における生体触媒を含む。他の適用は、例えば、新しいリード化合物の同定、酵素触媒固体−固体合成、ペプチド合成および高温および低温生体触媒に使用するためのコンビナトリアル生体触媒を含む。さらに、酵素共沈物降粒子中の生体触媒を、毒性廃棄物、化学および生物兵器、家庭および工業廃棄物および天然源の廃棄物に見出されるものを含む、化学物質およびポリマーの分解に使用できる。酵素触媒プロセスは、位置特異性、エナンチオ特異性および立体選択性を付与する化学的な方法に優る利点を有することが多い。
【0033】
さらに、本発明の方法により、医薬製剤用の治療生物活性分子の調製が可能となる。
【0034】
この方法は、タンパク質および共沈降剤を含む微細乾燥粒子を製造する。従って、さらなる態様において、本発明は、共沈降剤および粒子の外表面にまたはその近くに位置する脱水生体巨大分子を含む、50μm以下の水溶性結晶形粒子を提供する。
【0035】
「脱水生体巨大分子」なる語は、水と実質的に会合していない生体巨大分子を意味し、「共沈降剤」なる語は以前に定義した通りであることが理解される。
【0036】
典型的には、脱水生体巨大分子は、共沈降剤の表面またはその近くに位置する。一般的に言えば、生体巨大分子は、脱水時に天然または天然に近い立体配置を保持し、すなわちそれは不可逆的に変性しない。例えば、生体巨大分子が酵素である場合、酵素は、溶媒中に維持されるおよび/または水性媒体中で再構成される場合、大半のその活性を保持することが期待される。
【0037】
さらに、脱水状態で、酵素および他の生体触媒は、有機溶媒中などの水の少ない条件下で効率的に反応を触媒できる。脱水時の天然コンフォメーションの保持は、例えば、水の少ない有機溶媒中での活性部位滴定を実施することにより探索できる。
【0038】
好ましくは、粒子内の共沈降剤は、結晶である。結晶沈降剤は、濃密なコアを、粒子表面にまたはその近くに位置する脱水タンパク質と共に提供する。これにより、拡散制限は最小限となり、脱水状態の生体巨大分子は、例えば、溶媒、試薬、基質、安定化剤または修飾剤に容易に近づける。
【0039】
一般に、粒子のサイズは、10μm以下、例えば5から1μm以下である。
【0040】
典型的には、共沈降物内の粒子は、かなり均一な寸法を有し、例えば、立法形状、菱形状、板状および針状などの特定の規則的な結晶形を示す。共沈降物の結晶形は、共沈降剤およびタンパク質の両方によって変化する。結晶形粒子により示される二次元表面によって、走査型プローブ顕微鏡および表面力顕微鏡、例えば原子間力顕微鏡を実施するのによく適している。かかる技術を使用して、脱水タンパク質を、粒子の表面上に像を形成でき、その分布、構成および構造を探索できる。これを使用して、X線結晶構造解析により構造を得ることが困難である膜タンパク質などのタンパク質の3次および4次構造を探索できる。
【0041】
共沈降物結晶は、以前に記載したような様々な共沈降剤を使用して製造できると理解される。
【0042】
一般に、これらの粒子は、迅速に水溶液中に再溶解できるか、または容易に懸濁液を形成でき、例えばピペット(手動または自動で)を使用して再生的に分配でき、医学適用のタンパク質の製造の出発点として魅力的である。治療タンパク質を使用する場合、粒子は、錠剤、クリーム、散剤、ゲル、泡状剤、エアゾール、懸濁液、テープおよびパッチを含む多くの異なる種類の薬物製剤の製造に使用できる。生物活性分子覆膜粒子は、粘膜表面を横切る輸送に特に適し得、それ故、吸入を介した投与に適し得る。粒子の寸法は、血流への吸収が最も効率的である肺の肺胞下部領域への、吸収を介した、肺内投与に特に適している。この適用には、0.5μから5μの範囲の粒子が最も望ましい。これは、例えば充填剤、増量剤および/または結合剤として作用する追加の添加剤と、タンパク質−共沈降剤粒子の混合を必要とし得る。粒子は、ビーズ、フィルム、繊維、絆創膏およびプラスターの製造のための天然および合成ポリマーへの封入を含むさらなる操作の出発点として使用できる。コーティングを、粒子の表面に適用して、その溶解度、加工度および分散度を変化できる。コーティングは、薬物送達の速度を変化させるのに、および、粒子の表面特性を変化させるのに有用である。
【0043】
本発明の方法によって、酵素を含む洗浄剤の製造も可能となる。
【0044】
前記したように、この方法は、水溶液中で迅速に再溶解できるタンパク質および共沈降剤を含む微細乾燥粒子を製造し、従って、酵素を含む洗浄剤の製造にも魅力的である。酵素は、洗浄剤に使用する錠剤、クリーム、散剤、ゲル、泡状剤、エアゾールおよび懸濁液に取込むことができる。これは、例えば充填剤、増量剤および結合剤として作用する追加の添加剤と、タンパク質−共沈降剤粒子の混合を必要とし得る。例は、a)コンタクトレンズを洗浄するためのプロテアーゼまたはペルオキシダーゼなどの酵素を含む錠剤の調製およびb)衣類または皿洗浄機用の洗浄散剤に含めるための、プロテアーゼ、リパーゼまたはセルラーゼなど酵素を含む錠剤、散剤または懸濁液の調製を含む。粒子は、天然および合成ポリマーへのカプセル化を含むさらなる操作の出発点として使用できる。コーティングを粒子の表面に適用して、その溶解度、加工度および分散度を変化できる。コーティングは、粒子の表面特性を変化するのに、および、溶媒中でのまたは水中に再懸濁時のその挙動を変化させるのに有用である。
【0045】
この方法は、保護または防汚特性を付与するために、タンパク質を含むペンキ、ニス、コーティングおよびフィルムの製造に使用し得る。
【0046】
微細なタンパク質−共沈降剤粒子は、ペンキ、ニス、コーティングおよびフィルムの製造用の色素に使用したのと同じ方法で、担体媒体中に分散できる。プロテアーゼ、リパーゼまたはセルラーゼなどの酵素を使用する場合、得られたコーティングは、防汚特性を有し得、細菌、酵母、真菌、微生物および軟体動物などの生きた生体生物の付着を予防する防汚特性を有し得る。
【0047】
診断キットおよびバイオセンサー適用のためのタンパク質を含むフィルム、ポリマー、インク、コーティング、電極および光学材料の製造も、本発明の方法を使用して達成し得る。
【0048】
微細タンパク質−共沈降剤粒子を、ペンキまたはインクなどの担体媒体に分散でき、これを使用して試験片、電極または光学材料上へのフィルムまたはコーティングを製造できる。次いで、これらを診断キットおよびバイオセンサー適用の活性要素として使用できる。
【0049】
さらに、本発明に従って調製したタンパク質−共沈降剤粒子の使用は、非水性媒体中の分子認識、分子結合、分子インプリンティングおよび阻害剤結合の研究に使用し得る。
【0050】
タンパク質は、タンパク質−共沈降剤粒子中で天然に似た構造を保持し、酵素は高い触媒活性を保持する。それ故、沈降物は、非水性媒体中での分子認識、分子結合および阻害剤結合の定量的研究に使用できる。これは、阻害剤の改良および例えば医薬、獣医科学および農学に適用する基質設計に使用できる。
【0051】
さらに、本発明のタンパク質−共沈降剤粒子は、タンパク質をベースとした食品添加物としてであり得る。
【0052】
使用する沈降溶媒および共沈降剤は、ヒトまたは動物による摂取または吸入に無毒性であるように選択でき、よって、この方法は、乾燥タンパク質をベースとした食品添加物または医薬の迅速で安価な製造に使用できる。
【0053】
本発明は、ここで、単に説明のために、添付図面を参照してさらに記載する。
【0054】
(実施例1−サブチリシンの調製)
サブチリシン・カールスバーグ(VIII型:細菌性で、バチラス・リケニホルミス由来の、結晶化および凍結乾燥したものは、英国プール所在のシグマから得た)。2mgのサブチリシン(受け取ったままの)を50μlの緩衝液(トリス、10mM、pH7.8)に溶かし、これに、150μlの共沈降剤飽和溶液、硫酸カリウム、KSO、(120gl−1)を加えた。溶液中のタンパク質の最終濃度は0.37mMであり、沈降物中のKSO:酵素のモル比は、約11重量%のサブチリシンに対応する約1400であった。
【0055】
200μlの共沈降剤−酵素の溶液を、調製直後に、7mlのガラスバイアルに含まれる3mlのプロパノール中にピペッティングした。溶液を、約4×50μl部でギルソンマイクロピペットを使用して、約100rpmで振盪している回転式振盪器で撹拌しながらピペッティングした。水溶液を乾燥有機溶媒に添加することにより、KSOおよびタンパク質の両方が直ちに共沈降した。共沈降剤−酵素固体の非常に微細な分散液を含むバイアルにキャップをし、さらに15分間、800rpmにスピードを増加して振盪し;得られた混合物の水分含量は、約6.25%v/vであった。バイアルを振盪器から出し、沈降物を沈殿させた。沈降物質が沈殿した後(約30分)、上清を除去すると、約100μlの有機溶媒が残った。沈殿は、約1分間穏やかに遠心分離することにより加速できる。さらなる3mlの溶媒を加え、混合物を15分間回転振盪器で振盪すると、最終水分含量は約0.2%v/vとなった。混合物を放置して沈殿または遠心分離し、大半の溶媒を除去して、塩−酵素沈降物を約100μlの溶媒中に懸濁した。懸濁液はそのまま保存しても、適用に応じてさらに処置してもよい。
【0056】
塩化カリウムKCl(飽和溶液、281.5gl−1)も、KSOについて上記したのと同じ手順に従って共沈降剤として試験した。同じ濃度の酵素および同じ容量の飽和塩溶液を使用することにより、約5重量%のサブチリシンに対応する約7500の塩:酵素のモル比となる。アセトニトリル(CHCN)への沈降では、KCl−酵素混合物は、2液相混液を形成するので適していなかったことが判明する。
【0057】
(共沈降剤としてのアミノ酸)
グリシン、リジン、アルギニンおよびグルタミン酸は、英国アルドリッチから得、共沈降剤として試験した。
【0058】
(沈降:)
100μlのアミノ酸共沈降剤の飽和溶液中の4mgのサブチリシンを、6mlの1−PrOHに沈降した。得られた懸濁液を遠心分離し(エッペンドルフチューブに分配、6×1ml)、1回、1−PrOH(1つのエッペンドルフチューブあたり1ml)で洗浄した。
【0059】
沈降したサンプルも、共沈降剤としてシグマ(英国プール)から得たD(+)トレハロース(α−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノシド)を用いて調製した。トレハロースを蒸留水に溶かして飽和させ(約76gl−1)、調製を、上記のものと同一の方法で実施した。糖:タンパク質の最終モル比は、15重量%のサブチリシンに対応する406であった。
【0060】
(共沈降剤−サブチリシン沈降物の一般的な外見および特性)
タンパク質−共沈降剤溶液を有機溶媒に加えると直ちに、非常に微細な白色沈降物が形成する:個々の粒子は極めて小さく、溶媒中で沈殿するのにはいくらか時間を要する。粒子のサイズは、視覚的に、タンパク質の非存在下で沈降した共沈降剤とは異なり(KSO、KClおよびトレハロースについて)、この場合にはより大きい。共沈降剤を全く含まないタンパク質溶液を、再度溶媒に加えると、粒子の形態は非常に異なり:糸のような白色の沈降物が形成される。沈降したKSO−サブチリシン粒子は、溶媒中に放置された場合に、数週間経ても明白な形態の変化または凝集は示さない。KSO−サブチリシン共沈降物は、水溶液中でのアッセイ用に、容易に水溶液(pH7.8)または蒸留水に再溶解できる。溶解は、少量のプロパノール溶液(典型的には50μl以下の1−プロパノール)の、1mlの緩衝液(pH7.8)への溶解により、または、沈降物の乾燥および水層への再溶解により達成できる。
【0061】
全ての場合において、共沈降剤としてアミノ酸を用いて、微細な白色沈殿物が得られた。電子顕微鏡により、グリシン針状形の粒子が得られたことが示された。
【0062】
(実施例2−様々な有機溶媒の試験)
沈降についてこれまで試験した溶媒を表1に示す。それらは全て、アルドリッチ社から得られ、分析/分光用等級であった(99+%)。
【0063】
【表1】
Figure 0004811620
様々な有機溶媒中の共沈降剤−酵素調製物の生物活性の測定
サブチリシンカールスバーグまたはα−キモトリプシンなどのセリンプロテアーゼは、有機溶媒に懸濁された場合に触媒活性を示すことは公知である。それ故、この種類のシステムは、どのようにタンパク質の生物活性が脱水プロセスにより影響を受けるかの簡便な指標として使用できる。異なる溶媒から単離した一連の酵素−共沈降剤沈殿物を同一条件下でアッセイすることにより、どの溶媒および共沈降剤がタンパク質を変性することが最も少ないかを決定することが可能であった。さらに、結果を、凍結乾燥した酵素粉末を用いて得られたものと比較できた。上記のように調製した酵素−共沈降剤懸濁液を、1回、アッセイ溶媒で濯ぎ、残留沈降溶媒を除去し、次いで下記のようにアッセイした。実験結果を表2および3に示す。
【0064】
触媒活性のアッセイを、制御された量の水を含む、2つの異なる溶媒(CHCNおよびn−ヘキサン)中で実施した。基質は;N−アセチル−L−フェニルアラニンエチルエステル(10mM)および1−プロパノール(1M)であった。反応溶媒としてCHCNを用いて、N−アセチル−L−チロシンエチルエステル(10mM)および前のような1M 1−プロパノールが選択した基質であった。酵素濃度は1mg/mlであった。典型的には、反応バイアルは、テフロンライナーを有する4mlのねじキャップバイアル中に、2mlの溶媒を含んだ。反応バイアルを、約250rpmで回転振盪器で、実験持続期間中振盪した。定期的に50μlの溶媒混液を取り出し、適切な溶媒(450μl)に希釈した。次いで、これらのバイアルを−4℃で後日のガスクロマトグラフィー(G.C.)解析用に保存した。
【0065】
【表2】
Figure 0004811620
表2から、一般に、共沈降剤としてKSOを使用すると、KClを使用して見られるよりも高い触媒活性がn−ヘキサン中で生じることが分かる。KSOを、飽和よりも5倍低い濃度で使用すると、活性の減少が観察された。さらに、以前に記載されたように、KCl−酵素(水性)は、アセトニトリル(CHCN)中に沈降させた場合に、2相混液を形成する。ほぼ全ての場合において、共沈降剤−酵素沈降物が、凍結乾燥粉末よりも優れた生物活性を示した。
【0066】
【表3】
Figure 0004811620
表3から、共沈降剤−酵素沈殿物は、凍結乾燥粉末よりもAcN中ではるかにより活性であることが分かり、これは生物活性コンフォメーションのはるかに良好な保持を示す。
【0067】
(アミノ酸沈降物の活性アッセイ:)
前記のように調製した1つのエッペンドルフ(0.67mgの酵素)からの沈降物を、各酵素アッセイに使用した。活性を、HPLCにより、溶媒としてアセトニトリル/1%HOを用いて、N−アセチル−L−チロシンエチルエステル(10mM)および1−プロパノール(1M)のエステル交換反応に従って測定した。
【0068】
図9は、KSOと比較したサブチリシン活性に対する、様々なアミノ酸共沈降剤の効果を示す。アルギニンにより、初期速度は増加し、一方、グリシンおよびリジンは、3時間後に僅かに最終的変換を増加させた。グルタミン酸を用いると、転換は、はるかに遅く、凍結乾燥酵素を用いると1%以下の変換が観察された。これらの結果は、一般に、期待した通りである。なぜなら、アミノ酸は、有機溶媒中で固体状態の酸をベースとした緩衝液として作用できるからである。リジンおよびグリシンは、加水分解の副生成物により生成されたプロトンをとることができる。グルタミン酸は、サブチリシンのプロトン化状態を増加し、よって、触媒活性はより低くなる。
【0069】
(実施例3−KSO−サブチリシンカールスバーグの再溶解および水溶液中での活性)
沈降したKSO−サブチリシンは、完全にかつ迅速に、緩衝液に再溶解でき、これは、不可逆的な変性が脱水中に起こることを示す。水溶液中でのサブチリシンカールスバーグの活性を、以下の手順を使用してアッセイした:アッセイは、加水分解されると色素ニトロフェノールを遊離する、ρ−ニトロフェニルアセテート(97%、英国プール所在のアルドリッチ)を使用して実施した。反応速度は、検出波長(λ)=400nmの、U−V分光法によりモニタリングした。1mlの石英セルは、緩衝溶液(1mg/ml)に再溶解した、200μlの3mMρ−ニトロフェニルアセテート溶液(97%)、アルドリッチ、英国);800μlのトリス緩衝液(pH7.8)およびKSOサブチリシンのアリコート(20μl)を含んだ。
【0070】
72時間プロパノールに懸濁したままのKSO−サブチリシン沈殿物は、水に再溶解した場合に100%活性を保持していることが判明した。同様に2日間風乾時に、KSO−サブチリシンを水に直ちに溶解し戻し、100%活性であることが判明した。ρ−ニトロフェニルアセテートを用いた活性の定量試験によっても、P上で3週間保存後に、(室温)KSO−サブチリシンは、容易に緩衝溶液(pH7.8)に再溶解でき、触媒活性を維持することが示された。
【0071】
(実施例4−プロパノール中の沈降酵素の活性部位滴定)
200μlの2.5mMのトリス緩衝液(pH7.8)に溶解した、約2mgのサブチリシンカールスバーグおよび約18mgの硫酸カリウムのサンプルを、実施例1に記載した方法を使用して、1%水を含む3mlプロパノールに共沈降した。粒子の沈殿時に、大半の溶媒をデカントして除去し、サンプルを1回3mlの同溶媒で濯いだ。次いで、サンプルの半分を、1時間3mlのプロパノール中の10mMの活性部位滴定剤のフェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)溶液と共にインキュベートした。大半の滴定混合物を、インキュベートサンプルからデカントし、それらを3回3mlの純プロパノールアリコートで濯いだ。PMSF処理および非処理サンプルの触媒活性を、実施例3に記載の標準的なアッセイを使用して水溶液中で測定した。次いで、結果を、非沈降サブチリシンカールスバーグの結果と比較した。アッセイにより、正常な沈降酵素は、>95%の活性を保持するが、PMSFで処理したものは、初期活性の<10%を示すことが示された。対照実験により、濯ぎ手順は、効率的に過剰のPMSFを除去し、沈殿物を水に溶解し戻す間に有意な滴定は全く起こらないことが示された。これにより、それ故、触媒活性の減少は、タンパク質が脱水され溶媒に懸濁される間に、PMSFによる酵素活性部位の滴定から生じることが示唆される。結果により、沈殿物中>90%のサブチリシン分子が、脱水および沈降プロセス後に生物学的に活性なコンフォメーションを保持するという証拠が提供される。
【0072】
(実施例5−透過型電子顕微鏡)
プロパノール中に懸濁したサブチリシンカールスバーグ/KSOの標準的なタンパク質−共沈降剤粒子のアリコートを、炭素覆膜電子顕微鏡格子に滴下した。サンプルを風乾し、次いで、JeolJEM1200EX透過型電子顕微鏡(Jeol東京、日本)を使用して調べた。
【0073】
図1および2は、得られた典型的な像を示す。タンパク質−共沈降剤は、規則的な形の結晶を形成することが分かる。尺度バー(それぞれ500nmおよび200nm)から、タンパク質−共沈降剤粒子は、一般に2μ以下の寸法を有することが観察される。より高倍率の像では、薄い表面のコーティングが結晶上に観察できる。この層は結晶化プロセスの間に結晶格子から排除されるタンパク質の層からなると考えられる。タンパク質の非存在下で、類似の形であるが、より大きな結晶が、沈降手順を介して得られる。
【0074】
図3は、サブチリシンが塩の非存在下で沈降した場合に形成されるタンパク質の凝集物を示す。これは、サブチリシンを1−PrOH中でKSOと共沈降した場合に得られるタンパク質覆膜結晶(図4参照)と容易に比較される。図5で分かるように、1−PrOHがサブチリシンおよびKSOの水溶液に添加された場合、異なる構造が、塩結晶の間に付着したタンパク質鎖と共に形成される(すなわち、タンパク質は結晶上に覆膜されていない)。
【0075】
(実施例6−サブチリシンおよびKSOの混合物から得られた共沈降物の表面顕微鏡)
実施例1に記載した方法でのサブチリシンおよびKSOの混合物の共沈降により、電子顕微鏡により上記に示したような大きな平らな表面をもつ規則的な結晶が得られることが判明した。これは、詳細な表面トポグラフィーの研究に使用できる走査型力顕微鏡(SFM)による研究によく適している。根底の表面が平板である場合、走査型力顕微鏡技術を使用して、表面上に位置する分子も研究できる。この研究で、デジタルナノスコープ(Nanoscope)原子間力顕微鏡を、タッピングモード増幅相距離測定を使用した共沈降物を調べるために使用した。図6は、6μm×6μmの走査サイズおよび1.5μmのz−高さを用いた採取した結晶の集合の像を示す。結晶は、かなり均一な寸法を有し、平らな二次元表面をもつ規則的な錠剤に似た形を示す。この尺度では、タンパク質の非存在下で沈降したKSOにより形成された結晶の像は、類似していた。次いで、タンパク質の非存在下および存在下で沈降した個々の結晶面の一部または面のより高解像の像が得られた。図7は、タンパク質の非存在下で得られた結晶の400nm×400nm面積の代表的な像を示す。表面は極めて特徴がなく、かなり平板であるということが、4nmのz軸範囲から分かる。
【0076】
図8は、タンパク質と塩の共沈降により得られた結晶の500nm×500nmの代表的な像を示す。表面がはるかに粗いことが、15nmのz−高さ範囲の増加から直ちにわかる。より詳しい検査により、表面は、nm寸法のタンパク質粒子層で覆膜されていることが示される。
【0077】
(実施例7−インシュリンの沈降)
ウシ膵臓由来のインシュリンは、英国のシグマ(製造番号I−5500)から得られた。
【0078】
(沈降:)
2mgのインシュリンを、200μlのHCl(0.010M)に溶かし、333μlのNaOH(0.010M)の添加によりpHを上昇させた。インシュリン溶液を150μlの飽和KSO溶液と混合し、1.3%HOを含む5.317mlのPrOHに沈降した。得られた懸濁液を遠心分離し、1回、1−PrOH/1.3%HOで洗浄した。最終粒子は、実質的に、サブチリシンを用いて得られたのと同じ外見から構成された(実施例1参照)。
【0079】
(インシュリンの円二色性スペクトル)
以下のサンプルを、PC制御下でJASCO J−600分光偏光計で測定した。瓶からのインシュリン。上記のようにKSOと共沈降したインシュリン。
【0080】
得られたスペクトルは、互いにおよび文献のスペクトルに両方共、非常に類似し、インシュリンは、実質的に、沈降および再溶解後にその天然構造を保持することを示す。
【0081】
(実施例8−DNAの沈降)
約13Kbp対に対応する平均分子量=8.6MDaの、ウシ胸腺由来の超純粋なゲノムDNAはシグマから得た。
【0082】
(沈降:)
0.5単位のDNAを、100μlに溶かし、300μlの飽和KSO溶液と混合した。これを4.5mlの1−PrOH(前以てモレキュラーシーブで乾燥)に加えると、微細な沈降物が直ちに形成された。懸濁液を600rpmで2分間振盪し、沈殿させ、エッペンドルフ中で6000rpmで遠心分離した。PROH上清を除去し、沈降物を、1mM EDTAおよび1mM NaClを含む1mlの10mMトリス−HCl緩衝液(pH7.8)に再溶解した。
【0083】
(比較)
沈降物のUVスペクトルを、1mM EDTAおよび1mM NaClを含む10mMトリス−HCl緩衝液(pH7.8)1ml中に同濃度0.5単位/mlで溶かした最初のDNAサンプルと比較した。
【0084】
シグマから受け取った瓶から:260nmでの吸光度=0.421、280nmでの吸光度=0.219。
【0085】
緩衝液中に沈降物を再溶解後。260nmでの吸光度=0.415。280nmでの吸光度=0.237。
【0086】
これにより、沈降プロセスは、DNAがほとんどまたは全く減少することなく、非常に効率的であることが示される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の方法により単離されたタンパク質−共沈降剤粒子の透過型電子顕微鏡により得られる典型的な像である。
【図2】 図2は、図1に示したタンパク質−共沈降剤粒子の高倍率像である。
【図3】 図3は、塩の非存在下で1−PrOH中に沈降したサブチリシンを示す。
【図4】 図4は、26%HOを含む1−PrOH中に共沈降したサブチリシンを示す。
【図5】 図5は、サブチリシンおよびKSOの水相溶液に対する1−PrOH添加の効果を示す。
【図6】 図6は、サブチリシンで覆膜したKSOの結晶のAFM像を示す。
【図7】 図7は、サブチリシンの非存在下でのKSOの単一結晶の表面のAFM像を示す。
【図8】 図8は、サブチリシンで覆膜したKSOの単一結晶の表面のAFM像を示す。
【図9】 図9は、サブチリシンの活性に対する、様々なアミノ酸共沈降剤の効果を示す。

Claims (19)

  1. 共沈降剤コアを、その上に覆膜した脱水生体巨大分子と共に含む、50μm以下の水溶性粒子であって、
    前記脱水生体巨大分子が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、および核酸からなる群から選択され、
    前記共沈降剤コアを形成する共沈降剤が、 SO 、KCl及びアミノ酸からなる群から選択されることを特徴とする、水溶性粒子。
  2. 前記共沈降剤は、部分的な結晶または結晶である、請求項1に記載の水溶性粒子。
  3. 10μm以下の直径を有する、請求項1又は2に記載の水溶性粒子。
  4. 共沈降剤コアを、その上に覆膜した脱水生体巨大分子と共に含む、水溶性粒子を調製する方法であって、
    a)共沈降剤および生体巨大分子を含む、水溶液を調製し;
    b)混和性有機溶媒、生体巨大分子/共沈降剤の溶液を添加し、よって、共沈降剤および生物活性分子は直ちに溶液から共沈降して、前記粒子を形成し、且つ、該有機溶媒/該水溶液の最終水分含量は30%v/v以下であり;そして
    c)前記粒子を有機溶媒から単離する段階を含み、
    前記脱水生体巨大分子が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、および核酸からなる群から選択され、
    前記共沈降剤コアを形成する共沈降剤が、 SO 、KCl及びアミノ酸からなる群から選択されることを特徴とする、方法。
  5. 共沈降剤および生体巨大分子を含む水溶液は、生体巨大分子を含む水溶液中に共沈降剤を溶解することにより調製する、請求項4に記載の方法。
  6. 生体巨大分子/共沈降剤の溶液を、水混和性有機溶媒に添加する、請求項4または5に記載の方法。
  7. 共沈降剤:生体巨大分子のモル比は、50以上である、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびアセトンから選択する、請求項4から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 請求項4から8のいずれか一項に記載のプロセスにより得ることができる粒子。
  10. 請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子およびその適切な担体を含む医薬製剤。
  11. 医学装置に関連した請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子を含む医学装置。
  12. 治療に使用するための、請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子。
  13. 生体触媒調製物に関連した請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子を含む生体触媒調製物。
  14. 請求項1から3および9のいずれか一項に記載の酵素覆膜粒子を含む洗浄剤。
  15. ペンキ、ニス、コーティングまたはフィルムに関連した、請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子を含む保護または防汚剤。
  16. 診断キットまたはバイオセンサー適用のための、フィルム、ポリマー、インク、コーティング、電極および光学材料の製造における、請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子の使用。
  17. 非水性媒体中での分子認識、分子結合、分子インプリンティングまたは阻害剤結合の研究における、請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子の使用。
  18. 走査型プローブ顕微鏡による巨大分子構造および/または構成の研究における、請求項1から3および9のいずれか一項に記載の粒子の使用。
  19. 水溶液から生体巨大分子を単離する方法であって、
    a)単離する沈降剤と生体巨大分子の混合物を含む水溶液を調製し;そして
    b)混和性有機溶媒、生体巨大分子/共沈降剤の溶液を添加し、よって、共沈降剤および生体巨大分子は、直ちに溶液から共沈降し、同時に生体巨大分子は迅速に脱水し、且つ、該有機溶媒/該水溶液の最終水分含量は30%v/v以下である、段階を含み、
    前記脱水生体巨大分子が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、および核酸からなる群から選択され、
    前記共沈降剤コアを形成する共沈降剤が、 SO 、KCl及びアミノ酸からなる群から選択されることを特徴とする、方法。
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