JP2009256464A - 粉末ヒアルロン酸およびその塩の製造方法 - Google Patents

粉末ヒアルロン酸およびその塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度かつ溶解性の高い、粉末ヒアルロン酸等を得る製造方法を目的とする。
【解決手段】本発明の粉末ヒアルロン酸およびその塩の製造方法は、ヒアルロン酸および/またはその塩を含む水性液に、水溶性有機溶剤を添加してヒアルロン酸および/またはその塩を沈殿させて、沈殿物を母液と分離する脱水処理と、水溶性有機溶剤の75〜80質量%水溶液で前記沈殿物を洗浄する洗浄処理と、洗浄後の沈殿物を乾燥する乾燥処理とを順に行う工程を有することよりなる。前記洗浄処理は75〜80質量%のイソプロピルアルコール水溶液で洗浄することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は粉末ヒアルロン酸およびその塩の製造方法に関する。
ヒアルロン酸およびその塩(以下、総じてヒアルロン酸等という)は、例えば、軟骨保護薬、人口水晶体挿入や全層角膜移植時の手術補助剤、点眼薬等の医薬品分野での利用、保湿剤としての化粧品分野での利用、そして栄養補助食品として食品分野での利用がされている。そして、分子量が数百万から1万以下に至るものまで、用途に合わせて様々なヒアルロン酸等が生産されている。ヒアルロン酸等は分子量が大きいほど粘度が高い。このため近年では、医療用用途に、より分子量が大きく、粘度の高いヒアルロン酸等が求められている。
ヒアルロン酸等は、関節、硝子体、へその緒、皮膚、脳等、広く生体内に存在している。従来、ヒアルロン酸等は動物組織、例えば鶏冠から抽出する方法により、生産が行われていたが、近年ではヒアルロン酸生産能を有する微生物を用いた醗酵法で、工業的に大量生産されている(例えば、非特許文献1)。
一般に、前述した生体からの抽出液や、微生物を用いた醗酵により得られた培養液(総じて、ヒアルロン酸等含有液という)は、タンパク質等の不純物が除去されて、精製されたヒアルロン酸等として、粉末の形態にて流通・販売されることが多い。
粉末ヒアルロン酸等の製造は、溶剤沈殿、イオン交換樹脂処理、分別沈殿、活性炭処理等を行って精製した後、凍結乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥等により脱水し、その後粉砕されて行われる。ここで、高粘度のヒアルロン酸等を凍結乾燥等により得られた乾燥物は比容積が大きい綿状品となり、このままでは取り扱い上、輸送上の不都合が大きい。また、このような乾燥物を粉砕して、粉末としても、ままこになりやすいために溶解性が極めて悪く、完全に溶解するには長時間を要するという問題があった。このような問題に対し、特許文献1には、ヒアルロン酸を精製する際、塩化ナトリウム含有のヒアルロン酸水溶液に水溶性有機溶媒を加えて、ヒアルロン酸ナトリウムとして沈殿させ、該沈殿物を直接凍結乾燥することにより、比容積が小さく、溶解性の改善が図られたヒアルロン酸ナトリウム粉末が得られることが開示されている。また、特許文献2には、ヒアルロン酸ナトリウムをポンプで循環している系に、水溶性有機溶剤を注入することで、粒度の揃った粉末を得る発明が開示されている。
特開昭62−288197号公報 特開平2−142801号公報 バイオインダストリー協会発酵と代謝研究会編、「発酵ハンドブック」、共立出版株式会社、2001年7月、p329
しかしながら、既存の技術では、得られる粉末ヒアルロン酸等の純度が不充分であり、また、更なる溶解性の向上が求められている。
そこで、本発明は、高純度かつ溶解性の高い粉末ヒアルロン酸等を得る製造方法を目的とする。
本発明の粉末ヒアルロン酸およびその塩の製造方法は、ヒアルロン酸等を含む水性液に、水溶性有機溶剤を添加してヒアルロン酸等を沈殿させて、沈殿物を母液と分離する脱水処理と、水溶性有機溶剤の75〜80質量%水溶液で前記沈殿物を洗浄する洗浄処理と、洗浄後の沈殿物を乾燥する乾燥処理とを順に行う工程を有することを特徴とする。前記洗浄処理は、75〜80質量%のイソプロピルアルコール水溶液で洗浄することが好ましい。
本発明の粉末ヒアルロン酸等の製造方法によれば、高純度かつ溶解性の高い、粉末のヒアルロン酸等を得ることができる。
本発明の粉末ヒアルロン酸等の製造方法の一例について、以下に説明する。本発明の粉末ヒアルロン酸等の製造方法は、ヒアルロン酸等を含む水性液(ヒアルロン酸等含有液)に、水溶性有機溶剤を添加してヒアルロン酸等を沈殿させて、沈殿物を母液と分離する脱水処理と、水溶性有機溶剤の75〜80質量%水溶液で前記沈殿物を洗浄する洗浄処理と、洗浄後の沈殿物を乾燥する乾燥処理とを順に行う工程を有する。
まず、ヒアルロン酸等を含むヒアルロン酸等含有液を得る。得られたヒアルロン酸等含有液に、水溶性有機溶剤を添加混合し、ヒアルロン酸等を析出させて沈殿させ、沈殿物を回収する(脱水処理)。この間、水中のヒアルロン酸等は、水溶性有機溶剤に不溶なため、析出しながら脱水される。回収した沈殿物を水溶性有機溶剤の75〜80質量%水溶液で洗浄する(洗浄処理)。洗浄処理の間、脱水処理で除去しきれなかったヒアルロン酸等の水分が除去される。そして、洗浄処理を終えた沈殿物に付着した水溶性有機溶剤を除去乾燥して、ヒアルロン酸等の乾燥物を得る(乾燥処理)。得られたヒアルロン酸等の乾燥物を任意の大きさに粉砕し(粉砕処理)、粉末ヒアルロン酸等を得る。
本発明における水性液とは、ヒアルロン酸等が水に溶解した水溶液のみならず、水中に分散した状態の分散液をも含むものである。
ヒアルロン酸等含有液は特に限定されず、例えば、鶏冠や牛の目の硝子体等の生体抽出液や、微生物を用いた醗酵(ヒアルロン酸醗酵)により得られる培養液が挙げられる。得られるヒアルロン酸等の分子量分布を制限し、品質の安定を図る面からは、微生物を用いた醗酵により得られる培養液を用いることが好ましい。ここで、ヒアルロン酸発酵の方法は特に限定されず、回分培養法、連続培養法、半連続培養法や、培養液に血清、リゾチウム、界面活性剤、アミノ酸を添加する培養法、二酸化炭素や窒素ガスを吹き込む培養法、酸化還元電位をある範囲に維持する培養法等、いずれの培養法により得られる培養液であっても良い。
また、高い純度のヒアルロン酸等の粉末を得る観点から、ヒアルロン酸等含有液は、前記生体抽出液や前記培養液から水溶性タンパク質や色素等の不純物を除去して、精製されたものであることがより好ましい。前記精製の方法は特に限定されず、既存の方法を用いることができる。例えば、溶剤沈殿、イオン交換樹脂処理、分別沈殿、活性炭処理や、これらの組み合わせ等による方法を挙げることができる。
さらに、ヒアルロン酸等含有液は、精製したヒアルロン酸等の乾燥品を水に溶解したものであっても良い。
脱水処理に用いられる水溶性有機溶剤は、ヒアルロン酸等を析出できるものであれば特に限定されず、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等を挙げることができる。このうち、アルコール類、中でもエタノールやイソプロピルアルコールを用いることが好ましい。
水溶性有機溶剤の添加量は、ヒアルロン酸等含有液からヒアルロン酸等を析出できれば特に限定されず、水溶性有機溶剤の種類や濃度等を勘案して決定することができる。例えば、イソプロピルアルコールを用いる場合には、添加後の水溶性有機溶剤の濃度が70質量%以上となるように、水溶性有機溶剤の添加量を設定することが好ましい。例えば、84質量%のイソプロピルアルコール水溶液をヒアルロン酸等含有液に対して6体積倍となるように添加して、脱水処理を行うことができる。
また、水溶性有機溶剤の濃度は特に限定されず、好ましくは75〜95質量%の水溶液、より好ましくは80〜90質量%の水溶液を使用する。75質量%未満であると、ヒアルロン酸等の析出が行えないおそれがあり、95質量%を超えると経済面での不都合が大きいためである。
脱水処理におけるヒアルロン酸等含有液への、水溶性有機溶剤の添加混合方法は特に限定されず、既知の方法を用いることができる。例えば、攪拌混合装置に、ヒアルロン酸等含有液と水溶性有機溶剤とをそれぞれ滴下しながら混合しても良いし、ヒアルロン酸等含有液と水溶性有機溶剤とを予備混合した後に、攪拌混合装置に滴下して混合しても良い。比較的大きな形態の沈殿物(ヒアルロン酸等)を得、ヒアルロン酸等の回収率向上を図る観点からは、予備混合した後に攪拌混合して、ヒアルロン酸等を析出させることが好ましい。
脱水処理における沈殿物の回収方法は特に限定されず、既知の方法を用いて行うことができる。例えば、ろ過、遠心分離等を挙げることができる。
洗浄処理に用いる水溶性有機溶剤は特に限定されず、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリル等を挙げることができる。このうち、アルコール類、中でもエタノールやイソプロピルアルコールを用いることが好ましい。
洗浄処理に用いる水溶性有機溶剤の水溶液の濃度は、75〜80質量%である。75質量%未満であると、脱水工程で残存した水分を除去しにくい可能性があり、80質量%を超えると、乾燥後の嵩比重が低くなり、粉砕後のヒアルロン酸等が綿状となって、良好な溶解性が得られないためである。
水溶性有機溶剤の水溶液の添加量は特に限定されないが、例えば、ヒアルロン酸に対して5〜20体積倍を用いることが好ましい。前記範囲内であれば、良好に水分を除去できるためである。
水溶性有機溶剤の水溶液の温度は特に限定されないが、例えばイソプロピルアルコールを用いた場合には、0〜50℃が好ましく、5〜20℃が特に好ましい。0℃未満であるとヒアルロン酸等に残存する水分が凍結するため脱水が不充分となり、50℃を超えると、ヒアルロン酸等の回収率が著しく低下するためである。
また、洗浄処理における洗浄の方法は特に限定されず、水溶性有機溶剤の75〜80質量%水溶液にヒアルロン酸等を入れて攪拌した後に、ろ過して固液分離する等の方法を用いることができる。
洗浄処理の時間は特に限定されず、ヒアルロン酸等の水分含量等を勘案して決定することが好ましい。
乾燥処理の方法は特に限定されず、既知の方法を用いることができる。例えば、ろ過乾燥や、加熱乾燥、凍結乾燥、減圧乾燥等を挙げることができる。
この内、加熱乾燥を行う場合には、温度条件は特に限定されないが、50〜80℃で行うことが好ましい。50℃未満であると乾燥に長時間を要し、また、微生物が残留していた場合、増殖するために好ましくない。80℃を超えるとヒアルロン酸等の分子量が低下するために好ましくないためである。
乾燥処理の時間は特に限定されず、乾燥方法や乾燥温度を考慮し、所望する水分含量となるように決定することができる。
粉砕処理における、粉末ヒアルロン酸等の粒子径は特に限定されないが、平均粒子径150〜250μmであることが好ましい。前記範囲内の平均粒子径であれば、良好な溶解性を得られるためである。なお、平均粒子径は、標準ふるいを用いたふるい法により測定した値である。
粉砕処理の方法は特に限定されず、既存の方法を用いて粉砕することができる。例えば、衝撃、空気衝突、剪断等による粉砕を挙げることができる。このような粉砕を行うことができる装置として、サンプルミル(株式会社奈良機械製作所製)、スパイラルジェットミル50AS(ホソカワミクロン株式会社製)、ウィレー式粉砕機(株式会社吉田製作所)等を挙げることができる。
本発明の粉末ヒアルロン酸等の製造方法によれば、脱水処理で回収した沈殿物(ヒアルロン酸等)を水溶性有機溶剤の75〜80質量%水溶液で洗浄することで、得られるヒアルロン酸等の乾燥物の嵩密度を高くすることができる。従来の製造方法で得られるヒアルロン酸等の乾燥物は、既存の粉砕装置では装置内部に滞留(付着)する等、粉末化しにくかった。これに対し、本発明の製造方法で得られるヒアルロン酸等は、粉砕装置によって容易に粉砕することができる。加えて、粉砕後の粒子径の制御が容易であり、ヒアルロン酸等が綿状となることを抑制できるため、綿状物の発生に伴う粉体の絡みつきが少なくなる。このため、本発明によれば、水への分散が良く、ままこの発生が減少し、溶解性の高い粉末ヒアルロン酸等を得ることができる。
加えて、本発明の粉末ヒアルロン酸等の製造方法によれば、助剤の追加や工程の追加が不要なため、ヒアルロン酸等の純度を低下させることなく、粉末ヒアルロン酸等を得ることができる。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明するが、実施例に限定されるものではない。
(測定方法)
<粘度>
粉末ヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水に溶解し、0.1質量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液を調製した。得られた0.1質量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液をBL型粘度計(ロータNo.2、回転数30rpm)にて、25℃にて測定した。
<嵩比重>
粉末ヒアルロン酸ナトリウム2.0gを50mLメスシリンダーに入れ、振動を1cmの高さで10回与えた後の粉体の容積(mL)を測定し、嵩比重(g/mL)を求めた。
<水分>
粉末ヒアルロン酸ナトリウムについて、乾熱乾燥機(NDO−450SD、東京理化機械株式会社製)により、105℃、4時間の乾燥減量により水分含量を測定した。
<水溶液透過率(T%)>
分光光度計(U−1000、株式会社日立製作所製)を用いて、蒸留水を対照(T%100)として、25℃、0.1質量%ヒアルロン酸ナトリウム水溶液の透過率を測定した。
<pH>
0.200gの粉末ヒアルロン酸ナトリウムを蒸留水199.8gに溶解し、25℃にて、pHメーター(本体;D-21、電極;9621C、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
<溶解性>
室温下にて、0.200gの粉末ヒアルロン酸ナトリウムと、199.8gの蒸留水とを200mLビーカーに入れ、マグネティックスターラーを用いて分散した。次いで、タービン型攪拌翼により350〜400rpmで10分間攪拌溶解し、溶解状態を目視にて観察して評価した。
(製造例1)精製ヒアルロン酸ナトリウムの調製
脱イオン水に粗製ヒアルロン酸30gを溶解し、粗製ヒアルロン酸水性液25kgを調製した。前記粗製ヒアルロン酸水性液に、粗製ヒアルロン酸水性液に対して1.5質量%となる塩化ナトリウムと、粗製ヒアルロン酸に対して2質量倍の活性炭(白鷺(商品名)RW50−T、キリンフードテック株式会社製)と、粗製ヒアルロン酸に対して0.5質量倍の合成吸着剤(HP2MG、三菱化学株式会社製)を添加した。さらに塩酸水溶液、および水酸化ナトリウム水溶液にて、pH4に調整した後、15℃で1時間攪拌混合し、吸着処理を行った。次いで、フィルタープレスを用いてパーライトろ過助剤(三井金属鉱業株式会社製、ロカヘルプ409)を粗製ヒアルロン酸に対して17質量倍量を添加混合し、プレコートろ過を行い、22kgのろ液を得た。
得られたろ液に対し、0.1Mクエン酸60ml、0.1Mクエン酸3ナトリウム80mlを添加混合し、キレート処理を行った。キレート処理の後、前記混合液に対して6体積倍のイソプロピルアルコールを添加して、ヒアルロン酸ナトリウムを析出させた。析出したヒアルロン酸ナトリウムを80℃、1時間の条件で乾燥して、15gの精製ヒアルロン酸ナトリウムを得た。
(実施例1)
室温下にて、製造例1で得られた精製ヒアルロン酸ナトリウム(乾燥品)3.6gを脱イオン水2800gに溶解し、塩化ナトリウム45g、0.1Mクエン酸20ml、0.1Mクエン酸3ナトリウム30mlを添加混合し、2質量%塩酸水溶液と2質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpHを5.0に調整した後、脱イオン水を加え、3000gのヒアルロン酸等含有液を調整した。
前記ヒアルロン酸等含有液に、6体積倍の84%IPA水溶液を混合し、析出した沈殿物を回収した(脱水処理)。回収した沈殿物に対し、10体積倍の80%IPA水溶液を添加して攪拌して洗浄処理した後、沈殿物を回収した。回収した沈殿物を80℃、1時間の条件で乾燥し、ヒアルロン酸ナトリウムの乾燥物を得た。得られたヒアルロン酸ナトリウムの乾燥物をウィレー式粉砕機(0.5φスクリーン使用、株式会社吉田製作所製)で粉砕し、平均粒子径150〜250μmの粉末ヒアルロン酸ナトリウムAを得た。得られた粉末ヒアルロン酸Aの、粘度、嵩比重、水分、水溶液透過率、pHの測定値、および粉砕後の形状、溶解性を評価し、その結果を表1に示す。
(実施例2)
洗浄処理に使用した80質量%IPA水溶液を75質量%IPA水溶液とした以外は、実施例1と同様にして粉末ヒアルロン酸ナトリウムBを得た。得られた粉末ヒアルロン酸ナトリウムBの粘度、嵩比重の測定値、粉砕後の形状を評価し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
洗浄処理に使用した80質量%IPA水溶液を84質量%IPA水溶液とした以外は、実施例1と同様にして粉末ヒアルロン酸ナトリウムCを得た。得られた粉末ヒアルロン酸ナトリウムCの、粘度、嵩比重、水分、水溶液透過率、pHの測定値、および粉砕後の形状、溶解性を評価し、その結果を表1に示す。
(比較例2)
洗浄処理に使用した80質量%IPA水溶液を70質量%IPA水溶液とした以外は、実施例1と同様にして粉末ヒアルロン酸ナトリウムDを得た。得られた粉末ヒアルロン酸ナトリウムDの粘度、嵩比重の測定値、および粉砕後の形状を評価し、その結果を表1に示す。
Figure 2009256464
表1に示すとおり、洗浄工程のIPA水溶液のIPA濃度を75質量%から80質量%にすることで、嵩比重を上げることができ、粘度や透明性に影響を与えることなく、溶解性の良好な粉末ヒアルロン酸ナトリウムが得られることが判った。
また、実施例1では、室温、10分間で水に溶解したのに対し、比較例1では、粉末ヒアルロン酸ナトリウムが水中でままこが発生し、容易に溶解できなかった。このことから、粉末ヒアルロン酸ナトリウムが顆粒状であれば良好な溶解性が得られ、綿状の粉末ヒアルロン酸ナトリウムでは溶解に時間がかかることが判った。
また、実施例2と比較例2との比較では、洗浄工程のIPA水溶液のIPA濃度が75質量%より低くなると、粘度が低下することが判った。水分が多くなると乾燥製品が硬くなり、粉砕時の衝撃により粘度が低下するものと推定した。

Claims (2)

  1. ヒアルロン酸および/またはその塩を含む水性液に、水溶性有機溶剤を添加してヒアルロン酸および/またはその塩を沈殿させて、沈殿物を母液と分離する脱水処理と、水溶性有機溶剤の75〜80質量%水溶液で、前記沈殿物を洗浄する洗浄処理と、洗浄後の沈殿物を乾燥する乾燥処理とを順に行う工程を有する、粉末ヒアルロン酸およびその塩の製造方法。
  2. 前記洗浄処理は、75〜80質量%のイソプロピルアルコール水溶液で洗浄することを特徴とする、請求項1に記載の粉末ヒアルロン酸およびその塩の製造方法。
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