本開示は、少なくとも部分的には、バイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)が、ヒトに抗CD200抗体を投与した結果としての、該ヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を証拠立てる、複数のバイオマーカーを本発明者らが発見したことに基づく。例えば、本発明者らは、ヒトに抗CD200抗体を投与した後のヒトにおいて、循環CD200+白血球(例えば、CD200+/CD4+T細胞および/または活性化CD200+/CD4+T細胞を含めた、例えば、CD200+T細胞のサブセット)の濃度が低下することを観察した。本開示は、どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本発明者らは、観察されたCD200+白血球の喪失が、(a)白血球によるCD200発現の喪失;および(b)CD200+白血球の枯渇ではない、末梢からの細胞の移動のうちの一方または両方のためであると考える。本発明者らはまた、抗CD200抗体を投与すると、各種の白血球サブセット(例えば、CD4+T細胞、CD8+T細胞、活性化CD4+T細胞、NK T細胞、またはCD21+/CD25+/Fox3P+T細胞)により、CD200R発現レベルが上昇することも観察した。加えて、本発明者らは、がんに罹患しているヒトに抗CD200抗体を投与すると、(i)活性化T細胞の濃度の、抗CD200抗体を投与する前のヒトにおける該細胞の濃度と比較した上昇;(ii)制御性T細胞の濃度の、抗CD200抗体を投与する前のヒトにおける該細胞の濃度と比較した低下;(iii)活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、抗CD200抗体を投与する前のヒトにおける対応する比と比較した増大が結果としてもたらされることをさらに観察した。実際、作業例で詳述する通り、その臨床疾患が安定化または改善した患者7例のうち4例(57%)において制御性T細胞の濃度が低下したのに対し、その臨床疾患が増悪した患者のうちで、制御性T細胞濃度の同様な低下を臨床的に経過した患者は29%に過ぎなかった。
抗CD200抗体は、がん、炎症性障害(例えば、移植拒絶)、および骨障害が含まれるがこれらに限定されない多様な疾患を処置するための潜在的な治療剤として、現在のところ被験対象となっている。例えば、現在のところ、ヒト化抗CD200抗体であるALXN6000(サマリズマブ;Alexion Pharmaceuticals,Inc.、Cheshire、CT)が、がんの治療についての臨床試験で評価されている。本開示は、どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本明細書で説明されるバイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)について、サマリズマブなどの抗CD200抗体により治療される患者をモニタリングすることは、該抗CD200抗体が、該抗体を投与した該ヒトにおいて、所望の免疫調節効果を生成することが可能であるか否かを決定するのに有用であると本発明者らは考える。さらにまた、免疫調節効果の程度をモニタリングすること(例えば、本明細書で説明されるバイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化を検出することにより)も、ヒトにおける抗体の免疫調節効果により、疾患に対して臨床的に有意義な効果を達成するのに十分な(すなわち、がんなどの疾患を処置するのに十分な)、抗CD200抗体(例えば、サマリズマブ)の用量(閾値用量または投与スケジュール)を同定するのに有用である。すなわち、第I相の安全性研究においてサマリズマブを投与されたB−CLL患者および多発性骨髄腫患者25例のうち7例は、末梢血カウントおよびCTスキャンの逐次評価により決定される通り、疾患の安定を示した。本明細書で説明される、抗CD200抗体関連バイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)に反映される通り、治療された患者では、抗CD200抗体による所望の免疫調節効果が観察された。
したがって、一態様では、抗CD200抗体が、ヒト(例えば、がん患者)において、所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を本開示が提供する。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料において、本明細書で説明される、少なくとも1つの免疫調節性バイオマーカー(本明細書では場合によって、「抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカー」とも称する)の増加または減少を検出し、これにより該抗CD200抗体が、該ヒトにおいて免疫調節効果をもたらしたか否かを決定するステップを含む。免疫調節効果は、少なくとも1つのバイオマーカー、例えば、本明細書で説明される、抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化(例えば、増大または減少)を特徴とすることが可能であり、該変化は、(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8+T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD8+T細胞の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200+白血球の濃度と比べた低下;(v)CD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比べた上昇;(vi)該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であること;(vii)抗CD200抗体を患者に投与する前の患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べた低下;ならびに(viii)抗CD200抗体を投与された患者に由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルの、抗CD200抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べた上昇からなる群より選択される。一部の実施形態では、抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200の発現の、対照発現レベル(例えば、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球におけるCD200発現レベル)と比較した低下が、該抗CD200抗体が、該患者において所望の免疫調節効果を生成したことを示す。本明細書で説明される任意の方法が、本明細書で説明される、抗CD200抗体に関連する2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10以上)のバイオマーカーが変化(例えば、増大または減少)したか否かを決定するステップを伴いうることが理解される。複数のバイオマーカーについて精査するときは、2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10以上)のバイオマーカーによる任意の組合せについて解析することができる。
一部の実施形態では、発現の変化が、タンパク質発現の変化の場合もあり、mRNA発現の変化の場合もあることが理解される。すなわち、例えば、該方法では、患者に由来する白血球集団を精査して、CD200 mRNA発現および/またはCD200タンパク質発現レベルが、mRNA発現の対照レベルおよび/またはタンパク質発現の対照レベルと比べて低下したか否かを決定することができる。当技術分野では、タンパク質発現およびmRNA発現を測定する方法が周知であり、本明細書でもこれについて説明する。
一部の実施形態では、患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200+骨髄細胞サブセットの濃度と比較した低下が、抗CD200抗体が、該患者において所望の免疫調節効果を生成したことを示す。CD200+白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)またはサブセットは、本明細書で説明される(後出の)CD200+白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)またはサブセットのうちのいずれかでありうるがこれに限定されない。
検出するステップは、例えば、選択された適切な細胞型(例えば、CD200+白血球またはCD200R+白血球)の濃度を測定するステップを含む場合もあり、CD200またはCD200Rなど、1つまたは複数の発現マーカーの発現レベルを定量化するステップを含む場合もあることが理解される。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかについての一部の実施形態では、検出するステップを、抗CD200抗体を初回に投与した後に行うことができる。例えば、検出するステップ(すなわち、バイオマーカーのうちの少なくとも1つにおける変化(例えば、増加または減少)を検出するステップ)は、抗CD200抗体の初回の治療的投与をヒトに行った後2カ月間以内(または2カ月間未満)(例えば、8週間未満、7週間、6週間、5週間、1カ月間、4週間、3週間、2週間、または13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、もしくは5日間未満)に行うことができる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかについての一部の実施形態では、検出するステップが、抗CD200抗体の初回の治療的投与をヒトに行った後、少なくとも10日間(例えば、少なくとも11日間、12日間、13日間、14日間、もしくは1週間、2週間、3週間、4週間、1カ月間、5週間、6週間、7週間、または8週間以上)に初めて行う。例えば、本明細書で説明される以下の方法では、指定された細胞型の濃度を測定するステップ、または発現マーカー(例えば、CD200またはCD200R)の発現レベルを定量化するステップを、例えば、上述の期間のうちのいずれか1つ以内で行いうることが理解される。
少なくとも1つのバイオマーカーの変化(例えば、増加または減少)を検出する前に、抗CD200抗体の投与を、少なくとも2回(例えば、少なくとも3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、または14回以上)にわたりヒトに行う実施形態では、検出するステップを、複数回にわたる抗CD200抗体の投与レジメンの最終回の投与をヒトに行った後、例えば、2カ月間以内(または2カ月間未満)(例えば、8週間未満、7週間、6週間、5週間、1カ月間、4週間、3週間、2週間、または13日間、12日間、11日間、10日間、9日間、8日間、7日間、6日間、5日間、もしくは5日間未満)、および/または少なくとも1日間(例えば、少なくとも2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、もしくは3週間、4週間、1カ月間、5週間、6週間、7週間、または8週間以上)に初めて行うことができる。一部の実施形態では、検出するステップを、投与の間(例えば、初回の投与と2回目の投与との間、2回目の投与と3回目の投与との間、3回目の投与と4回目の投与との間、5回目の投与と6回目の投与との間、および/または7回目の投与と8回目の投与との間)に行うことができる。このような検出は、処置期間にわたり、ヒトにおける免疫調節効果(例えば、免疫調節効果のピークレベルまたは最大レベル)を維持するのに有効な、該ヒトのための投与スケジュールを決定するのに有用でありうる。例えば、本明細書で説明される以下の方法では、指定された細胞型の濃度を測定するステップ、または発現マーカー(例えば、CD200またはCD200R)の発現レベルを定量化するステップが、例えば、上述の期間のうちのいずれか1つ以内で行いうることが理解される。一部の実施形態では、本明細書で説明される1つまたは複数のバイオマーカーの変化を検出するステップを、患者の治療全体において(例えば、患者に投与される抗CD200抗体の各回の投与前および/または投与後において)行うことができる。このような検出は、とりわけ、患者の生理的状態に対する抗CD200抗体の効果を経時的に評価し、免疫調節効果の発生と、抗CD200抗体治療の有効性とのより精密な相関を可能とするのに有用でありうる。
一部の実施形態では、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたという正の決定がなされた場合に、抗CD200抗体を、該ヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を維持するのに有効な量および頻度で投与することを含めた、該ヒトのための(例えば、医療従事者が、抗CD200抗体による免疫調節療法から利益を得ると考える疾患(例えば、がん)を、該ヒトが有するか、これを有することが疑われるか、またはこれを発症する危険性がある場合の)治療レジメンを継続するか、または公式に開始する、医療従事者による決定が結果としてもたらされる。一部の実施形態では、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたという正の決定がなされた場合に、医療従事者が、該ヒトに、抗CD200抗体療法を引き続き処方および/または選択する結果がもたらされる。一部の実施形態では、抗CD200抗体を投与した結果として、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたという正の決定がなされた場合に、例えば、各回の抗CD200抗体の投与を行った後、または2回の投与後毎などに、該ヒトにおける1つまたは複数のバイオマーカーの変化(例えば、増加または減少)を持続的にモニタリングする結果がもたらされる。このような実施は、処置期間にわたり、ヒトにおける免疫調節効果(例えば、所望の免疫調節効果のピークレベルまたは最大レベル)を維持するのに有効な、該ヒトのための投与スケジュールを決定するのに有用でありうる。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200+白血球の濃度を測定するステップを含み、この場合、該血液試料におけるCD200+白血球の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200+白血球の濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。CD200+白血球は、例えば、本明細書で説明されるCD200+白血球のうちのいずれかでありうる。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200+T細胞の濃度を測定するステップを含み、この場合、該血液試料におけるCD200+T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200+T細胞の濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200R+白血球の濃度を測定するステップを含み、該血液試料におけるCD200R+白血球の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比較した上昇が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与された該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、この場合、該複数の白血球によるCD200の発現の、対照試料における同じ組織型の複数の白血球による発現レベルと比較した減少が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与された該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップを含み、該複数の白血球によるCD200Rの発現の、対照試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200Rの発現レベルと比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
一部の実施形態では、本明細書で説明される任意の方法(例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法)が、本方法に従い、抗CD200抗体を該ヒトに投与するステップを含みうる。例えば、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体をヒトに投与するステップと、抗CD200抗体を投与された後の該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップとを含み、該複数の白血球によるCD200Rの発現の、対照試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベルと比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
一部の実施形態では、本明細書で説明される任意の方法(例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法)が、抗体を投与する前にヒトから得られる生物学的試料における、指定された細胞型の濃度を測定するステップ、または指定された細胞型における指定された発現マーカーの発現レベルを定量化するステップを含みうる。例えば、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する血液試料におけるCD200+T細胞の濃度を測定するステップと;該ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する血液試料におけるCD200+T細胞の濃度を測定する(例えば、同じ医療者による場合もあり、異なる医療者による場合もある)ステップとを含み、該処置後の血液試料におけるCD200+T細胞の濃度の、該処置前に得られた血液試料における同じ組織型のCD200+T細胞の濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
一部の実施形態では、本明細書で説明される任意の方法が、患者に抗CD200抗体をヒトに投与する前に、かつ/または投与した後に、該患者から生物学的試料(例えば、血液試料)を得るステップを含む。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料におけるCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)集団の濃度を測定するステップと;抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップとを含み、この場合、(i)該血液試料におけるCD200+白血球集団の濃度の、対照試料における同じ組織型の対応するCD200+白血球集団の濃度と比較した低下;および(ii)該複数の白血球によるCD200Rの発現の、対照発現レベルと比較した増大のうちの一方または両方により、該抗CD200抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)集団の濃度を測定し、これによりCD200+白血球集団の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における同じ組織型のCD200+白血球集団の濃度を測定し、これによりCD200+白血球集団の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200+白血球の該処置後濃度の、CD200+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度を測定し、これによりCD200R+白血球の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における同じ組織型のCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度を測定し、これによりCD200R+白血球の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200R+白血球の該処置後濃度の、CD200R+白血球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200の処置後発現レベルの、CD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトに由来する生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化し、これによりCD200Rの処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化し、これによりCD200Rの処置後発現レベルを得るステップとを含み、この場合、CD200Rの処置後発現レベルの、CD200R発現の該処置前レベルと比較した上昇が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
白血球によるCD200の発現については、白血球が、例えば、CD200+/CD4+T細胞、活性化CD200+/CD4+T細胞、またはCD200+/CD8+T細胞などのT細胞でありうる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、白血球が、例えば、CD200+/CD4+T細胞、または活性化CD200+/CD4+T細胞などのT細胞でありうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200R+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200R+白血球の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、例えば、白血球によるCD200Rの発現については、白血球が、例えば、CD4+T細胞、CD8+T細胞、活性化CD4+T細胞、CD21+/CD25+/Fox3P+T細胞、およびNK T細胞でありうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、該白血球(例えば、T細胞)によるCD200の発現の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の減少が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、該白血球(例えば、T細胞)によるCD200の発現の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の減少が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200Rの発現の少なくとも1.5倍(例えば、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10倍以上)の増大が、ヒトにおいて該抗体により所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200Rの発現の少なくとも1.5倍(例えば、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10倍以上)の増大が、該抗CD200抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、血液試料におけるCD200+T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200+T細胞の濃度と比較した低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、血液試料におけるCD200R+T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度と比較した上昇が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200発現レベルの、対照発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200R発現レベルの、対照発現レベルと比較した上昇が、該抗CD200抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における制御性T細胞(Treg)の濃度を測定するステップを含む方法を特徴とする。血液試料におけるTregの濃度の、対照試料における同じ組織型のTregの濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。対照試料は、例えば、初回の治療的な抗CD200抗体の投与を行う前に患者から得られる血液試料でありうる。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる血液試料における制御性T細胞(Treg)の濃度を測定し、これによりTregの処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における、同じ明確な組織型のTregの濃度を測定するステップとを含み、Tregの該処置後の血液試料濃度の、Tregの該処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、Tregが、例えば、CD3+CD4+CD25+FoxP3+T細胞、またはCD3+CD4+FoxP3+T細胞でありうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、Tregの濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。一部の実施形態では、Treg(例えば、前出の発現マーカーにより規定されるTreg)が、CD200またはCD200Rを発現しうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、Tregの濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)の低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における活性化T細胞の濃度を測定するステップを含み、該血液試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較した上昇が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。対照試料は、例えば、初回の治療的な抗CD200抗体の投与を行う前に患者から得られる血液試料でありうる。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる血液試料における活性化T細胞の濃度を測定し、これにより活性化T細胞の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)該抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における、同じ明確な組織型の活性化T細胞の濃度を測定するステップとを含み、活性化T細胞の該処置後の血液試料濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、活性化T細胞の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じたことを示す。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、活性化T細胞の濃度の少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100%以上)の上昇が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定するステップを含み、該血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、対照試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比と比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定するステップを含み、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であることが、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定し、これにより処置前における比を決定するステップと;(ii)該ヒトに該抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定するステップとを含み、該処置後の血液試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該処置前における比と比較した増大が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、活性化T細胞が、例えば、CD3+CD4+CD25+FoxP3negT細胞、またはCD3+CD4+FoxP3negT細胞であるでありうる。一部の実施形態では、活性化T細胞(例えば、前出の発現マーカーにより規定される活性化T細胞)が、CD200またはCD200Rを発現しうる。
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、対照試料が、抗CD200抗体を投与する前に得られる、ヒトに由来する血液試料であるか、またはこれを含有しうる。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+白血球の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度;(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200+T細胞の濃度;(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度;(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度;(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに/あるいは(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを測定するステップを含み、(a)CD200+白血球の該処置後濃度の、CD200+白血球の該処置前濃度と比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(b)CD200R+白血球の該処置後濃度の、CD200R+白血球の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(c)該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルの、CD200Rの該処置前発現レベルと比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(d)該複数の白血球によるCD200+の処置後発現レベルの、CD200+の該処置前発現レベルと比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(e)制御性T細胞の該処置後濃度の、制御性T細胞の該処置前濃度と比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(f)活性化T細胞の該処置後濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(g)処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、処置前における比と比較した増大は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し、または処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1であることは、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(h)CD8+リンパ球の該処置後濃度の、CD8+リンパ球の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(i)CD200+T細胞の該処置後濃度の、CD200+T細胞の該処置前濃度と比較した低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(j)CD200R+T細胞の該処置後濃度の、CD200R+T細胞の該処置前濃度と比較した上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(k)1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの該処置後濃度の、CD200+白血球の該処置前濃度と比較した低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(l)1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの該処置後濃度の、CD200+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;または(m)該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置後発現の、該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置前発現レベルと比較した低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、該条件による任意の組合せのうちの2つ以上(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つ以上)を測定する。一部の実施形態では、該条件の全てを測定する。
さらに別の態様では、本開示は、ヒトについての医療プロファイルを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体であって、該プロファイルが、1つまたは複数の抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーについての情報を含み、該バイオマーカーが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);ならびに(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度からなる群より選択される、コンピュータ読み取り可能な媒体を特徴とする。該医療プロファイルはまた、例えば、(xvii)抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベル、および/または(xviii)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型の複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベルも包含しうる。該医療プロファイルはまた、例えば、(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度、および/または(xx)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度も包含しうる。一部の実施形態では、該医療プロファイルが、2例以上(例えば、3例、4例、5例、10例、15例、20例、30例、40例、50例、60例、70例、80例、90例、または100例以上)の患者についてのこのような情報を包含する。一部の実施形態では、医療プロファイルが、コンピュータのハードドライブ、フラッシュドライブ、DVD、またはCDなど、コンピュータ読み取り可能な媒体に保存される。
別の態様では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法を本開示が提供する。該方法は、ヒトの医療プロファイルを包含するデータを受け取るステップであって、該プロファイルが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);ならびに(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度を含めた、本明細書で説明される、抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーのうちの少なくとも1つについての情報を含むステップと;該情報を含有する該データのうちの少なくとも一部分を処理して、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するステップであって、CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の該処置後濃度の、CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の該処置後濃度の、CD200R+白血球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200+の処置後発現レベルの、CD200+の該処置前発現レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルの、CD200Rの該処置前発現レベルと比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;制御性T細胞の該処置後濃度の、制御性T細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し;活性化T細胞の該処置後濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD8+リンパ球(例えば、T細胞)の該処置後濃度の、CD8+リンパ球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該処置前における比と比較した増大が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;かつ/または処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、なおまたは7:1以上)であることが、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示すステップとを含む。
別の態様では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法であって、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);ならびに(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度のうちの1つまたは両方についての情報をもたらすステップと;該情報を、コンピュータに入力するステップと;該コンピュータおよび該入力された情報を用いて、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを示唆するパラメータを計算するステップであって、CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の該処置後濃度の、CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の該処置後濃度の、CD200R+白血球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200+の処置後発現レベルの、CD200+の該処置前発現レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルの、CD200Rの該処置前発現レベルと比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;制御性T細胞の該処置後濃度の、制御性T細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し;活性化T細胞の該処置後濃度の、活性化T細胞の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;該処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該処置前における比と比較した増大が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;CD8+リンパ球(例えば、T細胞)の該処置後濃度の、CD8+リンパ球の該処置前濃度と比較した上昇が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;かつ/または処置後における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、なおまたは7:1以上)であることが、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示すステップとを含む。該方法はまた、該パラメータを出力するステップも含む。
一部の実施形態では、該情報が、(xvii)抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における、複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベル、および/または(xviii)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型の複数の白血球(例えば、骨髄細胞または脾臓細胞)によるCD200発現レベルを包含することが可能であり、この場合、該複数の白血球によるCD200の処置後発現レベルの、対応する複数の白血球によるCD200の処置前発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
一部の実施形態では、該情報が、(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度、および/または(xx)該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型の、1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの濃度を包含することが可能であり、この場合、該1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの処置後濃度の、対応するCD200+骨髄サブセットの処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い。がんは、例えば、CLL(例えば、B−CLL)でありうる。がんは、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、骨がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんなどであるがこれらに限定されない固形腫瘍でありうる。神経系のがんは、神経芽腫でありうる。
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、ヒトが、炎症性障害および/もしくは骨障害を有するか、炎症性障害および/もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害および/もしくは骨障害を発症する危険性がある。医療技術分野では、炎症性障害および骨障害が周知である。本明細書では、これらの障害の各々の例を示す。
一部の実施形態では、抗CD200抗体がヒトにおいて免疫調節効果を生成することが決定された場合に、本明細書で説明される任意の方法が、該ヒトに治療有効量の該抗体を投与するステップを含みうる。
一部の実施形態では、上記の方法のうちのいずれかが、対象に抗CD200抗体を、例えば、ヒトにおける免疫調節効果を維持するのに有効な量および頻度で投与するステップを含みうる。
本発明者らはまた、複数のCD200発現がん細胞を含むがんを有する患者に抗CD200抗体を投与すると、該がん細胞によるCD200の発現が減少することも発見した。がん細胞は、ヒトにおいて潜在的に生命を脅かすがんが発症する前に、悪性細胞を同定し、該細胞を死滅させうる(免疫監視として公知の過程)、ヒト免疫系による検出を回避する多数の方途を発達させている。例えば、Geertsenら(1999年)、Int J Mol Med、3巻(1号):49〜57頁; Kerebijnら(1999年)、Crit Rev Oncol Hematol、31巻(1号):31〜53頁およびPardoll(2003年)Annu Rev Immunol、21巻:807〜39頁を参照されたい。がん細胞が免疫監視を回避する1つの潜在的な機構は、免疫抑制性CD200タンパク質の発現または過剰発現を介する。実際、CD200タンパク質は、例えば、B細胞慢性リンパ性白血病細胞、前立腺がん細胞、乳がん細胞、結腸がん細胞、および脳腫瘍細胞を含めた、多様なヒトがん細胞において、発現または過剰発現していることが示されている。例えば、Kawasakiら(2007年)、Biochem Biophys Res Commun、364巻(4号):778〜782頁; Kretz−Rommelら(2007年)、前出;およびSivaら(2008年)、Cancer Immunol Immunother、57巻(7号):987〜96頁を参照されたい。したがって、本開示は、どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、がん細胞における、抗CD200抗体依存的なCD200の下方制御が、免疫監視の阻害を緩和し、免疫系が、がんをより有効に同定し、がんにより有効に対処することを可能にすると本発明者らは考える。したがって、ヒトに抗CD200抗体を、ヒトにおけるがん細胞によるCD200発現の低下を維持するのに十分な量および頻度で投与することが有益であると考えられている。本明細書では、本開示に従う、例示的な抗CD200抗体の投与スケジュールを示す。このような投与スケジュールの、2つの非網羅的で非限定的な例は、抗CD200抗体の高量(例えば、200mg/m2を超える)での投与、および/または低量(例えば、200mg/m2以下)であるが、頻度を増大させた(例えば、12日間ごとに少なくとも1回ずつ)投与である。本明細書では、さらなる例を示す。
さらに、本明細書で示される作業例において詳述される通り、本発明者らは、1カ月当たり1回の投与スケジュールで患者に投与した抗CD200抗体であるサマリズマブについて観察された薬力学特性に基づく発見をさらに報告する。とりわけ、(端点を含めた)50mg/m2〜200mg/m2の用量で1カ月当たり1回の投与スケジュール下において、患者における抗体の免疫調節効果は一過性であり、ほぼ14日目には、罹患細胞集団が、処置前のレベルに戻る(またはほぼ戻る)。しかし、サマリズマブを2回目に投与したところ、特異的な細胞集団(例えば、CD200+がん細胞、CD200+T細胞など)に対して、免疫調節効果が今一度もたらされた。高量(例えば、300mg/m2〜500mg/m2)を投与したところ、ヒトにおいて、より持続的な免疫調節効果が結果としてもたらされた。したがって、本発明者らは、高用量および/または高頻度で抗体を投与し、これにより、患者における免疫調節効果を維持することが、ヒトにおける疾患(例えば、がん、骨障害、または炎症性障害)を処置するのにより有効であると結論付けた。
したがって、さらに別の態様では、本開示は、がんを伴うヒトを処置する方法であって、抗CD200抗体が該ヒトにおいて抗CD200抗体関連免疫調節効果を生成することが決定された場合に、該ヒトに該抗CD200抗体を、該がんを処置するのに有効な量および/または頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。該決定するステップは、例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するための、本明細書で説明される任意の方法を包含しうる。
別の態様では、本開示は、がんに罹患している患者を処置する方法であって、それを必要とする患者に抗CD200抗体を、該患者における抗CD200抗体関連免疫調節効果を維持するのに有効な量および頻度で投与し、これにより該患者のがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。免疫調節効果は、例えば、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度、および脾臓細胞または骨髄細胞(下記を参照されたい)によるCD200発現レベルを含めた、本明細書で説明される、抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーのうちの任意の1つまたは複数の変化により示されうる。一部の実施形態では、免疫調節性バイオマーカーは、1もしくは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度、および/または骨髄細胞によるCD200発現レベルを包含しない。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、患者に抗体を、患者において以下の条件:(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200+リンパ球の濃度と比べた低下;(v)CD200R+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200R+リンパ球の濃度と比べた上昇;(vi)活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該抗体を初回に投与する前の該患者における比の対応する比と比べた増大;(vii)抗体を初回に投与する前の該患者における活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であること;(viii)複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べた低下;(ix)複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における、同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べた上昇;ならびに(x)がんが、CD200を発現(過剰発現)する複数の細胞を含む実施形態では、複数のCD200+がん細胞によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を初回に投与する前の対応する複数のCD200+がん細胞によるCD200発現レベルと比べた低下のうちの1つまたは複数(例えば、患者に由来する生物学的試料を解析(例えば、測定、検出、または定量化)することにより決定される)を維持するのに有効な量および頻度で投与することができる。患者に抗CD200抗体を2回以上投与している実施形態では、上記のパラメータのうちの1つまたは複数についての評価が、抗CD200抗体を初回に投与する前の対応するパラメータの値、抗CD200抗体を最近投与する前の対応するパラメータの値、または該患者に抗CD200抗体を投与する投与間における対応するパラメータの値と比べた(またはこれと比較した)評価でありうる(しかし、必ずしもそうである必要はない)ことが理解される。例えば、ある期間にわたり、患者に抗CD200抗体の投与を5回行う実施形態では、CD200+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を5回目に投与する前の患者における同じ組織型のCD200+リンパ球の濃度と比べた低下が、該抗体を投与した結果として、該患者に所望の免疫調節効果が生じたことを示しうる。
一部の実施形態では、患者に抗CD200抗体を、がん治療のコースにわたり、該患者において前出の条件全てを維持する量および頻度で投与する。一部の実施形態では、患者に該抗体を、少なくとも4週間(例えば、少なくとも5週間、6週間、7週間、8週間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、1年間、13カ月間、14カ月間、15カ月間、16カ月間、1.5年間、2年間、3年間、または4年間以上)にわたり投与する。
一部の実施形態では、本明細書で説明されるがんの治療法が、それを必要とする患者に抗CD200抗体、例えば、全抗体を、具体的な患者に応じて、個別の用量を100mg/m2以上(例えば、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、または600mg/m2以上)とし、頻度を1週間ごとに少なくとも約1回(例えば、7日間ごと、8日間ごと、9日間ごと、10日間ごと、11日間ごと、12日間ごと、13日間ごと、14日間ごと、15日間ごと、16日間ごと、17日間ごと、18日間ごと、19日間ごと、または20日間ごとに少なくとも1回)として投与するステップを含みうる。一部の実施形態では、抗CD200抗体を少なくとも1週間に1回(例えば、少なくとも2週間ごと、または3週間ごとに1回)患者に投与することができる。一部の実施形態では、抗CD200抗体の個別の用量が、100〜600mg/m2(端点を含めた)(例えば、150〜600、200〜600、300〜600、100〜500、100〜400、100〜300、100〜200、200〜500、200〜400、200〜300、300〜500、400〜500、または300〜500mg/m2(端点を含めた))である可能性があり、一部の実施形態では、患者に、例えば、7日間ごとに少なくとも1回投与することができる。一部の実施形態では、患者に、本明細書で説明される抗CD200抗体を、毎日(例えば、2日間ごとに、3日間ごとに)1回施すことができる。上記で説明した通り、個々の患者パラメータ(例えば、身長、体重、性別、疾患の重症度、年齢、共存症、およびさらなる投薬)に応じて、該患者における免疫調節効果を維持するように、抗CD200抗体の頻度および量の一方または両方を変化させることができることが理解される。本明細書では、患者における免疫調節効果についての条件のうちの1つまたは複数を維持するのに適切な投与戦略を決定する方法について説明する(後出)。
別の態様では、本開示は、がんを処置する方法であって、がんに罹患している患者に、抗CD200抗体を、該患者における活性化T細胞の濃度の、該抗CD200抗体を投与する前の該患者における活性化T細胞の濃度と比較した上昇を維持するのに有効な量および頻度で投与し、これにより該がんを処置するステップを含む方法を提供する。該方法はまた、ヒトに抗CD200抗体を投与した後に、該患者における活性化T細胞の濃度が上昇したか否かを決定するステップも含みうる。
別の態様では、本開示はまた、がんを処置する方法であって、がんに罹患している患者に、抗CD200抗体を、該患者における制御性T細胞の濃度の、該抗CD200抗体を投与する前の該患者における制御性T細胞の濃度と比較した低下を維持するのに有効な量および頻度で投与し、これにより該がんを処置するステップを含む方法も提供する。
別の態様では、本開示はまた、がんを処置する方法であって、がんに罹患している患者に、抗CD200抗体を、該患者において、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であることを維持するのに有効な量および頻度(例えば、該抗体を投与した後の患者から得られる生物学的試料を解析することにより決定される)で投与するステップを含む方法も提供する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、制御性T細胞が、例えば、CD3+CD4+CD25+FoxP3+T細胞、またはCD3+CD4+FoxP3+T細胞でありうる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、活性化T細胞が、例えば、CD3+CD4+CD25+FoxP3negT細胞、またはCD3+CD4+FoxP3negT細胞でありうる。
さらに別の態様では、本開示は、医療従事者により、抗CD200抗体療法から利益を得るか、または抗CD200抗体療法から利益を得る可能性が高い患者(例えば、がん、骨疾患、または炎症性障害に罹患している患者)であると判定された患者を処置するための、CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法を特徴とする。該方法は、例えば、抗CD200抗体を投与した後の患者において生成される所望の免疫調節効果のピークレベルまたは最大レベルを確立するステップと、この効果のピークレベルからの変化について(患者に由来する生物学的試料を分析することによって)患者をモニタリングするステップとを含み、この場合、医療従事者が、処置期間にわたり、患者における免疫調節効果のピークレベルを維持するのに必要な、抗CD200抗体の量、および/または該抗体の投与頻度を決定する点で、この効果のピークレベルの変化のタイミング(例えば、この効果のピークレベルを維持するのにさらなる投与が必要とされる前の所与の用量で、患者における効果のピークレベルが維持される期間)により、患者の投与スケジュールが決定される。一部の実施形態では、免疫調節効果のレベルが、患者について観察されるピークの免疫調節効果から少なくとも5%(例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)変化する場合、該患者にさらなる用量の(元の所定用量より高用量であり、かつ/または高頻度である)抗CD200抗体を投与する。例えば、医療従事者は、抗CD200抗体の初回投与において、患者における免疫調節効果のピークレベルを表す処置後濃度Xまで、CD200+白血球の濃度が低下することを観察しうる。該従事者は、CD200+白血球の処置後濃度が、Xから少なくとも5%(前出)上昇することを観察する場合、該患者に、さらなる抗CD200抗体の投与(より高量で、または初回投与と同量であるが、該従事者が想定したよりも高頻度で)を行い、これにより、CD200+白血球の濃度を濃度X以下に戻し、かつ維持することを選択しうる。
したがって、一部の実施形態では、抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法が、抗CD200抗体を投与された患者において、所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果のレベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールであって、該抗体による処置期間にわたり、該患者における免疫調節効果を維持するのに十分な投与スケジュールを決定するステップを含みうる。患者における免疫調節効果のピークレベルの変化の発生は、該患者に高用量の抗CD200抗体を投与し、かつ/または該患者に抗CD200を高頻度で投与し、これにより、該患者における免疫調節効果のピークレベルを維持し、これにより、このような維持を達成する、該抗体の投与スケジュールを決定するための契機となりうる。
一部の実施形態では、該方法が、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者において、抗CD200抗体関連免疫調節効果(例えば、該患者に由来する生物学的試料における、抗CD200抗体関連バイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)により示される)を生成するステップを含みうる。一部の実施形態では、バイオマーカーの以下の変化:(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8+白血球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD8+白血球の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200+白血球の濃度と比べた低下;(v)CD200R+白血球(例えば、CD200R+T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比べた上昇;ならびに(vi)該抗体を初回に投与する前の該ヒトにおける活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であることのうちの1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または10以上)をモニタリングすることができる。本明細書で説明される通り、さらなる変化をモニタリングすることができる。例えば、一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの処置後濃度の、対応するCD200+骨髄サブセットの処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、複数の脾臓細胞および/骨髄細胞(例えば、骨髄細胞サブセット)によるCD200の処置後発現レベルの、対応する複数の脾臓細胞および/骨髄細胞によるCD200の処置前発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。モニタリングするステップは、例えば、選択された適切な細胞型(例えば、CD200+白血球またはCD200R+白血球)の濃度を測定すること;CD200など、1つまたは複数の発現マーカーの発現レベルを定量化すること;または活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定することを含みうることが理解される。一部の実施形態では、これらの抗CD200抗体関連バイオマーカーのうちの1つまたは複数の状態の部分的な可逆化であってもなお、医療従事者が、患者に投与する抗CD200抗体の量を増大させ、かつ/または患者への抗CD200抗体の投与頻度を増大させて、これにより、該患者における抗CD200抗体関連免疫調節効果を維持するべきであることを示す。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんに罹患している患者を提供するステップと;該患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該がん細胞によるCD200発現を低下させるステップと;該がん細胞によるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、例えば、該抗体による処置期間にわたり、該がん細胞によるCD200発現レベルの低下(例えば、所定のレベルと比較した)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、がん細胞によるCD200発現レベルを、少なくとも10%(例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)低下させることができる。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料において測定されるCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度を、対照試料におけるCD200+T細胞の濃度と比較して低下させるステップと;該患者におけるCD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体による処置期間にわたり、該患者におけるCD200+T細胞の濃度の低下を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)の濃度を、少なくとも10%(例えば、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)低下させることができる。一部の実施形態では、CD200+白血球(例えば、CD200+T細胞)が、CD200+/CD4+T細胞、活性化CD200+/CD4+T細胞、またはCD200+/CD8+T細胞からなる群より選択される。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料における白血球によるCD200発現レベルを、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200の対照発現レベルと比較して低下させるステップと;該患者における白血球によるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における白血球によるCD200発現レベルの低下(該対照試料と比較した低下)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、白血球によるCD200発現レベルを、少なくとも10%(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または90%以上)低下させることができる。一部の実施形態では、CD200+白血球が、CD200+/CD4+T細胞、活性化CD200+/CD4+T細胞、またはCD200+/CD8+T細胞からなる群より選択される。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料において測定されるCD200R+白血球の濃度を、対照試料におけるCD200R+白血球の濃度と比較して上昇させるステップと;該患者におけるCD200R+白血球の濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者におけるCD200R+白血球の濃度の上昇(該対照試料と比較した上昇)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、CD200R+白血球の濃度を、少なくとも10%(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%以上)上昇させることができる。一部の実施形態では、CD200R+T細胞が、CD200R+/CD4+T細胞および活性化CD200R+/CD4+T細胞からなる群より選択される。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体を用いてがんに罹患している患者を処置するための投与スケジュールを決定する方法であって、がんに罹患している患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる血液試料において測定される白血球によるCD200R発現レベルを、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200Rの対照発現レベルと比較して上昇させるステップと;該患者における白血球によるCD200R発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における白血球によるCD200R発現レベルの上昇(処置前発現レベルと比較した)を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、白血球によるCD200R発現レベルを、少なくとも10%(例えば、少なくとも15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%以上)上昇させることができる。一部の実施形態では、白血球が、CD4+T細胞または活性化CD4+T細胞などのT細胞である。
さらに別の態様では、本開示は、CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該がん細胞によるCD200発現レベルを低下させる(例えば、処置前発現レベルと比較して)のに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、がん細胞によるCD200発現レベルの低下について、ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液におけるCD200+白血球の濃度の低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液におけるCD200R+白血球の濃度を結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液におけるCD200+白血球の低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液におけるT細胞によるCD200発現レベルを低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液におけるT細胞によるCD200発現レベルの低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示は、がんに罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者の血液における白血球によるCD200R発現レベルを結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトのがんを処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該患者の血液における白血球によるCD200R発現レベルの低下について、該ヒトをモニタリングするステップも含みうる。
上記の方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、がんが、CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんでありうる。上記の方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、がんが複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、同じ組織型の非がん細胞と比べて、CD200を過剰発現する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対象(例えば、ヒトまたは患者)が、B細胞慢性リンパ性白血病(CLL)などのCLLを有さない対象である。
本明細書で説明される方法による一部の実施形態では、抗CD200抗体の単回投与が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成するのに十分である。一部の実施形態では、抗CD200抗体の単回投与が、患者のがんに対する臨床的に有意義な効果を生成するのに十分である。本明細書で説明される治療法による一部の実施形態では、それを必要とする患者に、抗CD200抗体の投与を2回以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、または10回以上)行って、例えば、該患者のがん、炎症性障害、または骨障害を処置する。ヒト(例えば、患者)に抗体の投与を2回以上行う実施形態では、該2回以上の投与の各々を、少なくとも7日間(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30日間以上)の間隔を置いて投与することができる。一部の実施形態では、少なくとも1カ月間(例えば、少なくとも、2、3、4、5、または6カ月間)にわたり、患者に2回以上の投与を行う。例えば、医療従事者は、がん患者に抗CD200抗体を少なくとも4回投与することを選択でき、該投与の各々は、2カ月間にわたり、2週間(14日間)ごとに1回投与される。医療従事者は、同じ投与スケジュール下で治療の継続を選択することもでき、異なる投与スケジュール下で治療の継続を選択することもできることが理解される。
さらに別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害からなる群より選択される障害に罹患している患者を処置する方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者において、抗CD200抗体関連免疫調節効果を維持するのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該患者の障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。免疫調節効果は、例えば、本明細書で説明される抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーのうちのいずれかにより示されうる。すなわち、一部の実施形態では、患者に該抗体を、該患者において、以下の条件(例えば、患者に由来する生物学的試料を解析(例えば、測定、検出、または定量化)することにより決定される):(i)制御性T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べた低下;(ii)CD8+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度と比べた上昇;(iii)活性化T細胞の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べた上昇;(iv)CD200+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200+リンパ球の濃度と比べた低下;(v)CD200R+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型のCD200R+リンパ球の濃度と比べた上昇;(vi)活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、該抗体を初回に投与する前の該患者における対応する比と比べた増大;(vii)該抗体を初回に投与する前の該患者における活性化T細胞の、Tregに対する比と比べた、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞(Treg)の百分率に対する比が少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1)であること;(viii)複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べた低下;ならびに(ix)複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗体を初回に投与する前の該患者における、同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べた上昇のうちの1つまたは複数を維持するのに有効な量および頻度で投与することができる。一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+骨髄サブセットの処置後濃度の、対応するCD200+骨髄サブセットの処置前濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、複数の脾臓細胞および/骨髄細胞(例えば、骨髄細胞サブセット)によるCD200の処置後発現レベルの、対応する複数の脾臓細胞および/骨髄細胞によるCD200の処置前発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。患者に抗CD200抗体を2回以上投与している実施形態では、上記のパラメータのうちの1つまたは複数についての評価が、抗体を初回に投与する前の対応するパラメータの値、抗CD200抗体を最後に投与する前の対応するパラメータの値、または抗体の2回の投与の間における対応するパラメータの値と比べた(またはこれと比較した)評価でありうる(しかし、必ずしもそうである必要はない)ことが理解される。例えば、ある期間にわたり、患者に抗CD200抗体の投与を5回行う実施形態では、CD200+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を5回目に投与する前の患者における同じ組織型のCD200+リンパ球の濃度と比べた低下が、該抗体を投与した結果として、該患者に所望の免疫調節効果が生じたことを示しうる。例えば、ある期間にわたり、患者に抗CD200抗体の投与を5回行う実施形態では、CD200+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度の、該抗体を3回投与した後ではあるが、4回目に投与する前の患者における同じ組織型のCD200+リンパ球の濃度と比べた低下が、該抗体を投与した結果として、該患者に所望の免疫調節効果が生じたことを示しうる。
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるCD200+T細胞の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるCD200+T細胞の濃度の低下をモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるCD200R+白血球の濃度を結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるCD200+白血球の濃度の低下をモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるT細胞によるCD200発現レベルを低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるT細胞によるCD200発現レベルの低下をモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示は、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液における白血球によるCD200R発現レベルを結果として上昇させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法を特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液における白血球によるCD200R発現レベルの低下をモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示はまた、骨障害および炎症性障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、該ヒトの血液におけるCD200+T細胞の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトの骨障害または炎症性障害を処置するステップを含む方法も特徴とする。該方法はまた、該ヒトの血液におけるCD200+T細胞の濃度の低下をモニタリングするステップも含みうる。
別の態様では、本開示はまた、患者の血液におけるCD200+白血球(例えば、CD4+T細胞などのT細胞)の濃度を結果として低下させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液におけるCD200+白血球の濃度を低下させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
別の態様では、本開示はまた、患者の血液におけるCD200R+白血球(例えば、CD4+T細胞などのT細胞)の濃度を結果として上昇させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液におけるCD200R+白血球(例えば、CD4+T細胞などのT細胞)の濃度を結果として上昇させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、またはがん、炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
別の態様では、本開示はまた、患者の末梢血における白血球(例えば、CD4+T細胞などのT細胞)によるCD200の発現を減少させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液における白血球によるCD200の発現を減少させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、またはがん、炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
別の態様では、本開示はまた、患者の血液における白血球(例えば、CD4+T細胞などのT細胞)によるCD200Rの発現を結果として増大させる方法であって、それを必要とする患者に、抗CD200抗体を、該患者の血液における白血球によるCD200Rの発現を結果として増大させるのに有効な量で投与するステップを含む方法も特徴とする。該患者は、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、がん、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、またはがん、炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。
さらに別の態様では、本開示は、それを必要とする患者(例えば、がん患者)における活性化T細胞の濃度を上昇させる方法であって、該患者に、抗CD200抗体を、該患者における活性化T細胞の濃度を上昇させるのに有効な量および頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。
別の態様では、本開示は、それを必要とする患者(例えば、がん患者)における制御性T細胞の濃度を低下させる方法であって、該患者に、抗CD200抗体を、該患者における制御性T細胞の濃度を低下させるのに有効な量および頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。
別の態様では、本開示は、それを必要とする患者(例えば、がん患者)における活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を増大させる方法であって、該患者に、抗CD200抗体を、該患者における活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を増大させるのに有効な量および頻度で投与するステップを含む方法を特徴とする。一部の実施形態では、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を、少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、なおまたは7:1以上)まで増大させる。
上記の方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、がん(またはがんに罹患している患者)が、CD200を発現する複数のがん細胞を含む。一部の実施形態では、がん(またはがんに罹患している患者)が複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、がんが由来する細胞と同じ組織型の非がん細胞と比べて、CD200を過剰発現する。
一部の実施形態では、上記の治療法のうちのいずれかを、本明細書で説明される方法のうちのいずれかと共に実施して、ヒトにおいて、抗CD200抗体が所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定することができる。
本発明者らはまた、末梢の腫瘍負荷(例えば、B細胞CLL腫瘍細胞負荷)と、がん患者に存在するT細胞の濃度との逆相関も発見した。すなわち、がん患者において存在する非がん性T細胞の濃度が上昇するほど、該患者における腫瘍負荷が減少する。この発見を特定の理論または作用機構により制約するものではないが、がん患者が、治療時において、自身の体内に正常レベル以上の正常T細胞を有する場合に、そのがん患者は、抗CD200抗体療法から利益の増強を受け取ることができると本発明者らは考える。言い換えれば、本発明者らは、抗CD200抗体療法が、完全な免疫系(または免疫障害されていない免疫系)を伴う患者、例えば、該患者において存在するがんに対して免疫反応を開始することが可能な免疫系を伴う患者においてより大きな有効性および/またはより強力な免疫調節効果を及ぼす可能性が高いと判定した。以下で説明する通り、サマリズマブ治療の前に先行の化学療法を施されなかったがん患者の4例全てが、サマリズマブ治療の後、臨床的に安定したか、または疾患を改善させた。実際、抗CD200抗体を投与される前に免疫抑制療法または化学療法を施されなかった患者102〜502は、腫瘍負荷の顕著な減少を示し、これは、CD45+B細胞CLL細胞の濃度の顕著な低下、CD8+T細胞の増大、制御性T細胞の減少、活性化T細胞の増大、および活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の増大を含め、本明細書で説明される多数のバイオマーカーの変化と相関する。
したがって、本明細書で説明される方法(例えば、治療法、例えば、本明細書で説明されるがんを処置する方法)のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対象(例えば、患者またはヒト)が、抗CD200抗体を投与される前に免疫抑制療法および/または化学療法を施されなかった対象である。本明細書では、化学療法および免疫抑制療法の例が説明されており、当技術分野では、これらが公知である。一部の実施形態では、対象または患者またはヒトが、初回の抗CD200抗体の投与前2カ月間未満(例えば、8週間、7週間、6週間、5週間、1カ月、30日間、25日間、20日間、15日間、または10日間未満)に、免疫抑制療法または化学療法を施されていない。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対象が、該対象のがんに対して免疫反応を開始する能力を有する免疫系を有する。すなわち、該対象(例えば、患者)は、免疫障害でない。一部の実施形態では、患者に抗CD200抗体の初回投与を行う前2カ月間未満に、該対象が、該対象の免疫系を抑制することが可能な化学療法剤または他の薬剤を施されていない。一部の実施形態では、患者が、例えば、HIV感染についての複数の市販される検査のうちのいずれか1つにより決定される通り、HIVに感染していない患者である。一部の実施形態では、患者が、活動性のHIV感染を有さない患者である。
一部の実施形態では、患者の免疫系ががんに対する免疫反応を開始する能力を有し得るのは、抗CD200抗体の存在下に限られる(すなわち、該対象に投与した後の抗体により生成される免疫調節効果の支援を伴う場合に限られる)。一部の実施形態では、対象の免疫系が、CD200抗体(免疫系ががんに対する免疫反応を開始する能力を増強する抗体)の非存在下においてもなお、がんに対する免疫反応を開始する能力を有する。対象の免疫系が、免疫反応を開始する能力を有するか否かを決定する1つの方法は、該対象の血液におけるCD3+細胞の濃度を決定することである。当技術分野では、さらなる方法が公知であり、本明細書でもこれらについて説明する。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体による治療のためのがん患者を選択する方法であって、該患者が免疫応答性であるか否かを決定するステップと、該がん患者が免疫応答性である場合に、該患者に抗CD200抗体を投与するステップとを含む方法を特徴とする。該方法は、例えば、抗CD200抗体を投与する前の患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の免疫細胞サブセットの濃度または絶対数を測定するステップを含みうる。本明細書では、免疫応答性を示す例示的な細胞型、サブセット、ならびに細胞サブセットの濃度および数の範囲が説明される。「治療方法」(後出)と題する節を参照されたい。当技術分野では、患者に由来する生物学的試料における1つまたは複数の細胞サブセットの濃度または絶対数を測定する方法が公知であり、本明細書の作業例で例示されている。一部の実施形態では、該方法が、がんに罹患している患者に由来する生物学的試料中に存在するCD3+細胞の濃度を定量化するステップと、該生物学的試料におけるCD3+細胞の濃度が、該対象における抗CD200療法を支援するのに十分である場合に(例えば、CD3+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり300個を超える場合に)、該患者に、抗CD200抗体を、該患者においてがんを処置するのに有効な量で投与するステップとを含む。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3+/CD4+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり200個以上である場合に、患者に抗体を投与する。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3+/CD4+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり400個以上である場合に、患者に抗体を投与する。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3+/CD8+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり150個以上である場合に、患者に抗体を投与する。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3+/CD8+細胞の濃度が、1マイクロリットル当たり500個以上である場合に、患者に抗体を投与する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgM抗体、IgA1抗体、IgA2抗体、IgA抗体、IgD抗体、またはIgE抗体である。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはヒト抗体である。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、改変体定常領域を含み、該改変体定常領域が、その非改変体形態と比べてエフェクター機能が低下(減少)しているかまたはエフェクター機能がない。一部の実施形態では、改変体定常領域のエフェクター機能活性が、該定常領域の対応する非改変体形態のエフェクター機能活性の90%未満(例えば、85、80、75、70、65、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、または10%未満)である。一部の実施形態では、改変体定常領域のエフェクター機能活性が、該定常領域の対応する非改変体形態のエフェクター機能活性の約0〜30%(例えば、約5〜30、10〜30、10〜20、0〜20、0〜15、0〜10、0〜25、または0〜5%)である。例えば、本明細書で説明される抗体が含有するIgG1改変体定常領域は、例えば、対応するIgG1非改変体定常領域のエフェクター機能活性の20%未満(または、別の例では、0〜20%)である。改変体CD200抗体の定常領域は、対応する非改変体定常領域と比較した、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)活性の低下または非存在;補体依存性細胞傷害(CDC)の低下または非存在;および1つまたは複数のFc受容体への結合の減少のうちの1つまたは複数を示しうる。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、改変体定常領域を含み、該改変体定常領域が、該少なくとも1つのアミノ酸の置換、挿入、または欠失を含むように操作されており、その結果として、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の特徴:(i)グリコシル化の変化、および(ii)Ala−Ala変異のうちの1つまたは複数を含む改変体定常領域を含む。グリコシル化の変化は、以下:(i)1つまたは複数の糖成分の変化、(ii)1つまたは複数のさらなる糖成分の存在、および(iii)1つまたは複数の糖成分の非存在のうちの1つまたは複数を含む。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、例えば、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない、IgG2/IgG4ハイブリッド定常領域を含みうる。
一部の実施形態では、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体定常領域が、265位(Kabatによる番号付け;後述)における置換、例えば、アスパラギン酸265のアラニンへの置換を含む。例えば、Baudinoら(2008年)、J Immunol、181巻:6664〜6669頁を参照されたい。一部の実施形態では、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体定常領域が、以下の置換:それらが存在する改変体定常領域のADCC活性およびCDC活性を実質的に低下させることが示されている、L234F、L235E、またはP331Sのうちの1つ、2つ、または3つを含む。例えば、Organesyanら、(2008年)、Acta Cryst、D64巻:700〜704頁を参照されたい。当技術分野では、定常領域に対し、これにより、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体定常領域を結果としてもたらすさらなる修飾が公知であり、本明細書でもこれらを列挙する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、CD200とCD200Rとの相互作用を阻害する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFTFSGFAMS(配列番号4)を含む重鎖CDR1(HCDR1);アミノ酸配列:SISSGGTTYYLDSVKG(配列番号5)を含む重鎖CDR2(HCDR2);アミノ酸配列:GNYYSGTSYDY(配列番号6)を含む重鎖CDR3(HCDR3);アミノ酸配列:RASESVDSYGNSFMH(配列番号7)を含む軽鎖CDR1(LCDR1);アミノ酸配列:RASNLES(配列番号8)を含む軽鎖CDR2(LCDR2);およびアミノ酸配列:QQSNEDPRT(配列番号9)を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含有する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYMH(配列番号10)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPENGDTKYAPKFQG(配列番号11)を含むHCDR2;アミノ酸配列:KNYYVSNYNFFDV(配列番号12)を含むHCDR3;アミノ酸配列:SASSSVRYMY(配列番号13)を含むLCDR1;アミノ酸配列:DTSKLAS(配列番号14)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:FQGSGYPLT(配列番号15)を含むLCDR3を含有する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYIH(配列番号16)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPEIGATKYVPKFQG(配列番号17)を含むHCDR2;アミノ酸配列:LYGNYDRYYAMDY(配列番号18)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQNVRTAVA(配列番号19)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LASNRHT(配列番号20)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQHWNYPLT(配列番号21)を含むLCDR3を含有する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYSFTDYIIL(配列番号22)を含むHCDR1;アミノ酸配列:HIDPYYGSSNYNLKFKG(配列番号23)を含むHCDR2;アミノ酸配列:SKRDYFDY(配列番号24)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQDINSYLS(配列番号25)を含むLCDR1;アミノ酸配列:RANRLVD(配列番号26)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQYDEFPYT(配列番号27)を含むLCDR3を含有する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYTFTEYTMH(配列番号28)を含むHCDR1;アミノ酸配列:GVNPNNGGALYNQKFKG(配列番号29)を含むHCDR2;アミノ酸配列:RSNYRYDDAMDY(配列番号30)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KSSQSLLDIDEKTYLN(配列番号31)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LVSKLDS(配列番号32)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:WQGTHFPQT(配列番号33)を含むLCDR3を含有する。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:AFNIKDHYMH(配列番号34)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPESGDTEYAPKFQG(配列番号35)を含むHCDR2;アミノ酸配列:FNGYQALDQ(配列番号36)を含むHCDR3;アミノ酸配列:TASSSVSSSYLH(配列番号37)を含むLCDR1;アミノ酸配列:STSNLAS(配列番号38)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:RQYHRSPPIFT(配列番号39)を含むLCDR3を含有する。
本発明者らはまた、自己免疫障害を伴う動物に投与された抗CD200抗体による、ヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を証拠立てる複数のバイオマーカーも発見した。例えば、本発明者らは、動物に抗CD200抗体を投与した後で、該動物における複数の白血球(例えば、脾臓細胞)サブセットおよび骨髄細胞サブセットの濃度が低下することを観察した。本発明者らはまた、動物に抗CD200抗体を投与した後で、例えば、脾臓におけるF4/80+リンパ球の濃度が上昇することも発見した。本開示はどんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、これらのバイオマーカーのうちの1つまたは複数の変化(例えば、増大または減少)について、抗CD200抗体により治療される患者をモニタリングすることは、とりわけ、該抗CD200抗体が投与される患者において、所望の免疫調節効果を生成することが可能であるか否かを決定するのに有用であると本発明者らは考える。さらに、バイオマーカーのうちの1つまたは複数はまた、ヒトにおけるその免疫調節効果のために、疾患に対して臨床的に有意義な効果を達成するのに十分である(すなわち、がんまたは自己免疫障害などの疾患を処置するのに十分である)、サマリズマブなどの抗CD200抗体の用量(閾値用量(または治療のための投与スケジュール))を同定するのにも有用である。作業例で説明する通り、抗CD200抗体は、自己免疫疾患のマウスモデルにおいて、自己免疫抗体の濃度を低下させることが可能であった。
したがって、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度を測定するステップを含み、この場合、生物学的試料における1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200+リンパ球サブセットの濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。リンパ球は、例えば、脾臓細胞の場合もあり、骨髄細胞サブセットの場合もある。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200+リンパ球サブセットが、例えば、CD3+/CD200+リンパ球、CD45R+/CD200+リンパ球、CD5+/CD200+リンパ球、CD19+/CD200+リンパ球、CD138+/CD200+リンパ球、またはCD200R+/CD200+リンパ球でありうる。本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
一部の実施形態では、生物学的試料における1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200+リンパ球サブセットの濃度と比較した低下が、ヒトにおいて抗体が治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、生物学的試料が、血液試料である。一部の実施形態では、生物学的試料が、脾臓組織または骨髄組織を含むか、またはこれらからなる。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度を測定するステップを含み、この場合、生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200+骨髄細胞サブセットの濃度と比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。CD200+骨髄細胞サブセットは、例えば、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、またはc−kit+/CD200+/Lin−/low骨髄細胞でありうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200+骨髄細胞サブセットの濃度と比較した低下が、ヒトにおいて抗体が治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対照試料が、抗CD200抗体を投与する前にヒトから得られる同じ種類の生物学的試料である。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果をもたらしたか否かを決定する方法であって、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、複数の白血球によるCD200の発現の、対照発現レベルと比較した減少が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。白血球は、例えば、1つまたは複数の骨髄細胞サブセットの場合もあり、脾臓細胞の場合もある。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200+白血球が、CD3+/CD200+白血球、CD45R+/CD200+白血球、CD5+/CD200+白血球、CD19+/CD200+白血球、CD138+/CD200+白血球、またはCD200R+/CD200+白血球でありうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の白血球によるCD200発現レベルの、対照発現レベルと比較した低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法を特徴とする。該方法は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、この場合、複数の骨髄細胞によるCD200の発現の、対照発現レベルと比較した低下が、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、CD200+骨髄細胞が、例えば、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、またはc−kit+/CD200+/Lin−/low骨髄細胞である。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上の低下が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果がもたらされたことを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの、対照発現レベルと比較した低下が、該抗体がヒトにおいて治療的に有効であることを示す。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、対照試料が、抗CD200抗体を投与する前のヒトから得られる同じ種類の生物学的試料である。
さらに別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度を測定し、これによりCD200+白血球の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度を測定し、これによりCD200+白血球の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200+白血球の該処置後濃度の、CD200+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
別の態様では、抗CD200抗体が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+骨髄細胞の濃度を測定し、これによりCD200+骨髄細胞の処置前濃度を得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+骨髄細胞の濃度を測定し、これによりCD200+骨髄細胞の処置後濃度を得るステップとを含み、CD200+骨髄細胞の該処置後濃度の、CD200+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を本開示が特徴とする。
別の態様では、抗CD200抗体が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200発現の該処置後レベルの、CD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を本開示が特徴とする。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する方法であって、(i)該ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置前発現レベルを得るステップと;(ii)該ヒトに該抗体を投与するステップと;(iii)該抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200発現の該処置後レベルの、CD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す方法を特徴とする。
さらに別の態様では、本開示は、ヒトについての医療プロファイルを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体であって、該プロファイルが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+骨髄細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200+骨髄細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;ならびに(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルのうちの少なくとも1つについての情報を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を特徴とする。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法であって、(A)ヒトの医療プロファイルを包含するデータを受け取るステップであって、該プロファイルが、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+骨髄細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200+骨髄細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;ならびに(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルのうちの少なくとも1つについての情報を含むステップと;(B)該情報を含有する該データのうちの少なくとも一部分を処理して、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するステップとを含む方法を特徴とする。(1)CD200+白血球の該処置後濃度の、CD200+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(2)CD200+骨髄細胞の該処置後濃度の、CD200+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(3)白血球によるCD200発現の該処置後レベルの、白血球によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(4)骨髄細胞によるCD200発現の該処置後レベルの、骨髄細胞によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
別の態様では、本開示は、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定する、コンピュータベースの方法であって、(I)(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+白血球の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+骨髄細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200+骨髄細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;ならびに(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルのうちの少なくとも1つについての情報をもたらすステップと;(II)該情報を、コンピュータに入力するステップと;(III)該コンピュータおよび該入力された情報を用いて、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを示すパラメータを計算するステップとを含む方法を特徴とする。(1)CD200+白血球の該処置後濃度の、CD200+白血球の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(2)CD200+骨髄細胞の該処置後濃度の、CD200+骨髄細胞の該処置前濃度と比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(3)白血球によるCD200発現の該処置後レベルの、白血球によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;(4)骨髄細胞によるCD200発現の該処置後レベルの、骨髄細胞によるCD200発現の該処置前レベルと比較した低下が、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。該方法は、該パラメータを出力するステップも含む。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い。がんは、例えば、慢性リンパ性白血病(例えば、B細胞慢性リンパ性白血病)でありうる。がんは、例えば、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんなど、固形腫瘍でありうる。神経系のがんは、例えば、神経芽腫でありうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、ヒトが、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある。炎症性障害は、例えば、溶血性障害など、例えば、自己免疫障害でありうる。自己免疫障害は、自己免疫性溶血性貧血でありうる。自己免疫性障害は、例えば、慢性閉塞性肺疾患、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、IgA腎症、強皮症、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erthyematosus)、ループス腎炎、糸球体腎炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、尋常性天疱瘡、関節リウマチ、シャーガス病、寒冷凝集素症、抗リン脂質症候群、温式自己免疫性溶血性貧血、発作性寒冷血色素尿症、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、原発性胆汁性肝硬変(pulmonary biliary cirrhosis)、またはミラーフィッシャー症候群でありうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+白血球サブセットが、CD3+/CD200+リンパ球、CD45R+/CD200+リンパ球、CD5+/CD200+リンパ球、CD19+/CD200+リンパ球、CD138+/CD200+リンパ球、およびCD200R+/CD200+リンパ球からなる群より選択される。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットが、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、およびc−kit+/CD200+/Lin−骨髄細胞からなる群より選択される。
一部の実施形態では、抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成することが決定された場合に、該ヒトに治療有効量の該抗体を投与するステップを該方法が含む。
さらに別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法であって、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度を、対照試料における同じCD200+白血球サブセットの濃度と比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数のCD200+白血球サブセットの濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、例えば、該抗体による該障害の処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度の低下を維持するのに十分である方法を特徴とする。一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+リンパ球サブセットの濃度を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%以上低下させる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+白血球サブセットが、CD3+/CD200+リンパ球、CD45R+/CD200+リンパ球、CD5+/CD200+リンパ球、CD19+/CD200+リンパ球、CD138+/CD200+リンパ球、CD200R+/CD200+リンパ球、CD200+/CD4+T細胞、活性化CD200+/CD4+T細胞、およびCD200+/CD8+T細胞からなる群より選択される。一部の実施形態では、生物学的試料が、患者に由来する脾臓組織を含む。
さらに別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法を特徴とする。該方法は、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルを、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200の対照発現レベルと比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、この場合、該投与スケジュールが、例えば、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルの低下を維持するのに十分である。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、1つまたは複数の白血球サブセットによるCD200発現レベルを、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%以上低下させる。
別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法を特徴とする。該方法は、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度を、対照試料における同じCD200+骨髄細胞サブセットの濃度と比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度をモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、この場合、該投与スケジュールが、例えば、該抗体による該障害の処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度の低下を維持するのに十分である。
一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットの濃度を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%以上低下させる。
一部の実施形態では、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットが、Igk+/CD200+骨髄細胞、CD138+/CD200+骨髄細胞、c−kit+/CD200+骨髄細胞、およびc−kit+/CD200+/Lin−/low骨髄細胞からなる群より選択される。
さらに別の態様では、本開示は、患者のための抗CD200抗体の投与スケジュールを決定する方法であって、患者に抗CD200抗体を投与し、これにより、該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルを、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200の対照発現レベルと比較して低下させるステップであって、該患者が、がん、炎症性障害、または骨障害からなる群より選択される障害に罹患しているステップと;該患者における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルをモニタリングし、これにより、該患者のための該抗体の投与スケジュールを決定するステップとを含み、該投与スケジュールが、例えば、該抗体によるがんの処置期間にわたり、該患者における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの低下を維持するのに十分である方法を特徴とする。
さらに別の態様では、本開示は、障害に罹患しているヒトを処置する方法であって、それを必要とするヒトに、抗CD200抗体を、がん患者においてCD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の濃度を低下させるのに十分な量および頻度で投与し、これにより、該ヒトを処置するステップを含み、該ヒトが、がん、炎症性障害、および骨障害からなる群より選択される障害に罹患している方法を特徴とする。該方法は、ヒトにおけるCD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の濃度の低下について、該ヒトをモニタリングするステップを含みうる。一部の実施形態では、患者の血液におけるCD200+白血球の濃度を低下させる。一部の実施形態では、患者の脾臓におけるCD200+白血球の濃度を低下させる。該方法は、ヒトにおける白血球または骨髄細胞によるCD200発現レベルの低下について、該ヒトをモニタリングするステップを含みうる。
本明細書で説明される方法のうちのいずれかによる一部の実施形態では、抗CD200抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgM抗体、IgA1抗体、IgA2抗体、IgA抗体、IgD抗体、またはIgE抗体である。抗体は、例えば、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、またはヒト抗体でありうる。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、本明細書で説明される、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体の抗体である。
任意の方法において、抗CD200抗体は、サマリズマブなどであるがこれに限定されない、本明細書で説明される抗CD200抗体のうちの任意の1つでありうる。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」は、互換的に用いられ、長さまたは翻訳後修飾に関わらず、ペプチド結合された任意のアミノ酸鎖を意味する。本明細書で説明されるCD200タンパク質は、野生型タンパク質を含有するかまたは野生型タンパク質である場合もあり、保存的アミノ酸置換が50カ所以下(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、15、20、25、30、35、40、または50カ所以下)である改変体の場合もある。保存的置換は、以下の群:グリシンおよびアラニン;バリン、イソロイシン、およびロイシン;アスパラギン酸およびグルタミン酸;アスパラギン、グルタミン、セリン、およびトレオニン;リシン、ヒスチジン、およびアルギニン;ならびにフェニルアラニンおよびチロシン内の置換を包含することが典型的である。
本明細書で説明されるCD200タンパク質はまた、全長CD200タンパク質より短いが、該全長タンパク質が哺乳動物において抗原反応を誘導する能力のうちの少なくとも10%(例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または100%以上)を保持する、該タンパク質の「抗原性ペプチド断片」も包含する(下記の「抗体を生成させる方法」以下を参照されたい)。CD200タンパク質の抗原性ペプチド断片は、該タンパク質の末端における欠失改変体のほか、内部における欠失改変体も包含する。欠失改変体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20のアミノ酸セグメント(2つ以上のアミノ酸による)を欠く場合もあり、不連続の単一アミノ酸を欠く場合もある。抗原性ペプチド断片は、少なくとも6アミノ酸残基の長さ(例えば、少なくとも7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、または200アミノ酸残基以上の長さ)(例えば、少なくとも、配列番号1〜3のうちのいずれかにおける、少なくとも6つの連続するアミノ酸残基)でありうる。一部の実施形態では、ヒトCD200タンパク質の抗原性ペプチド断片が、225アミノ酸残基未満の長さ(例えば、200、190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、95、90、85、80、75、70、65、60、55、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、または7アミノ酸残基未満の長さ)(例えば、少なくとも、配列番号1〜3のうちのいずれかにおける、225未満の連続するアミノ酸残基)である。一部の実施形態では、全長CD200タンパク質の抗原性ペプチド断片が、少なくとも6アミノ酸残基の長さであるが225アミノ酸残基未満の長さである。
一部の実施形態では、ヒトCD200タンパク質のアミノ酸配列が、配列番号1または配列番号2(下記を参照されたい)に示されるアミノ酸配列を有するヒトCD200タンパク質と70%以上(例えば、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%)同一でありうる。一部の実施形態では、ヒトCD200タンパク質が、配列番号1または配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。
百分率(%)によるアミノ酸配列の同一性とは、配列決定し、必要な場合はギャップを導入して、最大百分率の配列同一性を達成した後に、基準配列におけるアミノ酸と同一である、候補配列におけるアミノ酸の百分率として定義される。百分率による配列同一性を決定することを目的とするアライメントは、例えば、BLASTソフトウェア、BLAST−2ソフトウェア、ALIGNソフトウェア、ALIGN−2ソフトウェア、またはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなど、市販のコンピュータソフトウェアを用いて、当技術分野の範囲内にある各種の方法により達成することができる。比較される配列の全長にわたり最大のアライメントを達成するのに必要とされる任意のアルゴリズムを含め、アライメントを測定するのに適切なパラメータは、公知の方法により決定することができる。
当技術分野では、例示的なヒトCD200タンパク質、ならびにそれらの抗原性ペプチド断片のアミノ酸配列が公知であり、これらを下記に示す。
本明細書で用いられる「抗体」という用語は、全抗体分子もしくは完全抗体分子(例えば、IgM分子、IgG分子(IgG1分子、IgG2分子、IgG3分子、およびIgG4分子を含めた)、IgA分子、IgD分子、またはIgE分子)、またはこれらの任意の抗原結合断片を指す。抗体という用語には、例えば、キメラ化抗体またはキメラ抗体、ヒト化抗体、脱免疫化抗体、および完全ヒト抗体が含まれる。抗体の抗原結合断片には、例えば、単鎖抗体、単鎖Fv断片(scFv)、Fd断片、Fab断片、Fab’断片、またはF(ab’)2断片が含まれる。scFv断片とは、このscFvが由来する抗体の重鎖可変領域および軽鎖可変領域の両方を包含する、単一のポリペプチド鎖である。加えて、イントラボディー、ミニボディー、トリアボディー、およびダイアボディー(例えば、これらの各々の開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Todorovskaら(2001年)、J Immunol Methods、248巻(1号):47〜66頁; HudsonおよびKortt(1999年)、J Immunol Methods、231巻(1号):177〜189頁; Poljak(1994年)、Structure、2巻(12号):1121〜1123頁; RondonおよびMarasco(1997年)、Annual Review of Microbiology、51巻:257〜283頁を参照されたい)もまた、抗体の定義に包含され、本明細書で説明される方法で用いるのに適合する。また、二重特異性抗体(DVD−Ig抗体を含めた;下記を参照されたい)も、「抗体」という用語に包含される。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する、モノクローナル抗体、好ましくはヒト抗体またはヒト化抗体である。
別段に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野における当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。齟齬が生じた場合は、定義を含め、本文書が優先される。本明細書で説明される方法および材料と類似するかまたは同等である方法および材料もまた、本明細書で開示される方法および組成物の実施または試験において用いうるが、下記では、好ましい方法および材料について説明する。本明細書で言及される、全ての公刊物、特許出願、特許、および他の参考文献は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
本開示の他の特徴および利点、例えば、抗CD200抗体がヒトにおいて免疫調節効果をもたらしたか否かを決定する方法は、以下の説明、例から明らかであり、特許請求の範囲からも明らかである。
したがって本発明は以下の項目を提供する:
(項目1)
患者における障害を処置するための方法であって、該方法は、障害に罹患した患者に抗CD200抗体を、該患者において所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果の発生を生成および維持するのに十分な量および頻度で投与して、該患者における該障害を処置するステップを含み、該障害は、がん、骨減少と関連する障害、および炎症性障害からなる群より選択される、方法。
(項目2)
上記所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果が、
(i)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べたときの、低下;
(ii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD8 + T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD8 + T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iv)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200 + 白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200 + 白血球の濃度と比べたときの、低下;
(v)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200R + 白血球の濃度と比べたときの、上昇;
(vi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(vii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比と比べたときの、増大;
(viii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べたときの、低下;
(ix)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後の該患者に由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べたときの、上昇;
(x)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における対応する1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度と比べたときの、低下;ならびに
(xi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数のリンパ球によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の複数のリンパ球によるCD200発現レベルと比べたときの低下であって、該リンパ球が、骨髄細胞または脾臓細胞である、低下
からなる群より選択される該患者における1つまたは複数の生理学的変化を特徴とする、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記障害が、骨減少と関連する障害である、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
上記骨減少と関連する障害が、多発性骨髄腫の結果である、項目3に記載の方法。
(項目5)
上記骨減少と関連する障害が、骨粗鬆症である、項目3に記載の方法。
(項目6)
上記障害が、炎症性障害である、項目1または2に記載の方法。
(項目7)
上記炎症性障害が、自己免疫障害である、項目6に記載の方法。
(項目8)
上記炎症性障害が、変形性関節症、関節リウマチ、脊椎関節症、呼吸窮迫症候群、POEMS症候群、炎症性腸疾患、クローン病、移植片対宿主病、多中心性キャッスルマン病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、筋ジストロフィー、インスリン依存性糖尿病、皮膚筋炎、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、糸球体腎炎、ギランバレー症候群、ヴェーゲナー肉芽腫症、結節性多発性動脈炎、リウマチ性多発筋痛症、側頭動脈炎、シェーグレン症候群、ベーチェット病、チャーグ−ストラウス症候群、高安動脈炎、鼻炎、副鼻腔炎、蕁麻疹、蕁麻疹、血管浮腫、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、薬物アレルギー、昆虫アレルギー、肥満細胞症、潰瘍性大腸炎、および喘息からなる群より選択される、項目6に記載の方法。
(項目9)
上記障害が、がんである、項目1または2に記載の方法。
(項目10)
上記患者に上記抗CD200抗体を、
(i)該抗CD200抗体を投与する前のCD200 + がん細胞の濃度と比べたときの、CD200 + がん細胞の濃度、および
(ii)該抗CD200抗体を投与する前の該がん細胞による発現レベルと比べたときの、該がん細胞によるCD200発現レベル
のうちの一方または両方の低下を維持するのに有効な量および頻度で投与して、上記がんを処置する、項目9に記載の方法。
(項目11)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8 + T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200 + 白血球の濃度;(e)CD200R + 白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択されるパラメータを決定するステップをさらに含む、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8 + T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200 + 白血球の濃度;(e)CD200R + 白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目1から11のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
がん患者を処置するための方法であって、がんに罹患した患者に抗CD200抗体を、
(i)該抗CD200抗体を投与する前のCD200 + がん細胞の濃度と比べたときの、CD200 + がん細胞の濃度、および
(ii)該抗CD200抗体を投与する前の該がん細胞による発現レベルと比べたときの、該がん細胞によるCD200発現レベル
のうちの一方または両方の低下を生成および維持するのに十分な量および頻度で投与するステップを含む、方法。
(項目14)
上記がんが、CD200を発現する複数のがん細胞を含む、項目9から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
上記がんが複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、該がん細胞が由来する同じ組織型の非がん細胞と比べてCD200を過剰発現する、項目9から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
上記患者が、免疫応答性である、項目9から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
上記抗CD200抗体を上記患者に少なくとも4用量投与するステップを含む、項目1から13のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2カ月間未満で生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1カ月間未満で生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2週間未満で生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1週間以内に生じる、項目2から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
がんに罹患した患者を処置するための方法であって、
がんに罹患した患者が、免疫応答性であるか否かを決定するステップと、
該患者が免疫応答性である場合、該患者に、該がんを処置するのに有効な量および頻度で抗CD200抗体を投与するステップと
を含む、方法。
(項目23)
上記決定するステップが、上記抗CD200抗体を投与する前に上記患者から得られる血液1マイクロリットル当たりのCD8 + T細胞の絶対数を測定するステップを含む、項目22に記載の方法。
(項目24)
上記決定するステップが、上記抗CD200抗体を投与する前の上記患者における、少なくとも1つの免疫細胞集団の血液1マイクロリットル当たりの絶対数を測定するステップを含み、該少なくとも1つの免疫細胞集団が、CD4 + ヘルパーT細胞、非がん性CD45 + リンパ球、CD19 + B細胞、CD16 + CD56 + ナチュラルキラー(NK)細胞、およびCD3 + 細胞からなる群より選択される、項目22に記載の方法。
(項目25)
上記抗CD200抗体の投与により、上記がん細胞によるCD200の発現が少なくとも25%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
上記抗CD200抗体の投与により、上記がん細胞によるCD200の発現が少なくとも50%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
上記抗CD200抗体の投与により、CD200 + がん細胞の濃度が少なくとも25%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
上記抗CD200抗体の投与により、CD200 + がん細胞の濃度が少なくとも50%低下する、項目10から24のいずれか一項に記載の方法。
(項目29)
上記患者において所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果の発生を生成および維持するのに有効な量および頻度で上記抗CD200抗体を該患者に投与する、項目1から28のいずれか一項に記載の方法。
(項目30)
上記所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果が、
(i)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べたときの、低下;
(ii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD8 + T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD8 + T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iv)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200 + 白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200 + 白血球の濃度と比べたときの、低下;
(v)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200R + 白血球の濃度と比べたときの、上昇;
(vi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(vii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、該抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比と比べたときの、増大;
(viii)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該患者に由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べたときの、低下;
(ix)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後の該患者に由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べたときの、上昇;
(x)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における対応する1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度と比べたときの、低下;ならびに
(xi)上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における複数のリンパ球によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の複数のリンパ球によるCD200発現レベルと比べたときの低下であって、該リンパ球が、骨髄細胞または脾臓細胞である、低下
からなる群より選択される該患者における1つまたは複数の生理学的変化を特徴とする、項目29に記載の方法。
(項目31)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8 + T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200 + 白血球の濃度;(e)CD200R + 白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目30に記載の方法。
(項目32)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8 + T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200 + 白血球の濃度;(e)CD200R + 白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目30に記載の方法。
(項目33)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2カ月間未満で生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1カ月間未満で生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後2週間未満で生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
上記1つまたは複数の生理学的変化が、上記抗体の投与後1週間以内に生じる、項目30から32のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
上記制御性T細胞が、CD3 + CD4 + CD25 + FoxP3 + T細胞、またはCD3 + CD4 + FoxP3 + T細胞である、項目2または30に記載の方法。
(項目38)
上記活性化T細胞が、CD3 + CD4 + CD25 + FoxP3 neg T細胞、またはCD3 + CD4 + FoxP3 neg T細胞である、項目2または30に記載の方法。
(項目39)
上記CD200 + 白血球が、CD4 + 細胞、CD8 + 細胞、活性化CD4 + 細胞、CD21 + /CD25 + /Fox3P + 細胞、およびNK T細胞からなる群より選択される、項目2または30に記載の方法。
(項目40)
上記CD200R + 白血球が、CD200R + /CD4 + T細胞、または活性化CD200R + /CD4 + T細胞である、項目2または30に記載の方法。
(項目41)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる上記生物学的試料において決定された、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも5:1である、項目2または30に記載の方法。
(項目42)
上記CD200 + 脾臓細胞またはCD200 + 骨髄細胞が、CD3 + /CD200 + リンパ球、CD45R + /CD200 + リンパ球、CD5 + /CD200 + リンパ球、CD19 + /CD200 + リンパ球、CD138 + /CD200 + リンパ球、またはCD200R + /CD200 + リンパ球である、項目2または30に記載の方法。
(項目43)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットが、Igk + /CD200 + 骨髄細胞、CD138 + /CD200 + 骨髄細胞、c−kit + /CD200 + 骨髄細胞、およびc−kit + /CD200 + /Lin −/low 骨髄細胞からなる群より選択される、項目2または30に記載の方法。
(項目44)
制御性T細胞の濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目45)
制御性T細胞の濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目46)
制御性T細胞の濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目47)
CD8 + T細胞の濃度の少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目48)
CD8 + T細胞の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目49)
CD8 + T細胞の濃度の少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目50)
CD8 + T細胞の濃度の少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目51)
活性化T細胞の濃度の少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目52)
活性化T細胞の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目53)
活性化T細胞の濃度の少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目54)
活性化T細胞の濃度の少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目55)
CD200 + 白血球の濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目56)
CD200 + 白血球の濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目57)
CD200 + 白血球の濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目58)
CD200R + 白血球の濃度の少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目59)
CD200R + 白血球の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目60)
CD200R + 白血球の濃度の少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目61)
CD200R + 白血球の濃度の少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目62)
活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも3:1であることが、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目63)
活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも4:1であることが、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目64)
活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも5:1であることが、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目65)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも25%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目66)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも50%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目67)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも100%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目68)
複数の白血球によるCD200R発現レベルの少なくとも200%の上昇が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目69)
複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目70)
複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目71)
複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも100%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目72)
1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目73)
1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目74)
1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目75)
1つまたは複数のCD200 + 脾臓細胞サブセットの濃度の少なくとも25%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目76)
1つまたは複数のCD200 + 脾臓細胞サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目77)
1つまたは複数のCD200 + 脾臓細胞サブセットの濃度の少なくとも75%の低下が、上記患者において所望の免疫調節効果が生じたことを示す、項目2または30に記載の方法。
(項目78)
上記患者が、免疫応答性である、項目9から77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
上記抗CD200抗体の投与前2カ月間未満に、上記患者は化学療法剤または免疫抑制剤を投与されていない、項目78に記載の方法。
(項目80)
上記患者が、HIVに感染していない、項目78に記載の方法。
(項目81)
上記がんが、慢性リンパ性白血病(CLL)である、項目9から80のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
上記がんが、固形腫瘍である、項目9から80のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
上記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんである、項目82に記載の方法。
(項目84)
上記神経系のがんが、神経芽腫である、項目83に記載の方法。
(項目85)
上記患者に投与される上記抗CD200抗体の投与1回当たりの量が、該患者1m 2 当たり少なくとも100mgである、項目1から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
上記患者に投与される上記抗CD200抗体の投与1回当たりの量が、該患者1m 2 当たり少なくとも200mgである、項目1から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
上記患者に投与される上記抗CD200抗体の投与1回当たりの量が、該患者1m 2 当たり少なくとも400mgである、項目1から84のいずれか一項に記載の方法。
(項目88)
上記抗CD200抗体が、7日ごとに少なくとも1回上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
上記抗CD200抗体が、2週間ごとに少なくとも1回上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
上記抗CD200抗体が、1カ月間にわたり2回以上上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
上記抗CD200抗体が、2カ月間にわたり2回以上上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目92)
上記抗CD200抗体が、2カ月間にわたり4回以上上記患者に投与される、項目1から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目93)
抗CD200抗体が、ヒトにおいて所望の抗CD200抗体関連免疫調節効果を生成したか否かを決定するための方法であって、ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化を検出するステップを含み、該少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化は、
(i)該生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比べたときの、低下;
(ii)該生物学的試料におけるCD8 + T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型のCD8 + T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iii)該生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比べたときの、上昇;
(iv)該生物学的試料におけるCD200 + 白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200 + 白血球の濃度と比べたときの、低下;
(v)該生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型のCD200R + 白血球の濃度と比べたときの、上昇;
(vi)該生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(vii)該生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比と比べたときの、増大;
(viii)該生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルの、該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルと比べたときの、低下;
(ix)該生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルと比べたときの、上昇;
(x)該生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の、該抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における対応する1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度と比べたときの、低下;ならびに
(xi)該生物学的試料における複数のリンパ球によるCD200発現レベルの、該抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の複数のリンパ球によるCD200発現レベルと比べたときの低下であって、該リンパ球が、骨髄細胞または脾臓細胞である、低下
からなる群より選択される、方法。
(項目94)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8 + T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200 + 白血球の濃度;(e)CD200R + 白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目93に記載の方法。
(項目95)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料をアッセイして、(a)制御性T細胞の濃度;(b)CD8 + T細胞の濃度;(c)活性化T細胞の濃度;(d)CD200 + 白血球の濃度;(e)CD200R + 白血球の濃度;(f)活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比;(g)複数の白血球によるCD200発現レベル;(h)複数の白血球によるCD200R発現レベル;(i)1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度;および(j)複数の骨髄細胞または脾臓細胞によるCD200発現レベルからなる群より選択される1つまたは複数のパラメータを決定するステップをさらに含む、項目93に記載の方法。
(項目96)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2カ月間未満で行う、項目93から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目97)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後1カ月間未満で行う、項目93から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目98)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2週間未満で行う、項目93から95のいずれか一項に記載の方法。
(項目99)
上記ヒトが、がんに罹患している、項目93から98のいずれか一項に記載の方法。
(項目100)
上記がんが、CD200を発現する複数のがん細胞を含む、項目99に記載の方法。
(項目101)
上記がんが複数のがん細胞を含み、該がん細胞は、該がん細胞が由来する同じ組織型の非がん細胞と比べてCD200を過剰発現する、項目99または100に記載の方法。
(項目102)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に、上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも50%低下する、項目100または101に記載の方法。
(項目103)
上記患者に上記抗CD200抗体を投与した後に、CD200 + がん細胞の濃度が少なくとも50%低下する、項目100または101に記載の方法。
(項目104)
少なくとも1例のヒトについての医療プロファイルを含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、該プロファイルは、
(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200 + 白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200 + 白血球の濃度;
(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R + 白血球の濃度;
(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;
(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;
(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;
(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;
(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);
(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8 + リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8 + リンパ球の濃度;
(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200 + T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200 + T細胞の濃度;
(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R + T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R + T細胞の濃度;
(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度;
(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに
(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル
のうちの少なくとも1つについての情報を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
(項目105)
抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するためのコンピュータベースの方法であって、
(I)ヒトの医療プロファイルを包含するデータを受け取るステップであって、該プロファイルは、
(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200 + 白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200 + 白血球の濃度;
(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R + 白血球の濃度;
(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;
(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;
(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;
(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;
(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);
(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8 + リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8 + リンパ球の濃度;
(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200 + T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200 + T細胞の濃度;
(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R + T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R + T細胞の濃度;
(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度;
(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに
(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル
のうちの少なくとも1つについての情報を含む、ステップと;
(II)該情報を含有する該データのうちの少なくとも一部分を処理して、該抗体が、該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するステップであって、
(a)CD200 + 白血球の該処置後濃度のCD200 + 白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(b)CD200R + 白血球の該処置後濃度のCD200R + 白血球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(c)該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルのCD200Rの該処置前発現レベルと比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(d)該複数の白血球によるCD200 + の処置後発現レベルのCD200 + の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(e)制御性T細胞の該処置後濃度の制御性T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(f)活性化T細胞の該処置後濃度の活性化T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(g)処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の該比の処置前における該比と比較したときの増大は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し、または、処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であることは、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(h)CD8 + リンパ球の該処置後濃度のCD8 + リンパ球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(i)CD200 + T細胞の該処置後濃度のCD200 + T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(j)CD200R + T細胞の該処置後濃度のCD200R + T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(k)1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの該処置後濃度のCD200 + 白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(l)1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの該処置後濃度のCD200 + 骨髄細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;または
(m)該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置後発現の該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、ステップと
を含む、方法。
(項目106)
抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するためのコンピュータベースの方法であって、
(I)
(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200 + 白血球の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200 + 白血球の濃度;
(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R + 白血球の濃度;
(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;
(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;
(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;
(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;
(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の対応する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);
(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8 + リンパ球の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8 + リンパ球の濃度;
(i):(xvii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200 + T細胞の濃度、および(xviii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xvii)の場合と同じ組織型のCD200 + T細胞の濃度;
(j):(xix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R + T細胞の濃度、および(xx)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xix)の場合と同じ組織型のCD200R + T細胞の濃度;
(k):(xxi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度、および(xxii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxi)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度;
(l):(xxiii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度、および(xxiv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxiii)の場合と同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度;ならびに
(m):(xxv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル、および(xxvi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(xxv)の場合と同じ組織型の複数の骨髄細胞によるCD200発現レベル
のうちの少なくとも1つについての情報を提供するステップと、
(II)該情報を、コンピュータに入力するステップと、
(III)該コンピュータおよび該入力された情報を用いて、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したか否かを示すパラメータを計算するステップであって、
(a)CD200 + 白血球の該処置後濃度のCD200 + 白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(b)CD200R + 白血球の該処置後濃度のCD200R + 白血球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(c)該複数の白血球によるCD200Rの処置後発現レベルのCD200Rの該処置前発現レベルと比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(d)該複数の白血球によるCD200 + の処置後発現レベルのCD200 + の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(e)制御性T細胞の該処置後濃度の制御性T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(f)活性化T細胞の該処置後濃度の活性化T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(g)処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の該比の処置前における該比と比較したときの増大は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示し、または、処置後における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であることは、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(h)CD8 + リンパ球の該処置後濃度のCD8 + リンパ球の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(i)CD200 + T細胞の該処置後濃度のCD200 + T細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(j)CD200R + T細胞の該処置後濃度のCD200R + T細胞の該処置前濃度と比較したときの上昇は、該抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(k)1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの該処置後濃度のCD200 + 白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;
(l)1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの該処置後濃度のCD200 + 骨髄細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示し;または
(m)該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置後発現の該複数の骨髄細胞によるCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す
ステップと
を含む、方法。
(項目107)
上記パラメータを出力するステップをさらに含む、項目106に記載の方法。
(項目108)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2カ月間未満で行う、項目105から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目109)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後1カ月間未満で行う、項目105から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目110)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2週間未満で行う、項目105から107のいずれか一項に記載の方法。
(項目111)
上記ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い、項目105から110のいずれか一項に記載の方法。
(項目112)
上記ヒトが、がんを有する、項目111に記載の方法。
(項目113)
上記がんが、慢性リンパ性白血病である、項目111または112に記載の方法。
(項目114)
上記慢性リンパ性白血病が、B細胞慢性リンパ性白血病である、項目113に記載の方法。
(項目115)
上記がんが、固形腫瘍である、項目111または112に記載の方法。
(項目116)
上記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、骨がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんである、項目115に記載の方法。
(項目117)
上記神経系のがんが、神経芽腫である、項目116に記載の方法。
(項目118)
上記ヒトが、炎症性障害もしくは骨障害を有するか、炎症性障害もしくは骨障害を有することが疑われるか、または炎症性障害もしくは骨障害を発症する危険性がある、項目105から110のいずれか一項に記載の方法。
(項目119)
上記炎症性障害が、自己免疫障害である、項目118に記載の方法。
(項目120)
上記自己免疫障害が、溶血性障害である、項目118に記載の方法。
(項目121)
上記自己免疫障害が、自己免疫性溶血性貧血である、項目118に記載の方法。
(項目122)
上記自己免疫障害が、慢性閉塞性肺疾患、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギランバレー症候群、IgA腎症、強皮症、シェーグレン症候群、ヴェーゲナー肉芽腫症、尋常性天疱瘡、関節リウマチ、シャーガス病、寒冷凝集素症、抗リン脂質症候群、温式自己免疫性溶血性貧血、発作性寒冷血色素尿症、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、原発性胆汁性肝硬変、およびミラーフィッシャー症候群からなる群より選択される、項目119に記載の方法。
(項目123)
上記骨障害が、骨粗鬆症である、項目118に記載の方法。
(項目124)
上記骨障害が、がんに関連する、項目118に記載の方法。
(項目125)
上記がんが、多発性骨髄腫である、項目124に記載の方法。
(項目126)
上記骨障害が、炎症性障害に関連する、項目118に記載の方法。
(項目127)
上記骨障害が、歯周病である、項目118に記載の方法。
(項目128)
上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて免疫調節効果を生成することが決定された場合に、該ヒトに治療有効量の該抗体を投与するステップをさらに含む、項目105から127のいずれか一項に記載の方法。
(項目129)
抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するための方法であって、ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化を検出するステップを含み、該少なくとも1つの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、方法。
(項目130)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる血液試料におけるCD200 + T細胞の濃度を測定するステップを含み、該血液試料におけるCD200 + T細胞の濃度の対照試料における同じ組織型のCD200 + T細胞の濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129に記載の方法。
(項目131)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる血液試料におけるCD200R + T細胞の濃度を測定するステップを含み、該血液試料におけるCD200R + T細胞の濃度の対照試料における同じ組織型のCD200R + T細胞の濃度と比較したときの増大は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129または130に記載の方法。
(項目132)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトに由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、該複数の白血球によるCD200発現の対照発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から131のいずれか一項に記載の方法。
(項目133)
上記検出するステップが、抗CD200抗体を投与された上記ヒトに由来する生物学的試料における複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化するステップを含み、該複数の白血球によるCD200R発現の対照発現レベルと比較したときの増大は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から132のいずれか一項に記載の方法。
(項目134)
上記対照試料が、上記抗体を投与する前に得られる上記ヒトに由来する血液試料である、項目130または131に記載の方法。
(項目135)
上記T細胞が、CD200 + /CD4 + T細胞である、項目130に記載の方法。
(項目136)
上記T細胞が、活性化CD200 + /CD4 + T細胞である、項目130に記載の方法。
(項目137)
CD200 + T細胞の濃度の少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目130、135、または136のいずれか一項に記載の方法。
(項目138)
CD200 + T細胞の濃度の少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目130、135、または136のいずれか一項に記載の方法。
(項目139)
CD200 + T細胞の濃度の少なくとも50%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目130、135、または136のいずれか一項に記載の方法。
(項目140)
CD200R + T細胞の濃度の少なくとも5%の上昇が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目141)
CD200R + T細胞の濃度の少なくとも10%の上昇が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目142)
CD200R + T細胞の濃度の少なくとも20%の上昇が、上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目143)
CD200R + T細胞の濃度の少なくとも50%の上昇が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目131に記載の方法。
(項目144)
上記白血球が、CD4 + 細胞、CD8 + 細胞、活性化CD4 + 細胞、CD21 + /CD25 + /Fox3P + 細胞、およびNK T細胞からなる群より選択される、項目132または133に記載の方法。
(項目145)
上記複数の白血球によるCD200発現の少なくとも5%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目132に記載の方法。
(項目146)
上記複数の白血球によるCD200発現の少なくとも20%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目132に記載の方法。
(項目147)
上記複数の白血球によるCD200発現の少なくとも50%の低下が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目132に記載の方法。
(項目148)
上記複数の白血球によるCD200R発現の少なくとも50%の増大が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目133に記載の方法。
(項目149)
上記複数の白血球によるCD200R発現の少なくとも100%の増大が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目133に記載の方法。
(項目150)
上記複数の白血球によるCD200R発現の少なくとも200%の増大が、上記抗体により上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生成されたことを示す、項目133に記載の方法。
(項目151)
上記血液試料におけるCD200 + T細胞の濃度の上記対照試料における同じ組織型のCD200 + T細胞の濃度と比較したときの低下は、上記抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目130に記載の方法。
(項目152)
上記血液試料におけるCD200R + T細胞の濃度の上記対照試料における同じ組織型のCD200R + T細胞の濃度と比較したときの上昇は、上記抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目131に記載の方法。
(項目153)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの上記対照発現レベルと比較したときの低下は、上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目132に記載の方法。
(項目154)
上記複数の白血球によるCD200R発現レベルの上記対照発現レベルと比較したときの上昇は、上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目133に記載の方法。
(項目155)
上記対照試料が、上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料であって、CD200 + T細胞の処置前濃度を得るための生物学的試料である、項目130に記載の方法。
(項目156)
上記対照試料が、ヒトに抗CD200抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料であって、CD200R + T細胞の処置前濃度を得るための生物学的試料である、項目131に記載の方法。
(項目157)
上記対照発現レベルが、ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料において測定され、該測定によりCD200の処置前発現レベルが得られる、項目132に記載の方法。
(項目158)
上記対照発現レベルが、ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料において測定され、該測定によりCD200Rの処置前発現レベルが得られる、項目133に記載の方法。
(項目159)
抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + リンパ球サブセットの濃度を測定するステップを含み、
生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + リンパ球サブセットの濃度の対照試料における同じCD200 + リンパ球サブセットの濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から158のいずれか一項に記載の方法。
(項目160)
上記CD200 + リンパ球サブセットが、CD3 + /CD200 + リンパ球、CD45R + /CD200 + リンパ球、CD5 + /CD200 + リンパ球、CD19 + /CD200 + リンパ球、CD138 + /CD200 + リンパ球、またはCD200R + /CD200 + リンパ球である、項目159に記載の方法。
(項目161)
上記1つまたは複数のCD200 + リンパ球サブセットの濃度の少なくとも10%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目159または160に記載の方法。
(項目162)
上記1つまたは複数のCD200 + リンパ球サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目159または160に記載の方法。
(項目163)
上記生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + リンパ球サブセットの濃度の上記対照試料における同じCD200 + リンパ球サブセットの濃度と比較したときの低下は、上記抗体が上記ヒトにおいて治療的に有効であることを示す、項目159または160に記載の方法。
(項目164)
上記生物学的試料が、上記ヒトに由来する脾臓組織を含む、項目159から163のいずれか一項に記載の方法。
(項目165)
上記生物学的試料が、上記ヒトに由来する骨髄組織を含む、項目159から163のいずれか一項に記載の方法。
(項目166)
抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度を測定するステップを含み、
生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度の、対照試料における同じCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度と比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から165のいずれか一項に記載の方法。
(項目167)
上記CD200 + 骨髄細胞サブセットが、Igk + /CD200 + 骨髄細胞、CD138 + /CD200 + 骨髄細胞、c−kit + /CD200 + 骨髄細胞、またはc−kit + /CD200 + /Lin − 骨髄細胞である、項目166に記載の方法。
(項目168)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目166または167に記載の方法。
(項目169)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目166または167に記載の方法。
(項目170)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度の少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目166または167に記載の方法。
(項目171)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200 + 白血球の濃度を測定して、CD200 + 白血球の処置前濃度を得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200 + 白血球の濃度を測定して、CD200 + 白血球の処置後濃度を得るステップと
を含み、
CD200 + 白血球の該処置後濃度のCD200 + 白血球の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目172)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200 + 骨髄細胞の濃度を測定して、CD200 + 骨髄細胞の処置前濃度を得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料においてCD200 + 骨髄細胞の濃度を測定して、CD200 + 骨髄細胞の処置後濃度を得るステップと
を含み、
CD200 + 骨髄細胞の該処置後濃度のCD200 + 骨髄細胞の該処置前濃度と比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目173)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置前発現レベルを得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置後発現レベルを得るステップと
を含み、
CD200の該処置後発現レベルのCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目174)
上記ヒトに抗CD200抗体を投与する前の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置前発現レベルを得るステップと、
該抗体を投与した後の該ヒトから得られる生物学的試料において複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化して、CD200の処置後発現レベルを得るステップと
を含み、
CD200の該処置後発現レベルのCD200の該処置前発現レベルと比較したときの低下は、該抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から170のいずれか一項に記載の方法。
(項目175)
抗CD200抗体を投与された上記ヒトから得られる生物学的試料における複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、
該複数の白血球によるCD200発現の対照発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から174のいずれか一項に記載の方法。
(項目176)
上記CD200 + 白血球が、CD3 + /CD200 + 白血球、CD45R + /CD200 + 白血球、CD5 + /CD200 + 白血球、CD19 + /CD200 + 白血球、CD138 + /CD200 + 白血球、またはCD200R + /CD200 + 白血球である、項目175に記載の方法。
(項目177)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目175または176に記載の方法。
(項目178)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目175または176に記載の方法。
(項目179)
上記複数の白血球によるCD200発現レベルの少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目175または176に記載の方法。
(項目180)
抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルを定量化するステップを含み、
該複数の骨髄細胞によるCD200発現の対照発現レベルと比較したときの低下は、該抗CD200抗体が該ヒトにおいて免疫調節効果を生成したことを示す、項目129から179のいずれか一項に記載の方法。
(項目181)
上記CD200 + 骨髄細胞が、Igk + /CD200 + 骨髄細胞、CD138 + /CD200 + 骨髄細胞、c−kit + /CD200 + 骨髄細胞、またはc−kit + /CD200 + /Lin − 骨髄細胞である、項目180に記載の方法。
(項目182)
上記複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも5%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目180または181に記載の方法。
(項目183)
上記複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも20%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目180または181に記載の方法。
(項目184)
上記複数の骨髄細胞によるCD200発現レベルの少なくとも50%の低下が、上記ヒトにおいて免疫調節効果が生成されたことを示す、項目180または181に記載の方法。
(項目185)
上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて免疫調節効果を生成する場合、該ヒトに少なくとも1用量のさらなる該抗CD200抗体を投与するステップを含む、項目129から184のいずれか一項に記載の方法。
(項目186)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2カ月間未満で行う、項目129から185のいずれか一項に記載の方法。
(項目187)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後1カ月間未満で行う、項目129から185のいずれか一項に記載の方法。
(項目188)
上記検出するステップを、上記抗体の投与後2週間未満で行う、項目129から185のいずれか一項に記載の方法。
(項目189)
上記ヒトが、がんを有するか、がんを有することが疑われるか、またはがんを発症する可能性が高い、項目129から188のいずれか一項に記載の方法。
(項目190)
上記ヒトが、がんを有する、項目189に記載の方法。
(項目191)
上記がんが、CLLである、項目188または189に記載の方法。
(項目192)
上記CLLが、B−CLLである、項目191に記載の方法。
(項目193)
上記がんが、固形腫瘍である、項目188または189に記載の方法。
(項目194)
上記固形腫瘍が、結腸がん、乳がん、肺がん、腎臓がん、膵臓がん、甲状腺がん、皮膚がん、神経系のがん、子宮頸がん、卵巣がん、精巣がん、頭頚部がん、眼がん、胃がん、または肝臓がんである、項目193に記載の方法。
(項目195)
上記神経系のがんが、神経芽腫である、項目194に記載の方法。
(項目196)
上記抗CD200抗体が上記ヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成することが決定された場合、該抗体のさらなる用量を投与するステップをさらに含む、項目129から195のいずれか一項に記載の方法。
(項目197)
抗CD200抗体を用いてがんに罹患した患者を処置するための投与スケジュールを決定するための方法であって、
(I)CD200を発現する複数のがん細胞を含むがんに罹患した患者を提供するステップと;
(II)該患者に抗CD200抗体を投与して、1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの変化を生成するステップであって、該1つまたは複数のバイオマーカーの該変化が、
(a)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における該がん細胞によるCD200の発現の、対照試料におけるCD200の発現と比較したときの、低下;
(b)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200 + T細胞の濃度の、対照試料におけるCD200 + T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(c)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型のT細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下;
(d)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度の、対照試料におけるCD200R + 白血球の濃度と比較したときの、上昇;
(e)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における白血球によるCD200R発現レベルの、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200R対照発現レベルと比較したときの、上昇;
(f)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(g)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較したときの、上昇;
(h)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(i)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、対照試料における対応する比と比較したときの、増大;
(j)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度と比較したときの、低下;
(k)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度と比較したときの、低下;ならびに
(l)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下
からなる群より選択される、ステップと;
(III)該1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの該変化をモニタリングするステップであって、該投与スケジュールが、該抗体による処置期間にわたり該1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの該変化を維持するのに十分である、ステップと
を含む、方法。
(項目198)
上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目199)
上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目200)
上記がん細胞によるCD200発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目201)
CD200 + T細胞の濃度が少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目202)
CD200 + T細胞の濃度が少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目203)
CD200 + T細胞の濃度が少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目204)
上記CD200 + T細胞が、CD200 + /CD4 + T細胞、活性化CD200 + /CD4 + T細胞、またはCD200 + /CD8 + T細胞である、項目197から203のいずれか一項に記載の方法。
(項目205)
上記T細胞によるCD200の発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目206)
上記T細胞によるCD200の発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目207)
上記T細胞によるCD200の発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目208)
上記T細胞が、CD4 + T細胞、活性化CD4 + T細胞、またはCD8 + T細胞である、項目197、または205から207のいずれか一項に記載の方法。
(項目209)
CD200R + T細胞の濃度が少なくとも10%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目210)
CD200R + T細胞の濃度が少なくとも20%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目211)
CD200R + T細胞の濃度が少なくとも50%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目212)
上記CD200R + T細胞が、CD200R + /CD4 + T細胞、または活性化CD200R + /CD4 + T細胞である、項目197、または209から211のいずれか一項に記載の方法。
(項目213)
上記白血球によるCD200Rの発現レベルが少なくとも10%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目214)
上記白血球によるCD200Rの発現レベルが少なくとも20%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目215)
上記白血球によるCD200Rの発現レベルが少なくとも50%上昇する、項目197に記載の方法。
(項目216)
上記白血球が、CD4 + T細胞または活性化CD4 + T細胞である、項目197、または213から215のいずれか一項に記載の方法。
(項目217)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度が少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目218)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度が少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目219)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度が少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目220)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットが、CD3 + /CD200 + リンパ球、CD45R + /CD200 + リンパ球、CD5 + /CD200 + リンパ球、CD19 + /CD200 + リンパ球、CD138 + /CD200 + リンパ球、CD200R + /CD200 + リンパ球、CD200 + /CD4 + T細胞、活性化CD200 + /CD4 + T細胞、およびCD200 + /CD8 + T細胞からなる群より選択される、項目197、または217から219のいずれか一項に記載の方法。
(項目221)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目222)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目223)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目224)
上記1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットが、CD3 + /CD200 + リンパ球、CD45R + /CD200 + リンパ球、CD5 + /CD200 + リンパ球、CD19 + /CD200 + リンパ球、CD138 + /CD200 + リンパ球、CD200R + /CD200 + リンパ球、CD4 + T細胞、活性化CD4 + T細胞、およびCD8 + T細胞からなる群より選択される、項目197、または221から223のいずれか一項に記載の方法。
(項目225)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度が少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目226)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度が少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目227)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットの濃度が少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目228)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットが、Igk + /CD200 + 骨髄細胞、CD138 + /CD200 + 骨髄細胞、c−kit + /CD200 + 骨髄細胞、およびc−kit + /CD200 + /Lin −/low 骨髄細胞からなる群より選択される、項目197、または225から227のいずれか一項に記載の方法。
(項目229)
上記1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも10%低下する、項目197に記載の方法。
(項目230)
上記1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも20%低下する、項目197に記載の方法。
(項目231)
上記1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200の発現レベルが少なくとも50%低下する、項目197に記載の方法。
(項目232)
上記1つまたは複数のCD200 + 骨髄細胞サブセットが、Igk + /CD200 + 骨髄細胞、CD138 + /CD200 + 骨髄細胞、c−kit + /CD200 + 骨髄細胞、およびc−kit + /CD200 + /Lin −/low 骨髄細胞からなる群より選択される、項目197、または229から231のいずれか一項に記載の方法。
(項目233)
上記生物学的試料が、血液試料である、項目197から232のいずれか一項に記載の方法。
(項目234)
上記対照試料が、上記患者に上記抗CD200抗体を投与する前に該患者から得られる生物学的試料である、項目197から233のいずれか一項に記載の方法。
(項目235)
上記制御性T細胞が、CD3 + CD4 + CD25 + FoxP3 + T細胞、またはCD3 + CD4 + FoxP3 + T細胞である、項目197から234のいずれか一項に記載の方法。
(項目236)
上記活性化T細胞が、CD3 + CD4 + CD25 + FoxP3 neg T細胞、またはCD3 + CD4 + FoxP3 neg T細胞である、項目197から235のいずれか一項に記載の方法。
(項目237)
がんに罹患したヒトを処置するための方法であって、処置を必要とするヒトに該ヒトにおける1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの変化を生成するのに十分な量および頻度で抗CD200抗体を投与して、該ヒトのがんを処置するステップを含む、方法。
(項目238)
1つまたは複数のバイオマーカーの上記変化が、
(a)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるがん細胞によるCD200の発現の、対照試料におけるCD200の発現と比較したときの、低下;
(b)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるCD200 + T細胞の濃度の、対照試料におけるCD200 + T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(c)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型のT細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下;
(d)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度の、対照試料におけるCD200R + 白血球の濃度と比較したときの、上昇;
(e)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における白血球によるCD200R発現レベルの、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200R対照発現レベルと比較したときの、上昇;
(f)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(g)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較したときの、上昇;
(h)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(i)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、対照試料における対応する比と比較したときの、増大;
(j)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度と比較したときの、低下;
(k)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度と比較したときの、低下;ならびに
(l)上記抗体を投与した後に上記患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下
からなる群より選択される、項目237に記載の方法。
(項目239)
上記ヒトを、上記1つまたは複数のバイオマーカーの上記変化の生成および維持の一方または両方についてモニタリングするステップをさらに含む、項目237または238に記載の方法。
(項目240)
活性化T細胞対Tregの比を少なくとも4:1に維持する量および頻度で上記患者に上記抗体を投与する、項目238に記載の方法。
(項目241)
活性化T細胞対Tregの比を少なくとも6:1に維持する量および頻度で上記患者に上記抗体を投与する、項目238に記載の方法。
(項目242)
抗CD200抗体による処置のためにがん患者を選択するための方法であって、
がんを有する患者の免疫系が該がんに対する免疫反応を開始する能力を有するか否かを決定するステップと、
該患者の免疫系は能力を有すると決定された場合、抗CD200抗体療法のために該患者を選択するステップと
を含む、方法。
(項目243)
上記患者の免疫系は上記抗CD200抗体の存在下において上記がんに対する免疫反応を開始する能力を有すると決定する、項目242に記載の方法。
(項目244)
上記患者の免疫系は上記抗CD200抗体の非存在下において上記がんに対する免疫反応を開始する能力を有すると決定する、項目242または243に記載の方法。
(項目245)
上記決定するステップが、上記抗CD200抗体を投与する前の上記患者から得られる少なくとも1つの免疫細胞集団の血液1マイクロリットル当たりの絶対数を測定するステップを含み、該少なくとも1つの免疫細胞集団が、CD4 + ヘルパーT細胞、非がん性CD45 + リンパ球、CD19 + B細胞、CD16 + CD56 + ナチュラルキラー(NK)細胞、およびCD3 + 細胞からなる群より選択される、項目242から244のいずれか一項に記載の方法。
(項目246)
選択した患者に抗CD200抗体を投与するステップをさらに含み、該抗CD200抗体が、該患者において1つまたは複数の抗CD200抗体関連バイオマーカーの変化を生成および維持するのに有効な量および頻度で該患者に投与され、1つまたは複数のバイオマーカーの該変化が、
(a)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるがん細胞によるCD200の発現の、対照試料におけるCD200の発現と比較したときの、低下;
(b)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200 + T細胞の濃度の、対照試料におけるCD200 + T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(c)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型のT細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下;
(d)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料におけるCD200R + 白血球の濃度の、対照試料におけるCD200R + 白血球の濃度と比較したときの、上昇;
(e)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における白血球によるCD200R発現レベルの、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200R対照発現レベルと比較したときの、上昇;
(f)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の制御性T細胞の濃度と比較したときの、低下;
(g)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の濃度の、対照試料における同じ組織型の活性化T細胞の濃度と比較したときの、上昇;
(h)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比が少なくとも2:1であること;
(i)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率対制御性T細胞の百分率の比の、対照試料における対応する比と比較したときの、増大;
(j)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 骨髄サブセットの濃度と比較したときの、低下;
(k)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度の、対照試料における同じ組織型の1つまたは複数のCD200 + 白血球サブセットの濃度と比較したときの、低下;ならびに
(l)該抗体を投与した後に該患者から得られる生物学的試料における1つまたは複数の骨髄細胞サブセットによるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型の骨髄細胞によるCD200対照発現レベルと比較したときの、低下
からなる群より選択される、項目242から245のいずれか一項に記載の方法。
(項目247)
上記抗CD200抗体が、IgG1抗体、IgG2抗体、IgG3抗体、IgG4抗体、IgM抗体、IgA1抗体、IgA2抗体、IgA抗体、IgD抗体、またはIgE抗体である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目248)
上記抗CD200抗体が、マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目249)
上記抗CD200抗体が、全抗CD200抗体の抗原結合断片である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目250)
上記抗原結合断片が、Fab断片、F(ab’) 2 断片、Fv断片、および単鎖抗体からなる群より選択される、項目249に記載の方法。
(項目251)
上記抗CD200抗体が、モノクローナル抗体である、項目1から103、または105から246のいずれか一項に記載の方法。
(項目252)
上記抗CD200抗体が改変定常領域を含み、該改変定常領域は、定常領域の非改変形態と比べてエフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない、項目1から103、105から248、または251のいずれか一項に記載の方法。
(項目253)
上記改変定常領域が、定常領域の非改変形態と比較したときの、
(a)抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)活性の低下または非存在;
(b)補体依存性細胞傷害(CDC)の低下または非存在;および
(c)1つまたは複数のFc受容体への結合の低下
からなる群より選択される1つまたは複数の特徴を有する、項目252に記載の方法。
(項目254)
少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含むように操作されている結果、該少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含有しない対応する非改変定常領域と比較して、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変定常領域を上記抗CD200抗体が含む、項目252に記載の方法。
(項目255)
少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含むように操作されている結果、該少なくとも1つのアミノ酸置換、挿入、または欠失を含有しない対応する非改変定常領域と比較して、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変定常領域を上記抗CD200抗体が含む、項目253に記載の方法。
(項目256)
上記抗CD200抗体が、
(i)グリコシル化の変化、および
(ii)Ala−Ala変異
からなる群より選択される1つまたは複数の特徴を含む定常領域を含む、項目252から255のいずれか一項に記載の方法。
(項目257)
上記抗CD200抗体が、IgG2/IgG4ハイブリッド定常領域を含む、項目1から103、または105から248、または251から256のいずれか一項に記載の方法。
(項目258)
上記グリコシル化の変化が、
(i)1つまたは複数の糖成分の変化、
(ii)1つまたは複数のさらなる糖成分の存在、および
(iii)1つまたは複数の糖成分の非存在
からなる群より選択される1つまたは複数の特徴を含む、項目256に記載の方法。
(項目259)
上記抗CD200抗体が、CD200とCD200Rとの間の相互作用を阻害する、項目1から103、または105から258のいずれか一項に記載の方法。
(項目260)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFTFSGFAMS(配列番号4)を含む重鎖CDR1(HCDR1);アミノ酸配列:SISSGGTTYYLDSVKG(配列番号5)を含む重鎖CDR2(HCDR2);アミノ酸配列:GNYYSGTSYDY(配列番号6)を含む重鎖CDR3(HCDR3);アミノ酸配列:RASESVDSYGNSFMH(配列番号7)を含む軽鎖CDR1(LCDR1);アミノ酸配列:RASNLES(配列番号8)を含む軽鎖CDR2(LCDR2);およびアミノ酸配列:QQSNEDPRT(配列番号9)を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目261)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYMH(配列番号10)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPENGDTKYAPKFQG(配列番号11)を含むHCDR2;アミノ酸配列:KNYYVSNYNFFDV(配列番号12)を含むHCDR3;アミノ酸配列:SASSSVRYMY(配列番号13)を含むLCDR1;アミノ酸配列:DTSKLAS(配列番号14)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:FQGSGYPLT(配列番号15)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目262)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GFNIKDYYIH(配列番号16)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPEIGATKYVPKFQG(配列番号17)を含むHCDR2;アミノ酸配列:LYGNYDRYYAMDY(配列番号18)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQNVRTAVA(配列番号19)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LASNRHT(配列番号20)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQHWNYPLT(配列番号21)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目263)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYSFTDYIIL(配列番号22)を含むHCDR1;アミノ酸配列:HIDPYYGSSNYNLKFKG(配列番号23)を含むHCDR2;アミノ酸配列:SKRDYFDY(配列番号24)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQDINSYLS(配列番号25)を含むLCDR1;アミノ酸配列:RANRLVD(配列番号26)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQYDEFPYT(配列番号27)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目264)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYTFTEYTMH(配列番号28)を含むHCDR1;アミノ酸配列:GVNPNNGGALYNQKFKG(配列番号29)を含むHCDR2;アミノ酸配列:RSNYRYDDAMDY(配列番号30)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KSSQSLLDIDEKTYLN(配列番号31)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LVSKLDS(配列番号32)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:WQGTHFPQT(配列番号33)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目265)
上記抗CD200抗体が、以下の対合したCDRのセット:アミノ酸配列:AFNIKDHYMH(配列番号34)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPESGDTEYAPKFQG(配列番号35)を含むHCDR2;アミノ酸配列:FNGYQALDQ(配列番号36)を含むHCDR3;アミノ酸配列:TASSSVSSSYLH(配列番号37)を含むLCDR1;アミノ酸配列:STSNLAS(配列番号38)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:RQYHRSPPIFT(配列番号39)を含むLCDR3を含有する、項目1から103、または105から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目266)
上記抗CD200抗体関連バイオマーカーの1つまたは複数の変化が、上記抗CD200抗体が治療的に有効であることを示す、項目1から103、または105から265のいずれか一項に記載の方法。
本開示は、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能がない改変体の抗CD200抗体)、およびヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成する1つまたは複数の抗体の投与がヒトになされているか否かを決定するのに用いられるバイオマーカーに関する。また、抗体およびバイオマーカーを用いる診断法および治療法も特徴とされる。限定することを意図するものでは全くないが、例示的なCD200抗体およびそれらのCD200結合断片、コンジュゲート、医薬組成物および医薬製剤、バイオマーカー、ならびに前出のうちのいずれかを用いる方法について、下記で詳述し、作業実施例で例示する。
組成物
本開示は、ヒトCD200ポリペプチドに結合する抗体(場合によって、本明細書では、該抗体を「抗CD200抗体」と称する)を特徴とする。また、抗体の抗原結合(CD200結合)断片も特徴とされる。一部の実施形態では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、ヒトCD200タンパク質内のエピトープに結合する。例えば、抗CD200抗体は、以下のアミノ酸配列:
(配列番号1;Genbank受託番号第NP_005935.2号)を含むか、またはこれからなる、ヒトCD200タンパク質内のエピトープに結合しうる。配列番号1は、全長のヒトCD200アイソフォームAタンパク質前駆体のアミノ酸配列を示す。一部の実施形態では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、以下のアミノ酸配列:
(配列番号2;Genbank受託番号第NP_001004196.2号)を含むか、またはこれからなる、ヒトCD200タンパク質内のエピトープに結合する。配列番号2は、全長のヒトCD200アイソフォームBタンパク質のアミノ酸配列を示す。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、以下のアミノ酸配列:
(配列番号3;Genbank受託番号第CAA28943.1号; McCaughanら(1987年)、Immunogenetics、25巻:329〜335頁の図3)を有するヒトCD200タンパク質内に存在するエピトープに結合する。配列番号3は、全長のヒトCD200タンパク質の例示的な配列である。
一部の実施形態では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、CD200タンパク質の細胞外部分内のエピトープに結合する。例えば、一部の実施形態では、抗CD200抗体が、(i)配列番号1に示されるアミノ酸配列のアミノ酸1〜233;(ii)配列番号2に示されるアミノ酸配列のアミノ酸1〜258;または配列番号3に示されるアミノ酸配列のアミノ酸1〜229内にあるか、またはこれらと重複するエピトープにおいて、CD200タンパク質に結合しうる。
一部の実施形態では、抗CD200抗体が、リーダー配列を欠くヒトCD200タンパク質内のエピトープに結合する。例えば、本明細書で説明される抗CD200抗体は、ヒトCD200アイソフォームAタンパク質の成熟形態から、アミノ末端のリーダー配列を除いた細胞外部分に対応する、配列番号1に示されるアミノ酸配列のアミノ酸31〜233内にあるか、またはこれらと重複するエピトープにおいて、CD200タンパク質に結合しうる。一部の実施形態では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、ヒトCD200アイソフォームBタンパク質の成熟形態から、アミノ末端のリーダー配列を除いた細胞外部分に対応する、配列番号2に示されるアミノ酸配列のアミノ酸56〜258内にあるか、またはこれらと重複するエピトープにおいて、CD200タンパク質に結合しうる。一部の実施形態では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、ヒトCD200タンパク質の成熟形態から、アミノ末端のリーダー配列を除いた細胞外部分に対応する、配列番号3に示されるアミノ酸配列のアミノ酸27〜229内にあるか、またはこれらと重複するエピトープにおいて、CD200タンパク質に結合しうる。
「エピトープ」とは、抗体が結合する、タンパク質(例えば、ヒトCD200タンパク質)における部位を指す。「重複エピトープ」とは、少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ)の共通なアミノ酸残基を含む。
一部の実施形態では、抗CD200抗体が、ヒトCD200タンパク質(例えば、配列番号1、配列番号2、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するヒトCD200タンパク質、またはこのCD200タンパク質の成熟形態の細胞外ドメイン)に特異的に結合する。「特異的結合」または「特異的に結合する」という用語は、生理学的条件下で相対的に安定的な複合体(例えば、抗CD200抗体とCD200タンパク質との複合体)を形成する2つの分子を指す。典型的には、会合定数(Ka)が、106M−1より高値である場合に、結合を特異的であると考える。したがって、抗CD200抗体は、Kaが少なくとも106M−1の(またはこれを超える)(例えば、少なくとも107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、もしくは1015M−1以上であるか、またはこれを超える)CD200タンパク質に特異的に結合しうる。ヒトCD200タンパク質に特異的に結合する抗体の例は、例えば、それらの各々の開示が、それらの全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,408,041号;同第7,427,665号;同第7,435,412号;および同第7,598,353号において説明されている。
例えば、米国特許第7,408,041号では、複数の例示的な抗CD200抗体のアミノ酸配列が説明されている。例えば、抗CD200抗体は、米国特許第7,408,041号の図23(図23に示される配列は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる)に示されるFab抗体(d1B10、d1A5、d1B5、c2aB7、c1A10、またはc2aA10)のうちの1つによる重鎖可変領域および軽鎖可変領域のアミノ酸配列を含みうる。一部の実施形態では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、米国特許第7,408,041号の図23に示されるFab抗体のうちの1つによる重鎖CDRおよび軽鎖CDRの対合したセットを含有する。例えば、本明細書で説明される抗CD200抗体は、Fab抗体であるd1B10に由来する、対合したCDRのセット:以下の配列:GFTFSGFAMS(配列番号4)を含む重鎖CDR1(HCDR1);以下の配列:SISSGGTTYYLDSVKG(配列番号5)を含む重鎖CDR2(HCDR2);以下の配列:GNYYSGTSYDY(配列番号6)を含む重鎖CDR3(HCDR3);以下の配列:RASESVDSYGNSFMH(配列番号7)を含む軽鎖CDR1(LCDR1);以下の配列:RASNLES(配列番号8)を含む軽鎖CDR2(LCDR2);および以下の配列:QQSNEDPRT(配列番号9)を含む軽鎖CDR3(LCDR3)を含有する。
別の例では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、Fab抗体であるd1A5に由来する、対合したCDRのセット:以下の配列:(i)GFNIKDYYMH(配列番号10)を含むHCDR1;以下の配列:WIDPENGDTKYAPKFQG(配列番号11)を含むHCDR2;以下の配列:KNYYVSNYNFFDV(配列番号12)を含むHCDR3;以下の配列:SASSSVRYMY(配列番号13)を含むLCDR1;以下の配列:DTSKLAS(配列番号14)を含むLCDR2;および以下の配列:FQGSGYPLT(配列番号15)を含むLCDR3を含有しうる。
別の例では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、Fab抗体であるd1B5に由来する、対合したCDRのセット:以下のアミノ酸配列:GFNIKDYYIH(配列番号16)を含むHCDR1;以下のアミノ酸配列:WIDPEIGATKYVPKFQG(配列番号17)を含むHCDR2;以下のアミノ酸配列:LYGNYDRYYAMDY(配列番号18)を含むHCDR3;以下のアミノ酸配列:KASQNVRTAVA(配列番号19)を含むLCDR1;以下のアミノ酸配列:LASNRHT(配列番号20)を含むLCDR2;および以下のアミノ酸配列:LQHWNYPLT(配列番号21)を含むLCDR3を含有しうる。
別の例では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、Fab抗体であるc2aB7に由来する、対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYSFTDYIIL(配列番号22)を含むHCDR1;アミノ酸配列:HIDPYYGSSNYNLKFKG(配列番号23)を含むHCDR2;アミノ酸配列:SKRDYFDY(配列番号24)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KASQDINSYLS(配列番号25)を含むLCDR1;アミノ酸配列:RANRLVD(配列番号26)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:LQYDEFPYT(配列番号27)を含むLCDR3を含有しうる。
さらに別の例では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、Fab抗体であるc1A10に由来する、対合したCDRのセット:アミノ酸配列:GYTFTEYTMH(配列番号28)を含むHCDR1;アミノ酸配列:GVNPNNGGALYNQKFKG(配列番号29)を含むHCDR2;アミノ酸配列:RSNYRYDDAMDY(配列番号30)を含むHCDR3;アミノ酸配列:KSSQSLLDIDEKTYLN(配列番号31)を含むLCDR1;アミノ酸配列:LVSKLDS(配列番号32)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:WQGTHFPQT(配列番号33)を含むLCDR3を含有しうる。
そしてさらに別の例では、本明細書で説明される抗CD200抗体が、Fab抗体であるc2aA10に由来する、対合したCDRのセット:アミノ酸配列:AFNIKDHYMH(配列番号34)を含むHCDR1;アミノ酸配列:WIDPESGDTEYAPKFQG(配列番号35)を含むHCDR2;アミノ酸配列:FNGYQALDQ(配列番号36)を含むHCDR3;アミノ酸配列:TASSSVSSSYLH(配列番号37)を含むLCDR1;アミノ酸配列:STSNLAS(配列番号38)を含むLCDR2;およびアミノ酸配列:RQYHRSPPIFT(配列番号39)を含むLCDR3を含有しうる。
抗CD200抗体のさらなる例示的なCDRのセットは、例えば、米国特許第7,427,665号において説明されている。一部の実施形態では、抗CD200抗体がサマリズマブである。
当技術分野では、抗体がタンパク質抗原に結合するか否か、および/または抗体のタンパク質抗原に対するアフィニティーを決定する方法が公知である。例えば、抗体のタンパク質抗原に対する結合は、ウエスタンブロット、ドットブロット、表面プラズモン共鳴(SPR)法(例えば、BIAcoreシステム;Phrmacia Biosensor AB、Uppsala、Sweden;およびPiscataway、N.J.)、またはELISA(酵素免疫測定アッセイ)などであるがこれらに限定されない各種の技法を用いて検出および/または定量化することができる。例えば、HarlowおよびLane(1988年)、「Antibodies: A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.; Benny K. C. Lo(2004年)、「Antibody Engineering: Methods and Protocols」、Humana Press(ISBN:1588290921); Borrebaek(1992年)、「Antibody Engineering, A Practical Guide」、W.H. Freeman and Co., NY; Borrebaek(1995年)、「Antibody Engineering,」、2版、Oxford University Press、NY, Oxford; Johneら(1993年)、J Immunol Meth、160巻:191〜198頁; Jonssonら(1993年)、Ann Biol Clin、51巻:19〜26頁;ならびにJonssonら(1991年)、Biotechniques、11巻:620〜627頁を参照されたい。
一部の実施形態では、抗CD200抗体が、ヒトCD200タンパク質内にあるか、またはこれと重複するエピトープに結合する別の抗体の結合を交差遮断しうる。一部の実施形態では、抗CD200抗体が、ヒトCD200タンパク質のペプチド断片内にあるか、またはこれと重複するエピトープに結合する別の抗体の結合を交差遮断しうる。ペプチド断片は、例えば、配列番号1〜3のうちのいずれかに示されるアミノ酸配列を有するヒトCD200タンパク質の断片でありうる。本明細書で用いられる「交差遮断抗体」とは、抗CD200抗体の、CD200タンパク質におけるエピトープに対する結合量を、抗体の非存在下における、抗CD200抗体の、該エピトープに対する結合量と比べて低下させる抗体を指す。当技術分野では、第1の抗体が、第2の抗体の、エピトープに対する結合を交差遮断するか否かを決定するのに適する方法が公知である。
当技術分野ではまた、特定の抗体(例えば、抗CD200抗体)が結合するエピトープを同定する方法も公知である。例えば、抗CD200抗体の、CD200タンパク質の複数の(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、15、20、または30以上の)重複ペプチド断片(例えば、配列番号1〜3のうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有するタンパク質の複数の重複断片)に対する結合を測定することにより、該抗体の結合エピトープを同定することができる。次いで、異なる重複ペプチドの各々を、固体支持体上の固有のアドレス、例えば、マルチウェルアッセイプレートの個別のウェルに結合させる。次いで、抗CD200抗体を、ある長さの時間にわたり、かつ、該抗体がそのエピトープに結合することを可能とする条件下で、アッセイプレート内のペプチドの各々に接触させることにより、精査する。ウェルの各々を洗浄することにより、結合しなかった抗CD200抗体を除去する。次いで、プレートのウェル内に存在する場合の抗CD200抗体に結合する、検出可能に標識した二次抗体を、ウェルの各々に接触させ、洗浄するステップにより、結合しなかった二次抗体を除去する。ウェル内の検出可能に標識した二次抗体により発生する検出可能なシグナルの存在または量により、抗CD200抗体が、該ウェルと会合した特定のペプチド断片に結合することを示す。例えば、それらの開示が参照によりそれらの全体において組み込まれる、HarlowおよびLane(前出)、Benny K. C. Lo(前出)、および米国特許出願公開第20060153836号を参照されたい。抗体が結合する特定のエピトープはまた、BIAcoreによるクロマトグラフィー法(例えば、Pharmacia BIAtechnology Handbook、「Epitope Mapping」、6.3.2節(1994年5月);およびJohneら(1993年)J Immunol Methods160巻:191〜8頁)を用いても同定することができる。
一部の実施形態では、本明細書で説明される、抗CD200抗体またはそのCD200結合断片が、細胞表面において発現するヒトCD200ポリペプチドに結合する。当技術分野では、抗体が細胞表面において発現するタンパク質に結合するか否かを決定する方法が公知であり、例えば、Petermannら(2007年)J Clin Invest117巻(12号):3922〜9頁; Rijkersら(2008年)Mol Immunol45巻(4号):1126〜35頁;およびKretz−Rommel(2007年)J Immunol178巻:5595〜605において説明されている。
一部の実施形態では、本明細書で説明される、抗CD200抗体またはそのCD200結合断片が、CD200タンパク質とCD200受容体との相互作用を阻害する。当技術分野では、薬剤(抗体などの)が、CD200とCD200Rとの相互作用を阻害するか否かを決定する方法が公知であり、例えば、HatherleyおよびBarclay(2004年)、Eur J Immunol、34巻(6号):1688〜94頁において説明されている。
一部の実施形態では、抗CD200抗体またはそのCD200結合断片が、in vitroおよび/またはin vivoにおける破骨細胞の形成を阻害する。当技術分野では、抗体が破骨細胞の形成を阻害するか否かを決定するのに適する方法が公知であり、例えば、PCT公開第WO08/089022号、およびCuiら(2007年)、Proc Natl Acad Sci USA、104巻(36号):14436〜14441頁において説明されている。例えば、抗CD200抗体の存在下または非存在下では、例えば、RANKLおよびM−CSFの存在下において、マウス骨髄細胞を培養することができる。抗体の存在下における骨髄細胞から形成される破骨細胞の百分率の、抗体の非存在下において形成される破骨細胞の百分率と比較した低下が、該抗体が、in vitroにおける破骨細胞の形成を阻害することを示す。
内皮細胞などの正常細胞では、がん細胞における発現より低レベルではあるが、CD200が発現するので、一部の実施形態では、ADCCまたはCDCを媒介しないか、またはこれを媒介する能力が低下するように定常領域を改変した、改変体の抗CD200抗体(またはそのCD200結合断片)を投与することが有利でありうるであろう。このような改変は、正常細胞に対する損傷を制限するのに有用であろう。CD200の発現はまた、一部の活性化正常細胞(例えば、活性化T細胞)においても上方制御され、このような細胞を、エフェクター機能を伴う抗CD200抗体による殺滅に対して易傷性としている。エフェクター機能を欠く抗CD200抗体を用いて、ADCCまたはCDCによるこれらの細胞の殺滅を回避することは有利でありうる。エフェクター機能を有する免疫グロブリン定常領域(例えば、IgG1定常ドメイン)を、エフェクター機能を有さない定常領域(例えば、IgG2/IgG4融合体の定常領域)で置換することにより、抗CD200抗体のエフェクター機能を消失させることができる。エフェクター機能を消失させるさらなる方法については、下記で説明する。
エフェクター機能
抗体および抗体−抗原複合体の、免疫系細胞との相互作用は、本明細書でエフェクター機能と称する多様な反応に影響を及ぼす。例示的なエフェクター機能には、Fc受容体の結合、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方制御などが含まれる。他のエフェクター機能には、抗体が、ナチュラルキラー(NK)細胞またはマクロファージにおけるFc受容体に結合し、細胞死をもたらすADCC、および補体カスケードの活性化を介して誘導される細胞死であるCDCが含まれる(Daeron(1997年)、Annu Rev Immunol、15巻:203〜234頁; WardおよびGhetie(1995年)、Therapeutic Immunol、2巻:77〜94頁;ならびにRavetchおよびKinet(1991年)、Annu Rev Immunol、9巻:457〜492頁において総説されている)。このようなエフェクター機能は一般に、Fc領域が結合ドメイン(例えば、抗体の可変ドメイン)と結合することを必要とし、本明細書で開示される各種のアッセイを用いて評価することができる。
ADCCを含めた複数の抗体エフェクター機能は、抗体のFc領域に結合するFc受容体(FcR)を介する。ADCCでは、NK細胞またはマクロファージが、抗体複合体のFc領域に結合し、標的細胞の溶解を促進する。NK細胞におけるFcRによる架橋形成が、パーフォリン/グランザイム介在性細胞傷害を誘発するのに対し、マクロファージにおいては、この架橋形成が、一酸化窒素(NO)、TNF−α、および反応性酸素分子種などのメディエーターの放出を促進する。CD200陽性標的細胞の場合、抗CD200抗体は、標的細胞に結合し、Fc領域は、エフェクター機能を、標的細胞へと方向づける。抗体のFc領域および/または定常領域のアミノ酸配列および/または翻訳後修飾を変化させることにより、該抗体の、特定のFcRに対するアフィニティー、および、これによる、該抗体を介するエフェクター活性を調節することができる。
FcRとは、免疫グロブリンのアイソタイプに対するそれらの特異性により規定されている;IgG抗体に対するFc受容体をFcγRと称し、IgEに対するFc受容体をFcεRと称し、IgAに対するFc受容体をFcαRと称するなどである。FcγRには、3つのサブクラス:FcγRI(CD64)、FcγRII(CD32)、およびFcγRIII(CD16)が同定されている。各FcγRサブクラスは2つまたは3つの遺伝子によりコードされており、代替的なRNAのスプライシングは複数の転写物をもたらすため、FcγRのアイソフォームには広範な多様性が存在する。FcγRIサブクラスをコードする3つの遺伝子(FcγRIA、FcγRIBおよびFcγRIC)は、第1染色体の長腕の1q21.1領域内にクラスター化しており;FcγRIIアイソフォームをコードする遺伝子(FcγRIIA、FcγRIIB、およびFcγRIIC)およびFcγRIIIをコードする2つの遺伝子(FcγRIIIAおよびFcγRIIIB)は全て、1q22領域内にクラスター化している。これらの異なるFcR亜型は、異なる細胞型において発現している(RavetchおよびKinet(1991年)Annu Rev Immunol9巻:457〜492頁において総説されている)。例えば、ヒトでは、FcγRIIIBが好中球だけで見出されるのに対し、FcγRIIIAは、マクロファージ、単球、ナチュラルキラー(NK)細胞、およびT細胞の亜集団において見出される。FcγRIIIAは、ADCCに関与する細胞型の1つであるNK細胞において存在する唯一のFcRであることが注目される。
FcγRI、FcγRII、およびFcγRIIIは、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)受容体であり;FcγRIが、その細胞外ドメイン内に3つのIgSFドメインを有するのに対し、FcγRIIおよびFcγRIIIは、それらの細胞外ドメイン内におけるIgSFドメインが2つだけである。Fc受容体の別の種類は、新生児型Fc受容体(FcRn)である。FcRnは、主要組織適合性複合体(MHC)と構造的に類似しており、β2−マイクログロブリンに非共有結合的に結合するα鎖からなる。
ヒト抗体およびマウス抗体における、FcγRに対する結合部位は、残基233〜239(Kabatら(1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、5版Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、Marylandにおける通りの、EUインデックスによる番号付け)からなる、いわゆる「下流ヒンジ領域」に既にマップされている(Woofら(1986年)Molec Immunol23巻:319〜330頁; Duncanら(1988年)Nature332巻:563頁; CanfieldおよびMorrison(1991年)J Exp Med173巻:1483〜1491頁; Chappelら(1991年)Proc Natl Acad Sci USA88巻:9036〜9040頁)。残基233〜239のうちでは、P238およびS239が、結合に関与している可能性があると言及されている。
FcγRへの結合に関与している可能性がある、既に言及されている他の領域は、ヒトFcγRIに対するG316〜K338(ヒトIgG)(配列の比較だけによる;置換による変異体については評価しなかった)(Woofら(1986年)、Molec Immunol、23巻:319〜330頁);ヒトFcγRIIIに対する(ペプチドに基づく)K274〜R301(ヒトIgG1)(Sarmayら(1984年)、Molec Immunol、21巻:43〜51頁);ヒトFcγRIIIに対する(ペプチドに基づく)Y407〜R416(ヒトIgG)(Gergelyら(1984年)、Biochem Soc Trans、12巻:739〜743頁(1984年));ならびにマウスFcγRIIに対するN297およびE318(マウスIgG2b)(Lundら(1992年)、Molec Immunol、29巻:53〜59頁)である。
ヒトエフェクター細胞とは、1つまたは複数のFcRを発現し、エフェクター機能を果たす白血球である。特定の実施形態では、細胞が、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を果たす。ADCCを媒介するヒト白血球の例には、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、および好中球が含まれる。エフェクター細胞は、それらの天然の供給源、例えば、血液またはPBMCから単離することができる。
CDCでは、抗体−抗原複合体が、補体に結合し、補体カスケードの活性化、および膜攻撃複合体の生成を結果としてもたらす。補体系の第1の成分(C1q)が、それらの同族抗原に結合した抗体(適切なサブクラスの)に結合することを介して、古典的な補体経路の活性化が誘発される;したがって、補体カスケードの活性化は、免疫グロブリンのC1qタンパク質に対する結合アフィニティーにより部分的に制御される。C1qおよび2つのセリンプロテアーゼであるC1rおよびC1sは、CDC経路の第1の成分である複合体C1を形成する。C1qとは、分子量約460,000の6価分子であり、6本のコラーゲンによる「ストーク」が、6つの球形ヘッド領域に接続される構造を伴う(BurtonおよびWoof(1992年)、Advances in Immunol、51巻:1〜84頁)。補体カスケードを活性化させるには、C1qが、抗原性標的に結合した、IgG1、IgG2、またはIgG3のうちの少なくとも2つの分子に結合することが必要であるが、IgM分子では結合する必要のある分子が1つだけである(WardおよびGhetie(1995年)、Therapeutic Immunology、2巻:77〜94頁)。補体の活性化を評価するには、例えば、Gazzano−Santoroら(1996年)、J Immunol Methods、202巻:163頁において説明されているCDCアッセイを実施することができる。
C1qへの結合には、CH2ドメインにおけるGlu318残基、Lys320残基、およびLys322残基、同じベータ螺旋に極めて近接するターンに位置するアミノ酸残基331、下流のヒンジ領域に位置するLys235およびGly237残基、ならびにCH2ドメインのN末端領域に位置する残基231〜238を含め、IgG分子の多様な残基が関与していると提起されている。例えば、Xuら(1993年)、J Immunol、150巻:152A頁;PCT公開第WO94/29351号; Taoら(1993年)、J Exp Med、178巻:661〜667頁; Brekkeら(1994年)、Eur J lmmunol、24巻:2542〜47頁; Burtonら(1980年)、Nature、288巻:338〜344頁;ならびに米国特許第5,648,260号;同第5,624,821号を参照されたい。IgGがC1qに結合し、補体カスケードを活性化する能力はまた、2つのCH2ドメイン間に位置する炭水化物部分(これは通常、Asn297にアンカーされている)の存在、非存在、または修飾に依存することもさらに提起されている。例えば、WardおよびGhetie(1995年)、Therapeutic Immunology、2巻:77〜94頁を参照されたい。特定の実施形態では、本明細書で提供される抗CD200抗体のCDC活性を増強するかまたは低下させるように、これらの残基のうちの1つまたは複数を修飾、置換、または除去することもでき、1つまたは複数のアミノ酸残基を挿入することもできる。
エフェクター機能を低下または消失させる方法
標的特異的な抗体の定常領域に関与するエフェクター領域は、該定常領域またはFc領域の特性を変化させることにより調節することができる。エフェクター機能の変化には、例えば、以下の活性:ADCC、CDC、アポトーシス、1つまたは複数のFc受容体への結合、および炎症促進性反応のうちの1つまたは複数の調節が含まれる。調節とは、対象の抗体により示されるエフェクター機能活性を、第2の抗体の活性と比較して増大、減少、または消失させることを指す。特定の実施形態では、第2の抗体が、改変されていない、天然のエフェクター機能を保有する抗体である。特定の実施形態では、調節は、活性が除去されるか、または完全に存在しない状況を包含する。さらに、場合によっては、非改変体の抗体が、本明細書で開示されるchC2aB7−hG1抗体またはhB7V3V2−hG1抗体の活性と同様または同等なエフェクター機能活性を示しうる。
FcRへの結合アフィニティー、および/またはADCC活性、および/またはCDC活性が変化した改変体定常領域は、FcRへの結合活性、および/またはADCC活性、および/またはCDC活性が、天然ポリペプチドもしくは親ポリペプチド、または天然配列もしくは定常領域を含むポリペプチドと比較して増強または減殺されたポリペプチドである。FcRへの結合を増大させたポリペプチド改変体は、その親ポリペプチドを上回るアフィニティーで、少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの結合を減少させたポリペプチド改変体は、その親ポリペプチドを下回るアフィニティーで、少なくとも1つのFcRに結合する。FcRへの結合を減少させたこのような改変体は、FcRへの測定可能な結合をほとんどまたは全く示さない場合がある、例えば、FcRへの結合が、天然の免疫グロブリンの定常領域またはFc領域の配列によるFcRへの結合レベルと比較して0〜50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)でありうる。同様に、ADCC活性および/またはCDC活性を変化させた改変体の抗CD200抗体は、ADCC活性および/またはCDC活性を、天然ポリペプチドまたは親ポリペプチドと比較して増大または減少させうる。例えば、一部の実施形態では、改変体定常領域を含む抗CD200抗体が、天然形態の定常領域によるADCC活性および/またはCDC活性の約0〜50%(例えば、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)を示しうる。ADCCおよび/またはCDCを低下させた改変体定常領域を含む抗CD200抗体は、本明細書の例により示される通り、ADCCおよび/またはCDC活性を低下させる場合もあり、これを示さない場合もある。
天然配列によるFc領域または定常領域は、天然で見出されるFc領域鎖または定常領域鎖のアミノ酸配列と同一なアミノ酸配列を含む。改変体のFc領域もしくは定常領域、または変化させたFc領域もしくは定常領域は、例えば、少なくとも1つのアミノ酸の修飾、挿入、または欠失により、天然の重鎖領域配列のアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を含む。特定の実施形態では、改変体定常領域または変化させた定常領域が、天然の定常領域配列または親ポリペプチドの定常領域と比較して、少なくとも1つのアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失を有する、例えば、天然の定常領域配列または親ポリペプチドの定常領域において、約1〜約100アミノ酸の置換、挿入、および/または欠失を有する。一部の実施形態では、本明細書における改変体定常領域または変化させた定常領域が、天然の定常領域配列および/または親ポリペプチドの定常領域と、少なくとも約70%の相同性(類似性)または同一性を保有し、ある場合には、これらとの少なくとも約75%の相同性または同一性を保有し、他の場合には、これらとの少なくとも約80%の相同性または同一性を保有し、さらに他の実施形態では、これらとの少なくとも約85%、90%、または95%の相同性または同一性を保有する。改変体定常領域または変化させた定常領域はまた、1つまたは複数のアミノ酸の欠失または挿入も含有する場合がある。加えて、改変体定常領域は、例えば、グリコシル化パターンの変化を含め、翻訳後修飾の変化を結果としてもたらす、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失、または挿入を含有しうる。
エフェクター機能が変化したかまたはエフェクター機能がない抗体またはそれらの抗原結合断片は、改変体定常領域、Fc領域、または重鎖領域を伴う抗体を操作するかまたは生成させることにより作製することができ;組換えDNA法、ならびに/または細胞培養条件および発現条件を用いて、機能および/または活性を変化させた抗体を生成させることができる。例えば、組換えDNA法を用いて、エフェクター機能を含めた抗体機能に影響を及ぼす領域(例えば、Fc領域または定常領域などの領域)において、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠失、または挿入を操作することができる。代替的に、抗体を生成させる細胞培養条件および発現条件を操作することによっても、例えば、グリコシル化パターンなど、翻訳後修飾の変化を達成することができる。
したがって、本開示の特定の態様および方法は、1つまたは複数のアミノ酸の置換、挿入、および/または欠失を含む、エフェクター機能が変化した抗CD200抗体に関する。一部の実施形態では、このような改変体の抗CD200抗体は、エフェクター機能が低下しているかまたはエフェクター機能を示さない。一部の実施形態では、改変体の抗体が、G2/G4ハイブリッド定常領域(例えば、Burtonら(1992年)Adv Immun51巻:1〜18頁; Canfieldら(1991年)J Exp Med173巻:1483〜1491頁;およびMuellerら(1997年)Mol Immunol34巻(6号):441〜452頁を参照されたい)など、ハイブリッドの定常領域またはその一部を含む。例えば(およびKabatの番号付けに従い)、IgG1およびIgG4の定常領域が、G249G250残基を含有するのに対し、IgG2の定常領域は、残基249を含有せずに、G250を含有する。249〜250領域がG2配列に由来するG2/G4ハイブリッド定常領域では、249位にグリシン残基を導入するように定常領域をさらに修飾して、G249/G250を有するG2/G4融合体を生成させることができる。
上記で説明したG2/G4構築物を用いることに加えて、抗CD200抗体の特定の領域のアミノ酸配列に他の種類の変化を導入することによっても、エフェクター機能が低下した抗CD200抗体を生成させることができる。このようなアミノ酸配列の変化には、例えば、PCT公開第WO94/28027号および同第WO98/47531号;ならびにXuら(2000年)Cell Immunol200巻:16〜26頁において説明されている、Ala−Ala変異が含まれるがこれに限定されない。したがって、一部の実施形態では、Ala−Ala変異を含め、定常領域内に変異を伴う抗CD200抗体を用いて、エフェクター機能を低下または消失させることができる。これらの実施形態によれば、抗CD200抗体の定常領域は、234位におけるアラニンへの変異、または235位におけるアラニンへの変異を含む。加えて、定常領域は、二重の変異:234位におけるアラニンへの変異、および235位におけるアラニンへの第2の変異も含みうる。一実施形態では、抗CD200抗体が、Ala−Ala変異により、234位におけるフェニルアラニンからアラニンへの変異、および/または235位におけるロイシンからアラニンへの変異が説明されるIgG4フレームワークを含む。別の実施形態では、抗CD200抗体が、Ala−Ala変異により、234位におけるロイシンからアラニンへの変異、および/または235位におけるロイシンからアラニンへの変異が説明されるIgG1フレームワークを含む。代替的に、または加えて、抗CD200抗体は、CH2ドメインにおける点変異であるK322Aを含めた他の変異も保有しうる(Hezarehら(2001年)、J Virol、75巻:12161〜8頁)。定常領域内に前記の変異(複数可)を伴う抗体はさらに、遮断抗体の場合もあり、非遮断抗体の場合もある。
ヒンジ領域内の変化はまた、エフェクター機能にも影響を及ぼしうる。例えば、ヒンジ領域を欠失させると、Fc受容体に対するアフィニティーを低下させることができ、補体活性を低下させることができる(Kleinら(1981年)、Proc Natl Acad Sci USA、78巻:524〜528頁)。したがって、本開示はまた、ヒンジ領域内に変化を伴う抗体にも関する。
一部の実施形態では、抗CD200抗体を修飾して、補体依存性細胞傷害(CDC)を増強または阻害することができる。CDC活性の調節は、抗体のFc領域に1つまたは複数のアミノ酸の置換、挿入、または欠失を導入することにより達成することができる。例えば、米国特許第6,194,551号を参照されたい。代替的に、または加えて、Fc領域にシステイン残基(複数可)を導入し、これにより、この領域における鎖間ジスルフィド結合を形成させることもできる。このようにして生成させたホモ二量体による抗体は、内部化能を向上もしくは低下し、かつ/または補体媒介性細胞殺滅を増大もしくは減少させうる。例えば、Caronら(1992年)、J Exp Med、176巻:1191〜1195頁;およびShopes(1992年)、Immunol、148巻:2918〜2922頁;PCT公開第WO99/51642号;および同第WO94/29351号; DuncanおよびWinter(1988年)、Nature、322巻:738〜40頁;ならびに米国特許第5,648,260号;および同第5,624,821号を参照されたい。また、Wolffら(1993年)、Cancer Research、53巻:2560〜2565頁において説明されている、ヘテロ二官能性架橋形成剤を用いて、抗腫瘍活性を増強したホモ二量体による抗体を調製することもできる。代替的に、二重のFc領域を有し、これにより、補体による溶解能およびADCC能を増強した抗体を操作することもできる。例えば、Stevensonら(1989年)、Anti−Cancer Drug Design、3巻:219〜230頁を参照されたい。
抗体のエフェクター機能を調節する別の潜在的な手段には、例えば、Raju(2003年)、BioProcess International、1巻(4号):44〜53頁において概括されているグリコシル化の変化が含まれる。WrightおよびMorrison((1997年)、TIBTECH、15巻:26〜32頁)によれば、ヒトIgGにおけるオリゴ糖の微不均一性は、CDCおよびADCC、各種のFc受容体への結合、およびC1qタンパク質への結合など、生物学的機能に影響を及ぼしうる。抗体のグリコシル化パターンは、生成細胞および細胞培養条件に応じて変化しうる(Raju、前出)。このような差違は、エフェクター機能および薬物動態のいずれにおける変化ももたらしうる。例えば、Israelら(1996年)、Immunology、89巻(4号):573〜578頁; Newkirkら(1996年)、Clin Exp Immunol、106巻(2号):259〜64頁を参照されたい。エフェクター機能の差違は、IgGが、エフェクター細胞におけるFcγ受容体(FcγR)に結合する能力に関しうる。Shieldsら((2001年)、J Biol Chem、276巻(9号):6591〜604頁)は、アミノ酸配列内にFcγRへの結合を改善した改変体を伴うIgGが、ヒトエフェクター細胞を用いるADCCを、最大100%増強しうることを示している。これらの改変体は、結合のインターフェースでは見出されないアミノ酸の変化を含むが、糖成分の性質、およびその構造パターンのいずれもが、観察される差違にもまた寄与しうる。加えて、IgGのオリゴ糖成分におけるフコースの存在または非存在も、結合およびADCCを改善しうる。例えば、Shieldsら(2002年)、J Biol Chem、277巻(30号):26733〜40頁を参照されたい。Asn297に結合したフコシル化炭水化物を欠くIgGがFcγRI受容体に対して示す結合は正常であった。これに対し、FcγRIIIA受容体への結合は、とりわけ、抗体濃度を低くした場合であっても50倍改善され、ADCCの増強がこれに随伴した。
Shinkawaらは、ラットのハイブリドーマにより生成させるヒトIL−5受容体に対する抗体が、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)により生成させる抗体と比較して、ADCCを50%超増大させることを示した(Shinkawaら(2003年)、J Biol Chem、278巻(5号):3466〜73頁)。単糖組成およびオリゴ糖のプロファイリングは、ラットのハイブリドーマにより生成させるIgGのフコース含量が、CHOにより生成させたタンパク質のフコース含量より低量であることを示した。本発明者らは、IgG1のフコシル化の欠如が、ADCC活性の増強において極めて重要な役割を有すると結論付けた。
キメラIgG1による抗神経芽腫抗体であるchCE7のグリコシル化パターンを変化させたUmanaら(1999年)Nat Biotechnol17巻(2号):176〜80頁は、異なる手法をとった。テトラサイクリンを用いて、彼らは、ADCC活性に関与しているオリゴ糖を二分する、グリコシルトランスフェラーゼ酵素(GnTIII)の活性を制御した。親抗体のADCC活性は、バックグラウンドのレベルを超えることがまれであった。異なるテトラサイクリンレベルで生成するchCE7のADCC活性を測定することにより、in vitroにおけるchCE7による最大のADCC活性に最適なGnTIIIの発現範囲が示された。この活性は、定常領域と関連する、二分された複合体オリゴ糖のレベルと相関する。新規に最適化した改変体は、実質的なADCC活性を示した。同様に、WrightおよびMorrison(1994年)J Exp Med 180巻:1087〜1096頁は、グリコシル化を欠損するCHO細胞系により抗体を生成させ、この細胞系により生成させた抗体には、補体媒介性細胞溶解作用が不可能であることを示した。したがって、エフェクター機能に影響を及ぼす公知の変化には、グリコシル化パターンの修飾、またはグリコシル化残基数の変化が含まれるので、本開示は、ADCCおよびCDCを含め、エフェクター機能(複数可)を増強するかまたは減殺するように変化させたCD200抗体に関する。グリコシル化の変化には、グリコシル化残基数の減少または増大のほか、グリコシル化残基のパターンまたは位置の変化も含まれる。
抗体のエフェクター機能を変化させるための、さらに他の手法も存在する。例えば、抗体生成細胞を超変異誘発性とし、これにより、抗体分子の全体において、ポリペプチド残基が無作為に変化した抗体を生成させることができる。例えば、PCT公開第WO05/011735号を参照されたい。超変異誘発性宿主細胞には、DNAのミスマッチ修復を欠損した細胞が含まれる。このようにして生成させた抗体は、抗原性を低下させ、かつ/または有益な薬物動態特性を有する可能性がある。加えて、このような抗体は、エフェクター機能(複数可)の増強または減殺などの特性についても選択することができる。
エフェクター機能は、抗体の結合アフィニティーに応じて変化しうることも、さらに理解される。例えば、高アフィニティーの抗体は、比較的低アフィニティーの抗体と比較して、補体系を活性化するのにより有効でありうる(Marzocchi−Machadoら(1999年)、Immunol Invest、28巻:89〜101頁)。したがって、その抗原に対する結合アフィニティーを低下させる(例えば、1つまたは複数のアミノ酸残基を置換、付加、または欠失させることなどの方法を介して、抗体の可変領域を変化させることにより)ように、抗体を変化させることができる。結合アフィニティーを低下させた抗CD200抗体は、例えば、ADCCおよび/またはCDCの低下を含め、エフェクター機能を低下させうる。
医薬組成物および医薬製剤
抗CD200抗体を含有する組成物は、例えば、ヒトに投与してがんを処置するための医薬組成物として調製することができる。医薬組成物は一般に、薬学的に許容されるキャリアを含む。本明細書で用いられる「薬学的に許容されるキャリア」とは、生理学的に適合性である、任意の、かつ、全ての溶媒、分散媒、被覆、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを指し、これらが含まれる。組成物は、薬学的に許容される塩、例えば、酸添加塩または塩基添加塩を含むことが可能である。例えば、Bergeら(1977年)、J Pharm Sci、66巻:1〜19頁を参照されたい。
組成物は、標準的な方法により調製することができる。医薬製剤は、十分に確立された技術分野であり、例えば、Gennaro(2000年)、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」、20版、Lippincott, Williams & Wilkins(ISBN:0683306472); Anselら(1999年)、「Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems」、7版、Lippincott Williams & Wilkins Publishers(ISBN:0683305727);およびKibbe(2000年)、「Handbook of Pharmaceutical Excipients American Pharmaceutical Association」、3版(ISBN:091733096X)においてさらに説明されている。一部の実施形態では、組成物を、例えば、濃度が適切な、2〜8℃での保存に適する緩衝液として調合することができる。一部の実施形態では、組成物を、0℃未満の温度(例えば、−20℃または−80℃)で保存するように調合することができる。
医薬組成物は、多様な形態でありうる。これらの形態には、例えば、液体の溶液(例えば、注射溶液および注入溶液)、分散液または懸濁液、錠剤、丸薬、粉末、リポソーム、および坐剤など、液体、半固体、および固体の剤形が含まれる。好ましい形態は、部分的に、意図される投与および治療適用の方式に依存する。例えば、全身送達または局所送達を意図される、抗CD200抗体を含有する組成物は、注射溶液または注入溶液の形態でありうる。したがって、組成物は、非経口方式(例えば、静脈内注入、皮下注入、腹腔内注入、または筋肉内注入)により投与するために調合することができる。本明細書で用いられる、「非経口投与」、「非経口投与される」、および他の文法的に同等な語句は、通常は注射を介し、静脈内注射および静脈内注入、鼻腔内注射および鼻腔内注入、眼内注射および眼内注入、肺内注射および肺内注入、筋肉内注射および筋肉内注入、動脈内注射および動脈内注入、髄腔内注射および髄腔内注入、関節包内注射および関節包内注入、眼窩内注射および眼窩内注入、心腔内注射および心腔内注入、皮内注射および皮内注入、肺内注射および肺内注入、腹腔内注射および腹腔内注入、経気管注射および経気管注入、皮下注射および皮下注入、表皮下注射および表皮下注入、関節内注射および関節内注入、被膜下注射および被膜下注入、くも膜下注入およびくも膜下注射、脊髄内注射および脊髄内注入、硬膜外注射および硬膜外注入、脳内注射および脳内注入、頭蓋内注射および頭蓋内注入、頸動脈内注射および頸動脈内注入、ならびに胸骨内注射および胸骨内注入が含まれるがこれらに限定されない、経口投与および局所投与以外の投与方式を指す(下記を参照されたい)。
組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、分散液、リポソーム、または高濃度での安定的な保存に適する他の秩序構造として調合することができる。滅菌注射溶液は、必要に応じて、上記で列挙した成分のうちの1つまたは組合せと共に、適切な溶媒中に必要量で、本明細書で説明される抗体を組み込んだ後、濾過滅菌を行うことにより調製することができる。一般に、分散液は、本明細書で説明されるCD200抗体を、基本分散媒、および上記で列挙した成分による、必要とされる他の成分を含有する滅菌媒体へと組み込むことにより調製する。滅菌注射溶液を調製するための滅菌粉末の場合、調製法は、本明細書で説明される抗体、および既に滅菌濾過されたその溶液に由来する、さらなる所望の成分による粉末をもたらす、真空乾燥させるステップと、凍結乾燥させるステップとを含む。溶液の適正な流動性は、例えば、レシチンなどの被覆を用いることにより、分散液の場合には、必要とされる粒子サイズを維持することにより、かつ、界面活性剤を用いることにより維持することができる。注射用組成物の遅延吸収は、吸収を遅延させる試薬、例えば、モノステアリン酸塩およびゼラチンを組成物中に組み込むことによりもたらすことができる。
特定の実施形態では、抗CD200抗体を、インプラントおよびマイクロカプセル化送達系を含めた、制御放出製剤など、急速放出に対して化合物を保護するキャリアと共に調製することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸など、生体分解性の生体適合性ポリマーを用いることができる。当技術分野では、このような製剤を調製するための多くの方法が公知である(例えば、J.R. Robinson(1978年)、「Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems」、Marcel Dekker, Inc.、New Yorkを参照されたい)。
一部の実施形態では、本明細書で説明される抗体を、ヒトなどの哺乳動物への肺内投与に適する(例えば、噴霧器を介する投与に適する)組成物中に調合することができる。当技術分野では、このような組成物を調製する方法が周知であり、例えば、それらの各々の開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20080202513号;米国特許第7,112,341号;および同第6,019,968号;ならびにPCT公開第WO00/061178号;および同第WO06/122257号において説明されている。乾燥粉末による吸入用製剤、および該製剤を投与するのに適するシステムについては、例えば、米国特許出願公開第20070235029号、PCT公開第WO00/69887号;および米国特許第5,997,848号において説明されている。
一部の実施形態では、本明細書で説明される抗CD200抗体を、例えば、循環、例えば、血液、血清、または他の組織におけるその安定化および/または保持を改善する部分により修飾することができる。安定化部分は、抗体の安定性または保持を、少なくとも1.5倍(例えば、少なくとも2、5、10、15、20、25、30、40、または50倍以上)改善しうる。
一部の実施形態では、本明細書で説明されるCD200抗体を、がんを処置するか、またはその症状を改善するのに有用な、1つまたは複数のさらなる活性薬剤と共に調合することができる。例えば、抗CD200抗体は、遺伝子毒性剤もしくは化学療法剤、または1もしくは複数のキナーゼ阻害剤と共に調合することができる。遺伝子毒性剤または化学療法剤は、カルボプラチン、プロカルバジン、メクロレタミン、シクロホスファミド、カンプトテシン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ニトロソウレア(nitrosurea)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、プリカマイシン(plicomycin)、マイトマイシン、エトポシド、ポドフィロトキシン、タキソール、サトラプラチン(satraplatinum)、5−フルオロウラシル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、メトトレキサート、アラ−C、タキソテール、ゲムシタビン、シスプラチン(CDDP)、アドリアマイシン(ADR)、または上述のもののうちのいずれかの類似体でありうるがこれらに限定されない。キナーゼ阻害剤には、例えば、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、メシル酸イマチニブ、またはリンゴ酸スニチニブのうちの1つまたは複数が含まれる。当技術分野では、さらなる薬剤が公知であり、本明細書でもこれらについて説明する。
抗CD200抗体を第2の活性薬剤と組み合わせて用いるか、または2つ以上の異なる抗CD200抗体を用いる場合、該薬剤は、個別に調合することもでき、併せて調合することもできる。例えば、個々の医薬組成物は、例えば、投与の直前に混合し、併せて投与することもでき、例えば、同時に、または異なる時点で、個別に投与することもできる(下記を参照されたい)。
上記で説明した通り、それが治療有効量の抗CD200抗体を含むように組成物を調合することもでき、その成分が、全体として、がんを処置するのに治療的に有効であるよう、治療量未満の抗体、および治療量未満の1つまたは複数のさらなる活性薬剤を含むように組成物を調合することもできる。一部の実施形態では、組み合わせた抗体が、ヒトにおけるがんを処置するのに治療的に有効な濃度であるよう、各々が治療用量未満である2つ以上の抗CD200抗体を含むように、組成物を調合することができる。当技術分野では、抗CD200抗体の治療有効量を決定する方法が公知であり、本明細書でもこれらについて説明する。
抗CD200抗体を生成させる方法
当技術分野では、本開示に従い抗CD200抗体またはそのCD200結合断片を生成させるのに適する方法が公知であり(例えば、それらの各々の開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第7,427,665号;同第7,435,412号;および同第7,408,041号を参照されたい)、本明細書でもこれらについて説明する。例えば、ヒトCD200発現細胞、ヒトCD200ポリペプチド、またはヒトCD200ポリペプチドの抗原性断片を免疫原として用い、これにより、抗体生成細胞が由来する動物において免疫反応をもたらして、抗CD200モノクローナル抗体を生成させることができ、このモノクローナル抗体を単離することができる。このような抗体の配列を決定することができ、組換え法によりこのような抗体またはそれらの改変体を生成させることができる。組換え法を用いて、CD200に結合することが可能なモノクローナル抗体ならびにポリペプチドまたはこれらの断片の配列に基づき、キメラ抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体を生成させることができる。
さらに、CD200発現細胞、またはそれらに由来するポリペプチドを、標的特異性に基づいて抗体またはポリペプチドを単離するためのベイトとして用いて、組換えライブラリーに由来する抗体(「ファージ抗体」)を選択することができる。非ヒト抗CD200抗体およびキメラ抗CD200抗体の生成および単離は、十分に当業者の専門分野内にある。
組換えDNA法を用いて、非ヒト細胞において生成させた抗体の1つまたは複数の特徴を修飾することができる。このようにして、診断適用または治療適用におけるそれらの免疫原性を減殺するために、キメラ抗体を構築することができる。さらに、CDRの移植、および、場合によって、フレームワークの修飾を介して抗体をヒト化することにより、免疫原性を最小化することができる。それらの各々の内容が、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,225,539号;および同第7,393,648号を参照されたい。
抗体は、動物の血清から得ることもでき、モノクローナル抗体またはそれらの断片の場合は、細胞培養物中で生成させることもできる。細菌細胞の培養物、または好ましくは哺乳動物細胞の培養物における手順を含めた、確立された手順に従い、組換えDNA法を用いて、抗体を生成させることができる。選択された細胞培養系は、抗体生成物を分泌することが好ましい。
別の実施形態では、本明細書で開示される抗体を生成させるための工程が、ハイブリッドベクターにより形質転換された宿主、例えば、E.coli細胞または哺乳動物細胞を培養するステップを含む。このベクターは、適正なリーディングフレーム内で、抗体タンパク質をコードする第2のDNA配列へと連結された、シグナルペプチドをコードする第1のDNA配列へと作動可能に連結されたプロモーターを含有する、1つまたは複数の発現カセットを含む。次いで、抗体タンパク質を回収および単離する。場合によって、発現カセットは、各々が個別に、適正なリーディングフレーム内でシグナルペプチドに作動可能に連結された、抗体タンパク質をコードするポリシストロニックの(例えば、バイシストロニックの)DNA配列に作動可能に連結されたプロモーターを含みうる。
in vitroにおけるハイブリドーマ細胞または哺乳動物宿主細胞の増殖は、場合によって、哺乳動物の血清(例えば、ウシ胎仔血清)または微量元素、および増殖を持続させる補充物質(例えば、正常マウスの腹腔滲出細胞、脾臓細胞、骨髄マクロファージ、2−アミノエタノール、インスリン、トランスフェリン、低密度リポタンパク質、オレイン酸などのフィーダー細胞)を補充した、従来の標準的な培養培地(例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)またはRPMI 1640培地など)を包含する、適切な培養培地中で実施する。細菌細胞または酵母細胞である宿主細胞の増殖もまた、当技術分野で公知の適切な培養培地中で実施する。例えば、細菌の適切な培養培地には、LE培地、NZCYM培地、NZYM培地、NZM培地、TB(Terrific Broth)培地、SOB培地、SOC培地、2倍濃度のYT培地、またはM9最小培地が含まれる。酵母では、適切な培養培地に、YPD培地、YEPD培地、最小培地、または完全最小ドロップアウト培地が含まれる。
in vitroにおける生成は、比較的純粋な抗体調製物を生成させ、所望の抗体を大量にもたらすスケールアップ生成を可能とする。当技術分野では、細菌細胞、酵母細胞、植物細胞、または哺乳動物細胞を培養する技法が公知であり、これらには、均質懸濁液培養(例えば、エアリフト反応器、または連続撹拌反応器における)、および固定化細胞培養または捕捉細胞培養(例えば、中空糸、マイクロカプセル、アガロースによるマイクロビーズ、またはセラミックによるカートリッジ)が含まれる。
また、in vivoにおいて哺乳動物細胞を増殖させることにより、所望の抗体を大量に得ることもできる。この目的で、所望の抗体を生成させるハイブリドーマ細胞を組織適合性の哺乳動物へと注射し、抗体生成腫瘍の増殖を引き起こす。場合によって、注射の前に、炭水化物、とりわけ、プリスタン(テトラメチル−ペンタデカン)などの鉱油で動物をプライミングする。1〜3週間後、これらの哺乳動物の体液から抗体を単離する。例えば、適切な骨髄腫細胞の、Balb/cマウスに由来する抗体生成脾臓細胞との融合体により得られるハイブリドーマ細胞、または所望の抗体を生成させるハイブリドーマ細胞系であるSp2/0に由来するトランスフェクト細胞を、場合によって、プリスタンで前処理したBalb/cマウスへと腹腔内注射する。1〜2週間後に、これらの動物から腹水を採取する。
前出の技法および他の技法は、例えば、それらの開示が参照により本明細書に全て組み込まれる、KohlerおよびMilstein(1975年)、Nature、256巻:495〜497頁;米国特許第4,376,110号; HarlowおよびLane、「Antibodies: a Laboratory Manual」、(1988年)、Cold Spring Harborにおいて論じられている。組換え抗体分子を調製する技法については、上記の参考文献、およびまた、例えば、それらの各々の内容が、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、WO97/08320;米国特許第5,427,908号;米国特許第5,508,717号; Smith(1985年)、Science、225巻:1315〜1317頁; ParmleyおよびSmith(1988年)、Gene、73巻:305〜318頁; De La Cruzら(1988年)、J Biol Chem、263巻:4318〜4322頁;米国特許第5,403,484号;米国特許第5,223,409号;WO88/06630;WO92/15679;米国特許第5,780,279号;米国特許第5,571,698号;米国特許第6,040,136号; Davisら(1999年)、Cancer Metastasis Rev、18巻(4号):421〜5頁;およびTaylorら(1992年)、Nucleic Acids Res、20巻:6287〜6295頁; Tomizukaら(2000年)、Proc Natl Acad Sci USA、97巻(2号):722〜727頁においても説明されている。
細胞培養物上清を、所望の抗体を求めて、CD200発現細胞の免疫蛍光染色により、免疫ブロット法により、酵素免疫アッセイ、例えば、サンドウィッチアッセイもしくはドットアッセイ、またはラジオイムノアッセイにより選択的に(preferentially)スクリーニングする。
抗体を単離するには、培養物上清中または腹水中の免疫グロブリンを、例えば、硫酸アンモニウムを伴う沈殿により、ポリエチレングリコールなどの吸湿性物質に対する透析により、選択性膜を介する濾過などにより濃縮することができる。必要であり、かつ/または所望である場合は、通常のクロマトグラフィー法、例えば、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、DEAE−セルロースによるクロマトグラフィー、および/または(免疫)アフィニティークロマトグラフィー、例えば、CD200発現細胞系に由来する1もしくは複数の表面ポリペプチド、または合成によるCD200断片ペプチド、またはプロテインAもしくはプロテインGを伴うアフィニティークロマトグラフィーにより抗体を精製する。
別の実施形態は、適切な哺乳動物において、ヒトCD200タンパク質を指向する抗体を分泌する細菌細胞系を調製する工程を提供する。例えば、CD200発現組織もしくはCD200発現細胞、またはCD200ポリペプチドもしくはその断片からプールされた試料で、ウサギを免疫化する。当技術分野で周知の方法(例えば、参照により本明細書に組み込まれる各種の参考文献において開示される方法など)に従い、免疫化されたウサギから作製されるファージディスプレイライブラリーを、所望の抗体について構築およびパニングする。
また、モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞も開示される。好ましいハイブリドーマ細胞は、遺伝子的に安定で、所望の特異性を有する、本明細書で説明されるモノクローナル抗体を分泌し、in vitroにおける融解および増殖により十分に凍結させた培養物から増殖させることもでき、in vivoにおける腹水として増殖させることもできる。
別の実施形態では、ヒトCD200タンパク質に対するモノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマ細胞系を調製する工程を提供する。この工程では、適切な哺乳動物、例えば、Balb/cマウスを、CD200の1つまたは複数のポリペプチドまたは抗原性断片で免疫化する場合もあり、CD200発現細胞に由来する1もしくは複数のポリペプチドもしくは抗原性断片、CD200発現細胞自体、または説明した精製ポリペプチドを含有する抗原性キャリアで免疫化する場合もある。免疫化された哺乳動物の抗体生成細胞を、培養物中で短期間にわたり増殖させるか、または適切な骨髄腫細胞系の細胞と融合させる。融合体において得られるハイブリッド細胞をクローニングし、所望の抗体を分泌する細胞クローンを選択する。例えば、ヒトCD200のタンパク質断片で免疫化したBalb/cマウスの脾臓細胞を、骨髄腫細胞系であるPAI細胞または骨髄腫細胞系であるSp2/0−Ag14細胞と融合させる。次いで、得られたハイブリッド細胞を、所望の抗体の分泌についてスクリーニングし、陽性のハイブリドーマ細胞をクローニングする。
ハイブリドーマ細胞系を調製する方法は、ヒトCD200のペプチド断片を、数カ月間、例えば、2〜4カ月間にわたり、複数回、例えば、4〜6回、皮下注射および/腹腔内注射することにより、Balb/cマウスを免疫化するステップを含む。最終回の注射の2〜4日後に、免疫化したマウスから脾臓細胞を採取し、融合プロモーター、好ましくはポリエチレングリコールの存在下で、骨髄腫細胞系であるPAI細胞と融合させる。骨髄腫細胞を、約30%〜約50%の、分子量約4000のポリエチレングリコールを含有する溶液中で、3倍〜20倍過剰の、免疫化したマウスに由来する脾臓細胞と融合させることが好ましい。融合の後、通常の骨髄腫細胞が、所望のハイブリドーマ細胞を凌駕して増殖することを防止する目的で、選択培地、例えば、HAT培地を定期的な間隔で補充した、前出で説明した適切な培養培地中で細胞を増殖させる。
抗体およびそれらの断片は、「キメラ体」でありうる。キメラ抗体およびそれらの抗原結合断片は、2つ以上の異なる種(例えば、マウスおよびヒト)に由来する部分を含む。キメラ抗体は、所望の特異性を有するマウス可変領域を、ヒト遺伝子の定常ドメインセグメントへとスプライシングして生成させることができる(例えば、米国特許第4,816,567号)。このようにして、非ヒト抗体を改変して、ヒトへの臨床適用(例えば、ヒト対象におけるがんを治療または予防する方法)により適するようにすることができる。
本開示によるモノクローナル抗体には、非ヒト(例えば、マウス)抗体の「ヒト化」形態が含まれる。ヒト化mAbまたはCDR移植mAbは、マウス抗体のように急速に循環からクリアランスされず、典型的には有害な免疫反応を引き起こすことがないため、ヒトに対する治療剤として特に有用である。一般に、ヒト化抗体は、非ヒト供給源に由来する1つまたは複数のアミノ酸残基をその中に導入している。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「移入」残基と称することが多く、「移入」可変ドメインから採取することが典型的である。当技術分野では、ヒト化抗体を調製する方法が一般に周知である。例えば、ヒト化は、本質的に、Winterら(例えば、Jonesら(1986年)、Nature、321巻:522〜525頁; Riechmannら(1988年)、Nature、332巻:323〜327頁;およびVerhoeyenら(1988年)、Science、239巻:1534〜1536頁)の方法に従い、げっ歯動物のCDRまたはCDR配列を、対応するヒト抗体の配列で置換することにより実施することができる。また、例えば、Staelensら(2006年)、Mol Immunol、43巻:1243〜1257頁も参照されたい。一部の実施形態では、非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態が、ヒト抗体(レシピエント抗体)の超可変(CDR)領域残基が、所望の特異性、アフィニティー、および結合能を有する、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長動物などの非ヒト種(ドナー抗体)に由来する超可変領域残基により置換されたヒト抗体である。場合によってはまた、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域残基も、対応する非ヒト残基で置換する(いわゆる「復帰変異」)。加えて、抗体配列内の選択された位置においてアミノ酸を変化させるのに、ファージディスプレイライブラリーを用いることもできる。ヒト化抗体の特性はまた、ヒトフレームワークの選択によっても影響を受ける。さらに、例えば、アフィニティー機能またはエフェクター機能などの抗体特性をさらに改善するために、レシピエント抗体またはドナー抗体には見出されない残基を含むように、ヒト化抗体およびキメラ化抗体を改変することもできる。
本開示ではまた、完全ヒト抗体も提供される。「ヒト抗体」という用語は、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域(存在する場合)を有する抗体を包含する。ヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列によってはコードされないアミノ酸残基(例えば、in vitroにおける無作為的な変異誘発もしくは部位特異的な変異誘発により導入された変異、またはin vivoにおける体細胞変異誘発により導入された変異)を含みうる。しかし、「ヒト抗体」という用語は、マウスなど、別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列を、ヒトフレームワーク配列に移植した抗体(すなわち、ヒト化抗体)は包含しない。完全ヒト抗体またはヒト抗体は、ヒト抗体遺伝子(V(variable)領域、D(diversity)領域、J(joining)領域、およびC(constant)領域のエクソンを保有するヒト抗体遺伝子)を保有するトランスジェニックマウスから誘導することもでき、ヒト細胞から誘導することもできる。例えば、今日では、免疫化すると、内因性の免疫グロブリン生成の非存在下において、ヒト抗体の完全なレパートリーを生成することが可能なトランスジェニック動物(例えば、マウス)を作製することが可能である。例えば、Jakobovitsら(1993年)、Proc Natl Acad Sci USA、90巻:2551頁; Jakobovitsら(1993年)、Nature、362巻:255〜258頁; Bruggemannら(1993年)、Year in Immunol、7巻:33頁;およびDuchosalら(1992年)、Nature、355巻:258頁を参照されたい。トランスジェニックマウス株を、再構成されていないヒト免疫グロブリン遺伝子に由来する遺伝子配列を含有するように操作することができる。ヒト配列は、ヒト抗体の重鎖および軽鎖の両方をコードすることが可能であり、ヒトにおける抗体レパートリーに類似する広範な抗体レパートリーを生成する再構成を経れば、マウスにおいても適正に機能するであろう。トランスジェニックマウスを、標的タンパク質(例えば、ヒトCD200タンパク質、その断片、またはCD200タンパク質を発現する細胞)で免疫化して、特異的抗体およびそれらをコードするRNAの多様なアレイを創出することができる。次いで、このような抗体の抗体鎖成分をコードする核酸を、動物からディスプレイベクターへとクローニングすることができる。典型的には重鎖配列および軽鎖配列をコードする核酸の個別集団をクローニングし、次いで、ベクターの所与の任意のコピーが、重鎖および軽鎖の無作為的な組合せを受容するように、該個別集団を、ベクターへの挿入時に組み換える。抗体鎖が、ベクターを含有するディスプレイパッケージの外部表面上でアセンブリーおよびディスプレイされうるようにベクターをデザインして、抗体鎖を発現させる。例えば、抗体鎖は、ファージの外部表面に由来するファージのコートタンパク質との融合タンパク質として発現させることができる。その後、標的に結合する抗体のディスプレイについて、ディスプレイパッケージをスクリーニングすることができる。
加えて、ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリーから誘導することもできる(Hoogenboomら(1991年)J Mol Biol227巻:381頁; Marksら(1991年)J Mol Biol222巻:581〜597頁;およびVaughanら(1996年)Nature Biotech14巻:309頁(1996年))。合成のヒト抗体V領域の無作為化された組合せを用いる、合成ファージライブラリーを創出することができる。抗原について選択することにより、V領域の性質が極めてヒト様である完全ヒト抗体を作製することができる。例えば、それらの各々の内容が、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第6,794,132号;同第6,680,209号;同第4,634,666号;およびOstbergら(1983年)Hybridoma2巻:361〜367頁を参照されたい。
ヒト抗体を生成させるにはまた、それらの開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Mendezら(1998年)Nature Genetics15巻:146〜156頁、ならびにGreenおよびJakobovits(1998年)J Exp Med188巻:483〜495頁も参照されたい。ヒト抗体は、米国特許第5,939,598号;同第6,673,986号;同第6,114,598号;同第6,075,181号;同第6,162,963号;同第6,150,584号;同第6,713,610号;および同第6,657,103号のほか、米国特許出願公開第20030229905A1号;同第20040010810A1号;同第20040093622A1号;同第20060040363A1号;同第20050054055A1号;同第20050076395A1号;および同第20050287630A1号においてもさらに論じられ、詳述されている。また、国際特許出願公開第WO94/02602号、同第WO96/34096号、および同第WO98/24893号、ならびに欧州特許第EP0463151B1号も参照されたい。上記で引用された特許、出願、および参考文献の各々の開示は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。
代替的な手法では、GenPharm International,Inc.を含めた他の研究者らが、「ミニ遺伝子座」法を用いている。ミニ遺伝子座法では、Ig遺伝子座に由来する断片(個別の遺伝子)を組み入れることにより、外因性のIg遺伝子座を模倣する。したがって、1つまたは複数のVH遺伝子、1つまたは複数のDH遺伝子、1つまたは複数のJH遺伝子、ミュー定常領域、および第2の定常領域(好ましくは、ガンマ定常領域)を、構築物へと形成して、動物へと挿入する。この手法は、例えば、それらの開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第5,625,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号;同第5,661,016号;同第5,770,429号;同第5,789,650号;同第5,814,318号;同第5,591,669号;同第5,612,205号;同第5,721,367号;同第5,789,215号;同第5,643,763号;同第5,569,825号;同第5,877,397号;同第6,300,129号;同第5,874,299号;同第6,255,458号;および同第7,041,871号において説明されている。また、それらの各々の開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、欧州特許第0546073B1号;国際特許出願公開第WO92/03918号;同第WO92/22645号;同第WO92/22647号;同第WO92/22670号;同第WO93/12227号;同第WO94/00569号;同第WO94/25585号;同第WO96/14436号;同第WO97/13852号;および同第WO98/24884号も参照されたい。さらに、それらの各々の開示が参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、Taylorら(1992年)、Nucleic Acids Res、20巻:6287頁; Chenら(1993年)、Int Immunol、5巻:647頁; Tuaillonら(1993年)、Proc Natl Acad Sci USA、90巻:3720〜4頁; Choiら(1993年)、Nature Genetics、4巻:117頁; Lonbergら(1994年)、Nature、368頁:856〜859頁; Taylorら(1994年)、International Immunology、6巻:579〜591頁; Tuaillonら(1995年)、J. Immunol.、154巻:6453〜65頁; Fishwildら(1996年)、Nature Biotechnology、14巻:845頁;およびTuaillonら(2000年)、Eur J Immunol、10巻:2998〜3005頁も参照されたい。
特定の実施形態では、脱免疫化抗CD200抗体、またはそれらの抗原結合断片が提供される。脱免疫化抗体またはそれらの抗原結合断片とは、それらを、所与の種に対して非免疫原性またはより低度に免疫原性とするように改変した、抗体またはそれらの抗原結合断片である。脱免疫化は、当業者に公知である各種の技法をのうちのいずれかを用いて、抗体またはそれらの抗原結合断片を改変することにより達成することができる(例えば、PCT公開第WO04/108158号;および同第WO00/34317号を参照されたい)。例えば、抗体またはそれらの抗原結合断片のアミノ酸配列内の潜在的なT細胞エピトープおよび/またはB細胞エピトープを同定し、例えば、組換え法を用いて、抗体またはそれらの抗原結合断片から、1つまたは複数の潜在的なT細胞エピトープおよび/またはB細胞エピトープを除去することにより、抗体またはそれらの抗原結合断片を脱免疫化することができる。次いで、場合によって、改変抗体またはそれらの抗原結合断片を生成させ、例えば、結合アフィニティーなど、1つまたは複数の所望の生物学的活性を保持しているが、免疫原性は低下させた、抗体またはそれらの抗原結合断片を同定する目的でこれらを調べることができる。潜在的なT細胞エピトープおよび/またはB細胞エピトープを同定する方法は、例えば、コンピュータによる方法(例えば、PCT公開第WO02/069232号を参照されたい)、in vitro法またはin silico法、および生物学的アッセイまたは物理的方法(例えば、MHC分子に対するペプチドの結合の決定;抗体もしくはその抗原結合断片を施す種に由来するT細胞受容体に対するペプチド:MHC複合体の結合の決定;抗体もしくはその抗原結合断片を施す種のMHC分子を伴うトランスジェニック動物を用いる、タンパク質またはそのペプチド部分についての試験;または抗体もしくはその抗原結合断片を施す種に由来する免疫系細胞で再構成したトランスジェニック動物による試験など)など、当技術分野で公知の技法を用いて実施することができる。多様な実施形態では、本明細書で説明される脱免疫化抗CD200抗体に、脱免疫化された抗原結合断片、Fab、Fv、scFv、Fab’、およびF(ab’)2、モノクローナル抗体、マウス抗体、操作抗体(例えば、キメラ抗体、単鎖抗体、CDR移植抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、および人工選択抗体など)、合成抗体、ならびに半合成抗体が含まれる。
一部の実施形態では、抗CD200抗体の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインをコードする挿入配列を含む組換えDNA、またはCD200タンパク質発現細胞系を生成させる。DNAという用語は、一本鎖コードDNA、前記コードDNAと、それらに対する相補的DNAとからなる二本鎖DNA、またはこれらの相補的(一本鎖)DNA自体を包含する。
さらに、抗CD200抗体の重鎖可変ドメインおよび/もしくは軽鎖可変ドメイン、またはCD200発現細胞系をコードするDNAは、重鎖可変ドメインおよび/もしくは軽鎖可変ドメインをコードする標準DNA(authentic DNA)配列、またはその変異体を含有するように、酵素的または化学的に合成することができる。標準DNAの変異体とは、1つまたは複数のアミノ酸が欠失しているか、挿入されているか、または1つまたは複数のアミノ酸と交換されている、上述の抗体の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインをコードするDNAである。前記修飾(複数可)が、ヒト化の適用および発現最適化の適用において、抗体の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインのCDRの外部に位置することが好ましい。変異体のDNAという用語はまた、1つまたは複数のヌクレオチドが、同じアミノ酸(複数可)をコードする新たなコドンを伴う他のヌクレオチドで置換されている、サイレント変異体も包含する。変異体配列という用語はまた、縮重配列も包含する。縮重配列とは、非限定的な数のヌクレオチドが、元来コードされるアミノ酸配列の変化を結果としてもたらすことなく、他のヌクレオチドで置換された遺伝子コードの意味の範囲内で縮重である。このような縮重配列は、マウス重鎖可変ドメインおよび/またはマウス軽鎖可変ドメインの最適な発現を得るための特定の宿主、特に、E.coliに好ましい、それらの異なる制限部位および/または特定のコドンの頻度のために有用でありうる。
変異体という用語は、当技術分野で公知の方法に従う、標準DNAに対するin vitroにおける変異誘発により得られるDNAの変異体を包含することを意図する。
完全な四量体の免疫グロブリン分子をアセンブリーし、キメラ抗体を発現させるには、重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインをコードする組換えDNA挿入配列を、重鎖定常ドメインおよび軽鎖定常ドメインをコードする、対応するDNAと融合させ、次いで、これを、例えば、ハイブリッドベクターへと組み込んだ後に、適切な宿主細胞へと移入する。
ヒトIgGの定常ドメイン、例えば、γ1ドメイン、γ2ドメイン、γ3ドメイン、またはγ4ドメイン、特定の実施形態では、γ1ドメインまたはγ4ドメインと融合させた、マウス抗CD200抗体の重鎖可変ドメイン、またはCD200発現細胞系をコードする挿入配列を包含する組換えDNAを用いることができる。また、ヒト定常ドメインであるκドメインまたはλドメイン、好ましくはκドメインに融合させた、マウス抗体の軽鎖可変ドメインをコードする挿入配列を包含する組換えDNAも提供される。
別の実施形態は、重鎖可変ドメインと、軽鎖可変ドメインとが、場合によって、宿主細胞における抗体のプロセシングを容易にするシグナル配列、および/または抗体の精製を容易にするペプチドをコードするDNA配列、および/または切断部位、および/またはペプチドスペーサー、および/または薬剤を含むスペーサー群により連結される組換えポリペプチドをコードする組換えDNAに関する。薬剤をコードするDNAは、診断適用または治療適用において有用な薬剤をコードするDNAであることを意図する。したがって、毒素または酵素、とりわけ、プロドラッグの活性化を触媒することが可能な酵素である薬剤分子が、特に適応である。このような薬剤をコードするDNAは、天然の酵素または毒素をコードするDNA、またはその変異体の配列を有し、当技術分野において周知の方法によりこれを調製することができる。
したがって、本開示によるモノクローナル抗体またはそれらの抗原結合断片は、他の薬剤、例えば、治療剤または検出可能な標識にコンジュゲートされていない、裸の抗体または抗原結合断片でありうる。代替的に、モノクローナル抗体または抗原結合断片を、例えば、細胞傷害作用剤、低分子、ホルモン、酵素、増殖因子、サイトカイン、リボザイム、ペプチド模倣剤、化学物質、プロドラッグ、コード配列を含めた核酸分子(アンチセンス構築物、RNAi構築物、遺伝子標的化構築物など)、または検出可能な標識(例えば、NMR造影剤またはX線造影剤、蛍光分子など)などの薬剤にコンジュゲートすることもできる。特定の実施形態では、抗CD200抗体または抗原結合断片(例えば、Fab、Fv、単鎖scFv、Fab’、およびF(ab’)2)を、該抗体または抗原結合断片の半減期を延長する分子に連結する(上記を参照されたい)。
哺乳動物細胞においてクローニングされた重鎖遺伝子および軽鎖遺伝子を発現させるには、複数の可能なベクター系が利用可能である。1つのベクタークラスは、宿主細胞ゲノムへの所望の遺伝子配列の組込みに依拠する。E.coliのgpt遺伝子(MulliganおよびBerg(1981年)、Proc Natl Acad Sci USA、78巻:2072〜2076頁)またはTn5 neo遺伝子(SouthernおよびBerg(1982年)、J Mol Appl Genet、1巻:327〜341頁)などの薬剤耐性遺伝子を同時に導入することにより、DNAを安定的に組み込んだ細胞を選択することができる。選択マーカーは、発現させるDNA遺伝子に連結することもでき、共トランスフェクションにより同じ細胞へと導入することもできる(Wiglerら(1979年)、Cell、16巻:777〜785頁)。第2のベクタークラスは、染色体外のプラスミドに自己複製能を賦与するDNAエレメントを用いる。これらのベクターは、ウシパピローマウイルス(Sarverら(1982年)、Proc Natl Acad Sci USA、79巻:7147〜7151頁)、ポリオーマウイルス(Deansら(1984年)、Proc Natl Acad Sci USA、81巻:1292〜1296頁)、またはSV40ウイルス(LuskyおよびBotchan(1981年)、Nature、293巻:79〜81頁)などの動物ウイルスに由来しうる。
免疫グロブリンのcDNAは、抗体タンパク質をコードする成熟mRNAを表す配列だけを含むので、免疫グロブリンのmRNAを合成するには、該遺伝子の転写および該RNAのプロセシングを制御するさらなる遺伝子発現エレメントが必要とされる。これらのエレメントには、スプライスシグナル、誘導性プロモーターを含めた転写プロモーター、エンハンサー、および終結シグナルが含まれうる。このようなエレメントを組み込むcDNA発現ベクターには、OkayamaおよびBerg(1983年)、Mol Cell Biol、3巻:280〜289頁; Cepkoら(1984年)、Cell、37巻:1053〜1062頁;ならびにKaufman(1985年)、Proc Natl Acad Sci USA、82巻:689〜693頁により説明されるベクターが含まれる。
本開示から明らかである通り、抗CD200抗体は、組合せ療法を含めた療法(例えば、がんを処置するための療法)のほか、疾患進行のモニタリングにおいても用いることができる。
本開示の治療的実施形態では、二重特異性抗体が意図される。二重特異性抗体とは、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体、好ましくはヒト抗体またはヒト化抗体である。本発明の場合では、結合特異性のうちの1つが、細胞(例えば、免疫細胞など)におけるCD200抗原に対する特異性であり、他の結合特異性が、他の任意の抗原に対する特異性であり、細胞表面タンパク質または受容体もしくは受容体のサブユニットに対する特異性であることが好ましい。
二重特異性抗体を作製する方法は、当業者の専門分野内にある。従来、組換えによる二重特異性抗体の生成は、2つの重鎖が異なる特異性を有する、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対を共発現させることに基づいている(MilsteinおよびCuello(1983年)Nature305巻:537〜539頁)。所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を伴う抗体可変ドメインを、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合させることができる。融合体は、ヒンジ領域、CH2領域、およびCH3領域のうちの少なくとも一部を含めた、免疫グロブリン重鎖定常ドメインとの融合体であることが好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体と、所望の場合、免疫グロブリン軽鎖とをコードするDNAを、個別の発現ベクターに挿入し、適切な宿主生物へと共トランスフェクトする。二重特異性抗体を生成させるための現在公知の例示的な方法のさらなる詳細については、例えば、Sureshら(1986年)Methods Enzymol121巻:210〜228頁;PCT公開第WO96/27011号; Brennanら(1985年)Science229巻:81〜83頁; ShalabyらJ Exp Med(1992年)175巻:217〜225頁; Kostelnyら(1992年)J Immunol148巻(5号):1547〜1553頁; Hollingerら(1993年)Proc Natl Acad Sci USA90巻:6444〜6448頁; Gruberら(1994年)J Immunol152巻:5368〜5474頁;およびTuttら(1991年)J Immunol147巻:60〜69頁を参照されたい。二重特異性抗体にはまた、架橋された抗体またはヘテロコンジュゲート抗体も含まれる。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の簡便な架橋形成法を用いて作製することができる。当技術分野では、多数の架橋形成法と共に、適切な架橋形成剤が周知であり、米国特許第4,676,980号において開示されている。
また、組換え細胞培養物から直接に二重特異性抗体断片を作製および単離する各種の技法についても説明されている。例えば、二重特異性抗体は、ロイシンジッパーを用いて作製されている。例えば、Kostelnyら(1992年)、J Immunol、148巻(5号):1547〜1553頁を参照されたい。遺伝子融合により、Fosタンパク質およびJunタンパク質に由来するロイシンジッパーペプチドを、2つの異なる抗体のFab’部分へと連結することができる。抗体のホモ二量体をヒンジ領域で還元して、単量体を形成することができ、次いで、これらを再酸化して、抗体のヘテロ二量体を形成することができる。また、抗体のホモ二量体を生成させるのにも、この方法を用いることができる。Hollingerら(1993年)、Proc Natl Acad Sci USA、90巻:6444〜6448頁により説明される「ダイアボディー」法により、二重特異性抗体断片を作製するための代替的な機構が示されている。該断片は、同じ鎖の2つのドメイン間における対合を可能とするには短すぎるリンカーにより、軽鎖可変ドメイン(VL)へと連結された重鎖可変ドメイン(VH)を含む。したがって、1つの断片のVHドメインおよびVLドメインを、別の断片の相補的なVLドメインおよびVHドメインと対合させ、これにより、2つの抗原結合部位を形成する。また、単鎖Fv(scFv)の二量体を用いることにより、二重特異性抗体断片を作製する別の戦略も報告されている。例えば、Gruberら(1994年)、J Immunol、152巻:5368〜5474頁を参照されたい。代替的に、例えば、Zapataら(1995年)、Protein Eng、8巻(10号):1057〜1062頁において説明される通り、抗体は、「直鎖状抗体」でもありうる。略述すると、これらの抗体は、抗原結合領域の対を形成する、タンデムFdセグメント(VH−CH1−VH−CH1)の対を含む。直鎖状抗体は、二重特異性の場合もあり、単一特異性の場合もある。
本開示はまた、Wuら(2007年)、Nat Biotechnol、25巻(11号):1290〜1297頁において説明されている、四価二重可変ドメイン免疫グロブリン(DVD−Ig)分子など、二重特異性抗体の可変形態も包含する。DVD−Ig分子は、2つの異なる親抗体に由来する、2つの異なる軽鎖可変ドメイン(VL)を、組換えDNA法により直接に、または短いリンカーを介してタンデムに連結した後、軽鎖定常ドメインを連結するようにデザインする。2つの親抗体からDVD−Ig分子を生成させる方法については、例えば、それらの各々が、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO08/024188号;および同第WO07/024715号においてさらに説明されている。
一部の実施形態では、抗CD200抗体を、循環、例えば、血液、血清、または他の組織における抗体自体の安定化および/または保持を改善する部分により修飾することができる。例えば、本明細書で説明される抗CD200抗体を、例えば、Leeら(1999年)、Bioconjug Chem、10巻(6号):973〜8頁; Kinstlerら(2002年)、Advanced Drug Deliveries Reviews、54巻:477〜485頁;およびRobertsら(2002年)、Advanced Drug Delivery Reviews、54巻:459〜476頁において説明されている通りにPEG化することができる。安定化部分は、対象の体内(例えば、血液または組織)における抗体の安定性または保持を、少なくとも1.5倍(例えば、少なくとも2、5、10、15、20、25、30、40、または50倍以上)改善しうる。
生物学的試料および試料の回収
本明細書で説明される方法において用いるのに適する生物学的試料には、1もしくは複数の白血球、および/または1もしくは複数の赤血球を包含する、任意の体液、細胞集団、または組織もしくはその画分が含まれる。生物学的試料は、例えば、対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)から得られる標本の場合もあり、このような対象に由来する場合もある。例えば、試料は、生検により得られる組織切片の場合もあり、組織培養物中に置かれた細胞または組織培養物に適合させた細胞の場合もある。生物学的試料はまた、尿、全血液もしくはその画分(例えば、血漿)、唾液、精液、痰、脳脊髄液、涙液、または粘液などの体液でもありうる。所望の場合、生物学的試料を、特定の細胞型を含有する画分へとさらに画分化することができる。例えば、全血液試料を、血清、または赤血球もしくは白血球(white blood cells(leukocytes))など、特定の種類の血球を含有する画分へと画分化することができる。所望の場合、生物学的試料は、組織試料および体液試料の組合せなど、対象に由来する異なる生物学的試料の組合せでありうる。
生物学的試料は、対象、例えば、がん(例えば、B−CLL)、炎症性状態、または骨障害(例えば、CD200に関連する骨障害)を有するか、これを有することが疑われるか、またはこれを発症する危険性がある対象から得ることができる。生物学的試料を得るのに適する任意の方法を用いうるが、例示的な方法には、例えば、瀉血、スワブ(例えば、口腔内スワブ)、洗浄、または細型注射針による吸引物生検手順が含まれる。細型注射針による吸引にかけることが可能な組織の非限定的な例には、リンパ節、肺、甲状腺、乳房、および肝臓が含まれる。生物学的試料はまた、骨髄からも得ることができる。試料はまた、例えば、顕微解剖(例えば、レーザー捕捉顕微解剖(LCM)またはレーザー顕微解剖(LMD))、膀胱洗浄、スメア(PAPスメア)、または乳管洗浄細胞診によっても回収することができる。
当業者には、生物学的試料における細胞の活性または完全性を保つ試料を得る方法および/またはこれを保存する方法が周知である。例えば、生物学的試料は、細胞の変化(例えば、浸透圧またはpHの変化)、または細胞表面における細胞表面タンパク質(例えば、GPI結合タンパク質)もしくはGPI部分の変性を防ぐかまたは最小化することを意図する薬剤である、プロテアーゼ阻害剤を含め、適切な緩衝剤および/または阻害剤など、1つまたは複数のさらなる薬剤とさらに接触させることができる。このような阻害剤には、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、エチレングリコールテトラ酢酸(EGTA)などのキレート化剤、フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、アプロチニン、およびロイペプチンなどのプロテアーゼ阻害剤が含まれる。全細胞を保存するか、または他の形で操作するのに適切な緩衝液および条件については、例えば、PollardおよびWalker(1997年)、「Basic Cell Culture Protocols」、「Methods in molecular biology」、75巻、Humana Press; Masters(2000年)、「Animal cell culture: a practical approach」、「Practical approach series」、232巻、Oxford University Press;ならびにJones(1996年)、「Human cell culture protocols」、「Methods in molecular medicine」、2巻、Humana Pressにおいて説明されている。
また、試料を加工して、緩衝物質の存在を除去または最小化することもできる。例えば、生物学的試料を画分化または精製して、対象でない1つまたは複数の物質(例えば細胞)を除去することができる。生物学的試料を画分化または精製する方法には、フローサイトメトリー、蛍光活性化細胞分取、および沈降が含まれるがこれらに限定されない。
バイオマーカーおよび適用
本発明者らは、ヒトに投与された抗CD200抗体による、ヒトにおける所望の免疫調節効果の生成と一貫するいくつかのバイオマーカーを本明細書において同定し、提供する。「所望の免疫調節効果」、「抗CD200抗体関連免疫調節効果」、および文法上同様の用語は、本明細書で使用される場合、ヒトに投与された抗CD200抗体の生物学的活性に起因する、ヒトにおける測定可能な望ましい免疫学的効果を指す。例えば、本発明者らは、ヒトに抗CD200抗体を投与した後、循環しているCD200+リンパ球(例えば、CD200+T細胞サブセット、例えば、CD200+/CD4+T細胞および/または活性化されたCD200+/CD4+T細胞を含む)の濃度が、血液中のそのような細胞の濃度の低下によって測定したところ、ヒトにおいて低下することを観察した。抗CD200抗体を投与すると、CD200Rの発現レベルが、少なくとも1つの白血球サブセット(例えば、CD4+T細胞)分上昇することも観察された。どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本発明者らは、抗CD200抗体を用いて治療した患者を、これらのバイオマーカーの1つまたは複数の変化(例えば、上昇または低下)についてモニタリングすることは、とりわけ、抗CD200抗体が、抗体を投与されたヒトにおいて生物学的効果を生成することができるか否かを決定するのに有用であると考える。さらに、バイオマーカーの1つまたは複数の変化をモニタリングすることは、サマリズマブなどの抗CD200抗体の、ヒトにおけるその免疫調節効果によって疾患において臨床的に意味のある効果を実現するのに十分である(すなわち、がんなどの疾患を処置するのに十分である)用量−閾値用量(または投与スケジュール)を同定するのにも有用である。サマリズマブを投与された何人かのB−CLL患者は、末梢血球計算およびCTスキャンの段階的な査定によって決定された通り、疾患の臨床的な安定または改善を示した。これらの患者の全てで、本明細書に記載のバイオマーカーの1つまたは複数の変化(例えば、上昇または低下)に反映されている通り、抗体の所望の免疫調節効果が観察された。
したがって、本開示に従って、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果(例えば、抗CD200抗体関連免疫調節効果)を生成したか否か(および、これにより、とりわけ、その免疫調節活性によって患者の治療に影響を及ぼすために十分な用量の抗体がヒトに投与されているか否か)を決定するために、従事者は、抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する血液試料におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度を測定することができる。血液試料におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度の、対照血液試料におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度と比較した低下が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、従事者は、血液試料におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度を直接測定する必要はない。例えば、(i)抗体を投与されたヒトに由来する血液試料におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度、および(ii)対照CD200+白血球濃度に関する情報を提供された従事者(例えば、医療専門家または診断科学者または診断技術者)は、その情報を用いて、例えば、血液試料におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度を対照試料におけるそのような細胞の濃度と比較して、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定することができ、血液試料におけるCD200+白血球(例えば、T細胞)の濃度の、CD200+白血球(例えば、T細胞)の対照濃度抗と比較した低下が、CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
CD200+細胞(例えば、CD200+T細胞)の濃度を測定するための方法は、当技術分野で周知であり、数ある方法の中でも、フローサイトメトリーが挙げられる。例えば、Chenら(2009年)Mol Immunol 46巻(10号):1951〜1963頁を参照されたい。CD200+T細胞の濃度を検出し、かつ/または測定するための適切な方法は、実施例にも記載されている。一部の実施形態では、従事者は、処置後の患者(既に抗CD200抗体を投与されている患者)から得られる生物学的試料を、CD200+白血球(例えば、T細胞)の特定サブセットの細胞の濃度について調べることができる。例えば、従事者は、処置後の患者に由来する生物学的試料中に存在するCD200+/CD4+T細胞の濃度および/または活性化CD200+/CD4+T細胞の濃度を決定することができる。一部の実施形態では、従事者は、CD200+/CD8+細胞の濃度を決定することができる。それぞれの場合において、所与のサブセットのCD200+T細胞の濃度の、同じ組織型のCD200+T細胞の対照濃度と比較した低下が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
上記の通り、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度(CD200+T細胞の処置後濃度)を対照試料におけるCD200+細胞の濃度と比較することによって実施することができる。一部の実施形態では、対照試料は、患者に抗CD200抗体を投与する前に患者から得られる。一部の実施形態では、対照試料は、例えば、抗CD200抗体を投与されていない1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、または40、またはそれ以上の)健康な個体から得られる試料の採取物であってよい(またはそれに基づいてよい)(例えば、同じ組織型のCD200+細胞の対照濃度は、抗CD200抗体を投与されていない患者から得られる1つまたは複数の対照試料における細胞の濃度の平均であってよい)。一部の実施形態では、対照試料は、例えば、1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、または40、またはそれ以上の)、同じがんまたは異なる種類のがんに罹患しているが、抗CD200抗体を投与されていない個体から得られる試料の採取物であってよい、またはそれに基づいてよい。例えば、抗CD200抗体が抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するために、従事者は、CD200+T細胞の処置後濃度を、抗CD200抗体を投与されていない、または少なくともヒトから得られる生物学的試料において検出可能なレベルの抗CD200抗体を有さないヒトに存在する同じ組織型のCD200+T細胞の典型的な濃度、または平均濃度と比較することができる。
一部の実施形態では、CD200+T細胞の処置後濃度が対照濃度よりも少なくとも5%低いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。一部の実施形態では、CD200+T細胞の処置後濃度が、対照濃度よりも少なくとも10%(例えば、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または80%以上)低いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。
一部の実施形態では、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、CD200+T細胞の処置後濃度が、ヒトにおける抗CD200抗体による所望の免疫調節効果の発生を示す所定の範囲内に入るか否かを照会することによって実施することができる。一部の実施形態では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、CD200+T細胞の所与の組織型について、CD200+T細胞の処置後濃度が所定のカットオフ値を上回るかまたは下回るか否かを照会することを含んでよい。カットオフ値は、一般には、特定の表現型−すなわち、抗CD200抗体によって生成されるヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を示すと考えられる濃度を上回るかまたは下回る、所与の組織型のCD200+T細胞の濃度である。
一部の実施形態では、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否か(および、これにより、とりわけ、その免疫調節活性によって患者の治療に影響を及ぼすために十分な用量の抗体がヒトに投与されているか否か)を決定するために、従事者は、抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する血液試料におけるT細胞(例えば、CD4+T細胞、CD8+T細胞、または活性化CD4+T細胞)によるCD200の発現を定量化することができる。血液試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照血液試料における同じ組織型のT細胞によるCD200発現レベルと比較した低下が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。上記の通り、従事者は、血液試料におけるT細胞によるCD200発現レベルを直接測定する必要はない。例えば、(i)抗体を投与されたヒトに由来する血液試料におけるT細胞によるCD200発現レベル、および(ii)対照血液試料におけるT細胞によるCD200発現レベルに関する情報を提供された従事者は、その情報を用いて、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定することができ、例えば、血液試料におけるT細胞によるCD200発現レベルを、対照試料におけるそのような細胞によるCD200発現レベルと比較し、血液試料におけるT細胞によるCD200発現レベルの、対照試料における同じ組織型のT細胞によるCD200発現レベルと比較した低下が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。細胞(例えば、T細胞などの白血球)によるCD200発現レベルを定量化するための適切な方法は、当技術分野で公知であり、本明細書に記載されている。
本発明者らは、抗CD200抗体を投与すると、種々の白血球サブセットによるCD200Rの発現レベルが増加することも観察した。どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本発明者らは、白血球によるCD200R発現の増加は、潜在的に、抗CD200抗体によって誘導される細胞のCD200発現の低下に対するこれらの細胞による代償反応であると考える。したがって、白血球によるCD200R発現は、抗CD200抗体が投与されるヒトにおける白血球によるCD200発現に対する抗CD200抗体の免疫調節効果をモニタリングする(または検出する)ための間接的なバイオマーカーとしての機能を果たす。一部の実施形態では、抗CD200抗体によって、ヒトにおける所望の免疫調節効果が生成したか否か(および、これにより、とりわけ、その免疫調節活性によって患者の治療に影響を及ぼすために十分な用量の抗体がヒトに投与されているか否か)を決定するために、従事者は、抗CD200抗体を投与した後にヒトから得られる生物学的試料(例えば、血液試料)における複数の白血球(例えば、所与の組織型の複数の白血球)によるCD200Rの発現レベル(CD200Rの処置後発現レベル)を測定することができ、CD200Rの処置後発現レベルの、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200R発現レベルと比較した上昇が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、従事者は、生物学的試料における白血球によるCD200Rの発現レベルを直接測定する必要はない。例えば、(i)抗体を投与されたヒトに由来する血液試料における複数の白血球によるCD200Rの発現レベル、および(ii)対照発現レベル(例えば、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200Rの発現レベル)に関する情報を提供された従事者(例えば、医療専門家または診断科学者または診断技術者)は、その情報を用いて、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定することができ、例えば、生物学的試料における白血球によるCD200R発現レベルを、対照発現レベルと比較し、白血球によるCD200R発現レベルの、対照発現レベルと比較した上昇が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
細胞または細胞の集団によるCD200および/またはCD200Rの発現レベルを定量化するための方法は、当技術分野で周知であり、数ある方法の中でも、タンパク質の発現を定量化するのに有用であるウエスタンブロット法、ドットブロッティング、およびフローサイトメトリー、または、mRNAの発現を定量化するための逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)およびノーザンブロット分析が挙げられる。例えば、Walkerら(2009年)Exp Neurol 215巻(1号):5〜19頁;Rijkersら(2008年)Mol Immunol 45巻(4号):1126〜1135頁;およびVoehringerら(2004年)J Biol Chem 279巻(52号):54117〜54123頁を参照されたい。一般に、Sambrookら(1989年)「Molecular Cloning:A Laboratory Manual、2nd Edition」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.およびAusubelら(1992年)「Current Protocols in Molecular Biology」、Greene Publishing Associatesを参照されたい。白血球によるCD200またはCD200Rの発現を検出し、かつ/または定量化するための適切な方法は、実施例にも記載されている。一部の実施形態では、従事者は、処置後の患者(抗CD200抗体が投与されている患者)から得られる生物学的試料(例えば、血液試料)を、所与の組織型の複数の白血球によるCD200および/またはCD200Rの発現レベル(例えば、平均の発現レベル)について調べることができる。例えば、従事者は、複数のCD4+T細胞、CD8+T細胞、活性化CD4+T細胞、NKT細胞、またはCD21+/CD25+/Fox3P+T細胞によるCD200Rの発現レベルまたは平均の発現レベルを決定することができる。ある場合では、白血球の所与のサブセットによるCD200R発現の、対照発現レベル(例えば、抗体を投与する前に患者から得られる生物学的試料における同じ組織型の白血球の発現の平均レベル)と比較した上昇が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
一部の実施形態では、CD200Rの処置後発現レベルが、対照発現レベル(すなわち、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200Rの発現レベル)よりも少なくとも1.5倍高いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。一部の実施形態では、CD200Rの処置後発現レベルが、対照発現レベルよりも少なくとも2倍(例えば、少なくとも2.5倍、3倍、3.5倍、4倍、4.5倍、5倍、5.5倍、6倍、6.5倍、7倍、7.5倍、8倍、8.5倍、9倍、または10倍、またはそれ以上)高いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。一部の実施形態では、CD200Rの処置後発現レベルが、対照発現レベルよりも少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、または250%、またはそれ以上の)高いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。
一部の実施形態では、CD200の処置後発現レベルが、対照発現レベルよりも少なくとも5%(例えば、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%、またはそれ以上の)低いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。
一部の実施形態では、対照試料は、対象のヒトに抗CD200抗体を投与する前に対象のヒトから得られる生物学的試料である(すなわち、例えば、対照CD200R発現レベルは、対象のヒトに抗CD200抗体を投与する前に対象のヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の白血球によるCD200Rの発現レベルであってよい)。一部の実施形態では、対照CD200またはCD200Rの発現レベルは、例えば、抗CD200抗体を投与されていない1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、または40、またはそれ以上の)健康な個体から得られる同じ組織型の白血球によるCD200またはCD200Rの平均の発現レベルに基づいてよい。対照CD200またはCD200Rの発現レベルは、例えば、1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、または40、またはそれ以上の)、同じがんまたは異なる種類のがんに罹患しているが、抗CD200抗体を投与されていない個体から得られる同じ組織型の白血球によるCD200またはCD200Rの平均の発現レベルに基づいてよい。例えば、抗CD200抗体が抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するために、従事者は、CD200Rの処置後発現レベルを、抗CD200抗体を投与されていない、または少なくとも生物学的試料において検出可能なレベルの抗CD200抗体を有さないヒトから得られる生物学的試料における同じ組織型の白血球によるCD200Rの典型的な発現レベル、または平均の発現レベルと比較することができる。
一部の実施形態では、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、処置後のCD200またはCD200Rの発現レベルがヒトにおける抗CD200抗体による免疫調節効果の発生を示す所定の範囲内に入るか否かを照会することによって実施することができる。一部の実施形態では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、所与の組織型の白血球による処置後のCD200またはCD200Rの発現レベルが所定のカットオフ値を上回るかまたは下回るか否かを照会することを含んでよい。この場合、カットオフ値は、一般には、特定の表現型−すなわち、抗CD200抗体によって生成されるヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を示すと考えられるレベルを上回るかまたは下回る、所与の組織型の白血球による発現レベル(例えば、mRNAまたはタンパク質の発現)である。
一部の実施形態では、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否か(および、これにより、とりわけ、その免疫調節活性によって患者の治療に影響を及ぼすために十分な用量の抗体がヒトに投与されているか否か)を決定するために、従事者は、抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する血液試料におけるCD200R+白血球の濃度を測定することができる。血液試料におけるCD200R+白血球の濃度の、対照血液試料における同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比較した上昇が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。(i)抗体を投与されたヒトに由来する血液試料におけるCD200R+白血球の濃度、および(ii)対照CD200R+白血球濃度に関する情報を提供された従事者(例えば、医療専門家または診断科学者または診断技術者)は、その情報を用いて、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定することができ、例えば、血液試料におけるCD200R+白血球の濃度を、対照試料におけるそのような細胞の濃度と比較し、血液試料におけるCD200R+白血球の濃度の、CD200R+白血球の対照濃度と比較した上昇が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
本明細書に記載の任意の方法の一部の実施形態では、同じ従事者が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じているか否かを決定する前に、ヒトに抗体を投与することができるが、一部の実施形態では、抗体を患者に投与する従事者は、ヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じているか否かを決定する従事者とは異なる。一部の実施形態では、従事者は、ヒトから、抗体を投与する前に生物学的試料(例えば、血液試料)を得ることができる。一部の実施形態では、従事者は、ヒトに抗体を投与した後に、そのヒトから生物学的試料(例えば、血液試料)を得ることができる。一部の実施形態では、処置後の試料は、ヒトに抗CD200抗体を投与した後、48時間未満(例えば、47時間未満、46時間未満、45時間未満、44時間未満、43時間未満、42時間未満、41時間未満、40時間未満、39時間未満、38時間未満、37時間未満、36時間未満、35時間未満、34時間未満、33時間未満、32時間未満、31時間未満、30時間未満、29時間未満、28時間未満、27時間未満、26時間未満、25時間未満、24時間未満、23時間未満、22時間未満、21時間未満、20時間未満、19時間未満、18時間未満、17時間未満、16時間未満、15時間未満、14時間未満、13時間未満、12時間未満、11時間未満、10時間未満、9時間未満、8時間未満、7時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満、またはさらには1時間未満)のヒトから得ることができる。一部の実施形態では、処置後の試料は、ヒトに抗CD200抗体を投与した後、20日未満(例えば、19日未満、18日未満、17日未満、16日未満、15日未満、14日未満、13日未満、12日未満、11日未満、10日未満、9日未満、8日未満、7日未満、6日未満、5日未満、4日未満、3日未満、2日未満、または1日未満)のヒトから得ることができる。一部の実施形態では、生物学的試料は、ヒトに抗体を投与した後、20日以下(例えば、19日以下、18日以下、17日以下、16日以下、15日以下、14日以下、13日以下、12日以下、11日以下、10日以下、9日以下、8日以下、7日以下、6日以下、5日以下、4日以下、3日以下、2日以下、または1日以下)のヒトから得られる。
一部の実施形態では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前にヒトから得られる生物学的試料においてCD200+T細胞の濃度を測定し、これによりCD200+T細胞の処置前濃度を得るステップと;(ii)ヒトに抗体を投与するステップと;(iii)ヒトから得られる血液試料においてCD200+T細胞の濃度を測定し、これによりCD200+T細胞の処置後濃度を得るステップ含んでよく、CD200+T細胞の処置後濃度の、CD200+T細胞の処置前濃度と比較した低下が、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前にヒトから得られる生物学的試料においてCD200R+白血球の濃度を測定し、これによりCD200R+白血球の処置前濃度を得るステップと;(ii)ヒトに抗体を投与するステップと;(iii)ヒトから得られる血液試料においてCD200R+白血球の濃度を測定し、これによりCD200R+白血球の処置後濃度を得るステップとを含んでよく、CD200R+白血球の処置後濃度の、CD200R+白血球の処置前濃度と比較した上昇が、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、ヒトにおいて抗CD200抗体が生物学的に活性であるか否かの決定は、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前にヒトに由来する生物学的試料において複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化し、これによりCD200Rの処置前発現レベルを得るステップと;(ii)ヒトに抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)抗体を投与した後に得られるヒトに由来する生物学的試料において複数の白血球によるCD200R発現レベルを定量化し、これによりCD200Rの処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200Rの処置後発現レベルの、CD200Rの処置前発現レベルと比較した上昇が、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、ヒトにおいて抗CD200抗体が生物学的に活性であるか否かの決定は、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前にヒトに由来する生物学的試料において複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置前発現レベルを得るステップと;(ii)ヒトに抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)抗体を投与した後に得られるヒトに由来する生物学的試料において複数の白血球によるCD200発現レベルを定量化し、これによりCD200の処置後発現レベルを得るステップとを含み、CD200の処置後発現レベルの、CD200の処置前発現レベルと比較した減少が、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、ヒトにおいて抗CD200抗体が生物学的に活性であるか否かの決定は、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前にヒトに由来する生物学的試料において活性化T細胞の濃度を測定し、これにより活性化T細胞の処置前濃度を決定するステップと;(ii)ヒトに抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)同じ組織型の活性化T細胞の濃度を(i)の場合と同様に測定し、これにより活性化T細胞の処置後濃度を決定するステップとを含み、活性化T細胞の処置後濃度の、活性化T細胞の処置前濃度と比較した上昇が、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、ヒトにおいて抗CD200抗体が生物学的に活性であるか否かの決定は、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前にヒトに由来する生物学的試料において制御性T細胞の濃度を測定し、これにより制御性T細胞の処置前濃度を決定するステップと;(ii)ヒトに抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)同じ組織型の制御性T細胞の濃度を(i)の場合と同様に測定し、これにより制御性T細胞の処置後濃度を決定するステップとを含み、制御性T細胞の処置後濃度の、制御性T細胞の処置前濃度と比較した低下が、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。一部の実施形態では、ヒトにおいて抗CD200抗体が生物学的に活性であるか否かの決定は、(i)ヒトに抗CD200抗体を投与する前にヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定し、これにより処置前における比を決定するステップと;(ii)ヒトに抗CD200抗体を投与するステップと;(iii)同じ組織型の、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を(i)の場合と同様に測定し、これにより処置後における比を決定するステップとを含み、処置後における比の、処置前における比と比較した増大が、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。比は、例えば、少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、または、さらには7:1、またはそれ以上)まで増大しうる。
一部の実施形態では、上記の方法のステップは、2人以上の従事者が行ってよい。例えば、1人の従事者がヒトから得られる処置前の試料および処置後の試料を分析すること(例えば、CD200+T細胞の濃度を測定すること、または白血球によるCD200Rの発現レベルを定量化すること)ができる。別の従事者は、第1の従事者による試料の分析に関する情報を受け取り、これにより、抗CD200抗体によって、ヒトにおける所望の免疫調節効果が生成したか否かを決定することができる。一部の実施形態では、さらに別の従事者が、患者から処置前の生物学的試料を得ることができ、第4の従事者が処置後の患者に由来する生物学的試料を得ることができる。一部の実施形態では、全てのステップを同じ従事者が行う。
ヒトに抗CD200抗体を投与することにより、以下の1つまたは複数がもたらされることがさらに観察された:(a)活性化T細胞の濃度の上昇;(b)制御性T細胞の濃度の低下;および(c)活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の増大、または少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、4:1、5:1、6:1、または、さらには7:1、またはそれ以上)の、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比。したがって、本開示に従って、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)が、ヒトにおいて所望の免疫調節効果(例えば、抗CD200抗体関連免疫調節効果)を生成したか否か(および、これにより、とりわけ、その免疫調節活性によって患者の治療に影響を及ぼすために十分な用量の抗体がヒトに投与されているか否か)を決定するために、従事者は、抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度を測定することができる。血液試料における活性化T細胞の濃度の、対照血液試料における活性化T細胞の濃度と比較した上昇が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。本開示に従って、抗CD200抗体がヒトにおける所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するために、従事者は、ヒトから得られる生物学的試料における制御性T細胞の濃度を測定することができ、生物学的試料における制御性T細胞の濃度の、対照試料における制御性T細胞の濃度と比較した低下が、ヒトにおける所望の免疫調節効果が生じていることを示す。上記の通り、従事者は、血液試料における活性化T細胞の濃度を直接測定する必要はない。
活性化T細胞(例えば、活性化CD4+T細胞)または制御性T細胞の濃度を測定するための方法は、当技術分野で周知であり、数ある方法の中でも、フローサイトメトリーが挙げられる。上記の通り、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における活性化T細胞および/または制御性T細胞の濃度(活性化T細胞の処置後濃度)を、対照試料における活性化T細胞の濃度と比較することによって実施することができる。対照試料は、例えば、対象のヒトに抗CD200抗体を投与する前に対象のヒトから得られる生物学的試料であってよい。対照試料は、例えば、抗CD200抗体を投与されていない1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、または40、またはそれ以上の)健康な個体から得られる試料の採取物であってよい(またはそれに基づいてよい)(例えば、組織型が同じ活性化された細胞の対照濃度は、抗CD200抗体を投与されていない患者から得られる1つまたは複数の対照試料における細胞の濃度の平均であってよい)。例えば、抗CD200抗体が抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するために、従事者は、活性化T細胞の処置後濃度を、抗CD200抗体を投与されていない、または、少なくともヒトから得られる生物学的試料において検出可能なレベルの抗CD200抗体を有さないヒトに存在する同じ組織型の活性化T細胞の典型的な濃度、または平均濃度と比較することができる。
一部の実施形態では、活性化T細胞の処置後濃度が対照濃度よりも少なくとも5%高いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。一部の実施形態では、活性化T細胞の処置後濃度が、対照濃度よりも少なくとも10%(例えば、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または80%超)高いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。一部の実施形態では、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、活性化T細胞の処置後濃度がヒトにおける抗CD200抗体による所望の免疫調節効果の発生を示す所定の範囲内に入るか否か、または活性化T細胞の所与の組織型について活性化T細胞の処置後濃度が所定のカットオフ値を上回るかまたは下回るか否かを照会することによって実施することができる。
上記の通り、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率との比較は、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じているか否かを決定するのにも使用することができる。例えば、従事者は、抗CD200抗体を投与されたヒトから得られる生物学的試料における活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比を決定することができ、少なくとも2:1(例えば、少なくとも3:1、少なくとも4:1、少なくとも5:1、少なくとも6:1、または少なくとも7:1、またはそれ以上)の比が、患者において所望の免疫調節効果が生じていることを示す。一部の実施形態では、抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の、対応する、抗体を投与する前に患者から得られる生物学的試料において決定された比と比較した増大が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
一部の実施形態では、方法は、コンピュータを使用して実施する。例えば、方法は、ヒトの医療プロファイルを含むデータを、例えば、インターネットコミュニケーションまたはコンピュータに情報を直接入力することによって受け取るステップを含んでよい。プロファイルは、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+T細胞の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+T細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;ならびに(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベルのうちの少なくとも1つについての情報を含有する。次に、コンピュータにより、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを決定するための情報を含有するデータの少なくとも一部を加工する。
コンピュータベースの方法は、(a):(i)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200+T細胞の濃度、および(ii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(i)の場合と同じ組織型のCD200+T細胞の濃度;(b):(iii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料におけるCD200R+T細胞の濃度、および(iv)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(iii)の場合と同じ組織型のCD200R+T細胞の濃度;(c):(v)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200R発現レベル、および(vi)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(v)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200R発現レベル;(d):(vii)ヒトに抗CD200抗体を投与した後に該ヒトから得られる生物学的試料における、複数の白血球によるCD200発現レベル、および(viii)該抗体を投与する前に該ヒトから得られる生物学的試料における、(vii)の場合と同じ組織型の複数の白血球によるCD200発現レベル;(e):(ix)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における制御性T細胞の濃度、および(x)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(ix)の場合と同じ組織型の制御性T細胞の濃度;(f):(xi)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料における活性化T細胞の濃度、および(xii)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xi)の場合と同じ組織型の活性化T細胞の濃度;(g):(xiii)抗CD200抗体を投与した後のヒトに由来する生物学的試料における、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比、および(xiv)該抗CD200抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、対応する、活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比(各々が、(xiii)の場合と同じ組織型である);ならびに(h):(xv)ヒトに抗CD200抗体を投与した後の該ヒトに由来する生物学的試料におけるCD8+リンパ球(例えば、T細胞)の濃度、および(xvi)該抗体を投与する前の該ヒトに由来する生物学的試料における、(xv)の場合と同じ組織型のCD8+リンパ球の濃度の少なくとも1つについての情報をもたらすステップも含んでよい。情報をコンピュータに入力し、コンピュータおよび入力された情報を使用してパラメータを算出し、そのパラメータが、抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したか否かを示す。方法は、パラメータを出力し、かつ/またはパラメータもしくは結果を、患者の記録またはチャートなどのコンピュータ可読の媒体または物理的なファイルに記録するステップも含んでよい。
実施例において詳述されている通り、本発明者らは、自己免疫疾患を患っている動物に抗CD200抗体を投与した後、脾臓組織における、CD200+白血球(例えば、CD200+白血球のサブセット)およびCD200+骨髄細胞(例えば、CD200+骨髄細胞のサブセット)の濃度の低下によって測定されるように、動物においてそのような細胞の濃度が低下することも発見した。抗CD200抗体で治療され、免疫調節効果が生じた動物において自己免疫障害関連自己抗体の濃度の顕著な低下が観察された。したがって、どんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本発明者らは、抗CD200抗体を用いて治療した患者を、これらのバイオマーカーの1つまたは複数の発生についてモニタリングすることは、とりわけ、抗CD200抗体が、抗体を投与されたヒトにおいて生物学的効果を生じることができるか否か決定するのに有用であると考える。さらに、バイオマーカーの1つまたは複数の変化をモニタリングすることは、サマリズマブなどの抗CD200抗体の、ヒトにおけるその免疫調節効果によって疾患において臨床的に意味のある効果を実現するのに十分である(すなわち、自己免疫疾患などの疾患を処置するのに十分である)用量−閾値用量を同定するのにも有用である。抗CD200抗体を用いて治療したがん患者において、CD200+細胞集団に対する同様の免疫調節効果が観察されたので、本発明者らは、CD200+白血球およびCD200+骨髄細胞に対する、抗CD200抗体に誘導される免疫調節効果は、同様にヒトにおいても生じる可能性が非常に高いと考える。
したがって、本開示に従って、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否か(および、これにより、とりわけ、その免疫調節活性によって患者の治療に影響を及ぼすために十分な用量の抗体がヒトに投与されているか否か)を決定するために、従事者は、抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する生物学的試料(例えば、血液試料または脾臓試料)におけるCD200+白血球(例えば、1つまたは複数のCD200+骨髄細胞サブセットおよび/またはCD200+脾細胞)の濃度を測定することができる。試料におけるCD200+白血球の濃度の、対照試料におけるCD200+白血球の濃度と比較した低下が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。同様に、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かを決定するために、従事者は、抗CD200抗体を投与されたヒトに由来する生物学的試料におけるCD200+骨髄細胞の濃度を測定することもできる。試料におけるCD200+骨髄細胞の濃度の、対照試料におけるCD200+骨髄細胞(同じ組織型の)の濃度と比較した低下が、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の免疫調節効果を生成したことを示す。
上記の通り、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、抗CD200抗体を投与した後に患者から得られる生物学的試料におけるCD200+白血球(例えば、CD200+脾細胞またはCD200+骨髄細胞)の濃度(CD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の処置後濃度)を、対照試料におけるCD200+細胞の濃度と比較することによって実施することができる。一部の実施形態では、対照試料は、対象のヒトに抗CD200抗体を投与する前に、対象のヒトから得られる。一部の実施形態では、対照試料は、例えば、抗CD200抗体を投与されていない1つまたは複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、または40、またはそれ以上の)健康な個体から得られる試料の採取物であってよい(またはそれに基づいてよい)(例えば、同じ組織型のCD200+細胞の対照濃度は、抗CD200抗体を投与されていない患者から得られる1つまたは複数の対照試料における細胞の濃度の平均であってよい)。
一部の実施形態では、CD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の処置後濃度が、対照濃度よりも少なくとも5%低いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。一部の実施形態では、CD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の処置後濃度が、対照濃度よりも少なくとも10%(例えば、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または80%超)低いことが、抗CD200抗体を投与されたヒトにおいて所望の免疫調節効果が生じていることを示す。
一部の実施形態では、抗CD200抗体(例えば、エフェクター機能が低下している、またはエフェクター機能がない改変体抗CD200抗体)がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、CD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の処置後濃度がヒトにおける抗CD200抗体による所望の免疫調節効果の発生を示す所定の範囲内に入るか否かを照会することによって実施することができる。一部の実施形態では、抗CD200抗体がヒトにおいて所望の調節効果を生成したか否かの決定は、CD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の所与の組織型について、CD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の処置後濃度が所定のカットオフ値を上回るかまたは下回るか否かを照会することを含んでよい。カットオフ値は、一般には、特定の表現型−すなわち、抗CD200抗体によって生成されるヒトにおける所望の免疫調節効果の発生を示すと考えられる濃度を上回るかまたは下回る、所与の組織型のCD200+白血球またはCD200+骨髄細胞の濃度である。
治療方法
本開示は、例えば、がん、炎症性の状態、および骨減少と関連する障害(本明細書は「骨障害」とも称される)を含めた種々の障害を処置するための方法も特徴とする。例えば、がんに罹患しているヒトにおいて抗CD200抗体が所望の調節効果を生成したことが決定された後(例えば、本明細書に記載の任意の診断方法を用いて)、医療従事者は、ヒトに抗CD200抗体を、免疫調節効果の発生を維持するのに十分な量および頻度で投与し、これにより、患者のがんを処置することを選ぶことができる。同様に、炎症性の状態に罹患しているヒトにおいて抗CD200抗体が所望の調節効果を生成したことが決定された後、医療従事者は、ヒトに抗CD200抗体を、患者における免疫調節効果を維持するのに十分な量および頻度で投与し、これにより、患者の炎症性の状態を処置することを選ぶことができる。ヒトに抗CD200抗体を治療的に投与するための方法は、当技術分野で周知であり、例えば、U.S.7,408,041に記載されている。
がんは、制御されていない細胞の分裂、およびこれらの、浸潤により近接する組織内に直接成長することによってか、または転移により遠位の部位に移植されることによって(がん細胞が血流またはリンパ系を通じて輸送される)拡散する能力を特徴とする疾患または障害のクラスである。がんは、全ての年齢層の人に影響を及ぼしうるが、危険性は年齢と共に増加する傾向がある。がんの種類としては、例えば、肺がん、乳がん、結腸がん、膵がん、腎臓がん、胃がん、肝がん、骨がん、血液がん、神経組織のがん(例えば、神経芽細胞腫)、黒色腫、甲状腺がん、卵巣がん、精巣がん、前立腺がん、子宮頸がん、膣がん、または膀胱がんを挙げることができる。血液がん(液性腫瘍)としては、例えば、白血病(例えば、B細胞型慢性リンパ性白血病またはT細胞型慢性リンパ性白血病などの慢性リンパ性白血病)および多発性骨髄腫が挙げられる。骨がんとしては、これに限定することなく、骨肉腫および骨がん腫(osteocarcinoma)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「がんを発症する危険性がある」ヒトは、がんを発症させる素因、すなわち、がんを発症する遺伝的素因、例えば腫瘍抑制因子遺伝子の変異(例えば、BRCAl、p53、RB、またはAPCの変異)などを有する、またはがんをもたらしうる状態に曝露されているヒトである。したがって、ヒトが、変異原性レベルまたは発がん性レベルの特定の化合物(例えば、タバコの煙中の発がん性化合物、例えばアクロレイン、ヒ素、ベンゼン、ベンズ{a}アントラセン、ベンゾ{a}ピレン、ポロニウム−210(ラドン)、ウレタン、または塩化ビニル)に曝露されている場合にも、そのヒトは「がんを発症する危険性がある」ヒトでありうる。さらに、ヒトが、例えば、高線量の紫外線またはX−照射に曝露されている、またはパピローマウイルス、エプスタインバーウイルス、B型肝炎ウイルス、もしくはヒトT細胞白血病−リンパ腫ウイルスなどの腫瘍を引き起こす/腫瘍に関連するウイルスに感染している場合に、そのヒトは「がんを発症する危険性がある」ヒトでありうる。上記から、対象の種の範囲に入るヒトの全てが「がんを発症する危険性がある」ヒトなのではないことが明らかになる。
「がんを有することが疑われる」ヒトは、がんの1つまたは複数の症状を有するヒトである。がんの症状は、当業者に周知であり、それらとしては、限定することなく、乳房のしこり、疼痛、体重減少、衰弱、過剰な疲労、摂食困難、食欲の喪失、慢性咳、息切れの悪化、喀血、血尿、血便、悪心、嘔吐、肝転移、肺転移、骨転移、腹部膨満(abdominal fullness)、鼓腸、腹膜腔の液体貯留、膣からの出血、便秘、腹部膨満(abdominal distension)、結腸の穿孔、急性腹膜炎(感染、発熱、疼痛)、疼痛、吐血、大量の発汗、発熱、高血圧、貧血、下痢、黄疸、眩暈、悪寒、筋痙攣、および嚥下困難が挙げられる。原発がん(例えば、大きな原発がん)の症状としては、例えば、結腸転移、肺転移、膀胱転移、肝転移、骨転移、腎転移、および膵転移のうちの任意の1つを挙げることができる。
本明細書に記載の抗CD200抗体またはその抗原結合性断片は、がんのヒトに、1つまたは複数の追加的な治療的な抗がん剤と同時に投与することができる。抗がん剤としては、例えば、化学療法剤、電離放射線、免疫療法剤、または超温熱療法剤が挙げられる。化学療法剤としては、これらに限定されないが、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、bcg、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、コルヒチン、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラジオール、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、ゲニステイン、ゴセレリン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イホスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、ノコダゾール、オクトレオチド、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、スラミン、タモキシフェン、タキソール、テモゾロミド、テニポシド、テストステロン、チオグアニン、チオテパ、チタノセンジクロリド、トポテカン、トラスツズマブ、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンが挙げられる。一部の実施形態では、抗CD200抗体またはそのCD200結合断片を含む医薬組成物は、本明細書に記載の前述の作用剤または任意の他の抗がん剤の任意の1つまたは複数と同時に処方することができる。
これらの化学療法的な抗腫瘍化合物は、それらの作用機構によって、例えば、以下を含めた群にカテゴリー化することができる:代謝拮抗薬/抗がん剤、例えば、ピリミジン類似体(5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、カペシタビン、ゲムシタビンおよびシタラビン)およびプリン類似体、葉酸アンタゴニストおよび関連する阻害剤(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチンおよび2−クロロデオキシアデノシン(クラドリビン))など;ビンカアルカロイド(ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、微小管攪乱物質、例えば、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ノコダゾール、エポチロンおよびナベルビンなど、エピジポドフィロトキシン(エトポシド、テニポシド)、DNA損傷剤(アクチノマイシン、アムサクリン、アントラサイクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カンプトテシン、カルボプラチン、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、シトキサン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ヘキサメチルメラミン、オキサリプラチン、イホスファミド、メルファラン、メクロレタミン、マイトマイシン、ミトキサントロン、ニトロソウレア、プリカマイシン、プロカルバジン、タキソール、タキソテレ、テニポシド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびエトポシド(VP16))などの天然物を含めた抗増殖性/抗有糸分裂性の作用剤;抗生物質、例えば、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ダウノルビシン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、イダルビシン、アントラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)およびマイトマイシンなど;酵素(L−アスパラギンを全身的に代謝し、それらの自身のアスパラギンを合成する力を有さない細胞を取り除くL−アスパラギナーゼ);抗血小板薬;抗増殖性/抗有糸分裂性のアルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミドおよび類似体、メルファラン、クロラムブシル)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、スルホン酸アルキル−ブスルファン、ニトロソウレア(カルムスチン(BCNU)および類似体、ストレプトゾシン)、トラゼン−ダカルバジン(dacarbazinine)(DTIC)など;抗増殖性/抗有糸分裂性の代謝拮抗薬、例えば、葉酸類似体(メトトレキサート)など;白金配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシウレア、ミトタン、アミノグルテチミド;ホルモン、ホルモン類似体(エストロゲン、タモキシフェン、ゴセレリン、ビカルタミド、ニルタミド)およびアロマターゼ阻害剤(レトロゾール、アナストロゾール);抗凝結剤(ヘパリン、合成ヘパリン塩および他のトロンビン阻害剤);線維素溶解素(例えば、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼなど)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ;抗遊走剤;抗分泌薬(ブレベルジン(breveldin));免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス(FK−506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル);免疫調節剤(サリドマイドおよびその類似体、例えば、レナリドマイド(レブリミド、CC−5013)およびCC−4047(アクチミド))、シクロホスファミドなど;抗血管新生化合物(TNP−470、ゲニステイン)および増殖因子阻害剤(血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤、線維芽細胞増殖因子(FGF)阻害剤);アンジオテンシン受容体遮断薬;一酸化窒素供与体;アンチセンスオリゴヌクレオチド;抗体(トラスツズマブ);細胞周期阻害剤および分化誘導因子(トレチノイン);mTOR阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤(ドキソルビシン(アドリアマイシン)、アムサクリン、カンプトテシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エニポシド(eniposide)、エピルビシン、エトポシド、イダルビシンおよびミトキサントロン、トポテカン、イリノテカン)、コルチコステロイド(コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、およびプレドニゾロン);増殖因子シグナル伝達キナーゼ阻害剤;ミトコンドリア機能不全誘導因子およびカスパーゼ活性化因子;およびクロマチン攪乱物質。
上記の通り、本明細書に記載の方法の一部の実施形態では(例えば、がんを処置するための方法の一部の実施形態では)、抗CD200抗体は、ヒトに、化学療法化合物またはヒトにおける免疫抑制効果を有する、または有する可能性がある任意の他の化合物と組み合わせては投与しない。すなわち、一部の実施形態では、患者が、(抗CD200抗体による療法を始める前の特定の期間内)に、化学療法剤(例えば、本明細書に記載の任意のものなど)または、患者において免疫抑制をもたらすことができる(またはもたらした)任意の他の作用剤を既に投与されていない場合に、その患者を治療的な抗CD200抗体で処置するために選択する。一部の実施形態では、ヒトは、抗CD200抗体の1回目の投与を施す前に化学療法的治療を受けていないヒト、および/または、抗CD200抗体を投与されている限りは化学療法的治療を受けない患者である。「抗CD200抗体の1回目の投与を施す前」とは、例えば、抗CD200抗体の1回目の投与を施す前4カ月間未満(例えば、16週間未満、15週間未満、14週間未満、13週間未満、3カ月間未満、12週間未満、11週間未満、10週間未満、9週間未満、2カ月間未満、8週間未満、7週間未満、6週間未満、5週間未満、1カ月間未満、30日未満、29日未満、28日未満、27日未満、26日未満、25日未満、24日未満、23日未満、22日未満、21日未満、20日未満、19日未満、18日未満、17日未満、16日未満、15日未満、14日未満、13日未満、12日未満、11日未満、または10日未満)の期間内を包含しうる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、ヒトががんを有するか否かを決定するステップを含みうる。一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、ヒトのがんの1つまたは複数のがん細胞がCD200を発現するか否かを決定するステップを含んでよい。一部の実施形態では、方法は、ヒトのがんの1つまたは複数のがん細胞が、対照試料と比較してCD200を過剰発現するか否かを決定するステップを含んでよい。一部の実施形態では、対照試料は、同じヒトから得られ、それは、ヒトのがんと同じ組織型の正常細胞を含む。例えば、当業者は、患者に由来する結腸がん細胞上に存在するCD200タンパク質のレベルを、患者に由来する正常な結腸細胞と比較して測定することができる。一部の実施形態では、対照試料は、がんを有さない1つまたは複数のヒトから得られる細胞の発現レベル(または平均の発現レベル)であってよい。一部の実施形態では、がんは、CD200(例えば、CD200タンパク質および/またはCD200のmRNA)を発現または過剰発現する細胞(例えば、多数または、さらには大多数の細胞)を含む。一部の実施形態では、ヒトのがんのがん細胞の少なくとも10%(例えば、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%)(またはそれを超える%)がCD200を過剰発現する。一部の実施形態では、アッセイしたがん細胞の全てが、正常細胞と比べてCD200を過剰発現する。一部の実施形態では、がん細胞(例えば、複数のがん細胞、がん細胞の少なくとも10%、またはアッセイしたがん細胞の全て)が、がんを有さない1つまたは複数の患者に由来する同じ組織型の正常細胞において見られる発現レベルよりも、または正常細胞平均の発現よりも、少なくとも約1.4倍(例えば、少なくとも約1.5倍、1.6倍、1.7倍、1.8倍、1.9倍、2.0倍、2.2倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍、または5倍、またはそれ以上)のレベルでCD200タンパク質を発現しうる。
一部の実施形態では、ヒトのがんが、CD200を発現または過剰発現する複数のがん細胞を含む場合にのみ、抗CD200抗体をヒトに投与する。CD200の発現を検出するための方法は、当技術分野で周知であり、それらとしては、例えば、ウエスタンブロット、免疫組織学的検査、およびフローサイトメトリー技法が挙げられる。CD200発現を検出するための適切な方法は、例えば、Kretz−Rommelら(2007年)J Immunol 178巻:5595〜5605頁およびKretz−Rommelら(2008年)J Immunol 180巻:699〜705頁に詳しく記載されている。
一部の実施形態では、抗CD200抗体は、CD200を発現するがん細胞を標的にすることにより、がんにおける免疫抑制を遮断する。これらのがん細胞の根絶、または阻害は、免疫系を刺激し、がん細胞のさらなる根絶を可能にする。
一部の実施形態では、がん細胞を直接死滅させることと、Th1プロファイルに対する免疫反応を駆動することの組合せにより、がん治療の効力が増強される。したがって、一実施形態では、CD200に結合し、a)CD200とその受容体との間の相互作用を遮断し、かつb)CD200を発現するがん細胞を直接死滅させる抗体または抗体断片をがん患者に投与するがん治療が提供される。がん細胞を死滅させる機構としては、これらに限定されないが、ADCCまたはCDC;毒素との融合;毒性放射性薬剤との融合;グランザイムBまたはパーフォリンなどの毒性ポリペプチドとの融合;細胞傷害性ウイルス(例えば、Reolysin(登録商標)などの細胞傷害性レオウイルス)との融合;またはTNF−αまたはIFN−αなどのサイトカインとの融合を挙げることができる。代替の実施形態では、がん治療は、a)CD200とその受容体との間の相互作用を遮断し、かつb)腫瘍に対する細胞傷害性のT細胞またはNK細胞の活性を増強する抗体を投与するステップを含む。そのような細胞傷害性のT細胞またはNK細胞の活性の増強は、例えば、抗体を、例えば、IL−2、IL−12、IL−18、IL−13、およびIL−5などのサイトカインと融合することと組み合わせることができる。さらに、そのような増強は、抗CD200抗体を、IMiD、サリドマイド、またはサリドマイド類似体などの阻害剤と組み合わせて投与することによって実現することができる。
さらに別の実施形態では、がん治療は、a)CD200とその受容体との間の相互作用を遮断し、かつb)T細胞を腫瘍細胞に誘引する抗体を投与するステップを含む。T細胞の誘引は、Abをケモカイン、例えば、MIG、IP−10、I−TAC、CCL21、CCL5またはLIGHTなどと融合することによって実現することができる。また、化学療法薬を用いた治療の結果、LIGHTの所望の上方制御がもたらされうる。免疫抑制を遮断することと、腫瘍細胞に抗体をターゲティングすることによって腫瘍細胞を直接死滅させることの組合せ作用は、効力の増加をもたらす独特の手法である。
「炎症性の状態」とは、本明細書で使用される場合、1つまたは複数の物質(例えば、ヒトにおいて天然に存在しない物質)が、白血球(例えば、B細胞、T細胞、マクロファージ、単球、または樹状細胞)の作用によって、病的反応、例えば、病的免疫反応を不適切に誘発するプロセスを指す。したがって、そのような炎症反応に関与する免疫細胞を「炎症細胞」と称する。不適切に誘発された炎症反応は、外来物質(例えば、抗原、ウイルス、細菌、真菌)がヒトの体内または体表に存在しない炎症反応でありうる。不適切に誘発された反応は、自己成分(例えば、自己抗原)が炎症細胞の標的になっている反応(例えば、多発性硬化症などの自己免疫障害)でありうる。不適切に誘発された反応は、規模または持続時間が不適切な反応、例えば、アナフィラキシーでもありうる。したがって、不適切に標的とされた反応は、微生物の感染(例えば、ウイルスの感染、細菌の感染、または真菌の感染)に起因しうる。炎症性の状態(例えば、自己免疫疾患)の種類としては、これらに限定されないが、変形性関節症;関節リウマチ;脊椎関節症;呼吸窮迫症候群(成人呼吸窮迫症候群;ARDSを含む)、POEMS症候群;炎症性腸疾患;クローン病、移植片対宿主病(例えば、皮膚移植片、腎臓移植片、心臓移植片、肺移植片、肝臓移植片、または骨髄移植片の拒絶);多中心性キャッスルマン病;全身性エリテマトーデス(SLE);多発性硬化症;筋ジストロフィー;インスリン依存性糖尿病;皮膚筋炎;多発性筋炎;ギランバレー症候群などの炎症性ニューロパチー;ヴェグナー肉芽腫症などの脈管炎;ループス腎炎(LN);糸球体腎炎;結節性多発性動脈炎;リウマチ性多発筋痛;側頭動脈炎;シェーグレン症候群;ベーチェット病;チャーグストラウス症候群;または高安動脈炎を挙げることができる。鼻炎、副鼻腔炎、蕁麻疹(urticaria)、蕁麻疹(hives)、血管性浮腫、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー(例えば、ナッツアレルギー)、薬物アレルギー(例えば、ペニシリン)、昆虫アレルギー(例えば、ハチ刺されに対するアレルギー)、または肥満細胞症などの特定の型のアレルギーも炎症性障害に含まれる。潰瘍性大腸炎および喘息も炎症性の状態に含まれる。
「炎症性の状態を発症する危険性がある」ヒトとは、1つまたは複数の炎症性の状態の家族歴(例えば、1つまたは複数の炎症性障害に対する遺伝的素因)を有するヒト、または1つまたは複数の炎症を誘導する状態に曝露されているヒトを指す。例えば、ヒトは、例えば、これらに限定されないが、Staphylococcusのエンテロトキシン(SE)、Streptococcus pyogenesの外毒素(SPE)、Staphylococcus aureusの毒素性ショック症候群毒素(TSST−I)、Streptococcusの分裂促進性外毒素(SME)およびStreptococcusの超抗原(SSA)などのウイルスまたは細菌の超抗原に曝露されている可能性があるヒトを指す。上記から、対象の種の範囲に入るヒトの全てが「炎症性の状態を発症する危険性がある」ヒトなのではないことが明らかになる。
「炎症性の状態を有することが疑われる」ヒトは、炎症性の状態の1つまたは複数の症状を呈するヒトである。炎症性障害の症状は、当技術分野で周知であり、これらに限定されないが、発赤、腫脹(例えば、関節腫脹)、触ると温かい関節、関節痛、凝り、関節機能の喪失、発熱、悪寒、疲労、エネルギーの喪失、頭痛、食欲の喪失、筋肉の凝り、不眠症、そう痒、鼻づまり、くしゃみ、咳嗽、1つまたは複数の神経症状、例えば、眩暈、発作、または疼痛などが挙げられる。上記から、対象の種の範囲に入るヒトの全てが「炎症性の状態を有することが疑われる」ヒトなのではないことが明らかになる。
「自己免疫障害」とは、本明細書で使用される場合、白血球(例えば、B細胞、T細胞、マクロファージ、単球、または樹状細胞)の作用により、宿主生物体において、宿主生物体内に通常存在する物質または組織に対する病的免疫反応(例えば、持続時間および/または規模が病的である)が発生している病態を指す。自己免疫疾患の種類としては、これらに限定されないが、慢性閉塞性肺疾患、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、SLE、LN、グレーブス病、ギランバレー症候群、IgA腎症、強皮症、シェーグレン症候群、ヴェグナー肉芽腫症、尋常性天疱瘡、シャーガス病、関節リウマチ、クローン病、橋本病、特発性血小板減少性紫斑病、重症筋無力症、原発性胆汁性肝硬変、およびミラーフィッシャー症候群が挙げられる。自己免疫障害としては、寒冷凝集素症(CAD)、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性溶血性疾患(例えば、自己免疫性溶血性貧血;AIHA)、破局的な抗リン脂質症候群(CAPS)、温式自己免疫性溶血性貧血、および発作性寒冷血色素尿症(PCH)などの特定の自己免疫性溶血性障害も挙げられる。
「自己免疫障害を発症する危険性がある」ヒトとは、自己免疫障害の家族歴(例えば、1つまたは複数の自己免疫障害に対する遺伝的素因)を有するヒト、または1つまたは複数の自己免疫障害/自己抗体を誘導する状態に曝露されているヒトを指す。ある特定のがん(例えば、多発性骨髄腫または慢性リンパ性白血病などの液性腫瘍)を有するヒトは、特定の自己免疫性溶血性疾患を発症する素因がある患者になりうる。例えば、PCHは、種々の感染(例えば、梅毒)または非ホジキンリンパ腫などの新生物に伴う可能性がある。別の例では、CADは、HIV感染、Mycoplasma pneumonia感染、非ホジキンリンパ腫、またはワルデンシュトレームマクログロブリン血症に付随する可能性がある。さらに別の例では、自己免疫性溶血性貧血は、ヒト慢性リンパ性白血病の周知の合併症であり、進行疾患のCLL患者のおよそ11%がAIHAを発症する。CLL患者の30%もが、AIHAを発症する危険性がありうる。例えば、Diehlら(1998年)Semin Oncol 25巻(1号):80〜97頁およびGuptaら(2002年)Leukemia 16巻(10号):2092〜2095頁を参照されたい。上記から、対象の種の範囲に入るヒトの全てが「自己免疫障害を発症する危険性がある」ヒトなのではないことが明らかになる。
「自己免疫障害を有することが疑われる」ヒトは、自己免疫障害の1つまたは複数の症状を呈するヒトである。自己免疫障害の症状は、特定の自己免疫障害の重症度および種類によって変動する可能性があり、これらに限定されないが、発赤、腫脹(例えば、関節腫脹)、触ると温かい関節、関節痛、凝り、関節機能の喪失、発熱、悪寒、疲労、エネルギーの喪失、疼痛、発熱、蒼白、黄疸、蕁麻疹性の皮膚の発疹、ヘモグロビン尿、ヘモグロビン血、および貧血(例えば、重篤な貧血)、頭痛、食欲の喪失、筋肉の凝り、不眠症、そう痒、鼻づまり、くしゃみ、咳嗽、1つまたは複数の神経症状、例えば、眩暈、発作、または疼痛などが挙げられる。上記から、対象の種の範囲に入るヒトの全てが「自己免疫障害を有することが疑われる」ヒトなのではないことが明らかになる。
本明細書に記載の抗CD200抗体は、炎症性の状態を治療または予防するのに有用な1つまたは複数の追加的な治療剤と同時投与することができる。1つまたは複数の作用剤としては、例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)、生物学的反応修飾物質、またはコルチコステロイドが挙げられる。生物学的反応修飾物質としては、例えば、抗TNF作用剤(例えば、可溶性のTNF受容体または、アダリムマブ(adulimumab)、インフリキシマブ、またはエタネルセプトなどのTNFに特異的な抗体)が挙げられる。一部の実施形態では、1つまたは複数の追加的な治療剤は、例えば、ステロイド、抗マラリア薬、アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬、免疫抑制剤、細胞傷害性薬物、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン、デキサメタゾン、およびプレドニゾロン)、メトトレキサート、メチルプレドニゾロン、マクロライド免疫抑制剤(例えば、シロリムスおよびタクロリムス)、有糸分裂阻害剤(例えば、アザチオプリン、シクロホスファミド、およびメトトレキサート)、Tリンパ球の活性を阻害する真菌の代謝産物(例えば、シクロスポリン)、ミコフェノール酸モフェチル、酢酸グラチラマー、ならびに細胞傷害性のDNA損傷剤(例えば、クロラムブシルまたは本明細書に記載されている、または当技術分野で公知の任意の他のDNA損傷剤)であってよい。
本明細書に記載の抗CD200抗体は、例えば、骨粗鬆症および歯周病を含めた、骨減少と関連する種々の障害を処置するのにも使用することができる。骨減少は、例えば、これらに限定されないが、高カルシウム尿症、栄養障害(例えば、過食症または食欲不振などの摂食障害)、月経閉止、早発性卵巣機能不全、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、カルマン症候群、男性更年期、視床下部性無月経、または高プロラクチン血症などの性機能が低下した状態などのいくつもの障害に起因しうる。骨粗鬆症の骨減少も、いくつものがんおよび炎症性障害に起因しうる。例えば、骨減少は、多発性骨髄腫(MM)、関節リウマチ(RA)、および全身性エリテマトーデス(SLE)に起因しうる。「骨減少と関連する障害を発症する危険性がある」ヒトは、骨粗鬆症の家族歴を有するヒト、または骨粗鬆症と関連する障害を有するヒトである。例えば、骨粗鬆症を発症する危険性があるヒトは、多発性骨髄腫、栄養上の障害、またはRAまたはSLEなどの骨粗鬆症関連炎症性障害を有するヒトでありうる。骨粗鬆症を発症する危険性があるヒトは、例えば、閉経期の女性でありうる。上記から、対象の種の範囲に入るヒトの全てが「骨減少と関連する障害を発症する危険性がある」ヒトなのではないことが明らかになる。
「骨減少と関連する障害を有することが疑われる」ヒトは、その障害の1つまたは複数の症状を呈するヒトである。骨粗鬆症の症状としては、例えば、脆弱性骨折、疼痛(例えば、頸部痛または腰)、および脊髄の圧迫骨折によって生じる猫背の姿勢が挙げられる。
骨減少と関連する障害は、本明細書に記載の1つまたは複数の抗CD200抗体またはそのCD200結合断片を投与することに加えて、ビスホスホネート、組換え副甲状腺ホルモン、ホルモン補充療法(例えば、女性におけるエストロゲン療法)、および選択的なエストロゲン受容体モジュレーターを用いて処置することができる。
CD200は、動物モデルにおいて、妊娠において役割を果たすことが示されている。例えば、可溶性のCD200−Fc融合タンパク質としてのCD200発現の増加により、マウスの自然流産率が低下することが示されている。(例えば、Clarkら(2001年)Mol Human Reprod 7巻:185〜194頁およびGorczynskiら(2001年)Graft 4巻:338〜345頁を参照されたい)。したがって、女性に抗CD200抗体またはそのCD200結合断片を投与する前に、医療従事者は、その女性が妊娠中であるか否かを決定することができる。その女性が妊娠中である場合、医療従事者は、その女性に抗CD200抗体を投与しないことを選択することができる。医療従事者は、場合によって、その女性のために代替療法を選択することができる。
一部の実施形態では、骨髄移植、またはCLL細胞に反応性のT細胞の養子移入の後の骨髄破壊的療法の治療効果は、抗CD200療法によって増強される。さらに、抗CD200治療により、CLL細胞タンパク質を担持させた樹状細胞、そのような細胞に由来するペプチドまたはRNA、患者に由来する熱ショックタンパク質(HSP)、腫瘍ペプチドまたは腫瘍タンパク質などのがんワクチンの効力を実質的に増強することができる。他の実施形態では、抗CD200抗体またはそのCD200結合断片は、CpGなどの免疫賦活化合物、toll様受容体アゴニストまたは任意の他のアジュバント、抗CTLA−4抗体などと組み合わせて使用することができる。一部の実施形態では、抗CD200抗体(またはCD200結合断片)治療の効力を、抗PDL1抗体および/または抗PDL2抗体、抗IL−10抗体、抗IL−6抗体などを用いて免疫抑制機構を遮断することによって改善することができる。一部の実施形態では、抗CD200抗体治療の効力は、小分子阻害剤IMiD、サリドマイド、またはサリドマイド類似体などのNK細胞の数またはT細胞の活性を増加させる作用剤を投与することによって改善される。
一部の実施形態では、がんの環境において免疫抑制性であることが示された形質細胞様樹状細胞を排除することが有利でありうる。抗CD200抗体またはそのCD200結合断片の送達によって免疫反応を増大することを意図している実施形態では、エフェクター機能を欠く抗CD200抗体が有利である。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、抗CD200抗体を投与した後に、ヒトを、障害および/またはその1つまたは複数の症状の改善についてモニタリングすることを含んでよい。ヒトを、障害(例えば、がん、炎症性の状態、または骨減少と関連する障害)の改善についてモニタリングするとは、本明細書で定義される場合、対象を、疾患パラメータの変化、例えば、疾患の1つまたは複数の症状の改善について評価することを意味する。一部の実施形態では、評価は、投与した後少なくとも1時間、例えば、少なくとも2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間、または48時間、または少なくとも1日、2日、4日、10日、13日、20日、またはそれ以上、または少なくとも1週間、2週間、4週間、10週間、13週間、20週間、またはそれ以上行う。以下の1つまたは複数の期間、ヒトを評価することができる:治療を開始する前;治療している間;または治療の1つまたは複数の要素を投与した後。評価は、さらなる治療の必要性を評価するステップ、例えば、治療の投与量、投与の頻度、または持続時間を変更するべきか否かを評価するステップを含んでよい。評価は、選択された治療的なモダリティを追加または中止する、例えば、本明細書に記載の障害に対する任意の治療を追加または中止する必要性を評価するステップも含んでよい。
一部の実施形態では、治療的な治療の進行および/または有効性のモニタリングは、処置前および処置後にCD200発現レベルをモニタリングするステップを含む。例えば、CD200の処置前レベルを突きとめることができ、かつ、療法を少なくとも1回施した後に、CD200のレベルを再度決定することができる。CD200のレベルの低下は、有効な治療を示しうる(以下を参照されたい)。従事者は、CD200のレベルの測定値を、療法の投与量または頻度を増やすためのガイドとして使用することができる。CD200のレベルを直接モニタリングすることができる、あるいは、CD200と相関する任意のマーカーをモニタリングすることができることが当然理解されるべきである。
本発明者らは、CD200を発現する細胞を含むがんを有する患者に抗CD200抗体を投与すると、がん細胞によるCD200発現が低下することも発見した。上記の通り、がん細胞は、宿主生物体内の悪性細胞を同定し、がんが発症する前に細胞を死滅させることができる免疫系による検出から逃れるために、いくつものやり方で進化してきた。例えば、Geertsenら(1999年)Int J Mol Med 3巻(1号):49〜57頁;Kerebijnら(1999年)Crit Rev Oncol Hematol 31巻(1号):31〜53頁;およびPardoll(2003年)Annu Rev Immunol 21巻:807〜39頁を参照されたい。がん細胞が免疫監視を免れる1つの潜在的な機構は、免疫抑制性のCD200タンパク質を発現または過剰発現させることである。実際、例えば、B細胞性慢性リンパ性白血病細胞、前立腺がん細胞、乳がん細胞、結腸がん細胞、および脳がん細胞を含めた種々のヒトのがん細胞においてCD200タンパク質が発現または過剰発現されることが示されている。例えば、Kawasakiら(2007年)Biochem Biophys Res Commun 364巻(4号):778〜782頁;Kretz−Rommelら(2007年)、上記;およびSivaら(2008年)Cancer Immunol Immunother 57巻(7号):987〜96頁を参照されたい。したがって、本開示はどんな特定の理論または作用機構にも束縛されるものではないが、本発明者らは、がん細胞におけるCD200の抗CD200抗体依存性の下方制御により、免疫監視の阻害が軽減され、免疫系がより有効にがんを同定し、それと戦うことが可能になると考える。
したがって、ヒトに、抗CD200抗体を、ヒトにおけるがん細胞によるCD200の発現の低下を持続させるのに十分な量および頻度で投与することが有益であると考えられている。がん細胞によるCD200の発現または発現の変化を検出するための方法は当技術分野で周知であり(例えば、ウエスタンブロット、免疫組織学的検査、およびフローサイトメトリー技法)、本明細書に記載されている。例えば、ヒトに抗CD200抗体を投与した後のがん細胞によるCD200発現レベルは、患者から得られた生物学的試料中に存在するがん細胞のフローサイトメトリー分析によって決定することができる。がん細胞のCD200の処置後発現レベルを対照発現レベルおよび/または抗体で処置する前の患者のがん細胞の発現レベルと比較することができ、がん細胞によるCD200発現レベルの低下が、抗CD200抗体が、がん細胞によるCD200発現を低下させるのに十分な量および頻度でヒトに投与されていることを示す。
反復的なプロセスを通して、医療従事者は、患者におけるがん細胞によるCD200発現レベルの低下を維持するのに必要な適切な投与量、および各投与を施す頻度を決定することができる。例えば、医療従事者は、がん患者に、がん細胞によるCD200発現レベルを低下させる(または、少なくとも低下させることが予測される)量の抗CD200抗体を、少なくとも2回(例えば、少なくとも3回、4回、5回、6回、7回、または8回、またはそれ以上)で投与することができる。少なくとも2回の投与は、少なくとも1日(例えば、少なくとも2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、または、さらには14日)の時間間隔を空けるべきである。がん細胞を含有する生物学的試料(例えば、血液試料)は、患者から、種々の時間、例えば、抗CD200抗体の1回目の投与の前、1回目の投与と少なくとも1回の追加的な投与との間、ならびに、2回目の投与の後の少なくとも1つの生物学的試料の採取時に得られる。一部の実施形態では、生物学的試料は、投与間に少なくとも2回、および/または患者に最後の投与を施した後に少なくとも1回採取することができる。次いで、得られた各生物学的試料中のがん細胞をCD200発現について調べて、抗CD200抗体の量および/または投与の頻度が、がん細胞によるCD200発現レベルの低下を維持するのに十分であるどうかを決定する。ある期間にわたる患者のがん細胞によるCD200発現、および、患者に抗CD200抗体を投与することによる、ある期間にわたる細胞によるCD200発現に対する効果に関する情報を武器にして、医療従事者(および/またはコンピュータ)は、治療の間、患者のがん細胞によるCD200発現レベルの低下を維持するのに十分である、患者に対する抗CD200抗体の投与スケジュールを決定することができる。
上記の通り、本発明者らは、CD200を発現する細胞を含むがんを有する患者に抗CD200抗体を投与すると:(i)白血球によるCD200発現レベルが、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200発現レベルと比較して低下し;(ii)白血球によるCD200Rの発現レベルが、対照試料における同じ組織型の白血球によるCD200Rの発現レベルと比較して上昇し;(iii)CD200+T細胞の濃度が、対照試料における同じ組織型のCD200+T細胞の濃度と比較して低下し;(iv)CD200R+白血球の濃度が、対照試料における同じ組織型のCD200R+白血球の濃度と比較して増加することも観察した。同様に、本発明者らは、自己免疫疾患の動物に抗CD200抗体を投与すると、CD200+白血球の濃度およびCD200+骨髄細胞が、抗体を用いて治療していない動物におけるそのような細胞の濃度と比較して低下することも観察した。したがって、本開示は、例えば、抗CD200抗体を用いて患者を処置する持続時間にわたって、患者における白血球によるCD200発現レベルの低下;患者における白血球によるCD200R発現レベルの上昇;患者におけるCD200+白血球および/またはCD200+骨髄細胞の濃度の低下;および/または患者におけるCD200R+白血球の濃度の上昇を維持するのに必要な適切な投与量、および各投与を施す頻度を決定するための方法も特徴とする。
本明細書において提供される抗CD200抗体の免疫調節効果(複数可)(例えば、抗CD200抗体を用いて治療した患者におけるがん細胞によるCD200発現レベルの低下または白血球によるCD200R発現の増加)に関する情報を使用すると、医薬の分野における当業者にとって、患者において、本明細書に開示されている免疫調節効果の少なくとも1つの存在を維持する、患者に対する抗CD200抗体の適切な投与スケジュールを決定することは常套的な実験の問題である。
例えば、本明細書に記載の抗体は、固定用量として、またはキログラム当たりのミリグラム(mg/kg)用量で投与することができる。一部の実施形態では、用量は、組成物中の活性な抗体の1つまたは複数に対する抗体の産生または他の宿主の免疫反応を低下させる、または回避するように選択することもできる。決してこれに限定するものではないが、抗体の例示的な投与量としては、例えば、1〜100μg/kg、0.5〜50μg/kg、0.1〜100μg/kg、0.5〜25μg/kg、1〜20μg/kg、および1〜10μg/kg、1〜100mg/kg、0.5〜50mg/kg、0.1〜100mg/kg、0.5〜25mg/kg、1〜20mg/kg、および1〜10mg/kgが挙げられる。本明細書に記載の抗体の例示的な投与量としては、これらに限定することなく、0.1μg/kg、0.5μg/kg、1.0μg/kg、2.0μg/kg、4μg/kg、および8μg/kg、0.1mg/kg、0.5mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、4mg/kg、および8mg/kgが挙げられる。同様に、例示的な用量(例えば、サマリズマブなどの抗CD200抗体全体)としては、例えば、50mg/m2以上、75mg/m2以上、100mg/m2以上、150mg/m2以上、200mg/m2以上、250mg/m2以上、300mg/m2以上、350mg/m2以上、400mg/m2以上、450mg/m2以上、500mg/m2以上、550mg/m2以上、600mg/m2以上、および/または700mg/m2以上が挙げられる。
医薬組成物は、治療有効量の本明細書に記載の抗体を含んでよい。そのような有効量は、当業者が、投与される抗体の効果、または、2種以上の作用剤を使用する場合は抗体と1つまたは複数の追加的な活性薬剤の組合せの効果に一部基づいて容易に決定することができる。治療有効量の本明細書に記載の抗体は、個体の病態、年齢、性別、および体重などの因子、ならびに抗体(および、1つまたは複数の追加的な活性薬剤)の、個体における所望の反応、例えば、少なくとも1つの状態パラメータの回復、例えば、少なくとも1つのがんの症状の回復を引き出す能力、ならびに/または、本明細書に記載の免疫調節効果のバイオマーカーの少なくとも1つが存在することに従って変動してもよい。治療有効量は、組成物の任意の毒性効果または有害効果よりも治療的に有益な効果がまさる量でもある。
そのような組成物の毒性および治療効果は、細胞培養物または実験動物(例えば、本明細書に記載の任意の障害の動物モデル)における公知の薬学的手順によって決定することができる。これらの手順は、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)およびED50(集団の50%において治療的に有効な用量)を決定するのに使用することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は治療指数であり、LD50/ED50比として表すことができる。高い治療指数を示す抗CD200抗体が好ましい。毒性の副作用を示す組成物を使用することができるが、そのような化合物を患部組織の部位にターゲティングし、正常細胞への潜在的な損傷を最小限にし、これにより、副作用を低下させる送達系を設計するために注意を払うべきである。
本発明者らは、末梢性の腫瘍負荷量(load)(例えば、B CLL腫瘍細胞負荷量(load))とがん患者に存在するT細胞の濃度(または数)との間の逆相関も発見した。すなわち、がん患者に存在する非がんT細胞の濃度が高いほど、患者における腫瘍負荷量(burden)が低い。この発見はどんな特定の理論または作用機構によるものでもないが、本発明者らは、療法を行う時にがん患者が示すT細胞のレベルが正常である、または上昇している場合、がん患者が抗CD200抗体による療法から受ける利益が高まる可能性があると考える。同様に、本発明者らは、抗CD200抗体による療法が、インタクトな免疫系、例えば、患者に存在するがんに対する免疫反応を高めることができる免疫系を有する患者においてはるかに高い効力および/またはより強力な免疫調節効果を有する可能性があることも決定した。すなわち、下記の通り、サマリズマブによる治療の前に事前の化学療法を受けていない、本試験における全4人のがん患者は、サマリズマブによる処置後に疾患が臨床的に安定した、または改善された。実際、抗CD200抗体を投与される前に免疫抑制療法または化学療法を受けていない患者102〜502は、腫瘍負荷量(burden)のかなりの低下を示し、これは、CD45+ B CLL細胞の濃度の顕著な低下、CD8+T細胞の増加、制御性T細胞の減少、活性化T細胞の増加、および活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比の増大を含めた、いくつもの本明細書に記載の免疫調節性バイオマーカーの変化と相関した。
したがって、患者のがんに対する免疫反応を開始することができるインタクトな免疫系を有するがん患者を、抗CD200抗体を用いた治療のために選択することができる。選択は、例えば、がんに罹患している患者に由来する生物学的試料中に存在するCD3+細胞の濃度を定量化するステップと;患者が、患者における抗CD200抗体による療法の効力を増強するのに十分な濃度のT細胞を有する場合、患者に、抗CD200抗体を、患者におけるがんを処置するのに有効な量で投与するステップとを含んでよい。健康なヒトおよびB−CLLなどのがんを有するヒトに由来する血液中のCD3+細胞の平均濃度は当技術分野で周知である。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3+細胞の十分な濃度は、1マイクロリットル当たり細胞300個超(例えば、1マイクロリットル当たり細胞325個、350個、375個、400個、425個、450個、475個、500個、525個、550個、575個、600個、625個、650個、675個、700個、725個、750個、775個、800個、825個、850個、875個、900個、925個、950個、975個、1000個、1100個、1200個、または1300個、またはそれ以上)のCD3+細胞の濃度である。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3+細胞の十分な濃度は、1マイクロリットル当たり細胞200個以上(例えば、1マイクロリットル当たり細胞225個、250個、275個、300個、325個、350個、375個、400個、425個、450個、475個、または500個、またはそれ以上)のCD3+/CD4+細胞の濃度である。一部の実施形態では、生物学的試料におけるCD3+細胞の十分な濃度は、1マイクロリットル当たり細胞150個以上(例えば、1マイクロリットル当たり細胞175個、200個、225個、250個、275個、300個、325個、350個、375個、400個、425個、450個、475個、500個、525個、550個、575個、600個、625個、650個、675個、700個、725個、750個、775個、800個、825個、850個、875個、900個、925個、950個、975個、1000個、1100個、1200個、または1300個、またはそれ以上)のCD3+/CD8+細胞の濃度である。CD3+細胞の濃度を決定するための方法は、当技術分野で公知であり、例えば、フローサイトメトリーが挙げられる。がん患者に抗CD200抗体を治療的に投与するための方法は、当技術分野で公知であり、本明細書に記載されており、また、例えば、米国特許第7,408,041号において詳述されている。
一部の実施形態では、免疫応答性は、例えば、フローサイトメトリーによって測定される、患者から得られる生物学的試料(例えば、血液試料)における特定のリンパ球集団の絶対数を定量化することにより決定することができる。例えば、Shearerら(2003年)J Allergy Clin Immunol 112巻(5号):973〜980頁およびPaglieroniおよびHolland(1994年)Transfusion 34巻:512〜516頁を参照されたい。例えば、一部の実施形態では、免疫応答性は、フローサイトメトリーによるCD45+リンパ球数によって示され、0.66〜4.60×103個の細胞/μL(0〜17歳の患者について);0.99〜3.15×103個の細胞/μL(18〜55歳の患者について);または1.00〜3.33×103個の細胞/μL(55歳を超えた患者について)である。
一部の実施形態では、免疫応答性は、患者から得られる生物学的試料におけるCD3+T細胞の絶対数をフローサイトメトリーによって定量化することにより決定することができる。例えば、一部の実施形態では、免疫応答性は、例えば、フローサイトメトリーによるCD3+リンパ球数によって示され、2,500〜5,500個の細胞/μL(0〜2カ月齢の患者について);2,500〜5,600個の細胞/μL(3〜5カ月齢の患者について);1,900〜5,900個の細胞/μL(6〜11カ月齢の患者について);2,100〜6,200個の細胞/μL(12〜23カ月齢の患者について);1,400〜3,700個の細胞/μL(2〜5歳の患者について);1,200〜2,600個の細胞/μL(6〜11歳の患者について);1,000〜2,200個の細胞/μL(12〜17歳の患者について);677〜2,383個の細胞/μL(18〜55歳の患者について);または617〜2,254個の細胞/μL(55歳を超えた患者について)である。
一部の実施形態では、免疫応答性は、患者から得られる生物学的試料におけるCD19+B細胞の絶対数を、例えば、フローサイトメトリーによって定量化することにより決定することができる。例えば、一部の実施形態では、免疫応答性は、フローサイトメトリーによるCD19+B細胞数によって示され、300〜2,000個の細胞/μL(0〜2カ月齢の患者について);430〜3,000個の細胞/μL(3〜5カ月齢の患者について);610〜2,600個の細胞/μL(6〜11カ月齢の患者について);720〜2,600個の細胞/μL(12〜23カ月齢の患者について);390〜1,400個の細胞/μL(2〜5歳の患者について);270〜860個の細胞/μL(6〜11歳の患者について);110〜570個の細胞/μL(12〜17歳の患者について);99〜527個の細胞/μL(18〜55歳の患者について);または31〜409個の細胞/μL(55歳を超えた患者について)である。
一部の実施形態では、免疫応答性は、患者から得られる生物学的試料におけるCD16+CD56+天然キラー(NK)細胞の絶対数を、例えば、フローサイトメトリーによって定量化することにより決定することができる。例えば、一部の実施形態では、免疫応答性は、フローサイトメトリーによるCD16+CD56+NK細胞数によって示され、170〜1,100(0〜2カ月齢の患者について);170〜830個の細胞/μL(3〜5カ月齢の患者について);160〜950個の細胞/μL(6〜11カ月齢の患者について);180〜920個の細胞/μL(12〜23カ月齢の患者について);130〜720個の細胞/μL(2〜5歳の患者について);100〜480個の細胞/μL(6〜11歳の患者について);110〜570個の細胞/μL(12〜17歳の患者について);101〜678個の細胞/μL(18〜55歳の患者について);または110〜657個の細胞/μL(55歳を超えた患者について)である。
一部の実施形態では、免疫応答性は、患者から得られる生物学的試料におけるCD4+ヘルパーT細胞の絶対数を、例えば、フローサイトメトリーによって定量化することにより決定することができる。例えば、一部の実施形態では、免疫応答性は、フローサイトメトリーによるCD4+ヘルパーT細胞数によって示され、1,600〜4,000(0〜2カ月齢の患者について);1,800〜4,000個の細胞/μL(3〜5カ月齢の患者について);1,400〜4,300個の細胞/μL(6〜11カ月齢の患者について);1,300〜3,400個の細胞/μL(12〜23カ月齢の患者について);700〜2,200個の細胞/μL(2〜5歳の患者について);650〜1,500個の細胞/μL(6〜11歳の患者について);530〜1,300個の細胞/μL(12〜17歳の患者について);424〜1,509個の細胞/μL(18〜55歳の患者について);または430〜1,513個の細胞/μL(55歳を超えた患者について)である。
一部の実施形態では、免疫応答性は、患者から得られる生物学的試料におけるCD8+T細胞の絶対数を、例えば、フローサイトメトリーによって定量化することにより決定することができる。例えば、一部の実施形態では、免疫応答性は、フローサイトメトリーによるCD8+T細胞数によって示され、560〜1,700(0〜2カ月齢の患者について);590〜1,600個の細胞/μL(3〜5カ月齢の患者について);500〜1,700個の細胞/μL(6〜11カ月齢の患者について);620〜2,000個の細胞/μL(12〜23カ月齢の患者について);490〜1,300個の細胞/μL(2〜5歳の患者について);370〜1,100個の細胞/μL(6〜11歳の患者について);330〜920個の細胞/μL(12〜17歳の患者について);169〜955個の細胞/μL(18〜55歳の患者について);または101〜839個の細胞/μL(55歳を超えた患者について)である。
患者から得られる生物学的試料において測定したところ、免疫細胞数がこれらのレベルを下回ることは、患者が免疫無防備状態であることを示しうることが理解される。上記の範囲の1つまたは複数の範囲内に入る免疫細胞数は、患者が免疫応答性であり、本明細書に記載の抗CD200抗体による療法から受ける利益が高まる可能性があることを示しうる。本明細書に記載の方法はいずれも、(a)本明細書に記載の免疫細胞サブセットの1つまたは複数の1マイクロリットル当たりの数、および/または(b)アッセイされた数が上記の所定の範囲などの所定の範囲内に入るか否かを決定するために生物学的試料をアッセイするステップを含んでよい。
一部の実施形態では、本明細書に記載の方法は、インタクトな免疫系を有する対象、例えば、対象の体内または体表に存在するがんに対する免疫反応を開始する能力を有する対象を同定または選択するステップを含んでよい。免疫系が、がんに対する免疫反応を開始する能力を有するか否かを決定するための方法は当技術分野で周知である。例えば、医療従事者は、当業者によく知られているin vitroアッセイ、例えば、ELISAを用いて、がん組織に結合する抗体の存在について全身的に(例えば、血清において)、または、例えば、種々の粘膜部位において(例えば、唾液または胃洗浄液および気管支肺胞洗浄液において)試験することによって、がんに特異的な抗体(例えば、IgG、IgM、またはIgA)反応についてアッセイすることができる。従事者は、(a)有糸分裂促進因子(例えば、PHAもしくはLPS)または抗CD3抗体による刺激に対する正常な増殖反応を開始する能力;(b)所定の正常範囲(例えば、>1.0)におけるCD4+細胞:CD8+細胞の比;および(c)腫瘍に特異的な免疫反応、例えば腫瘍抗原に特異的なT細胞の定量化などのうちの1つまたは複数を、例えば、ELISPOTまたは四量体またはサイトカイン分析を用いて評価することによって患者の全体的な免疫応答性を査定することもできる。
その代わりに、またはそれに加えて、CD4+T細胞反応は、一般に、抗体反応のために必要であるので、がんに対するin vitroでのCD4+T細胞反応を、当技術分野で公知の方法を使用して測定することができる。そのような方法としては、CD4+T細胞増殖アッセイまたはリンフォカイン(例えば、インターロイキン−2、インターロイキン−4、またはインターフェロン−γ)産生アッセイが挙げられる。決定の一部は、化学療法または免疫抑制療法は、療法を施される患者の免疫系を阻害することが公知であるので、患者が以前そのような療法を施されていたか否かに関して、定量的または定性的な査定/評価を含んでよい。
以下の実施例は、本発明を例示するものであり、それを限定するものではない。
(実施例1)
ヒトにおいて抗CD200抗体を評価する、用量を段階的に増加させる試験の予備段階の結果
サマリズマブ(Alexion Pharmaceuticals、Inc.)は、B−CLLを処置するための、現在臨床的に評価されている画期的医薬品(first−in−class)の組換えヒト化モノクローナル抗体である。この抗体はCD200とCD200Rとの間の相互作用を阻害し、したがって、CD200が発現されているがんの患者において、CD200依存性の免疫抑制を阻害する。したがって、患者にサマリズマブを投与することにより、患者の免疫系ががんを適切に同定し根絶することが可能になる。
再発性または難治性のB−CLLまたは多発性骨髄腫(MM)の患者におけるサマリズマブの安全性および最大耐量(MTD)を評価するために、コホート当たり患者3人の改変Fibonacci設計を用いて、継続した用量を段階的に増加させる試験を実施した。用量制限毒性(DLT)が生じた場合、コホートを患者6人に拡大した。試験患者は、28日サイクルごとに単回の静脈内投与、および28日間隔でサマリズマブの任意選択の追加的な静脈内投与を受けた。治療サイクル当たり50mg/m2から600mg/m2までにわたって、合計7コホートを評価した。試験により、患者において、とりわけ、完全な血球計算、コンピュータ断層撮影法(CT)スキャン、標準の安全性評価、抗体の薬物動態(PK)および薬力学的(PD)測定、ならびに患者において抗サマリズマブ抗体反応が発生したか否かを査定した。
試験では、発性骨髄腫(MM)患者3人および小リンパ球性リンパ腫(SLL)の患者1人を含めたB−CLL患者26人を50mg/m2から600mg/m2までにわたる用量の7つの用量コホートに登録した。MM患者のうち2人は500mg/m2コホートに登録し、1人は600mg/m2コホートに登録した。SLL患者は、500mg/m2コホートに登録した。4人の患者が自身のがんに対して以前に化学療法を受けておらず、一方他の22人の患者は、サマリズマブの1回目の投与を施す前に化学療法の2つのレジメンの中間を受けた(患者当たり1から9サイクルの間にわたる)。男性の患者が18人、女性の患者が8人であり、患者の年齢の範囲は41〜87歳(年齢の中央値は67)であった。20人の患者が任意選択の投与を受け;このうち3人(50mg/m2を投与された1人;200mg/m2を投与された2人)が、サマリズマブに対するヒト抗ヒト抗体反応を発症した。4回の投与サイクルを完了した患者13人のうち9人が、末梢血球計算およびCTスキャンの段階的な査定に基づいて安定な疾患(SD)を示した。4回のサイクルでSDを示す患者に対して4回を超える治療サイクルを許容するようにプロトコールを修正した。臨床的に有害なサイトカイン反応は観察されなかった。薬物に関連せず、悪性腫瘍に関連しない死亡が1件生じた。有害事象は、大部分は、重症度が穏やかまたは中程度であり、コホート6の評価期間の終了時点で最大耐量(MTD)は観察されなかった。サマリズマブは、血清曲線下面積(AUC)において用量依存的な直線的増加を示す。治療の最初の4サイクルについての血清薬物レベル(100〜400mg/m2)の平均AUCは、用量とAUCとの間の直線関係と一致している(図1)。
最初の結果は、サマリズマブは、一般に安全かつ耐容性良好であり、下で詳述している通りこの患者集団において所望の免疫調節活性を示すことを示唆している。
(実施例2)
サマリズマブを用いて治療したヒトにおける免疫調節効果の発生のバイオマーカーの観察
評価可能な細胞集団を有する患者の中で、抗体治療により、末梢血中の免疫細胞とB−CLLがん細胞の両方に対する観察可能な免疫調節効果がもたらされた。効果の概要が表1に示されている。例えば、サマリズマブを投与した後、患者20人のうち19人(95%)においてCD200+T細胞の低下が観察された(表1)。
「抗体」とは、サマリズマブを指す。
「N」は患者の数である。
「HAHA」とは、患者におけるサマリズマブに対するヒト抗ヒト抗体反応の発生を指す。
a患者を治療している間の任意の時点で検出されたTh1サイトカイン。
b多回用量の安全性を評価するために4人以上の患者を登録した。
c同じ患者を指す。
dHAHA反応は検出されなかった。
e患者7人のうち2人は多発性骨髄腫(MM)患者であった。
fこのコホートの患者1人についてはTh1サイトカインの情報が入手不可能であった。
g多発性骨髄腫を患っている患者。
「NA」とは、該当なしを指す。
図2は、CD200+T細胞の低下を示す、治療された患者の代表的な分析を提供する。図3に示されているように、患者におけるCD200+T細胞の低下は一過性であり、CD200+T細胞は、14日目当たりで処置前のレベルまで回復し始めた。しかし、これらの患者にサマリズマブの2回目の投与を施すと、再度一過性のCD200+T細胞の濃度の低下がもたらされた(図3)。効果の一過性の性質は、低用量のサマリズマブ(例えば、50〜200mg/m2)において、高用量(300〜500mg/m2)の抗体での持続的効果と比較して頻繁に観察された。これにより、患者における抗CD200抗体の免疫調節効果は用量依存的であったこと、ならびに、患者における免疫調節効果を維持するための投与スケジュールの改変は、サマリズマブの用量を増加させることおよび/またはサマリズマブをより頻繁に投与することの一方、または両方によって実現することができることが示された。
CD200+T細胞の低下または回復は、患者におけるCD3+T細胞の総濃度の全体的な変化とは関連せず、これは、CD200+T細胞が、CD200発現を下方制御している、かつ/または、欠失しているのではなく末梢の外に動員されていることを示唆している(サマリズマブは、患者の血液試料における白血球によるCD200発現を検出するために使用される抗体の結合を交差ブロック(crossblock)せず、したがって、これらのアッセイを用いてCD200発現を検出する能力に実質的に影響を及ぼさない)。
さらに、サマリズマブを投与した後7日目までの白血球サブセット(例えば、CD200R+/CD4+白血球サブセット)におけるCD200R発現レベルの上昇も、患者19人のうち8人において観察された(例えば、図4を参照されたい)。CD200+細胞の低下および白血球によるCD200R発現の上昇が、CD4+T細胞集団において優勢に観察された(図4)。上記の通り、白血球サブセットによるCD200R発現の増加は、CD200発現の低下に対する細胞による補償の結果でありうる。
患者25人のうち10人(40%)が、中程度の、1回目の投与によるTh1サイトカイン反応を示し、一方、患者25人のうち22人(88%)は試験期間中の1つまたは複数の時点で検出可能なTh1サイトカインを有した。これは、患者におけるサマリズマブの免疫調節活性とも一致する。
サマリズマブを投与された患者において、制御性T細胞(Treg)の減少も観察された。特に、疾患が臨床的に安定している、または改善されている患者9人のうち4人(44.4%)がTregの低下を示したが、一方、疾患が臨床的に進行した患者は、16人のうち5人(31.2%)のみが同様のTregの減少を示した(図5)。
サマリズマブを投与した後、末梢血中のB−CLL腫瘍細胞によるCD200タンパク質の発現の低下も、患者21人のうち14人(67%)において観察された。この低下は、低用量(例えば、50〜200mg/m2)のサマリズマブでは一過性であり、B−CLL細胞によるCD200発現は、14日目当たりで処置前のレベルまで(またはほぼ処置前のレベルまで)回復し始めた。しかし、これらの患者にサマリズマブの2回目の投与を施すと、再度、細胞によるCD200タンパク質の発現の一過性の低下がもたらされた(図6)。高用量(300〜500mg/m2)の抗体ではB−CLL腫瘍細胞においてCD200の持続性の減少が観察された。上記の通り、この結果により、患者における抗CD200抗体の免疫調節効果は用量依存的であったこと、ならびに患者における免疫調節効果を維持するための投与戦略の改変は、サマリズマブの用量を増加させることおよび/またはサマリズマブをより頻繁に投与することの一方、または両方によって実現することができることがさらに示された。そのような抗CD200抗体の投与戦略により、治療された患者に対する臨床的利益が改善される可能性がある。
他の白血球サブセットにおけるCD200Rおよび/またはCD200の発現の変化、または他のCD200+またはCD200R+白血球の濃度の変化は、そのような観察を行うためには細胞の数量が不十分であったので、観察されなかった。
疾患の安定を示す患者9人のうち、1人はコホート1から、3人はコホート2からであり、コホート3、4および5にそれぞれ1人、そして高用量コホート(500mg/m2)に2人であった。患者において観察された例示的な抗CD200抗体関連免疫調節効果は、以下の通りである:
1.CD4+/CD200+T細胞:コホート1、2および3の、疾患が安定している患者は全て、サマリズマブの1回目の投与およびその後の投与の後に、CD200+/CD4+T細胞の一過性の低下を示した。疾患が安定しているコホート4、5および6の患者は、CD200+/CD4+T細胞の持続的な低下を示した。
2.CD200R+/CD4+T細胞:コホート2の疾患が安定している患者3人のうち1人、コホート3の患者、およびコホート4の患者(全員疾患が安定している)は、1回目の投与後にCD200R+/CD4+T細胞の増加を示した。
これらの疾患が安定している患者は、ベースラインにおけるT細胞の数が変動し(CD45+白血球の2%、2%、14%、23%および39%)かつ、CD4+/CD200+T細胞の百分率が、これらの患者におけるベースラインにおいて総CD3+T細胞の10〜35%で変動した。さらに、疾患が安定している患者の全てで、B CLL細胞におけるCD200の発現が低下した。
これらの結果は、抗CD200抗体が、抗体を投与された患者において免疫調節効果を生成することができることを示している。4回の治療サイクルにおいて、サマリズマブを用いて治療した患者9人が疾患の安定を示したので、バイオマーカーは、そのサマリズマブの用量が、ヒトにおいて観察されたその免疫調節効果によって、疾患に対する臨床的に意味のある効果を実現するために十分であることも示しうる。
(実施例3)
以前に化学療法を受けていない患者におけるサマリズマブによる治療のバイオマーカー、免疫調節効果、および効力
上記の通り、試験に登録された患者のうち4人は、サマリズマブ療法の前に化学療法を受けていない。これらの患者4人は全て、サマリズマブ療法を受け、疾患の臨床的な安定または改善を示した−反応者9人のうちの4人。患者102〜502の患者4人のうち1人は、進行性CLLを示す66歳の男性であり(試験へのエントリー時にRAI第4期であり、以前に治療を受けていない)、登録の時点で大きな腹部腫瘤および疲労を含んだ。抗CD200抗体治療レジメンを始める前に、患者102〜502は、CLLに対するどんな化学療法的治療または他の免疫抑制療法も受けていない。1回目のサマリズマブ400mg/m2の投与を受けた後数週間以内に、CTスキャンによって決定された通り、患者の腹部腫瘤は57.6%低下した。サマリズマブを用いた患者の治療を、400mg/m2で、追加的な4サイクル(4回の投与)継続した。4回目のサイクルの後、患者の腹部腫瘤はさらに低下し続けていた−登録時以後合計71%の低下。患者の疲労も排除された。患者は、1カ月に1回施された13回のサマリズマブの投与を受け、部分奏効(PR)が実現された。
この患者では、腫瘍負荷量(burden)の低下と同時に(図7A)、いくつもの抗CD200抗体関連免疫調節性バイオマーカーの変化が観察された。例えば、他の評価された患者と同様に、この患者では、治療の間にCD200+リンパ球(例えば、CD200+CD4+T細胞)の濃度も低下した(図8A)。さらに、この患者では、B CLL細胞の濃度および残りのB CLL細胞によるCD200発現レベルも劇的に低下した(図8B)。
CD8+T細胞ならびにCD4+T細胞の増加も患者において観察された(図7B)。対照的に、患者102〜502におけるTregは治療の間に減少した。活性化T細胞の百分率の、制御性T細胞の百分率に対する比は、治療の間に、およそ2:1から、3:1まで、4:1まで、5:1まで、および最終的に6:1を超えるまで増大した。図9を参照されたい。
これらの結果により、抗CD200抗体が、患者においてさらに免疫調節効果を生成することができること、および本明細書に記載のバイオマーカーの変化が疾患に対する臨床的に意味のある効果と相関することがさらに示された。反応者9人のうち4人が、抗CD200抗体を投与する前に、患者を免疫抑制するためにCLLに対する化学療法的治療を受けていないことは、インタクトな免疫系を有する患者(または免疫抑制剤によって障害をきたしていない患者)への抗CD200抗体の投与が、本明細書に記載の抗CD200抗体による療法からはるかに大きな治療的利益を受ける可能性がありうることを示す。
(実施例4)
自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルにおける抗CD200抗体の効力
試験0(予防モデル)。疾患のマウスモデルを使用して、治療的な抗CD200抗体を、自己免疫性溶血性疾患に付随する自己抗体の産生を予防する、遅延する、またはその重症度を下げるそれらの能力について試験した。例えば、PlayfairおよびMarshall−Clarke(1973年)Nat New Biol 243巻:213〜214頁;Naysmithら(1981年)Immunol Rev 55巻:55〜87頁を参照されたい。
マウスにおいて、マウス赤血球(RBC)に結合する自己抗体の産生を引き出すために、雌のC57BL/6マウスに、2×108個のラットRBCを、試験0日目に1回、次いで、その後の残りの試験の間、1週間ごとに1回、腹腔内(i.p.)投与した。免疫したマウスによる抗ラットRBC同種異系抗体の産生が試験の2週目までに観察され、マウスによる抗マウスRBC自己抗体の産生が3週目までに観察された。
ラットRBCで免疫したマウスを群1(マウス6匹)、群2(マウス6匹)、群3(マウス8匹)、群4(マウス7匹)、群5(マウス9匹)、および群6(マウス9匹)と称される6つの実験群に分けた。1つの追加的な群−群7(マウス6匹)−についても対照として評価した。群7のマウスは、ラットRBCを用いた免疫もせず、下記の追加的な治療のいずれも受けさせなかった。
0日目(ラットRBCを最初に投与した日)に開始して、群2〜6のそれぞれのマウスに、以下のスケジュールの下、治療剤またはビヒクルを投与した:試験の各週に、作用剤またはビヒクルの5回の投与を1日当たり1回の投与で、5日連続で施した。群1のマウスは、ビヒクル−リン酸緩衝食塩水(PBS)のみを用いて治療した。群2のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、CD200に結合しないが、エフェクター機能を保有する対照抗体(IgG2a)を5mg/kgで用いて治療した。群3のマウスは、上述の治療スケジュールの下で、抗体1−エフェクター機能を有する抗CD200抗体(IgG2a)を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群4のマウスは、シクロスポリンを15mg/kgの用量で用いて治療した。群5のマウスは、対照抗体を5mg/kgで用い、シクロスポリンを15mg/kgで用いて治療した。群6のマウスは、抗体1を5mg/kgの用量で用い、シクロスポリンを15mg/kgの用量で用いて治療した。抗体治療は、i.p.により施した。シクロスポリンは、マウスに皮下(s.c.)投与した。各群についての群設計および治療スケジュールが表2に要約されている。
上記の治療の前、その間、およびその後に、週に1回の頻度で群1〜7のマウスから血液を抜き取って、治療が、マウスにおける抗マウスRBC自己抗体および/または抗ラットRBC同種異系抗体の力価に影響を及ぼしたか否かを、フローサイトメトリーによって評価した。対象マウス(例えば、群3からの治療を受けたマウス)において産生された抗マウス自己抗体の相対的な濃度を決定するために、マウスから得られた全血を、蛍光標識した抗マウス抗体の調製物と一緒にインキュベートし、これにより、当該動物の血液中のマウスRBCの表面上に存在する抗マウスRBC抗体の存在を検出した。細胞をPBSで洗浄し、次いで、フローサイトメトリーに供して、マウスRBCに結合したマウス抗マウスRBCの相対量を平均蛍光強度に応じて評価した。13日目から27日目の間に、群1、2、4、5、および6のマウスにおける抗マウスRBC自己抗体の濃度が上昇した。対照的に、群3のマウスにおける抗マウスRBC自己抗体の濃度は、他の群における自己抗体の濃度と比較して著しく低下した。さらに、群3のマウスによる自己抗体の産生は、他の群のマウスと比較して著しく遅延した(図10)。例えば、群1、2、4、5、および6のマウスの50%が、試験の20日目から27日目の間に自己抗体を発生した。対照的に、群3のマウスの少なくとも50%において、自己抗体の産生は27日目から34日目の間まで起こらなかった。これらの結果は、5mg/kgの抗体1、抗CD200抗体が、自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルにおいて抗マウスRBC自己抗体の濃度を低下させることができるだけでなく、マウスにおける自己抗体の産生も有意に遅延させることができることを示している。
対象マウス(例えば、群3からの治療を受けたマウス)において産生される同種異系抗体の相対的な濃度を決定するために、マウスから得られた血清を、単離されたラットRBCの試料と一緒に、血清中に存在する任意のラットRBC特異的同種異系抗体がラットRBCに結合するために十分な条件下で、そのために十分な時間にわたってインキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、次いで、蛍光標識した、マウス抗体に結合する抗体と一緒にインキュベートした。追加的な洗浄ステップの後、細胞をフローサイトメトリーに供して、ラットRBCに結合したマウス抗ラットRBCの相対量を平均蛍光強度として評価した。群1、2、4、5、および6のマウスから得られた血清に含有された抗ラットRBC同種異系抗体の濃度は実験の間に上昇していた。対照的に、群3のマウスから得られた血清に含有された検出可能な抗ラットRBC自己抗体は、他の群と比較してはるかに少なかった。これらの結果により、5mg/kgの抗体1、抗CD200抗体が、RBC特異的同種異系抗体の力価、ならびに自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルにおいて産生される抗RBC自己抗体を減少させることができることがさらに示された。
試験1(治療モデル)。疾患のマウスモデルを使用して、治療的な抗CD200抗体を、自己免疫性溶血性疾患に付随する自己抗体の産生を低下させるそれらの能力について試験した。マウスにおいてマウス赤血球(RBC)に結合する自己抗体の産生を引き出すために、雌のC57BL/6マウスに、2×108個のラットRBCを、試験0日目に1回、次いで、その後の残りの試験の間、1週間ごとに1回、腹腔内(i.p.)投与した。免疫したマウスによる抗ラットRBC同種異系抗体の産生が試験の2週目までに観察され、マウスによる抗マウスRBC自己抗体の産生が3週目までに観察された。
ラットRBCで免疫したマウスを群1(マウス8匹)、群2(マウス8匹)、群3(マウス8匹)、群4(マウス7匹)、および群5(マウス8匹)と称される5つの群に分けた。第6のマウス群(群6と称される;マウス6匹)についても対照として評価した。群6のマウスは、ラットRBCを用いた免疫もせず、下記の追加的な治療のいずれも受けさせなかった。
112日目に開始して、群1〜5のそれぞれのマウスに、以下のスケジュールの下で、治療剤またはビヒクル対照の14回の投与を施す追加的な治療を受けさせた:(i)作用剤またはビヒクルの5回の投与を1日当たり1回の投与で、5日連続で施した;(ii)治療を2日間中断した;(iii)作用剤またはビヒクルの追加的な5回の投与を、1日当たり1回の投与で、5日連続で施した;治療をさらに2日間中断した;そして、(iv)作用剤またはビヒクルのさらに4回の投与を、1日当たり1回の投与で、4日連続で施した。群1のマウスは、ビヒクル−リン酸緩衝食塩水(PBS)のみを用いて治療した。群2のマウスは、上述の治療スケジュールの下で、抗体1−エフェクター機能を有する抗CD200抗体(IgG2a)を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群3のマウスは、抗体1を1mg/kgの用量で用いて治療した。群4のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、抗体2−エフェクター機能を欠く抗CD200抗体を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群5のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、CD200に結合しないが、エフェクター機能を保有する対照抗体(IgG2a)を5mg/kgの用量で用いて治療した。各群についての群設計および治療スケジュールが表3に要約されている。
上記の治療の前、その間、およびその後に、週に1回の頻度で群1〜6のマウスから血液を抜き取って、治療が、マウスにおける抗マウスRBC自己抗体および/または抗ラットRBC同種異系抗体の力価に影響を及ぼしたか否かを、フローサイトメトリーによって評価した。試験の133日目から137日目の間に、マウスを屠殺し、それらの脾臓を回収した。対象マウス(例えば、群2からの治療を受けたマウス)において産生される同種異系抗体の相対的な濃度を決定するために、マウスから得られた血清(例えば、133日目に)を、単離されたラットRBCの試料と、血清中に存在する任意のラットRBC特異的同種異系抗体がラットRBCに結合するために十分な条件下で、そのために十分な時間にわたって接触させた。細胞をPBSで洗浄し、次いで、蛍光標識した、マウス抗体に結合する抗体と一緒にインキュベートした。追加的な洗浄ステップの後、細胞をフローサイトメトリーに供して、ラットRBCに結合したマウス抗ラットRBCの相対量を平均蛍光強度として評価した。本発明者らは、群1、3、4、および5のマウスから得られた処置後の血清に含有された抗ラットRBC同種異系抗体の濃度が、対応する、処置前にマウスから得られた血清と比較して上昇したことを観察した。対照的に、処置後に群2のマウスから得られた血清に含有された検出可能な抗ラットRBC同種異系抗体は、対応する、処置前にマウスから得られた血清と比較して少なかった。これらの結果により、5mg/kgの抗体1、抗CD200抗体が、自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルにおけるRBC特異的抗体の産生を減少させることができることが示された。
本発明者らは、その後、抗体2が、治療したマウスにおいて、抗体1の半減期と比較して有意に短い半減期を有することを観察した。したがって、本明細書に記載の試験1および他の試験において抗体2を用いて観察された結果は、自己免疫性溶血性疾患モデルにおける抗体2の真の効力も、動物における当該抗体の免疫調節効果も完全に反映しない可能性がある。
試験2(予防モデル)
上記の疾患マウスモデルを使用して、治療的な抗CD200抗体を、自己免疫性溶血性疾患に付随する自己抗体の産生を予防する、遅延する、またはその重症度を下げるそれらの能力について試験した。
マウスにおいてマウス赤血球(RBC)に結合する自己抗体の産生を引き出すために、雌のBALB/cマウスに、ラットRBCを、試験0日目に1回、次いで、その後の残りの試験の間、1週間ごとに1回、腹腔内(i.p.)に投与した。上記の通り、免疫したマウスによる抗ラットRBC同種異系抗体の産生が試験の2週目までに観察され、マウスによる抗マウスRBC自己抗体の産生が3週目までに観察された。
ラットRBCで免疫したマウスを群1(マウス8匹)、群2(マウス8匹)、群3(マウス8匹)、群4(マウス8匹)、および群5(マウス8匹)と称される5つの群に分けた。第6のマウス群(群6と称される;マウス6匹)についても対照として評価した。群6のマウスは、ラットRBCを用いた免疫もせず、下記の追加的な治療のいずれも受けさせなかった。
0日目(ラットRBCを最初に投与した日)に開始して、群1〜5のそれぞれのマウスに、以下のスケジュールの下で治療剤またはビヒクルを投与した:試験の各週に、作用剤またはビヒクルの5回の投与を1日当たり1回の投与で、5日連続で施した。群1のマウスは、ビヒクル−リン酸緩衝食塩水(PBS)でのみ治療した。群2のマウスは、上述の治療スケジュールの下で、抗体1−エフェクター機能を有する抗CD200抗体(IgG2a)を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群3のマウスは、抗体1を1mg/kgの用量で用いて治療した。群4のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、抗体2−エフェクター機能を欠く抗CD200抗体を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群5のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、CD200に結合しないが、エフェクター機能を保有する対照抗体(IgG2a)を5mg/kgで用いて治療した。各群についての群設計および治療スケジュールが表4に要約されている。
上記の治療の前、その間、およびその後に、週に1回の頻度で群1〜6のマウスから血液を抜き取って、治療が、マウスにおける抗マウスRBC自己抗体および/または抗ラットRBC同種異系抗体の力価に影響を及ぼしたか否かを、フローサイトメトリーによって評価した。試験の64日目または65日目に、マウスを屠殺し、それらの脾臓を回収した。(各群4匹のマウスを64日目に屠殺し、各群他の4匹のマウスを65日目に屠殺した)。対象マウス(例えば、群3からの治療を受けたマウス)において産生される同種異系抗体の相対的な濃度を決定するために、マウスから得られた血清を、単離されたラットRBCの試料と、血清中に存在する任意のラットRBC特異的同種異系抗体がラットRBCに結合するために十分な条件下で、そのために十分な時間にわたって接触させた。細胞をPBSで洗浄し、次いで、蛍光標識した、マウス抗体に結合する抗体と一緒にインキュベートした。追加的な洗浄ステップの後、細胞をフローサイトメトリーに供して、ラットRBCに結合したマウス抗ラットRBCの相対量を平均蛍光強度として評価した。図11に示されているように、群1、3、4、および5のマウスから得られた血清に含有された抗ラットRBC同種異系抗体の濃度は実験の間に上昇していた。対照的に、処置後に群2のマウスから得られた血清に含有された検出可能な抗ラットRBC同種異系抗体は、他の群と比較してはるかに少なかった。これらの結果により、5mg/kgの抗体1、抗CD200抗体が、自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルにおいて産生されるRBC特異的同種異系抗体の力価を減少させることができることがさらに示された。
試験3(治療モデル)
疾患のマウスモデルを使用して、治療的な抗CD200抗体を、自己免疫性溶血性疾患を処置するそれらの能力について試験した。マウスにおいてマウス赤血球(RBC)に結合する自己抗体の産生を引き出すために、雌のC57BL/6マウスに、ラットRBCを、試験0日目に1回、次いで、その後の残りの試験の間、1週間ごとに1回、腹腔内(i.p.)投与した。上記の通り、免疫したマウスによる抗ラットRBC同種異系抗体の産生が試験の2週目までに観察され、マウスによる抗マウスRBC自己抗体の産生が3週目までに観察された。ラットRBCで免疫したマウスを群1(マウス6匹)、群2(マウス3匹)、および群3(マウス5匹)と称される3つの群に分けた。
86日目に開始して、群1〜3のそれぞれのマウスに、以下のスケジュールの下で、治療剤またはビヒクル対照の10回の投与を施す追加的な治療を受けさせた:(i)作用剤またはビヒクルの5回の投与を1日当たり1回の投与で、5日連続で施した;(ii)治療を2日間中断した;そして、(iii)作用剤またはビヒクルの追加的な5回の投与を、1日当たり1回の投与で、5日連続で施した。群1のマウスは、上述の治療スケジュールの下で、抗体1−エフェクター機能を有する抗CD200抗体(IgG2a)を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群2のマウスは、抗体1を1mg/kgの用量で用いて治療した。群3のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、抗体2−エフェクター機能を欠く抗CD200抗体を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。各群についての群設計および治療スケジュールが表5に要約されている。
試験の終わりに、マウスを屠殺し、それらの脾臓を回収した。マウスへの抗体1の投与が、マウスにおける抗RBC抗体の産生に影響を及ぼすことに加えて、RBCによる脾細胞の活性化に影響を及ぼしたか否かを決定するために、in vitro増殖アッセイを用いて、RBCの存在下で脾細胞の活性化を評価した。簡単に述べると、単離された脾細胞を、3種の異なる抗原−マウスRBC、ラットRBC、またはウシ血清アルブミン(対照)のうちの1つと一緒に、または培地単独で培養した。脾細胞を抗原と接触させた後、3H−チミジンを脾細胞培地に加えておよそ16時間置いた。培地を除去し、細胞を回収した。次いで、抗原による脾細胞の相対的な活性化を、脾細胞のDNAに取り込まれた3H−チミジンの量に応じて測定した。
図12に示されているように、群2および3のマウスに由来する脾細胞は、ラットRBCと接触させた後に頑強な増殖反応を示した。対照的に、群1のマウスに由来する脾細胞の増殖は、ラットRBCの存在下で非常に少なく、これは、抗CD200抗体を5mg/kgで投与することにより、自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルにおけるラットRBCによる脾細胞の活性化を阻害することができることを示している。
試験4(治療モデル)
上記の通り、マウスにおいてマウス赤血球(RBC)に結合する自己抗体の産生を引き出すために、雌のC57BL/6マウスに、ラットRBCを、試験0日目に1回、次いで、その後の残りの試験の間、1週間ごとに1回、腹腔内(i.p.)投与した。
ラットRBCで免疫したマウスを、群1、群2、群3、群4、群5、群6、および群7と称される7つの群に分けた。第8のマウス群(群8と称される)についても対照として評価した。群8のマウスは、ラットRBCを用いた免疫もせず、下記の追加的な治療のいずれも受けさせなかった。各群のマウスは10匹であった。
21日目に開始して、群1〜7のそれぞれのマウス に、以下のスケジュールの下で、1つまたは複数の治療剤、またはビヒクル対照を投与する追加的な治療を受けさせた:試験の各週に、1つまたは複数の作用剤、またはビヒクルの5回の投与を1日当たり1回の投与で、5日連続で施した。群1のマウスは、ビヒクル−リン酸緩衝食塩水(PBS)でのみ治療した。群2のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、CD200に結合しないが、エフェクター機能を保有する対照抗体(IgG2a)を5mg/kgの用量で用いて治療した。群3のマウスは、上述の治療スケジュールの下で、抗体1−エフェクター機能を有する抗CD200抗体(IgG2a)を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群4のマウスは、上記のスケジュールの下で、15mg/kgのシクロスポリンを用いて治療した。群5のマウスは、上記の投与スケジュールの下で、対照抗体(5mg/kg)とシクロスポリン(15mg/kg)の両方を用いて治療した。群6のマウスは、上記の投与スケジュールの下で、抗体1(5mg/kg)とシクロスポリン(15mg/kg)の両方を用いて治療した。群7のマウスは、上記の投与スケジュールの下で、抗体1(1mg/kg)とシクロスポリン(15mg/kg)の両方を用いて治療した。各群についての群設計および治療スケジュールが表6に要約されている。
上記の治療の前、その間、およびその後に、週に1回の頻度で群1〜8のマウスから血液を抜き取って、治療が、マウスにおける抗マウスRBC自己抗体および/または抗ラットRBC同種異系抗体の力価に影響を及ぼしたか否かを、フローサイトメトリーによって評価した。試験の37日目に、マウスを屠殺し、それらの脾臓を回収した。2匹のマウスの大腿骨および脛骨から骨髄細胞も得た。脾臓および骨髄細胞を、下記の通りフローサイトメトリーに供した(実施例5)。
群3および4のマウスから得られた処置後の血清において、対応する処置前の血清と比較して、抗ラットRBC同種異系抗体の濃度の低下が示された。処置後の抗ラットRBC同種異系抗体の低下は、群6および7のマウスにおいてさらに大きく、これは、シクロスポリンおよび抗体1が、マウスにおける同種異系抗体の産生の減少に対する相乗効果を有することを示している。これらの結果はさらに、抗CD200抗体が、自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルにおいて産生されるRBC特異的抗体の力価を減少させることができること、および抗CD200抗体が疾患を処置するために有用であることを示している。
(実施例5)
マウスへの抗CD200抗体の投与は、マウスにおける脾細胞および骨髄細胞集団の濃度に影響を及ぼす
試験1のマウスから得られる脾細胞を、CD200を発現する細胞の百分率を決定するために評価した。細胞をマウスの脾臓から回収し、ビオチン標識した抗CD200抗体(ポリクローナル)の組成物と一緒に、細胞上に存在する場合、抗体がCD200に結合することを可能にするのに十分な条件下で、そのために十分な時間にわたってインキュベートした。ポリクローナル抗体調製物を使用して、細胞上に治療的な抗CD200抗体(例えば、抗体1または抗体2)の残渣が存在することによる任意の遮蔽の影響を妨げた、または減らした。細胞を洗浄し、蛍光標識したストレプトアビジン部分と一緒にインキュベートした。追加的な洗浄ステップの後、次いで、細胞をフローサイトメトリーに供した。図13に示されているように、抗体1を5mg/kg用量で用いて治療した14匹のマウスにおいて、CD200+脾細胞の濃度が、ビヒクル、対照抗体、または抗体2を用いて治療したマウスにおけるCD200+脾細胞の濃度と比較して顕著に低下した。
試験2のマウスの脾臓から回収した脾細胞も上記の通り染色およびフローサイトメトリー分析に供した。5mg/kgの抗体1を用いて長期にわたって治療したマウスにおけるCD200+脾細胞の濃度は、ビヒクルまたは対照抗体を用いて治療したマウスにおけるCD200+脾細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、抗体1を1mg/kgの用量で用いて治療した群3のマウスおよび5mg/kgの抗体2を用いて治療した群4のマウスにおけるCD200+脾細胞の濃度は変化しなかった。
試験4のマウスの脾臓から回収した脾細胞も上記の通り染色およびフローサイトメトリー分析に供した。5mg/kgの抗体1を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて治療したマウスにおけるCD200+脾細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるCD200+脾細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるCD200+脾細胞の濃度は変化しなかった。各マウスに由来するCD200+脾細胞の平均蛍光強度(MFI)の分析(各CD200+脾細胞によるCD200の相対的な発現レベルの測定である)も実施した。群3および6に由来するCD200+脾細胞のMFIは、残りの群におけるCD200+脾細胞のMFIと比較して著しく低下した(群8は取っておく)。これにより、マウスに抗体1を投与することにより、CD200+脾細胞の総数が減少するだけでなく、抗体1で治療したマウスにおいてCD200+を発現する残りの細胞が、CD200をはるかに低いレベルで発現することが示された。
総合すると、これらの結果により、動物に抗CD200抗体を投与することにより、動物におけるCD200+脾細胞の濃度が低下することが確認された。結果は、抗CD200抗体に媒介されるCD200+脾細胞の低下は、シクロスポリンによって正の影響も負の影響も受けないことも示している。
本発明者らは、さらに、抗CD200抗体の、(i)試験4のマウスに由来する脾細胞の特定のCD200+リンパ球サブセットの濃度、および(ii)試験4のマウスに由来する骨髄由来細胞特定のCD200+サブセットの濃度に対する効果も検査した。
試験4のマウスにおける脾臓リンパ球サブセットの濃度
CD3+/CD200+リンパ球サブセット。試験4のマウスのそれぞれに由来する脾細胞の試料をポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、CD3に結合する抗体と一緒にインキュベートして、これにより、群1〜8からのマウスの脾臓におけるCD3+/CD200+細胞の割合を同定した。CD3+細胞の集団は、CD4+およびCD8+T細胞などのT細胞を含む。標識した細胞を、フローサイトメトリーに供した。5mg/kgの抗体1を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて長期にわたって治療したマウスにおけるCD3+/CD200+脾細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるCD3+/CD200+脾細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるCD3+/CD200+脾細胞の濃度は有意に変化しなかった。
CD5+/CD200+リンパ球サブセット。試験4のマウスのそれぞれからの脾細胞の試料を、ポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、CD5に結合する抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの脾臓におけるCD5+/CD200+細胞の割合を同定した。CD5+細胞の集団は、は、T細胞ならびにB細胞(B1細胞集団)を含む。標識した細胞を、フローサイトメトリーに供した。5mg/kgの抗体1を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて長期にわたって治療したマウスにおけるCD5+/CD200+脾細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるCD5+/CD200+脾細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるCD5+/CD200+脾細胞の濃度は有意に変化しなかった。
CD19+/CD200+リンパ球サブセット。試験4のマウスのそれぞれからの脾細胞の試料をポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、CD19に結合する抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの脾臓におけるCD19+/CD200+細胞の割合を同定した。CD19+細胞の集団は、B細胞を含む。標識した細胞を、フローサイトメトリーに供した。CD5+/CD200+細胞およびCD3+/CD200+細胞と同様に、5mg/kgの抗体1を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて長期にわたって治療したマウスにおけるCD19+/CD200+脾細胞の濃度も、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるCD19+/CD200+脾細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるCD19+/CD200+脾細胞の濃度は有意に変化しなかった。
CD138+/CD200+リンパ球サブセット。試験4のマウスのそれぞれからの脾細胞の試料を、ポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、CD138に結合する抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの脾臓におけるCD138+/CD200+細胞の割合を同定した。CD138+細胞の集団は、血漿細胞を含む。標識した細胞を、フローサイトメトリーに供した。5mg/kgの抗体1を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて長期にわたって治療したマウスにおけるCD138+/CD200+脾細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるCD138+/CD200+脾細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるCD138+/CD200+脾細胞の濃度は有意に変化しなかった。
F4/80+リンパ球サブセット。F4/80は、成熟マウスマクロファージの細胞表面上に存在する125kDaの膜貫通タンパク質である。抗CD200抗体を投与することが脾臓中に存在するマクロファージの濃度に影響を及ぼすか否かを決定するために、試験4のマウスのそれぞれからの脾細胞の試料を、検出可能に標識した、F4/80に結合する抗体と一緒にインキュベートした。標識した細胞を、フローサイトメトリーに供して、これにより、群1〜8からのマウスの脾臓におけるF4/80+細胞の割合を同定した。5mg/kgの抗体1(10回の投与)を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて治療したマウスにおけるF4/80+脾細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるF4/80+脾細胞の濃度と比較して上昇した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるF4/80+脾細胞の濃度は有意に変化しなかった。
総合すると、これらの結果は、抗CD200抗体を投与することにより、治療された動物における種々のCD200+脾細胞サブセットが低下するが、特定のマクロファージサブセットは増加することを示している。
試験4のマウスにおける骨髄細胞サブセットの濃度
CD34+/CD200+骨髄細胞サブセット。マウスそれぞれからの骨髄細胞の試料を、ポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、CD34に結合する抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの骨髄におけるCD34+/CD200+細胞の割合を同定した。CD34+細胞は、造血幹細胞(HSC)の集団を含む。標識した細胞を、フローサイトメトリー、また、lineage low(Lin−/Low)細胞の選択に供した。5mg/kgの抗体1(10回の投与)を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて治療したマウスにおけるCD34+/CD200+骨髄細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるCD34+/CD200+骨髄細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるCD34+/CD200+骨髄細胞の濃度は有意に変化しなかった。
Sca−1+/CD200+骨髄細胞サブセット。マウスそれぞれからの骨髄細胞の試料を、ポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、Sca−1に結合する抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの骨髄におけるSca−1+/CD200+細胞の割合を同定した。Sca−1+細胞は、HSCの集団および間葉系幹細胞(MSC)を含む。標識した細胞を、フローサイトメトリー、また、lineage low(Lin−/Low)細胞の選択に供した。5mg/kgの抗体1(10回の投与)を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて治療したマウスにおけるSca−1+/CD200+骨髄細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるSca−1+/CD200+骨髄細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるSca−1+/CD200+骨髄細胞の濃度は有意に変化しなかった。
Sca−1+/CD34+骨髄細胞サブセット。マウスそれぞれからの骨髄細胞の試料を、検出可能に標識した、CD34に結合する第1の抗体、および検出可能に標識した、Sca−1に結合する第2の抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの骨髄におけるSca−1+/CD34+細胞の割合を同定した。標識した細胞を、フローサイトメトリー、また、lineage low(Lin−/Low)細胞の選択に供した。Sca−1+/CD34+/Lin−細胞は、MSCの集団を含む。5mg/kgの抗体1(10回の投与)を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて治療したマウスにおけるSca−1+/CD34+骨髄細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるSca−1+/CD34+骨髄細胞の濃度と比較して顕著に低下した。シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるSca−1+/CD34+骨髄細胞の濃度は有意に変化しなかった。
c−kit+/CD200+骨髄細胞サブセット。マウスそれぞれからの骨髄細胞の試料を、ポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、c−kitに結合する抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの骨髄におけるc−kit+/CD200+細胞の割合を同定した。c−kit+細胞は、HSCおよびMSCの集団を含む。標識した細胞を、フローサイトメトリー、また、lineage low(Lin−/Low)細胞の選択に供した。5mg/kgの抗体1を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて長期にわたって治療したマウスにおけるc−kit+/CD200+骨髄細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるc−kit+/CD200+骨髄細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるc−kit+/CD200+骨髄細胞の濃度は有意に変化しなかった。
CD200+/CD200R+骨髄細胞サブセット。マウスそれぞれからの骨髄細胞の試料を、ポリクローナル抗CD200抗体調製物、および検出可能に標識した、CD200Rに結合する抗体と一緒にインキュベートし、これにより、群1〜8からのマウスの骨髄におけるCD200+/CD200R+細胞の割合を同定した。標識した細胞を、フローサイトメトリーに供した。5mg/kgの抗体1を、シクロスポリンと一緒に、またはシクロスポリンなしで用いて長期にわたって治療したマウスにおけるCD200+/CD200R+骨髄細胞の濃度は、ビヒクル、対照抗体、シクロスポリンを単独で、または対照抗体とシクロスポリンを組み合わせて用いて治療したマウスにおけるCD200+/CD200R+骨髄細胞の濃度と比較して顕著に低下した。同様に、シクロスポリンと1mg/kg用量の抗体1の組合せスケジュールを用いて治療した群7のマウスにおけるCD200+/CD200R+骨髄細胞の濃度は有意に変化しなかった。
(実施例6)
抗CD200療法の退薬後の骨髄細胞サブセットおよびCD200+脾細胞サブセットの回復
試験5(治療モデル)。治療的な抗CD200抗体を、脾細胞および骨髄細胞の特異的なサブセット集団の濃度を調節するそれらの能力について再度試験した。抗体を、自己免疫性溶血性疾患のマウスモデルの状況下でマウスに施した。上記の通り、マウスにおいてマウス赤血球(RBC)に結合する自己抗体の産生を引き出すために、雌のBALB/cマウスに、2×108個のラットRBCを、試験0日目に1回、次いで、その後の残りの試験の間、1週間ごとに1回、腹腔内(i.p.)に投与した。免疫したマウスによる抗ラットRBC同種異系抗体の産生が試験の2週目までに観察され、マウスによる抗マウスRBC自己抗体の産生が3週目までに観察された。
ラットRBCで免疫したマウスを群2(マウス20匹)、群3(マウス20匹)、群4(マウス20匹)、群5(マウス15匹)、および群6(マウス15匹)と称される5つの群に分けた。第6のマウス群(群1と称される;マウス20匹)についても対照として評価した。群1のマウスは、ラットRBCを用いた免疫もせず、下記の追加的な治療のいずれも受けさせなかった。
21日目に開始して、群2〜6のそれぞれのマウスに、以下のスケジュールの下で、治療剤またはビヒクル対照の10回の投与を施す追加的な治療を受けさせた:(i)作用剤またはビヒクルの5回の投与を1日当たり1回の投与で、5日連続で施した;(ii)治療を2日間中断した;そして、(iii)作用剤またはビヒクルの追加的な5回の投与を、1日当たり1回の投与で、5日連続で施した。群6のマウスは、ビヒクル−リン酸緩衝食塩水(PBS)でのみ治療した。群2のマウスは、上述の治療スケジュールの下で、抗体1−エフェクター機能を有する抗CD200抗体(IgG2a)を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群3のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、抗体2−エフェクター機能を欠く抗CD200抗体を投与ごとに5mg/kgで用いて治療した。群4のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、CD200に結合しないが、エフェクター機能を保有する対照抗体(IgG2a)を5mg/kgの用量で用いて治療した。群5のマウスは、上記の治療スケジュールの下で、CD200に結合せず、エフェクター機能を保有しない対照抗体を5mg/kgの用量で用いて治療した。各群についての群設計および治療スケジュールが表7に要約されている。
上記の治療の前、その間、およびその後に、週に1回の頻度で群1〜6のマウスから血液を抜き取って、治療が、マウスにおける抗マウスRBC自己抗体および/または抗ラットRBC同種異系抗体の力価に影響を及ぼしたか否かを、フローサイトメトリーによって評価した。試験の35日目に、各群のマウスのうち3匹を屠殺し、それらの脾臓を回収した。各マウスの大腿骨および脛骨から骨髄も単離した。上記の通り、細胞を、検出可能に標識した抗体(例えば、ポリクローナル抗CD200抗体調製物および追加的な蛍光標識した抗体)で標識し、フローサイトメトリーに供した。結果の概要が以下の表8に示されている。
「*」は、抗体2を用いて治療したマウスにおける特定の細胞サブセットの濃度の低下が、抗体1を用いて治療したマウスにおける同じ細胞サブセットにおいて観察された低下ほど大きくないことを示す。
「**」は、特定の細胞サブセットの濃度の低下または上昇が、ビヒクルで治療したマウス(群6)および対応するアイソタイプ対照における特定サブセットの濃度と相対的であることを示す。したがって、マウス群2のマウスにおいて観察されたCD200
+脾細胞の低下は、群6のマウスおよび群4のマウスにおけるCD200
+脾細胞の濃度と相対的である。
「−」は、抗体2と、その対応する対照抗体の間にレベルの差が観察されなかったことを示す。
35日目から91日目まで、各群の残りのマウスに、追加的なRBC免疫を受けさせたが、抗体を用いた治療は受けさせなかった。この目的は、脾細胞および骨髄細胞の集団が、ある期間にわたって回復するか否かを決定することであった。91日目に各群のマウスのうち3匹を屠殺し、それらの脾臓および骨髄を上記の通り回収した。単離された細胞についてフローサイトメトリー分析を実施して、脾細胞および骨髄細胞の特定の集団サブセットが、35日目に低下し、91日目までに回復するか否かを決定した。細胞集団のそれぞれが91日目までに完全に回復し、これは、抗CD200抗体の、骨髄細胞および脾細胞サブセットの濃度に対する免疫調節効果が、抗体の退薬に際して可逆的であることを示している。
本開示は、その特定の実施形態に言及して記載されているが、当業者は、本開示の真の主旨および範囲から逸脱することなく、種々の変化を行うことができ、また等価物で代用することができることが理解されるべきである。さらに、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスの1つまたは複数のステップを本開示の目的、主旨および範囲に適合させるために多くの改変を行うことができる。そのような改変は全て、本開示の範囲内であるものとする。