JP2002541213A - 不妊症の処置のための乾燥粉末処方物の肺投与 - Google Patents

不妊症の処置のための乾燥粉末処方物の肺投与

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Abstract

(57)【要約】 肺深部へのエアロゾル化された送達のための、安定化濾胞刺激タンパク質(FSP)乾燥粉末組成物、このような組成物を調製および投与する方法、ならびに肺深部への肺性送達によって乾燥粉末を投与する工程を包含する不妊症を処置するための方法が提供される。哺乳動物被験体の肺深部へ送達するための本発明の安定化乾燥粉末組成物は、(i)薬理学的有効量の濾胞刺激タンパク質(FSP)、および(ii)薬学的に受容可能な賦形剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本願は、米国仮特許出願第60/129,121号(1999年4月13日出
願)および同第60/130,099号(1999年4月20日出願)(これら
のいずれも、その全体が参考として援用される)の優先権の利益を主張する。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、濾胞刺激タンパク質(FSP)を含み、そして肺深部への送達に適
した、安定な乾燥粉末組成物の肺投与、このような組成物を調製および投与する
方法、ならびに不妊症を処置する方法に関する。
【0003】 (発明の背景) 濾胞刺激ホルモン(FSH)は、脳下垂体によって分泌されるヘテロダイマー
性腺刺激ホルモンであり、FSHに加えて、甲状腺刺激ホルモン(TSH)およ
び黄体形成ホルモン(LH)を含む、3つの下垂体前葉糖タンパク質ホルモンの
うちの1つである。FSHは、アルファ(α)サブユニットおよびベータ(β)
サブユニットといわれる2つの非共有結合サブユニットからなる。αサブユニッ
トは、3つのホルモンの間で同じであるが、βサブユニットは、各ホルモンに対
して固有であり、特異性を与える。ヒトにおいては、成熟αサブユニットは、9
2アミノ酸残基からなり、2つの糖鎖を有する。対応するFSH成熟βサブユニ
ットは、111アミノ酸から構成され、また2つの糖鎖を有する。ともに、2つ
のサブユニットは、質量分析によって測定された約31kDの分子量、およびグ
リコシル化の状態に依存してPAGEまたはゲルクロマトグラフィーによって測
定された約35〜45kDの分子量を有する。FSHは、卵巣の顆粒膜細胞およ
び精巣のSertoli細胞の代謝活性を直接調節する。
【0004】 濾胞刺激ホルモン(FSH)の薬学的調製物は、ヒト不妊症の処置において重
要な役割を果たし、そしてFSHの投与(単独または他の生物学的に活性な化合
物およびタンパク質との組み合わせのいずれか)は、1960年代初期から不妊
問題を処置するために使用されてきた。女性において、FSHは、卵巣の濾胞発
育を促進し、そしてFSHの薬学的調製物は、主に排卵誘発手順およびインビト
ロでの受精手順のために使用される。[Speroff,L.Glass,R.
H.ら、Clinical Gynecologic Endocrinolo
gy and Infertibility,583〜609(1989);J
ones,H.W.ら、Fertil.Steril,38:14〜21(19
82)]。男性においては、このような組成物は、低ゴナドトロピン性性機能低
下症における精子形成を開始および維持するために使用される[Witcomb
,R.W.ら、J.Clin Endocrinol Metab,70:3〜
7(1990)]。
【0005】 初期の不妊処置方法においては、FSH含有処方物は、筋深部への注射を介し
て投与された。このような注射は、代表的には患者のパートナーまたはヘルスケ
ア提供者の助けを与えられ、そして代表的な皮下注射針の5倍までのサイズの針
の使用を必要し、非常に苦痛であった。より最近には、精製または組換えFSH
が(しばしば患者の自己投与によって)皮下投与される処方物が開発されてきた
。皮下投与されたFSHは、自己投与処置を介して患者のさらなる自立を可能に
することによって、筋内送達された薬物を越える利点を提供するが、針に基づく
送達方法に関連する、不便、不快、または生来の嫌悪にさえ起因して、多くの患
者は、FSHの皮下投与を必要とする不妊処置を受けることを嫌がるかまたは気
が進まない。
【0006】 肺送達は、皮下注射の魅力的な代替法として、非常に注目を浴びてきた。なぜ
なら、このアプローチは、針の必要性を排除し、皮膚および身体の粘膜に対する
刺激(経皮的、イオン泳動的、および鼻腔内送達された薬物の共通の副作用)を
制限し、そして鼻および皮膚浸透エンハンサー(しばしば皮膚刺激作用/皮膚炎
を引き起こす、鼻腔内および経皮系の代表的化合物)の必要性を排除するからで
ある。肺投与はまた、経済的に魅力的であり、患者の自己投与を受入可能であり
、そしてしばしば他の代替の投与様式よりも患者によって好まれる。しかし、そ
れらの高い分子量および低い親油性のため、ペプチドまたはタンパク質に基づく
薬物は、伝統的に、肺への沈着および肺からの吸収のための吸入によって投与さ
れるこれらの薬物の中にはなかったが、種々のエアロゾル処方物が提案されてき
た。さらに、気管内送達を介した乾燥粉末形態のFSHを投与する先の試みは、
明らかに低いバイオアベイラビリティー(静脈内投与に対して0.6%)を生じ
、性腺刺激ホルモン(例えば、FSH)を送達するための肺経路の望ましくなさ
を示す[Komada,F.ら、J Pharm Sciences,83,(
6):863〜867(1994)]。
【0007】 投与のためのタンパク質の処方においてしばしば遭遇する別の問題は、それら
の不活性化への傾向である。より効果的な精製技術および組換え技術の近年の出
現により、尿由来FSH[Arpaia,G.ら、米国特許第5,128,45
3号(1992年7月7日)]および組換えFSH[Loumaye,E.ら、
Fertil.Steril.,63:77〜86(1995)]の両方の非常
に精製された形態が入手可能になり、この問題をさらにより明白にした。これら
の非常に精製された形態のFSHは、より精製されていない形態を越える多くの
潜在的利点(バッチからバッチへの改良された整合性、黄体形成ホルモンおよび
他の競合タンパク質の不存在による非常に特異的な活性、改良された効力、注射
に対する良好な局所耐性、ならびに低い免疫原性を含む)を提供するが、非常に
純粋なFSHを含む調製物は、しばしば非常に不安定である。これらの調製物は
、しばしば比較的短い時間で分解し、生物活性の部分的損失または完全な損失さ
えも伴う。さらに、注射可能形態への再構成のための、FSH含有固体処方物を
安定化し得る賦形剤が記載されている[例えば、Samaritaniら、米国
特許第5,650,390号(1997年7月22日)]が、このような固体処
方物は、代表的には、肺送達のために必要な特徴を欠く。
【0008】 従って、タンパク質の肺送達を最適化するためになされてきた多くの研究によ
ってさえも、(i)十分に安定化され、呼吸に適するFSHの乾燥粉末形態を提
供し、(ii)低温貯蔵の必要性を排除し(iii)優れたエアロゾル特性を有
する粉末を提供し、(iv)分散を助ける推進剤も、下気道における吸収を促進
するエンハンサー化合物も必要とせず、そして(v)良好な肺性バイオアベイラ
ビリティーを示す、FSHの肺送達の有効な系および方法は未だ存在しない。
【0009】 (発明の要旨) 本発明は、肺深部(deep lung)を介する体循環への送達のための安
定化FSH乾燥粉末組成物を提供する。本発明の乾燥粉末は、吸入を介するエア
ロゾル適用および投与をされる場合、不妊症の治療および処置に有用である。
【0010】 本発明の呼吸可能な乾燥粉末組成物は、薬理学的に有効な量の濾胞刺激タンパ
ク質(FSP)および薬理学的に受容可能な賦形剤を含む。より詳細には、本発
明の粉末乾燥物は、哺乳動物尿誘導FSPまたは組換えFSPを含む。
【0011】 本発明の乾燥物は、肺深部に吸入によりエアロゾル適用および投与される場合
に、良好なバイオアベイラビリティを示す。本発明の乾燥物は、代表的には約1
%〜60%の範囲にある相対的肺性バイオアベイラビリティ値を有する、少なく
とも約1%の相対的肺性バイオアベイラビリティにより特徴付けられる。
【0012】 別の局面では、本発明は、上記のような、安定化乾燥粉末FSP組成物を調製
する方法に関する。この方法は、溶媒を用いてFSPおよび賦形剤を混合して溶
液または懸濁液を形成させる工程、ならびにこの溶液または懸濁液を乾燥して、
FSPおよび賦形剤物質を含む乾燥粒子を含む生物活性粉末を形成させる工程を
包含する。この方法における使用のための特定の溶媒は、水およびアルコールで
ある。この方法の好ましい実施形態では、FSP組成物は、スプレー乾燥により
生成される。
【0013】 なお別の局面では、本発明は、それ必要とする哺乳動物被験体にFSPを送達
するための方法を提供し、ここで、この方法はエアロゾル適用形態において先に
記載されるように、FSP乾燥粉末組成物の吸入による投与を包含する。
【0014】 本発明はまた、なお別の局面では、哺乳動物被験体における不妊症を処置する
ための方法を包含し、ここで、本発明に従うFSP乾燥粉末組成物の治療的に有
効な量が、肺における蓄積そして肺からの吸収のための吸入により、被験体に投
与される。特定の実施形態では、被験体検体は、不妊症の雌であり、そしてFS
P乾燥粉末組成物は、少なくとも3〜20日の期間にわたる1つ以上の処置のサ
イクルのための被験体の肺への吸入により、定期的に投与され、ここで、この投
与の結果として、被験体は、この投与の前に測定された濾胞成長のレベルに対し
て増加した、濾胞成長のレベルを示す。1つの実施形態では、FSPの治療的に
有効な量は、1日あたりFSPの約10〜1000IUである。別の実施形態で
は、FSPの治療的に有効な量は、1日あたり約50〜約3000IUである。
なお別の実施形態(詳細には、過剰排卵治療(すなわち、体外受精)に関する)
では、FSPの治療的に有効な量は、1日あたり、FSPの約200〜12,0
00IUである。
【0015】 本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、以下の詳細な説明を、添付の図
面および実施例と共に読めばより十分に理解できる。
【0016】 (発明の詳細な説明) (I定義) 「生物活性粉末」とは、インビトロ活性またはインビボ活性のいずれかを有す
る粉末をいい、そして代表的には、FSPのような1つ以上の生物活性物質また
は薬学的物質を含む粉末をいう。本発明の粉末の「生物活性」は、一般に、当該
分野で公知のFSHアッセイ(例えば、シグナル伝達アッセイ、FSHレセプタ
ー結合アッセイ、あるいは種々のSteelman/Pohleyインビトロラ
ット卵巣重量アッセイ、FSH半減期測定および/またはFSH生物活性アッセ
イ[Zlokarnikら、Science,279,84−88(1998)
;Dahl,K.ら、Journal of Andrology,13:11
−22(1992);RothおよびDias,Biochem.35:792
8(1996);Valvoreら、Endocrinol 135:2657
(1994);Sprengelら、Mol.Endocrinol.4:52
5(1990);Tillyら、Endocrinol.131:799−80
6(1992);SteelmanおよびPohley,Endocrinol
.53:604(1953);Bishopら、Endcrine.136:2
635(1995);Muldersら、Biologicals,25:26
9(1997);Fares,PNAS,89:4304(1992);LaP
oltら、Endcrinol.131:2514(1992)])を用いて測
定され得る。インビトロでの生物学的活性についてのこのようなアッセイのさら
なる例としては、ラット顆粒膜細胞アロマターゼアッセイを用いる、顆粒膜細胞
によるエストラジオール産生の測定[Dahlら、Meth.Enzymol.
169:414(1989);およびFSHレセプター活性化アッセイ(例えば
、Keltonら、Molec.Cell.Endocrinol.89:14
1(1992)に記載される)]を含むが、これに限定されない。
【0017】 「相対的肺性バイオアベイラビリティ」は、筋肉内注射部位または皮下注射部
位から血液内に吸収される割合に対する、吸収されそして哺乳動物の血液に入る
肺内に蓄積されるFSP乾燥粉末用量の割合である。相対的肺性バイオアベイラ
ビリティを決定するための例示的モデル系としては、ラット、ウサギ、およびサ
ルが挙げられる。本発明のFSP乾燥粉末組成物は、血漿または血液中に少なく
とも約1%の相対的肺性バイオアベイラビリティ(一般に約1〜20%、そして
好ましくは約1%〜約60%の範囲の相対的肺性バイオアベイラビリティを有す
る)により、特徴付けられる。相対的肺性バイオアベイラビリティは、FSP−
乾燥粉末組成物の直接的な気管内投与からまたは吸入による蓄積を測定すること
により評価され得る。
【0018】 「分布相」は、FSPの半減期に関連して、ホルモンが血漿から消失する間の
初期の急速な相をいう。終末の緩徐な相または排出相の半減期は、ホルモンが身
体から排出される間の終末の緩徐な相をいう。
【0019】 「薬学的に受容可能な塩」としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩
、臭化水素酸塩、および硝酸塩のような無機酸を用いて調製される塩、あるいは
リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、コハク酸エチ
ル塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、安息香酸塩、アスコ
ルビン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、パルモエート(palmoate)塩
、サリチル酸塩、およびステアリン酸塩、ならびにエストレート(estola
te)塩、グルセプテート(gluceptate)塩、およびラクトビオン酸
(lactobionate)塩のような有機酸を用いて調製される塩が挙げら
れるが、それらに限定されない。薬学的に受容可能なカチオンを含む類似の塩と
しては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウム、および
アンモニウム(置換アンモニウムを含む)が挙げられるが、これらに限定されな
い。
【0020】 「クエン酸塩」は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム(アルキルアンモニ
ウム塩を含む)、カルシウムなどのようなカチオンを有する、クエン酸の任意の
薬学的に受容可能な塩をいう。
【0021】 「アミノ酸」は、アミノ基およびカルボン酸基の両方を含む任意の化合物をい
う。アミノ酸は、一般に、カルボキシ官能基に隣接した位置で存在するが、アミ
ノ基は、分子内の任意の位置に配置されてもよい。アミノ酸はまた、アミノ、チ
オ、カルボキシル、カルボキサミド、イミダゾールなどのような、さらなる官能
基を含む。アミノ酸は、合成アミノ酸でもよいし、天然に存在するアミノ酸でも
よく、そしてそれらのラセミ体、または光学活性(D−またはL−)体のいずれ
かで用いられ得る。
【0022】 「エンハンサー」は、下気道の上皮を介し、そして体循環へのFSPの吸収を
増大させる化合物をいう。エンハンサーの存在下では、体循環へと吸収されるF
SPの量は、このようなエンハンサーを欠く乾燥粉末についての吸収される量よ
りもより多く、そして好ましくは、エンハンサーの非存在下で吸収される量の少
なくとも約150%まで増加される。
【0023】 「送達用量効率(delivered dose efficiency)」
または「DDE」は、発射(firing)事象または分散事象の後での、適切
な吸入器デバイス(inhaler device)のマウスピースから乾燥粉
末を送達することの表示(indication)を提供する。DDEは、用語
「放出用量(emitted dose)」または「ED」と同義である。より
詳細には、このDDE(ED)は、単位用量パッケージから引き出されかつ吸入
器デバイスのマウスピースを出る、粉末のパーセンテージの尺度である。DDE
(ED)は、公称用量(すなわち、発射前に適切な吸入器デバイスに配置された
単位用量当たりの、粉末の質量)に対する吸入器デバイスにより送達される用量
の比として規定される。DDE(ED)は、実験的に決定されるパラメーターで
あり、そして代表的には、患者が服用するのを模倣するデバイスを使用して、決
定される。DDE値を決定するために、乾燥粉末の公称用量が(代表的には、単
位用量形態で)、適切な乾燥粉末吸入器(例えば、Inhale Therap
eutic Systemsに譲渡された、米国特許第5,785,049号に
記載されるもの)に配置され、次いで、この乾燥粉末吸入器が作動され、その粉
末が分散される。次いで、生じたエアロゾル雲が、このデバイスからの真空によ
り引き込まれ、このデバイスにおいて、このエアロゾル雲は、このデバイスのマ
ウスピースに取り付けられた風袋を量った(tared)フィルター上にて捕捉
される。このフィルターに達する粉末の量が、その送達用量を構成する。例えば
、吸入器デバイスに配置された投薬形態を含む乾燥粉末5mgについて、その粉
末の分散が上記のような風袋を量ったフィルター上の4mgの粉末の回収をもた
らす場合、その乾燥粉末組成物についてのDDEは、4mg(送達用量)/5m
g(公称用量)×100=80%である。不均一(heterogeneous
)粉末について、DDE値は、乾燥粉末以外の発射の後の吸入器デバイスから薬
物を送達することの表示を提供し、そしてこのDDE値は、総粉末重量ではなく
薬物の量に基づく。
【0024】 「微細粒子画分(fine particle fraction)」または
「FPF」は、3.3μm未満の空気力学直径(aerodynamic di
ameter)を有するエアロゾル化した粉末粒子の質量パーセントとして規定
され、代表的には、Andersenカスケードインパクターでの測定により決
定される。このパラメーターは、薬物の全身取り込みのために患者の肺深部(d
eep lung)に到達する最大能力を有する、粒子のパーセントの表示を提
供する。
【0025】 「エアロゾル能力(aerosol performance)係数」または
「APC」は、単位投薬形態(例えば、ブリスターパック)から肺深部への、総
粉末送達効率の推定値(estimate)であり、そして28.3リットル/
分の真空で作動されるショートスタック(short stack)Ander
sonカスケードインパクターを使用して、実験的に決定される。APCは、用
語「微細粒子(fine particle)用量」または「FPD」と同義で
ある。このAPCは、単位投薬形態(例えば、ブリスターまたはカプセル)にて
含まれる粉末の質量(ミリグラム)に対する、3.3マイクロメートル未満の粒
子サイズを有するエアロゾル化粉末の総質量(ミリグラム)として規定され、そ
して、以下のパーセンテージとして表される:APC(%)=3.3μm未満の
エアロゾル化粉末総質量(mg)÷単位投薬形態充填(fill)質量×100
【0026】 「乾燥粉末」とは、自由に流動しかつ(i)吸入器デバイスにて容易に分散さ
れ得、かつ(ii)その粒子の一部が肺に到達して肺胞への貫通が可能であるよ
うに、被検体により吸入され得る、微細に分散した固体粒子を含む組成物をいう
。このような粉末は、「呼吸に適する(respirable)」または肺送達
に適切であると考えられる。乾燥粉末は、約0.1%〜10%の水分を含み、そ
して代表的には、約10%未満の水分を含み、好ましくは、5%未満の水分を含
み、そしてより好ましくは、約3%未満の水分を含む。他のように述べない限り
、「肺深部への送達のための乾燥粉末組成物」は、エアロゾル化された場合、乾
燥粉末粒子として投与される、組成物である。
【0027】 「濾胞刺激タンパク質」または「FSP」は、ヒト濾胞刺激ホルモン(「hF
SH」と類似する構造および機能を有する、タンパク質またはタンパク質混合物
を意味する。FSPは、hFSH、hFSHのアミノ酸アナログ(「hFSHア
ナログ」)、hFSHの糖形態、hFSHアナログの糖形態を含み、ならびにh
FSH、hFSHアナログ、hFSHの糖形態、およびhFSHアナログの糖形
態から選択されるタンパク質の混合物を含む。
【0028】 ヒト尿から種々の程度に精製されたFSH(「uFSH」)は、hFSHと類
似の構造および機能を有するタンパク質の混合物であり、従って、FSPの定義
内にある。uFSHは、hFSHおよびhFSHアナログの混合物(各々もまた
、グリコシル化の不均一性を有する)である。
【0029】 所謂、組換えFSP(「rFSP」)は、hFSHと類似の構造および機能を
有するタンパク質の混合物であり、そしてhFSHアミノ酸配列またはhFSH
アナログのアミノ酸配列を発現するように、組換え技術または関連技術を使用し
て改変された宿主細胞において生合成される[Keeneら、J.Biol.C
hem.264:4769〜4775(1989);Chappel,S.ら、
Proceedings of the 3rd World Congress
on Gynocological Endocrinology 179〜
184(1992);またはReddy,V.B.ら、米国特許第5,156,
957号(1992年10月20日)]。rFSHの不均一性は、とりわけ、転
写における非忠実性(infidelity)および宿主細胞の特徴である翻訳
後修飾の不均一性により引き起こされるか、または培養条件、精製、処方、およ
び貯蔵から生じる。
【0030】 構造的に、hFSHは、アルファ(α)サブユニットおよびベータ(β)サブ
ユニットと呼ばれる、2つの非共有結合したサブユニットからなる、ヘテロ二量
体糖タンパク質である。ヒトFSHαサブユニットは、92アミノ酸の鎖、5つ
のサブユニット内ジスルフィド結合、および2つのN結合型グリコシル側鎖から
なる。ヒトFSHαサブユニットのアミノ酸配列は、本明細書中にて配列番号5
として示される。ヒトFSHβサブユニットは、111アミノ酸の鎖、6つのサ
ブユニット内ジスルフィド結合、および2つのN結合型グリコシル側鎖からなる
。そのアミノ酸配列は、本明細書中にて配列番号6として示される。ジスルフィ
ド結合は、hFSHαサブユニット中の残基7と31とを、残基10と60とを
、残基28と82とを、残基32と84とを、そして残基59と87とを連結し
、そしてジスルフィド結合は、hFSHβサブユニット中の残基3と51とを、
残基17と66とを、残基20と104とを、残基28と82とを、残基32と
84とを、そして残基87と94とを連結する。Nグリコシル化の部位は、αサ
ブユニット(配列番号5)中の52位および78位、そしてβサブユニット(配
列番号6)中の残基7および残基24である。まとめると、この2つのサブユニ
ットは、質量分析法により測定される約31kDの分子量を、そしてグリコシル
化の状態に依存して、PAGEまたはゲルクロマトグラフィーにより測定される
約35〜45kDの分子量を有する。適切な配列情報(参照とともに)が、En
trez Protein Databaseにて見出され得る。このEntr
ez Protein Databaseは、National Center
for Biotechnology Information(NCBI)
により提供されそして維持される。前駆体αサブユニットについての例示的タン
パク質配列は、例えば、Entrezアクセス番号69160(116アミノ酸
)に対応し、これは、そのC末端の92アミノ酸が、成熟αサブユニット配列を
構成する;前駆体βサブユニットについての代表的配列が、以下のEntrez
アクセス番号120552、同476441、同182767、同182762
および同511854(129アミノ酸)により同定され、そのC末端の111
アミノ酸が成熟βサブユニット配列を構成する。
【0031】 機能的には、FSPの活性は、生物活性粉末について本明細書中に記載される
ように決定される。「FSP活性」「FSP生物活性(bioactivity
)」、「FSH活性」、「FSH生物活性」などの機能性の概念は、ヘテロ二量
体の安定性、FSH関連シグナル伝達アッセイにおける活性;FSHレセプター
結合;Steelman/Pohleyインビボラット卵巣重量アッセイの一バ
ージョン;インビボ薬物動態学的尺度(例えば、インビボ半減期);当該分野で
公知かつ本明細書中に記載されるような、インビボ薬力学的試験(例えば、卵巣
成長の増大)によって、測定され得る。本発明の乾燥粉末に含まれるFSPの比
活性は、約100〜175IU/mgタンパク質(一般的にLHまたは他の共に
精製されたタンパク質を含む、uFSHについての代表的活性範囲)から約10
00〜13,500IU/mgタンパク質(超高純度の尿FSH(Arpaia
ら、1992)または組換え材料について)までの範囲であり得、そしてその供
給源に、およびホルモンの精製の程度に、依存する。
【0032】 FSPは、グリコシル化形態、非グリコシル化形態、修飾型グリコシル化形態
、および他の糖形態を含むことが、意味される。グリコシル化形態が、好ましい
。グリコシル化FSPは、通常、そのグリコシル化がいくらかの程度不均一であ
り、どのサンプル中にも多数のグリコシル化種を有する。グリコシル化の不均一
性は、そのFSPが生合成された細胞の型、ならびにFSPが曝された翻訳後、
分泌後、精製の間および貯蔵の間の状態に、広範に依存し得る。これは、以下に
記載される通りである:BaenzingerおよびGreen、Bioche
m.Biophys.Acta 947、287〜306(1998);Bis
hopら、Mol.Endocrinol.8、722〜731(1994);
ThotakuraおよびBlithe、Glycobyology 5、3〜
10(1995);Dahlら、Science 239、72〜74(198
8);Ulloa−Aguirreら、Endocr.Rev.16、765〜
787(1995);Stantonら、Endocrinology 130
、2820〜2832(1992);BeitensおよびPadmanabh
an、Trends Endocrinol.Metab.2、145〜151
(1991);Hardら、Eur.J.Biochem.193、1064〜
1069(1990);Harrisら、Mol.Hum.Reprod.2、
807〜811(1996);Hakolaら、Mol.Cell.Endoc
rinol.127、59〜69(1997)。糖形態は、hFSHのグリコシ
ル化の型または形態と比較して、グリコシル化の型またはパターンにバリエーシ
ョンを有する、糖タンパク質の形態である。糖形態は、炭水化物アナログ(アミ
ノ酸アナログとは異なって)として意図され得る。
【0033】 FSPは、hFSHのアミノ酸アナログ(すなわち、hFSHアナログ)を含
み、これは例えば、以下において記載されるものである:Monahan,M.
ら、Biochemistry 12:4616〜4620(1973);Ne
stor,J.J.ら、米国特許第4,234,571号(1980年11月1
8日);Fujino,M.ら、J.Med.Chem.16:1144〜11
47(1973);Coy,D.H.ら、Biochem.Biophys.R
es.Commun.67:576〜582(1975);Combarnou
s,Y.、Endocrine Reviews,13(4):670〜691
(1992)、およびAntoni,F.ら、米国特許第4,552,864号
(1985年11月12日)。hFSHアナログは、hFSHに構造的および機
能的に類似する化合物であるが、hFSHと比較して、1つ以上のアミノ酸が置
換、欠失、付加、または改変されている点で、hFSHと構造的に異なる。本明
細書中のhFSHアナログは、hFSHと比較して、いくつかの尺度により少な
くとも10%の生物活性を示さなければならない。hFSHアナログサブユニッ
トの例は、配列番号1〜4および7〜31におけるものが挙げられるが、これら
に限定されない。機能に必須であるFSHアナログ中のアミノ酸は、当該分野で
公知の方法(例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャンニング変異誘
発[CunninghamおよびWells、Scinece 244:108
1〜1085(1989)])によって同定され得る。後者の手順は、その分子
のすべての残基にて単一のアラニン変異を導入する。次いで、生じた変異体分子
は、生物学的活性について試験される。リガンド−タンパク質結合に重要な部位
はまた、構造分析(例えば、結晶学、核磁気共鳴分光法、または光親和性標識[
Smithら、J.Mol.Biol.224:899〜904(1992);
de Vosら、Science 255:306〜312(1992)]によ
り同定され得る。
【0034】 本発明において使用するための特に好ましいhFSHアナログは、「hFSH
改変体」である。hFSHとは、1つ以上のアミノ酸が、hFSHの4つの末端
(αサブユニットおよびβサブユニットの各々が、2つの末端(N末端およびC
末端)を有する)のうちの1つ以上から欠失している点で、hFSHと構造的に
異なる、FSHである。hFSH改変体において、hFSHと比較して、1つ以
上のアミノ酸の付加、置換、または欠失がまた、αサブユニット、βサブユニッ
ト、または両方の内部に(すなわち、末端ではない)存在し得る。hFSH改変
体αサブユニットのアミノ酸配列の例としては、必要に応じて少なくとも1つの
さらなる置換、付加、または欠失を含む、配列番号29〜31の配列が挙げられ
るが、これらに限定されない。hFSH改変体βサブユニットのアミノ酸配列の
例としては、必要に応じて少なくとも1つのさらなる置換、付加、または欠失を
含む、配列番号11〜28の配列が挙げられるが、これらに限定されない。特定
の改変体は、Hoffmann,J.A.ら、国際特許出願公開WO00/04
913(2000年2月3日)に記載されるように、当該分野において周知であ
る。
【0035】 好ましいhFSH改変体は、以下である:1)一方または両方のサブユニット
が末端欠失を有するが、ここでいずれの欠質も、αサブユニットのN末端からの
、1、2、3、4、5、または6のアミノ酸、αサブユニットのC末端からの、
1、2、3、4、または5のアミノ酸、βサブユニットのN末端からの、1また
は2のアミノ酸、およびβサブユニットのC末端からの、1、2、3、4、5、
6、または7のアミノ酸、に限定されるもの;2)一方または両方のサブユニッ
トが上記1)に記載の1つ以上の欠失を有するが、ただし、αサブユニットのC
末端は欠失を有さないもの;3)βサブユニットのC末端に欠失を有するもので
あり、そしてこの場合には、より好ましくは、βサブユニットのC末端から少な
くとも3のアミノ酸が欠失したもの;4)サブユニットがN末端において欠失を
有さないもの、またはN末端において多くとも1つまたは2つのアミノ酸が欠失
したものであり、そしてこの場合には、より好ましくは、βサブユニットのN末
端において欠失したもの;5)改変βサブユニットと組み合わせられた全長(9
2アミノ酸)のαサブユニットを有するもの、好ましくは、1〜7のアミノ酸が
C末端から欠失し、そしてN末端からアミノ酸が欠失しないか、または1つまた
は2つのアミノ酸がN末端から欠失したかのいずれかのもの;全て、hFSHと
比較して、必要に応じて、アミノ酸の1つ以上の欠失、置換、または付加を内部
に(すなわち、末端ではない)有する。最も好ましいhFSH改変体は、配列番
号5、29〜31のいずれか1つのアミノ酸配列を有するαサブユニット、およ
び配列番号11〜28のいずれか1つのアミノ酸配列を有するβサブユニットか
らなるもの、ならびに配列番号29〜31のいずれか1つのアミノ酸配列を有す
るαサブユニット、および配列番号6のアミノ酸配列を有するβサブユニットか
らなるものである。
【0036】 本明細書中におけるhFSH改変体の命名のために、配列番号または欠失され
たアミノ酸が参照され、「デス(des)」に続いて、位置番号もしくは欠失し
たアミノ酸の3文字のコードおよび位置を使用する(例えば、desAln1)
か、または単に、1文字もしくは3文字のコードで除去されたアミノ酸を示し、
そして影響を受けた位置を示す(例えば、1NもしくはAsn1)かの、いずれ
かである。配列番号は、以下に同定される。
【0037】
【表1】 「質量中央直径」または「MMD」とは、平均粒子サイズの尺度である。なぜ
なら、本発明の粉末は、一般に多分散である(すなわち、ある範囲の粒子サイズ
からなる)からである。本明細書中に報告されるMMD値は、遠心分離沈降によ
り決定されるが、多数の通常使用される技術(例えば、電子顕微鏡検査、光散乱
、およびレーザー回折)を、平均粒子サイズを測定するために使用し得る。
【0038】 「質量中央空気力学直径」または「MMAD」とは、分散した粒子の空力学的
サイズの尺度である。空力学的直径を使用して、エアロゾル化粉末を、その沈降
挙動の観点から記載し、そして空力学的直径とは、一般的に空気中で、その粒子
と同じ沈降速度を有する、単位密度球の直径である。空力学的直径は、粒子の形
状、密度、および粒子の物理的大きさを包含する。本明細書中において使用され
る場合、MMADは、カスケードインパクトにより決定されるエアロゾル化粉末
の空力学的粒子サイズ分布の中央点または中央値をいう。
【0039】 「薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア」とは、被験体(特に、被験体の
肺)に対して有意な不利な毒物学的効果を有さずに、FSHとともに肺中に取り
込まれ得る賦形剤をいう。
【0040】 「薬理学的有効量」または「生理学的有効量のFSP」とは、本明細書中に記
載されるような組成物が、肺中への堆積および肺による吸収のための吸入により
投与される場合に、処置されるべき被験体の血流中に所望のレベルの薬物を提供
して予測される生理学的応答を与えるために必要とされる、本明細書中に記載の
ような乾燥粉末組成物中に存在する、FSPの量である。正確な量は、多数の要
因(例えば、FSPの供給源(尿または組換え)、組成物の特異的な活性、使用
される送達デバイス、粉末の物理的特徴、その意図される使用、および患者の考
慮)に依存し、そして本明細書中に提供される情報に基づいて、当業者により容
易に決定され得る。
【0041】 治療の前に、特定の不妊症の雌性被験体は、一般に、小さな濾胞(すなわち、
代表的に膣プローブを使用する超音波の実施により決定される各卵巣の最大断面
が、直径10mm未満である濾胞)を有する。「増加した濾胞成長」とは、雌性
不妊症の処置に関して、本発明のFSP乾燥粉末組成物の投与の前のベースライ
ンレベルに対して増加した、被験体における濾胞の成長のレベルである。濾胞成
長の増加は、10mm以上の平均直径を有する濾胞の数の増加により、測定され
る。好ましくは、増加した濾胞成長は、10mm以上の平均直径までの成長を示
す1つ以上の濾胞により、示される。排卵誘導型治療において、増加した濾胞増
殖は、代表的に、10mm以上の平均直径までの成長を示す1〜2以上の濾胞に
より、示される。過剰排卵型治療(例えば、インビトロ受精)において、増加し
た濾胞成長は、好ましくは、10mm以上の平均直径までの成長を示す2以上の
濾胞、より好ましくは、10mm以上の直径までの大きさの増加を有する3〜5
の濾胞、なおより好ましくは、このような大きさの特徴を示す6〜8以上の濾胞
により、示される。処置(特に、過剰排卵処置)の経過にわたって、被験体にお
ける完全な濾胞の発達の1つの指標は、10mmより大きな直径を有する平均9
以上の濾胞であり、ここで、最大に成長した濾胞は、16mm以上の平均直径ま
で成熟した。FSH治療の効力はまた、他の方法(例えば、超音波および被験体
のエストラジオールレベル)により、評価され得る。
【0042】 「安定化乾燥粉末組成物」とは、特に肺深部へのエアロゾル化送達のための乾
燥粉末に関して、以下の粉末である:(i)FSHおよび賦形剤材料(単数また
は複数)を含む粉末であり、ここで、この賦形剤は、メレチトースではない、(
ii)少なくとも50IU/mg FSHの特異的活性、より好ましくは少なく
とも100IU/mg FSHの特異的活性を有する粉末、および(iii)周
囲条件下、室温で1ヶ月貯蔵した場合に、その最初の生物学的活性の少なくとも
約70%を維持する粉末。すなわち、本発明による安定化乾燥粉末は、処方の際
、および少なくとも1ヶ月の期間にわたる長期間の貯蔵の際に、インビボおよび
/またはインビトロの活性を実質的に維持する、粉末である。2つ以上のイオン
化可能プロトンを有するカルボン酸の塩(例えば、クエン酸塩、グルタミン酸塩
、酒石酸塩など)を緩衝剤として含む安定化乾燥粉末組成物は、凍結乾燥による
のみでなく、当該分野において公知の方法により、調製される。
【0043】 「ポリマー性高分子」とは、天然に存在し得る(例えば、タンパク質、炭水化
物、核酸)かまたは合成により生成され得る(例えば、当該分野において公知の
ようなポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、フィコールなど)であ
り得る、高分子量ポリマー性化合物である。
【0044】 「治療有効量」とは、肺中への堆積のための吸入および肺による吸収により、
本明細書中に記載のような乾燥粉末組成物の形態での送達の際に、所望の生物学
的効果を提供する、FSPの量である。
【0045】 「カスケードインパクター効率」または「CI Eff」とは、カスケードイ
ンパクターに回収されたエアロゾル化粉末の画分である。CI Eff値は、カ
スケードインパクターののど部または壁への損失に起因して、代表的に、DDE
値より小さい。
【0046】 「残余百分率」とは、最初にブリスターパック(BP)内にあった粉末の、粉
末用量の分散の後にBP内に残る、粉末の百分率を意味する。
【0047】 「回収百分率」とは、回収フィルタ上に堆積する、BPから分散された粉末の
百分率を意味する。「回収百分率」は、デバイスおよびチャンバ内への堆積とし
て損失され得る粉末を考慮する。
【0048】 「嵩密度」とは、コンパクト化の前の粉末の密度(すなわち、圧縮されていな
い粉末の密度)をいい、そして代表的に、周知のUSP法により、測定される。
【0049】 (II. FSP乾燥粉末) 本発明は、FSPの肺送達のための、安定な、分散可能な乾燥粉末組成物を提
供する。本出願人らにより開発された組成物は、肺深部への送達のために、タン
パク質(特に、性腺刺激ホルモン)を処方する際にこれまでにしばしば遭遇した
問題の多くを、克服する。本明細書中に記載される、FSP乾燥粉末組成物は、
容易に分散され(すなわち、良好なエアロゾル性能を示す)、そして(i)粉末
製造の前に、溶液中で、(ii)粉末製造中および加工中、および(iii)貯
蔵の際に、物理的分解および化学的分解の両方に対して安定であり、そして肺へ
の堆積および肺による吸収のための吸入による送達の際に、良好なバイオアベイ
ラビリティを示す。本発明による乾燥粉末組成物は、一般に、FSPおよび薬学
的に受容可能な賦形剤を含むが、ニートなFSPからなる乾燥粉末(すなわち、
FSPからなり、そして本質的に、さらなる賦形剤も添加剤も何も含まない、呼
吸用の粉末)もまた、考慮される。肺深部への送達に適したFSP乾燥粉末の成
分を、ここに記載する。
【0050】 (A.濾胞刺激タンパク質) (1.天然に存在するFSP。)固体調製物に含まれるFSPは、少なくとも
部分的に、天然供給源(例えば、ヒト尿FSH(uFSH))から精製され得る
(すなわち、高度に精製され得、そして必要に応じて、LHまたは他の同時に精
製されるタンパク質を含み得る)。尿由来のFSHは、市販の供給源(例えば、
Vitro Diagnostics、Boulder、CO)から得られ得る
か、またはArpaia,G.ら、1992に記載されるように、免疫精製によ
り精製され得る。天然に存在する多数のFSPヘテロダイマーが公知であり、そ
して本発明の乾燥粉末において使用するために適切である。このような例示的な
FSPヘテロダイマー(すなわち、1つのαサブユニットおよび1つのβサブユ
ニットを含む)としては、配列番号1および2(ウシFSH);3および4(ウ
マFSH);5および6(hFSH);7および8(ブタFSH);9および1
0(ヒツジFSH)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】 (2.合成FSPまたは組換えFSP。)あるいは、FSPは、化学合成によ
り生成され得るか、または分子生物学の従来の技術(すなわち、組換え技術)を
使用して適切に操作された宿主細胞において生合成され得る。組換えFSP(本
発明の乾燥粉末組成物における使用のための、FSPの好ましい形態)は、Ke
eneら、1989;Boimeら、Seminars in Reprodu
ctive Endocrinology、10:45−50(1992);C
happelら、1992;またはReddyら、1992;Shome,B.
ら、J.Prot.Chem.、7:325−339(1988);Saxen
a,B.B.およびRathnam,P.、J.Biol.Chem.、251
、993−1005(1976);Watkinsら、DNA、6:205−2
12(1987);Shome,B.およびParlow,A.F.、J.Cl
in.Endocrinol.Metab.、39(1):203−205(1
974);Beckら、DNA、4:76(1985);Boimeら、米国特
許第5,405,945号)(1995);およびReddy,V.B.ら、米
国特許第5,639,640号(1997)Sambrookら、Molecu
lar Cloning;A Laboratory manual、第2版、
(1989);Ausubelら編、Current Protocols i
n Molecular Biology、(1987〜1998)、第10、
12、13、16、18および20章(これらの内容は、本明細書中に参考とし
て援用される)に記載される技術のような、従来の技術を使用して、調製され得
る。FSH改変体の例示的な調製は、実施例13、14、18および19に提供
される。
【0052】 より特定すると、FSP産物は、原核生物または真核生物の宿主(例えば、細
菌、酵母、[Sherma,F.ら、Methods in Yeast Ge
netics、(1992)]高等植物、昆虫[Schneider、J.Em
bryol.Exp.Morphol.、27:353−365(1987)]
ならびにCHO、COSおよび腸(Bowes)黒色腫細胞のような哺乳動物細
胞が挙げられる)における組換え技術により、調製され得る。組換え生成手順に
おいて使用される宿主に依存して、このように生成されるrFSP分子は、グリ
コシル化され得るか、または非グリコシル化され得る。さらに、rFSPサブユ
ニットはまた、開始メチオニン残基を含み得る。このような方法は、多くの標準
的な実験室手引書に記載されている。
【0053】 FSPは、改変された形態(融合タンパク質のような)において発現され得、
そして分泌シグナルのみでなく、さらなる異種機能領域もまた含み得る。例えば
、さらなるアミノ酸(特に、荷電したアミノ酸)の領域は、N末端に付加されて
、精製の間、または引き続く取り扱いおよび貯蔵の間に、宿主細胞における安定
性および存続に関与し得る。また、ペプチド部分は、FSP分子に付加されて、
精製を容易にし得る。このような領域は、ポリペプチドの最終精製の前に、除去
され得る。このような方法は、Sambrook、前出、第17.29〜17.
42章および18.1〜18.74章;Ausubel、前出、第16、17お
よび18章のような、多くの標準的な実験室手引書に記載されている。
【0054】 簡単には、本発明において使用されるFSPをコードする単離された核酸の発
現は、代表的に、例えば、DNAまたはcDNAの、プロモーター(これは、構
造的かまたは誘導的かのいずれかである)への操作的な連結、続いて発現ベクタ
ーへの組込みにより、達成される。これらのベクターは、原核生物または真核生
物のいずれかにおける、複製および取り込みのために、適切であり得る。代表的
な発現ベクターは、転写ターミネーターおよび翻訳ターミネーター、開始配列な
らびに本発明のタンパク質をコードするDNAの発現の調節のために有用なプロ
モーターを含む。クローン化された遺伝子の高レベルの発現を得るために、転写
を指向するための強力なプロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位、
および転写/翻訳ターミネーターを少なくとも含む、発現ベクターを構築するこ
とが、所望される。
【0055】 酵母細胞におけるFSPの発現は、周知の方法により実施される[Sherm
aら、(1982)]。真核生物タンパク質の産生のために広範に利用される2
つの酵母は、Saccharomyces cerevisiae およびPi
chiaである。SaccharomycesおよびPichiaにおける発現
のためのベクター、株、およびプロトコルは、当該分野において公知であり、そ
して市販の供給業者(例えば、Invitrogen,Inc.)から入手可能
である。適切なベクターは、通常、発現制御配列(例えば、3−ホスホグリセレ
ートキナーゼまたはアルコールオキシダーゼを含むプロモーター、および複製の
起源)、終止配列などを有する。
【0056】 FSPをコードするポリヌクレオチド配列はまた、哺乳動物細胞のトランスフ
ェクトにおいて使用するための種々の発現ベクターに連結され得る。哺乳動物細
胞系は、しばしば、細胞の単層の形態であるが、哺乳動物細胞懸濁液もまた、使
用され得る。FSPを発現し得る多数の適切な宿主細胞株としては、HEK29
3、BHK21、AV12およびCHO細胞株が挙げられる。これらの細胞のた
めの発現ベクターは、発現制御配列(複製の起源、プロモーター(例えば、CM
Vプロモーター、EF1αプロモーター、もしくはHSVtkプロモーターまた
はホスホグリセレートキナーゼプロモーター)、エンハンサーのような)、およ
びプロセシング情報部位(リボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリア
デニル化部位(例えば、SV40ラージT AgポリA付加部位)のような)、
および転写ターミネーター配列を含み得る。FSPの生成のために有用な他の動
物細胞は、例えば、American Type Culture Colle
ction Catalogue of Cell Lines and Hy
bridomas(第7版、1992)から入手可能である。
【0057】 昆虫細胞においてFSPを発現するための適切なベクターは、通常、SF9バ
キュロウイルス由来である。適切な昆虫細胞としては、カの幼虫、カイコ、アワ
ヨウトウ、ガおよびショウジョウバエの細胞株(シュナイダー細胞株[Schn
eider、前出、1987]のような)が挙げられる。
【0058】 宿主細胞へのベクター構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクショ
ン、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トラ
ンスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法に
よってもたらされ得る。このような方法は、多くの標準的な実験マニュアル(例
えば、Sambrook、前出、第1〜4章および16〜18章;Ausube
l、前出、第1、9、13、15、16章(これらは、その全体が本明細書中で
参考として援用される)に記載される。
【0059】 あるいは、FSPをコードするポリ核酸(polynucleic acid
)は、少なくとも調節配列、エキソンおよびスプライスドナー部位を含むDNA
の導入による、細胞ゲノム内の予め選択された部位での相同組換えによって、宿
主細胞中で発現され得る。これらの成分は、新しい転写単位の生成を実際に生じ
るような様式で(ここで、このDNA構築物中に存在する調節配列、エキソンお
よびスプライスドナー部位は、内因性遺伝子に作動可能に連結される)、染色体
(ゲノム)DNAに導入される。これらの成分の染色体DNAへの導入の結果と
して、所望の内因性遺伝子の発現が変更される。このような方法は、例えば、米
国特許第5,580,734号、同第5,641,670号、同第5,733,
746号、および同第5,733,761号(これらは、その全体が本明細書中
で参考として援用される)に記載されるように、当該分野で周知である。
【0060】 組換えFSPは、以下を含む当該分野で周知の方法によって、組換え細胞培養
物から回収および精製され得る:硫酸アンモニウム沈殿またはエタノール沈殿、
酸抽出、アニオン交換クロマトグラフィーまたはカチオン交換クロマトグラフィ
ー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー
、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィ
ー、逆相クロマトグラフィー、色素クロマトグラフィーおよびレクチンクロマト
グラフィー。精製プロセスのモニタリングは、ウエスタンブロット技術またはラ
ジオイムノアッセイ、あるいは他の標準的な免疫アッセイ技術を使用することに
よって達成され得る。
【0061】 (3.hFSH改変体)本発明の乾燥粉末組成物は、hFSH改変体を含み得
る。hFSH改変体は、例えば、以下のような当業者に周知の多くの技術によっ
て生成され得る:化学合成、組換え生合成、および天然に存在するFSHまたは
組換えFSHのインビボプロセシングまたはインビトロプロセシング(これは、
アミノペプチダーゼおよび/またはカルボキシペプチダーゼによって1以上の内
部アミノ酸を露出する)。
【0062】 (B.FSPをコードする核酸分子) 本明細書中に記載されるFSPをコードするポリ核酸分子は、限定されないが
、組換え発現によってFSPを調製するために有用な配列の例示であり、そして
これらは、以下により詳細に記載されるように、インビボでのFSPの発現のた
めの、本発明の乾燥粉末組成物に組み込まれ得る。他のポリ核酸は、本発明に影
響を及ぼすことなく、FSPを生成するために使用され得る。これらのポリ核酸
分子は、RNAの形態(例えば、mRNA、hnRNAまたは他の任意の形態)
、あるいはDNAの形態(クローニングによって得られるか、または合成的に生
成されるcDNAおよびゲノムDNA、あるいはそれらの任意の組み合わせを含
むが、これらに限定されない)であり得る。DNAは、三本鎖、二本鎖または一
本鎖であるか、あるいはそれらの任意の組み合わせであり得る。DNAまたはR
NAの少なくとも1つの鎖の任意の部分が、コード鎖(センス鎖としてもまた知
られる)であり得るか、またはそれが、非コード鎖(アンチセンス鎖ともまた称
される)であり得る。
【0063】 FSPの発現における使用のための単離されたポリ核酸分子は、αサブユニッ
トを発現させるために、配列番号32、37、54、55または56の少なくと
も1つに示されるオープンリーディングフレーム(ORF)、またはそれに相補
的な配列を有する核酸分子を含むか、またはβサブユニットを発現させるために
、配列番号33、34、35、38、39、40、41、42、43、44、4
5、46、47、48、49、50、51、52または53の少なくとも1つに
おけるORF、またはそれらに相補的な配列を有する核酸分子を含む。
【0064】 ポリ核酸配列は、当該分野で周知のような、(a)標準的な組換え方法、(b
)合成技術、(c)精製技術、またはそれらの組み合わせを使用して作製され得
る。ポリ核酸は、本明細書中に提供される例示的配列に加えて、さらなる配列を
簡便に含み得る。例えば、1以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含むマルチク
ローニング部位が、ポリヌクレオチドの単離を補助するために核酸に挿入され得
る。また、翻訳可能な配列が、翻訳されるFSHポリヌクレオチドの単離を補助
するために挿入され得る。さらなる配列が、このようなクローニング配列および
/または発現配列に付加され得、クローニングおよび/または発現におけるそれ
らの機能を最適化するか、FSPポリヌクレオチドの単離を補助するか、または
そのポリヌクレオチドの細胞への導入を改善する。
【0065】 FSPをコードするポリ核酸は、以下のような直接的な化学合成方法によって
調製され得る:Narangら、Meth.Enzymol.,68:90−9
9(1979)のホスホトリエステル法;Brownら、Meth.Enzym
ol.,68:109−151(1979)のホスホジエステル法;Beauc
ageら、Tetra.Letts.,22:1859−1862(1981)
のジエチルホスホラミダイト法;BeaucageおよびCaruthers、
Tetra.Letts.,22(29):1859−1862(1981)に
よって記載される固相ホスホラミダイトトリエステル法(例えば、自動合成器(
例えば、Needham−VanDevanterら、Nucleic Aci
ds Res.,12:6159−6168(1984)に記載のような)を使
用する);および米国特許第4,458,066号の固体支持体法。化学合成は
、一般的に、一本鎖オリゴヌクレオチドを生成し、これが、相補的配列でのハイ
ブリダイゼーションによってか、またはこの一本鎖をテンプレートとして使用す
るDNAポリメラーゼでの重合化によって、二本鎖DNAに変換され得る。DN
Aの化学合成は、約100塩基の配列に限定されるが、より長い配列が、短い配
列の連結によって得られ得る。
【0066】 本明細書中の配列32〜56に記載される代表的なポリヌクレオチド配列は、
αサブユニットまたはβサブユニットのいずれかをコードする。配列番号37お
よび38のDNAは、連結されたオリゴヌクレオチドから設計および構築される
。配列番号32と配列番号37との間の差異は、コードされたαサブユニットタ
ンパク質のアミノ酸配列を変化させない。同様に、配列番号38と配列番号33
との間の差異は、コードされたβ改変体サブユニットタンパク質のアミノ酸配列
を変化しさせない。当業者は、遺伝コードの縮重に起因して、配列番号32〜5
6に記載される配列に等価な多くの配列が存在することを認識する。
【0067】 本発明の乾燥粉末は、FSPをコードするポリヌクレオチドフラグメント(例
えば、FSPのαサブユニットおよびβサブユニットの両方をコードする遺伝子
)、そのフラグメント(例えば、生物学的特異性を付与する、βサブユニット)
、および/または本明細書中に記載されるような改変体を含み得、ここで、この
ポリヌクレオチドまたはFSPコード領域は、適切な転写調節配列または転写制
御配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)に作動可能に連結され、被
験体の標的宿主細胞(例えば、肺の肺性領域由来の哺乳動物細胞(例えば、肺上
皮細胞、肺胞型細胞))または他の適切な被験体宿主細胞における、FSP導入
遺伝子発現を可能にする。本明細書中に提供される配列に加えて、FSP、その
サブユニット、または前駆体タンパク質をコードする代表的な遺伝子配列は、例
えば、Entrez Nucleotide Database(上記のような
)に見い出される。このような例示的コード配列は、以下の登録番号を有する:
J00152 V00487(αサブユニット、塩基1〜397)、M5491
2、M38644、M21219、M18536(βサブユニット遺伝子、エキ
ソン1)、M54913、M21220、M18536(βサブユニット遺伝子
、エキソン2)、M54914、M38646、M21221、M18536(
βサブユニット、エキソン3)。
【0068】 本発明のこの局面の好ましい実施形態において、ポリヌクレオチドコード配列
に作動可能に連結されている調節配列は、拍動性(pulsatile)様式で
FSPを発現するように機能する。FSPをコードするポリヌクレオチドは、必
要に応じて、ウイルス性または他の従来の遺伝子治療ベクター中に含まれ得るか
、またはEljamal,Mら、国際特許公開WO96/32116(1996
年10月17日);McDonald,R.J.ら、Pharm.Res.,1
5(5):671−9(1998)、およびEastmanら、Hum.Gen
e.Ther.,8(6):765−73(1997)(これらの内容は、本明
細書中に参考として明確に援用される)に記載されるように、脂質−FSP導入
遺伝子複合体を含み得る。一般に、標的組織中でのFSP発現レベルは、本発明
の乾燥粉末への直接的な組み込みについて本明細書中に記載されるFSPの量に
ほぼ対応し;このような発現レベルは、治療的に有効量のFSPに特徴的に対応
する。所望の発現レベルを達成するための、本発明の乾燥粉末中の組み込みのた
めの核酸構築物の代表的な量は、Eljamal,M.ら(同書)に記載される
【0069】 (C.賦形剤および他の添加剤) 本発明の粉末において、FSPは、一般に、呼吸器系投与および肺投与に適切
な、1以上の薬学的賦形剤と組み合わせられる。適切な賦形剤は、患者に送達さ
れる粉末中の活性薬剤濃度を減少することが所望される場合の、バルクキング薬
剤(bulking agent)として単に作用し得る。賦形剤はまた、より
効率的かつ再現可能な活性薬剤の送達を提供するために粉末分散デバイス内の粉
末の分散性を改善するように作用し得、そして製造および単位投薬形態への粉末
充填を容易にするために活性薬剤の操作特性(例えば、流動性およびコンシステ
ンシー)を改善するように作用し得る。特に、賦形剤材料は、しばしば、残留水
分量を最小化するために、水分吸収を妨げるために、ならびに粒子サイズ、凝集
の程度、粒子表面特性(例えば、しわ状の程度(rugosity))、吸入の
容易性および得られた粒子の肺深部(deep lung)への標的化を調節す
るために、FSPの物理的安定性および化学的安定性を改善するよう機能する。
【0070】 あるいは、FSPは、本質的に純粋(neat)形態で処方され得、ここで、
組成物は、必要なサイズ範囲内で、かつ他の生物学的に活性な成分、薬学的賦形
剤などを実質的に含まない、FSP粒子を含む。
【0071】 本発明の組成物において有用な薬学的賦形剤および添加剤としては、タンパク
質、ペプチド、アミノ酸、脂質、および炭化水素(例えば、糖(単糖類、二糖類
、三糖類、四糖類およびオリゴ糖類を含む);誘導体化糖(例えば、アルジトー
ル、アルドン酸、エステル化糖など);およびポリサッカリドまたは糖ポリマー
(例えば、Ficolls))(これらは、単独または組み合わせて存在しても
よい)が挙げられるが、これらに限定されない。水溶性(例えば、糖、ペプチド
、アミノ酸、および塩)、アルコール溶解性(例えば、ペクチン、レシチン、ポ
ビドン)またはアセトン溶解性(例えば、クエン酸、PLGA)の賦形剤が好ま
しい。約35℃より高い、好ましくは、約45℃より高い、より好ましくは、約
55℃より高い、ガラス転移温度(Tg)を有する賦形剤もまた好ましい。本発
明のFSP乾燥粉末における使用に適切な例示的賦形剤としては、Inhale
Therapeutic Systemの国際特許出願番号WO98/162
07に開示される賦形剤が挙げられる。
【0072】 例示的なタンパク質賦形剤としては、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アル
ブミン(HSA))、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼイン、
ヘモグロビンなどが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の乾燥粉末組
成物における使用に適切なポリペプチドおよびタンパク質は、Inhale T
herapeutic Systemの国際特許公開番号WO96/32096
に提供される。HSAは、好ましいタンパク質様賦形剤であり、そして肺へのエ
アロゾル化送達のための乾燥粉末の分散性を増加することが示されている(WO
96/32096(同書))。
【0073】 代表的なアミノ酸/ポリペプチド成分(必要に応じて、緩衝能において機能す
る)としては、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グル
タミン酸、アスパラギン酸、システイン、リジン、ロイシン、イソロイシン、バ
リン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム、トレオニン、チロシン
、トリプトファンなどが挙げられる。分散剤として機能するアミノ酸およびペプ
チドが、好ましい。このカテゴリーに属するアミノ酸としては、ロイシン(le
u)、バリン(val)、イソロイシン(isoleu)、ノルロイシン(nl
e)、トリプトファン(try)、アラニン(ala)、メチオニン(met)
、フェニルアラニン(phe)、チロシン(tyr)、ヒスチジン(his)お
よびプロリン(pro)のような疎水性アミノ酸が挙げられる。種々のアミノ酸
賦形剤を含む例示的FSP処方物が、実施例23に提供される。ロイシンは、本
明細書中に記載されるFSP組成物の、1つの特に好ましい賦形剤である。本明
細書中に記載の処方物において使用される場合、ロイシンとしては、D−ロイシ
ン、L−ロイシンおよびラセミ体ロイシンが挙げられる。ロイシンを含む例示的
なFSP乾燥粉末は、実施例11、21、22および23に挙げられる。本発明
における使用のため分散性増強ペプチドとしては、上記のような疎水性アミノ酸
成分からなるダイマー、トリマー、テトラマーおよびペンタマー(例えば、ジロ
イシン、トリロイシンなど)が挙げられる。
【0074】 本発明における使用に適切な炭水化物賦形剤は、メレジトース(melezi
tose)を除き、例えば、単糖類(例えば、フルクトース、マルトース、ガラ
クトース、グルコース、D−マンノース、ソルボースなど);二糖類(例えば、
ラクトース、スクロース、トレハロース、セロビオースなど);多糖類(例えば
、ラフィノース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなど);および
アルジトール(例えば、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチト
ール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトールなど)
が挙げられる。本発明における使用に好ましい炭水化物賦形剤は、マンニトール
、トレハロース、およびラフィノースである。本発明に従う好ましい乾燥粉末組
成物は、スクロースの非存在下、特に、スクロースおよびグリシンの組み合わせ
の非存在下で安定である組成物である。
【0075】 乾燥粉末組成物はまた、緩衝剤またはpH調整剤を含み得る。代表的に、緩衝
剤は、有機酸または有機塩基から調製された塩である。代表的な緩衝剤としては
、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸また
はフタル酸の塩、およびTris、塩酸トロメタミン、またはリン酸緩衝液が挙
げられる。本発明の組成物における使用に好ましい緩衝剤は、クエン酸塩のよう
な有機酸塩である。
【0076】 さらに、本発明のFSP乾燥粉末は、ポリビニルピロリドン、Ficolls
(ポリマー性糖)、ヒドロキシエチルデンプン、デキストレート、ポリアミノ酸
(例えば、ポリロイシン、ポリグルタミン酸)および/またはポリエチレングリ
コールのようなポリマー性賦形剤を含み得、ここで、このようなポリマーは、カ
プセル化剤としてもむしろ、添加剤として存在する。乾燥粉末はまた、必要に応
じて、矯味矯臭剤、抗微生物剤、甘味剤、抗酸化剤、静電防止剤、ステロイド(
例えば、コレステロール)、およびキレート化剤(例えば、EDTA)を含み得
る。本発明に従うFSP組成物における使用に適切な他の薬学的賦形剤および/
または添加剤は、Remington,The Science & Prac
tice of Pharmacy,第19版(1995)、およびPhysi
cian’s Desk Reference,第52版(1998)(これら
の開示は、本明細書中で参考として援用される)に列挙される。
【0077】 1以上の増強剤化合物を欠く場合に肺血管系および全身循環への吸収が乏しい
、以前に報告された乾燥粉末[Backstromら、米国特許第5,128,
453号(1992年7月7日)]とは対照的に、本発明の乾燥粉末は、肺を通
って驚くほどよく吸収され、そして吸収増強剤の添加を必要としない。これは、
例えば、実施例10および17における、本明細書中に提供されたバイオアベイ
ラビリティデータによって証明される。従って、本発明の乾燥粉末は、好ましく
は、代表的な増強剤化合物(例えば、界面活性剤(例えば、脂肪酸塩)、胆汁酸
塩、アルキルグリコシド、シクロデキストリン、リン脂質)を欠くか、またはこ
のような化合物が存在する場合、これらは、非常に低い濃度−−FSPに対して
約20重量%未満、そしてより好ましくは、FSPに対して15重量%〜10重
量%未満−−で代表的に存在し、その結果、これらは、吸収を顕著に増強するよ
うに機能しない。
【0078】 好ましいキャリアまたは賦形剤材料は、炭水化物(例えば、糖類およびアルジ
トール)および緩衝剤(例えば、クエン酸塩)またはポリマー性薬剤であり、こ
れらは、必要に応じて、上記のようなアミノ酸あるいはジペプチドまたはトリペ
プチドと組み合わせられる。
【0079】 本発明に従って、賦形剤およびタンパク質によって形成される固体状態のマト
リックスは、FSPに対して安定した環境を与え、そして必要に応じて、この組
成物の分散を補助し得る。この安定なマトリックスは、結晶性であるか、無定形
ガラスであるか、またはその両方の形態の混合物である。それらの結晶化度に関
わらず、この結晶化度に対して長時間安定である組成物が好ましい。実質的に無
定形(ガラス)または実質的に結晶性(すなわち、粉末に含まれるFSPの量を
調整した後(FSHは、結晶化しないため)で、可能な最大程度に結晶性である
)の乾燥粉末処方物が、最も適切である。より一般には、好ましい粉末は、実質
的に結晶性であり(例えば、FSP粉末L2017(実施例6.C.))(すな
わち、51%〜99%の結晶性、60%〜95%の結晶性、65%〜90%の結
晶性、あるいはそれらのうちの任意の範囲または値)であるか、または実質的に
無定形ガラス(例えば、粉末L2010およびL2018(実施例6.C.))
(すなわち、固体の少なくとも約70%が無定形ガラスであり、好ましくは、少
なくとも約75%が無定形ガラスであり、そしてより好ましくは、少なくとも約
85%が無定形ガラスである)である。
【0080】 実質的に無定形であるFSP乾燥粉末処方物について、約30℃より高い、好
ましくは、約40℃より高い、そしてより好ましくは、約60℃より高いガラス
転移温度(Tg)を示す処方物が、好ましい。代表的なFSP乾燥粉末組成物に
ついてのガラス転移温度を、表6(実施例6.B.)に示す。そこに提示される
値から見い出されるように、Tg値を決定したそれらの組成物について、22の
処方物/ロット番号が、約30℃より高いTgを示し、19の処方物/ロット番
号が、約60℃より高いTgを示した。60℃または60℃より高いTg値を有
する処方物には、以下が含まれた:L2001、L2004、L2006、L2
008、L2009、L2010、L2012、L2013、L2014、L2
016、L2020およびL2018。実質的に無定形の粉末についての好まし
い保存温度は、Inhale Therapeutic Systemの国際特
許公開WO98/16205に示されるように、その組成物のTgより少なくと
も約10℃低い。
【0081】 乾燥粉末処方物に含まれるFSPは、肺への吸入によって投与される場合に、
薬理学的に有効な量を形成するに十分な量で存在する。本発明の乾燥粉末は、一
般に、約0.1重量%〜99重量%のFSP、より代表的には、約0.5重量%
〜80重量%のFSP、そして好ましくは、約1重量%〜75重量%のFSPを
含む。好ましい組成物は、処方物に含まれるFSPの比活性および処置の型(す
なわち、過剰排卵療法(super ovulation therapy)に
対する排卵誘導)に依存して、約1.5重量%〜70重量%のFSP、そしてよ
り好ましくは、約12重量%〜60重量%のFSPを含む。本発明の1つの好ま
しい実施形態において、乾燥粉末は、約5重量%のFSPを含む。代替的実施形
態において、乾燥粉末は、約15重量%のFSPを含む。対応して、賦形剤材料
の量は、約99.9重量%〜0.1重量%、より代表的には、約99.50重量
%〜20重量%、そして好ましくは、約99重量%〜25重量%の範囲である。
好ましい組成物は、約98.5重量%〜30重量%の賦形剤材料、そしてより好
ましくは、約88重量%〜40重量%の賦形剤材料を含む。ロイシン含有FSP
粉末は、代表的に、約15〜85重量%のロイシン、好ましくは、約20〜80
重量%のロイシン、そしてより好ましくは、約40〜60重量%のロイシンを含
む。
【0082】 肺送達のための代表的なFSP乾燥粉末組成物が、少なくとも実施例2および
11に提供される。実施例2、表1に提供されるデータから見い出され得るよう
に、種々の組み合わせおよび相対量のFSPおよび賦形剤を含む組成物は、良好
な粒子サイズ特性を有する(全ての粉末が、3.5ミクロンより小さいMMDを
有するが、80パーセントの粉末が、1.5ミクロンよりも小さいMMDを有す
る)粉末を生じ、そしてこの粉末は、粉末製造の際のFSPの高程度の凝集体形
成における、最小の変化を提示した(実施例3)。実施例3に詳述される知見は
、本発明のFSP組成物の別の驚くべき特性(すなわち、粉末の製造およびプロ
セシングの間の高程度の凝集体形成に対する、モノマー性FSPを安定化する能
力)の証拠を提供する。FSPの高程度の凝集体形成は、そのバイオアベイラビ
リティに有害な効果を及ぼし得るので、このことは、損なわれたレセプター結合
(次いで、これは、生じた粉末の能力を減少させる)に起因して重要である。
【0083】 (III.FSP乾燥粉末の調製) 乾燥粉末FSP処方物は、上記のように実質的にアモルファスガラス状かまた
は実質的に結晶性の生物活性粉末を生じる条件下で、スプレー乾燥により、好ま
しくは調製される。例えば、一般的にはSpray Drying Handb
ook,第5版(1991)およびPlatz、Rら、Internation
al Patent Publication No.WO97/41833、
Nov.13,1997に記載のように、FSP−溶液処方物のスプレー乾燥を
実行する。
【0084】 スプレー乾燥のためのFSP溶液を調製するため、一般的に、FSPを、生理
学的に受容可能な水性緩衝液(例えば、クエン酸緩衝液またはクエン酸グリシン
緩衝液)に溶解する。この緩衝液は、代表的には、約2〜9の範囲のpHを有す
る。事前乾燥溶液のpHの範囲は、一般に約4と10との間に維持されるが、中
性に近いpHが好ましい。なぜなら、このようなpHは、肺内の粉末の溶解後、
粉末の生物活性または生理学的適合性を維持することを補助し得るからである。
水性処方物は、必要に応じて、さらなる水混和性の溶媒(例えば、アルコールな
ど)を含み得る。代表的なアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロ
パノール、イソプロパノールなどが挙げられる。FSP溶液は、一般に0.01
%(重量/容積)〜約10%(重量/容積)の濃度、通常0.1〜1%(重量/
容積)の濃度で溶解されたFSPを含む。
【0085】 ここで、実施例1に示された結果を振り返えれば、スプレー乾燥の前のFSP
の代表的溶液処方物は、数日間の保管の際、および凍結乾燥サイクルの反復後に
生物活性の目に見えるほどの低下を示さなかった。このことは、このような溶液
処方物の比較的高い安定性を示す。
【0086】 次いで、FSP含有溶液を、Niro A/S(Denmark)、Buch
i(Switzerland)などのような市販の供給業者から入手可能なドラ
イヤーのような従来のスプレードライヤーでスプレー乾燥して、安定なFSP乾
燥粉末を得る。FSP溶液をスプレー乾燥するための至適条件は、処方物の成分
に依存して変化し、そして一般的に実験的に決定される。材料をスプレー乾燥す
るのに用いられるガスは代表的に空気であるが、窒素またはアルゴンのような不
活性ガスがまた適切である。さらに、スプレー化した材料を乾燥するために用い
られるガスの入り口および出口の両方の温度は、スプレー化された材料中のFS
Pの非活性化を生じない温度である。このような温度は、代表的には、実験的に
決定されるが、一般的に、入り口温度は、約50℃〜約200℃であり、一方、
出口温度は約30℃〜約150℃である。
【0087】 あるいは、FSP乾燥粉末は、凍結乾燥、真空乾燥すること、スプレー凍結乾
燥すること、超臨界液体処理(super critical fluid p
rocessing)、または他の形態のエバポレート乾燥により、FSPおよ
び賦形剤を含有する溶液を急速乾燥することにより、次いで、肺深部に投与する
のに適切なエアロゾル特性および受容可能なEDを有するFSP乾燥粉末を得る
ために、乾燥材料をさらに、乾燥処方物を混合し、粉砕しまたはジエット製粉(
milling)により、処理して、調製され得る。ある場合には、微細な粒子
凝集物から構成される組成物(すなわち、上記のFSP乾燥粉末粒子の凝集体ま
たは塊)を調製することにより、改善された取り扱い/処理の特徴(例えば、安
定性の低下、良好な流動性、固化の低さなど)を有するFSP乾燥粉末処方物を
作製することが望ましい。ここで、この凝集物は、例えば、本明細書に参考とし
て援用される、Johnsonら、1997年8月5日の米国特許第5,654
,007号に記載されるように、肺送達のための微細粉末組成物に容易に崩壊し
戻される。あるいは、FSP粉末は、例えば、本明細書に参考として援用される
、Anlneck、Cら、国際PCT刊行物番号WO95/09616(199
5年4月13日)に記載のように、粉末組成物を凝塊形成すること、凝集塊を得
るために材料を篩いにかけること、より球状の凝集を提供するため球状化するこ
と、および均一にサイズ化された製品を得るためにサイジングすることにより調
製され得る。本発明のFSP乾燥粉末は、直接乾燥形態に、処方物組成物を混合
、粉砕またはジェット製粉することにより調製され得る。FSP乾燥粉末は、好
ましくは、製造、処理および保管の間、乾燥(すなわち、相対的に低い湿度)条
件下で維持される。
【0088】 使用される乾燥処理にかかわらず、このプロセスは好ましくは、実施例3に例
示されるように、非凝集形態でFSPから構成される粒子を生じるか、または事
前に乾燥された材料において観察されたのと実質的に変らない、より高い大きさ
の程度を有する粒子を生じる。さらに、本発明のFSP処方物を調製するのに適
切なプロセスは、FSPの生物活性が有害に影響されないプロセスである。有害
に影響されないとは、すなわち、得られる粉末の生物活性が、乾燥/サイジング
の前のFSP処方物の生物活性に比べて、約40〜50%しか、好ましくは約3
0〜40%しか、そしてより好ましくは、約15%〜30%しか低下しないとい
うことである。乾燥の際、生物活性において有意な損失を示さない代表的なFS
P乾燥粉末は、実施例8に記載されている。
【0089】 本発明に従う例示的FSP組成物は、実施例2およびより詳細には表1に提供
される。理解されるように、FSP乾燥粉末は、高収率で、代表的には約70%
と80%との間で得られ、このことは、肺送達に適切な大量のFSP乾燥粉末を
再現可能に調製する能力を示す。さらに、FSPシアリル化の程度は、スプレー
乾燥により影響されないことが示され(実施例5)、このことは従来のスプレー
乾燥条件下でのFSPの化学的安定性を示す。これは、重要である。なぜならF
SPの延長した生物活性半減期は、オリゴサッカライド含量の結果であり;FS
Pアシアログリコプロテイン(すなわち、シアル酸を剥離されたタンパク質)は
、肝臓により急速に排除されるからである。
【0090】 (IV.FSP乾燥粉末の特徴) 本発明のFSP粉末はいくつかの特徴(最も顕著には、引き続く血流への進入
のために粉末が下部呼吸管(すなわち、肺胞)の組織に浸透する能力)によりさ
らに特徴付けられる(例えば、実施例10および18を参照のこと)。以下によ
り詳細に記載されるべき、FSP乾燥粉末の特定の物理的特徴は、肺深部へのこ
のような粉末のエアロゾル化送達の効率を最大化するのに重要であることが見出
されている。FSP乾燥粉末は、肺の肺胞へ浸透するのに効果的な粒子、すなわ
ち、約0.1〜20μmの範囲の質量中央直径(mass median di
ameter:MMD)を有する粒子から構成される。代表的には、粒子のMM
Dは、約10μm未満(例えば、約0.1〜10μmの範囲にわたる)、好まし
くは7.5μm未満(例えば、0.5〜7ミクロンの範囲にわたる)、そして最
も好ましくは、5μm未満であり、そして通常、直径0.1μm〜5μmの範囲
である。好ましい粉末は、約1〜3.5μmのMMDを有する粒子から構成され
る。活性因子および賦形剤の変化する濃度の呼吸に適した、そしてこの好ましい
サイズ範囲内の粒子で形成されたFSP粉末の多くの例が調製された(例えば、
表1、列10;実施例2)。ある場合には、FSP粉末はまた、ラクトースのよ
うな呼吸に適さないキャリア粒子を含む。ここで呼吸に適さない粒子は、代表的
には約40ミクロンよりサイズが大きい。
【0091】 本発明のFSP粉末は、約10μm未満、そして好ましくは5μm未満、そし
てより好ましくは3.5μm未満の質量中央空気力学直径(mass medi
an aerodynamic diameter:MMAD)のエアロゾル粒
子サイズ分布によりさらに特徴付けられる。この粉末の質量中央空気力学直径は
、特徴的に、約0.5〜5.0μm、好ましくは約1.0〜4.0μm MMD
A、より好ましくは約1.5〜3.5μm MMAD,そしてなおより好ましく
は約1.5〜3.0μmに範囲する。肺投与に適切な範囲内のエアロゾル粒子サ
イズ分布を有するFSP粉末を調製する能力をさらに例証するため、約5μm
MMAD未満のエアロゾル粒子サイズ分布を有する粒子から構成される、そして
より詳細には3.5μm未満のMMAD値により特徴付けられる、例示的FSP
乾燥粉末は、表8(実施例7)、表16(実施例11)、表30(実施例21)
および表31(実施例22)に例示される。
【0092】 本発明のFSP乾燥粉末は、別の観点から言えば、約1%と60%との間の相
対的肺性バイオアベイラビリティーにより特徴付けられる。本発明の粉末の相対
的肺性バイオアベイラビリティーは、代表的におよそ以下の範囲内におさまる:
1〜60%、1〜30%、5〜30%、10〜30%、15〜30%、15〜2
5%、20〜25%、1〜20%、2〜20%、3〜20%、4〜20%、1〜
15%、1〜10%、2〜10%、3〜10%、および4〜10%。好ましくは
、FSP粉末は、本明細書に提供されるデータにより支持されるように、約1〜
30%、そしてより好ましくは約1〜20%の間の相対的肺性バイオアベイラビ
リティーを示す。
【0093】 FSP乾燥粉末は、一般に、約10重量%未満、そして好ましくは約3重量%
未満の湿度を含む。このような低湿度含有固体は、タンパク質の分解に向かう傾
向の低下をあらわす傾向である。本明細書により記載されるように調整された代
表的FSP乾燥粉末の湿度含量は、実施例6B、表6に提供される。
【0094】 これらの粉末の送達用量効率(delivered dose effici
ency:DDE)は、30%より大きく、そして通常40%より大きい。より
好ましくは、本発明のFSP粉末のDDEは、50%より大きく、そしてしばし
ば55%より大きい。なおより好ましくは、FSP粉末のDDEは、60%より
大きい。非常に好ましいのは、70%より大きいDDE値を有する粉末であり、
そしてなおより好ましいのは、約75%より大きいDDE値を有する粉末である
。実施例7、表7および実施例11、表14および15に見られるように、本出
願者は、50%より大きいかまたは等しいDDE値を有する多量の代表的FSP
乾燥粉末を首尾よく調製したことが理解され得る。そのDDE値により示される
ように、特に良好な粉末分散性を示しかつ維持する処方物としては、L2001
、L2005、L2006、L2008、L2010、L2012、L2014
、L2016、L2017、L2018およびL2020(この組成物は、表6
に提供される)、ならびに99348、99349、99423、99425、
99426、99455、99454、および99457(表14、15)が挙
げられる。
【0095】 本発明のFSP粉末は、代表的に、約0.1〜10グラム/立方センチメート
ル、好ましくは約0.15〜5グラム/立法センチメートル、より好ましくは、
約0.15〜4.0グラム/立法センチメートル、なおより好ましくは、約0.
17〜1グラム/立法センチメートル、なおより好ましくは、約0.17〜0.
75グラム/立法センチメートル、そして最も好ましくは、約0.2〜0.75
グラム/立法センチメートルの範囲にわたるバルク密度値を有する 本発明の粉末は、粉末に含まれるFSP(例えば、高度に精製した形態のFS
Pに対してFHPおよび他のタンパク質を含有する不純なFSP混合物)の型に
依存して、広範な範囲の特定の生物活性値を有する。本発明の粉末は、一般に、
粉末1グラムあたり100IUより大きい比生物活性を有する。ほとんどの場合
、FSP粉末の比生物活性は、以下である:粉末1グラムあたり250IUより
大きい、粉末1グラムあたり500IUより大きい、粉末1グラムあたり1,0
00IUより大きい、粉末1グラムあたり2,000IUより大きい、粉末1グ
ラムあたり5000IUより大きい、粉末1グラムあたり10,000IUより
大きい、粉末1グラムあたり25,000IUより大きい、粉末1グラムあたり
50,000IUより大きい、粉末1グラムあたり100,000IUより大き
い、粉末1グラムあたり250,000IUより大きい、粉末1グラムあたり5
00,000IUより大きい、粉末1グラムあたり1,000,000IUより
大きい、粉末1グラムあたり2,500,000IUより大きい、粉末1グラム
あたり5,000,000IUより大きい、粉末1グラムあたり10,000,
000IUより大きい。
【0096】 乾燥粉末の全体的エアロゾル能力を特徴付けるためのさらなる基準は、エアロ
ゾル能力係数(APC)である。本明細書に記載されるFSP粉末のAPC値は
、0.10より大きく、代表的には、0.15より大きく、そしてより好ましく
は0.25より大きい。表8および14に提供されるAPC値から理解され得る
ように、0.25より大きいAPC値により証明された、肺送達に特に十分に適
切であるFSP乾燥粉末が調製された。このような粉末は、大きい割合の小さい
エアロゾル粒子サイズを含み、従ってエアロゾル化形態が送達された場合、(i
)肺の肺胞領域への到達において、続く(ii)間質への分散において、および
(iii)内皮と通じた血流への続く通過において、非常に効果的である。
【0097】 (V.FSP組成物の肺投与) 本明細書において記載されるFSP乾燥粉末処方物は、任意の適切な乾燥粉末
吸入器(DPI)、すなわち、乾燥粉末薬物を肺に輸送するためのビヒクルとし
て、患者の吸気を利用する吸入デバイスを用いて送達され得る。好ましいのは、
本明細書において参考として援用される、Patton、J.S.ら、米国特許
第5,458,135号(1995年10月17日);Smith,A.E.ら
、米国特許第5,740,794号(1998年4月21日);およびSmit
h,A.E.ら、米国特許第5,785,049号(1998年7月28日)に
記載されるようなInhale Therapeutic Systems’乾
燥粉末吸入デバイスである。この型のデバイスを用いて投与した場合、粉末化さ
れた医薬は、穿刺可能なフタまたは他のアクセス表面を有する容器、好ましくは
ブリスターパックまたはカートリッジ中に含まれる。ここでこの容器は、単一投
薬量単位または複数投薬量単位を含み得る。定量用量の乾燥粉末医薬を含む多数
の容器(すなわち、単位用量パッケージ)を充填するための従来の方法は、例え
ば、本明細書において参考として援用される、Parks、D.J.ら、Int
ernational Patent Publication WO 97/
41031(1997年11月6日)に記載されている。
【0098】 本明細書において記載されるFSP粉末を送達するためには、例えば、本明細
書において参考として援用される、Cocozza、Sら、米国特許第3,90
6,950号(1974年9月23日)、およびCocozza、Sら、米国特
許第4,013,075号(1977年3月22日)に記載される型の乾燥粉末
吸入器がまた適切である。ここでは、被験体への送達のための事前に測定された
用量のFSP乾燥粉末が、硬カプセル内に含まれる。
【0099】 FSP乾燥粉末の肺投与のための他の乾燥粉末分散デバイスとしては、例えば
、本明細書において参考として援用される、Newell、R.E.ら、欧州特
許番号EP129985(1988年9月7日);Hodoson、P.D.ら
欧州特許番号EP472598(1996年7月3日);Cocozza,Sら
、欧州特許番号EP467172(1994年4月6日)、およびLloyd、
L.J.ら、米国特許第5,522,385号(1996年6月4日)に記載さ
れるデバイスが挙げられる。本発明のFSP乾燥粉末を送達するためには、As
tra−Draco“TURBUHALER”のような吸入デバイスがまた適切
である。この型のデバイスは、詳細には、Virtanen、R、米国特許第4
,668,218号(1987年5月26日);Wetterlin、Kら、米
国特許第4,667,668号(1987年5月26日);およびWetter
lin、Kら、米国特許第4,805,811号(1989年2月21日)(そ
のすべてが、本発明において参考として援用されている)に記載されている。他
の適切なデバイスとしては、Rotahaler(登録商標)(Glaxo)、
Discus(登録商標)(Glaxo)、SpirosTM吸入器(Dura
Pharmaceuticals)およびSpinhaler(登録商標)(F
isons)のような乾燥粉末吸入器が挙げられる。粉末化医薬を同調するか、
またはスクリーンを通じて空気を通過することによりキャリアスクリーンから医
薬を持ち上げるか、またはデバイスのマウスピースを通じた患者への粉末の引き
続く導入を伴う混合チャンバ内での空気を粉末医薬と混合すること、のいずれか
のために空気を提供するピストンの使用を用いるデバイス(例えば、本明細書に
おいて参考として援用される、Mulhauser、Pら、米国特許第5,38
8,572号(1997年9月20日)に記載)もまた適している。
【0100】 FSP乾燥粉末はまた、加圧された、定量用量吸入器(MDI)、例えば、V
entolin(登録商標)定量用量吸入器を用いて送達され得る。これは、薬
学的に不活性な液体噴霧剤(例えば、クロロフルオロカーボンまたはフロロカー
ボン)中に薬物の溶液または懸濁液を含む。これは、両方とも本明細書において
参考として援用される、Laubeら、米国特許第5,320,094号(19
94年6月14日)およびRubsamen,R.M.ら、米国特許第5,67
2,581号(1994)に記載されている。定量用量吸入器により投与される
場合、FSP組成物は、好ましくは、FSPの全身吸着を増強するための界面活
性物質(例えば、脂肪酸、胆汁酸塩、リン脂質またはアルキルサッカライド)を
欠く。なぜなら、本発明の組成物を投与する場合、このような化合物は、血流中
のFSPの治療レベルを達成するために不必要であるからである。
【0101】 あるいは、本明細書において記載される粉末は、溶媒(例えば、水または生理
食塩水)に溶解または懸濁され得、そして噴霧により投与され得る。エアロゾル
化された溶液を送達するためのネブライザーとしては、AERxTM(Aradi
gm)、Ultravent(登録商標)(Mallinkrodt)、および
AcronII(登録商標)(Marquest Medical Produ
cts)が挙げられる。
【0102】 使用前に、FSP乾燥粉末は、一般に、環境条件下で保存され、そして好まし
くは、約25℃かまたはそれ未満の温度で保存され、そして相対湿度(RH)は
、約30〜60℃にわたる。より好ましくは、相対湿度条件(例えば、約30%
未満)は、投薬形態の二次パッケージング中への乾燥剤の組み込みにより達成さ
れ得る。本発明のFSP粉末は、保管の際の生物活性の有意な損失を示さない;
さらに、3つの代表的乾燥粉末処方物で行った加速化安定性試験(実施例7.C
、表9および図1)は、呼吸に適したFSP乾燥粉末を調製する能力が、良好な
エアロゾル性能により特徴づけられるだけでなく、良好な安定性を有することに
よっても特徴付けられることを示す。さらに、ラット(実施例9)において気管
内投与されたFSP溶液、およびサル(実施例10および17)へのFSP粉末
の肺投与のための両方の予備的なインビトロ結果は、皮下投与されたFSPに対
して、合理的に高いバイオアベイラビリティー値(すなわち、約5%〜20%お
よび18%〜25%)を示した。このことは、本発明の乾燥粉末の肺投与による
不妊性処置の実施可能性をさらに示す。
【0103】 (VI.治療適用) 本発明のFSP乾燥粉末は、雄性被験体および雌性被験体の両方における不妊
性を処置するための治療上有効な量での肺への蓄積のためおよび肺からの吸収の
ため、吸入により投与される場合に、有用である。より詳細には、本発明の方法
は、内因性に生成されたレベルを上回って増大されるFSPのレベルを欠く患者
か、またはさもなければ欠くことから利点を得得る患者の処置のための治療適用
において特に有用である。
【0104】 乾燥粉末形態で肺深部に吸入される場合、FSPは、原発性の卵巣不全を蒙っ
ていない女性の卵巣の濾胞成長を刺激するのに効果的である。FSPの肺送達後
、血漿インヒビンレベルの測定を用いて、FSP活性の薬物動態学的マーカーを
提供し得る。濾胞増殖のレベル(直径約10mmより大きい濾胞の数の増大)(
例えば、超音波により決定される)およびストラジオール分泌(すなわち、血清
エストラジオールレベル)はまた、FSPの効果を評価するために用いられ得る
;男性において、セロトリ(Serotoli)細胞産生レベルはまた、処置の
効率のさらなる指標を提供し得る。好ましくは、本明細書により提供されるよう
なFSP乾燥粉末処方物の肺送達は、FSP処置の前に測定した基準レベルに対
して増加する、上記の1つ以上のマーカー(濾胞増殖、血清エストラジオール、
インヒビン、Serotoli細胞産生)のレベルを生じるために効果的である
【0105】 本発明のFSP粉末はまた、補助生殖技術(Assisted Reprod
uctive Technologies:ART)のために、肺深部に投与さ
れる場合、有用である。このような場合、FSPは、体外受精(In Vitr
o Fertilization:IVF)、胚移植(ET)および他の補助生
殖技術のための複数濾胞発達(multiple follicular de
velopment)の刺激を受けている排卵性の不妊女性に投与される。一般
に、女性不妊症関連の状態における使用のため、FSPは、約7〜21日の期間
の一回以上の処置サイクルのために、または濾胞増殖をさらに刺激するために、
肺深部に投与される。不妊女性の場合、LH(黄体形成ホルモン)動揺のない、
濾胞の最終成熟および排卵をもたらすため、十分な濾胞発達が生じた後、ヒト絨
毛性ゴナドトロピン(hCG)を、投与する(上記のように)。雄性不妊を処置
するために用いる場合、FSP乾燥粉末は、代表的に少なくとも約6ヶ月間、そ
して代表的に少なくとも約1年間投与される。
【0106】 代表的に、上記の状態の処置は、組成物中に含まれるFSPの特定の活性に依
存して、平均、患者一日当たり少なくとも約0.5〜35μgのFSP/kgの
範囲、好ましくは患者一日当たり少なくとも約1〜20μgのFSP/kgの範
囲の、治療有効量のFSP乾燥粉末を投与することによって効果がもたらされる
。適切な投薬量は、臨床開業医に公知であり、もちろん、特定の疾患状態、投与
される組成物の特定の活性、および処置が行われる特定の患者に依存する。例え
ば、単位投薬量形態当たりに投与されるFSPの量は、一般的に、約5IU〜約
12,000IU FSPの範囲、好ましくは5IU〜約1000IU FSP
、より好ましくは約37IU〜500IU、さらにより好ましくは約50IU〜
300IU FSPの範囲である。好ましくは、治療有効量は、平均して、おお
よそ:1日当たり10〜1000IU FSP、1日当たり50〜3000IU
FSP、1日当たり75IU〜約600IUのFSP、または1日当たり約2
00IU〜12,000IU FSPの範囲であり、これは、用量レジメン、続
く処置の対象(すなわち、24時間以上の期間に渡って送達されるエアロゾル化
された用量の数)および処置の型に依存する。いくつかの例において、所望の治
療量を達成するために、日々の反復した投与(すなわち、1日当たり特定のメー
ターに示される用量の反復される個別の吸入(ここで、個別の投与は、所望の日
用量が達成されるまで反復される))を提供することが必要であり得る。
【0107】 以下の実施例が示されるが、本発明の範囲を制限することは全く意図されない
【0108】 本明細書中に参照される全ての論文、書籍、特許および他の刊行物は、その全
体が参考として本明細書によって援用される。
【0109】 (実施例) (材料および方法) (材料) (uFSH)ヒト尿由来のFSH(uFSH)を特定の実験のFSP供給源と
して使用した。凍結乾燥したuFSH粉末(Vitro Diagnostic
s,Inc.,Boulder,CO)は、代表的に処方溶液の調製前に5mg
/mlに再構成させた。最初の処方物(粉末ロット番号R98025〜R980
54)は、売り手に供給されるuFSH材料から直接調製した。処方物R980
67〜R98112は、売り手に供給される材料中に存在する残渣の重炭酸アン
モニウムを除去するために、限外濾過(Centricon 10、10kDの
分子量をカットオフ)によってさらに精製されたuFSHから調製された。脱塩
後の糖タンパク質の完全性は、SE−HPLCによって確認し、そしてパーセン
ト糖タンパク質の回復は、UVによって決定した。残存する溶液を、4℃、一晩
での溶液安定性に関して、および3回の凍結融解サイクルに関して試験した。
【0110】 (賦形剤)賦形剤は、以下のような市販の供給源から得た:マンニトール(M
allinckrodt Specialty Chemical Co.,P
aris,Kentucky;U.S.P;FW 180)、クエン酸ナトリウ
ム・2H2O(J.T.Baker Inc.,Phillipsburg,N
J;U.S.P;FW 294.1)、クエン酸・H2O(J.T.Baker
,Phillipsburg,NJ;U.S.P;FW 210.14)、スク
ロース(EM Science,Gibbstown,NJ;FW 342.2
)、ラフィノース・5H2O(Pfanstiehl Lab.,Inc.,W
aukegan,IL;FW 594.5)、グリシン(J.T.Baker,
Inc.,Phillipsburg,NJ;FW 75.07)、トレハロー
ス・2H2O(Pfanstiehl Lab.,Inc.,Waukegan
,IL;FW 350.3)、ロイシン(Sigma,St.Loius,MO
)。
【0111】 洗浄のための滅菌水(USP)は、処方溶液の調製およびuFSH薬剤物質の
再構成のために使用した。
【0112】 (方法) (分光学)保存uFSH溶液、予備スプレー乾燥溶液および再構成された粉末
の濃度は、紫外/可視(UV/Vis)分光測光法によって測定した。サンプル
溶液は、276nmで0.1〜1.5単位の間の吸収値を与えるように希釈した
。400nmにおける溶液の混濁度を、不溶性粒子/凝集物形成の尺度として使
用した。
【0113】 (粒子サイズの測定)粉末の質量中央直径(MMD)をHoriba CAP
A−700粒子サイズ分析器(Horiba Instruments inc
.,Irvine,CA)を用いて測定した。測定は、懸濁媒体中の分散された
粒子の遠心沈降に基づいた。粒子のストーク直径(Stokes’ diame
ter)に基づく質量中央直径は、粒子密度ならびに懸濁媒体の密度および粘度
を用いて計算した。粉末の密度は、全ての粒子に関して1.5g/cm3として
設定した。(この公称値は、分析される全ての粉末に関して使用され、そしてス
プレー乾燥粉末に対する代表的な範囲内である)。粒子サイズ測定は、5mlの
Sedisperse A−11(Micromeritics,Norcro
ss,GA)に懸濁されかつ10分間の超音波処理によって分散される、約5〜
10mgの粉末を用いて実施された。粒子サイズのデータが集められた範囲は、
0.4〜10.0μmに設定された。
【0114】 (示差走査熱分析(DSC))スプレー乾燥粉末(アルミニウムのパンで気密
的に密封された2〜10mg)の熱的な挙動は、TA変調示差走査熱分析292
0によって分析した。代表的に、サンプルは、−60℃で10分間平衡化し、そ
して、窒素気流下、2℃/分で200℃まで加熱した。変調振幅は、±1℃また
は±0.3℃であり、そして変調期間は、60秒であり、ここで、少なくとも4
サイクルが遷移の間に達成された。装置は、温度および熱容量に関して、インジ
ウムによって較正した。基線のスキャンは、サンプルを実行する前に行った。
【0115】 (アンダーセンカスケードインパクター)アンダーセンカスケードインパクタ
ー(粒子のサイズに応じた慣性嵌入によってプレート上の粒子を捕獲する連続し
たステージを備える篩様の装置)を使用して、気流中のエアロゾル化された粉末
処方物のMMADおよび粒子サイズ分布を測定した。このプレートは、試験の前
および後に秤量し、そして各段階のプレート上に沈着した粉末の質量を測定した
。他に示されない限り、9.0〜0.4μmの範囲のカットオフサイズを伴う8
つの段階(頂部から低部のステージまで、0〜7)、ならびに流量が28.3L
/分で作動された場合に<0.4μmの粒子を捕捉する最終濾過ステージを有す
る、従来のアンダーセンカスケードインパクターを用いて行った。デバイス試験
の設定は、カスケードインパクターおよびUSP(米国薬局方、USP23、第
601章)がフィルターよりもむしろデバイスの口金に装着される以外は、DD
E試験と同様であった。複数の分散が、典型的に、重量分析的に正確なデータ(
例えば、20FSP−充填されたブリスターパック(ブリスターパック当たり2
mgを充填))を達成するために各カスケード嵌入の実行に対して行われた。
【0116】 (アンダーセンショートスタック(SS)法(Andersen Short
Stack Method))(APCを測定するために使用される)SS法
において、ステージが配置される順序は、上記のように従来のアンダーセンカス
ケードインパクターセットアップから変更される。頂部から、ステージ0を、の
どに接続するために入口円錐体の装着に対して使用した。ステージ3を次にステ
ージ0の下に配置し、続いてフィルターステージ(ステージF)を配置した。粉
末を含む気流を、ステージ0および3のみを介して通過させ;空気(粉末ではな
い)を、設置される残りのアセンブリを保持するためにステージFの下に配置さ
れる他のステージを介して流した。予備秤量したフィルタを、ステージF上に配
置し、そして<3.3μmの粒子を捕獲した。第2のフィルターは、ステージ3
の逆位のプレート状に配置し、>3.3μmの粒子を捕獲した。本明細書中に記
載される研究に関して、2mgのFSP粉末組成物を含む1つのBP(ブリスタ
ーパック)は、エアロゾル送達デバイス中で分散され、そして減圧は、USP方
法論により28.3L/分として吸引した。次いで、このプロセスは、作動当た
り6mgの標的質量に対して2回繰り返した。次いでフィルターを取り除き、そ
して沈着した粉末の量を測定するために秤量した。
【0117】 (実施例1) (uFSHの予備処方評価:薬剤特性の特徴付け) 予備処方活性は、薬剤特性を評価するため、そして分析の前に保存された溶液
サンプルの安定性を評価するために行った。予備処方活性としては、凍結融解サ
イクルに対する糖タンパク質の安定性、表面への吸着、溶解度、ならびに(i)
再構成された大量uFSH物質、(ii)溶液中の処方されたuFSH(予備ス
プレー乾燥)、および(iii)uFSH粉末の再構成された溶液の溶液安定性
を評価することが挙げられる。予備スプレー乾燥溶液(表1で記載したような)
のpH範囲は、5と8との間に維持した。このpH範囲は、糖タンパク質安定性
および固体状態の特性に対するpHの効果をモニターするために調査した。中性
に近いpHを選択して、肺内の粉末の分散後における、生理学的適合性の維持を
補助した。予備的な結果により、全ての処方されたuFSH溶液が、4℃で4〜
7日間貯蔵される場合、または周囲温度で1日間貯蔵される場合、あるいは凍結
融解サイクルの反復後において、安定であることが示された。予備的なデータに
より、シリコンチューブへの糖タンパク質の吸着損失が最小であることが示され
た。175μ/ml uFSH処方溶液の最初の2mLによって、10μgのu
FSHの、Buchiスプレードライヤーを用いて使用されたチューブ(2m×
4.6mm i.d.)への吸着が生じた。uFSHのさらなる損失は、引き続
くアリコート中で観察されなかった。
【0118】 (実施例2) (代表的なuFSH溶液処方物の調製および肺送達のための粉末の調製) 処方溶液は、0.5%(w/v)の全固体含量で調製した。各溶液のpHを測
定し、次いで、溶液をスプレー乾燥の前に清澄さに関して点検した。表1は、全
ての前スプレー乾燥溶液の組成を列挙する。マンニトールが、他に記載しない限
り糖である。粉末は、カスタマイズされたノズルを備えるBuchi190ミニ
スプレードライヤー(Buchi Labortechnik AG,Meie
rseggstrasse,Switzerland)(Platzら、199
7に記載されるような)およびサイクロンを用いて、uFSHおよび賦形剤の水
溶液をスプレー乾燥させることによって生成された。代表的な処方物は、300
mg未満の全固体を含む溶液から調製した。高い収集効率(通常、70〜80%
の間)が、達成され、続く粉末特徴付けに対する良好な粉末の供給を生じた。
【0119】 表1.スプレー乾燥溶液の説明および粉末プロセシングの結果
【0120】
【表2】 1標的uFSH含量、エラーは、約±0.2%であった;2スプレー乾燥の前の溶
液pH;3再構成された粉末のpH;4遠心沈降(Horiba)によって測定さ
れた;5試験から除外されたロット。
【0121】 初期のロットからの再構成された粉末のpH(スプレー乾燥後、表1)は、ス
プレー乾燥後、pHに予期しない低下を示した(特に、緩衝化されていない(す
なわち、シトレートがない)処方物)。これは、薬剤物質材料中の重炭酸アンモ
ニウムの存在に起因した。pH低下は、精製された薬剤物質の使用の際に最小化
され、そして、これは緩衝液を含む処方物においてはわずかであった。
【0122】 (実施例3) (スプレー乾燥粉末の化学安定性評価:高次凝集体(higher orde
r aggregate)の形成を介した単量体uFSHの損失) 処方されたuFSH溶液のクロマトグラフィの純度および含量は、下記のよう
に、SE−HPLC(サイズ排除高性能液体クロマトグラフィ)方法論を用いて
評価した。
【0123】 表2.SE−HPLCパラメーター
【0124】
【表3】 インタクトな単量体単位、その解離サブユニットおよび高次凝集体は、上記で
特定化されたSE−HPLC条件下において、それぞれ、18.6分、20.2
分および16.2分の保持時間(GW3000XLカラム)で溶出された。保持
時間は、GW2000XLカラム上で減少した。
【0125】 GW3000XLカラムを用いたSE−HPLC法の精度は、単一濃度のuF
SH薬剤物質(173μg/mL)の6回複製注入によって評価した。相対的な
標準偏差は、精度および応答因子のそれぞれに関して、0.0%および0.2%
であった。SE−HPLC法の線形性は、17.4mgのuFSHに対して0.
87の範囲で評価した。uFSH溶液の単一濃度(173μg/mL)を、カラ
ム上に種々の体積で収入した;各注入体積は、2連でアプライした。この応答は
、R2=0.99999を有する線形性を示した。
【0126】 クロマドグラフィによって、αおよびβサブユニットが一緒に溶出され、そし
てuFSHの単量体形態から十分に分析されなかった。分解プロフィールは、1
μgと10μgの間の充填で保持された。従って、uFSHの定量化は、単量体
ピークおよびサブユニットピークの重ね合わせたピーク領域の積分によって決定
された。高次凝集体は、単量体からより良好に分析され、そして別々に積分され
た。要約すると、この方法は、高次凝集体の形成を介した単量体uFSHの損失
を示すためにのみ利用される。
【0127】 表3.大量粉末およびスプレー乾燥後のSE−HPLC分析
【0128】
【表4】 1bsd=スプレー乾燥前;2asd=スプレー乾燥後。
【0129】 上記の表3は、スプレー乾燥に起因して生じる高次凝集体のパーセンテージに
おける変化を要約する。高次凝集体は、大量薬剤物質中、不純物として存在し(
SE−HPLCによって<0.8%の純度)、そしてスプレー乾燥後わずかに上
昇した。高次凝集体における2%未満の増加が、スプレー乾燥後、ロットR98
046b(これは、>6%の高次凝集体を示した(そして、アウトライアーであ
ると考えられた))を除く全てのuFSH処方物に関して観察された。pH、ま
たはシトレート、あるいはuFSH含量を伴う高次凝集体形成における明確な傾
向は、観察されなかった。
【0130】 (実施例4) (包装されたスプレー乾燥粉末の1ヶ月および長期の安定性) 包装された粉末の実時間および促進された安定性は、最初と1ヶ月時点との間
の高次凝集体における%変化に基づいて決定した(表4)。粉末は、ブリスター
パック(BP)中、2mgの全質量まで手で充填された。このブリスターパック
を、ペトリ皿(20〜60BP/皿)に置いた。次いで、このペトリ皿を、乾燥
剤とともに箔の袋(foil pouche)に二次的に包装した。
【0131】 表4.SE−HPLCによって分析されたuFSH包装粉末の安定性
【0132】
【表5】 いくつかの代表的な包装された処方物は、良好な貯蔵安定性を示した。ラフィ
ノースを用いて処方された尿のFSHは、両方の設定状態において良好な安定性
を示した。マンニトール/シトレートおよびマンニトールベースの処方物は、高
次凝集体におけるわずかな増加(<0.2%)によって支持される場合、1ヶ月
間30℃で安定であった。高次凝集体は、1ヶ月の貯蔵後<0.8%の全パーセ
ンテージ変化を伴う両方の処方物に対して温度が40℃まで上昇した場合、さら
に増加し、これは、マンニトール/シトレートおよびマンニトール処方物の両方
が、比較可能な安定性を有することを示す。
【0133】 長期安定性(48〜52週間)は、周囲温度および≦5%相対湿度で貯蔵され
た、特定のマンニトール−シトレートブリスターパックuFSH粉末(5%uF
SH/15%マンニトール/80%シトレート:L2012/粉末ロット980
48;L2010/粉末ロット98110)に対するSE−HPLCによって同
様に測定した。スプレー乾燥後1.8%の最初の高次凝集体レベルを示す粉末L
2012は、52週間後、実質的に変化しない(1.5%の全高次凝集体有した
)ままであった。同様に、粉末L2010に関する高次凝集体レベル(スプレー
乾燥後、最初は1.7%)は、密封されたブリスターパック中、48週間の貯蔵
後に測定された場合、たった2.6%まで増加した。
【0134】 (実施例5) (スプレードライの後のuFSHのシアリル化の程度) uFSHの可能性のある不安定な末端シアル酸残基の存在に起因して、比色定
量法を利用して、スプレードライの後のuFSHシアリル化の完全性を調べた。
この方法を行う際に、末端シアル酸基を低pHにて切断し、その後、レゾルシノ
ールを用いる銅触媒反応を行った。産物の吸光度を、560nmにおいて測定し
、そしてその後N−アセチルノイラミン酸(NANA)を用いて作成した較正曲
線に基づいて、ナノモルのシアル酸に変換した。標準と糖タンパク質サンプルの
両方について三連の測定を行った。呈色反応の前に、サンプルをNICKカラム
を通すことによって、インタクトなシアリル化糖タンパク質を、任意の遊離のシ
アル酸から分離した。溶出した各画分のアリコートを、反応に使用した。
【0135】 この方法の線形の範囲は、80ナノモルにまで及ぶ。検出の下限は、2ナノモ
ルのシアル酸であることが見出された。この下限は、3.5%のuFSH粉末に
ついて1〜2%の損失を検出する能力に対応する。この方法の正確さを、フェチ
ュインをコントロールとして用いて試験した。生じたシアル酸の濃度は、380
nmol/mgタンパク質であり、この量は、フェチュインについての包括的な
研究室間のABRF研究において報告された370±35nmol/mgの平均
値(ACS National Meeting、1997年4月)と十分匹敵
した。
【0136】 比色定量法を使用して、2つのuFSH粉末(R98026、R98029)
を評価した。2mMのクエン酸溶液を使用して、粉末を再構成し、そしてシアリ
ル化糖タンパク質をNICKカラムから溶出した。2つのロットから生じた溶出
プロフィールは、両方の処方物において、遊離のシアル酸が存在しないことを示
した。ブラッドフォードアッセイ(Bradford assay)を行って、
画分1〜3中のタンパク質の存在を確認した。
【0137】 シアル酸の切断は、酸性条件により適するので、同一のアッセイを用いて、シ
アル酸切断が低pHにおいて調製された処方物において生じるか否かを確認した
。このアッセイのために、粉末R98046およびR98048を利用した。得
られたプロフィールは、高pHにおいて得られたものと同様であった。
【0138】 全ての4つのロットについてのインタクトなシアル酸の濃度(表5)は、尿F
SHの初期のストック溶液についてのシアル酸濃度と類似していた。このことは
、uFSHのシアリル化の程度は、スプレードライによって影響を受けなかった
ことを示した。従って、表5の結果は、従来のスプレードライ条件下での脱シア
リル化に対するuFSHの化学的安定性を説明する。
【0139】 (表5:シアル酸アッセイからの定量的結果)
【0140】
【表6】 表5の結果は、中性付近または弱酸性のpH値において、スプレードライの結
果として、代表的処方物中のuFSHのシアリル化の損失がないことを実証する
。このアッセイにおいて測定される平均的なシアル酸含量(8.8重量%)は、
uFSHについての含量(8.96重量%)と匹敵する。
【0141】 (実施例6) (肺送達のためのuFSH粉末の固体状態での特徴付け) 代表的なuFSH粉末処方物をさらに特徴付けして、種々の賦形剤および残存
する湿気の、生じる粉末の固体状態の性質に対する影響、ならびにタンパク質の
安定性に対するその組み合わされた影響を探索した。
【0142】 (調節された示差走査熱分析(DSC)) DSCを使用して、所定のスプレードライした粉末サンプルの熱流束プロフィ
ールを測定して、そのガラス転移温度(Tg)を測定し、そして結晶化度を推定
した。ガラス転移温度もまた決定して、特定の処方物の可能性のある固体状態安
定性の指標を提供した。なぜなら、高いTg値は、低いTgよりも、より高度の
物理的安定性の可能性を示し得るからである。DSC測定を、上記の材料および
方法の章において記載されるように行った。表6は、DSCのデータ、および代
表的なuFSH粉末処方物について得られたガラス転移温度を要約する。
【0143】 表6において示されるデータを見ると、アモルファスのラフィノース処方物が
、100℃近くの異なるガラス転移温度を示した。さらに、高いTg(70〜9
0℃)が、高クエン酸含有処方物(>80%クエン酸)において観察された;T
gの後には、クエン酸の無水多形の結晶化に起因する発熱(exotherm)
が続いた。クエン酸がより少ない(<60%クエン酸)マンニトール/クエン酸
処方物は、より低いTg(30〜60℃)、マンニトールの結晶化に起因する約
90℃での発熱、およびその後のマンニトールの溶解を示した。より高度な結晶
95%マンニトール処方物は、観察可能なTgを示さなかった;結晶マンニトー
ルの溶解に特徴的な約160℃での吸熱のみを示した。データをより広く見ると
、純粋でないuFSHに由来する残存する炭酸水素アンモニウムの影響が、Tg
値を抑制するようである。クエン酸(低pH)は、クエン酸ガラスのTgを抑制
することが報告されている[Lu,Qら、Pharm.Res.15(8):1
202−1206(1998)]が、このことは、研究したpH範囲において容
易には明らかでなかった。これらのデータは、異なるTgおよび異なる結晶化の
程度を有する、安定なuFSH粉末を調製する能力を実証する。
【0144】 (熱重量分析) 熱重量分析(TGA)(室温から200℃までの加熱の際に、サンプルから損
失される重量をモニターする技術)を利用して、上記のuFSH乾燥粉末の残存
水分含量を測定した。25℃から150℃までの加熱の際に観察された重量損失
は、残存する湿気の損失に起因した。スプレードライした粉末の湿気含量(グロ
ーブボックス内に梱包した密閉したアルミ鍋中に2〜10mg)を、TA295
0熱重量分析装置を用いて分析した。密封した鍋の頂上に、TGA炉中に加える
直前に穴を開けて、室内の空気からの水分の取り込みを最小限とした。結果を表
6に提供する。表6の結果を見ると、純粋でないuFSHを用いて調製した処方
物は、加熱の際にかなり大量の重量の損失を示し、このことは、後に、粉末中に
残存する炭酸水素アンモニウムの存在の原因であった(炭酸水素アンモニウムは
、60℃で分解し始める)。湿気含量は、精製されたuFSHを用いて調製され
た、クエン酸ナトリウムを含有しない粉末について2%未満であったが、高クエ
ン酸含量の粉末は、一般に2〜6%の間の水分を含んだ。
【0145】 (表6:uFSH粉末の固体状態での特徴付け)
【0146】
【表7】 1スプレードライ前の処方物溶液のpH、2再構成粉末のpH。
【0147】 (X線回折) 粉末のX線回折研究を、Shimadzu XRD6000回折計で行い、代
表的な粉末サンプル(L2010、L2017、L2018)の結晶化度の程度
の特徴付けをした。uFSH/マンニトール/クエン酸処方物(L2010)を
、異なる回折ピークが存在しないことによって示されるように、大きなアモルフ
ァスであると決定した。uFSH/マンニトール処方物(L2017)は、マン
ニトールのα−多形に特徴的な回折パターンを考慮すると、高度に結晶化してい
るようである。uFSH/ラフィノース処方物(L2018)は、別の回折ピー
クの不存在から決定すると、完全にアモルファス化であった。これらのデータは
、上記のDSCの結果と一致する。
【0148】 (湿気収着) 湿気収着分析を行い、特定のuFSH粉末サンプルの吸湿性の指標を提供した
。具体的には、サンプルを一定の温度下に保ち、そして相対湿度を0%から80
%まで変化させ、次に0%の相対湿度にまで戻した。各サンプルを、微量てんび
ん上に置き、相対湿度の関数としての平衡での増加重量をモニターした。例とし
ての2つのuFSH粉末の湿気収着の結果は、以下のとおりである。高クエン酸
含量粉末(L2006、uFSH/マンニトール/クエン酸)は、30%相対湿
度と40%相対湿度との間で、湿気取り込みのプロフィールの鋭い変化を示し、
このことは、クエン酸二水化物の形成に起因した。95%マンニトール処方物は
、60%付近の相対湿度において小さな転移を示し、このことは、少量の残存す
るアモルファスマンニトールの結晶化に起因した。(タンパク質と会合する少量
のアモルファスマンニトール(<5%)は、DSCを使用しても、X線回折を使
用しても、検出するのが困難である。)等温ミクロ熱量測定(TAM)のデータ
はまた、60%相対湿度でのマンニトール結晶化の存在を示した。マンニトール
の結晶化もまた、等温ミクロ熱量測定によって、マンニトール/クエン酸処方物
中で検出された。これらの湿気収着研究の結果は、生じる粉末の操作の好ましい
様式(すなわち、操作、梱包、および貯蔵の間に、粉末を乾燥したまま保つこと
)を明らかにする。
【0149】 (実施例7:uFSH乾燥粉末のエアロゾル性能) 種々の測定可能なパラメーターを使用して、代表的なuFSH粉末のエアロゾ
ル性能を評価して、肺への送達についてのuFSH乾燥粉末の安定性を測定した
【0150】 (送達された用量の効率測定(DDE)) 2mgのuFSH粉末を充填した一つのブリスターパック(BP)を、Smi
th,A.E.ら(米国特許第5,740,794号、1998年4月21日)
に記載されるように、乾燥粉末吸入器に入れた。次にこの装置を始動して、粉末
を装置のチャンバー内に分配した。次に、生じるエアロゾル雲を形成する粒子を
、30L/分の速度で2.5秒間、減圧によって装置チャンバーから吸い込み、
装置の吹出し口に付けた、予め重量測定したフィルター上に捕獲した。粒子を含
有するフィルターの重量を再度測定して、フィルターに到達したブリスターパッ
クからの粉末の重量を提供した。始動したBPもまた、分散後に重量測定して、
事象の後にブリスターパック内に残存する粉末の量を決定した。以下に報告され
るデータについて、1組の試験は、5〜10のPB分散からなった。
【0151】 (空気力学粒径測定) アンダーソン(Anderson)カスケードインパクターを用いる改変され
たショートスタック(SS)法を、uFSH粉末処方物の初期のスクリーニング
相の間に利用した。SS法を利用して、FPF値、APC値、およびCI Ef
f値を提供した。原寸のアンダーソンカスケードインパクターを、増進された安
定性のバッチの分析のために利用した。上記のように行われたエアロゾル性能の
結果を、以下の表中の代表的なuFSH含有粉末組成について提供する。
【0152】 (表7:各粉末のロットについての、放射された用量のパーセント(平均、標
準偏差(SD)、範囲)、BP中に残った粉末のパーセント、およびBPから離
れて、収集された粉末のパーセント)
【0153】
【表8】 上記のデータを見ると、優れたエアロゾル性能を示す処方物は、L2006、
L2010、およびL2020であり、この各々は、それぞれ3.5%、5%お
よび10%のuFSHを含有するマンニトール:クエン酸(1:5、pH7)か
ら構成された。第1の4組のスクリーニングの全ては、L2006(3.5%の
uFSH)を含み、そしてそのDDE平均は、調製した5つのロットについて6
2±7%であった;個々のロットの平均は、53%から71%まで変化した。L
2010(5%のuFSH)ロットのDDEの平均は、55±5%(n=5)で
あり、そして個々のロットのDDEは、47%から66%の範囲であった。10
%のuFSHを含有する粉末は、71%の平均DDEを有したが、再試験の際に
、55%までの説明できない下降を示した。特に良好な粉末の分散能を示す(す
なわち、60%以上のDDE値を有する)他の粉末処方物としては、L2001
、L2005、L2006、L2012、L2016、L2006、L2010
、L2017、およびL2018が挙げられた。ラフィノース粉末L2018お
よびL2008のDDEの平均は、50±10%(n=3 ロット)であった。
ラフィノース処方物のDDEは、他のuFSH処方物のいくつかよりも低かった
が、これらの粉末は、そのエアロゾル雲の微細な性質によって区別された。エア
ロゾル性能のさらなる指標として、アンダーソンショートスタック試験の結果を
、3つの測定(1測定あたり3つのブリスターパック)についての、平均微細粒
子画分(Fine Particle Fraction)(FPFまたは%<
3.3μm)、平均エアロゾル性能係数(APC)、平均カスケードインパクタ
ー(CI)効率および推定されたMMADを示す以下の表8において、提供する
【0154】 (表8:ショートスタックアンダーソン粒子サイズ測定)
【0155】
【表9】 (1)3つのブリスターパックを、1測定あたり使用した(n)。
【0156】 アンダーソンショートスタックのデータは、試験した粉末に特徴的な、良好な
粉末性能を示した。全ての処方物は、50%以上のFPF値を示し、このことは
、粒子の50%以上が3.3ミクロン未満のサイズを有することを示す。そのよ
うな粉末は、その後の全身性の取り込みのための、肺の深部への送達のために望
ましい。試験した処方物の半分は、75%以上のFPF値を示した。このことは
、処方物中に存在する小さなサイズの粒子の高いパーセントを示す。これらの処
方物としては、L2001、L2006、L2008、L2010、およびL2
018が挙げられた。ほとんど全ての粉末はまた、特に良好なAPC値(好まし
くは、0.36以上)を示した。これらの処方物としては、L2001、L20
06、L2008、L2020、L2016、L2010、およびL2018が
挙げられた。L2006のAPCは、一貫して、0.36を超え、そして0.3
7から0.42の範囲であり、74%〜83%の間の対応するFPF値(%<3
.3μm)を有した。L2010のAPC値は、非常に類似し、そして0.34
〜0.38の範囲であり、70%〜80%のFPFを有した。
【0157】 ラフィノース処方物は、APCの値が非常に高く、0.37〜0.49であり
、90%の対応するFPF値を有した。マンニトール処方物は、わずかに低いA
PCを示した(0.26〜0.33)。従って、マンニトール処方物は、最も大
きなエアロゾル粒子サイズを生成するようであったが、マンニトール/クエン酸
処方物は、中程度の大きさであり、そしてラフィノース処方物は、最も小さいエ
アロゾル粒子サイズであった。
【0158】 (加速安定性の研究) 3つの粉末処方物(L2010、L2017、L2018)を、1ヶ月間、3
0℃および40℃ならびに2〜40℃のストレス循環条件でセットアップした。
以前に生じた短いスタックデータを、安定性バッチが、完全なスタックセットア
ップを用いた粒子の大きさの分布について試験された場合に確認した。表9は、
加速安定性研究からのデータを含む。
【0159】
【表10】 加速安定性研究において、初期DDE値は、以前のバッチの値よりも低かった
。しかし、1ヶ月の試験の直後、安定性条件のいずれかで保持された粉末処方物
のいずれかについてのDDEの減少は存在しなかった。図1は、この1ヶ月の安
定性研究に利用された、3つのuFSH粉末処方物(L2010、L2017、
L2018)についての、FPFとMMADとの間の関係を示す。図1に示され
るデータポイントのクラスターを見て、そしてx軸に沿って、左から右へ進むと
、データクラスターは、それぞれ、サンプルL2017、L2010およびL2
018に対応する。初期測定および1ヶ月の測定の両方についてのAPC値は、
各々の粉末処方物にほぼ一致しており、そしてより早いバッチのAPC値に一致
した。従って、本明細書中に記載される例示的な粉末処方物は、良好なエアロゾ
ル性能および安定性を示す。
【0160】 (実施例8) (uFSH乾燥粉末の生物活性) 4つの代表的な乾燥粉末uFSH処方物(L2013(10% uFSH、1
4%ラフィノース、76%シトラート)、L2010(5% uFSH、15%
ラフィノース、80%シトラート)、L2006(3.5% uFSH、15%
マンニトール、81%シトラート)、およびL2008(3.5% uFSH、
95%ラフィノース)の生物活性を、βラクタマーゼ感受性レポーター細胞アッ
セイによって決定した。4つのuFSH粉末処方物は、uFSH標準に匹敵する
有意な生物活性を保持した。他の適切なインビトロアッセイが、本明細書中で言
及される。
【0161】 これらの結果は、図2Aおよび2Bに図表を用いて示される。
【0162】 (実施例9) (ラットにおいて皮下(SC)投与されたFSPおよび気管内(IT)投与さ
れたFSPのバイオアベイラビリイティー) 以下の研究が着手され、SC投与されたFSPに関連して、ラットにおいて気
管内投与されたFSPのバイオアベイラビリティーの指標を提供した。
【0163】 (プロトコル1(FSP−SC)) 下垂体由来のヒトFSHを、Sigmaから得た(St.Louis,MO,
USA,ロット番号34H0069 製品番号F4021)。希釈液は、1%ア
ルブミンを含むPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)であった。280〜300グ
ラムの間の体重の雄性Sprague−Dawleyラットを、単一の照射研究
のために使用した。2匹の動物を、計6時点について、データ収集時点あたり使
用した。動物に、0.9単位/200μLまたは9.0単位/200μLのいず
れかで投与し、その動物を適切な時間で殺傷し、そして合計の血液サンプルを得
た。個々のラットを、各々の時点について使用した。血液サンプルを、0、4、
8、24、48および96時間で収集した。サンプルを遠心分離し、そして上清
を、ICN Pharmaceuticals(Costa Mesa,CA
USA)からのRIAキットを使用して分析するまで、−80℃で凍結した。
【0164】 (プロトコル2(uFSH−SCおよびIT)) 動物に投与された活性因子は、Serono Laboratories(N
orwell,MA,USA)から得た「FERTINORM HP」75IU
(Urofollitropin iFSH)im/scであった。活性因子(
各々10mgのラクトースを含むuFSHの10バイアル)を、売り主によって
供給された1mlのNaCl溶液の添加によって再構築し、これに、十分なPB
S(リン酸緩衝化生理食塩水)を添加し、9.0単位/200μL FSHの濃
度を有する溶液を調製した。280〜300グラムの体重の雄性Sprague
−Dawleyラットを、単一の照射研究のために使用した。各々の群を、毎日
4匹の動物のコントロール群を含む36匹の動物から構成した。9.0単位/2
00μL uFSHを含む薬物溶液を、ITおよびSC研究の両方について、所
定の時点で動物に投与した。2匹の動物を、計6時点について、データ収集時点
あたり使用した。
【0165】 実験の日に、ラットをIT投薬のために麻酔し、次いで回復させた。次いで、
動物を所定の時間で屠殺し、そして合計の血液サンプルを得た。個々のラットを
、各々の時点について使用した。血液サンプルを、0、1、2、4、6、9、2
4時間(1日目)、および48時間(2日目)、72時間(3日目)ならびに9
6時間(4日目)で収集した。サンプルを遠心分離し、そして上清を、ICN
Biomedicals(Costa Mesa,CA)からのRIAキットを
使用して分析するまで、−80℃で凍結した。結果を、以下の表10に要約し、
そして図3に図表を用いて要約する。
【0166】
【表11】 上記の結果は、気管内送達されたFSPのバイオアベイラビリティーの指標を
提供し、そしてSC送達されたFSPと比較して、約20パーセントの相対的I
Tバイオアベイラビリティーを明らかにする。この予備研究の結果は、ラット気
管に液体形態でしみこませる場合、FSPが、穏当なバイオアベイラビリティー
を有することを示す。このデータは、さらに、FSPが、肺に投与され得、そし
てより低い気道を介して吸収され得、そして体循環に吸収され得ることを示唆す
る。
【0167】 (実施例10) (カニクイザルにおける肺投与および皮下投与後のuFSHの薬物動態学) 以下のインビボ薬物動態学的(PK)研究を、皮下注射または筋肉内注射の代
替として肺経路によって投与される場合に、カニクイザルにおける濾胞刺激タン
パク質(uFSH)のバイオアベイラビリティーを試験するために行った。
【0168】 5匹の雌性カニクイザルの各々に、皮下注射によってuFSHを投与し、その
後、エアロゾル化されたuFSH粉末組成物2010の3つの別々の肺用量を投
与した(2mg用量;5% FSH/15%マンニトール/80%シトラート)
。粉末の肺投与について、サルは、ヘルメット型照射装置の内部に置かれ、そし
てFSH乾燥粉末を、Smith,A.E.ら、米国特許第5,740,794
号、1998年4月21日に記載される型の乾燥粉末吸入デバイスを使用して、
ヘルメットに直接分散した。FSHの漸増濃度の吸入用量を、5または15分の
照射時間にわたって投与した。吸入用量の実際の平均は、3.8±1.7μg/
kg、18.4±1.3μg/kgおよび37.2±3.9μg/kgであり、
これは、各々の吸入の間の各々のサルについての、エアロゾル濃度、平均分量(
mean minute volume)および照射持続期間に基づいた処置後
を算出した。用量投与を、少なくとも1週間によって分離した。
【0169】 血液サンプル全体を、0時間(用量前)、0.08、0.25、0.5、1、
3、6、9、12、24、48および72時間の用量後に収集した。免疫反応性
uFSHの血清濃度を、市販のFSHキット(Coat−A−Count(登録
商標)FSH IRMA,DPC(登録商標)Ltd.,Los Angele
s,CA)を利用した、確認されて、改変されたイムノラジオメトリックアッセ
イ((IRMA)、906DM−052−01)によって決定した。パーセント
相対的バイオアベイラビリティーを、以下の関係を使用して、Microsof
t Excelによって算出した[Wagner,J.,Pharmacoki
netics for the Pharmaceutical Scient
ist,188−189(1993)]:
【0170】
【数1】
【0171】
【数2】 を、この計算に使用した。サル血清における免疫反応性uFSHの個々の濃度を
、表11に報告する。薬物動態学的分析の結果を、表12に報告する。平均血清
濃度(±SEM)を、図4に図表を用いて示す。
【0172】
【表12】
【0173】
【表13】 血清薬物動態学的結果は、肺送達後の血清濃度の時間プロフィールが、皮下投
与に類似したことを示した。肺送達後の末端半減期(terminal hal
f−life)は、皮下投与を用いて得られた末端半減期(約24時間)に類似
した。肺用量群(中用量および高用量)内で、血清の
【0174】
【数3】 およびCmaxは、肺に投与された漸増用量に関連して増加した。最終的に、皮下
投与と比較して肺経路によって送達されたエアロゾル処方されたuFSHの平均
パーセントバイオアベイラビリティーは、吸入用量に基づいて、平均して約6.
5%であった。対応する肺内バイオアベイラビリティーまたは相対的肺性バイオ
アベイラビリティーは、ガンマシントグラフィ(scintography)を
使用して、サルにおける2μmのMMAD粒子の肺堆積の測定に基づいて、26
%であることが見積もられる。低用量の肺PKは、これらの計算において使用さ
れなかった。なぜなら、FSH血液レベルが測定可能である場合に採取されるサ
ンプルが少なすぎるからである。これらの知見は、FSPの乾燥粉末が、肺経路
によって、カニクイザル、他の動物および特に他の霊長類(例えば、ヒト)に首
尾良く投与され得、広範に行われた皮下経路によって得られた血清濃度およびプ
ロフィールに類似の濃度およびプロフィールに帰着したことを示す。
【0175】 (実施例11) (ロイシンを含有する呼吸可能なFSH乾燥粉末) 粉末ロット99348および99349を、L2010粉末についての実施例
2に記載されるような条件下でスプレー乾燥した。これらの処方物は、各々ロイ
シンを40%(w/w)で組み込まれた;この処方物マトリックスの残りは、L
2010に存在する場合と類似の相対比でのマンニトールおよびクエン酸ナトリ
ウムであった。粉末中のuFSH含量は、それぞれロット99348および99
349について、5%および2%であった。2% FSHを含む組成物について
、ブリスターパック(blister pack)中の充填質量(fill m
ass)は、5mgであったが、5% FSH乾燥粉末組成物については、ブリ
スターパック中の充填質量は、2mgであった。2つのスプレー乾燥されたロイ
シン処方物の各々は、SEC−HPLCによって決定されたような非ロイシン含
有処方物の安定性と比較して、良好なuFSH安定性を有した(非ロイシン含有
処方物についてのデータは、表3に見出され得る)。
【0176】
【表14】 2つのロイシン処方物は、試験されたすべての他の処方物と比較して、優れた
エアロゾル性能を示した。DDEにおける14〜30%の絶対的な増加が観察さ
れ、そしてブリスターパック中の「%残り」における減少を伴った。エアロゾル
性能係数(APC)は、0.60を超えてまで有意に増加した。
【0177】
【表15】 さらに、SEMによって調べられたように、粒子の形態は、アミノ酸の添加に
よって変更された。粒子は、より「崩壊して」観察され、従って、表面の折り畳
みが、より公言された。これらの顕微鏡写真を用いて入手された限定された視野
において、粒子の大きさの分布は、より均一に見え、いくつかの非常に微細な粒
子が明らかであった。さらなるFSP−ロイシン処方物が上記のように調製され
て、このエアロゾルおよび安定性性質をさらに試験した。
【0178】
【表16】 6つのロイシン含有処方物の各々が、ロイシンを含まない3つの処方物よりも
、デバイスの吸い口からより高いDDEを示した。DDEにおける有意な変化が
、40℃での保存の4ヶ月後に観察されず、これは、これらのロイシン含有処方
物が、加速安定性試験条件下でさえも、より高い分散可能な性質を保持すること
を示した。さらに同様に調製されたFSPロイシン含有乾燥粉末の性質を、以下
の表に提供する。
【0179】
【表17】
【0180】
【表18】
【0181】
【表19】 (実施例12) (AV12細胞におけるFSH改変体の発現) 発現カセットベクターpGTHを、AV12におけるFSHαサブユニットの
発現のために使用した。手短に言えば、pGTHは、配列中にいくつかのエレメ
ントを含む:SV40初期プロモーター/ori、E.coliハイグロマイシ
ン耐性、SV40小「t」抗原スプライス部位/ポリA部位、pBR322クロ
ーニングレムナント、BKウイルス(株P2)クローニングレムナント、ポリ−
CA20/GT20エレメント(合成オリゴヌクレオチド)、BKウイルス(株P2
)エンハンサー、AD2主要後期プロモーター/スプライシングされた3部から
なるリーダー、FSHαサブユニットコード配列(停止コドンを含む)のための
Bcl1挿入部位、SV40小「t」抗原スプライス部位/ポリA部位;および
pBR322アンピシリン耐性/ori。
【0182】 プラスミド構築物pGTH−αを生成し、ベクターの独特のBclI部位へ3
62bp BclI FSH改変体cDNAフラグメントをクローニングするこ
とによって、コードされたヒトαサブユニット配列(配列番号5)を発現した。
FSH改変体αcDNAフラグメントDNAを、鋳型としてシャトルプラスミド
pLGD637を使用して、pCR増幅によって生成した(pLGD637は、
合成/オリゴヌクレオチド集合化FSH改変体αcDNA配列(配列番号37)
を含む)。BclI挿入物の統合性を、配列決定によって確認し、その後Gen
Peptデータベース(登録番号31869)と比較した。
【0183】 発現カセットベクターpGTDを使用して、配列番号11をコードするヒトβ
サブユニットFSH改変体配列(すなわち、ヌクレオチド配列番号38)を発現
した。pGTDは、AV12細胞において、いくつかの発現エレメントを含む:
連続して、BKウイルス(株P2)クローニングレムナント、ポリ−CA20/G
20エレメント(合成オリゴヌクレオチド)、BKウイルス(株P2)エンハン
サー、AD2主要後期プロモーター/スプライシングされた3部からなるリーダ
ー、FSH改変体βサブユニットコード配列(停止コドンを含む)のためのBc
l1挿入部位、SV40小「t」抗原スプライス部位/ポリA部位;SV40初
期プロモーターori、マウスジヒドロ葉酸レダクターゼcDNA、SV40小
「t」抗原スプライス部位/ポリA部位およびpBR322アンピシリン耐性/
ori。
【0184】 プラスミド構築物pGTD−bCD3を、pGTDベクターの独特のBclI
部位へ、393bp BclI FSH改変体β−bCD3 cDNAフラグメ
ントをクローニングすることによって生成した(配列番号38を参照のこと)。
FSH改変体β−CD3 cDNAフラグメントDNAを、鋳型としてシャトル
プラスミドpLGD638を使用して、PCR増幅によって生成した(pLGD
638は、合成/オリゴヌクレオチド集合化FSH改変体βcDNA配列を含む
)。構築物の統合性を、配列決定によって確認し、そしてGenPeptデータ
ベース(登録番号476441)に保管されたヒトβサブユニット配列と比較し
た。
【0185】 手短に言えば、pGTH−αプラスミドおよびpGTD−bCD3プラスミド
を直線化し、再精製し、次いで付着性AV23−RGT18細胞に同時トランス
フェクトした。AV12−RGT18細胞のグルタミン酸トランスポーター遺伝
子型を維持するための200μg/ml G418と共に、0.25μMメトト
レキサートおよび100μg/mlハイグロマイシンBを含む培地を用いた選択
後、個々の安定なクローンを、手動またはフロー補助細胞ソーティング(flo
w−assisted cell sorting)を介してのいずれかで単離
した。最も高い産生クローンを、市販のFSH ELISAキットを用いて馴化
培地の分析によって同定し、FSH改変体産生を測定した。いくつかのクローン
を、無血清懸濁液に適応させ、そしてさらに増幅し、FSH改変体ヘテロダイマ
ーの単離可能な量を得た。
【0186】 (実施例13) (N末端を切断されたFSH改変体形態) (N末端配列決定によるタンパク質配列の分析) 複数のロットの組換えhFSH改変体を、実験室における発酵において生成し
、そして種々のアッセイを使用して計量した。宿主(CHO細胞)を、配列番号
37によってコードされるαサブユニット、および配列番号38によってコード
されるβサブユニットを発現するように設計した。すべてのN末端配列決定を、
溶液またはブロッティングされたサンプルのいずれかを使用して行った。インタ
クトなαサブユニットおよびβサブユニットならびにN−2αサブユニットおよ
びβサブユニットの相対比のみが、N末端配列データから得られ得る。例えば、
Cysの存在は、N末端配列決定によって計量不可能であり、そしてSerは、
平均回収よりも低い回収を示す。これは、この方法によって、インタクトなβサ
ブユニットおよびN−2βサブユニットの相対比を正確に評価することをより困
難にする(βサブユニットは、それぞれ2位および3位にSerおよびCysを
有する)。アミノ末端の相対量は、第二のサイクル回収(例えば、Serおよび
Glu)を使用して評価される。いくつかの代表的な結果を、以下の表19に要
約する。
【0187】
【表20】 (実施例14) (トリプシンマッピングおよびLC/MSによって定量化された、C末端を切
断されたFSH改変体形態) 配列番号37のDNAによってコードされるαサブユニットを有し、そして配
列番号38のDNAによってコードされるβサブユニットを有するhFSH改変
体を生合成するように改変された(108アミノ酸をコードする)6つのロット
のチャイニーズハムスター卵巣細胞を、実験室スケールで増殖した。発現された
FSH改変体タンパク質を精製し、そしてβサブユニットC末端の不均一性につ
いて分析した。FSH改変体調製物に対する3つの独立したLC/MSランから
のC末端配列データを、以下の表20に示す。
【0188】
【表21】 (実施例15) (FSH改変体の生物学的活性) FSH改変体の異なるロットに対して得られたインビボ活性データは、ラット
卵巣重量増加アッセイにおいて、ホルモンの類似の効力を示し、そして表21に
示す。尿FHS(uFSH)と比較して、FSH改変体のインビボ活性を、St
eelman/Pohleyラット卵巣重量増加アッセイによって測定した(S
teelmanおよびPohley,1953,Endocrinology,
53,604−616)。下垂体を切除された未成熟の雌性ラット(23〜25
日)を、制御された採光で収容した。ラットを、hFSH改変体またはビヒクル
(0.1% BSAを含むPBS、〜0.25mL)で、毎日皮下処置した。0
.1μg/日、0.3μg/日、1.0μg/日または3.0μg/日の用量を
使用した。処置を、24時間の間隔で、4日間繰り返した。このラットを、秤量
し、そして4回目の投薬の24時間後に屠殺した。卵巣および尿を、脂肪から切
り出し、そして秤量した。6匹のラットを、各々の用量について使用した。FS
H改変体サンプルを、以下のように調製した:サンプルを、PBS緩衝液(GI
BCOBRL)中で、3時間、Pierceの10,000MWCO透析カセッ
トを用いて透析した。サンプルの濃度を、1cmの路程セル中で、1mg/mL
の溶液について、278nmで1.06の吸光率を使用して、AVIV UV分
光計を用いて測定した。
【0189】
【表22】 (実施例16) (雌性FisherラットにおいてFSH改変体と比較したuFSHの薬物動
態学) 以下の研究は、静脈内(IV)投与後および皮下(SC)投与後に、Fish
erラットにおいてuFSHと比較したhFSH改変体の薬物動態学(PK)を
測定する。雌性Fisherラットに、uFSHまたはhFSH改変体(15μ
g/kg)をSC経路およびIV経路によって投与した。hFSH改変体を、配
列番号5のアミノ酸配列を有するαサブユニットおよび配列番号11のアミノ酸
配列を有するβサブユニットを発現する細胞において組換え産生した。全血サン
プルを、投薬の0.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、3時間、6
時間、9時間、12時間、および24時間後に収集した。免疫反応性のuFSH
またはhFSH改変体の血清濃度を、改変された市販のFSHキットであるFS
H IRMA、DPC(登録商標)Ltd.(Los Angeles、CA)
を用いたイムノラジオメトリックアッセイによって決定した。重み付け4パラメ
ーターロジスティックモデルアルゴリズムを用いるソフトウェアプログラムであ
るRIASYSを用いて、IRMA結合データを分析した。免疫反応性のuFS
HまたはhFSH改変体の血清濃度を、標準曲線から見積もった。ラット血清中
の標準は、3.5mIU/mLと3500mIU/mLとの間の範囲であった。
定量の下限は5mIU/mLであった。定量の上限は750mIU/mLであっ
た。血清濃度データの薬物動態学分析を、統計学的ソフトウェア(statis
tical package)を用いて行った。SC投与後およびIV投与後の
ラット血清中の免疫反応性のuFSHおよびhFSH改変体の個々の濃度を、そ
れぞれ、表23および表24に報告する。薬物動態学的(PK)値を表25に報
告する。
【0190】
【表23】
【0191】
【表24】
【0192】
【表25】 血清濃度時間プロフィールは、FSH改変体およびuFSHのSC投与および
IV投与について類似のプロフィールを実証する。AUC、最終半減期(ter
minal half life)およびTmaxもまた類似であった。
【0193】 (実施例17) (カニクイザルにおける肺(P)および皮下(SC)のFSH改変体と比較し
たuFSHの皮下(SC)送達の薬物動態学) 以下の研究を行って、カニクイザルにおけるuFSHの皮下投与と比較したh
FSH改変体の皮下投与および肺投与のバイオアベイラビリティーおよび薬物動
態学を測定した。(プロトコル1(皮下uFSH))。カニクイザルに、SC経
路によってuFSH(2μg/kg)を投与した。この溶液は、uFSH、PB
Sおよび0.1%ヒト血清アルブミンを含んでいた。全血サンプルを、投薬の0
.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、3時間、6時間、9時間、1
2時間、24時間、48時間、および72時間後に収集した。サンプルを大腿静
脈または大腿動脈から収集し、そして抗凝固剤を含まない収集チューブ中に入れ
た。全血サンプルからの血清を、遠心分離によって得た。免疫反応性のuFSH
の血清濃度を、改変された市販のFSHキットであるFSH IRMA、DPC
(登録商標)Ltd.(Los Angeles、CA)を用いた改変されたイ
ムノラジオメトリックアッセイによって決定した。IRMA結合データを、4パ
ラメーターロジスティックアルゴリズムまたは5パラメーターロジスティックア
ルゴリズムを用いる認証済みデータ縮約ソフトウェア(StatLIA(登録商
標)、Brendan Scientific Corporation)を用
いることによって分析した。免疫反応性uFSHの血清濃度を、uFSHを投与
したサルについてのuFSHについての標準曲線から見積もった。標準を、0.
5ng/mL〜75ng/mLの範囲の濃度でカニクイザル血清において調製し
た。定量の下限は、0.5ng/mLであった。定量の上限は、75ng/mL
であった。血清濃度データの薬物動態学分析を、従来技術を用いて行った。平均
およびSEMを時々、Microsoft Excel(登録商標)を用いて算
出した。
【0194】 (プロトコル2(皮下および肺のrFSH改変体))。カニクイザルに、組換
え産生されたhFSH改変体(2μg/kg)をSC経路および肺経路によって
投与した。組換え宿主を、配列番号5のαサブユニットおよび配列番号11のβ
サブユニットを発現するように設計し、そして活性な改変体を、発酵ブロスから
精製した。粉末処方物は、FSP、ロイシンおよびクエン酸ナトリウムを、12
.5:80:7.5の重量比で含んでいた。肺送達を、吸入乾燥粉末吸入デバイ
ス(上記の実施例10に記載される通り)を用いて行って、発疱剤パックからの
粉末をサル頭部ドーム(head dome)中へと2分間の曝露にわたって、
Allen、D.L.ら、J.Appl.Toxicol.、15(1):13
−17(1995)によって記載されるように分散させた。次いで、rFSH改
変体の血清レベルを、2分間の曝露後に測定した。各サルが受けた吸入された用
量を、エアロゾル濃度および2分間の吸入の間の各サルの平均分時拍出量に基づ
いて処置後に算出した。これらの算出された肺用量は、サル毎に変化する(表2
6を参照のこと)。rFSH改変体の皮下投与もまた投与して、薬物動態学パラ
メーターの算出後に相対肺バイオアベイラビリティーを得た。皮下投与のための
処方物は、FSP、PBSおよび0.1%ヒト血清アルブミンを含んでいた。
【0195】 全血サンプルを、投薬の0.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、
3時間、6時間、9時間、12時間、24時間、48時間、および72時間後に
収集した。サンプルを大腿静脈または大腿動脈から収集し、そして抗凝固剤を含
まない収集チューブ中に入れた。全血サンプルからの血清を、遠心分離によって
得た。免疫反応性rFSH改変体の血清濃度を、改変された市販のFSHキット
であるFSH IRMA、DPC(登録商標)Ltd.(Los Angele
s、CA)を用いた改変されたイムノラジオメトリックアッセイによって決定し
た。4パラメーターロジスティックアルゴリズムまたは5パラメーターロジステ
ィックアルゴリズムを用いる妥当なデータ縮約ソフトウェア(StatLIA(
登録商標)、Brendan Scientific Corporation
)を用いて、IRMA結合データを分析した。免疫反応性のrFSH改変体の血
清濃度を、rFSH改変体を投与したサルについてのrFSH改変体についての
標準曲線から見積もった。標準を、0.5ng/mL〜75ng/mLの範囲の
濃度でカニクイザル血清において調製した。定量の下限は、0.5ng/mLで
あった。定量の上限は、75ng/mLであった。
【0196】 この研究の目的は、FSHの皮下投与と比較した、肺投与後のカニクイザルに
おけるhFSH改変体の例示的な乾燥粉末処方物(ロイシン/シトレート)のパ
ーセントバイオアベイラビリティーを測定することであった。この研究では、各
サルに、rFSH改変体の1回の肺投与を与え、そして2回の別個の皮下注射[
2μg/kgのhFSH改変体およびuFSH]を与えた。uFSHの皮下注射
を投与して、rFSH改変体に対して比較した。血液サンプルを、肺投与の0時
間、0.08時間、0.25時間、0.5時間、1時間、3時間、6時間、9時
間、12時間、24時間、48時間および72時間後に得た。皮下投与について
の血液サンプルを、0時間、1時間、3時間、6時間、9時間、12時間、24
時間、48時間および72時間で採取した。改変された市販のIRMAキットを
用いて、免疫反応性のhFSH改変体またはuFSHの血清濃度を決定した。こ
れらの濃度は、表26〜表29に見出される。
【0197】 例示的な肺処方物(ロイシン/シトレート)におけるhFSH改変体の平均パ
ーセントバイオアベイラビリティーは、吸入された用量に基づいて、皮下投与と
比較して約4.6%であった。hFSH改変体を用いたこの研究における対応す
る肺内バイオアベイラビリティー、または相対肺バイオアベイラビリティーは、
ガンマシントグラフィを用いたサルにおける2μm MMAD粒子の肺沈着の測
定に基づいて約18.4%であると見積もられる。マンニトール/シトレート処
方物におけるuFSHを用いたサル研究では、平均相対バイオアベイラビリティ
ーは、吸入された用量に基づいて6.5%であった(26%の相対肺バイオアベ
イラビリティー)。rFSH改変体の肺投与は、皮下投与後は5.4時間である
のと比較して平均10.8時間で免疫反応性のrFSH改変体のピーク濃度を生
じた。マンニトール/シトレート処方物におけるuFSHの肺送達もまた、約1
0時間でピーク血清濃度に達した。
【0198】 肺投与後および皮下投与後のhFSH改変体の薬物動態学パラメーターは同様
であった(表26、表27)。皮下投与後の2つの分子(uFSHおよびhFS
H改変体)についての薬物動態学パラメーターは同様であった(表29)。これ
らのパラメーターもまた、2μg/kgのuFSHの皮下投与後に本明細書中の
実施例10に見出されるパラメーターと匹敵した。
【0199】
【表26】
【0200】
【表27】
【0201】
【表28】
【0202】
【表29】 (実施例18) (CHO−K1細胞におけるhFSH改変体の発現) 当業者は、適切な発現ベクターおよび宿主細胞株を用いてFSPを発現するた
めの多くの方法を知っている。1つの方法は、チャイニーズハムスター卵巣細胞
株(例えば、CHO−K1細胞株(LONZA Biologics))を用い
ることである。これらの細胞は、配列番号5の配列を有するαサブユニットおよ
び配列番号11の配列を有するβサブユニットから構成されるhFSH改変体を
発現するように設計され得る。
【0203】 発現ベクターは、標準的な技術によって構築される。トランスフェクションを
支持するベクターDNAは、Gibco/BRL ElectroMax DH
10B細胞(カタログ番号18290−015)において、Qiagen Qi
aFilter Maxi Prepキット(カタログ番号12263)を用い
て調製され得、そしてこのベクターは、適切な診断消化(例えば、Hind I
II/Xho I)によって確認され得る。両方の遺伝子の配列分析は、配列番
号5のαサブユニットおよび配列番号11の改変体βサブユニットを発現するよ
うに設計されたDNA配列が、それぞれ、本明細書中の配列番号37および配列
番号38に示すDNA配列であることを確認する。各サブユニットの発現は、異
なるプロモーターによって、または同じプロモーターによって制御され得る。こ
の配列はまた、ポリAテールを用い得る。このベクターは、選択マーカーを含み
得る。このベクターを用い、公知の技術を用いてCHO−K1細胞をトランスフ
ェクトする。
【0204】 この細胞株を、適切な培地(例えば、GibcoBRLのCD CHO培地)
中で選択圧下で増殖させる。ELISAアッセイを用いて、hFSH改変体を発
現するマスターウェルを同定し得、標準的な手順を用いてこれらをクローニング
および増幅する。これらの手順は、適切な発現レベルを有するクローンをもたら
す。例えば、振盪フラスコ(20〜60mL)中では、7日後〜8日後に30m
g/Lにて活性なhFSH改変体が産生される。
【0205】 (実施例19) (FSPの精製) 組換えFSP(例えば、配列番号5のαサブユニットおよび配列番号11のβ
サブユニットから構成されるhFSH改変体など)の精製は、当該分野で記載さ
れそして当該分野で公知の多数の方法によって、形質転換された宿主細胞(例え
ば、CHO−K1細胞株もしくはAV12細胞株または適切に利用可能な他の産
生株)の単層または懸濁培養物から達成され得る。培養培地からFSPを単離す
るための1つの方法は、培養培地を陽イオン交換クロマトグラフィーもしくは陰
イオン交換クロマトグラフィー、色素アフィニティークロマトグラフィー、逆相
クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、またはこれらの方法の何ら
かの組み合わせに供することを含む。界面活性剤を含み得る懸濁培養物の場合、
さらなる精製工程(例えば、イオン交換工程)が必要であり得る。クロマトグラ
フィー工程は、pH、伝導率、緩衝液組成および流す条件(カラムの寸法、流速
など)について最適化され得る。純度および収率は、SDS−PAGEゲル(ク
ーマシー染色およびウェスタンブロッティングの両方)、ELISAアッセイ、
排除クロマトグラフィーおよび277nmでのUV吸光度によるタンパク質濃度
または他の公知の技術によって分析され得る。標準的な精製工程を用いて、クー
マシーおよび銀染色ゲルによって95%を超える純度を有するFSPが入手され
得る。
【0206】 (実施例20) (肺投与のための賦形剤としてのロイシンの亜慢性(subchronic)
吸入研究) FSPの肺送達のための粉末におけるロイシンの薬学的受容可能性を、国内で
飼育されたカニクイザル(Macaca fascicularis)において
試験した。ロイシン:クエン酸ナトリウム(90:10)の吸入された標的用量
は、1.66mg/kg/日であった。この動物を、1日あたり15分間、15
日間にわたって曝露した。これらのサルを、Charles River BR
F,Inc−Mauritiusから入手した。サルが到着したら収容し、そし
て研究に割り当てる前に少なくとも6週間隔離した。4頭のサル(各性別2頭ず
つ)を任意に処置群に割り当て、そして個々のケージに割り当てた。サルを、7
2±8°Fの温度を維持するようにサーモスタットを設定した部屋に収容した。
環境制御システムを、最少相対湿度20%および最大相対湿度80%を維持する
ように設計した。光周期は、12時間明および12時間暗であり、0600時お
よび1800時に変更した。サルを個々に、吊り床を備えるアルミニウムのケー
ジに収容した。糞便および尿を、毎日手作業で洗浄除去した。Certifie
d Primate Chow 5048(PMI Nutrition In
ternational,Inc)の約10枚〜約20枚のビスケットを、この
週の間毎日2回サルに与え、そして週末には1日1回、二倍量で食料を与えた。
各サルに、新鮮な果物を各週少なくとも3回与えた。水道水は、曝露の間以外は
、自動灌水システムから自由に利用可能であった。各サルを、曝露を開始する前
に少なくとも9回、拘束(restraint)椅子に座るように条件付けした
。条件付けを、正の強化(positive reinforcement)と
して食物のご褒美(food treat)を使用して達成した。
【0207】 これらのサルを、各曝露の前に拘束椅子に配置した。2枚のシートのラテック
ス(0.30インチの厚さ)をこれらの動物の首の周りに置いてシールを形成し
た。約7.7リットルの頭部ドームを動物の頭の上に配置した。約12L/分の
空気流を、排出口上の較正されたトランスベクター(transvector)
を介して頭部ドームを通して維持した。ロイシン−シトレート粉末(90%ロイ
シン/10%クエン酸ナトリウム)を、Wright Dust Feed発生
器を用いて生成した。8〜10リットル/分の空気を、この発生器を通して流し
た。エアロゾルを、サイクロンを通過させ、次いで頭部ドームに侵入させてサル
に吸わせた。
【0208】 ロイシンの濃度を、曝露の間に頭部ドームから採取した重量サンプルを用いて
決定した。これらのサンプルを、頭部ドームに接続された25mm Gelma
n Type A/Eガラス繊維フィルターを通して1LPMの空気を引き抜く
ことによって収集した。1粒子の大きさの決定を完了した。この粒子の大きさを
、Gelman Type A/Eガラス繊維フィルターを取り付けたSier
ra Model 218K Cascade Impactorを用いて収集
したサンプルから決定した。Cascade Impactorを通しての空気
流は、5分間の持続時間にわたって3LPMであった。吸入された用量を以下の
通りに算出した:(平均分時拍出量×曝露時間)×(平均重量濃度)÷体重。
【0209】 流量に由来するパラメーター(一回呼吸量、分時拍出量および呼吸頻度)を、
頭部ドームの口に接続した大きさ「0」の呼吸流量計を用いてモニタリングした
。シグナルを、Buxco Electronics,Inc.からのXAソフ
トウェアを用いてパーソナルコンピューターで収集した。少なくとも15分間の
曝露前データを、曝露を開始する前に収集し、続いて曝露時間の間を通してデー
タを収集した。全ての肺機能のデータを、5分間の平均として収集した。これら
のデータを、Microsoft Excel(登録商標)のスプレッドシート
にダウンロードし、および呼吸パターンの傾向についてみるためにグラフにした
【0210】 各サルを、曝露の前、曝露の間および曝露後に観察した。あらゆる異常な挙動
を書き留めた。体重を記録した(最初の体重−雄性:2.9〜4.1kg;雌性
:2.7〜2.8kg)。これらのデータを平均し、そしてこれを用いてサルの
肺に送達したロイシンの用量を算出した。血液サンプルを、投薬の開始前および
15日目に各サルから得た。これらの血液サンプルを、給餌前に得た。さらに、
気管支肺胞洗浄(BAL)を、投薬の開始前および15日目に行った。これらの
動物に、グリコピロレート0.015mg/kgをIMで投薬し、続いて数分後
にケタミンHCl 10mg/kgをIMで投薬した。次いで、小児気管支鏡を
、右または左の下葉に挿入し、そして気道中に無理やり押し込んだ。通常生理食
塩水の2つの10mLアリコートを肺に入れ、次いで20mLシリンジを用いて
穏やかに手動で吸引した。回収された液体を氷上に置き、そして臨床病理学研究
所に分析のために送付した。
【0211】 血液分析は以下を含んでいた:赤血球計数、ヘモグロビン、ヘマトクリット(
充填赤血球量)、平均赤血球容積、平均赤血球ヘモグロビン量、平均赤血球ヘモ
グロビン濃度、網状赤血球数、血球の形態、総白血球数、白血球特異形態(le
ukocyte differential)、血小板(栓球)数、総白血球数
、白血球特異形態、プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、
グルコース、血液尿素窒素、クレアチニン、総ビリルビン、アルカリホスファタ
ーゼ、アラニントランスアミナーゼ、アスパラギン酸トランスアミナーゼ、γグ
ルタミルトランスフェラーゼ、クレアチンホスホキナーゼ、カルシウム、無機リ
ン、ナトリウム、カリウム、塩素、コレステロール、トリグリセリド、総タンパ
ク質、アルブミン、グロブリン、ミクロプロテイン(microprotein
)。尿を、比重およびタンパク質について分析した。
【0212】 14日間の曝露にまたがる平均重量濃度は、425.83±232.90μg
/L(平均±SD)であった。質量中央等価空気力学直径(mass medi
an equivalent aerodynamic diameter)は
1.00μmであり、幾何標準偏差は、2.46であった。体重に対する、吸入
された平均用量は、2.13±0.56mg/kg/日であった。
【0213】 研究の間にどの動物においても異常な挙動は、書き留められなかった。呼吸頻
度、一回呼吸量、分時拍出量のいずれにおいても処置に関連した増加は存在しな
かった。曝露の1日目での呼吸頻度の明らかな増加は、ドーム内での雲状の粉塵
の出現に対するサルの非特異的応答に起因する可能性が最も高い。次の測定日ま
でには、この動物は、このドーム内のこの粉塵に順応し、そして呼吸頻度の相違
は消失した。
【0214】 血液学パラメーター、臨床化学パラメーター、尿分析パラメーター、気管支肺
胞洗浄(BAL)パラメーターのいずれに対しても化合物に関連した影響は存在
しなかった。1頭のサルは、この研究における他のサルと比較して、そして歴史
上の参考文献の値と比較してBAL液中のタンパク質レベル、総白血球数、好中
球数、リンパ球数およびマクロファージ数、および赤血球数において最少の上昇
を有した。これらの知見は、化合物に関連しないとみなされた。そしてこれらの
知見は、処置前BALにおける上昇したBAL液タンパク質レベルによって証明
されるように、このサルにおける軽度の決定されていない既存の肺状態を反映す
るようである。
【0215】 (実施例21) (Niro噴霧乾燥機を用いて製造したFSP粉末) ロイシン、クエン酸ナトリウム、および生合成されそして本質的に本明細書中
に記載されるように精製された組換えFSPを含む粉末を、2つの流動ノズル(
two−fluid nozzle)を取り付けたNiro移動式小型噴霧乾燥
機(Niro mobile minor spray dryer)を用いて
調製した。粉末の特徴を、本明細書中の他の箇所に記載される通りに測定した。
遊離のサブユニット組成を、本質的に実施例2に記載される通りに測定した。各
FSP粉末の組成を、以下の表30に提供する。バッチの大きさは、表30中の
最初の6つのロットについては10グラムであり、そして最後の3つのロットに
ついては5グラムであった。これらの粉末についての収率は、62%〜78%の
範囲であった。
【0216】
【表30】 (実施例22) (FSP粉末の特徴に対する規模および処方物成分の影響) ロット00023〜00030を、改変された2つの流動ノズルを取り付けた
Buchi噴霧乾燥機(モデル190)を用いて製造した。分析測定を、手動に
よって発疱剤パックを充填した後に行った。hFSH改変体(配列番号5の配列
を有するαサブユニットおよび配列番号11の配列を有するβサブユニットを発
現するように設計された細胞)を、全てのロットについて用いた。ロット195
2〜1954を、改変された2つの流動ノズルを取り付けたNiro移動式小型
噴霧乾燥機を用いて製造した。
【0217】
【表31】
【0218】
【表32】 (実施例23) (FSP粉末の特徴に対する種々のアミノ酸賦形剤の影響) (必要に応じてシトレートと組み合わせて)種々のアミノ酸賦形剤を含むFS
P粉末を、本質的に本明細書中に記載されるように調製した。その収率は、約5
4%〜約78%の範囲であった。得られた粉末の選択された特徴を、以下の表3
3に提供する。
【0219】
【表33】
【0220】
【表34】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例7Cに詳細に記載されるような、1ヶ月の安定性試験に利用し
た、3つの例示的FSP粉末処方物(L2017、L2010、L2018)に
ついての、微粒子フラクション(FPF、3.3ミクロン未満の%)とエアロゾ
ル粒子サイズ(MMAD)との間の相関関係を示すグラフである。
【図2A】 図2Aは、FSH標準と比較した代表的なuFSH乾燥粉末処方物の生理活性
を決定するためのインビトロバイオアッセイの結果を示すグラフである(実施例
8)。図2Aは、粉末L2013およびL2010の生理活性を示す。
【図2B】 図2Bは、FSH標準と比較した代表的なuFSH乾燥粉末処方物の生理活性
を決定するためのインビトロバイオアッセイの結果を示すグラフである(実施例
8)。図2Bは、粉末L2006およびL2013の生理活性を示す。
【図3】 図3は、気管内(IT)投与および皮下(SC)投与されたuFSHのラット
におけるインビトロバイオアベイラビリティのグラフでの比較を提供する(実施
例9)。
【図4】 図4は、ヒトuFSHの肺投与および皮下投与後の、カニクイザルにおける免
疫反応性FSHの平均血清濃度(±SEM)のグラフ表示を提供する(実施例1
0)。
【図5】 図5は、肺投与および皮下投与後の、カニクイザルにおける免疫反応性hFS
H改変体の平均血清濃度(±SEM)のグラフ表示を提供する(実施例17)。
【図6】 図6は、皮下投与後の、免疫反応性hFSH改変体またはuFSHの平均血清
濃度(±SEM)のグラフでの比較を提供する(実施例17)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/42 A61P 15/18 A61P 15/18 C07K 14/59 // C07K 14/59 A61K 37/38 C12N 15/09 ZNA C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ナガラジャン, スダ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94303, パロ アルト, ケニス ドライブ 3363 (72)発明者 パットン, ジョン エス. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94028, ポートラ バリー, アラストラデロ 8 (72)発明者 ベネット, デイビッド ビー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 95129, サン ノゼ, クイーン アン ドライ ブ 1098 (72)発明者 グリーン, ジョアンヌ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94061, レッドウッド シティ, ベルモント アベニュー 326 (72)発明者 チャン, ヒ−シ アメリカ合衆国 カリフォルニア 95120, サン ノゼ, パム レーン 1524 (72)発明者 スタルツ, シェリル エル. エム. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94403, サン マテオ, ウエスト 25ティーエ イチ アベニュー 322 (72)発明者 ベンソイエ, ジェラルディン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404, フォスター シティ, ティンバーヘッ ド レーン 340 (72)発明者 アレン, ダレル ラ バーン アメリカ合衆国 インディアナ 46236, インディアナポリス, ゲイスト コー ブ ドライブ 12240 (72)発明者 ヒューズ, ベンジャミン リー アメリカ合衆国 インディアナ 46208, インディアナポリス, ブルー リッジ ロード 402 (72)発明者 スティフ−トービック, メアリー アメリカ合衆国 インディアナ 46140, グリーンフィールド, ウォータービュ ー ブールバード 716 (72)発明者 ウォルフ, ロナルド ケイス アメリカ合衆国 インディアナ 46033, カーメル, ブルックシェア パークウ ェイ 12329 (72)発明者 ローダー, ウィリアム デイビッド アメリカ合衆国 インディアナ 46077, ジオンスビル, コンティネンタル ド ライブ 1800 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA01 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 4C076 AA29 AA93 BB27 CC30 DD43 DD51 DD67 GG05 4C084 AA01 AA02 AA03 AA06 BA01 BA08 BA20 BA21 CA18 DB26 MA05 MA43 MA56 NA11 NA13 ZA862 ZC112 4H045 AA20 AA30 BA10 CA40 DA30 EA20 FA10 FA71 FA72 FA74

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物被験体の肺深部へ送達するための安定化乾燥粉末組
    成物であって、以下: (i)薬理学的有効量の濾胞刺激タンパク質(FSP)、および (ii)薬学的に受容可能な賦形剤 を含有する、組成物。
  2. 【請求項2】 1%と60%との間の相対的肺性バイオアベイラビリティー
    を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 1%と30%との間の相対的肺性バイオアベイラビリティー
    を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 1%と20%との間の相対的肺性バイオアベイラビリティー
    を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  5. 【請求項5】 約10重量%未満の残留水分含量を有する、請求項1に記載
    の組成物。
  6. 【請求項6】 FSPの比生物活性が、粉末1グラム当たり100IUより
    も大きい、請求項1に記載の組成物。
  7. 【請求項7】 FSPの比生物活性が、粉末1グラム当たり1,000IU
    よりも大きい、請求項1に記載の組成物。
  8. 【請求項8】 FSPの比生物活性が、粉末1グラム当たり5,000IU
    よりも大きい、請求項1に記載の組成物。
  9. 【請求項9】 FSPの比生物活性が、粉末1グラム当たり25,000I
    Uよりも大きい、請求項1に記載の組成物。
  10. 【請求項10】 肺または肺深部へと吸入を介して投与される場合に、1時
    間と50時間との間の分布相半減期を特徴とする、請求項1に記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記FSPが組換え産生される、請求項1に記載の組成物
  12. 【請求項12】 前記FSPがヒト尿由来FSHである、請求項1に記載の
    組成物。
  13. 【請求項13】 前記組換え産生されたFSPがhFSH改変体である、請
    求項11に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記hFSH改変体が、配列番号8のβサブユニットが混
    入していない改変体ポリペプチドを含む、請求項13に記載の組成物。
  15. 【請求項15】 前記hFSH改変体が、そのアミノ酸配列が、配列番号1
    1、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、2
    3、24、25、26、27、および28からなる群より選択される改変体ポリ
    ペプチドを含む、請求項13に記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記hFSH改変体が、αサブユニットおよび改変体βサ
    ブユニットを含むヘテロダイマーを含む、請求項13に記載の組成物。
  17. 【請求項17】 前記改変体ヘテロダイマーが、配列番号8のβサブユニッ
    トが混入していない、請求項16に記載の組成物。
  18. 【請求項18】 前記hFSH改変体ヘテロダイマーが、配列番号11、1
    2、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、2
    4、25、26、27、および28からなる群より選択される改変体βサブユニ
    ットを含む、請求項16に記載の組成物。
  19. 【請求項19】 前記hFSH改変体ヘテロダイマーが、配列番号5、29
    、30、および31からなる群より選択されるαサブユニットを含む、請求項1
    6に記載の組成物。
  20. 【請求項20】 2以上の異なるhFSH改変体ポリペプチドまたはhFS
    H改変体ヘテロダイマーを含む、請求項13に記載の組成物。
  21. 【請求項21】 前記組成物が、約0.1〜20ミクロンの質量中央直径(
    MMD)を有する粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  22. 【請求項22】 前記組成物が、約0.1〜10ミクロンの質量中央直径(
    MMD)を有する粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  23. 【請求項23】 前記組成物が、約0.5〜7ミクロンの質量中央直径(M
    MD)を有する粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  24. 【請求項24】 前記組成物が、約10ミクロン未満の質量中央空気力学直
    径(MMAD)を有する粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  25. 【請求項25】 前記組成物が、約1.5〜約3.5ミクロンの質量中央空
    気力学直径(MMAD)を有する粒子を含む、請求項24に記載の組成物。
  26. 【請求項26】 1平方センチメートル当たり0.1〜10グラムのかさ密
    度を有する粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  27. 【請求項27】 1平方センチメートル当たり0.15〜4.0グラムのか
    さ密度を有する粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  28. 【請求項28】 1平方センチメートル当たり0.17〜0.75グラムの
    かさ密度を有する粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
  29. 【請求項29】 前記組成物が、約0.1〜99.9重量%のFSPを含む
    、請求項1に記載の組成物。
  30. 【請求項30】 30%よりも大きい放出用量を有する、請求項1に記載の
    組成物。
  31. 【請求項31】 50%よりも大きい放出用量を有する、請求項30に記載
    の組成物。
  32. 【請求項32】 55%よりも大きい放出用量を有する、請求項1に記載の
    組成物。
  33. 【請求項33】 60%よりも大きい放出用量を有する、請求項1に記載の
    組成物。
  34. 【請求項34】 請求項1に記載の噴霧乾燥組成物。
  35. 【請求項35】 緩衝塩をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  36. 【請求項36】 水への溶解の際に、約4と10との間のpHを示す、請求
    項35に記載の組成物。
  37. 【請求項37】 前記賦形剤が炭水化物である、請求項1に記載の組成物。
  38. 【請求項38】 前記炭水化物賦形剤が、マンニトール、トレハロース、お
    よびラフィノースからなる群より選択される、請求項37に記載の組成物。
  39. 【請求項39】 前記賦形剤が、アミノ酸、ポリアミノ酸、ポリペプチド、
    およびタンパク質からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  40. 【請求項40】 前記賦形剤が、ロイシン、イソロイシン、およびノルロイ
    シンからなる群より選択されるアミノ酸である、請求項39に記載の組成物。
  41. 【請求項41】 前記賦形剤がロイシンである、請求項40に記載の組成物
  42. 【請求項42】 20%(w/w)〜80%(w/w)のロイシンを含む、
    請求項41に記載の組成物。
  43. 【請求項43】 40%(w/w)〜60%(w/w)のロイシンを含む、
    請求項42に記載の組成物。
  44. 【請求項44】 FSP、マンニトールおよびシトレートを含む、請求項1
    に記載の組成物。
  45. 【請求項45】 FSP、ロイシンおよびシトレートを含む、請求項1に記
    載の組成物。
  46. 【請求項46】 請求項1に記載の安定化乾燥粉末FSP組成物を調製する
    方法であって、以下の工程: (i)前記FSPおよび前記賦形剤を溶媒と混合して、溶液または懸濁液を形
    成する工程、および (ii)請求項1に記載の、呼吸可能な生物活性FSP乾燥粉末を形成するた
    めに適した条件下で、工程(i)で形成された該溶液または懸濁液を乾燥する工
    程、 を包含する、方法。
  47. 【請求項47】 前記乾燥工程が噴霧乾燥を含む、請求項46に記載の方法
  48. 【請求項48】 前記FSPが、前記賦形剤物質を含む溶媒中で混合されて
    、約4〜10のpHを有する溶液を形成する、請求項46に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記溶媒中のFSPの量が、前記溶液または懸濁液の全固
    体含有量の約0.01〜10%を構成する、請求項46に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記溶媒が水またはアルコールである、請求項46に記載
    の方法。
  51. 【請求項51】 前記乾燥粉末中のFSPのシアリル化度が、前記乾燥工程
    の前のFSPのシアリル化度の少なくとも約30%である、請求項46に記載の
    方法。
  52. 【請求項52】 哺乳動物患者の肺へのFSPの送達のための方法であって
    、該方法は、エアロゾル化形態の請求項1に記載の乾燥粉末組成物を吸入によっ
    て投与する工程を包含する、方法。
  53. 【請求項53】 哺乳動物患者の肺へのFSPの送達のための方法であって
    、該方法は、エアロゾル化形態の請求項19に記載の乾燥粉末組成物を吸入によ
    って投与する工程を包含する、方法。
  54. 【請求項54】 哺乳動物被験体にFSPを送達するための方法であって、
    以下の工程: (i)請求項1に記載のFSP乾燥粉末組成物をエアロゾル化する工程、およ
    び (ii)該被験体の肺への沈着および肺からの吸収のための吸入によって、該
    エアロゾル化FSP乾燥粉末組成物を投与する工程、 を包含する、方法。
  55. 【請求項55】 哺乳動物被験体にFSPを送達するための方法であって、
    以下の工程: (i)請求項19に記載のFSP乾燥粉末組成物をエアロゾル化する工程、お
    よび (ii)該被験体の肺への沈着および肺からの吸収のための吸入によって、該
    エアロゾル化FSP乾燥粉末組成物を投与する工程、 を包含する、方法。
  56. 【請求項56】 哺乳動物被験体における不妊症を処置するための方法であ
    って、該被験体の肺への沈着および肺からの吸収のための吸入によって、治療有
    効量の請求項1に記載の乾燥粉末組成物を投与する工程を包含する、方法。
  57. 【請求項57】 哺乳動物被験体における不妊症を処置するための方法であ
    って、該被験体の肺への沈着および肺からの吸収のための吸入によって、治療有
    効量の請求項19に記載の乾燥粉末組成物を投与する工程を包含する、方法。
  58. 【請求項58】 請求項56または請求項57に記載の方法であって、ここ
    で前記被験体が不妊の雌であり、そして少なくとも3〜20日間のタイムコース
    にわたる前記組成物投与の結果として、該被験体が、該投与の前に測定された濾
    胞の成長のレベルと比較して増加した濾胞の成長のレベルを示す、方法。
  59. 【請求項59】 前記治療有効量が、1日当たり約10〜1,000IUの
    FSPを含む、請求項56または請求項57に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記治療有効量が、1日当たり約50〜3,000IUの
    FSPを含む、請求項56または請求項57に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記治療有効量が、1日当たり約200〜12,000I
    UのFSPを含む、請求項56または請求項57に記載の方法。
  62. 【請求項62】 インビトロでの受精のための配偶子を産生するための方法
    であって、該方法は、被験体の肺への沈着および肺からの吸収のための吸入によ
    って、治療有効量の請求項1に記載の乾燥粉末組成物を投与する工程を包含する
    、方法。
  63. 【請求項63】 インビトロでの受精のための配偶子を産生するための方法
    であって、該方法は、被験体の肺への沈着および肺からの吸収のための吸入によ
    って、治療有効量の請求項19に記載の乾燥粉末組成物を投与する工程を包含す
    る、方法。
  64. 【請求項64】 前記治療有効量が、1日当たり約50〜3,000IUの
    FSPを含む、請求項62または請求項63に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記治療有効量が、1日当たり約200〜12,000I
    UのFSPを含む、請求項62または請求項63に記載の方法。
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