JP4931282B2 - 生理活性ペプチド含有粉末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理活性ペプチド含有粉末特に、吸入により投与するのに適した生理活性ペプチド含有粉末に関する。本発明は更に、生理活性ペプチド含有の水性液体を乾燥させて粉末化する工程において生理活性ペプチドの変性を防止して安定化するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、成長ホルモン、インスリン等の生理活性ペプチド含有の医薬品は、注射により投与されてきた。その関係上、それらの製剤の製造には凍結乾燥が専ら用いられてきた。このため、それらの製剤において、主薬である生理活性ペプチドの安定化についての研究は、完成品である製剤の乾燥状態での生理活性ペプチドの長期保存安定性、及び乾燥したペプチド含有組成物を溶解した後の液体中での生理活性ペプチドの保存安定性に、これまで集中してきた。例えば、カルシトニン溶液の安定化については、特開平7-179364号公報、特開平7-188060号公報、特表平7-188061号公報等に、また、成長ホルモン凍結乾燥品の安定化については、特表平10-504531号公報、特表平10-511965号公報、特表平10-507183号公報等に開示されている。
【0003】
生理活性ペプチドの投与方法が注射に限られてきたのは、経口投与では消化管内で消化されてしまうためであり、実用可能な新たな投与経路が開発できれば、患者にとって非常に有益である。取り分け、成長ホルモンやインスリン等のように、ほぼ生涯にわたって投与を続ける必要のある活性ペプチドの場合、従来の注射による投与は患者に不便と苦痛を強いている。従って、これらの生理活性ペプチドに関して、注射以外の投与経路の開発は患者に切望されている。
【0004】
吸入用の製剤は、体内に直接注入するためのものでなく、外気に常に接している気道内に吸入される関係上、注射剤に比して微生物学的品質基準は緩やかである。このため、その製造には、凍結乾燥装置を用い得ることは勿論、それ以外に流動層造粒装置、噴霧乾燥装置、噴霧凍結乾燥装置等の製造装置も用い得る。これら流動層造粒装置、噴霧乾燥装置、噴霧凍結乾燥装置を用いた製剤の製造段階における生理活性ペプチドの安定化に関しては、メイラード反応に対する阻害剤を添加することで安定性を確保することが報告されている(特表平10-505591号公報)。しかし、製造段階における生理活性ペプチドの安定化は、もし可能であるなら、医薬品添加物として現在許可されており、安全性が高く、長年の使用実績のある添加物を用いて行う方が、得られる医薬品につき高い安全性が期待できるという点で、好ましい。また、生理活性ペプチド含有吸入用製剤に配合される主薬以外の成分は、刺激性のないことが必要であると共に、吸入による投与(以下、「経肺投与」という。)によって、生理活性ペプチドの吸収(以下、「経肺吸収」という。)が十分な効率で達成できるものでなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記背景の下で、本発明は、吸入により投与するのに特に適した生理活性ペプチド含有粉末を提供することを目的とする。
また本発明は、製造工程における生理活性ペプチドの安定性を改善した、生理活性ペプチド含有粉末の製造方法を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、生理活性ペプチド含有粉末を得るに当たって、生理活性ペプチド水溶液からこれを乾燥させて粉末する際における生理活性ペプチドの安定化を達成すると同時に、粉末粒子から生理活性ペプチドを高い効率で経肺吸収させる物質を求めて検討した。その結果、本発明者等は、生理活性ペプチドであるヒト成長ホルモン含有の粉末を製造するに当たり生理活性ペプチド水溶液に乳糖を配合することにより、乾燥させ粉末化する工程において生理活性ペプチドの安定性が著しく高められることを見出した。また、乳糖を配合したヒト成長ホルモン含有の粉末を動物に経肺投与したとき、ヒト成長ホルモンの血中移行性が、同じ製剤を皮下注射したときよりも顕著に優れていることを見出した。本発明は、これらの発見に基づいてなされたものである。
【0007】
すなわち本発明は、重量比1:1〜1:50で生理活性ペプチドと乳糖とを含んでなる粒子よりなることを特徴とする、生理活性ペプチド含有粉末を提供する。該生理活性ペプチド含有組成物の製法は限定されない。該組成物中において、該生理活性ペプチドに対し上記に規定された範囲で含有される乳糖は、該生理活性ペプチドの安定性を高める働きをする。また、生理活性ペプチドと乳糖との重量比は、投与時の粉末の取扱いに不便でない限り両者合わせての投与重量を少なくする方が良いという観点から、より好ましくは1:1〜1:40、更に好ましくは1:1〜30、特に好ましくは1:1〜20である。
【0008】
更に、該粒子の平均粒子経が1〜10μm、更に好ましくは2〜5μmであるとき、吸入された粒子は気流に乗って呼吸器の深部まで到達しやすい。そのような粒子経としたとき、上記生理活性ペプチド含有粉末は、これを経肺投与することにより粒子が肺内に到達しやすく、その結果該生理活性ペプチドを優れた効率でかつ比較的持続的に持続的に循環血中へ移行させることができる。すなわち本発明は更に、重量比1:1〜1:50で生理活性ペプチドと乳糖とを含んでなる粒子よりなり且つ該粒子の平均粒子経が1〜10μm、更に好ましくは2〜5μmであることを特徴とする生理活性ペプチド含有粉末をも提供する。
【0009】
上記生理活性ペプチドと乳糖とを含んでなる粒子よりなる活性ペプチド含有粉末は、種々の方法で製造したものであってよいが、例えば、生理活性ペプチドと乳糖とを相互の重量比1:1〜1:50で水に溶解させ、得られた該生理活性ペプチドと乳糖とを含有する水溶液を乾燥させることにより得られる粒子よりなるものであってよい。製造に際して、更に好ましくは、平均粒子経が1〜10μm更に好ましくは2〜5μmとなるように、乾燥条件が調節される。
【0010】
上記粉末の製造において、生理活性ペプチド及び乳糖と含有する水溶液の乾燥方法は適宜選択してよく、例えば、噴霧乾燥、噴霧凍結乾燥又は凍結乾燥により行うことができる。噴霧乾燥には、流動層コーティングや流動層造粒において行われる噴霧による乾燥もこれに包含される。
【0011】
上記粉末中の該生理活性ペプチドとしては、成長ホルモン類、インスリン類、カルシトニン類、エリスロポエチン、グルカゴン、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、インターフェロン、インターロイキン、スーパオキシドジスムターゼ、ウロキナーゼ、プロテアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー形成刺激因子、カリクレイン、リゾチーム、フィブロネクチン、インスリン様増殖因子、上皮増殖因子、繊維芽細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、神経成長因子、肝細胞増殖因子、血管新生因子及び血管新生阻害因子よりなる群より選ぶことができる。このうち例えば、ヒト成長ホルモン及びインスリンは、これまでは、患者が長期間、皮下注射により自家投与を続けるほかなかった関係上、本願において特に好ましい生理活性ペプチドである。
【0012】
本発明は更に、上記生理活性ペプチド含有の粒子を含んでなることを特徴とする、生理活性ペプチド含有吸入用製剤をも提供する。該吸入用製剤は、上記生理活性ペプチド含有の粒子そのままであってもよいが、該粒子が相互に緩く凝集したもの又は該粒子を、より粗大な不活性の担体粒子(例えば乳糖)表面に緩く付着させたものであってもよい。それらの緩い凝集体粒子又は緩い複合粗大粒子は、製剤の吸引時に吸入装置から放出されるに際して空気流により崩壊して生理活性ペプチド含有の各粒子が凝集体又は担体から遊離し単独粒子となるような緩さのものであればよい。そのような緩い凝集体粒子又は緩い複合粗大粒子の製造は、粉末を構成する1〜数μmオーダーの粒子を緩く凝集させ又はより粗大な不活性の担体粒子表面に緩く付着させる当業者に周知の種々の技術を適宜用いて行うことができる。それらの緩い凝集体粒子又は緩い複合粗大粒子は、吸入装置で用いる所定のカプセル等に吸入用製剤を一回投与量毎に充填する際に、製剤の流動性を高めて、充填を容易にし充填量の正確さを高めることを目的とするものである。従って、カプセル等に充填後は、外部からの衝撃等によりカプセル等の中で一部又は全部の粒子が遊離して単独粒子となって粉末を形成していてもよい。
【0013】
本発明は更に、生理活性ペプチドをその水溶液から乾燥させて該生理活性ペプチドを含んでなる粒子よりなる粉末を製造する方法であって、該生理活性ペプチド及び乳糖を水に溶解させることによって該生理活性ペプチド及び乳糖を含有した該水溶液を調製し、該水溶液を乾燥させて粉末とすることを特徴とする方法をも提供する。乳糖を水溶液中で生理活性ペプチドと共存させることにより、生理活性ペプチドの粉末化に際し安定化を顕著に改善することができる。
【0014】
ここにおいて、該生理活性ペプチドと乳糖とは、広い範囲の重量比で用いて高い安定化を達成できるが、製造工程における取扱い易さ、製造コスト、及び得られる粉末粒径を考慮すると、該水溶液中における該生理活性ペプチドと乳糖の重量比が1:1〜1:50であることが好ましく、1:1〜1:40であることがより好ましく、1:1〜30であることが更に好ましく、1:1〜20であることが特に好ましい。製造に際して、更に好ましくは、平均粒子経が1〜10μm、より好ましくは2〜5μmとなるように、乾燥条件が調節される。
【0015】
上記方法において、生理活性ペプチド及び乳糖を含有する水溶液の乾燥方法は適宜選択してよく、例えば、噴霧乾燥、噴霧凍結乾燥又は凍結乾燥により行ってよい。噴霧乾燥には、流動層コーティングや流動層造粒において行われる噴霧による乾燥もこれに包含される。
【0016】
上記方法において、該生理活性ペプチドとしては、成長ホルモン類、インスリン類、カルシトニン類、エリスロポエチン、グルカゴン、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、インターフェロン、インターロイキン、スーパオキシドジスムターゼ、ウロキナーゼ、プロテアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー形成刺激因子、カリクレイン、リゾチーム、フィブロネクチン、インスリン様増殖因子、上皮増殖因子、繊維芽細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、神経成長因子、肝細胞増殖因子、血管新生因子及び血管新生阻害因子よりなる群より選ぶことができる。このうち例えば、ヒト成長ホルモン及びヒトインスリンは、特に好ましい例である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、生理活性ペプチドと乳糖とを含んでなる粒子が高い経肺吸収をもたらすという発見に基づいており、従って、生理活性ペプチド含有粉末を製造するに当たり、適宜の製法を選択してよい。本発明はまた、活性ペプチド含有水溶液から活性ペプチドを粉末化する際において、活性ペプチドを顕著に安定化する作用を乳糖が有するという発見に基づいており、従って、生理活性物質及び乳糖を含有する水溶液の乾燥は、通常用いられる適宜の方法を採用して行ってよい。
【0018】
本発明において、安定化の対象となる生理活性ペプチドの例としては、成長ホルモン類、インスリン類、カルシトニン類、エリスロポエチン、グルカゴン、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、インターフェロン(α型、β型、又はγ型)、インターロイキン(I、II、III、IV、V、VI、又はVII)スーパオキシドジスムターゼ、ウロキナーゼ、プロテアーゼ、腫瘍壊死因子、コロニー形成刺激因子、カリクレイン、リゾチーム及びフィブロネクチン、並びに、インスリン様増殖因子、上皮増殖因子、繊維芽細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、神経成長因子、肝細胞増殖因子、血管新生因子及び血管新生阻害因子等、各種の細胞増殖・分化を調節する因子等が挙げられる。生理活性ペプチドは、化学的には複数のアミノ酸がペプチド結合によって連結したという共通の構造を有しており、従って、本発明は、上記以外にも広範な種々の生理活性ペプチドに適用可能である。また、それらのペプチドが天然物から抽出されたものか遺伝子組換えにより製造されたものかは、ペプチドの基本的物性に影響を及ぼさないから、何れの方法により得られたものかは問わない。
【0019】
また、本発明において特に好ましく用いられる生理活性ペプチドの一例として、ヒト成長ホルモンがある。本発明において、「ヒト成長ホルモン」の語は、ヒト下垂体より抽出できる191個のアミノ酸からなる分子量22,125の22K hGHののみならず、23〜46番目の15アミノ酸の欠失した20K hGHをも包含する。20K hGHは22K hGHと同等の成長促進作用を示す。また、本発明において、「ヒト成長ホルモン」の語は、これら天然型ヒト成長ホルモンのみならず、天然ヒト成長ホルモンと実質的に同等の作用を有する遺伝子組換えにより得られたタンパク質をも含む。遺伝子組換えによるヒト成長ホルモンとしては、192個のアミノ酸よりなるN末端メチオニン型のものが例示されるほか、一部のアミノ酸が欠失、置換、負荷又は挿入されているが天然型のヒト成長ホルモンと実質的に同等の活性を有する変異体もこれに包含される。
【0020】
【実施例】
以下、実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されることは意図しない。特に、下記実施例では、ヒト成長ホルモンとして組換えヒト成長ホルモンを使用しているが、物性において組換えヒト成長ホルモンと天然のヒト成長ホルモンとの間に差はないから、実施例において得られた結果は、天然、組換えを問わず、あらゆるタイプのヒト成長ホルモンに適合する。
【0021】
<GHの噴霧乾燥における安定化検討−1>
成長ホルモン(GH)分子は、水溶液中での激しい撹拌時に気液界面に接触して立体構造変化を起こし、単量体の減少及び2量体、多量体又は不溶性凝集体の形成を起こす性質が強い。GHの粉末化の工程において、噴霧乾燥などの乾燥段階では気液界面の増大によるGHの変性をできるだけ抑制する必要がある。この目的で、r−hGH溶液に添加しておくことで粉末化に際してGHを安定化する化合物を求めて種々検討した結果、並びに経肺投与における安全性についての考察及び可能な限り成分数の少ない処方とすることが望ましいとの視点に基づいて、下記の添加剤を最終的に候補として選択した。GHの噴霧乾燥におけるそれらの安定化効果についての試験及び結果を記す。
【0022】
(材料)
GHとしては、組換えヒト成長ホルモン(r−hGH)原体(BTG社製:末端Nメチオニンを選択的に酵素切断除去してなり、アミノ酸191個の天然ヒト成長ホルモンと同一アミノ酸配列を有する。)を、安定化のための添加剤としては、乳糖(1水和物)及びマンニトールを用いた。
【0023】
(r−hGH溶液調製)
下記の各処方に従い、r−hGH及び添加剤(対照では含まず)を秤取し、15.0mlの精製水に溶解させて噴霧溶液とした。
【0024】
処方No.236:
r−hGH・・・・・・・・・29.25mg (6.5重量%)
D−マンニトール・・・・・ 420.75 mg ( 93.5 重量%)
計 450.00mg
【0025】
処方No.237:
r−hGH・・・・・・・・・29.25mg (6.5重量%)
乳糖(1水和物)・・・・・ 420.75 mg ( 93.5 重量%)
計 450.00mg
【0026】
対照処方:
r−hGH・・・・・・・・・ 29.25 mg
計 29.25mg
【0027】
(噴霧乾燥)
噴霧乾燥装置としてEYELA SD-1000 Spray Dryerを用い、上記の各r−hGH溶液を噴霧乾燥して、乾燥粉末を得た。噴霧乾燥条件は次の通りとした。
入口温度: 90℃
乾燥空気量: 0.2m3/分
噴霧圧: 100kPa
送液ポンプ流量: 2.6ml/分
【0028】
(HPLC/単量体含量測定)
r−hGH単量体の測定のためのHPLC条件は次の通りとした。
HPLC装置: LC10A(島津製作所)
サンプル量: 約0.02g/精製水0.5ml
検出器: UV(280nm)
分析カラム: TSK G3000SWXL (TOSOH)
カラム温度: 室温
移動相: 0.1Mリン酸二水素ナトリウム、0.1Mリン酸水素ナトリウム、0.2M塩化ナトリウム
流速: 0.6ml/分
注入量: 50μl
【0029】
(HPLC/脱アミド体含量測定)
r−hGHの脱アミド体の測定のためのHPLC条件は次の通りとした。
HPLC装置: LC10A(島津製作所)
サンプル量: 約0.02g/精製水0.5ml
検出器: UV(280nm)
分析カラム: Protein C4カラム(VYDAC, Cat.No. 214ATP54)
カラム温度: 45℃
移動相: 50mMトリス塩酸(pH7.5)/n−プロパノール(71:29)緩衝液
流速: 0.5ml/分
注入量: 50μl
【0030】
(SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動)
1) サンプルの調製:
サンプルとして約0.04mg/mlの溶液を調製し、その10μlに水10μl及びサンプル緩衝液20μlを加えた。標準サンプルとしては、r−hGH原体約1.6mg/mlを調製し、その10μlに水10μl及びサンプル緩衝液20μlを加えた。
2) 泳動緩衝液の調製:
(A) 10×SDS−PAGE用泳動緩衝液は、トリス30.3g、グリシン144g、SDS10gに水を加えて1000mlとすることにより調製した(保存用)
(B) SDS−PAGE用泳動緩衝液は、10×SDS−PAGE用泳動緩衝液100mlに水900mlを加えることにより調製した。
(C) 0.25Mトリス塩酸(pH6.8)緩衝液は、トリス30.25gに水を加えて800mlとし室温にて6N塩酸でpH6.8に合わせた後、水で1000mlにメスアップすることにより調製した(冷凍保存)。
(D) SDS−PAGE用サンプル緩衝液は、0.25Mトリス塩酸(pH6.8)緩衝液25ml、SDS2g、ショ糖5g、ブロムチモールブルー(BPB)2mgに水を加えて50mlとすることにより調製した。
3) SDS−PAGE
上記サンプル及び緩衝液を用いて、20mA/ゲルで常法により電気泳動を行った。
【0031】
(結果)
噴霧乾燥により得られたr−hGH粉末中のr−hGH単体含量及び脱アミド体含量の測定結果を次の表に示す。
【表1】
【0032】
表1より明らかな通り、処方No.236及び237共に、対照処方に対して遙かに高いr−hGH単量体残存率を示した。また、サンプル調製に用いたr−hGH原体自体3.1%の脱アミド体を含有しており、処方No.236及び237における脱アミノ体の増加は、ごく僅かであった。また処方No.236及び237とを比較すると、処方No.237(すなわち、乳糖配合)の方がより優れた安定性を有していた。SDS−PAGEによる検討でも、処方No.237(乳糖配合)の方が処方No.236よりも純度の高いことを示す泳動像を示した。
【0033】
<GHの噴霧乾燥における安定化検討−2>
上記試験結果より、乳糖がr−hGH粉末化のための安定化剤として特に好ましいことが判明したことから、乳糖を用いたr−hGH粉末の製造のための諸状件につき検討した。
【0034】
(r−hGH溶液調製)
下記の各処方に従い、r−hGH及び乳糖を秤取し、10ml、20ml又は30mlの精製水に溶解させて3通りの濃度の噴霧溶液を調製した。これらの溶液中のr−hGH濃度及び乳糖濃度は、それぞれ、r−hGHは、0.4、0.2及び0.13w/w%、乳糖は4.6、2.3及び1.5w/w%である。
(処方)
r−hGH・・・・・・・・ 40mg( 8重量%)
乳糖(1水和物)・・・・・ 460 mg( 92 重量%)
計 500mg
【0035】
(噴霧乾燥及び分析)
これら各濃度の溶液につき、噴霧乾燥装置(EYELA SD-1000 Spray Dryer)を用い、入口温度を80℃、100℃、120℃又は140℃とした以外は前記「GHの噴霧乾燥における安定化検討−1」の部に記載したのと同一の条件で噴霧乾燥した。得られた各粉末につき、前記と同一の方法で分析した。結果を次に示す。
表において:
・単量体残存率(%)=(噴霧乾燥品r−hGHの単量体ピーク面積/r−hGH原体の単量体ピーク面積)×100
・脱アミド体ピーク面積率(%)=〔脱アミド体ピーク面積/(脱アミド体ピーク面積+未変化r−hGHピーク面積)〕×100。
・原体=r−hGH原体(噴霧乾燥せず)
【0036】
(結果)
【表2】
【0037】
表2に見られるように、試験した水量及び入口温度で、単量体残存率及び脱アミド体ピーク面積率に大きな変化は認められなかった。SDS−PAGEにおいても、何れのサンプルも、同等の泳動像を示した。表2において、サンプルNo.247で、単量体残存率がやや低いが、これは、SDS−PAGEの泳動像が何れのサンプルも同等であったこと、他のサンプルで温度依存性が見られないこと等から総合的に判断すると、微量の吸湿性の乾燥粉末を取り扱う場合に起こりやすい測定誤差による異常値と思われる。上記結果から、少なくとも、試験した入口温度80〜140℃及びr−hGH濃度0.40〜0.13w/v%の範囲では、許容し得る安定性をもってr−hGHの粉末化を行うことができることが分かる。また、このように、乳糖を添加剤として用いて粉末化するに際して明らかな温度依存性もr−hGHの濃度依存性も見られないことから、入口温度及び濃度は、試験した範囲外からも選択可能である。
【0038】
<GHの噴霧乾燥における安定化検討−3>
GH含有水溶液の粉末化に際してGHと乳糖との相互比率の変更がGHの安定性に及ぼす影響につき、次いで検討した。
【0039】
(r−hGH溶液調製)
下記の各処方に従い、r−hGH及び乳糖を秤取し、15mlの精製水に溶解させて噴霧溶液を調製した。
処方No.274:
r−hGH・・・・・・・・250mg(50重量%)
乳糖(1水和物)・・・・・ 250 mg( 50 重量%)
計 500mg
処方No.275:
r−hGH・・・・・・・・200mg(40重量%)
乳糖(1水和物)・・・・・ 300 mg( 60 重量%)
計 500mg
処方No.276:
r−hGH・・・・・・・・100mg(20重量%)
乳糖(1水和物)・・・・・ 400 mg( 80 重量%)
計 500mg
処方No.277:
r−hGH・・・・・・・・ 50mg(10重量%)
乳糖(1水和物)・・・・・ 450 mg( 90 重量%)
計 500mg
【0040】
(噴霧乾燥及び分析)
これら各濃度の溶液につき、噴霧乾燥装置(EYELA SD-1000 Spray Dryer)を用い、次の条件で噴霧乾燥し、得られた粉末につき、「GHの噴霧乾燥における安定化検討−1」の部に記載したのと同一の方法で分析した。。
入口温度: 120℃
乾燥空気量: 0.2m3/分
噴霧圧: 100kPa
送液ポンプ流量: 2.6ml/分
【0041】
(結果)
次の表に結果を示す。
【表3】
【0042】
表3は、試験した範囲内で、r−hGHと乳糖の重量比率の変更によっては、噴霧乾燥を経た後の脱アミド体のピーク面積(%)は、実質的に影響を受けないことを示している。噴霧乾燥後の単量体残存率が100%を超えているものがあるが、微量の吸湿性の乾燥粉末の取扱いに際して生じがちな測定操作上の誤差によるものと考えられる。SDS−PAGEでは、何れの処方も、同等の、純度の高ことを示す泳動像を示した。
【0043】
<in vivo試験用の乳糖配合r−hGH経肺投与粉末の製造>
下記の処方に従い、r−hGH及び乳糖を秤取し、120mlの精製水に溶解させて噴霧溶液とした。噴霧溶液中のr−hGH濃度及び乳糖濃度は、それぞれ、0.20w/w%及び2.30w/w%である。
(処方)
r−hGH・・・・・・・・0.240g( 8.0重量%)
乳糖(1水和物)・・・・・ 2.760 g( 92.0 重量%)
計 3.000g
【0044】
上記の噴霧溶液をそれぞれ次の条件で噴霧乾燥した。
入口温度: 120℃
乾燥空気量: 0.2m3/分
噴霧圧: 100kPa
送液ポンプ流量: 2.6ml/分
【0045】
上記噴霧乾燥して得られたr−hGH粉末につき、HPLCによる単量体及び脱アミド体の測定並びにSDS−PAGEを、既に記載したのと同一の方法で確認した。結果は、次の表4に示す通り、上記「GHの噴霧乾燥における安定化検討−2」と同様であり、噴霧乾燥品で脱アミド体の比率が標準品(噴霧乾燥せず)より高いものの、その差は僅かである。またSDS−PAGEにより、純度の高いことを示す泳動像が得られた。
【0046】
【表4】
【0047】
上記噴霧乾燥して得られたr−hGH乾燥粉末を光学顕微鏡観察し、300個の粒子をランダムに選び粒子経を測定した。その結果、粒子経は2.7±0.7μmであった。
【0048】
<GH粉末のラット経肺投与による血液動態の検討>
GHの粉末をラットに経肺投与し、その後の血中GH動態を調べた。また、経肺投与したのと同量のGH粉末を水溶液にしてラットに皮下注射し、その後の血中GH動態を、経肺投与で得られた結果と比較した。
【0049】
(使用動物)
経肺投与及び経皮投与のそれぞれにつき、9週齢の雄性Wistarラット6匹を使用した。
【0050】
(被検GH粉末)
上記「in vivo試験用の乳糖配合r−hGH経肺投与粉末の製造」の部で得られたr−hGH粉末を使用した。
【0051】
(r−hGHの投与)
経肺投与群のラットを1昼夜絶食させた後、ウレタン麻酔し、ラット体重当たり2mg/kgのr−hGH粉末をラット用の経肺投与器具(PennCentury)に入れ、装置のデリバリーチューブを気管内に挿入し、装置に連結したシリンジより3mlの空気を素早く押し出すことによりr−hGH粉末を肺内に放出した。経皮投与群のラットも同様に1昼夜絶食させた後、r−hGH粉末を精製水に懸濁させ、ラット体重当たりr−hGH2mg/kg相当量を皮下注射した。
【0052】
(血中サンプルの採取及び処理)
採血は、r−hGH投与直前及び投与後0、15、30、60、120、240、480、1440分の時点に行った。採血は、ラットを固定して頸静脈より行い、各回の採血量は300μlとした。各回の採血後、同量(300μl)の生理食塩水を頸静脈内投与した。採取した血液は、室温にて1時間及び4℃にて一晩放置した後遠心分離(15000rpm、10分間、4℃)し、血清を分取した。
【0053】
(GH−ELISAによる血中r−hGH濃度の測定)
常法により作製した抗hGHウサギポリクローナル抗体を、0.05Mトリス緩衝液で希釈して、吸光度OD280=0.02となるように調整した。これを96穴プレートに100μlずつ注入し、37℃にて2時間インキュベートした。0.01Mリン酸緩衝液(洗浄緩衝液)でプレートを5回洗浄した。ブロック液(ブロックエース:大日本製薬)をプレートに満たし、4℃にて一晩放置した。上記の血清及び標準曲線用r−hGHを10倍ブロックエース水溶液で適当に希釈し、洗浄したプレートに100μlずつ注入し、37℃にて2時間プレインキュベートした。
【0054】
抗hGHウサギポリクローナル抗体を用いて常法により西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)接合抗hGHウサギポリクローナル抗体を作製し、これを10倍ブロックエース水溶液で50000倍に希釈し、洗浄したプレートに100μlずつ注入し、37℃にて2時間プレインキュベートした。洗浄後、TMB試薬(BIORAD)のを100μlずつプレートに注入し、室温にて10分間反応させた後、1N硫酸により反応を停止させた。450nmにおける吸光度を測定した。標準溶液の吸光度より検量線を作成し、これを用いて各サンプルの吸光度から、それぞれのサンプル中のr−hGH濃度を求めた。
【0055】
(結果)
r−hGH粉末の経肺投与又はr−hGH懸濁液の皮下注射後のr−hGHの血中濃度測定結果を次の表5及び図1に示す。
【表5】
【0056】
上記の表4及び図1より、r−hGH血中濃度は、皮下注射に比して経肺投与において顕著に高かったことが分かる。また、r−hGHの投与開始(0分)から投与1440分後までのAUC(血液動態曲線下の面積)は、経肺投与で81829ng/ml・分、皮下注射では31502ng/ml・分であった。すなわち、経肺投与でのAUCは皮下投与のそれの2.6倍であった。このことは、上記粉末の経肺投与によるr−hGHのバイオアベイラビリティーは、等しい量のr−hGHの皮下投与に較べて格段に優れていることを示している。
【0057】
天然のヒト成長ホルモンは、191個のアミノ酸よりなり、分子内に2個のS−S結合を有する。これに対して、ヒトインスリンは51個のアミノ酸よりなり、やはり分子内に2個のS−S結合を有する。ヒトインスリンが、ヒト成長ホルモンより遙かに小型の分子である点で粘膜からの吸収に有利であること、及び2個のS−S結合を分子内に有するという構造的類似性をヒト成長ホルモンと共有することから、ヒト成長ホルモン含有の乳糖配合粉末を用いて上記の通り実証された経肺吸収は、ヒトインスリンを用いても起こることが十分に予測できる。また同様に、更にヒトインスリンのほぼ半分のサイズであるカルシトニン(32アミノ酸)、ソマトスタチン(28アミノ酸)についても、本発明の粉末とすることにより、経肺吸収させることのできる蓋然性が高い。
【0058】
【発明の効果】
本発明は、これまで皮下投与が行われてきた生理活性ペプチド、特にヒト成長ホルモン及びヒトインスリンを、吸入用製剤の形で提供することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒト成長ホルモン粉末の経肺投与及び同量の皮下投与後のラット血中の成長ホルモン濃度の推移を示すグラフ。
Claims (5)
- ヒト成長ホルモンと乳糖とを相互の重量比1:1〜1:50で且つヒト成長ホルモンの濃度が0.40〜0.13w/v%の範囲となるように水に溶解させ、得られた水溶液を入口温度80〜140℃で噴霧乾燥させることにより得られる粒子よりなることを特徴とする、生理活性ペプチド含有粉末。
- 該粒子の平均粒子経が1〜10μmであることを特徴とする、請求項1の生理活性ペプチド含有粉末。
- 請求項1又は2の粒子を含んでなることを特徴とする、生理活性ペプチド含有吸入用製剤。
- ヒト成長ホルモンをその水溶液から乾燥させてヒト成長ホルモンを含んでなる粒子よりなる粉末を製造する方法であって、ヒト成長ホルモン及び乳糖を相互の重量比1:1〜1:50で且つヒト成長ホルモンの濃度が0.40〜0.13w/v%の範囲となるように水に溶解させることによりヒト成長ホルモン及び乳糖を含有する水溶液を調製し、該水溶液を入口温度80〜140℃で噴霧乾燥させて粉末とすることを特徴とする方法。
- 該粉末を構成する粒子の平均粒子経が1〜10μmである、請求項4の方法。
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