JP4811014B2 - 固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、乾燥装置とその使用に関するものである。特に、コンデンサ素子等の電子機器用デバイス素子の製造工程において好適な乾燥装置、その装置を使用して製造された固体電解コンデンサ及び電子機器用素子に関するものである。
最近、電子機器の小型化・高周波化が進み、それに使用する電子部品においても小型化が要求されているが、一般には積層型のチップ形状によって小型化の要求に対応している。
例えば、コンデンサ素子の一例として図1に示す例は、複数のコンデンサ素子を積層した従来のチップ形状積層型固体電解コンデンサの断面図である。外装樹脂(16)の内部にあるコンデンサ素子(11)が方向を揃えて配置されており、コンデンサ素子(11)の陰極部(11a)はそれぞれ導電性接着剤で接合されており、陰極リード部(13)と導電性接着剤で接合されている。また、コンデンサ素子(11)の陽極部(11b)は陽極リード部(14)との接合部(15)において抵抗溶接により接合された状態を示しており、この全体がエポキシ樹脂等の外装樹脂(16)によって封口されている。
一般的に、誘電体酸化皮膜上に固体電解質層を形成する手法として電解酸化重合法及び化学酸化重合法が知られている。化学酸化重合法は、反応の制御あるいは重合膜形態の制御が難しいが、固体電解質の形成が容易で、短時間に大量生産が可能であるため種々の方法が提案されている。例えば、陽極基体をモノマー含有溶液に浸漬する工程と酸化剤を含む溶液に浸漬する工程とを交互に繰り返すことによって層状構造を有する固体電解質を形成する方法が開示されている(特許文献1:特許第3187380号公報)。この方法によれば、膜厚が0.01〜5μmの層状構造の固体電解質層を形成することによって、高容量、低インピーダンス、かつ耐熱性に優れた固体電解コンデンサを製造することができるが、固体電解質層を形成する層状構造部の層間の空間部分が大きいという問題があり、コンデンサ素子を複数積層する積層型コンデンサ用の素子として、固体電解質層全体の一層の薄膜化が求められている。
層状構造の固体電解質層を形成することなく、コンデンサ素子の細孔内及び外表面に固体電解質を形成する方法として、モノマー化合物を含む溶液に陽極基体を浸漬した後、酸化剤溶液中で重合し、酸化剤を洗浄した後に乾燥するサイクルを繰り返す方法が開示されているが(特許文献2:特開平9−306788号公報)、この方法で形成される固体電解質層は、層間に空間部が存在しないため外部応力に対する耐性が不十分であった。
一方、モノマーを含む溶液もしくは酸化剤を含む溶液を、微粒子を含む懸濁液として導電性重合体膜の形成を促進する方法が提案され、微粒子として導電性ポリマー粒子を添加する方法(特許文献3:特許第3478987号公報)、ポリマー微粒子を含むコロイド粒子を添加する方法(特許文献2)、無機微粒子を添加する方法(特許文献4:特開平11−283875号公報)が開示されている。
特許第3187380号公報 特開平9−306788号公報 特許第3478987号公報 特開平11−283875号公報
例えば、所定の容量の固体電解コンデンサは、通常コンデンサ素子を複数枚積層して陽極端子に陽極リード線を接続し、固体電解層上の導電体層に陰極リード線を接続し、さらに全体をエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂で封止して作製される。複数枚積層されたコンデンサ素子群が固体電解コンデンサの厚さを超えることはできないので、コンデンサ素子は薄く、電気特性の優れているものが要求される。
コンデンサ素子の厚さは、弁作用金属の厚さ、弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜の厚さ、固体電解質層の厚さ、導電体層の厚さの合計であり、薄いコンデンサ素子を得るにはこれらの厚さを薄くする必要がある。ここで、弁作用金属は市販されているアルミニウム箔などを用いることにより、同一の厚さのものが容易に入手可能であり、誘電体皮膜は弁作用金属としてアルミニウムを用いる場合、1μmに満たない酸化皮膜がこれに相当するので、コンデンサ素子全体の厚さには殆ど関与しない。導電体層には銀ペーストやカーボンペーストなどの導電性ペーストを用いるのが一般的であるが、ペーストをコンデンサ素子に塗布する方式としては印刷、浸漬、ディスペンスなど、均一かつ薄い膜を繰り返し精度よく塗布する方法が知られており、これらの方法を用いることにより、厚さが均一で薄い導電体層をコンデンサ素子に設けることが出来る。
ところが固体電解質層は化学酸化重合法の場合、重合条件を綿密に制御しても厚さが不均一になってしまうため、厚めに形成する必要があった。固体電解質層に薄過ぎる部分がある場合、ペーストなどが誘電体皮膜と直接接触しやすくなり、漏れ電流の上昇につながるからである。また、所定の大きさの固体電解コンデンサに積層可能なコンデンサ素子の枚数は素子の厚さによって制限されるため、固体電解コンデンサの容量を大きくすることができなかった。さらに、固体電解質層の厚さが不均一であると、積層されたコンデンサ素子とコンデンサ素子の接触面積が低下するため、等価直列抵抗(ESR)が大きくなるという問題もある。
本発明の課題は、上記の問題点を解決し、短絡不良を増加させること無く、薄く素子形状のバラツキが少ないコンデンサ素子を安定して作製し、固体電解コンデンサチップ内のコンデンサ素子の積層枚数を増やして高容量化を可能とし、さらに等価直列抵抗のバラツキが小さい積層型固体電解コンデンサ素子を製造することができる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜上にモノマーを酸化剤により重合させて固体電解質層を形成する方法で、従来から知られているモノマーを含む溶液に浸漬して乾燥する工程と酸化剤を含む懸濁液に浸漬して乾燥する工程において、乾燥させる際の風速が固体電解質層の形状及び電気特性に大きな影響を及ぼすことを勘案し、風速を一様とするために区分された複数の通風路を有した乾燥装置を開発し、この乾燥装置を用いてモノマーを含む溶液に浸漬して乾燥する工程と酸化剤を含む懸濁液に浸漬して乾燥する工程を行うことにより、均一な膜厚で形状安定性に優れ、電気特性の優れた固体電解質を形成できることを見出し本発明に至った。
乾燥速度は一般的に温度、湿度、風速の3要素で定まるが、温度、湿度は市販の空調装置を用いることで容易に制御が可能である。一方、風速は通風路の壁面において壁面抵抗によって風速が減じ、コンデンサ素子そのものが空気の流れに対して抵抗となるので、乾燥装置内の風速は複雑で場所によって全く異なる。本発明の乾燥装置は、乾燥用空気の風量ないし風速を適度に制御した状態にすることができるので、均一な膜厚で形状安定性に優れ、電気特性の優れた固体電解質を形成できる。
本発明によれば、以下に示す構成からなる、固体電解コンデンサ製造用の乾燥装置、その装置を用いて製造した固体電解コンデンサ及び電子機器用素子を提供する。
1.区分された断面形状を有している複数の通風路が内在された送風機構を有することを特徴とする乾燥装置。
2.断面形状が同一または類似している前記1に記載の乾燥装置。
3.区分された断面形状を有している複数の通風路の空気供給側及び/または空気回収側に、少なくとも1秒あたりの乾燥風量以上の容量を有するチャンバーを備えた送風機構を有する前記1または2に記載の乾燥装置。
4.チャンバーに接続された、区分された断面形状を有している複数の通風路が同じ長さを有している送風機構を有する前記1〜3のいずれかに記載の乾燥装置。
5.通風路の長さが、通風路断面形状の内接円直径の5倍以上である複数の通風路を有した送風機構を有する前記1〜4のいずれかに記載の乾燥装置。
6.前記通風路の断面形状が、直角三角形、二等辺三角形、正三角形、平行四辺形、長方形、菱形、台形、長方形、正方形、または正六角形である前記1〜5のいずれかに記載の乾燥装置。
7.温度及び/または湿度を制御した空気が、通風路入口に接続したチャンバーを通じて該通風路に流入し、該通風路出口から層流状態で流出して該通風路出口に設置した部材を乾燥する前記1〜6のいずれかに記載の乾燥装置。
8.コンデンサ素子となる化成箔に付着した溶液を乾燥する前記1〜7のいずれかに記載の乾燥装置。
9.保持体に下げられた複数の化成箔に付着した溶液を乾燥する装置であって、通風路の断面形状の辺長が前記化成箔相互間隔の1倍〜10倍である前記1〜8のいずれかに記載の乾燥装置。
10.保持体に下げられた複数の化成箔に対して、その一方向側または両方向側に設置して該化成箔に付着した溶液を乾燥する前記1〜9のいずれかに記載の乾燥装置。
11.通風路の送風速度が0.05〜1.5m/sである前記1〜10のいずれかに記載の乾燥装置。
12.化成箔に付着した溶液を乾燥する空気の通風路と共に、バイパス通風路を有する前記1〜11のいずれかに記載の乾燥装置。
13.バイパス通風路に風量調整用ダンパーが設けられている前記12に記載の乾燥装置。
14.化成箔に付着した溶液を乾燥する空気の通風路の空気量に対して、バイパス通風路の空気量が10倍以下である前記12または13に記載の乾燥装置。
15.化成箔に付着した溶液を乾燥する空気の通風路とバイパス通風路の何れか又は両方に、送風空気の温度及び/または湿度を測定するセンサーを有し、送風空気の雰囲気を制御する前記12〜14のいずれかに記載の乾燥装置。
16.弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜上に固体電解質層が形成されたコンデンサ素子を含む固体電解コンデンサの製造方法において、固体電解質層を、モノマーを含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程1)と酸化剤を含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程2)により形成する場合において、前記1〜15のいずれかに記載の乾燥装置を用いて乾燥することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
17.前記16の製造方法で製造された固体電解コンデンサ。
18.電子機器用素子に付着した水分または液を乾燥する前記1〜7のいずれかに記載の乾燥装置。
19.前記17の乾燥装置を使用して製造された電子機器用素子。
本発明の乾燥装置は、区分された断面形状(好ましくは同一または類似の形状)を有している複数の通風路を通じて乾燥用空気が流れるので、各通風路を流れる空気量が均一であり、コンデンサ素子となる多数の化成箔を同時に均一に乾燥することができる。
また、本発明の乾燥装置は、通風路の上流に十分な容量を有したチャンバーを備え、チャンバーに断面形状を有した複数の通風路を接続した構造を有することによって、各通風路の風速ないし風量が均一になり、各通風路出口の直近にコンデンサ素子(化成箔)を配置することによって、化成箔が何れの通風路の出口に設置しても均一な風速ないし風量の乾燥用空気が化成箔に供給されるので、多数の化成箔を均一に乾燥させることが出来るため、均一な膜厚で形状安定性に優れた固体電解質を効率よく製造することができる。
本発明の乾燥装置は、通風路の断面形状を、例えば、三角形、菱形、台形、長方形、正方形、正六角形などに形成し、保持体に下げられた複数の化成箔に対して通風路の断面形状の辺長が上記化成箔相互間隔の1倍〜10倍であるように形成し、また上記化成箔に対して、その一方向側または両方向側に設置し、通風路の送風速度を0.05〜1.5m/sの範囲に制御するなどの態様によって、さらに均一性に優れた乾燥状態のコンデンサ素子を得ることができる。
また、本発明の乾燥装置は、化成箔を乾燥する空気の通風路(主通風路と云う)と共にバイパス通風路を有することができ、バイパス通風路に風量調整用ダンパーを設け、主通風路空気量に対してバイパス通風路の空気量を10倍以下に制御して乾燥用空気を通じることによって、送風機構から供給される風量が大きすぎる場合でも、主通風路を流れる乾燥用空気を層流にして多数の化成箔を均一に乾燥することができる。
本発明の乾燥装置は、弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜上に固体電解質層が形成されたコンデンサ素子を含む固体電解コンデンサの製造方法において、固体電解質層を、モノマーを含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程1)と酸化剤を含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程2)において使用する乾燥装置として好適である。
本発明の乾燥装置を使用することによって、誘電体皮膜上に形成された固体電解質の厚さが均一であり、高容量で、誘電損失(tanδ)、漏れ電流、不良率が小さい固体電解コンデンサを製造することができる。さらに、本発明の乾燥装置を使用することによって、コンデンサ素子の厚さを従来に比べて薄くすることができるため、従来よりも多枚数のコンデンサ素子を同一体積中に積層することができ、結果として固体電解コンデンサの小型・高容量化を達成することができる。
以上のように、本発明によれば、素子形状のバラツキが少なく、薄いコンデンサ素子を安定して作製でき、固体電解コンデンサチップ内のコンデンサ素子の積層枚数を増やし高容量化可能で、等価直列抵抗のバラツキが小さい積層型固体電解コンデンサに適した固体電解コンデンサ素子を提供することができる。
以下、添付の図面を参照しつつ本発明を説明する。
本発明の乾燥装置を使用して製造する固体電解コンデンサ素子の一例を図2に示す。
図示するように、陽極基板(1)の表面に誘電体皮膜(2)が形成されており、誘電体皮膜(2)は、通常、弁作用を有する金属の多孔質成形体を化成処理する方法等により形成される。本発明に使用できる弁作用金属はアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム、マグネシウム、珪素などの金属単体、またはこれらの合金である。また、多孔質の形態については、圧延箔のエッチング物、微粉焼結体などの多孔質成形体の形態であればいずれでもよい。
陽極基板(1)としては、これら金属の多孔質焼結体、エッチング等で表面処理された板材(リボン、箔等を含む)、線材などを使用できるが、平板状、箔状のものが好ましい。さらに、この金属多孔質体(陽極基板)(1)の表面に誘電体皮膜(2)を形成する方法は公知の方法を用いることができる。例えば、アルミニウム箔を使用する場合にはホウ酸、リン酸、アジピン酸、またはそれらのナトリウム塩、アンモニウム塩などを含む水溶液中で陽極酸化して酸化皮膜を形成することができる。また、陽極基板(1)としてタンタル粉末の焼結体を使用する場合には、リン酸水溶液中で陽極酸化して、焼結体に酸化皮膜を形成することができる。
弁作用金属箔の厚さは使用目的によって異なるが、例えば、厚みが約40〜300μmの箔が使用される。薄型の固体電解コンデンサを形成するためには、例えばアルミニウム箔では80〜250μmのものを使用し、固体電解コンデンサを設けた素子の最大高さを250μm以下となるようにすることが好ましい。金属箔の大きさ及び形状も用途により異なるが、平板状素子単位として幅約1〜50mm、長さ約1〜50mmの矩形のものが好ましく、より好ましくは幅約2〜15mm、長さ約2〜25mmである。
金属箔表面の化成に用いる化成液、化成電圧等の化成条件は、製造される固体電解コンデンサに必要な容量、耐電圧等に応じて、予め実験により確認し適当な値に設定する。この化成処理に際しては、化成液が固体電解コンデンサの陽極となる部分に滲み上がるのを防止し、かつ後工程で形成される固体電解質(4)(陰極部分)との絶縁を確実にするために、一般的にマスキング(3)が設けられる。
マスキング材としては一般的な耐熱性樹脂、好ましくは溶剤に可溶あるいは膨潤しうる耐熱性樹脂またはその前駆体、無機質微粉とセルロース系樹脂からなる組成物などが使用できるが、材料には制限されない。具体例としてはポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、低分子量ポリイミド及びそれらの誘導体及びその前駆体などが挙げられ、特に低分子量ポリイミド、ポリエーテルスルホン、フッ素樹脂及びそれらの前駆体が好ましい。
図3に示すように、例えば、前記した矩形状の化成箔(21)を保持体(テンポラリーバー)(22)の下端に多数取り付けた状態のものを複数枚整列、マスキング(23)よりも下側を化成処理液(24)に浸漬して化成処理を行う。化成処理したものを引き上げ、乾燥工程に送り、図4に示すような乾燥装置(30)によって乾燥し、図2の固体電解質(4)を形成する。
この乾燥工程は、固体電解質層をモノマーを含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程1)と、さらに酸化剤を含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程2)とがある。前記乾燥工程1は、誘電体表面上及び重合体組成物上にモノマーを供給して定着するために実施される。例えば、誘電体表面上及び重合体組成物上にモノマーを均一に付着させるためにモノマー含有液を含浸後、一定時間乾燥し、溶媒を気化させる。本発明の乾燥装置は前記乾燥工程1及び/または前記乾燥工程2において好適に用いられる。
図4に示すように、本発明の好ましい実施態様の乾燥装置(30)は断面形状に区分された複数の通風路(31)の集合体によって形成されており、この多数の通風路(31)が内在された送風機構を有することを特徴とする乾燥装置である。多数の通風路(31)に対して何れにおいても均一な空気量が得られるように、通風路(31)の断面は同一形状に形成されている。通風路(31)の断面形状は円形や三角形など任意の形状でも良いが、同一形状で面の構成が可能な直角三角形、二等辺三角形、正三角形、平行四辺形、長方形、菱形、台形、長方形、正方形、正六角形が好ましく、各断面形状は異なっていても構わないが、同一または類似であるとさらに好ましく、同一であれば特に好ましい。例えば、各通風路は前記断面形状に対応した中空筒状の通路を形成している。
また、通風路(31)を通る空気は層流であることが望ましい。空気の流れが乱流であると、通風路表面の粗さが風速に影響するため、各通風路の風速を同一にすることが難しい。一方、空気の流れが層流であれば、各通風路の表面粗さは風速に影響しないため、各通風路の風速を同一にするためには層流であることが望ましい。なお、通風路(31)の断面形状の相当直径が小さいとレイノルズ数が下がるために層流域になる。
通風路(31)の断面形状のサイズは、コンデンサ素子の大きさ、形状の他、乾燥装置内におけるコンデンサ素子の並び方にも依存するので一概には規定できないが、前述の層流が望ましいということ、通風路の製作の容易さ、化成箔相互の間隔などを考慮すると、図4に示すように、保持体(22)に下げられた多数の化成箔(21)を乾燥する場合には、通風路(31)の断面形状の辺長Lは、上記化成箔相互間隔の1倍〜10倍が適当である。
例えば、幅3mm、長さ10mm、厚さ0.1mmの化成箔(21)を、幅10mm、長さ200mm、厚さ1mmのステンレス板(保持体)(22)の一方の面に5mm間隔ですだれ状に38枚溶接し、この保持体(22)を化成箔が下を向き、溶接された面が同一方向となるように4mm間隔で80枚整列させたものを乾燥する場合(図4参照)、乾燥装置(30)の通風路(31)の断面形状が正方形であるとき、この正方形の一辺の長さは5mm〜50mm程度が好ましい。または、図5に示すように、通風路(31)の断面形状が正六角形であるときには、コンデンサ素子の並び方が同様である場合、正六角形の対向する辺の距離は5mm〜50mm程度であることが好ましい。
通風路(31)の長さは限定されないが、断面形状の内接円直径と通風路長が同程度の長さの場合、各通風路に流れる空気の速度を同一にすることが困難となるため、通風路の長さは断面形状の内接円直径の5倍以上(通風路長を内接円直径で除した値が5以上)であることが望ましい。例えば、断面形状が前述の正方形の場合、一辺の長さが40mmであれば、通風路は200mm以上の長さを有していることが良い。或いは断面形状が前述の正六角形の場合、対向する辺の距離が15mmであれば、通風路は60mm以上の長さを有していることが好ましい。なお、区分された断面形状を有している複数の通風路(31)は同じ通風路長を有していることが好ましい。
通風路(31)に用いる材料は限定されない。ステンレス、アルミニウム、黄銅、アクリル樹脂、フッ素樹脂など何でも良いが、薄板が入手しやすく、加工性に優れ、空気の流れによって帯電しないものが良いので、ステンレス、アルミニウムなどが望ましい。
本発明の乾燥装置(30)は、密閉した乾燥容器(図示していない)内で使用する。
乾燥装置(30)は、保持体(22)に下げられた多数の化成箔(21)を乾燥する場合、その一方向側または両方向側に設置して用いられる。例えば、通風路(31)から流れ出る乾燥空気流の方向が化成箔(21)の上から下である場合、通風路(31)の位置は化成箔(21)の上側のみにあっても、下側のみにあっても、或いは上側下側の双方にあっても良い。なお、上側下側の双方にあることが優れて好ましい。通風路(31)が化成箔(21)の上側のみにある場合、化成箔(21)に供給される空気の速度は一様となるが、排気の流れは通風路(31)で制限されることがないため、化成箔表面を流れる空気は、通風路(31)を上側下側の双方に設置した場合に比べて一様にならない。通風路(31)が化成箔の下側のみにある場合はその逆となり、同様に化成箔表面を流れる空気の速度は一様にならない。通風路(31)が上側下側の双方にあると、上側の通風路を出た空気は、化成箔などの障害物によって、ある程度、速度が不均一な状態となるものの、それを矯正するように下側の通風路が排気する空気の量を制限するため、結果的に極めて均一な風速を化成箔の全域で得ることが出来る。
本発明の乾燥装置(30)は、通風路(31)の上流側(空気供給側)に十分な大きさの容量を有するチャンバー(33)を有していることが望ましい。具体的には、例えば、少なくとも1秒あたりの乾燥風量以上の容量を有するチャンバーを有することが好ましい。各通風路を通過する空気の速度を同一にするため、通風路の入り口において、空気は一様な圧力となっている必要がある。チャンバーを備えていない場合、各通風路の入り口の空気圧力は、空気を供給する部位に近い通風路ほど高く、遠い通風路ほど低くなるので、結局、各通風路に同じ量の空気を供給することが出来ない。
チャンバー(33)の寸法は空気を供給する部位の位置形状、全体の空気量などによって異なるので一概に規定できないが、例えば、空気を供給する部位が上方に位置し、その寸法が直径300mmの丸ダクトであり、通風路は下方に位置し、各通風路の総断面積(乾燥通風面積)が1m×1m(1.0m2)であり、全体の空気供給量が0.5m3/minである場合、チャンバー底部の面積は当然ながら最低でも各通風路の総断面積と同じ1m×1m(1.0m2)であって、チャンバーの高さは0.5m以上あることが好ましい。
なお、図4に示すように、多数の化成箔を有する保持体が整列したものを乾燥する場合、例えば化成箔の並び方が前述の場合、通風路の送風速度は0.05〜1.5m/sの範囲が好ましい。
化成箔(21)及び化成箔の保持体(22)と通風路(31)の間隔は特に規定しないが、小さければ小さいほど良い。この間隔が大きくなると間隔から空気が流れ出てしまい、乾燥装置の中央部と端部で空気の速度に差が生じてしまう。従って、化成箔相互の間隔よりも小さいことが望まれる。例えば化成箔の並び方が前述の場合、ステンレス板(保持体)(22)と上側通風路の間隔は4mm以下、更に好ましくは1mm以下であることが望ましい。また、化成箔(21)と下側通風路の間隔も同様に4mm以下、更に好ましくは1mm以下であることが望ましい。
通風路(31)を通る空気の量、すなわち風速は、溶媒の種類、化成箔相互の間隔などによって好ましい値が変わるので一概には規定できないが、前述のごとく、可能であれば層流となる風速が好ましい。送風機構からの風量が大きすぎて通風路内を通る空気の流れを層流に出来ない場合は、供給側のチャンバー(33)から化成箔に至る通風路(化成箔の乾燥を行う主通風路)とは別の通風路、すなわちバイパス通風路(34)を設けても良い。バイパス通風路は排気側のチャンバーに接続しても良い。
バイパス通風路(34)の大きさ、形状などは特に規定しないが、バイパス通風路を通る空気量B(化成箔の乾燥に寄与しない空気量)は、主通風路を通る空気量A(化成箔を乾燥する空気量)に対してその10倍以下(B/A≦10)が適当である。バイパス通風量Bが10倍を超えると、温湿度の制御が難しくなり、バイパス通風路を通る空気の温湿度と主通風路を通る空気の温湿度が異なることがある。バイパス通風路を設ける場合は、その通風量を調整できるように、バイパス通風路の途中に風量調節用のダンパー(36)を配するのが望ましい。
本発明の乾燥装置(30)は、好ましくは、主通風路(32)とバイパス通風路(34)の何れか又は両方に、送風空気の温度及び/または湿度を測定するセンサー(35)を有することによって、送風空気の雰囲気を制御することができる。温度及び/または湿度を制御した空気が、通風路入口に接続したチャンバー(33)を通じて該通風路に流入し、該通風路出口から層流状態で流出して該通風路出口に設置した部材、すなわちコンデンサ素子となる化成箔を乾燥する。
前述したごとく、例えば、固体電解コンデンサは固体電解質層を、モノマーを含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程1)と、酸化剤を含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程2)を経て製造される。乾燥工程1の乾燥温度は溶媒の種類によって変わるが、概ね0℃以上から溶媒の沸点までの温度で行う。乾燥時間も溶媒の種類によって変わるが、概ね5秒〜15分、例えばアルコール系溶媒では、5分以内でよい。本発明の乾燥装置を用いることによって、モノマーが誘電体表面上に均一に付着し、さらに次工程の酸化剤含有液への浸漬時の汚れを少なくすることができる。
本発明の乾燥装置を用い、化成箔を乾燥してモノマーを均一に付着させ(乾燥工程1)、その後、酸化剤含有液に浸漬する。酸化剤含有液に浸漬した後に引き上げ、本発明の乾燥装置を用いて所定時間空気中で乾燥する(乾燥工程2)。この乾燥工程2において、化成箔表面のモノマーは一定温度範囲下で酸化重合する。空気中で保持する温度は、モノマーの種類によって異なるが、例えばピロールでは5℃以下でよく、チオフェン系では約30〜60℃を必要とする。乾燥工程2における酸化重合時間はモノマーの付着量やモノマー及び酸化剤含有液の濃度や粘度等で変わるので一概に規定できないが、一般に1回の付着量を少なくすると重合時間を短くすることができ、また1回の付着量を多くするとより長い酸化重合時間が必要となる。
上記乾燥工程1及び2において、本発明の乾燥装置を用いることによって、誘電体表面上及び重合体組成物上に付着した酸化剤含有液が一様な速度で乾燥するため、酸化重合の速度が乾燥装置内で同一となり、均一で同じ膜厚の固体電解質層が形成される。
本発明の乾燥装置を用いた固体電解質の好ましい形成工程は、化成箔をモノマーを含む溶液に浸漬し、乾燥工程1において本発明の乾燥装置にて乾燥し、酸化剤含有液に浸漬し、乾燥工程2で本発明の乾燥装置にて酸化重合する工程を1サイクルとして3回以上、好ましくは8〜30回繰り返すことであり、この浸漬と乾燥を繰り返し行うことによって高品質の固体電解質層を形成することが出来る。
具体的には、後述の実施例に示すように、誘電体酸化皮膜を有するアルミニウム箔を、例えば、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDT)のイソプロピルアルコール(IPA)溶液に含浸し、これを本発明の乾燥装置によって乾燥してIPAを殆ど除去した後、約20質量%の酸化剤(過硫酸アンモニウム)水溶液に含浸後、本発明の乾燥装置によって40℃程度で10分間乾燥し、また、本工程を繰り返し実施することによって、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の重合体を得ることができる。なお、本発明の乾燥装置を用いて固体電解質層を形成後、水、アルコール類、ケトン類、或いはこれらの混合液を用いて洗浄を行っても良い。
以上の工程を経て形成された導電性重合体組成物層(4)の上に、陰極リード端子との電気的接触を良くするために導電体層を設けることが好ましい。導電体層は例えば導電ペースト、メッキや蒸着、導電樹脂フィルムの貼付等により形成される。このようにして得られる固体電解コンデンサ素子は、通常、リード端子を接続して、例えば樹脂モールド、樹脂ケース、金属製の外装ケース、樹脂ディッピング等による外装を施すことにより、各種用途のコンデンサ製品に製造される。さらに、コンデンサ素子に留まらず、各種電子機器に使用されるデバイス素子の均一乾燥に有用に使用され、各デバイス素子の不良率の低下に貢献可能である。
以下に本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものではない。
(実施例1)
アルミニウム化成箔()以下、化成箔と称する。)を短軸方向3mm×長軸方向10mmに切り出し、長軸方向を4mmと5mmの部分に区切るように、両面に幅1mmのポリイミド溶液を周状に塗布、乾燥させマスキングを作成した。この化成箔の3mm×4mmの部分を、10質量%のアジピン酸アンモニウム水溶液で4Vの電圧を印加して切り口部分に化成し、誘電体酸化皮膜を形成した。次に、この化成箔の3mm×4mmの部分を、3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させたイソプロピルアルコール(IPA)溶液に5秒間含浸し、これを本発明の乾燥装置を用いて乾燥した(乾燥工程1)。この乾燥装置の通風路の断面形状を図6に示す。図示するように、この通風路は正六角形断面を有し、対向する辺の距離が9.5mmのものである(日本飛行機工業株式会社製、型式AL3/8-5052-.002、幅100mm)。その後、過硫酸アンモニウム水溶液に上記化成箔を浸漬した。続いてこの化成箔を本発明の乾燥装置(図4に示すもの)を上下に配置して、40℃、10分間乾燥し(乾燥工程2)、酸化的重合を行った。この浸漬工程及び重合工程を繰り返し、導電性重合体の固体電解質層をアルミニウム箔の外表面に形成した。最終的に生成したポリマー(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を温水中で洗浄し、その後乾燥を行い、固体電解質層を形成した。
膜厚計(Peacock社製:デジタルダイヤルゲージ DG-205、精度3μm)を用いて、アルミニウム箔を膜厚計の測定部にゆっくりと挟んで厚みを測定した。120素子の平均膜厚は140μm、標準偏差は7μmであった。
次に、固体電解質層を形成した3mm×4mmの部分を、アジピン酸アンモニウム溶液中に浸漬し、固体電解質層を形成していない部分の弁作用金属箔に陽極の接点を設けて電圧を印加し、再化成を行った。
次に、上記アルミニウム箔の導電性重合体組成物層を形成した部分にカーボンペーストと銀ペーストを付けて上記アルミニウム箔を4枚積層し、陰極リード端子を接続した。また、導電性重合体組成物層の形成されていない部分には陽極リード端子を溶接により接続した。さらに、この素子をエポキシ樹脂で封止した後、125℃で定格電圧(2V)を印加して2時間エージングを行い、合計100個のコンデンサを完成させた。
これら100個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100%)、等価直列抵抗(ESR)、及び漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
(実施例2)
本発明の乾燥装置において、通風路の断面形状が正六角形で対向する辺の距離が6.35mmのもの(日本飛行機工業株式会社製、型式:AL1/4-5052-.001、幅100mm、断面形状を図7に示す)を使用した以外は実施例1と同様にして合計100個のコンデンサを完成させた。これら100個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100%)、等価直列抵抗(ESR)、及び漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
(実施例3)
本発明の乾燥装置において、通風路の断面形状が正方形で一辺の長さが12mmのもの(材質:SUS304、板厚0.2mm)を使用した以外は実施例1と同様にして合計100個のコンデンサを完成させた。これら100個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100%)、等価直列抵抗(ESR)、及び漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
(実施例4)
本発明の乾燥装置において、通風路の断面形状が正三角形で一辺の長さが12mmのもの(材質:SUS304、板厚0.2mm)を使用した以外は実施例1と同様にして合計100個のコンデンサを完成させた。これら100個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100%)、等価直列抵抗(ESR)、及び漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
(実施例5)
化成箔を3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させたイソプロピルアルコール(IPA)溶液に5秒間含浸し、これを室内で5分間乾燥し(すなわち本発明の乾燥装置を用いずに乾燥工程1を実施した)。次に、この化成箔を過硫酸アンモニウム水溶液に5秒間浸漬した後、実施例1と同様の乾燥装置を上下に配し、40℃、10分間乾燥し(すなわち本発明の乾燥装置を用いて乾燥工程2を実施し)、酸化的重合を行い、その他は実施例1と同様にして合計100個のコンデンサを完成させた。これら100個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100%)、等価直列抵抗(ESR)、及び漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
(比較例1)
化成箔を3,4−エチレンジオキシチオフェンを溶解させた2.0mol/Lのイソプロピルアルコール(IPA)溶液に5秒間含浸し、これを室内で5分間乾燥し、過硫酸アンモニウム水溶液に5秒間浸漬した後、市販の乾燥炉(本発明の乾燥装置とは異なる)を用いて40℃、10分間乾燥して、酸化的重合を行った以外は実施例1と同様にして合計100個のコンデンサを完成させた。これら100個のコンデンサ素子について、初期特性として120Hzにおける容量と損失係数(tanδ×100%)、等価直列抵抗(ESR)、及び漏れ電流を測定した。なお、漏れ電流は定格電圧を印加して1分後に測定した。表1にこれらの測定値の平均値と、0.002CV以上の漏れ電流を不良品としたときの不良数を示した。ここで、漏れ電流の平均値は不良品を除いて計算した値である。
Figure 0004811014
本発明によるコンデンサ素子等の電子機器用デバイス素子は均一な厚さを有し、電気特性に優れたものであるため、例えば、家電製品、コンピュータ、通信機器、車載部品、産業機器等、幅広い分野において用いることができる。
コンデンサ素子を用いた固体電解コンデンサの断面図 コンデンサ素子の概略断面図 化成箔の浸漬状態を示す説明図 化成箔の乾燥状態を示す斜視図 乾燥装置の通風路(一部)の断面図 実施例1における乾燥装置の通風路(一部)の断面図 実施例2における乾燥装置の通風路(一部)の断面図
符号の説明
1:陽極基板(金属箔)
2:誘電体皮膜
3:マスキング
4:固体電解質
5:導電体層
11:コンデンサ素子
11a:コンデンサ素子の陰極部
11b:コンデンサ素子の陽極部
13:陰極リード部
14:陽極リード部
15:陽極の接合部
16:外装樹脂
21:化成箔
22:保持体(ステンレス板)
23:マスキング
24:化成処理液
30:乾燥装置
31:通風路
32:主通風路
33:チャンバー
34:バイパス通風路
35:センサー
36:ダンパー

Claims (18)

  1. 区分された断面形状を有している複数の通風路が内在された送風機構を有し、温度及び/または湿度を制御した空気が、通風路入口に接続したチャンバーを通じて通風路に流入し、前記通風路出口から層流状態で流出して、前記通風路出口に保持体に下げて設置した複数の箔状部材に平行に空気が層流で流れて前記箔状部材を乾燥することを特徴とする固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  2. 前記断面形状が同一または類似している請求項1に記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  3. 前記区分された断面形状を有している複数の通風路の空気供給側及び/または空気回収側に、少なくとも1秒あたりの乾燥風量以上の容量を有するチャンバーを備えた送風機構を有する請求項1または2に記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  4. チャンバーに接続された、前記区分された断面形状を有している複数の通風路が同じ長さを有している送風機構を有する請求項1〜3のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  5. 前記通風路の長さが、通風路断面形状の内接円直径の5倍以上である複数の通風路を有した送風機構を有する請求項1〜4のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  6. 前記通風路の断面形状が、直角三角形、二等辺三角形、正三角形、平行四辺形、長方形、菱形、台形、長方形、正方形、または正六角形である請求項1〜5のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  7. コンデンサ素子となる化成箔に付着した溶液を乾燥する請求項1〜のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  8. 保持体に下げられた複数の化成箔に付着した溶液を乾燥する装置であって、前記通風路の断面形状の辺長が前記化成箔相互間隔の1倍〜10倍である請求項1〜のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  9. 保持体に下げられた複数の化成箔の一方向側または両方向側に設置され、前記複数の該化成箔に付着した溶液を乾燥する請求項1〜のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  10. 前記通風路の送風速度が0.05〜1.5m/sである請求項1〜のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  11. 前記化成箔に付着した溶液を乾燥する空気の通風路と共に、バイパス通風路を有する請求項1〜10のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  12. 前記バイパス通風路に風量調整用ダンパーが設けられている請求項11に記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  13. 前記化成箔に付着した溶液を乾燥する空気の通風路の空気量に対して、前記バイパス通風路の空気量が10倍以下である請求項11または12に記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  14. 前記化成箔に付着した溶液を乾燥する空気の通風路と前記バイパス通風路のいずれかまたは両方に、送風空気の温度及び/または湿度を測定するセンサーを有し、送風空気の雰囲気を制御する請求項1113のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  15. 弁作用金属表面に形成された誘電体皮膜上に固体電解質層が形成されたコンデンサ素子を含む固体電解コンデンサの製造方法において、固体電解質層を、モノマーを含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程1)と酸化剤を含む溶液に浸漬して乾燥する工程(乾燥工程2)により形成する場合において、請求項1〜14のいずれかに記載の乾燥装置を用いてコンデンサ素子を乾燥することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  16. 請求項15の製造方法で製造された固体電解コンデンサ。
  17. 固体電解コンデンサ素子に付着した水分または液を乾燥する請求項1〜のいずれかに記載の固体電解コンデンサ素子製造用乾燥装置。
  18. 請求項1〜14のいずれかに記載の乾燥装置を使用して製造された固体電解コンデンサ素子。
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