JP4810355B2 - 処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体 - Google Patents

処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体 Download PDF

Info

Publication number
JP4810355B2
JP4810355B2 JP2006228125A JP2006228125A JP4810355B2 JP 4810355 B2 JP4810355 B2 JP 4810355B2 JP 2006228125 A JP2006228125 A JP 2006228125A JP 2006228125 A JP2006228125 A JP 2006228125A JP 4810355 B2 JP4810355 B2 JP 4810355B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
processing gas
gas supply
gas
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006228125A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008053456A (ja
Inventor
健治 石川
秀典 三好
秀樹 立石
雅一 林
伸之 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Fujitsu Semiconductor Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Fujitsu Semiconductor Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd, Fujitsu Semiconductor Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2006228125A priority Critical patent/JP4810355B2/ja
Publication of JP2008053456A publication Critical patent/JP2008053456A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4810355B2 publication Critical patent/JP4810355B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Semiconductors (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Description

本発明は、有機化合物ガスを供給する処理ガス供給方法、当該処理ガス供給方法を用いた基板処理方法、当該基板処理方法を用いた半導体装置の製造方法、有機化合物ガスを供給する処理ガス供給装置、当該処理ガス供給装置を用いた基板処理装置、および当該基板処理装置を動作させるプログラムが記載された記録媒体に関する。
例えば、基板処理を行って半導体装置を製造するなど、被処理基板または処理容器に有機化合物を含む所定の処理ガスを供給し、被処理基板や処理容器の処理を行う場合がある。上記の有機化合物を用いた処理の例としては、有機酸を用いて、被処理基板に形成された金属配線の表面酸化膜を還元またはエッチングにより除去する処理の例がある。具体的には、処理ガスとして気化した蟻酸や酢酸を用いて金属(Cu)に形成された酸化膜を除去する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、有機酸を用いた処理の例としては、さらに、遷移金属元素を含む被エッチング材料を、カルボキシル基を有するガス状物質と、ビームを照射によってドライエッチングする処理の例(例えば特許文献2参照)や、カルボキシル基をもつガス状物質を供給して良質なCoシリサイド膜を形成する処理の例(例えば特許文献3参照)が開示されている。
また、基板処理以外の処理の例としては、カルボン酸蒸気を処理容器に供給し、処理容器内に付着残留した金属をクリーニング除去するクリーニング処理が提案されていた(例えば特許文献4、特許文献5参照)。
特許第3373499号公報 特開2005−236144号公報 特開2006−73714号公報 特開2001−254178号公報 特開2005−330546号公報
しかし、有機化合物を気化させた処理ガスは、単量体(モノマー)と、例えば2量体(ダイマー)などの多量体が混在する状態となる場合があるため、供給が不安定となる懸念を有していた。例えば、代表的な有機酸である蟻酸を例にとり、単量体を図1に、多量体(2量体)の例を図2にそれぞれ示す。上記の蟻酸や酢酸から単量体または多量体が形成される割合は、温度や圧力などの僅かな条件の変化により大きく変化し、そのために、処理ガスの密度(分子量)及び定圧比熱が大きく変動してしまう。(例えばJ. Phys. Chem. Ref. Data 7、 p. 363 (1973)参照)。
一般的な処理ガスの流量制御手段としては、例えば質量流量コントローラー(MFC)が知られている。MFCは、流体の流れにより形成される流路の温度差(温度低下)をブリッジ回路により電流値として検出し、この電流値に対応して流体(処理ガス)の流量をピエゾ素子などのコンダクタンス可変素子により制御するものである。このため、処理ガスの密度と定圧比熱などのガス固有の物性値に対応して流量制御特性を調整する必要があり、このような個別のガスに対応するMFCの校正値は、コンバージョンファクター(C.F.)と呼ばれている。上記のコンバージョンファクターは、一般的にはガスの密度(分子量)と定圧比熱の積に反比例することが知られている。
したがって、所定の密度、比熱に対応するようにコンバージョンファクターを設定したMFCにおいて、処理ガスの密度、比熱が変動すると、正確な流量制御が困難となってしまう。例えば、単量体と多量体(n量体)のガスの密度は、nに比例して増加する。また、単量体同士の結合や、または、多量体の解離には反応熱の授受を伴うため、定圧比熱の値が大きく変化する。上記のように、有機酸などの有機化合物ガス(例えば蟻酸ガスや酢酸ガスなど)をMFCで供給する場合、僅かな温度や圧力の変動によって処理ガスの物性が変化し、そのために安定な流量で供給することが困難となる問題が生じていた。
一例としては、例えば有機酸を用いた金属層の還元(酸化膜除去)にあたって、還元に用いる有機酸の供給が不安定になってしまう懸念が生じていた。
そこで、本発明は、上記の問題を解決した、新規で有用な処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体を提供することを統括的課題としている。
本発明の具体的な課題は、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給する処理ガス供給方法、当該処理ガス供給方法を用いた基板処理方法、当該基板処理方法を用いた半導体装置の製造方法、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給する処理ガス供給装置、当該処理ガス供給装置を用いた基板処理装置、および当該基板処理装置を動作させるプログラムが記載された記録媒体を提供することである。
本発明の第1の観点では、上記の課題を、有機化合物よりなる原料を気化または昇華し、単量体と多量体を含む処理ガスを生成する第1の工程と、前記処理ガスの圧力または温度を制御することにより、前記多量体を単量体化させる第1の反応、または、前記単量体を多量体化させる第2の反応を生じさせる第2の工程と、当該処理ガスを所定の処理空間に供給する第3の工程と、を有し、前記処理ガス中の単量体または多量体を検出し、単量体または多量体の検出の値に対応して、前記処理ガスの圧力または温度を制御することを特徴とする処理ガス供給方法により、解決する。
当該処理ガス供給方法によれば、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給することが可能となる。
また、本発明の第2の観点では、上記の課題を、上記の処理ガス供給方法を用いて、前記処理空間の被処理基板に前記処理ガスを供給し、前記第3の工程で基板処理を行うことを特徴とする基板処理方法により、解決する。
当該基板処理方法によれば、有機化合物よりなる処理ガスが安定に供給され、安定な基板処理が可能となる。
また、本発明の第3の観点では、上記の課題を、金属配線と層間絶縁膜を含む半導体装置の製造方法であって、上記の基板処理方法により、前記被処理基板に形成された前記金属配線よりなる金属層の酸化膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法により、解決する。
当該半導体装置の製造方法によれば、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給し、高品質の半導体装置を製造することが可能となる。
また、本発明の第4の観点では、上記の課題を、有機化合物よりなる原料を気化または昇華し、単量体と多量体を含む処理ガスを生成する原料容器と、前記処理ガスを所定の処理空間に供給する処理ガス供給路と、前記処理ガスの圧力または温度を制御することにより、前記多量体を単量体化させる第1の反応、または、前記単量体を多量体化させる第2の反応を生じさせる処理ガス制御手段と、を有し、前記処理ガス中の単量体または多量体を検出する検出手段をさらに有し、当該検出手段の検出値に対応して、前記処理ガス制御手段が前記処理ガスの圧力または温度を制御することを特徴とする処理ガス供給装置により、解決する。
当該処理ガス供給装置によれば、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給することが可能となる。
また、本発明の第5の観点では、上記の課題を、上記の処理ガス供給装置と、前記処理空間を内部に有する処理容器と、前記処理空間に被処理基板を保持する保持台と、を有することを特徴とする基板処理装置により、解決する。
当該基板処理装置によれば、有機化合物よりなる処理ガスが安定に供給され、安定な基板処理が可能となる。
また、本発明の第6の観点では、上記の課題を、有機化合物よりなる原料を保持する原料容器と、前記原料が気化または昇華して生成される処理ガスを所定の処理空間に供給する処理ガス供給路と、前記処理空間を内部に有する処理容器と、前記処理空間に被処理基板を保持する保持台と、前記処理ガスの圧力または温度を制御する処理ガス制御手段と、を有する基板処理装置に、コンピュータにより基板処理方法を動作させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記基板処理方法は、前記原料容器で前記原料を気化または昇華し、単量体と多量体を含む前記処理ガスを生成する第1の工程と、前記処理ガスの圧力または温度を制御することにより、前記多量体を単量体化させる第1の反応、または、前記単量体を多量体化させる第2の反応を生じさせる第2の工程と、当該処理ガスを前記処理空間に供給する第3の工程と、を有し、前記処理ガス中の単量体または多量体を検出し、単量体または多量体の検出の値に対応して、前記処理ガスの圧力または温度を制御することを特徴とする記録媒体により、解決する。
当該記録媒体に記憶されたプログラムによって動作される基板処理では、有機化合物よりなる処理ガスが安定に供給され、安定な基板処理が可能となる。
本発明によれば、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給する処理ガス供給方法、当該処理ガス供給方法を用いた基板処理方法、当該基板処理方法を用いた半導体装置の製造方法、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給する処理ガス供給装置、当該処理ガス供給装置を用いた基板処理装置、および当該基板処理装置を動作させるプログラムが記載された記録媒体を提供することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態の概要について説明する。まず、有機化合物の性質について説明し、次に上記の有機化合物の性質に対応し、有機化合物より生成される処理ガスを安定に供給する処理ガス供給方法について説明する。
有機化合物には、単量体と多量体(例えば2量体)が混在するものがあり、温度や圧力によって単量体と多量体の組成比率が変動することが知られている。図3は、蟻酸の2量体の比率を示したものであり、図4は、酢酸の2量体の比率を示したものである。図3、図4では、横軸に温度(℃)、縦軸に単量体と2量体の比率をあわせて1とした場合の2量体の比率を示している。以下、文中で単に「比率」と記載した場合には、単量体と多量体を加えた全体の値に対する単量体または多量体の存在率を示している。また、圧力については、1気圧(1atm)、10000Pa、1000Pa、100Paの場合についてそれぞれ示しており、また、参考のためにそれぞれの飽和蒸気圧曲線(P)を追記している。
図3、図4を参照するに、有機化合物、例えば有機酸などの蒸気では、このように気体の温度や圧力の変化によって、単量体と多量体の組成比率が著しく変化していることがわかる。
例えば、図3の蟻酸の場合を例にとると、1気圧において、温度が27℃(300K)の場合には2量体が90%以上の状態である。ここで、温度を200℃(473K)とすると、単量体が90%以上を占める状態に変化していることがわかる。また、温度が27℃の場合に、蟻酸の圧力を1気圧から100Paにすることでも2量体の比率が大きく低下している。また、温度が100℃(373K)の場合にも、圧力を1気圧から100Paに変化させたことによる2量体の比率(単量体の比率)の変化が大きく生じている。このような単量体と2量体の組成比率の変化は、図4に示した酢酸の場合にも生じている。
例えば、単量体と2量体の組成比率が変動すると、蒸気の密度と定圧比熱が変動してしまう。このため、所定の密度、比熱に対応するようにコンバージョンファクターが設定されたMFCにおいて、正確な流量制御が困難となってしまう。
また、単量体同士の結合や、または、多量体の解離には反応熱の授受を伴う。例えば、蟻酸を例にとると、2量体から単量体への解離には、15.25kcal/molのエンタルピー(25℃)を必要とする。このような熱の授受によっても、処理ガスの供給が不安定になってしまう場合がある。
このように、処理ガスの供給が不安定になると、例えば、蟻酸や酢酸の蒸気を用いた金属の還元(酸化膜除去)の処理などの基板処理や、または、処理容器のクリーニングなどの処理が不安定になってしまう場合がある。
そこで、本発明の発明者は、蟻酸や酢酸の単量体と2量体の組成比率が僅かな条件(温度、圧力)の違いによって大きく変化する原因を調べた。その結果、本発明の発明者は、以下に示すように、蟻酸や酢酸が有する単量体の−(C=O)OH基のお互いの水素結合により、2量体が形成される点に着目した。
例えば、複数の単量体が存在する場合、一方の単量体の−C=O結合のOと、他方の単量体のHO−C−結合のHとが結合すると2量体が形成される。したがって、−COOH基を有する蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの化合物では、−COOH・・・HOOC−(・・・が水素結合を示す、以下同様)といった水素結合によって、少なくとも2量体からなる多量体をガスの状態でも形成し、処理が不安定となる。
同様に、−OH基、−CHO基、−C=O基を有する水、メタノール、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、無水蟻酸、無水蟻酸酢酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトンなどに代表される有機化合物では、−OH・・・O、−COH・・・O、−COOH・・・HOOC−、−C=O・・・HO−×2(2個)といった水素結合によって、少なくとも2量体を含む多量体が気体の状態でも形成され、このためにガスの供給やガスの供給に伴う処理が不安定となる。
上記の問題を克服するために、本発明の発明者が鋭意研究を行った結果、処理ガスの生成後に処理ガスの温度または圧力を制御することで、多量体を単量体化させる第1の反応、または単量体を多量体化させる第2の反応を生じさせ、処理ガスを安定な状態とした後、所定の処理空間に供給することで、処理ガスの安定供給が可能となることを見出した。
図5は、上記の処理ガスの供給方法(基板処理方法)を示すフローチャートである。図5を参照するに、まず、ステップ1(図中S1と表記、以下同様)において、有機化合物(例えば、蟻酸や酢酸などの有機酸など)よりなる原料を気化または昇華し、単量体と多量体を含む処理ガスを生成する。
次に、ステップ2において、処理ガスの圧力または温度を制御することにより、処理ガス中の多量体を単量体化させる第1の反応、または、処理ガス中の多量体を単量体化させる第2の反応を生じさせる。
次に、ステップ3では、上記の反応後の処理ガスを、所定の処理空間(処理容器)に供給する。また、ステップ3では、上記の処理空間に載置された被処理基板を、上記の処理ガスにより安定に処理することが可能となる。また、処理ガスによって処理容器のクリーニング処理など、基板処理以外の処理を行うことも可能である。
上記の処理ガスの供給方法(基板処理方法)によって、安定な処理ガスの供給(基板処理)が可能となる。
例えば、処理ガス中の多量体は、処理ガスの圧力を下げるか、または温度を上げることにより、もしくは処理ガスの圧力を下げることと温度を上げることの両方によって、単量体に解離させることが可能である。処理ガス中の単量体の比率が高くなると、単量体のそれ以上の解離は生じないため、処理ガスは原則的に安定となり、安定供給が可能となる。例えば、処理ガスの安定供給のためには、処理ガス中の単量体の比率を50%以上とすることが好ましい。また、処理ガスの供給過程において処理ガスの熱分解が生じると、処理ガスの安定供給が困難となるため、処理ガスの温度は熱分解温度以下とされることが好ましい。このように単量体の比率を50%以上にすることによって、多量体の比率は残るものの、多量体の解離による単量体化させる反応は軽微となる。すなわち、処理ガスは、単量体の比率が増大(例えば50%以上)し、かつ、処理ガスが熱分解しないような温度(または温度と圧力)に制御されることが好ましい。
一方で、処理ガス中の多量体の比率を増大させることで、処理ガスが安定となるようにし、処理ガスを供給するようにしてもよい。例えば、処理ガスを冷却することで、処理ガス中の2量体などの多量体比率を高めることができる。この場合にも、安定に処理ガスを供給して、安定な処理を行うことができる。
また、上記の方法において、単量体もしくは多量体いずれかの量を検出する検出手段によって検出された値に対応して、処理ガスの温度もしくは圧力を制御して、処理ガスが安定に供給されるようにすると、さらに好適である。例えば、MFCを用いて処理ガスの流量を供給する場合には、上記の検出された値に対応して、MFCのコンバージョンファクターが設定(変更)されるようにしてもよい。
次に、上記の処理ガス供給方法を行うための処理ガス供給装置と、当該処理ガス供給装置を用いた基板処理装置の例について、図面に基づき、説明する。
図6は、本発明の実施例1による基板処理装置200の構成の例を模式的に示した図である。図6を参照するに、本実施例による基板処理装置200の概略は、大別して、内部に処理空間201Aが画成された処理容器201と、処理容器201に処理ガスを供給する処理ガス供給装置100、ガス供給(基板処理)にかかる動作を、制御手段301を介して制御するコンピュータ302とを有するように構成されている。
まず、処理容器201についてみると、処理容器201には、処理空間201Aに被処理基板Wを保持する保持台202が設置されている。保持台202の内部には、例えば電源に接続されたヒータなどの加熱手段202Aが埋設され、保持台202上に保持された被処理基板Wを所望の温度に加熱することが可能になっている。
また、処理空間201Aは、処理容器201に接続された排気ライン204から真空排気され、減圧状態に保持される。排気ライン204は、圧力調整バルブ205を介して排気ポンプに接続され、処理空間201Aを所望の圧力の減圧状態とすることが可能になっている。また、上記の排気ポンプの後段に、排出された有機化合物を回収するための容器を備えて、有機化合物を回収してリサイクル可能なように構成してもよい。
また、処理空間201Aの、保持台202に対向する側には、後述する処理ガス供給装置100から供給される処理ガスを処理空間201Aに拡散させるためのシャワーヘッド203が設けられており、処理ガスを被処理基板W上に良好な均一性で拡散させる構造になっている。
次に、上記の処理空間201Aに、気化または昇華された、ガス状の有機化合物よりなる処理ガスを供給する、処理ガス供給装置100の構成について説明する。
ガス供給装置100の概略は、液体または固体の原料101Aを内部に保持する原料容器101と、原料容器101と処理容器201(処理空間201A)を接続する処理ガス供給路103、処理ガスの流量を制御する流量制御手段105、および処理ガスの圧力または温度を制御する処理ガス制御手段104A、104B、108とを有する構成になっている。
例えば、原料101Aは、有機化合物(例えば蟻酸などの有機酸)よりなり、原料容器101内で気化または昇華される構造になっている。例えば、蟻酸を例にとると、蟻酸は常温で液体であって、常温でも所定量が気化される。また、原料容器101には、例えばヒータなどの加熱手段102が設置されている。例えば、蟻酸などのように常温で気化する原料であっても、加熱手段102によって加熱されることで気化が安定する。また、処理ガス供給路103により供給される処理ガスの流量は、例えばMFCよりなる流量調整手段105により制御される。
また、処理ガス供給路103には、流量制御手段105を挟んで原料容器101側(以下文中、上流側)にバルブ103A、処理容器201側(以下文中、下流側)にバルブ103Bが設置され、処理ガスの供給開始、供給停止が制御される。
また、本実施例による処理ガス供給装置100では、処理ガス供給路103に、処理ガスの温度または圧力を制御する処理ガス制御手段104A、104B、108を設け、処理ガスの単量体の比率、または処理ガスの多量体(2量体)の比率を制御していることが特徴である。
すなわち、上記の処理ガス制御手段によって、処理ガスの圧力または温度、もしくは圧力と温度の双方を制御することにより、処理ガス中の多量体を単量体化させる第1の反応(以下単に第1の反応と記載する場合がある)、または、処理ガス中の単量体を多量体化させる第2の反応(以下単に第2の反応と記載する場合がある)を生じさせ、処理ガスを安定な状態(流量制御が容易な状態)にし、処理容器101に供給している。
従来の処理ガス供給装置(基板処理装置)では、単に、気化または昇華した原料の凝縮または凝固を防止するために、処理ガス供給路を加熱する場合があったが、一方で本実施例の場合には、処理ガス供給路で積極的に上記の第1の反応、または第2の反応を生じさせるために、処理ガス供給路103において処理ガスの制御を行っている点で相違している。
本実施例では、処理ガスが生成される原料容器101と、処理ガスが輸送される経路(処理ガス供給路103)とで、処理ガスの温度または圧力が異なるようにすることで、積極的に処理ガスに所定の反応を生じさせている。
例えば、ヒータなどの加熱手段よりなる処理ガス制御手段(加熱手段)104A、104Bは、それぞれ処理ガス供給路の上流側と下流側で処理ガスを加熱している。この場合、処理ガスが加熱されることで、上記の第1の反応が生じ、処理ガス中の単量体の比率を増大させることができる。この結果、流量調整手段105による流量制御が安定し、処理ガスが供給される量が安定となり、安定な基板処理が可能となる。
供給流量を安定させるという課題に対してはMFC105の1次側に設置される処理ガス供給手段(加熱手段)104Aによる単量体化が有効な手段である。ガスはMFC105を通過して2次側で、再び単量体から多量体化することもあり、この場合は流量を安定に制御しているとは言えない。そのために、MFC105の2次側に設置される処理ガス制御手段(加熱手段)104Bにより単量体化されたガスを安定に供給することが必要となっている。さらに、処理ガス制御手段(加熱手段)104Bにより、単量体化された処理ガスによる基板表面での反応性の安定をもたらすことが可能となっている。
また、処理ガス制御手段104A、104Bによって、バルブ103A、103B、および流量制御手段105も加熱されることが好ましい。また、処理ガス制御手段104A、104Bに用いられる加熱手段は一般的なヒータなどに限定されるものではなく、例えば、加熱空気、温水、フロロカーボン系熱媒体などを用いることも可能である。また、誘導加熱により処理ガスを加熱してもよい(実施例3図8で後述)。
さらに、処理ガス供給路103には、処理ガスの圧力を制御するための圧力調整用排気路よりなる処理ガス制御手段108が接続されている。上記の処理ガス制御手段(圧力調整用排気路)108は、処理ガス供給路103に接続された排気路107と、排気路107に設置されたバルブ107A、および圧力調整バルブ107Bよりなる。また、処理ガス供給路103には圧力計106が設置され、処理ガス制御手段108は、圧力計106の測定値に対応して処理ガスの圧力を制御している。
上記の排気路107から、圧力調整バルブ107Bによって圧力を制御しながら処理ガスを排気することで、処理ガス供給路103内の処理ガスの圧力を制御し、例えば処理ガスの圧力を原料容器101内よりも低く維持することが可能となる。この結果、処理ガス供給路103内での上記の第1の反応が生じ、単量体の比率が増大することで、流量制御や基板処理を安定とすることができる。
また、処理ガスの圧力制御は、上記のような処理ガスの排気によらず、例えばレギュレータなどの圧力調整手段により、行うようにしてもよい。この場合、排出される処理ガスの量を抑制して原料ガスの利用効率を向上させることができる。
また、本実施例のように、処理ガス制御のために、温度制御(加熱)と圧力制御(減圧)を併用すると、より効率的に処理ガス中の単量体の比率を高めて、処理ガスの供給と基板処理を安定とすることができる。また、先に説明したように、処理ガスの安定供給のためには、処理ガス中の単量体の比率は50%以上とされることが好ましい。
上記の処理ガス供給装置100により供給される処理ガスは、シャワーヘッド203に形成された複数のガス穴より、処理空間201Aに供給される。処理空間201Aに供給された処理ガスは、加熱手段202Aによって所定の温度に加熱された被処理基板Wに到達し、例えば被処理基板Wに形成された金属層(例えばCu配線など)の酸化膜の除去(還元処理)が行われる。
また、蟻酸などの有機酸を用いて、上記のような基板処理のみならず、例えば処理容器201の内壁面に付着した堆積物の除去(クリーニング処理)を行うことも可能である。このようなクリーニング処理においても、本実施例による基板処理装置では処理ガスが安定に供給され、安定に処理を行うことができる。
また、処理ガスに、他のガスを加えることで、被処理基板に対しての処理性能、もしくは処理容器内のクリーニング性能を向上させることも可能である。
例えば酸化性を有するガスとして、OやNOを添加しても良いし、還元性を有する他のガスとして、例えばHやNHを添加しても良い。あるいは、多量体化する可能性のある無機化合物のガスとして、HFやHOを添加しても良い。この場合、本実施例で記載した有機化合物のガス供給方法と同じ方法で、安定的に無機化合物ガスを供給することが可能となる。
また、上記の基板処理装置200(処理ガス供給装置100)の、基板処理、処理容器のクリーニング、または処理ガス供給は、制御手段301を介して、コンピュータ302によって動作される構造になっている。また、コンピュータ302は、記録媒体302Bに記憶されたプログラムに基づき、上記に説明した基板処理方法(処理ガス供給方法)を動作させる。なお、制御手段301やコンピュータ302にかかる配線は図示を省略している。
上記の制御手段301は、温度制御手段301Aと、ガス制御手段301B、および圧力制御手段301Cを有している。温度制御手段301Aは、加熱手段202、処理ガス制御手段(加熱手段)104A、104B、加熱手段102を制御することで、処理ガス、被処理基板Wの温度を制御する。ガス制御手段301Bは、バルブ103A、103Bの開閉や、流量調整手段105の制御を行い、処理ガスの供給のON/OFFや処理ガスの流量を制御する。圧力制御手段301Cは、圧力調整バルブ107B、205の開度を制御し、処理ガス供給路103の処理ガスの圧力や、処理空間201Aの圧力を制御する。
また、上記の制御手段301を制御するコンピュータは、CPU302A、記録媒体302B、入力手段302C、メモリ302D、通信手段302E、および表示手段302Fを有している。例えば、基板処理(処理ガス供給)に係る基板処理方法(処理ガス供給方法)のプログラムは、記録媒体302Bに記録されており、基板処理(処理ガス供給)は当該プログラムに基づき、行われる。また、当該プログラムを通信手段302Eから入力したり、または入力手段302Cから入力してもよい。
なお、図6には、圧力調整バルブ205と107B後段には、同一の排気ポンプを使用する例を示しているが、圧力調整バルブ205の後段と圧力調整バルブ107Bの後段には、排気ポンプを別個に設置してもよい。このようにすれば、処理容器から排出された排ガスの原料容器部への逆流(逆拡散)を抑制することができる。このことによって、排ガスに含まれている不純物による原料供給部への汚染を抑制し、高純度な原料供給を実施することができる。
また、図7は、実施例2による処理ガス供給装置100Aと、処理ガス供給装置100Aを用いた基板処理装置200Aを示す図である。ただし、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する。また、特に説明しない部分や、説明しない動作は実施例1の場合と同様とする。
本実施例の場合には、以下の点で処理ガス供給装置100Aが先に説明した処理ガス供給装置100と相違している。
まず、原料容器101には、キャリアガスを供給するためのキャリアガスライン110が接続され、処理容器101内に例えばHeなどの不活性ガスが供給される構造になっている。この場合、気化または昇華した処理ガスは、キャリアガスとともに処理空間201Aに供給される。このような処理ガスの供給方法は、バブリング方式と呼ばれる場合があり、原料容器101はバブラーと呼ばれる。また、原料を気化する方法としては、ダイレクトリキッドインジェクション方式を用いてもよい。
上記の構成において、加熱手段102によって原料101A(蟻酸)を、例えば313K(40℃)とすることで、処理ガス(蟻酸)の分圧10kPaが得られる。
処理ガスの供給にあたっては、実施例1で説明したように、処理ガス制御手段(加熱手段)104A、104Bにより処理ガスの加熱、および、処理ガス制御手段(圧力調整用排気路)108などの圧力制御手段による圧力制御によって、処理ガス中の単量体の比率を増大させている。
また、さらに前記第1の反応を促進して処理ガス中の単量体の比率を増大させるために、処理ガスを希釈ガスで希釈するようにしてもよい。本実施例の場合、処理ガス供給路103に、バルブ109Aを有する処理ガス制御手段(希釈ガス供給路)109を接続することにより、例えばHeなどの不活性ガスよりなる希釈ガスによって処理ガスの希釈を行っている。
上記の処理ガスの希釈を行うことにより、希釈ガスと処理ガスを合わせた混合ガス中の処理ガス(原料)の分圧を低下させることができる。この場合、処理ガス制御手段(圧力調整用排気路)108を用いた当該混合ガスの圧力低下の制御を併せて行うことが好ましい。
例えば、処理ガス供給路103の蟻酸の分圧を1kPaとし、処理ガス(混合ガス)の温度を100℃にすることで、単量体の比率を90%以上とすることができる。また、上記の希釈ガスが、加熱されるとさらに好ましい(実施例4図9で後述)。
また、図8は、実施例3による処理ガス供給装置100Bと、処理ガス供給装置100Bを用いた基板処理装置200Bを示す図である。ただし、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する。また、特に説明しない部分や、説明しない動作は実施例1の場合と同様とする。
本実施例の場合には、以下の点で処理ガス供給装置100Aが先に説明した処理ガス供給装置100と相違している。
本実施例の場合、実施例1、実施例2で用いた処理ガス制御手段108が省略された構造となっている。このため、排気される原料(処理ガス)の量が抑制され、原料101Aの利用効率が良好となっている。しかし、一方で、上記の構造では処理ガスの圧力を低下させて第1の反応を促進する効果が得られにくくなる。これを補うために、本実施例では、処理ガス供給路103の上流側に比べて下流側で処理ガスの温度がより高くなるように、段階的に処理ガスの温度を高くし、処理ガス中の単量体の比率を増大させている。
例えば、原料101Aとして蟻酸を用いた場合、原料容器101の温度を40℃とすることで、処理ガス供給路103の上流側には10kPaで処理ガス(蟻酸の蒸気)が供給される。当該処理ガスは、流量調整手段105により流量制御された後に、処理ガス供給路103の下流側で温度が150℃となるように加熱され、単量体の比率が50%以上とされる。この場合、例えば、処理ガス制御手段104Aによる加熱量よりも処理ガス制御手段104Bによる加熱量が大きくなるようにすればよい。また、下流側には先に上流側に設置された圧力計106に加えて、圧力計112が設置されている。
また、処理ガス供給路103の下流側での処理ガスの加熱量を大きくするために、例えばヒータなどの加熱に加えてマイクロ波などを用いた誘導加熱を併用するようにしてもよい。本実施例の場合、処理ガス供給路103の下流側に処理ガス制御手段(誘導加熱手段)111を設け、ヒータによる加熱と、誘導加熱とを併用している。
また、誘導加熱を行う場合は、処理ガス供給路103は、例えばフロロカーボン系の樹脂材料や石英などの誘電損失が小さい材料により構成されることが好ましい。
また、交流電場による加熱は、誘電損失による電場エネルギーの変換によって生じる。そのため、誘電加熱に消費されるパワーPは、次式により与えられる。
Figure 0004810355
ここで、Eは電場、Hは磁場、σは伝導率、ε''は誘電損失係数(比誘電率の虚部)、μ''は磁気損失係数(比透磁率の虚部)、fは周波数である。ここで、周波数がマイクロ波領域となる場合には、分子の配向分極に共鳴が見られる。すなわち、分子基としてOHやCOOH、C=Oなどを持つ極性分子に誘電損失が大きく見られ、効果的に処理ガスが加熱される。すなわち、マイクロ波は、本実施例による処理ガスを加熱する場合に好適である。一方、石英やフロロカーボン系の樹脂では、ほとんどマイクロ波領域で誘電損失を持たないため、加熱されにくい。
また、図9は、実施例4による処理ガス供給装置100Cと、処理ガス供給装置100Cを用いた基板処理装置200Cを示す図である。ただし、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する。また、特に説明しない部分や、説明しない動作は実施例3の場合と同様とする。
本実施例の場合、処理ガス供給路103の下流側でより処理ガスの温度がより高くなるように、当該下流側で加熱された希釈ガスにより処理ガスを希釈している。すなわち、希釈ガスと処理ガスの混合ガス中の処理ガス(原料)の分圧を下げることと、処理ガスの温度を上げることで、第1の反応を生じさせて単量体の比率を増大させている。
本実施例の場合、処理ガス供給路103の下流側に、処理ガス制御手段(希釈ガス供給路)113、処理ガス制御手段114(加熱手段)、処理ガス制御手段115(誘導加熱手段)が設置されている。
上記の構成において、ヒータと誘導加熱の併用により昇温された、例えばHeよりなる希釈ガスにより処理ガスが希釈されることで、安定に処理ガスを供給することができる。
また、図10は、実施例5による処理ガス供給装置100Dと、処理ガス供給装置100Dを用いた基板処理装置200Dを示す図である。ただし、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
実施例1乃至実施例4では、おもに処理ガス中の単量体の比率を高めて処理ガスの安定供給を行っていたが、逆に、処理ガス中の多量体の比率を高めて処理ガスが安定である状態としてもよい。この場合にも、処理ガスを安定に供給し、安定な基板処理を行うことが可能である。
例えば本実施例の場合、処理ガス供給路103の上流側には、処理ガス制御手段(冷却手段)116が設置され、処理ガスを冷却することが可能に構成されている。処理ガスが冷却されることで、先に説明した第2の反応が生じ、処理ガス中の多量体(例えば2量体)の比率が高まる。このように、処理ガス中の多量体の比率を高めた(例えば50%以上)場合にも、処理ガスを安定に供給することができる。
また、処理ガスの冷却により第2の反応を生じさせて処理ガスの安定供給を図った場合、処理ガスを加熱して第1の反応を生じさせる場合に比べて処理ガス供給路103(配管を構成する材料)に対するダメージが小さいメリットがある。
例えば、処理ガスが腐食性を有する場合、処理ガス供給路103を冷却する本実施例では、処理ガス供給路103の腐食が抑制される効果を奏する。また、処理ガスを冷却する具体的な手段としては、例えば、冷却空気・冷却水・液体窒素・液体ヘリウム等の冷媒体を用いることができる。
次に、上記に説明した基板処理装置を用いて基板処理を行った具体的な例について、説明する。以下の基板処理は、図6に示した基板処理装置200における処理を例にとって説明するが、他の基板処理装置でも同様の処理が可能である。以下、図6を参照して説明する。
まず、基板処理の準備として、原料容器101に、原料101Aとして純度が90%以上となるように生成された蟻酸の液体を大気に曝されないように封入した。さらに、ヘンリー則に従って大気中成分のガスが液体に溶存していることを考慮し、蒸気発生時の大気ガス混入を避けるために真空脱気法用いて、実質的に純度が100%に近い蟻酸蒸気が供給できるようにした。原料容器101が室温程度であっても処理ガスは生成(気化)され、6kPa程度の圧力を得ることができる。気化した直後の多量体(2量体)の比率は、図3に示した飽和蒸気圧(P)で示した多量体の比率となっており、80%程度となっている。
ここで、加熱手段102によって、原料101Aが303乃至323K(30乃至50℃)になるように(例えば313K(40℃)と)した。この状態では、多量体の比率は75%程度となっている。
次に、処理ガス制御手段108によって処理ガス供給路103の上流側(圧力調整手段105の一次側)の圧力を制御し、処理ガスの圧力を10kPaにまで下げ、多量体の比率を75%に維持した。さらに、圧力制御手段104Aによって処理ガスの温度が313K(40℃)とされると、多量体の比率は35%になるので、処理ガス制御手段(冷却手段)116によって処理ガスの温度を30℃以下にすることで多量体の比率を50%以上とすることができる。
さらに、処理ガスの流量調整手段(MFC)105による流量制御をへた、処理ガス供給路103の下流側で、さらに処理ガスを冷却して処理ガスの解離が生じないようにした。具体的には、処理ガスの温度を20℃とし、圧力を1kPaとすることで多量体の比率を50%以上とし、処理ガスの大半が多量体となるようにして供給を安定させた。
上記の基板処理にあたっては、流量制御手段105によって処理ガスの流量を制御して、流量が10乃至1000sccmとなるように蟻酸の蒸気を処理空間201Aに供給した。
また、圧力調整バルブ205を制御し、処理空間201Aの圧力が、10乃至1000Paになるようにした。
例えば、具体的な処理条件としては、蟻酸の流量を100sccm、処理空間201Aの圧力が40Pa(100Pa以下)になるようにした。このような処理空間201Aの圧力と処理ガスの供給を1分間保持し、被処理基板Wの基板処理を行った。その後、処理ガスの供給を停止して、排気ポンプによって、処理空間201A内に残存する処理ガスを排気して処理を完了させ、被処理基板Wを取り出した。
以上のように、処理ガスの単量体と多量体の比率を制御することで安定に処理ガスの供給を行い、安定な基板処理を行うことができた。また、本発明は、蟻酸を用いた場合に限定されず、同様の化学反応性を有する他の有機化合物を用いてもよい。
上記の処理ガスとして用いることが可能な有機化合物の例として、カルボン酸、無水カルボン酸、エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン等を挙げることができる.
カルボン酸は、少なくとも一つのカルボキシル基を含む物質であり、具体的には
一般式 R−COOH
(Rは水素原子もしくは炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基)と表記することができる化合物、あるいはポリカルボン酸が挙げられる。上記の具体的な炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基などをあげることができる.具体的なハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素をあげることができる。
上記のカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−エチルへキサン酸、トリフルオロ酢酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸などがある。
一般的な無水カルボン酸は、
一般式 R−CO−O−CO−R
(R、Rは、水素原子もしくは炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基)と表記することができる。RとRに関する性質は前記カルボン酸のRと同様に挙げることができる.
上記の無水カルボン酸としては、無水酢酸、無水蟻酸、無水プロピオン酸、無水酢酸蟻酸、無水酪酸、および無水吉草酸などがある。
一般的なエステルは、
一般式 R−COO−R
(Rは、水素原子もしくは炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基、Rは炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基)と表記することができる。Rに関する性質は前記カルボン酸のRと同様に挙げることができる。Rに関する性質は前記カルボン酸のRと同様(但し水素原子を除く)に挙げることができる。
上記のエステルとしては、例えば、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、蟻酸ベンジル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジル、酢酸アリル、酢酸プロペニル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸ベンジル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ペンチル、酪酸ブチル、吉草酸メチル、および吉草酸エチルなどがある。
アルコールは、少なくとも一つのアルコール基を含む物質であり、具体的には
一般式 R−OH
(Rは炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基)と表記することができる化合物、あるいはジオールおよびトリオールのようなポリヒドロキシアルコール等が挙げられる。Rに関する性質は前記カルボン酸のRと同様(但し水素原子を除く)に挙げることができる。
上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチルプロパノール、2−メチルブタノール、2−プロパノール、2−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、o−、p−、およびm−クレゾール、レゾルシノール、2、2、2−トリフルオロエタノール、エチレングリコール、グリセロールなどがある。
アルデヒドは、少なくとも一つのアルデヒド基を含む物質であり、具体的には
一般式 R−CHO
(Rは炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基)と表記することができる化合物、あるいはアルカンジオール化合物等が挙げられる。Rに関する性質は前記カルボン酸のRと同様に挙げることができる.
上記アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキサルなどがある。
一般的なケトンは、
一般式 R−CO−R
(R、Rは炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基)と表記することができる。また、ケトンの一種として、
一般式 R10−CO−R11−CO−R12
(R10、R11、R12は炭化水素基もしくは炭化水素基を構成する水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換された官能基)と表記することができるジケトンがある。
上記ケトン、ジケトンとしては、アセトン、ジメチルケトン、ジエチルケトン、1、1、1、5、5、5‐ヘキサフルオロアセチルアセトンなどがある。
また、上記の実施例1乃至実施例5に記載した基板処理装置(処理ガス供給装置)において、処理ガス中の単量体または多量体を検出する検出手段をさらに設け、当該検出手段の検出値に対応して、処理ガス制御手段が処理ガスの圧力または温度を制御するようにしてもよい。
図11は、実施例6による処理ガス供給装置100Eと、処理ガス供給装置100Eを用いた基板処理装置200Eを示す図である。ただし、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図11を参照するに、本実施例による基板処理装置100の場合、処理空間201Aに供給される処理ガス中の多量体量を検出する、検出手段206A、206Bを有している。検出手段206Aは、例えば赤外線照射手段よりなり、検出手段206Bは赤外線検知手段よりなるように構成されている。また、検出手段206A、206Bは、処理空間201Aをはさんで互いに対向するように処理容器201に設置される。また、処理容器201には、赤外線照射手段、赤外線検知手段が設置される位置にそれぞれ対応して、赤外線透過窓207A、207Bが設置されている。また、検出手段(赤外線検知手段)206Bには、所定の干渉フィルターを設置しておくことが好ましい。
上記の多量体の検出手段206A、206Bによる測定は以下のようにして行うことができる。まず、真空排気状態で、前記検出手段(赤外線照射手段)206Aから赤外線(IR)を照射し、処理空間201Aを透過する赤外線の透過強度を、検出手段(赤外線検知手段)206Bにより測定しておく。
次に、処理ガスを供給した状態で、同様に検出手段(赤外線照射手段)206Aから赤外線を照射し、処理空間201Aを透過する赤外線の透過強度を、検出手段(赤外線検知手段)206Bにより測定する。ここで、上記の2つの場合の測定結果の差異より赤外線透過強度の減衰量がわかり、処理空間201Aのガスの有機物量(分圧)と、処理ガス中の多量体の量を検出することができる。
図12には、蟻酸のガスのスペクトルを2種類示している。上に示したAは、2量体を多く含む状態の蟻酸であり、下に示したBは、温度と圧力の制御によって単量体の比率を50%以上とした場合のスペクトルを示している。
また、図13、14には、量子計算から求められた蟻酸の単量体と2量体の振動子強度のスペクトルを示している(J.Chem.Phys.76、886(1982)参照)。
まず、図13、14の計算結果について見ると、2量体の場合には、水素結合(−OH・・・O=)に由来する3000cm―1の吸収が強く見られる。また、C=Oに由来する1700〜1800cm―1のピークは低周波数側にシフトして、1365cm―1と1220cm―1の吸収が強く見られる。これは、図12に示した測定結果でも確認できる(P1〜P4)。
このことから、1800cm―1の蟻酸に由来する吸収で処理ガスの分圧を検出し、3000cm―1の水素結合に由来する吸収で多量体の量を検出することができることがわかる。
また、上記の検出手段206A、206Bを用いた検出にあたっては、検出手段206Bに設置される干渉フィルターが、対象とする処理ガスの有機物の吸収により、透過強度が低下する波長域を透過するようにされていることが好ましい。
また、検知手段206A、206B(赤外線照射手段と赤外線検知手段)は、多重反射するミラーを用いることで、一体的になるように構成することも可能である。
上記の検出手段206A、206Bを用いて、多量体(または単量体でもよい)の検出値に対応して、処理ガス制御手段108、104A、104Bなどが制御されるようにすることで、処理ガスの供給や基板処理をさらに安定に実施することが可能となる。
また、水素結合(−OH・・・O−)に由来する3000cm−1の吸収は、他のガス分子においても同様であり、他のガスにおいても多量体組成の分析に使うことができる。
また、実施例6で説明した検出手段206A、206Bは、処理ガス供給路103に設置されるようにしてもよい。
図15は、実施例7による処理ガス供給装置100Fと、処理ガス供給装置100Fを用いた基板処理装置200Fを示す図である。ただし、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する。
図15を参照するに、本実施例の場合、実施例6で先に説明した検出手段206A、206Bが、処理ガス供給路103に設置されている。検知手段206Aと、検知手段206Bは、互いに対向するように処理ガス供給路103に設置される。また、処理ガス供給路103には、検出手段206A、206Bにそれぞれ対応して、赤外線透過窓207a、207bがそれぞれ設置されている。
また、検出手段206A、206Bを設置する場合には、光路長を長くするために、例えば本図に示すように、処理ガスの流れ方向に沿って所定の距離だけ離間するように、かつ、検出手段206A(赤外線照射手段)と検知手段206B(赤外線検知手段)が対向するように設置されることが好ましい。
上記のように、赤外線照射手段と赤外線検知手段の距離、すなわち光路長を長くとることで、処理ガスの吸収強度が低い場合にも良好な精度で多量体の量を検出することが可能となる。また、ミラーを用いて多重反射させることで、光路長が長くなるように構成してもよい。
また、多量体の検出手段は、上記の構成に限定されず、例えばミリ波によるものを用いてもよい。ミリ波を用いた検出においては、例えば、まずミリ波照射手段からミリ波を照射し、処理空間201Aを透過するミリ波の透過強度を、ミリ波検知手段により測定することで、多量体を検出することができる。多量体と単量体ではミリ波の透過強度の減衰量が変化しており、これらを検出することにより、処理空間201Aの処理ガスの有機物量とその多量体の量を検出することができる。
また、マイクロ波の発信機と検出器を用いて、発振波長を変えて多量体の吸収の波長域で測定するようにしてもよい。
次に、上記の実施例1〜7のうちのいずれかの基板処理装置(基板処理方法)を用いた、半導体装置の製造方法の一例について、図16A〜図16Eに基づき、手順を追って説明する。
まず、図16Aには、半導体装置を製造する工程の一例を示している。図16Aを参照するに、本図に示す工程における半導体装置では、シリコンからなる半導体基板(被処理基板Wに相当)上に形成されたMOSトランジスタなどの素子(図示せず)を覆うように絶縁膜401(例えばシリコン酸化膜)が形成されている。当該素子に電気的に接続されている、例えばW(タングステン)からなる配線層(図示せず)と、これに接続された、例えばCuからなる配線層402が形成されている。
また、絶縁層401上には、配線層402を覆うように、第1の絶縁層(層間絶縁膜)403が形成されている。第1の絶縁層403には、溝部404aおよびホール部404bが形成されている。溝部404aおよびホール部404bには、Cuにより形成された、トレンチ配線とビア配線からなる配線部404が形成され、これが前述の配線層402と電気的に接続された構成となっている。
また、第1の絶縁層403と配線部404の間にはCu拡散防止膜404cが形成されている。Cu拡散防止膜404cは、配線部404から第1の絶縁層403へCuが拡散するのを防止する機能を有する。さらに、配線部404および第1の絶縁層403の上を覆うように絶縁層(Cu拡散防止層)405及び第2の絶縁層(層間絶縁膜)406が形成されている。
以下では、第2の絶縁層406に、先に説明した基板処理方法を適用して、Cuの配線を形成して半導体装置を製造する方法を説明する。なお、配線部404に関しても、以下に説明する方法と同様の方法で形成することが可能である。
図16Bに示す工程では、第2の絶縁層406に、溝部407aおよびホール部407bを、例えばドライエッチング法などによって形成する。この場合、ホール部407bは絶縁層405も貫通するように形成する。ここで、前記第2の絶縁層406に形成された開口部より、Cuよりなる配線部404の一部が露出することになる。露出した配線部404の表層は酸化されやすいため、酸化膜(図示せず)が形成される。
次に、図16Cに示す工程において、先に説明した基板処理装置(基板処理方法)を用いて露出したCu配線404の酸化膜の除去(還元処理)を行う。この場合、被処理基板W上に処理ガス(気化されたガス状の有機化合物)、例えばカルボン酸、無水カルボン酸、エステル、アルコール、アルデヒドもしくはケトンを供給するとともに、被処理基板を加熱し、Cuの酸化膜の除去を行う。
また、被処理基板の温度は、低すぎると除去反応が十分に促進されないため、373K(100℃)以上であることが好ましい。また、高すぎると層間絶縁膜にダメージを与えてしまう。このため、被処理基板の温度は、373K乃至723K(100℃乃至450℃)であることが好ましい。
次に、図16Dに示す工程において、溝部407aおよびホール部407bの内壁面を含む第2の絶縁層406上、および配線部404の露出面に、Cu拡散防止膜407cの成膜を行う。Cu拡散防止膜407cは、例えば高融点金属膜やこれらの窒化膜、または高融点金属膜と窒化膜の積層膜からなる。例えばCu拡散防止膜407cは、Ta/TaN膜、WN膜、またはTiN膜などからなり、スパッタ法やCVD法などの方法により、形成することが可能である。また、このようなCu拡散防止膜407cは、いわゆるALD法によって形成することも可能である。
次に図16Eに示す工程において、前記溝部407aおよび前記ホール部407bを含む、Cu拡散防止膜407cの上に、Cuよりなる配線部407を形成する。この場合、例えばスパッタ法やCVD法でCuよりなるシード層を形成した後、Cuの電界メッキにより、配線部407を形成することができる。また、CVD法やALD法により、配線部407を形成してもよい。配線部407を形成後、化学機械研磨(CMP)法により、基板表面を平坦化する。
また、本工程の後に、さらに前記第2の絶縁層406の上部に第2+n(nは自然数)の絶縁層を形成し、それぞれの絶縁層に上記の方法によりCuよりなる配線部を形成し、多層配線構造を有する半導体装置を形成することが可能である。
また、本実施例では、デュアルダマシン法を用いて、Cuの多層配線構造を形成する場合を例にとって説明したが、シングルダマシン法を用いてCuの多層配線構造を形成する場合にも上記の方法を適用できることは明らかである。
また、本実施例では、絶縁層に形成される金属配線(金属層)として、おもにCu配線を例にとって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、Cuのほかに、Ag、W、Co、Ru、Ti、Taなどの金属配線(金属層)に対しても本発明を適用することが可能である。
このように、本実施例による半導体装置の製造方法では、金属配線に形成される酸化膜の除去を、安定に行うことが可能である。
以上、本発明を好ましい実施例について説明したが、本発明は上記の特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
例えば、上記の実施例では、絶縁層に対してエッチングを行って形成された開口部に露出した下層配線のCuの表面酸化膜を除去する工程に対して、本発明の基板処理方法を適用しているが、他の工程でCuの表面酸化膜を除去する場合に本発明を適用しても良い。例えば、シード層あるいは配線層を形成した後、もしくはCMPを行った後に対して本発明を適用しても良い。
あるいは、シード層もしくは配線層を形成するためのCVD装置もしくはALD装置に対して、処理容器内に付着残留した金属をクリーニング除去することに対して本発明を適用しても良い。
本発明によれば、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給する処理ガス供給方法、当該処理ガス供給方法を用いた基板処理方法、当該基板処理方法を用いた半導体装置の製造方法、有機化合物よりなる処理ガスを安定に供給する処理ガス供給装置、当該処理ガス供給装置を用いた基板処理装置、および当該基板処理装置を動作させるプログラムが記載された記録媒体を提供することが可能となる。
単量体の例を示す図である。 多量体の例を示す図である。 蟻酸の2量体の存在比率を示す図である。 酢酸の2量体の存在比率を示す図である。 処理ガス供給方法(基板処理方法)を示す図である。 実施例1による処理ガス供給装置および基板処理装置を示す図である。 実施例2による処理ガス供給装置および基板処理装置を示す図である。 実施例3による処理ガス供給装置および基板処理装置を示す図である。 実施例4による処理ガス供給装置および基板処理装置を示す図である。 実施例5による処理ガス供給装置および基板処理装置を示す図である。 実施例6による処理ガス供給装置および基板処理装置を示す図である。 処理ガスの分析結果を示す図である。 量子計算から求められる蟻酸の単量体と2量体の振動子強度のスペクトルを示す図(その1)である。 量子計算から求められる蟻酸の単量体と2量体の振動子強度のスペクトルを示す図(その2)である。 実施例7による処理ガス供給装置および基板処理装置を示す図である。 実施例8による半導体装置の製造方法を示す図(その1)である。 実施例8による半導体装置の製造方法を示す図(その2)である。 実施例8による半導体装置の製造方法を示す図(その3)である。 実施例8による半導体装置の製造方法を示す図(その4)である。 実施例8による半導体装置の製造方法を示す図(その5)である。
符号の説明
100,100A,100B,100C,100E,100E,100F 処理ガス供給装置
101 原料容器
101A 原料
102 加熱手段
103 処理ガス供給路
104A,104B,108,109,111,113,114,115,116 処理ガス制御手段
105 流量調整手段
106,112 圧力計
107 排気路
107A,103A,104B,109A バルブ
107B,205 圧力調整バルブ
110 キャリアガス供給路
200 基板処理装置
201 処理容器
201A 処理空間
202 保持台
202A 加熱手段
203 シャワーヘッド
204 排気ライン
206A,206B 検知手段
207A,207a,207B,207b 赤外線透過窓
301 制御手段
301A 温度制御手段
301B ガス制御手段
301C 圧力制御手段
302 コンピュータ
302A CPU
302B 記録媒体
302C 入力手段
302D メモリ
302E 通信手段
302F 表示手段
W 非処理基板

Claims (23)

  1. 有機化合物よりなる原料を気化または昇華し、単量体と多量体を含む処理ガスを生成する第1の工程と、
    前記処理ガスの圧力または温度を制御することにより、前記多量体を単量体化させる第1の反応、または、前記単量体を多量体化させる第2の反応を生じさせる第2の工程と、
    当該処理ガスを所定の処理空間に供給する第3の工程と、を有し、
    前記処理ガス中の単量体または多量体を検出し、単量体または多量体の検出の値に対応して、前記処理ガスの圧力または温度を制御することを特徴とする処理ガス供給方法。
  2. 前記処理ガスが生成される原料容器と、該原料容器と前記処理空間を接続する処理ガス供給路とで、前記処理ガスの温度または圧力が異なるように制御されることで、前記第1の反応または前記第2の反応を生じさせることを特徴とする請求項1記載の処理ガス供給方法。
  3. 前記処理ガス供給路に、前記処理ガスを排気して前記処理ガスの圧力を調整する圧力調整用排気路を接続することにより、前記第1の反応を生じさせることを特徴とする請求項2記載の処理ガス供給方法。
  4. 前記処理ガス供給路内の前記処理ガスを誘導加熱により加熱することで、前記第1の反応を生じさせることを特徴とする請求項2または3記載の処理ガス供給方法。
  5. 前記処理ガス供給路の前記処理ガスを、希釈ガスで希釈することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の処理ガス供給方法。
  6. 前記希釈ガスが加熱されていることを特徴とする請求項5記載の処理ガス供給方法。
  7. 前記処理ガス供給路を冷却することにより、前記第2の反応を生じさせることを特徴とする請求項2記載の処理ガス供給方法。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項記載の処理ガス供給方法を用いて、前記処理空間の被処理基板に前記処理ガスを供給し、前記第3の工程で基板処理を行うことを特徴とする基板処理方法。
  9. 前記第3の工程では、前記有機化合物により、前記被処理基板に形成された金属層の酸化膜を除去することを特徴とする請求項8記載の基板処理方法。
  10. 前記有化合物は、カルボン酸、無水カルボン酸、エステル、アルデヒド、およびケトンよりなる群より選択されることを特徴とする請求項記載の基板処理方法。
  11. 金属配線と層間絶縁膜を含む半導体装置の製造方法であって、
    請求項または10記載の基板処理方法により、前記被処理基板に形成された前記金属配線よりなる前記金属層の酸化膜を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 有機化合物よりなる原料を気化または昇華し、単量体と多量体を含む処理ガスを生成する原料容器と、
    前記処理ガスを所定の処理空間に供給する処理ガス供給路と、
    前記処理ガスの圧力または温度を制御することにより、前記多量体を単量体化させる第1の反応、または、前記単量体を多量体化させる第2の反応を生じさせる処理ガス制御手段と、を有し、
    前記処理ガス中の単量体または多量体を検出する検出手段をさらに有し、当該検出手段の検出値に対応して、前記処理ガス制御手段が前記処理ガスの圧力または温度を制御することを特徴とする処理ガス供給装置。
  13. 前記処理ガス制御手段は、前記原料容器と前記処理ガス供給路とで、前記処理ガスの温度または圧力が異なるように前記処理ガスを制御することを特徴とする請求項12記載の処理ガス供給装置。
  14. 前記処理ガス制御手段は、前記処理ガス供給路に接続された、前記処理ガスを排気して前記処理ガスの圧力を調整する圧力調整用排気路を含むことを特徴とする請求項13記載の処理ガス供給装置。
  15. 前記処理ガス制御手段は、前記処理ガス供給路内の前記処理ガスを誘導加熱により加熱する誘導加熱手段を含むことを特徴とする請求項13または14記載の処理ガス供給装置。
  16. 前記処理ガス制御手段は、前記処理ガス供給路に接続された、前記処理ガスを希釈する希釈ガスを供給する希釈ガス供給路を含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項記載の処理ガス供給装置。
  17. 前記処理ガス制御手段は、前記希釈ガスを加熱する希釈ガス加熱手段を含むことを特徴とする請求項16記載の処理ガス供給装置。
  18. 前記処理ガス制御手段は、前記処理ガス供給路を冷却する冷却手段を含むことを特徴とする請求項13記載の処理ガス供給装置。
  19. 請求項12乃至18のいずれか1項記載の処理ガス供給装置と、
    前記処理空間を内部に有する処理容器と、
    前記処理空間に被処理基板を保持する保持台と、を有することを特徴とする基板処理装置。
  20. 前記処理空間では、前記有機化合物によって前記被処理基板に形成された金属層の酸化膜が除去されることを特徴とする請求項19記載の基板処理装置。
  21. 前記処理ガスによって前記処理容器のクリーニングが行われることを特徴とする請求項19記載の基板処理装置。
  22. 前記有機化合物は、カルボン酸、無水カルボン酸、エステル、アルデヒド、およびケトンよりなる群より選択されることを特徴とする請求項20または21記載の基板処理装置。
  23. 有機化合物よりなる原料を保持する原料容器と、
    前記原料が気化または昇華して生成される処理ガスを所定の処理空間に供給する処理ガス供給路と、
    前記処理空間を内部に有する処理容器と、
    前記処理空間に被処理基板を保持する保持台と、
    前記処理ガスの圧力または温度を制御する処理ガス制御手段と、を有する基板処理装置に、コンピュータにより基板処理方法を動作させるプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記基板処理方法は、
    前記原料容器で前記原料を気化または昇華し、単量体と多量体を含む前記処理ガスを生成する第1の工程と、
    前記処理ガスの圧力または温度を制御することにより、前記多量体を単量体化させる第1の反応、または、前記単量体を多量体化させる第2の反応を生じさせる第2の工程と、
    当該処理ガスを前記処理空間に供給する第3の工程と、を有し、
    前記処理ガス中の単量体または多量体を検出し、単量体または多量体の検出の値に対応して、前記処理ガスの圧力または温度を制御することを特徴とする記録媒体。
JP2006228125A 2006-08-24 2006-08-24 処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体 Expired - Fee Related JP4810355B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006228125A JP4810355B2 (ja) 2006-08-24 2006-08-24 処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006228125A JP4810355B2 (ja) 2006-08-24 2006-08-24 処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008053456A JP2008053456A (ja) 2008-03-06
JP4810355B2 true JP4810355B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=39237219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006228125A Expired - Fee Related JP4810355B2 (ja) 2006-08-24 2006-08-24 処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4810355B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6630649B2 (ja) 2016-09-16 2020-01-15 株式会社日立ハイテクノロジーズ プラズマ処理方法
CN114097064A (zh) 2020-06-25 2022-02-25 株式会社日立高新技术 真空处理方法
KR20230001008A (ko) * 2021-06-21 2023-01-03 주식회사 히타치하이테크 플라스마 처리 장치
WO2023181548A1 (ja) * 2022-03-24 2023-09-28 日立金属株式会社 会合性ガスを半導体製造装置に供給する方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0341723A (ja) * 1989-07-07 1991-02-22 Babcock Hitachi Kk 薄膜製造装置
JPH05283340A (ja) * 1992-03-31 1993-10-29 Sayama:Kk 液体原料気化供給装置
JP2003309114A (ja) * 2002-04-17 2003-10-31 Japan Pionics Co Ltd 気化供給方法及び気化供給装置
JP2004165445A (ja) * 2002-11-13 2004-06-10 Furukawa Co Ltd 半導体製造装置
JP4590402B2 (ja) * 2004-04-30 2010-12-01 株式会社荏原製作所 基板の処理装置
JP2006222265A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置
JP4828451B2 (ja) * 2006-03-27 2011-11-30 東京エレクトロン株式会社 基板処理方法、半導体装置の製造方法および基板処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008053456A (ja) 2008-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI426545B (zh) 沉積具有改進密度與階梯覆蓋率之非晶系碳膜的方法
JP3857730B2 (ja) フッ素添加二酸化ケイ素膜の成膜法
US7642195B2 (en) Hydrogen treatment to improve photoresist adhesion and rework consistency
JP4810355B2 (ja) 処理ガス供給方法、基板処理方法、半導体装置の製造方法、処理ガス供給装置、基板処理装置、および記録媒体
JP3178375B2 (ja) 絶縁膜の形成方法
JP5507909B2 (ja) 成膜方法
JPH07183283A (ja) 被加熱掃去面を備えるプラズマエッチング装置
TW200818315A (en) Method of plasma oxidation processing
JP2008311548A (ja) 半導体装置の製造方法、半導体装置用絶縁膜及びその製造装置
JP4828451B2 (ja) 基板処理方法、半導体装置の製造方法および基板処理装置
JP5330747B2 (ja) 半導体装置用絶縁膜、半導体装置用絶縁膜の製造方法及び製造装置、半導体装置及びその製造方法
US6261974B1 (en) Growth method of a polymer film
KR20220161474A (ko) 반도체 재료의 선택적인 정밀 에칭
JP2007294879A6 (ja) 基板処理方法、半導体装置の製造方法および基板処理装置
JP3153190B2 (ja) 高分子膜の製造装置とこの装置を用いた成膜方法
JP2017519364A (ja) 有機化合物ガス環境中でのCu含有層の中性ビームエッチング
US8088686B2 (en) Method of remedying deterioration of insulating film
JP2006156539A (ja) プラズマ反応用ガス
Fracassi et al. Plasma assisted dry etching of cobalt silicide for microelectronics applications
JP2007258594A (ja) 金属の還元方法、多層配線及びその製造方法、並びに、半導体装置及びその製造方法
JP2009158610A (ja) 絶縁膜のダメージ回復処理方法
JP2008081477A (ja) 含酸素フッ素化合物の容器充填物、含酸素フッ素化合物の保存方法、およびプラズマエッチング方法
WO2024042597A1 (ja) 半導体装置の製造方法および半導体製造装置
CN101127295A (zh) 基板处理方法和装置、半导体器件的制造方法
TWI834184B (zh) 半導體製造方法及半導體製造裝置

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090518

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20090518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20090518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110726

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110822

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4810355

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees