JP4808464B2 - 加工装置及びターゲットパターンの登録支援方法 - Google Patents

加工装置及びターゲットパターンの登録支援方法 Download PDF

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Description

本発明は、ウェーハに対して切削等の加工を施す加工装置、及びその加工装置において加工位置の目印となるウェーハ上のターゲットパターンの選定を支援する方法に関するものである。
IC、LSI等のデバイスが分離予定ラインに区画されて複数形成されたウェーハは、切削装置、レーザ加工装置等の分割装置によって分離予定ラインが分離させることにより個々のデバイスに分割され、各種電子機器に利用されている。
ウェーハを分割するにあたっては、デバイスに形成された回路パターンの中から、各デバイスに1つしかない特徴的な部分がターゲットパターンとして選出され、選出されたターゲットパターンと分離予定ラインとの距離が座標等により把握される。そして、ウェーハの分割時には、ウェーハごとにターゲットパターンがパターンマッチングにより検出され、その位置から一定距離離れた分離予定ラインを、切削、レーザ光の照射等により分離させ、以降は、分離予定ライン間隔ずつインデックス送りしながらすべての分離予定ラインを分離させて個々のデバイスに分割している(特許文献1)。
特公平−27043号公報
しかし、オペレータが選出したターゲットパターンと形状が近似するパターンがデバイス領域に存在すると、パターンマッチングの際に、ターゲットパターンとは異なるパターンを検出してマッチングしたものと判断してしまうことがある。そしてその場合は、その誤ったマッチングに基づいて切削を行うと、切削すべきでない部分が切削されてデバイスを損傷させるという問題がある。
また、すでに加工装置に登録してあるターゲットパターンを別の新しい加工装置にコピーして使用する場合には、加工装置ごとの個性、コピー時の操作ミス等により、コピーしたターゲットパターンが新しい加工装置において有効に機能しない場合があるため、この場合も誤ったパターンマッチングによりデバイスを損傷させるという問題が生じる。一方、かかる問題が生じるのを回避するために、新しい加工装置において、新たにターゲットパターンを選出して登録する作業を行うのでは、生産性を低下させる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、登録されたターゲットパターンが、パターンマッチングに適したものかどうかを容易に確認できるようにすることである。
本発明に係る加工装置は、ウェーハを保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたウェーハを加工する加工手段と、チャックテーブルに保持されたウェーハの表面を撮像して予め登録されたターゲットパターンと同一のパターンを認識して加工すべき領域を検出する加工領域検出手段と、加工領域検出手段が取得した画像を表示する表示手段とを少なくとも備えた加工装置であって、加工領域検出手段は、ターゲットパターンの画像情報を記憶するターゲットパターン記憶部と、ウェーハの表面を撮像する撮像部と、ターゲットパターン記憶部に記憶されたターゲットパターンの画像情報と撮像部によって撮像されたパターンの画像情報とのパターンマッチングを行うパターンマッチング部とから構成され、パターンマッチング部におけるパターンマッチングが終了するごとに、その旨をオペレータに報知する報知手段と、報知手段による報知の回数をカウントして記憶し報知の回数を表示手段に表示させる報知回数カウント手段と、パターンマッチングにおいて発生したエラーの回数を記憶しエラーの回数を表示手段に表示させる発生エラー回数記憶手段と、パターンマッチングにおけるエラーの許容回数を記憶する許容エラー回数記憶手段と、許容エラー回数記憶手段に記憶された許容回数と発生エラー回数記憶手段に記憶されたエラーの回数とを比較してその比較結果を表示手段に表示させる比較手段と、報知回数カウント手段に記憶された報知の回数の上限値を記憶する報知回数上限値記憶手段と、報知回数カウント手段に記憶された報知の回数が報知回数上限値記憶手段に記憶された上限値に達したか否かを判断してその判断結果を表示手段に表示させる報知回数判断手段とを備える。
上記加工装置には、ターゲットパターンの画像情報を取り込んでターゲットパターン記憶部に転送して記憶させるターゲットパターン入力手段を備えることが望ましい。
本発明に係るターゲットパターンの登録支援方法は、ウェーハを保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたウェーハを加工する加工手段と、チャックテーブルに保持されたウェーハの表面を撮像して予めターゲットパターン記憶部に記憶させたターゲットパターンと同一のパターンを認識して加工すべき領域を検出する加工領域検出手段と、加工領域検出手段が取得した画像を表示する表示手段とを少なくとも備えた加工装置におけるターゲットパターンの登録支援方法であって、ターゲットパターンをターゲットパターン記憶部に記憶する記憶工程と、加工領域検出手段によりウェーハの表面を撮像してターゲットパターンと同一のパターンを認識するパターン認識工程と、パターン認識工程において認識されたパターンの画像を表示手段に表示させる表示工程と、パターン認識が終了するごとに、その旨をオペレータに報知する報知工程と、報知工程の実行回数をカウントして報知回数カウント手段に記憶し報知工程の実行回数を表示手段に表示させる報知回数カウント工程と、パターン認識工程において発生したエラーの回数を発生エラー回数記憶手段に記憶しエラーの回数を表示手段に表示させる発生エラー回数カウント工程と、エラーの許容回数を許容エラー回数記憶手段に記憶する許容エラー回数記憶工程と、比較手段において許容エラー回数記憶手段に記憶された許容回数と発生エラー回数記憶手段に記憶されたエラーの回数とを比較してその比較結果を該表示手段に表示させる比較工程と、報知の回数の上限値を報知回数上限値記憶手段に記憶する上限値記憶工程と、報知回数カウント手段に記憶された報知の回数が報知回数上限値記憶手段に記憶された上限値に達したか否かを判断してその判断結果を表示手段に表示させる報知回数判断工程とを少なくとも含む。
上記ターゲットパターンの登録支援方法には、ターゲットパターンの画像情報を取り込んで前記ターゲットパターン記憶部に転送して記憶させるターゲットパターン転送工程が含まれることもある。
また、上記ターゲットパターンの登録支援方法における表示工程では、認識されたパターンと共に、パターンと相関関係がある分離予定ラインが表示されることが望ましい。この場合、第一の方向の分離予定ラインと第二の方向の分離予定ラインとの交差領域が表示されることが望ましい。
本発明では、パターン認識が終了するごとにその旨がオペレータに報知されるため、オペレータは、マッチングされたパターンの画像をパターンマッチングが終わるごとに表示手段で確認することができると共に、パターンマッチングが行われた回数を把握することができる。したがって、オペレータは、表示手段に表示された画像からマッチングエラーが発生したかどうか、及びマッチングエラーの発生回数を把握することができ、パターンマッチングの回数とマッチングエラーの発生回数との関係から、ターゲットパターン記憶部に記憶させたパターンがターゲットパターンとして適切かどうかを判断することができる。例えば、報知手段からの報知回数が20回であり、マッチングエラーの発生回数が0回であれば、ターゲットパターン記憶部に記憶させたパターンが、ターゲットパターンとして適切であると判断することができる。
また、報知回数がカウントされてその回数が表示手段に表示されることにより、パターンマッチングが行われた回数をオペレータが容易に把握することができるため、行われたパターンマッチング回数との関係でのターゲットパターンとしての適性の判断がしやすくなる。
パターンマッチングにおいて発生したエラーの回数を記憶し、そのエラーの回数を表示手段に表示させることにより、実際に発生したエラーの回数をオペレータが容易に把握することができるため、発生したエラーの回数との関係でのターゲットパターンとしての適性の判断がしやすくなる。
エラーの許容回数を記憶させ、記憶された許容回数と実際に発生したエラーの回数とを比較してその比較結果を表示手段に表示させることにより、オペレータは、比較結果を見るだけで、ターゲットパターンとしての適性を判断することができる。
報知の回数の上限値を記憶させ、実際の報知の回数が上限値に達したか否かを判断してその判断結果を表示手段に表示させることにより、オペレータは、ターゲットパターンの適性の判断のタイミングがきたことを認識することができる。
ターゲットパターンの画像情報を取り込んでターゲットパターン記憶部に転送して記憶させるようにすると、別の加工装置において使用していたターゲットパターンを新しい加工装置にコピーして使用することができ、その場合に、そのコピーしたターゲットパターンが適性に機能するかどうかを確認することができる。
図1に示す加工装置1は、ウェーハを切削して個々のデバイスに分割する機能を有する装置であり、加工対象のウェーハWは、テープTを介してリング状にフレームFと一体になった状態で、ウェーハカセット2に複数収容される。図2に示すように、ウェーハWの表面には、縦横に設けられた第一の方向の分離予定ラインS1、第二の方向の分離予定ラインS2に区画されて複数のデバイスDが形成されている。
図1に示すように、ウェーハカセット2の−Y方向側には、ウェーハカセット2から加工前のウェーハWを搬出するとともに、加工後のウェーハをウェーハカセット2に搬入する搬出入手段3が配設されている。ウェーハカセット2と搬出入手段3との間には、搬出入対象のウェーハが一時的に載置される領域である仮置き領域4が設けられており、仮置き領域4には、ウェーハWを一定の位置に位置合わせする位置合わせ手段5が配設されている。
仮置き領域4の近傍には、ウェーハWと一体になったフレームFを吸着して搬送する第一の搬送手段6が配設されており、第一の搬送手段6の可動域にはチャックテーブル7が配設されている。チャックテーブル7は、ウェーハWを保持してX軸方向に移動可能であると共に回転可能となっている。
チャックテーブル7のX軸方向の移動経路の上方には、ウェーハWの加工すべき領域である分離予定ラインを検出する加工領域検出手段8が配設されている。図3に示すように、加工領域検出手段8には、ウェーハWの表面を撮像する撮像部80と、撮像部80によって撮像され登録されたターゲットパターンの画像情報を記憶するターゲットパターン記憶部81を備えている。ターゲットパターン記憶部81は、メモリ等の記憶装置によって構成される。ターゲットパターン記憶部81にはターゲットパターン入力手段19が接続されており、ターゲットパターン入力手段19から入力された画像情報をターゲットパターン記憶部81に転送して記憶させることもできる。
また、加工領域検出手段8には、ターゲットパターン記憶部81に記憶されたターゲットパターンの画像情報と、撮像部80によって撮像され取得したパターンの画像情報とのパターンマッチングを行うパターンマッチング部82を備えている。パターンマッチング部82には、CPU、メモリ等を備え、ターゲットパターン記憶部81に記憶された画像情報を構成する画素情報と、撮像部80によって取得された画像情報を構成する画素情報との比較により、取得した画像情報に含まれるパターンとターゲットパターンの画像情報とが一致するかどうかのパターンマッチングを行うことにより、加工すべき分離予定ラインを検出することができる。加工領域検出手段8が取得した画像は、表示手段9に転送されて表示される
パターンマッチング部82は、音を鳴らす等によってオペレータに対する報知を行う機能を有する報知手段10に接続されている。報知手段10には、1回のパターンマッチングが終了した旨の情報が、パターンマッチング部82から通知される。また、報知手段10は、メモリ等の記憶装置によって構成される報知回数カウント手段11に接続されており、報知手段10がオペレータに対する報知をすると、その度に、報知回数カウント手段11が報知の回数をカウントしてその回数の情報を記憶し、その報知の回数の情報を表示手段9に表示させる。
報知回数カウント手段11によってカウントされる報知回数は、報知回数判断手段12によって認識される。報知回数判断手段12には、報知回数カウント手段11に記憶された報知の回数の上限値の情報を記憶する報知回数上限値記憶手段13が接続されている。報知回数判断手段12では、報知回数カウント手段11に記憶された報知の回数が、報知回数上限値記憶手段13に記憶された上限値に達したか否かを判断してその判断結果を表示手段9に表示させる。
パターンマッチング部82によるパターンマッチングについては、表示手段9に表示されるため、オペレータが表示手段9を見ることにより、エラーの発生を把握することができる。エラーの発生回数の情報は、メモリ等の記憶装置によって構成される発生エラー回数記憶手段14に記憶され、表示手段9に表示される。
発生エラー回数記憶手段14の内容は、比較手段15によって認識される。比較手段15には、エラーの許容回数の情報を記憶する許容エラー回数記憶手段16が接続されており、比較手段15においては、発生エラー回数記憶手段14に記憶された発生エラーの回数と、許容エラー回数記憶手段16に記憶された許容値とが比較され、その比較結果が表示手段9に表示される。
図1に戻って説明すると、加工領域検出手段8の+X方向側には、チャックテーブル7に保持されたウェーハWに対して切削加工を施す加工手段17が配設されている。加工手段17には加工領域検出手段8が固定されており、両者が連動する構成となっている。加工手段17は、回転可能なスピンドル170の先端に切削ブレード171が装着されて構成され、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能となっている。切削ブレード171は撮像部80のX軸方向の延長線上に位置している。
以下では、図4のフローチャートを参照しながら、ターゲットパターンを選出して確定させる手順について説明する。まず、加工領域検出手段8が切削すべき分離予定ラインを検出するために、図3に示したターゲットパターン記憶部81に登録する画像は、切削前に予め取得しておく必要がある。そこで、チャックテーブル7に保持されたウェーハWを加工領域検出手段8の直下に位置付けられた状態で、撮像部80がウェーハWの表面を撮像し、取得した画像を表示手段9に表示させる。例えば、表示手段9には、図5に示すように、デバイスに形成された複雑な回路パターンが表示される。オペレータは、図1に示す加工装置1の前面側に設けられた操作手段18を操作することにより、撮像部80をゆっくりと移動させながら、必要に応じてチャックテーブル7も移動させて、パターンマッチングのターゲットとなるキーパターンを探す。そして、複雑な回路パターンから、各デバイスに1つしかなく、パターンマッチングに適した特徴的形状を有する部分をターゲットパターンPとして選出し、操作手段18の操作により、選出したターゲットパターンPを含む画像情報をターゲットパターン記憶部81に登録して記憶させる。そして、登録した画像において、ターゲットパターンPから第一の方向の分離予定ラインS1までの距離、ターゲットパターンPから第二の方向の分離予定ラインS2までの距離を座標情報から算出し、これらの情報をターゲットパターン記憶部81に記憶させる(記憶工程)。
このようにしてターゲットパターンPを含む画像情報及びターゲットパターンPから各分離予定ラインまでの距離がターゲットパターン記憶部81に登録されると、図1に示したウェーハカセット2に収容されたウェーハWの切削が行われる。
図1を参照して説明すると、ウェーハカセット2に収容されたウェーハWは、搬出入手段3によってフレームFが挟持され、搬出入手段3が−Y方向に移動し、仮置き領域4においてその挟持が解除されることにより、仮置き領域4に載置される。そして、位置合わせ手段5が互いに接近する方向に移動することにより、ウェーハWが一定の位置に位置付けられる。
次に、第一の搬送手段6によってフレームFが吸着され、第一の搬送手段6が旋回することによりフレームFと一体になったウェーハWがチャックテーブル7に搬送され、保持される。そして、チャックテーブル7が+X方向に移動してウェーハWが加工領域検出手段8を構成する撮像部80の直下に位置付けられる。
ウェーハWが撮像部80の直下に位置すると、ウェーハWの表面が撮像部80によって撮像されて取得した画像に基づき、加工領域検出手段8によってパターン認識により加工すべき分離予定ラインが検出される。そして、更にチャックテーブル7が+X方向に移動すると共に、切削ブレード171が高速回転しながら加工手段17が下降することにより、検出された分離予定ラインが切削される。また、チャックテーブル7をX軸方向に移動させながら、予め加工領域検出手段8に記憶させた分離予定ライン間隔ずつ加工手段17をY軸方向にインデックス送りして切削を行うと、同方向の分離予定ラインがすべて切削される。また、チャックテーブル7を90度回転させてから上記と同様の切削を行うと、すべての分離予定ラインが縦横に切削されて分離され、個々のデバイスDに分割される。
こうして1枚のウェーハが分割されると、第二の搬送手段20によってウェーハWが洗浄手段21に搬送され、洗浄手段21において切削屑が除去される。洗浄後は、第一の搬送手段6によってウェーハWが仮置き領域4に搬送され、搬出入手段3によってウェーハカセット2に収容される。このような一連の作業が、ウェーハカセット2に収容されたすべてのウェーハについて行われる。
上記一連の作業のうち、パターン認識により切削すべき分離予定ラインを検出する作業は、各ウェーハについてそれぞれ行われる。パターン認識が開始される前に、報知回数上限値記憶手段13には、報知回数の上限値の情報がオペレータによって操作手段25から入力され、予め記憶される(上限値記憶工程)。この上限値は、例えばウェーハ1枚につき1回のパターン認識を行う場合は、何枚のウェーハを対象にするかに応じて定まる。例えば、20枚のウェーハを対象にしてターゲットパターンとしての適性を判断する場合は、上限値として20を操作手段18から入力して報知回数上限値記憶手段13に記憶させる。また、許容エラー回数記憶手段16には、パターン認識エラーの回数の許容値の情報を予め操作手段18から入力して記憶させておく(許容エラー回数記憶工程)。
撮像部80は、ウェーハWの表面を撮像し、図3に示したパターンマッチング部82では、撮像部80が取得した画像情報とターゲットパターン記憶部81に記憶された画像情報とのパターンマッチングが行われ、ターゲットパターンPと同一のパターンが認識される(パターン認識工程)。また、パターン認識工程において認識されたパターンに基づく画像情報は、表示手段9に表示される(表示工程)。表示工程において表示される画像では、認識されたパターンまたはパターンと相関関係がある分離予定ラインが表示される。ここで、相関関係とは、パターンからの距離によって分離予定ラインの位置を把握できる関係をさす。この場合、第一の方向の分離予定ラインと第二の方向の分離予定ラインとの交差領域が表示されるようにすることが望ましい。
パターン認識が終了すると、ウェーハを切削することなく、その旨が報知手段10に通知され、報知手段10では、パターン認識の終了をオペレータに報知する(報知工程)。報知工程が実行されるごとに、その実行回数がカウントされて報知回数カウント手段11に記憶され、実行回数が表示手段9に表示される(報知回数カウント工程)。かかる報知回数のカウントは、オペレータによって行われてもよい。報知を受けたオペレータは、表示手段9に表示された画像を見ることにより、ターゲットパターン記憶部81に記憶されたターゲットパターンPと同一のパターンが認識されたか否かを確認することができると共に、報知回数を把握することができる。
ターゲットパターンPと同一のパターンが認識された場合は、加工すべき分離予定ラインが検出されて適正に切削が行われるが、ターゲットパターンPと異なるパターンが認識された場合は、分離予定ライン以外の部分を切削してしまうおそれがある。そこで、オペレータは、表示工程において表示手段9に表示された画像に基づき、ターゲットパターンPと異なるパターンが認識されたことを確認した場合は、マッチングエラーが生じたと判断し、図1に示した操作手段18の所定の操作により、マッチングエラー回数をカウントアップする操作を行う。かかる操作が行われると、図3に示した発生エラー回数記憶手段14にエラーの回数がカウントアップされてその情報が記憶され、更にそのエラーの回数が表示手段9に表示される(発生エラー回数カウント工程)。なお、発生したエラーの回数は、オペレータ自身が把握してもよい。
報知回数判断手段12では、報知回数カウント手段10に記憶された報知回数が、報知回数上限値記憶手段13に記憶された上限値に達したか否かを判断する(報知回数判断工程)。オペレータが報知回数及び上限値を把握している場合は、オペレータ自身によって判断される。そして、かかる上限値に達していない場合は、すべてのウェーハについてのパターン認識が終了していないため、パターン認識工程に戻り、別のウェーハについて同様の作業を行う。一方、すべてのウェーハについてパターン認識が終了している場合は、かかる上限値に達しているため、発生エラー回数記憶手段14の値を読み出し、実際に発生したエラーの回数と許容エラー回数記憶手段16に記憶されたエラーの許容回数とを比較し、比較結果を表示手段9に表示させる(比較工程)。発生エラー回数記憶手段14に記憶されたエラー発生回数の値が、許容エラー回数記憶手段16に記憶された値を超えている場合、又は両値が等しい場合は、オペレータは、選出したターゲットパターンPがパターン認識に適していないと判断し、再度ターゲットパターンPを選定しなおす。かかる比較は、オペレータ自身によって行われることもある。
発生エラー回数記憶手段14に記憶された実際の発生エラーの回数が、許容エラー回数記憶手段16に記憶された値より小さい場合は、ターゲットパターン記憶手段81に登録したターゲットパターンPを用いてその後の切削を行うことができると判断し、操作手段18を操作することにより、ターゲットパターン記憶部81に記憶させたターゲットパターンPの画像情報を確定させる。そしてその後は、その確定したターゲットパターンを用いてパターン認識を行い、ウェーハを切削する。
例えば、20枚のウェーハのうち、パターン認識におけるエラーが発生したウェーハが2枚以内の場合にそのターゲットパターンPを確定させるとした場合は、報知回数上限値記憶手段13に、報知回数として20回を記憶させると共に、許容エラー回数記憶手段16にエラー上限値として2回を記憶させておけば、20枚のウェーハについてパターン認識が終了した時点で、発生したエラーの回数が2回以上かどうかを比較手段15において判断する。そして、発生したエラーの回数が2回以内であれば、ターゲットパターン記憶部81に記憶したターゲットパターンを確定させる。一方、発生したエラーの回数が3回以上であれば、記憶工程に戻り、ターゲットパターンの選定からやり直す。
なお、許容エラー回数記憶手段16がない場合は、実際のエラーの発生回数を表示手段9に表示させるなどして、オペレータが、実際のエラーの回数を把握し、ターゲットパターンPの登録を確定させるか否かを決定することができる。また、報知回数カウント手段11がない場合は、報知の回数をオペレータが把握し、すべてのウェーハについてのパターン認識が終了したかどうかを判断する。
なお、別の加工装置に登録してあるターゲットパターンの画像情報を加工装置1にコピーして使用する場合には、図3に示すターゲットパターン入力手段19から、その画像情報を入力すれば、ターゲットパターン記憶部81に転送されて記憶される(ターゲットパターン転送工程)。そして、上記と同様に、ターゲットパターンの適性を判断することができる。
以上の例では、加工装置として、切削によりウェーハを分割する装置について説明したが、他の加工装置としては、例えばレーザ光の照射によりウェーハを分割するレーザ加工装置等もある。
加工装置の一例を示す斜視図である。 テープを介してフレームと一体になったウェーハを示す斜視図である。 加工装置の構成を示す機能ブロック図である。 ターゲットパターンの登録支援方法の一例を示すフローチャートである。 ターゲットパターンの画像の一例を示す説明図である。
1:加工装置
2:ウェーハカセット 3:搬出入手段 4:仮置き領域 5:位置合わせ手段
6:第一の搬送手段 7:チャックテーブル
8:加工領域検出手段
80:撮像部 81:ターゲットパターン記憶部 82:パターンマッチング部
9:表示手段
10:報知手段 11:報知回数カウント手段 12:報知回数判断手段
13:報知回数上限値記憶手段 14:発生エラー回数記憶手段 15:比較手段
16:許容エラー回数記憶手段
17:加工手段 18:操作手段 19:ターゲットパターン入力手段
20:第二の搬送手段 21:洗浄手段
170:スピンドル 171:切削ブレード
W:ウェーハ
S1:第一の方向の分離予定ライン S2:第二の方向の分離予定ライン
D:デバイス P:ターゲットパターン
T:テープ F:フレーム

Claims (6)

  1. ウェーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウェーハを加工する加工手段と、該チャックテーブルに保持されたウェーハの表面を撮像して予め登録されたターゲットパターンと同一のパターンを認識して加工すべき領域を検出する加工領域検出手段と、該加工領域検出手段が取得した画像を表示する表示手段とを少なくとも備えた加工装置であって、
    該加工領域検出手段は、ターゲットパターンの画像情報を記憶するターゲットパターン記憶部と、ウェーハの表面を撮像する撮像部と、該ターゲットパターン記憶部に記憶されたターゲットパターンの画像情報と撮像部によって撮像されたパターンの画像情報とのパターンマッチングを行うパターンマッチング部とから構成され、
    該パターンマッチング部におけるパターンマッチングが終了するごとに、その旨をオペレータに報知する報知手段と、
    該報知手段による報知の回数をカウントして記憶し、該報知の回数を該表示手段に表示させる報知回数カウント手段と、
    該パターンマッチングにおいて発生したエラーの回数を記憶し、該エラーの回数を該表示手段に表示させる発生エラー回数記憶手段と、
    該パターンマッチングにおけるエラーの許容回数を記憶する許容エラー回数記憶手段と、
    該許容エラー回数記憶手段に記憶された許容回数と該発生エラー回数記憶手段に記憶されたエラーの回数とを比較してその比較結果を該表示手段に表示させる比較手段と、
    該報知回数カウント手段に記憶された報知の回数の上限値を記憶する報知回数上限値記憶手段と、
    該報知回数カウント手段に記憶された報知の回数が、該報知回数上限値記憶手段に記憶された上限値に達したか否かを判断してその判断結果を該表示手段に表示させる報知回数判断手段と、
    を備えた加工装置。
  2. ターゲットパターンの画像情報を取り込んで前記ターゲットパターン記憶部に転送して記憶させるターゲットパターン入力手段を備えた請求項1に記載の加工装置。
  3. ウェーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたウェーハを加工する加工手段と、該チャックテーブルに保持されたウェーハの表面を撮像して予めターゲットパターン記憶部に記憶させたターゲットパターンと同一のパターンを認識して加工すべき領域を検出する加工領域検出手段と、該加工領域検出手段が取得した画像を表示する表示手段とを少なくとも備えた加工装置における該ターゲットパターンの登録支援方法であって、
    ターゲットパターンを該ターゲットパターン記憶部に記憶する記憶工程と、
    該加工領域検出手段によりウェーハの表面を撮像して該ターゲットパターンと同一のパターンを認識するパターン認識工程と、
    該パターン認識工程において認識されたパターンの画像を該表示手段に表示させる表示工程と、
    パターン認識が終了するごとに、その旨をオペレータに報知する報知工程と
    該報知工程の実行回数をカウントして報知回数カウント手段に記憶し、該報知工程の実行回数を前記表示手段に表示させる報知回数カウント工程と、
    パターン認識工程において発生したエラーの回数を発生エラー回数記憶手段に記憶し、該エラーの回数を前記表示手段に表示させる発生エラー回数カウント工程と、
    該エラーの許容回数を許容エラー回数記憶手段に記憶する許容エラー回数記憶工程と、
    比較手段において、該許容エラー回数記憶手段に記憶された許容回数と該発生エラー回数記憶手段に記憶されたエラーの回数とを比較してその比較結果を該表示手段に表示させる比較工程と、
    該報知の回数の上限値を報知回数上限値記憶手段に記憶する上限値記憶工程と、
    該報知回数カウント手段に記憶された報知の回数が、該報知回数上限値記憶手段に記憶された上限値に達したか否かを判断してその判断結果を前記表示手段に表示させる報知回数判断工程と、
    を少なくとも含むターゲットパターンの登録支援方法。
  4. ターゲットパターンの画像情報を取り込んで前記ターゲットパターン記憶部に転送して記憶させるターゲットパターン転送工程を含む請求項3に記載のターゲットパターンの登録支援方法。
  5. 前記表示工程では、認識されたパターンと共に、該パターンと相関関係がある分離予定ラインが表示される請求項3または4に記載のターゲットパターンの登録支援方法。
  6. 前記表示工程では、第一の方向の分離予定ラインと第二の方向の分離予定ラインとの交差領域が表示される請求項5に記載のターゲットパターンの登録支援方法。
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