JP5134412B2 - チッピング検出方法 - Google Patents

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本発明は、TEG(Test Element Group)を有する半導体ウエーハの切削に伴うチッピングの発生状況を検出するチッピング検出方法に関するものである。
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状の半導体ウエーハの表面に格子状に配列された分割予定ライン(ストリート)によって複数の領域が区画され、この区画された領域にIC、LSI等の回路が形成された半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切削することにより回路毎に分割して個々の半導体チップを製造するようにしている。このような分割のための切削は、主に切削ブレードを備えた切削装置によって行われる。
このような切削装置による分割は、その分割に先立ち、半導体ウエーハの表面を複数個の画素からなる撮像素子を備える撮像手段によって撮像し、パターンマッチング等の画像処理によりアライメントが行われ、分割すべき分割予定ラインが検出される。そして、分割すべき分割予定ラインに沿って切削した後に、分割予定ラインに沿って適正に分割されたか否か、あるいは、分割のために形成される切削溝にチッピングが生じていないか否か等に関するカーフチェックが行われる。
このようなカーフチェックは、一般に、切削された切削溝を撮像手段によって撮像することにより行われる(例えば、特許文献1参照)。このカーフチェックにおいて、チッピングの大きさを測定し、チッピングが許容範囲より大きい場合にはエラー表示を行わせ、オペレータが半導体ウエーハの切削溝(カーフ)の状態を目視で観察する。この結果、チッピングが回路まで及んでいないと判断した場合には、そのまま製品として使用可能とするが、チッピングが回路まで及んでいると判断した場合には、使えなくなった部分を排除させる等の処置をとるとともに、チッピング発生の原因となる切削ブレードの交換を行うこととなる。
特開平5−326700号公報 特開2001−308036号公報
ところで、最近の半導体ウエーハには、半導体デバイスに材料を適用するに当り、材料の基本的特性や材料がデバイスの電気特性に与える影響などを事前に調べるために、分割予定ライン上にTEGと呼ばれる金属パターンが形成されたものがある(例えば、特許文献2参照)。このようなTEGは、半導体ウエーハの種類によってその大きさや位置が様々であるため、切削ブレードによって分割予定ラインに沿って切削したときに(分割予定ラインは、実際に切削する切削溝の幅よりも幅広に設けられている)、分割予定ライン上に欠けたり剥がれたりしたTEGが残ってしまう場合がある。
このようなTEGをカーフチェックのために撮像手段で撮像して画像認識すると、チッピング箇所と同様に、黒っぽい暗部画像領域として認識されるため、それがチッピングによるものか、TEGによるものかの区別が難しく、適正なチッピング検出の妨げとなってしまう問題がある。
ここで、TEGは、殆どの場合、全ての分割予定ラインに配置されるものではなく、同じ種類の半導体ウエーハであれば、特定任意の分割予定ラインにのみ分散させて設けられるものである。一方、カーフチェックも、全ての分割予定ラインに対して行うものではなく、任意の分割予定ライン上の切削溝を対象とするようにしている。したがって、分割予定ライン上にTEGが存在する半導体ウエーハであっても、必ずしもTEGの存在する分割予定ラインをカーフチェックの対象とするとは限らないので、上記の問題が必ず発生するものではない。つまり、上記の問題が潜在化しているものの、TEGの配置方法によっては、発生頻度が低く、殆ど問題とならない場合もある。
しかしながら、カーフチェックにおいて、TEGが存在する分割予定ラインが選択されたときには、切削溝の長さの半分以上の領域にTEGが配置されている場合もあり、このような場合には、TEG部分の欠けや剥がれがチッピングと誤認識されてエラー表示されてしまう可能性が極めて高くなる。よって、このようにTEGが存在する分割予定ラインがカーフチェックの対象として選択された場合には、オペレータが必ず切削溝の状態を目視でチェックしなければならなくなる。このような対応では、オペレータに負担を掛けるだけでなく、生産性も低下してしまう。特に、半導体ウエーハの種類によっては、TEGが存在する分割予定ラインに対してカーフチェックを行う頻度が高いものもあるため、対策が必要である。
このような状態を回避するためには、TEGの存在しない分割予定ラインを常にカーフチェックの対象となるようにすればよいが、切削装置では、半導体ウエーハをリングフレームに取り付けられた粘着テープに貼り付けて搬送させる必要があり、この粘着テープに半導体ウエーハをμmオーダの正確さで一定の位置に取り付けることは難しいことや、半導体ウエーハをチャックテーブルに対して載置させる位置もμmオーダの正確さで行っていないことなどの理由により、常にTEGの存在しない特定の分割予定ラインのみをカーフチェックの対象となるように制御することはできない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、TEGの存在する分割予定ラインをカーフチェックの対象とした場合であっても、TEGに影響されることなく、正確なチッピング検出を行うことができるチッピング検出方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるチッピング検出方法は、分割予定ライン上に矩形輪郭で形成されたTEGを有する半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切削した後、切削された切削溝を撮像手段で撮像し、該切削溝の外側に発生する暗部画像領域を含む画像情報を取得し、該画像情報中に含まれる前記暗部画像領域からチッピング情報を検出するチッピング検出方法であって、前記画像情報中から前記暗部画像領域を検出し、検出された暗部画像領域の前記切削溝のエッジからのサイズを検出し、検出されたサイズ情報に基づき該暗部画像領域の標準偏差/平均値の値X1を算出する算出工程と、算出された標準偏差/平均値の値X1を、予め設定された所定の閾値X0と比較する比較工程と、比較の結果がX1≦X0の場合には、当該暗部画像領域をチッピング領域と認定する第1のチッピング領域認定工程と、比較の結果がX1>X0の場合には、当該暗部画像領域中から前記TEG領域を抽出するTEG領域抽出工程と、比較の結果がX1>X0の場合において、前記TEG領域抽出工程で抽出された前記TEG領域を当該暗部画像領域から除いた領域をチッピング領域と認定する第2のチッピング領域認定工程と、前記第1のチッピング領域認定工程および前記第2のチッピング領域認定工程で認定された前記チッピング領域からチッピング情報を検出するチッピング検出工程と、からなり、前記TEG領域抽出工程は、前記切削溝のエッジから連続する前記暗部画像領域の大きさを検出し、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まるか否かを判定する第1ステップと、前記第1ステップにおいて収まらないと判定されると、前記切削溝のエッジから連続する暗部輪郭画像に基づきその矩形輪郭の大きさを検出し、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まるか否かを判定する第2ステップと、前記第2ステップにおいて収まらないと判定されると、前記暗部画像領域および前記切削溝のエッジ位置から連続する階調性を有する領域の大きさを検出し、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まるか否かを判定する第3ステップと、前記第1ステップと前記第2ステップと前記第3ステップのいずれかの判定の結果、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まる場合には、当該暗部画像領域をTEG領域として抽出する第4ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明にかかるチッピング検出方法によれば、TEGが存在する分割予定ラインを切削した場合とTEGが存在しない分割予定ラインを切削した場合との撮像画像上の特性の違いに基づきTEGが存在する分割予定ラインを判定し、さらに、TEGが存在する分割予定ラインについてはTEG領域抽出工程によってTEG領域を抽出するようにしたので、TEGの存在しない部分のみをチッピング領域として認定することができ、よって、認定されたチッピング領域を対象にチッピング情報の検出を行うことで、TEGの存在する分割予定ラインをカーフチェックの対象とした場合であっても、TEGに影響されることなく、正確なチッピング検出を行うことができるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態であるチッピング検出方法について図面を参照して説明する。本発明は、実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。
図1は、本発明の実施のチッピング検出方法が実施される切削装置の一例を示す外観斜視図である。本実施の形態で用いる切削装置10は、半導体ウエーハWを分割予定ラインに沿って切削するものであり、概略構成として、図1に示すように、チャックテーブル12、撮像手段13、表示手段14、切削手段20、および制御手段30を備える。
切削手段20は、切削ブレード21が着脱自在に装着された図示しないスピンドルと、このスピンドルを回転可能に支持するとともに回転駆動する図示しない駆動源を含む円筒状のハウジングとを備え、チャックテーブル12に保持された半導体ウエーハWに切削ブレード21が作用して切削を行うものである。
図2は、半導体ウエーハWを示す斜視図である。半導体ウエーハWの表面Waには複数本の分割予定ライン15が格子状に形成されているとともに、複数の分割予定ライン15によって区画された複数の領域にチップ16を構成する回路が形成されたものである。このように形成された半導体ウエーハWは、個々のチップ16に分割する際に、ばらばらにならないように、環状のフレームFに装着された保護テープTに裏面が貼着されている。また、本実施の形態で用いる半導体ウエーハWは、例えば図3に示すように、特定任意の分割予定ライン15上に矩形輪郭で形成された複数のTEG17を有するものが用いられる。このような半導体ウエーハWを保持するチャックテーブル12は、図示しない回転手段に連結されて水平面内で回転可能とされている。また、切削装置10は、詳細は特に図示しないが、チャックテーブル12を切削手段20に対して相対的にX軸方向に加工送りする加工送り手段や、チャックテーブル12を切削手段20に対して相対的にY軸方向に割り出し送りする割り出し送り手段や、切削手段20をチャックテーブル12に保持された半導体ウエーハWに対して相対的にZ軸方向に切り込み送りする切込み送り手段を備える。
撮像手段13は、チャックテーブル12に保持された半導体ウエーハWの表面を撮像するCCDカメラ等を搭載した顕微鏡であり、アライメント用およびカーフチェック用に共用される。ここで、アライメント用の場合であれば、撮像手段13によって取得した画像情報を基に切削すべき領域部分を検出し、切削手段20による切削動作の位置付けに供する。また、カーフチェック用の場合であれば、切削された切削溝を撮像手段13の撮像位置に位置付けることで該切削溝を撮像して画像情報を生成するとともに、画像処理による切削溝データの生成に供する。ここで、撮像手段13の撮像素子(CCD)は、例えば図3に示すように画面サイズ512×480ピクセルのものが用いられている。この撮像手段13は、ハウジングの側部に設けられて切削手段20と一体に移動可能である。表示手段14は、例えば液晶ディスプレイ等からなり、切削装置10において各種情報を表示するとともに、例えばチッピング検出結果においてチッピングの大きさが所定値より大きかった場合のエラー表示による報知等に利用される。
制御手段30は、当該切削装置10の全体の制御を司るとともに、本実施の形態のチッピング検出処理の制御を司る。この制御手段30の制御の下に実行される本実施の形態のチッピング検出方法について図4および図5を参照して説明する。図4は、制御手段30によって実行されるチッピング検出処理制御例を示す概略フローチャートであり、図5は、そのTEG領域抽出処理の制御例を示すサブルーチンである。
まず、切削対象となる半導体ウエーハWがチャックテーブル12上にセットされた後、切削処理に先立ち、パターンマッチング等の画像処理によりアライメントが行われ、分割予定ライン15が検出される。このようなアライメント処理が完了することにより(ステップS1:Yes)、分割予定ライン15に沿って切削ブレード21で切削する切削処理が実行される(ステップS2)。この切削処理は、分割予定ライン15毎に順次実行される。この際、図3(a)を参照すれば、分割予定ライン15の幅d0は、切削ブレード21により実際に形成される切削溝の溝幅d1よりも幅広となるように設定されている。また、溝幅d1は、TEG17の幅d2よりも幅狭となるように設定されている。
カーフチェックは、予め設定された特定の分割予定ライン15についてのみ選択的に実行されるため、或る分割予定ライン15についての切削が終了すると、切削済みのこの分割予定ライン15がカーフチェックラインであるか否かを判定する(ステップS3)。カーフチェックラインでなければ(ステップS3:No)、後続の分割予定ライン15についての切削処理を続行する(ステップS2)。一方、カーフチェックラインであれば(ステップS3:Yes)、撮像手段13を切削済みのこの分割予定ライン15に位置付けて切削溝18(図3(b)参照)を撮像する(ステップS4)。
図3(a)(b)は、例えば、TEG17が存在する分割予定ライン15についての切削前と切削後との撮像手段13で撮像した1画像サイズ分(512×480ピクセル分)の撮像画像例を示す説明図である。本実施の形態では、撮像手段13によって切削溝18を撮像した場合、切削溝18部分やその周囲に生じ得るチッピング部分やTEG剥がれ部分の画像は、図3(b)に示すように、相対的に黒っぽい画像として撮像されるように撮像手段13の撮影光量が設定されている。撮像手段13により撮像されたピクセル毎の画像データは、各ピクセルのXY座標系の座標情報とともに図示しないメモリに格納される。
このようにして撮像手段13によって撮像して得られる画像情報に基づき、まず、算出処理を実行する(ステップS5:算出工程)。この算出工程においては、まず、図3(b)に示すような分割予定ライン15上で撮像手段13によって撮像された一部の画像情報を取得し、この画像情報に対して公知のエッジ抽出アルゴリズムなる画像処理ソフトウエアを用いたエッジ抽出処理により切削溝18のエッジ18aを抽出する。例えば、図3(b)中に横長の丸印を付して示すように、黒っぽい画像中でチッピングやTEG剥がれの発生していない水平な箇所が少なからず存在することを利用して、エッジ抽出処理によりエッジ18aが抽出される。そして、チッピングやTEG剥がれ等に起因して切削溝18のエッジ18aより外側に存在する黒っぽい画像部分を、本発明では、「暗部画像領域」と定義する。そこで、撮像手段13によって撮像された1画面分の画像情報中からこのような暗部画蔵領域19を検出する。このような暗部画像領域19は、切削溝18に対して左右両側に存在することとなる。
図6は、検出された片側の暗部画像領域19の例を示す説明図である。そして、検出されたX軸方向の512ピクセル分の暗部画像領域19のエッジ18aからのサイズを黒いピクセル数のカウントにより検出する。本実施の形態では、撮像手段13のCCDの1ピクセルが1μmに設定されている。よって、図6中に示す如く、ある位置で5ピクセル、6ピクセル、7ピクセルの如くカウントされた場合、各々5μm、6μm、7μmなるサイズとして認識される。
そこで、この算出処理においては、検出された暗部画像領域19のサイズ情報に基づき、その標準偏差と平均値とを算出し、その算出結果によって、標準偏差/平均値の値をX1として算出する。
値X1の算出処理が終了すると(ステップS5)、算出されたこの値X1を予め設定された所定の閾値X0と大小関係を比較する比較処理を行う(ステップS6:比較工程)。この比較処理は、カーフチェックラインとして撮像手段13で撮像した分割予定ライン15がTEG17を含むものであるか否かを所定の閾値X0を用いて判別するためのものである。このような閾値X0は、TEG17が存在する分割予定ライン15を切削した場合とTEG17が存在しない分割予定ライン15を切削した場合との撮像画像上の特性の違いに基づく経験則によって設定されている。
まず、チッピングは、切削ブレード21の磨耗、損傷等に起因して切削溝18のエッジ18a部分に発生するものであり、チッピングの大小に関わらず、切削溝18の溝方向に沿って連続的に発生しやすい特性を有する。よって、例えば図7(a)に示すように、TEG17が存在しない分割予定ライン15についての通常の小さめのチッピングの場合であれば、暗部画像領域19に関する標準偏差、平均値は、ともに「小」となる。また、図7(b)に示すように、TEG17が存在しない分割予定ライン15についての大きめのチッピングや周期的なチッピングの場合であれば、暗部画像領域19に関する標準偏差、平均値は、ともに「大」となる。よって、チッピングのみの分割予定ライン15にあっては、チッピングの大小に関係なく、標準偏差/平均値の値X1は、同等の値をとることとなる。
これに対して、TEG17は、分割予定ライン15上に離散的に配置されるとともにチッピングに比べて格段に大きいサイズのものである(例えば、前者の最大が十数μm程度の大きさであるのに対して、後者は、50〜100μm程度の大きさとされている)。よって、図7(c)に示すように、TEG17が存在する分割予定ライン15についての切削結果に対する暗部画像領域19の場合、標準偏差が「大」である傾向を示すのに対して、平均値は、「小」となる傾向を示し、標準偏差/平均値の値X1は、「大」となる傾向にある。
よって、図7(a)(b)に示したような場合の暗部画像領域19に関する標準偏差/平均値の値をX1(TEGなし)とし、図7(c)に示したような場合の暗部画像領域19に関する標準偏差/平均値の値をX1(TEGあり)とした場合、X1(TEGなし)<X1(TEGあり)なる大小関係が成立する。そこで、X1(TEGなし)≦X0<X1(TEGあり)を満たし、判定結果にエラーが少なくなるような所定の閾値X0を経験則等に基づき予め設定しておくことにより、カーフチェックラインとして撮像手段13で撮像した分割予定ライン15がTEG17を含む否かの判別が可能となる。
ステップS6の比較処理の結果がX1>X0でなければ(X1≦X0の場合には)、当該カーフチェックラインにおける暗部画像領域19はTEG領域を含まないチッピング領域であると認定する(ステップS7:第1のチッピング領域認定工程)。
一方、ステップS6の比較処理の結果がX1>X0の場合には、当該カーフチェックラインにおける暗部画像領域19は、少なくともTEG領域を含むものと判断し、暗部画像領域19中からTEG領域を抽出する処理を実行する(ステップS8:TEG領域抽出工程)。
ここで、TEG17を含む分割予定ライン15を切削ブレード21で切削した場合のTEG17部分の剥がれや欠けの生じ方としては、図8(a)〜(c)に示すような3態様に大別することができる。図8(a)は、TEG17がほぼ完全に剥がれている場合の暗部画像領域19の例を示し、エッジ18aから連続する大きなサイズの暗部画像領域19が存在することとなる。
そこで、まず、輪郭抽出処理に従いエッジ18aから一塊となって連続する暗部画像領域19の輪郭を抽出し、抽出した暗部画像領域19の大きさを示す輪郭の幅w1を検出する(ステップS21)。そして、検出された幅w1が、予め設定されたTEG17の設計値サイズw0に対して許容誤差Δを含めた誤差範囲内にあるか否かを判定する。すなわち、w0−Δ≦w1≦w0+Δを満足するか否かを判定する(ステップS22)。ここで、許容誤差Δは、TEG剥がれが生じた場合に設計値サイズw0に対してどの程度小さく、或いは大きく検出されるかの実測データに基づき、検出結果に誤差を生じないように予め設定されたもので、例えばΔ=20%の如く設定される。ステップS22の判定の結果、検出された幅w1が設計値サイズw0に対して許容誤差Δの範囲内であれば、当該暗部画像領域19は、TEG領域19aとして抽出される(ステップS27)。
また、図8(b)は、TEG17が中途半端に剥がれている場合の暗部画像領域19の例を示す。この場合、エッジ18aから連続する暗部画像領域19の大きさを示す輪郭の幅は、設計値サイズw0に対して許容誤差Δの範囲内に達しないような比較的小さめであるが(ステップS22:No)、分割予定ライン15上に残存するTEG17の矩形輪郭に対応してエッジ18aから連続する暗部輪郭画像19bが暗部画像領域19の一部として存在することとなる(矩形輪郭で形成されたTEG17は、半導体ウエーハWの表面に対して凹凸を有するため、TEG17が残存する場合にはその矩形輪郭に対応した暗部輪郭画像19bが認識される)。
そこで、次に、暗部画像領域19中から、エッジ抽出処理に従いエッジ18aから連続する暗部輪郭画像19bを抽出し、この暗部輪郭画像19bに基づきその矩形輪郭の大きさを示す幅w2を検出する(ステップS23)。そして、検出された幅w2が、予め設定されたTEG17の設計値サイズw0に対して許容誤差Δを含めた誤差範囲内にあるか否かを判定する。すなわち、w0−Δ≦w2≦w0+Δを満足するか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24の判定の結果、設計値サイズw0に対して許容誤差Δの範囲内であれば、当該暗部輪郭画像19bを含む暗部画像領域19は、TEG領域19aとして抽出される(ステップS27)。
さらに、図8(c)は、剥がれたTEG17の一部(エッジ18a側)が半導体ウエーハWの表面からめくれ上がった場合の暗部画像領域19の例を示す。この場合、暗部画像領域19は暗部輪郭画像19bを含めてエッジ18aに対して不連続状態となる(ステップS24:No)一方、TEG17部分に関してチッピング等による暗部画像領域19やエッジ18a位置から徐々に輝度が明るくなるような階調性を有する領域19cとして存在することとなる。
そこで、さらには、画像認識処理によって暗部画像領域19やエッジ18a位置から連続する階調性を有する領域19cを抽出するとともに、エッジ抽出処理によって領域19cに連続して存在する分割予定ライン15の方向に沿った暗部輪郭画像19bを領域19cの輪郭部分として抽出し、領域19cの輪郭の大きさを示す幅w3を検出する(ステップS25)。そして、検出された幅w3が、予め設定されたTEG17の設計値サイズw0に対して許容誤差Δを含めた誤差範囲内にあるか否かを判定する。すなわち、w0−Δ≦w3≦w0+Δを満足するか否かを判定する(ステップS26)。ステップS2の判定の結果、設計値サイズw0に対して許容誤差Δの範囲内であれば、当該階調性を有する領域19cを含む暗部画像領域19は、TEG領域19aとして抽出される(ステップS27)。
このようなTEG領域抽出処理(ステップS8)において、TEG領域19aが抽出されると(ステップS27)、当該カーフチェックラインにおける暗部画像領域19中から抽出されたTEG領域19a部分を除いた領域を、チッピング領域であると認定する(ステップS9:第2のチッピング領域認定工程)。
ステップS7やステップS9のチッピング領域認定処理が修了すると、これらのステッフS7,S9で認定されたチッピング領域を対象としてチッピング情報を検出するチッピング情報検出処理を行う(ステップS10:チッピング検出工程)。この処理においては、チッピング領域として認識されたチッピング部分のエッジ18aからのY軸方向への大きさが、予め設定されている許容値を超えているか否かを座標データによって判定し、許容値を超える程にチッピング部分の大きさが大きい場合には、切削装置10における切削動作を停止させるとともに、表示14を通じてチッピングエラーが生じた旨の警告表示を行い、ユーザにブレード交換等に対処を促す。チッピング部分が存在しても、許容値を超える程に大きくない場合には、切削装置10における切削動作を継続する。
この後、半導体ウエーハWについての切削処理が完了するまで(ステップS11)、上記のような処理を繰り返す。
このように、本実施の形態のチッピング検出方法によれば、TEG17が存在する分割予定ライン15を切削した場合とTEG17が存在しない分割予定ライン15を切削した場合との撮像画像上の特性の違いに基づきTEG17が存在する分割予定ライン15を判定し、さらに、TEG17が存在する分割予定ライン15についてはTEG領域抽出工程によってTEG領域19aを抽出するようにしたので、TEG17の存在しない部分のみをチッピング領域として認定することができ、よって、認定されたチッピング領域を対象にチッピング情報の検出を行うことで、TEG17の存在する分割予定ライン15をカーフチェックの対象とした場合であっても、TEG17に影響されることなく、正確なチッピング検出を行うことができる。
本発明の実施のチッピング検出方法が実施される切削装置の一例を示す外観斜視図である。 半導体ウエーハを示す斜視図である。 TEGが存在する分割予定ラインについての切削前と切削後との撮像手段で撮像した1画像サイズ分の撮像画像例を示す説明図である。 チッピング検出処理制御例を示す概略フローチャートである。 TEG領域抽出処理の制御例を示すサブルーチンである。 検出された片側の暗部画像領域の例を示す説明図である。 TEGなしのチッピングの場合とTEGありのチッピングの場合との状況例を示す説明図である。 TEGの剥がれ状況等に応じたTEG領域認定処理を説明するための説明図である。
符号の説明
13 撮像手段
15 分割予定ライン
17 TEG
18 切削溝
18a エッジ
19 暗部画像領域
19a TEG領域
19b 暗部輪郭画像
19c 階調性を有する領域

Claims (1)

  1. 分割予定ライン上に矩形輪郭で形成されたTEGを有する半導体ウエーハを分割予定ラインに沿って切削した後、切削された切削溝を撮像手段で撮像し、該切削溝の外側に発生する暗部画像領域を含む画像情報を取得し、該画像情報中に含まれる前記暗部画像領域からチッピング情報を検出するチッピング検出方法であって、
    前記画像情報中から前記暗部画像領域を検出し、検出された該暗部画像領域の前記切削溝のエッジからのサイズを検出し、検出されたサイズ情報に基づき該暗部画像領域の標準偏差/平均値の値X1を算出する算出工程と、
    算出された標準偏差/平均値の値X1を、予め設定された所定の閾値X0と比較する比較工程と、
    比較の結果がX1≦X0の場合には、当該暗部画像領域をチッピング領域と認定する第1のチッピング領域認定工程と、
    比較の結果がX1>X0の場合には、当該暗部画像領域中から前記TEG領域を抽出するTEG領域抽出工程と、
    比較の結果がX1>X0の場合において、前記TEG領域抽出工程で抽出された前記TEG領域を当該暗部画像領域から除いた領域をチッピング領域と認定する第2のチッピング領域認定工程と、
    前記第1のチッピング領域認定工程および前記第2のチッピング領域認定工程で認定された前記チッピング領域からチッピング情報を検出するチッピング検出工程と、
    からなり、
    前記TEG領域抽出工程は、
    前記切削溝のエッジから連続する前記暗部画像領域の大きさを検出し、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まるか否かを判定する第1ステップと、
    前記第1ステップにおいて収まらないと判定されると、前記切削溝のエッジから連続する暗部輪郭画像に基づきその矩形輪郭の大きさを検出し、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まるか否かを判定する第2ステップと、
    前記第2ステップにおいて収まらないと判定されると、前記暗部画像領域および前記切削溝のエッジ位置から連続する階調性を有する領域の大きさを検出し、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まるか否かを判定する第3ステップと、
    前記第1ステップと前記第2ステップと前記第3ステップのいずれかの判定の結果、検出された大きさが予め設定されたTEG設計値に対して所定の誤差範囲内に収まる場合には、当該暗部画像領域をTEG領域として抽出する第4ステップと、を含むことを特徴とするチッピング検出方法。
JP2008088299A 2008-03-28 2008-03-28 チッピング検出方法 Active JP5134412B2 (ja)

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