JP4805465B2 - 制御弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は制御弁に係り、とくに分流弁あるいは混合弁として用いて好適な制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の分流のための制御弁は、一対のニードル弁を組合わせてそれらを互いに逆方向にモータで駆動する方式となっている。すなわち図11に示すように、ブロック1に入口ポート2と一対の出口ポート3、4とをそれぞれ設けるようにし、とくに出口ポート3、4の入口部分にニードル弁5、6を配するようにしている。これらのニードル弁5、6はそれぞれ雄ねじ7、8を備え、このような雄ねじ7、8をブロック1の雌ねじ孔に螺合させることによって軸線方向に移動させるようにしている。
【0003】
ニードル弁5、6はそれぞれ歯車9、10を備え、これらが互いに噛合うようになっている。そしてニードル弁5の支軸11をカップリング12を介してモータ13に直結し、このモータ13をコントローラ14によって制御するようにしている。
【0004】
ここでコントローラ14によってモータ13を正方向に回転させると、雄ねじ7によってニードル弁5が下方に移動し、出口ポート3のバルブシートとの間のギャップを狭くする。同時にニードル弁5の回転が歯車9、10を介してもう一方のニードル弁6に伝達され、ニードル弁6は逆方向に回転するために雄ねじ8によってニードル弁6が出口ポート4のバルブシートから離間するように上方に移動される。モータ13の回転方向を逆転させると、ニードル弁5が上方に移動し、ニードル弁6が下方に移動して逆の動作になる。
【0005】
このようにコントローラ14によってモータ13の回転方向と回転角度とを制御することにより、ニードル弁5、6の開度が調整されるとともに、これらが互いに逆比例するようになる。従って入口ポート2を通して供給されるガスの出口ポート3、4への分流比を任意に調整できるようになる。
【0006】
また本願発明者等は、特開2000−257745号公報によって分流弁および混合弁として利用可能な制御弁を提案している。この制御弁は、本体ブロックのほぼ中央部に分岐通路を形成するとともに、その一方の側面側に入口ポートを設け、他方の側面側に一対の出口ポートを配するようにし、連結ロッドによって互いに連結された弁体を分岐通路内で移動可能に配し、しかもこれらの弁体の上方からは信号圧が加わる第1のダイヤフラムの力を圧力板を介して下方に印加するようにし、これに対してパイロット圧が印加される第2のダイヤフラムの圧力を第2の圧力板を介して上方に印加し、これによって一対の弁体と分岐通路の両側のバルブシートのギャップを信号圧に応じて調整し出口ポートに分流される流体の分流比を制御するようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
流体を分流しあるいは混合する技術は高精度の温度制御を行なう場合や、混合ガスの濃度制御を実施する場合に必要不可欠な技術である。そしてこのような技術を進歩させるためには高精度でしかも安定な分流弁あるいは混合弁を必要とする。
【0008】
ところが図11に示す従来の分流用の制御弁は応答速度が極めて遅く、さらに機構が複雑で故障を発生し易い問題がある。また分解能が悪いので出力が安定せず、さらには歯車9、10の損傷による保守管理に手間がかかるという問題がある。
【0009】
これに対して特開2000−257745号公報で提案されている制御弁は、応答速度に優れるとともに、機構が簡単で、しかも高精度な制御を可能にするものである。ところがこの制御弁は、ライン圧を上下のダイヤフラムによって遮断するようにしているものの、ライン圧によって弁体が軸線方向の力を受けるために、ライン圧の変動がノイズとなり、これによって分流比あるいは混合比が変動する欠点がある。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、とくにライン圧の変動に伴う分流比あるいは混合比の変動を防止するようにした制御弁を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願の主要な発明は、入口ポートと、分岐通路と、該分岐通路の両側に連通する一対の出口ポートとを設けた本体ブロックを具備し、
前記分岐通路の軸線方向の両端にそれぞれスリーブを嵌着させ、該スリーブの外周面上に前記一対の出力ポートと連通する孔を備えた周溝を形成するとともに、前記一対のスリーブの互いに対向する内周側のエッジをバルブシートとなし、
前記一対のスリーブのエッジの部分のバルブシートに着座すると対応する出口ポートを閉塞するとともに互いに一体になって前記分岐通路内を軸線方向に移動するように一対の弁体を配し、
信号圧を第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えると、該第1の圧力板によって一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
信号圧が増加して一方の弁体が一方の出口ポートを開くように移動するときに第1のダイヤフラムの有効面積が小さくなり、
入口ポートに供給される流体を一対の出口ポートに信号圧に応じた分流比で分流させるか、一対の出口ポートに供給される流体を信号圧に応じた混合比で混合して入口ポートから出すようにし、
第1の圧力板に対して前記第1のダイヤフラムとは反対側に第3のダイヤフラムが配され、該第3のダイヤフラムによってライン圧を前記第1のダイヤフラムに対して遮断し、
前記第3のダイヤフラムの有効面積と前記一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくすることを特徴とする制御弁に関するものである。
【0012】
ここで分岐通路に対して前記第1の圧力板とは反対側に第2の圧力板を配し、パイロット圧を第2のダイヤフラムを介して前記第2の圧力板に加えると該第2の圧力板によって他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
前記第2の圧力板に対して前記第2のダイヤフラムとは反対側に第4のダイヤフラムが配され、該第4のダイヤフラムによってライン圧を前記第2のダイヤフラムに対して遮断し、前記第4のダイヤフラムの有効面積と前記他方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくしてよい。またパイロット圧が相対的に増加して他方の弁体が他方の出口ポートを開くように移動するときに、第2のダイヤフラムの有効面積が小さくなるようにすることが好ましい。
【0013】
本願の別の主要な発明は、入口ポートと、分岐通路と、該分岐通路の両側に連通する一対の出口ポートとを設けた本体ブロックを具備し、
前記分岐通路の軸線方向の両端にそれぞれスリーブを嵌着させ、該スリーブの外周面上に前記一対の出力ポートと連通する孔を備えた周溝を形成するとともに、前記一対のスリーブの互いに対向する内周側のエッジをバルブシートとなし、
前記一対のスリーブのエッジの部分のバルブシートに着座すると対応する出口ポートを閉塞するとともに互いに一体になって前記分岐通路内を軸線方向に移動するように一対の弁体を配し、
信号圧を第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えると、該第1の圧力板によって一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
信号圧による力と対向するようにばねが配され、信号圧が増加して一方の弁体が一方の出口ポートを開くように移動するときに前記ばねの変形が大きくなり、
入口ポートに供給される流体を一対の出口ポートに信号圧に応じた分流比で分流させるか、一対の出口ポートに供給される流体を信号圧に応じた混合比で混合して入口ポートから出すようにし、
第1の圧力板に対して前記第1のダイヤフラムとは反対側に第3のダイヤフラムが配され、該第3のダイヤフラムによってライン圧を前記第1のダイヤフラムに対して遮断し、
前記第3のダイヤフラムの有効面積と前記一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくすることを特徴とする制御弁に関するものである。
【0014】
ここで分岐通路に対して前記第1の圧力板とは反対側に第2の圧力板を配し、パイロット圧を第2のダイヤフラムを介して前記第2の圧力板に加えると該第2の圧力板によって他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
前記第2の圧力板に対して前記第2のダイヤフラムとは反対側に第4のダイヤフラムが配され、該第4のダイヤフラムによってライン圧を前記第2のダイヤフラムに対して遮断し、前記第4のダイヤフラムの有効面積と前記他方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくしてよい。またパイロット圧が相対的に増加して他方の弁体が他方の出口ポートを開くように移動するときに、第2のダイヤフラムの有効面積が小さくなるようにすることが好ましい。
【0015】
本発明の好ましい態様は、本体ブロックに単一の入口ポートと一対の出口ポートとを設けるようにし、しかもこれらを連通させるように分岐通路を形成する。そしてこのような分岐通路の両端にそれぞれバルブシートを設け、これらのバルブシートに対して圧着および離間を行なう一対の弁体を配し、しかも一対の弁体が連結手段によって一体になって移動するようにしたものである。ここで信号圧を受ける第1のダイヤフラムによって第1の圧力板を介して一方の弁体が開く方向に押圧されるようにし、これに対してパイロット圧を受ける第2のダイヤフラムによって第2の圧力板を介して他方の弁体を開く方向に押圧するようにしている。
【0016】
そして第1のダイヤフラムに印加される信号圧を得るために、パイロット圧が印加されるノズルを備え、このノズルの先端と対向するようにフラッパを配するとともに、このフラッパをムービングコイルによってノズルとの間の距離が変化するように移動制御しており、上記ノズルの背面側で信号圧を発生させるようにしている。従ってこのような信号圧の変化に応じて、第1のダイヤフラムと第1の圧力板とを介して一対の弁体が軸線方向に移動し、これによって一対の弁体の開度の調整が行なわれるようにしている。
【0017】
このような制御弁によれば、入口ポートから一対の出口ポートへ分流される流体の分流比を第1のダイヤフラムに印加される信号圧によって調整することが可能になる。あるいはまた一対の出口ポートから供給されるガスの混合比を信号圧に応じて調整し、入口ポートを通して出すことが可能になる。すなわち分流弁あるいは混合弁として用いることが可能な制御弁が提供される。
【0018】
しかもここで一方の弁体が着座する一方のバルブシートの有効面積と第1のダイヤフラムに対するライン圧を遮断する第3のダイヤフラムの有効面積とを等しくすると、ライン圧が一方の弁体に作用する力と第3のダイヤフラムがライン圧から受ける力とが相殺され、これによって一方の弁体がライン圧の影響を受けなくなる。同様に他方の弁体が着座するバルブシートの有効面積と第2のダイヤフラムに対するライン圧を遮断する第4のダイヤフラムの有効面積とを等しくすると、他方の弁体に作用するライン圧による力とライン圧によって第4の弁体が受ける力とが相殺される。従って他方の弁体がライン圧の影響を受けなくなる。従ってこれらの組合わせによって、連結手段によって連結された一対の弁体はライン圧の変動にかかわらず軸線方向に移動しなくなる。すなわちライン圧が変化しても、弁体に対するストロークが変化せず、ライン圧の変動がノイズにはならない。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る制御弁を示しており、この制御弁は金属板を積重ねて成る本体ブロック37を備えている。そしてこの本体ブロック37の右側の側面には入口ポート40が形成されるとともに、左側の側面には上下に出口ポート41、42が形成されている。そして入口ポート40と出口ポート41、42とを連通させるようにこの本体ブロック37の中心部を上下に貫通するように分岐通路43が形成されている。このような分岐通路43の上端と下端とにそれぞれスリーブ47、48が嵌着され、これらのスリーブ47、48の下端および上端がそれぞれテーパ状をなすバルブシート45、46を構成している。
【0020】
上側のバルブシート45は図2に示す上側のスリーブ47の下端側の内周面のエッジに形成される。これに対して下側のバルブシート46は下側のスリーブ48の上端の内周のエッジに形成されている。そしてこれらのスリーブ47、48はそれぞれその外周側に周溝33、34を備えている。また周溝33、34には円周方向に例えば90度間隔で4つずつの円形孔49、50が形成されている。またスリーブ47、48の内周側にはそれぞれ中心側に突出するように案内用突部35、36が形成され、これらの突部35、36によって弁体51、52の突部55、56がそれぞれ案内されるようになっている。なお案内用突部35、36と突部55、56との間には隙間が存在する。
【0021】
分岐通路43の上下のバルブシート45、46に対応するように弁体51、52が設けられている。なおこれらの弁体51、52は上述の如くそれぞれ案内用突部35、36内を移動する突部55、56を一体に備えている。また一対の弁体51、52は連結ロッド57によって互いに連結されており、これによって弁体51、52が一体になって分岐通路43内をその軸線方向上下に移動するようになっている。
【0022】
上記弁体51の突部55が移動するスリーブ47が嵌着されている凹部53の上部には連続して凹部61が形成されている。また弁体52の突部56が移動するスリーブ48が嵌着されている凹部54には連続して凹部62が連設されている。そして凹部61内には第1の圧力板63が配されるとともに、凹部62内には第2の圧力板64が配されている。そして第1の圧力板63は第1のダイヤフラム65を受けるようになっている。また第2の圧力板64は第2のダイヤフラム66を受けるようになっている。また第1の圧力板63の下側には突部69が形成されるとともに、この突部69と上記突部55との間に第3のダイヤフラム67が配されている。また下側の移動板56と第2の圧力板64との間には第4のダイヤフラム68が介装されるようになっている。
【0023】
第1のダイヤフラム65と第3のダイヤフラム67との間の空間であって第1の圧力板63が配されている空間は小孔71によって大気圧に維持されるようになっている。また第2のダイヤフラム66と第4のダイヤフラム68との空間であって第2の圧力板64が配されている空間は小孔72によって大気圧に維持されるようになっている。また上記凹部61は補助ポート75によってパイロット圧が印加されるようになっている。そして補助ポート75と凹部61との接続部分にオリフィス77が取付けられている。さらに凹部62であって第2のダイヤフラム66の下側の空間には補助ポート76を介してパイロット圧が印加されるようになっている。
【0024】
次に信号圧を設定するためのノズルフラッパの構造について説明する。上記凹部61と連通するように本体ブロック37の上部にはノズル80が取付けられている。そしてこのようなノズル80はフラッパ81と対向するようになっている。フラッパ81は弾性支持板82によって弾性的に受けられるようになっている。なおこの弾性支持板82はその外周側の部分に開口83を備えている。
【0025】
次にフラッパ81を軸線方向に移動するための構造について説明すると、ハウジング86内にはカップ状をなすヨーク87が配されるとともに、ヨーク87の上端の下面にはマグネット88が取付けられている。そしてマグネット88の下部にはセンタコア89が固着されるとともに、このようなセンタコア89の外周側にはボビン90が配されており、このボビン90にコイル91が巻装されている。そしてボビン90に取付けられている可動板92に上記フラッパ81が取付けられるようになっている。そしてヨーク87の内側の空間は本体ブロック37に形成されている小孔93と弾性支持板82の開口83とによって大気圧に維持されるようになっている。
【0026】
このように本実施の形態の制御弁は、本体ブロック37に入口ポート40と、信号圧が0で閉鎖状態の出口ポート41と信号圧が0で開放状態の出口ポート42とを設けるようにし、しかも本体ブロック37内には信号圧が0の場合に閉じる弁体51と信号圧が0の場合に開く弁体52とを分岐通路43の両端に配するようにしており、これらを連結ロッド57によって連結した構造になっている。
【0027】
そして弁体51、52の上下にそれぞれ圧力板63、64を配するようにしており、圧力板63の上側には信号圧を受ける第1のダイヤフラム65を、その下側にはライン圧を遮断する第3のダイヤフラム67を、また下側の圧力板64の下側にはパイロット圧を受ける第2のダイヤフラム66を、圧力板64の上側にはライン圧を遮断する第4のダイヤフラム68を配するようにしている。
【0028】
そして上側の第1のダイヤフラム65に加えられる信号圧を形成するためのノズル80を設けるようにし、このノズル80の背圧を調整するためのフラッパ81をヨーク87とセンタコア89との間のギャップに配されたコイル91によって軸線方向に移動調整を行なうようにしている。
【0029】
このような制御弁において、下側の第2のダイヤフラム66の下側であって凹部62内にはポート76を通してパイロット圧が印加されるようになっている。また上側の凹部61内にはポート75を通してパイロット圧が供給されている。ところがここではノズル80とフラッパ81とのギャップによってパイロット圧の一部が逃がされ、この逃がされる度合によって信号圧が設定されるようになっている。
【0030】
また第1のダイヤフラム65と第2のダイヤフラム66の有効面積S1 とS2 の比率はほぼ2:1の割合になっており、次の式が成立する。
【0031】
S1 =2S2
またライン圧を遮断するための上下の第3および第4のダイヤフラム67、68の有効面積は互いに等しくなっている。すなわち次式が成立する。なおこの関係は機能上必ずしも必須でなく、場合によってはダイヤフラム67、68の有効面積を互いに異ならしめてもよい。
【0032】
S3 =S4
次にこのような制御弁の動作原理について説明する。この制御弁は上下の圧力板63、64を介して軸線方向に加わる上下方向の力の平衡と、第1のダイヤフラム65および第2のダイヤフラム66の有効断面積S1 、S2 の変化によって作動を行なうようになっている。
【0033】
ここでダイヤフラムの有効断面積を決定する有効径は、ダイヤフラムが圧力により湾曲する外周側の湾曲部の曲率中心間の距離によって定義される。このことは図3に示されている。すなわち中央の平坦部と外周側の固定部との間に断面がほぼ円弧状をなす湾曲部が形成されており、この湾曲部の変形によってダイヤフラムの中央の平坦部が軸線方向に移動するようにしている。このときにダイヤフラムが圧力の変化に応じて軸線方向に、すなわち図3において上下方向に移動されると、湾曲する湾曲部の曲率中心が変化する。そして有効面積はダイヤフラムの中心と湾曲部の曲率中心との間の有効半径によって決まる面積で設定される。すなわちダイヤフラムが軸線方向に移動するときに、周縁の湾曲部の曲率中心が変化すると、有効面積を変化させることが可能になる。しかもこのような有効面積の変化は、周縁の湾曲部の半径方向の幅が広いと顕著になる。そこでこの制御弁では、ダイヤフラム65、66として幅が広い湾曲部を有するダイヤフラムを使用している。
【0034】
上述の原理を図1に示す制御弁の上側のダイヤフラム65に適用した場合において、このダイヤフラム65が信号圧の変化によって圧力板63を押しながら下方に移動したときの周縁側の湾曲部の曲率中心の変化が図4に示される。すなわち中立位置に対してダイヤフラム65および圧力板63が上方に移動した場合には、湾曲部の曲率中心がダイヤフラム65の外周側へ移動するために、図6に示すように有効面積が大きくなる。これに対してダイヤフラム65と圧力板63とが下方へ移動した場合には、湾曲部の曲率中心がダイヤフラム65の中心側へ移動し、有効面積が小さくなる。ここで圧力板63のエッジの曲率半径を大きくし、まだダイヤフラム65の周縁部を固定する固定部のエッジの曲率半径を大きくすると、有効面積の変化がより顕著になる。
【0035】
また上記の原理を下側の第2のダイヤフラム66に適用したときの曲率中心の変化が図5に示される。すなわち下側の第2のダイヤフラム66が信号圧またはパイロット圧の相対的な変化に応じて上方または下方に移動される。信号圧が大きくなるとダイヤフラム66と圧力板64とが下方に移動し、これによって周縁の湾曲部の曲率中心はダイヤフラム66の外周側へ移動し、図6に示すように有効面積が大きくなる。これに対して信号圧が小さくなった場合にはダイヤフラム66と圧力板64とは上方に移動し、湾曲部の曲率中心がダイヤフラム66の中心側に移動して有効断面積が小さくなる。
【0036】
次にこの制御弁を分流弁として用いた場合における分流比の制御の動作について説明する。図1および図7に示す入口ポート40を一次圧に接続するとともに、出口ポート41、42をそれぞれ負荷に接続する。ここで第3のダイヤフラム67と第4のダイヤフラム68とにはそれぞれライン圧、すなわち出口ポート41、42を通して供給される出力圧がそれぞれ印加されており、これらの方向が互いに逆方向のためにこれらのダイヤフラム67、68を介して圧力板63、64に加えられる力は互いに相殺される。従ってこのような力は考慮する必要がなく、ここではこのような力は無視する。
【0037】
第1のダイヤフラム65に加えられる信号圧が0の場合には、第2のダイヤフラム66の下面に加えられるパイロット圧によって、圧力板64が上方への力を受け、これによって一対の弁体51、52を突部56を介して軸線方向上方に押上げることになる。従って弁体52がバルブシート46から離間し、弁体51がバルブシート45に着座して全閉の状態にある。すなわちこの場合は入口ポート40を通して入ってきたガスは総て出口ポート42に流れる。
【0038】
このような状態において信号圧が増加すると、第1のダイヤフラム65に印加される圧力が次第に増加し、ダイヤフラム65、66に印加される圧力による上下方向の力のバランスが崩れるようになる。今第1のダイヤフラム65に加わる信号圧をPs とし、下側の第2のダイヤフラム66に加えられるパイロット圧をPp とする。すると上記の力のアンバランスによって次の式が成立する。
【0039】
Ps ・S1 >Pp ・S2
このように力のアンバランスが生ずると、信号圧Ps による第1の圧力板63に作用する下向きの力の方が第2の圧力板64に加わるパイロット圧Pp による上向きの力よりも大きくなって一対の弁体51、52は下方へ一体となって移動する。
【0040】
所定量弁体51、52が下方へ移動すると、図4に示すように上側のダイヤフラム65の有効断面積S1 が小さくなるとともに、図5に示すように下側のダイヤフラム66の有効断面積S2 が大きくなる。従ってやがて次の式が成立するようになる。そしてバランスする位置が信号圧によって変化するために、弁体51、52のストロークは信号圧に応じて図8のように変化する。
【0041】
Ps ・S1 =Pp ・S2
このような一対の弁体51、52の下方への移動に伴って、上側の弁体51が開くとともに、そのストローク分下側の弁体52が閉じられるようになる。すなわち入口ポート40に供給される一次流体は第1のダイヤフラム65の上側に印加される信号圧Ps に比例する比率で出口ポート41、42に分流される。
【0042】
しかもここでは、信号圧がノズル80とフラッパ81との間のギャップによって調整されるようになっており、フラッパ81の軸線方向の位置がコイル91に流れる電流によって調整されるようになっている。従ってコイル91の信号電流を調整することによってフラッパ81がノズル80との間のギャップを調整し、ノズル80の背圧が変化することになる。このようなノズル80の背圧が信号圧として第1のダイヤフラム65に印加されているために、コイル91に印加される信号電流に応じて一対の出口ポート41、42に分流されるガスの分流比が制御されることになる。
【0043】
このような制御弁は、図1に示す第3のダイヤフラム67の有効面積と弁体51が着座するバルブシート45の有効面積とが等しくなっている。従ってポート41を通して印加される一方のライン圧が第3のダイヤフラム67に作用する力と弁体51に作用する力とが等しくなる。これらの力は互いに逆方向になっているために、ポート41のライン圧の変動が弁体51に対して軸線方向の力を発生しない。
【0044】
また第4のダイヤフラム68の有効面積と下側の弁体52が着座する下側のバルブシート46の有効面積とが等しくなっている。従ってポート42を通して分流されるガスのライン圧によって第4のダイヤフラム68に作用する力と弁体52に作用する力とが等しくなるとともに、それらの向きが互いに反対向きであることから両者が相殺される。従って弁体52はポート42のライン圧の影響を受けない。
【0045】
すなわちこの制御弁は、連結ロッド57によって互いに連結されて一緒に移動する弁体51、52がライン圧の変動にかかわらず軸線方向のストロークを生じない。従ってライン圧が変動してもこのライン圧をノイズとして受けることがなく、分流比が変化しない。
【0046】
またこの制御弁は、弁体51とバルブシート45との間の隙間および弁体52とバルブシート46との間の隙間の関係が図9によって示される。すなわち一方の隙間が増えると他方の隙間が減少するように一対の弁体51、52が移動される。しかも両側のバルブシート45、46の隙間の和が一定の値に設定される。従って弁体51、52のストロークの変動にかかわらず、ポート41、42を通して分流されるガスの全体の量、すなわち分流されるガスの量の和が常に等しくなる。従って信号圧に応じて分流比が変化するとともに、トータルとしてのガスの流量を一定にした制御を行なうことが可能になる。
【0047】
次に図1に示す制御弁を混合弁として用いた場合の動作について説明する。出口ポート41、42にそれぞれ別々の流体源を同一の圧力で接続する。そして混合された流体を入口ポート40から取出すようにする。
【0048】
コイル91に加えられる信号が0であってダイヤフラム65に印加される信号圧Ps がほぼ0の状態では、パイロット圧Pp が印加される第2のダイヤフラム66によって受ける圧力で下側の圧力板64が上方に向う力を受けるために、一対の弁体51、52は上方に移動している。これによって下側の弁体52がバルブシート46から離間して第2の出口ポート42を開放するとともに、上側の弁体51がバルブシート45に着座して第1の出口ポート41が閉鎖された状態になる。従ってこの場合には一方の出口ポート42を通して導入される1種類の流体のみが入口ポート40から取出されるようになる。
【0049】
コイル91に電流を印加し、フラッパ81を下方に移動させて信号圧Ps を高くすると、高くなった信号圧Ps が第1のダイヤフラム65に印加されるようになる。これによって信号圧Ps が作用する第1のダイヤフラム65を介して圧力板63を下方に押す力と、パイロット圧Pp が作用する第2のダイヤフラム66によって第2の圧力板64を上方に押す力のバランスが崩れるようになり、次の式が成立する。
【0050】
Ps ・S1 >Pp ・S2
従ってこのような力のアンバランスによって一対の弁体51、52が下方に移動する。このときに上側のダイヤフラム65が下方に移動することによってその有効断面積を減少させるとともに、下側のダイヤフラム66が下方へ移動させることによってその有効断面積を増大させる。従って軸線方向に所定のストローク移動されると、新たな平衡状態に達して力のバランスは次のようになる。
【0051】
Ps ・S1 =Pp ・S2
このような移動に伴って下側の弁体52がバルブシート46に近接するとともに、上側の弁体51がバルブシート45から離間する。すなわち一対の出口ポート41、42へ供給される流体は、コイル91に加えられる入力信号に比例する比率で入口ポート40から取出されるようになり、2種類の流体を一定の比率で混合した混合流体を入口ポート40から取出すことが可能になる。
【0052】
このように混合弁として用いた場合においても、第3のダイヤフラム67に作用するライン圧と弁体51に作用するライン圧とが互いに相殺される。しかも第4のダイヤフラム68に作用するライン圧と弁体52に作用するライン圧とが互いに相殺される。従ってポート41、42にそれぞれ作用する圧力であって混合される2種のガスの圧力の変動によって弁体51、52が軸線方向に移動しない。すなわち互いに混合される2種類のガスの圧力変動がノイズにならず、適正な混合比で混合された流体を入力ポート40から取出すことが可能になる。
【0053】
次に別の実施の形態を図10によって説明する。この実施の形態は信号圧の増加に伴う力のアンバランスを第1のダイヤフラム65と第2のダイヤフラム66の有効面積の変化によって新たな力の平衡状態を現出する構造に代えて、圧縮コイルばね96の弾性復元力の変化を利用して力の平衡を得るようにしたものである。すなわちこの実施の形態は、ダイヤフラム65〜68として湾曲部の幅が狭い通常のダイヤフラムを使用するとともに、凹部62内に圧縮コイルばね96を配し、この圧縮コイルばね96によって第2の圧力板64を上方に押圧するようにしたものである。
【0054】
原理は次の通りである。上側の第1のダイヤフラム65の上面に信号圧Ps が加えられると、これに伴って一対の弁体51、52が下方へ移動する。従って第2の圧力板64によって圧縮コイルばね96が押され、この圧縮コイルばね96の変形量が大きくなって新たな平衡状態に達するようになる。
【0055】
分流弁として用いたときの動作について説明する。入力信号が0の状態では上側のダイヤフラム65に加わる信号圧Ps はほぼ0の状態である。これに対して第2のダイヤフラム66にはパイロット圧Pp が加わっており、さらに圧縮コイルばね96の弾性復元力k・xが作用している。従って一対の弁体51、52は上方に押えつけられており、弁体51は全閉の状態で弁体52が全開の状態になっている。
【0056】
ダイヤフラム65に信号圧Ps を印加するとともにこの信号圧Ps を増加させると、上方から下方へ向って働く力が増加し、力のバランスが崩れ、次のような状態になる。
【0057】
Ps ・S1 >Pp ・S2 +k・x
ここでkはばね96のばね定数を示し、xはばね96の変形量を示している。
【0058】
このような力のアンバランスによって一対の弁体51、52が下方へ移動する。すると圧縮コイルばね96の変形量が△xだけ増加する。そして
Ps ・S1 =Pp ・S2 +k・(x+△x)
なる平衡状態に達する。すなわち一対の弁体51、52が所定のストローク移動すると新たな平衡状態に達する。従ってこのような平衡状態に応じて、弁体51および弁体52は所定の開度を維持するようになる。従って入口ポート40から導入される一次流体は所定の分流比で出口ポート41、42に分流されることになる。なおこのような信号圧の変化に伴う力の新たなバランスによる分流の動作は、混合の場合についても同様であって、信号圧Ps に比例する比率で2種類の流体を混合して入口ポート40から取出すことが可能になる。
【0059】
このようにばね96によってフォースバランスを成立させるようにした制御弁においても、第3のダイヤフラム67の有効面積と一方の弁体51が着座するバルブシート45の有効面積とが互いに等しくなっている。従って出力ポート41を通して加えられるライン圧によって第3のダイヤフラム67に加えられる軸線方向の力とバルブシート45の部分を通して弁体51に加えられる軸線方向の力とがバランスして相殺される。
【0060】
また下側の第4のダイヤフラム68の有効面積と弁体52が着座するバルブシート46の有効面積とが互いに等しくなっており、このために出力ポート42を通して加えられるライン圧が第4のダイヤフラム68に作用する力と弁体52に作用する力とが等しくなって両者が互いに相殺される。
【0061】
従って出力ポート41、42に生ずるライン圧の変動によって弁体51、52が軸線方向に移動することがなく、このためにライン圧がノイズして作用することがなくなる。しかもこのような制御弁においても、バルブシート45と弁体51との間の隙間とバルブシート46と弁体52との間の隙間の和が常にほぼ一定になり、図9に示す関係が成立する。従ってトータルとしてのガスの流動が一定になる。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、入口ポートと、分岐通路と、該分岐通路の両側に連通する一対の出口ポートとを設けた本体ブロックを具備し、分岐通路の軸線方向の両端にそれぞれスリーブを嵌着させ、該スリーブの外周面上に一対の出力ポートと連通する孔を備えた周溝を形成するとともに、一対のスリーブの互いに対向する内周側のエッジをバルブシートとなし、一対のスリーブのエッジの部分のバルブシートに着座すると対応する出口ポートを閉塞するとともに互いに一体になって分岐通路内を軸線方向に移動するように一対の弁体を配し、信号圧を第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えると、該第1の圧力板によって一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、信号圧が増加して一方の弁体が一方の出口ポートを開くように移動するときに第1のダイヤフラムの有効面積が小さくなり、入口ポートに供給される流体を一対の出口ポートに信号圧に応じた分流比で分流させるか、一対の出口ポートに供給される流体を信号圧に応じた混合比で混合して入口ポートから出すようにし、第1の圧力板に対して第1のダイヤフラムとは反対側に第3のダイヤフラムが配され、該第3のダイヤフラムによってライン圧を第1のダイヤフラムに対して遮断し、第3のダイヤフラムの有効面積と一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくするものである。
【0063】
従ってこのような制御弁によれば、第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えられる信号圧に応じて第1のダイヤフラムが変形するとその有効面積が変化し、所定の変位でフォースバランスが成立するようになり、自動的に分流比が設定される。従って応答速度に優れ、機構が簡単で、しかも高精度な制御が可能になる。しかも第3のダイヤフラムの有効面積と一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とが実質的に等しくなっているために、ライン圧の変動によって弁体が軸線方向に移動することがなく、ライン圧がノイズとなって分流比あるいは混合比を変化させることがない。
【0064】
請求項4の発明は、入口ポートと、分岐通路と、該分岐通路の両側に連通する一対の出口ポートとを設けた本体ブロックを具備し、分岐通路の軸線方向の両端にそれぞれスリーブを嵌着させ、該スリーブの外周面上に一対の出力ポートと連通する孔を備えた周溝を形成するとともに、一対のスリーブの互いに対向する内周側のエッジをバルブシートとなし、一対のスリーブのエッジの部分のバルブシートに着座すると対応する出口ポートを閉塞するとともに互いに一体になって分岐通路内を軸線方向に移動するように一対の弁体を配し、信号圧を第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えると、該第1の圧力板によって一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、信号圧による力と対向するようにばねが配され、信号圧が増加して一方の弁体が一方の出口ポートを開くように移動するときにばねの変形が大きくなり、入口ポートに供給される流体を一対の出口ポートに信号圧に応じた分流比で分流させるか、一対の出口ポートに供給される流体を信号圧に応じた混合比で混合して入口ポートから出すようにし、第1の圧力板に対して第1のダイヤフラムとは反対側に第3のダイヤフラムが配され、該第3のダイヤフラムによってライン圧を第1のダイヤフラムに対して遮断し、第3のダイヤフラムの有効面積と一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくするものである。
【0065】
従ってこのような制御弁によれば、第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えられる信号圧に応じて信号圧と対向するように配されたばねが変形するとともにその変形に伴う弾性復元力が大きくなり、やがて所定の変形量でフォースバランスが成立するようになる。従ってこのようなフォースバランスによって成立した位置において自動的に分流比あるいは混合比が設定され、応答速度に優れ、機構が簡単で、しかも高精度な制御が可能な制御弁が提供される。しかも第3のダイヤフラムの有効面積と一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくしているために、ライン圧の変化によって弁体が軸線方向に移動することが防止され、ライン圧がノイズにならない制御弁が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】制御弁の全体の構成を示す縦断面図である。
【図2】弁体と上下のスリーブとの組合わせを示す分解斜視図である。
【図3】ダイヤフラムの周縁部の湾曲部の曲率中心の変化を示す縦断面図である。
【図4】第1のダイヤフラムの軸線方向の変位に伴う周縁部の湾曲部の曲率中心の変化を示す縦断面図である。
【図5】第2のダイヤフラムの軸線方向の変位に伴う周縁部の湾曲部の曲率中心の変化を示す縦断面図である。
【図6】第1および第2のダイヤフラムの有効面積の変化を示すグラフである。
【図7】使用時の制御弁の接続を示すブロック図である。
【図8】信号圧に対する弁体のストロークを示すグラフである。
【図9】弁体のストロークとガスの流量との関係を示すグラフである。
【図10】第2の実施の形態の制御弁の縦断面図である。
【図11】従来の分流弁の縦断面図である。
【符号の説明】
1 ブロック
2 入口ポート、
3、4 出口ポート
5、6 ニードル弁
7、8 雄ねじ
9、10 歯車
11 支軸
12 カップリング
13 モータ
14 コントローラ
33、34 周溝
35、36 案内用突部
37 本体ブロック
40 入口ポート
41、42 出口ポート
43 分岐通路
45、46 バルブシート
47、48 スリーブ
49、50 円形孔
51、52 弁体
53、54 凹部
55、56 突部
57 連結ロッド
61、62 凹部
63 第1の圧力板
64 第2の圧力板
65 第1のダイヤフラム
66 第2のダイヤフラム
67 第3のダイヤフラム
68 第4のダイヤフラム
69 突部
71、72 小孔
75、76 補助ポート
77 オリフィス
80 ノズル
81 フラッパ
82 弾性支持板
83 開口
86 ハウジング
87 ヨーク
88 マグネット
89 センタコア
90 ボビン
91 コイル
92 可動板
93 小孔
96 ばね
Claims (6)
- 入口ポートと、分岐通路と、該分岐通路の両側に連通する一対の出口ポートとを設けた本体ブロックを具備し、
前記分岐通路の軸線方向の両端にそれぞれスリーブを嵌着させ、該スリーブの外周面上に前記一対の出力ポートと連通する孔を備えた周溝を形成するとともに、前記一対のスリーブの互いに対向する内周側のエッジをバルブシートとなし、
前記一対のスリーブのエッジの部分のバルブシートに着座すると対応する出口ポートを閉塞するとともに互いに一体になって前記分岐通路内を軸線方向に移動するように一対の弁体を配し、
信号圧を第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えると、該第1の圧力板によって一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
信号圧が増加して一方の弁体が一方の出口ポートを開くように移動するときに第1のダイヤフラムの有効面積が小さくなり、
入口ポートに供給される流体を一対の出口ポートに信号圧に応じた分流比で分流させるか、一対の出口ポートに供給される流体を信号圧に応じた混合比で混合して入口ポートから出すようにし、
第1の圧力板に対して前記第1のダイヤフラムとは反対側に第3のダイヤフラムが配され、該第3のダイヤフラムによってライン圧を前記第1のダイヤフラムに対して遮断し、
前記第3のダイヤフラムの有効面積と前記一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくすることを特徴とする制御弁。 - 分岐通路に対して前記第1の圧力板とは反対側に第2の圧力板を配し、パイロット圧を第2のダイヤフラムを介して前記第2の圧力板に加えると該第2の圧力板によって他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
前記第2の圧力板に対して前記第2のダイヤフラムとは反対側に第4のダイヤフラムが配され、該第4のダイヤフラムによってライン圧を前記第2のダイヤフラムに対して遮断し、前記第4のダイヤフラムの有効面積と前記他方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくすることを特徴とする請求項1に記載の制御弁。 - パイロット圧が相対的に増加して他方の弁体が他方の出口ポートを開くように移動するときに、第2のダイヤフラムの有効面積が小さくなることを特徴とする請求項2に記載の制御弁。
- 入口ポートと、分岐通路と、該分岐通路の両側に連通する一対の出口ポートとを設けた本体ブロックを具備し、
前記分岐通路の軸線方向の両端にそれぞれスリーブを嵌着させ、該スリーブの外周面上に前記一対の出力ポートと連通する孔を備えた周溝を形成するとともに、前記一対のスリーブの互いに対向する内周側のエッジをバルブシートとなし、
前記一対のスリーブのエッジの部分のバルブシートに着座すると対応する出口ポートを閉塞するとともに互いに一体になって前記分岐通路内を軸線方向に移動するように一対の弁体を配し、
信号圧を第1のダイヤフラムを介して第1の圧力板に加えると、該第1の圧力板によって一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
信号圧による力と対向するようにばねが配され、信号圧が増加して一方の弁体が一方の出口ポートを開くように移動するときに前記ばねの変形が大きくなり、
入口ポートに供給される流体を一対の出口ポートに信号圧に応じた分流比で分流させるか、一対の出口ポートに供給される流体を信号圧に応じた混合比で混合して入口ポートから出すようにし、
第1の圧力板に対して前記第1のダイヤフラムとは反対側に第3のダイヤフラムが配され、該第3のダイヤフラムによってライン圧を前記第1のダイヤフラムに対して遮断し、
前記第3のダイヤフラムの有効面積と前記一方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくすることを特徴とする制御弁。 - 分岐通路に対して前記第1の圧力板とは反対側に第2の圧力板を配し、パイロット圧を第2のダイヤフラムを介して前記第2の圧力板に加えると該第2の圧力板によって他方の弁体が他方の出口ポートと連通するバルブシートから離間するとともに、一方の弁体が一方の出口ポートと連通するバルブシートに着座するように移動し、
前記第2の圧力板に対して前記第2のダイヤフラムとは反対側に第4のダイヤフラムが配され、該第4のダイヤフラムによってライン圧を前記第2のダイヤフラムに対して遮断し、前記第4のダイヤフラムの有効面積と前記他方の弁体が着座するバルブシートの有効面積とを実質的に等しくすることを特徴とする請求項4に記載の制御弁。 - パイロット圧が相対的に増加して他方の弁体が他方の出口ポートを開くように移動するときに、第2のダイヤフラムの有効面積が小さくなることを特徴とする請求項5に記載の制御弁。
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