JP4804404B2 - 燃料ポンプ装置及び燃料供給装置 - Google Patents

Description

本発明は、燃料タンク内の燃料を燃料タンク外の供給先に供給する燃料供給装置に関し、特に、燃料ポンプの吸入口に接続されるサクションフィルタに関する。

車両に搭載される燃料タンクには、燃料タンク内の燃料を内燃機関に供給するための燃料供給装置が配設されている。この燃料供給装置は、燃料ポンプと、燃料ポンプの吸入口に接続されるサクションフィルタを備えている。
サクションフィルタは、燃料中の異物を捕捉するための部材である。サクションフィルタは、その性質上、使用するに従って表面に異物が付着していく。サクションフィルタへの異物の付着量が増大すれば、濾過抵抗が増大し、燃料ポンプに掛かる負荷が増大する。負荷が増大すると、燃料ポンプの吐出流量が減少し、ポンプ効率が低下する。
サクションフィルタの目詰まりの発生をできるだけ遅らせるためには、サクションフィルタの濾過面積をできるだけ大きくする必要がある。しかし、サクションフィルタの濾過面積をただ大きくするだけでは装置が大型化してしまう。
特許文献１,２には、サクションフィルタの内部空間と燃料ポンプの燃料吸入口とを連通（接続）する連通管を屈曲し、燃料ポンプの長手方向に沿ってサクションフィルタを配置する技術が開示されている。この技術では、連通管の形状（屈曲位置，屈曲方向等）によって燃料ポンプに対するサクションフィルタの位置を調整することができる。このため、サクションフィルタの濾過面積を増大させつつ、装置の大型化を回避できる。

特開２００６−１４４５５３号 特開２００６−１９４２３９号

しかし、連通管を用いた燃料供給装置では、サクションフィルタで吸入した燃料は連通管を流れて燃料ポンプに吸引される。このため、連通管内の燃料の流れに乱れが生じると、それによってベーパが発生し、あるいは圧力損失が生じ、燃料ポンプに負荷が掛かることとなる。従来の燃料供給装置では、連通管内の燃料の流れが考慮されていないため、その分だけ燃料ポンプに掛かる負荷が大きくなり、ポンプ効率の低下が生じていた。
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、燃料ポンプとサクションフィルタを連通管（連通部材）によって接続した燃料供給装置において、連通管内の燃料の流れをスムーズにすることで、燃料ポンプのポンプ効率を向上することができる技術を提供することを目的としている。

本明細書に開示するサクションフィルタは、燃料ポンプの吸入口に接続されるものである。このサクションフィルタは、袋状にされた濾過部材と、袋状にされた濾過部材の内部空間と燃料ポンプの燃料吸入口とを連通する連通部材を有している。そして、袋状にされた濾過部材と連通部材との連結部における連通部材の端部の形状が濾過部材に向かって徐々に拡開する形状である。
このサクションフィルタでは、濾過部材と連通部材との連結部における連通部材の端部の形状が濾過部材に向かって徐々に拡開する形状（ラッパ形状）であるため、濾過部材を透過した燃料がスムーズに連通部材内へ流れることができる。このため、濾過部材と連通部材との連結部において発生しやすかった燃料の乱れの発生が抑制され、連結部におけるベーパの発生や圧力損失を低減することができる。これによって、燃料ポンプに掛かる負荷が低減され、ポンプ効率を向上することができる。
上記の連通部材は、樹脂等によって成形することで、ある程度の剛性を有していることが好ましい。また、連通部材の内面（すなわち、流路内壁面）は円滑な面に形成されていることが好ましい。これによって、燃料の乱れがより抑制され、燃料ポンプに掛かる負荷をより低減することができる。

このサクションフィルタの濾過部材の濾過面積は、連通部材の端部の断面積（流路断面積）よりも大きいことが好ましい。
このような構成によると、濾過面積が大きくとられるため、サクションフィルタの目詰まりの発生をできるだけ遅らせることができる。これにより、燃料ポンプの吐出流量の低減を抑制し、燃料ポンプのポンプ効率を低下しにくくすることが可能となる。

また、本明細書は、上述のサクションフィルタを備えた新規な燃料ポンプ装置を提供する。すなわち、本明細書に開示する燃料ポンプ装置は、燃料ポンプと、その燃料ポンプの燃料吸入口に接続された上述のサクションフィルタを備えている。この燃料ポンプ装置の濾過部材は、燃料ポンプの長手方向に伸びる管状に成形されており、その管状に成形された濾過部材によって燃料ポンプの周囲が取り囲まれている。また、管状に成形された濾過部材の表面全体が燃料タンク内に露出するようになっている。
サクションフィルタの濾過部材を燃料ポンプの長手方向に伸びる管状に成形し、燃料ポンプの周囲に濾過部材を配置することによって、濾過部材の濾過面積を増大させつつ、装置をコンパクト化して小型化することができる。

ここで、上記の「管状に成形」には、袋状の濾過部材を湾曲又は屈曲等させて管状に成形するだけではなく、（１）濾過部材が複数の板状又は円弧状に分割され、それら分割された各濾過部材が管状に配置されている場合や、（２）湾曲又は屈曲することで管状に成形される濾過部材の周方向にスリット（切欠き）が形成されたような場合をも含む。なお、上記（１）の場合には、分割された各濾過部材を間隔を空けて配置することで、管状の濾過部材の周方向にスリット（切欠き）を形成することもできる。上記（１）や（２）のように管状に成形された濾過部材の周方向にスリット（切欠き）を形成すると、その部分に他の機能部品（例えばジェットポンプ等）を配置することができるため、様々な構成の装置に対応させることが可能となる。

この燃料ポンプ装置の連通部材は、濾過部材の全周において濾過部材と連結されていてもよいし、周方向１箇所以上において濾過部材と連結されていてもよい。濾過部材の少なくとも周方向１箇所において連結しても、濾過部材を通過した燃料が連通部材において流路抵抗にならなければ、連通部材としての機能を充分に満たすことができる。

また、本明細書は、上述の燃料ポンプ装置を備えた新規な燃料供給装置を提供する。すなわち、本明細書に開示する燃料供給装置は、上述の燃料ポンプ装置を備えており、その燃料ポンプ装置はリザーブカップ内に配置される。そして、リザーブカップの内壁と濾過部材の外周面との間には、周方向の少なくとも一箇所に隙間が形成されている。
リザーブカップの内壁と濾過部材の外周面とが密着してしまうと、濾過部材の外周面が濾過部として機能せず、濾過部材の濾過面積が減少する。リザーブカップの内壁と濾過部材の外周面との間に隙間を少なくとも一箇所設けることによって、濾過部材の外周面で濾過を行うことができ、燃料ポンプのポンプ効率を低下しにくくすることができる。

この燃料供給装置においては、リザーブカップの底面の内壁に凸部（例えば、リブ）が形成されており、この凸部と連通部材が接触していてもよい。
このような構成によると、リザーブカップの底面に形成された凸部によって、サクションフィルタは、その下端がリザーブカップの底面から浮上った状態で支持され、その下端がリザーブカップの底面に押付けられることはない。このため、濾過部材がリザーブカップの底面に押付けられて変形してしまうことが防止される。これにより、サクションフィルタの濾過面積が減少してしまうことが防止できる。

あるいは、この燃料供給装置の連通部材の一部に濾過部が形成されていてもよい。これによって、濾過面積をさらに増大させることができ、燃料ポンプのポンプ効率をさらに低下し難くすることが可能となる。

以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
（形態１） 燃料供給装置は、燃料タンクの天井部に形成された開口に取付けられている。燃料ポンプは、その軸線が燃料タンクの開口に対して垂直となっており、燃料吐出口が上側となり、燃料吸入口が下側となるように配設されている。
（形態２） サクションフィルタの濾過部材の内周面と、サクションフィルタのすぐ内側に配設されている部材（燃料ポンプや燃料フィルタ）の外周面との間に隙間が形成されている。
（形態３） リザーブカップの内側にサクションフィルタが配設されており、サクションフィルタの濾過部材の外周面とリザーブカップの内周面との間に隙間が形成されている。

（実施例１） 本発明を具現化した第１実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置は、自動車の燃料タンクに取付けられ、エンジンへ燃料を供給するために利用される。図１に示すように、燃料供給装置は、燃料タンク１２の天井部の開口１２ａに装着されて開口１２ａを塞ぐ燃料取出し部１４と、開口１２ａから挿入されて燃料タンク１２内に配置される燃料ポンプ部１６とを備えている。

燃料取出し部１４は、リング状のリングプレート１８と、リングプレート１８の開口１８ａを塞ぐ蓋部材２０を有している。蓋部材２０の上面には、燃料取出し管２６とコネクタ２８が形成されている。燃料取出し管２６は、図示しない燃料供給管の一端と接続されている。燃料供給管の他端はエンジンと接続されている。コネクタ２８は、図示しない導線を介して外部電源と接続されている。蓋部材２０の下面には、垂直に伸びる略円筒形状の接続部２０ａが形成されている。蓋部材２０の周縁の下面と、燃料タンク１２の開口１２ａの端部の上面との間には、シール部材２２が配設されている。リングプレート１８の外周縁の下面と、燃料タンク１２の上面との間には、リングプレート１８を燃料タンク１２に固定する固定部材２４が配設されている。蓋部材２０は、燃料タンク１２の開口１２ａを塞ぐように配され、リングプレート１８は、その内周縁（開口１８ａ端部）が、蓋部材２０の周縁を押えるように配されている。このような構成によって燃料供給装置は、燃料タンク１２に液密に固定されている。

燃料ポンプ部１６は、ケーシング３２と、燃料ポンプ３４と、燃料フィルタ３６と、サクションフィルタ３８を備えている。ケーシング３２は上端が開口している略円筒形状であり、内部に周知の燃料ポンプ３４や燃料フィルタ３６等を収容している。ケーシング３２の上端には、蓋部材２０の接続部２０ａが嵌合されている。即ち、燃料ポンプ部１６は、蓋部材２０の下面に吊り下げられた状態で保持されている。燃料ポンプ３４は、その軸線が燃料タンク１２の開口に対して垂直となっており、燃料吐出口３４ａが上側となり、燃料吸入口３４ｂが下側となるようにケーシング３２内に収容されている。燃料吐出口３４ａは、接続管４０を介して燃料フィルタ３６と接続されている。燃料フィルタ３６は略円筒形状であり、燃料ポンプ３４の周囲に配設されている。燃料フィルタ３６は、接続管３０を介して燃料取出し管２６と接続されている。燃料取出し管２６には、図示しないプレッシャレギュレータが設けられている。燃料ポンプ３４の上端にはコネクタ４２が形成されている。コネクタ４２は、導線４５を介してコネクタ２８と接続されている。

図１から図３に示すように、サクションフィルタ３８は、図示しない樹脂製のフレームと、これを覆う袋状のメッシュ４４を有している。フレームは略円筒形状の枠体であり、フレームによってメッシュ４４は略円筒形状に保持（成形）されている。略円筒形状に成形されたメッシュ４４の下部には燃料通路４６が連結されている。燃料通路４６は、略円盤形状の２枚の板で形成されており、これら２枚の板の間に燃料流路が形成されている。燃料通路４６を形成する２枚の板は樹脂製であり、ある程度の剛性を有している。また、２枚の板の対向する各面は円滑な面に形成されている（すなわち、燃料通路４６の内壁面は円滑な面に形成されている）。燃料通路４６の上面には、燃料ポンプ３４との接続部４６ａが形成されている。接続部４６ａは燃料ポンプ３４の燃料吸入口３４ｂに接続されている。図２に示すように、メッシュ４４の内周面と燃料通路４６との連結部４８は、メッシュ４４側に向かって拡開したラッパ形状となっている。即ち、燃料通路４６の周縁部は上下方向に拡開しており、拡開部の縦断面形状は円弧状となっている。サクションフィルタ３８（すなわち、円筒形状に成形されたメッシュ４４）の径は、燃料タンク１２の開口１２ａの径よりやや小さい径となっている。サクションフィルタ３８は、ケーシング３２の外周面と下部を取囲むように配置されている。サクションフィルタ３８の内周面とケーシング３２の外周面との間には隙間が形成されている。サクションフィルタ３８の外周面と燃料タンク１２の間にも隙間が形成されている。

燃料供給装置の動作について説明する。外部電源から燃料ポンプ３４に電力が供給されると、燃料ポンプ３４が駆動される。燃料ポンプ３４が駆動されると、燃料タンク１２内の燃料は、サクションフィルタ３８のメッシュ４４の外側から内側へ吸引される。このとき、燃料はメッシュ４４によって濾過され、燃料中の異物はメッシュ４４の外表面に付着する。異物が除去された燃料は、燃料通路４６を通って、燃料吸入口３４ｂから燃料ポンプ３４内へ吸入される。燃料ポンプ３４内に吸入された燃料は、昇圧されて燃料吐出口３４ａから吐出される。燃料ポンプ３４から吐出された燃料は、燃料フィルタ３６へ送られ、再度濾過され、プレッシャレギュレータによってエンジンの運転状態に応じた圧力に調圧される。調圧された燃料は、燃料取出し管２６からエンジンへ送られる。

本実施例の燃料供給装置では、サクションフィルタ３８の燃料濾過部であるメッシュ４４が、燃料ポンプ３４の周面に沿って上下方向に伸びる円筒形状に成形されている。これによって、メッシュ４４の濾過面積を大きくしつつ、燃料供給装置の大型化を抑制することができる。
また、メッシュ４４を透過した燃料は連結部４８から燃料通路４６に流れ込むが、この連結部４８はメッシュ４４側に向かって拡開するラッパ形状となっている。このため、メッシュ４４を透過した燃料は、スムーズに燃料通路４６へ流れることができ、連結部４８におけるベーパの発生や、連結部４８における圧力損失を抑えることができる。従って、燃料ポンプ３４に掛かる負荷が小さくなり、ポンプ効率をより向上することができる。

（実施例２） 本発明を具現化した第２実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置と第１実施例の燃料供給装置とは、燃料ポンプ部６６の構成が一部相違している。このため、ここでは主に本実施例と第１実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第１実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図４に示すように、燃料ポンプ部６６は、リザーバカップ６２と、燃料ポンプ３４と、燃料フィルタ３６と、サクションフィルタ６８等を備えている。燃料フィルタ３６は略円筒形状であり、燃料ポンプ３４の周囲に配設されている。サクションフィルタ６８は、第１実施例と同様に略円筒形状であり、下部には円盤形状の燃料通路７６が形成されている。燃料通路７６とメッシュ７４との連結部７８は、第１実施例と同様のラッパ形状となっている。燃料通路７６の上面には燃料ポンプ３４との接続部７６ａが形成されており、接続部７６ａは燃料ポンプ３４の燃料吸入口３４ｂと接続されている。サクションフィルタ６８は、燃料フィルタ３６の外周面と下部を取囲むように配置されている。リザーバカップ６２は略円筒形状であり、上端は開口し、底部を有している。リザーバカップ６２は、燃料ポンプ３４と、燃料フィルタ３６と、サクションフィルタ６８を収容し、燃料タンク１２の底部に設置されている。サクションフィルタ６８の外周面とリザーバカップ６２の内周面との間には隙間が形成されている。リザーバカップ６２の径は、燃料タンク１２の開口１２ａの径よりやや小さい径となっている。

本実施例の燃料供給装置では、サクションフィルタ６８は、燃料ポンプ３４の周囲を取囲む燃料フィルタ３６と、リザーバカップ６２との間に配設されている。この構成によっても、サクションフィルタ６８の燃料濾過部であるメッシュ７４は、燃料ポンプ３４の周面に沿って上下方向に伸びる円筒形状に形成されている。従って、本実施例の燃料供給装置でも、装置を大型化することなく濾過面積を増大させることができる。
また、メッシュ７４と燃料通路７６の連結部７８は、第１実施例と同様にラッパ形状となっており、連結部７８における燃料の圧力損失が小さく抑えられている。このため、燃料ポンプ３４に掛かる負荷が低減され、燃料ポンプ３４のポンプ効率を向上することができる。

（実施例３） 本発明を具現化した第３実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置は、上述した各実施例の燃料供給装置と比較して、サクションフィルタ８２の形状が相違している。このため、ここでは主に本実施例と第１実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第１実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図５に示すように、サクションフィルタ８２は、円筒形状に成形されたメッシュ８４の周方向の一部に切欠き（スリット）が形成されている（すなわち、メッシュ８４の水平断面形状が円弧形状となっている）。サクションフィルタ８２の下部には、円盤形状の燃料通路８６が形成されている。燃料通路８６の端部はメッシュ８４に連結されており、メッシュ８４に切欠きが形成された部分では閉じられている。燃料通路８６の端部とメッシュ８４の連結部は、第１実施例と同様のラッパ形状となっている。燃料通路８６の上面には燃料ポンプ３４の燃料吸入口３４ｂとの接続部８６ａが形成されている。

本実施例の燃料供給装置では、サクションフィルタ８２のメッシュ８４に切欠が設けられ、不完全な管形状となっている。これによれば、完全な管形状のものと比べて、メッシュ８４を容易に袋状に形成することができ、生産性が飛躍的に向上する。また、この切欠部分に他の機能部品（例えばジェットポンプ等）を配置することができるため、様々な構成の装置に対応させることができる。なお、本実施例のサクションフィルタ８２は、上述した各実施例の燃料供給装置のサクションフィルタとして用いることができる。

（実施例４） 本発明を具現化した第４実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置は、第３実施例の燃料供給装置と比較して、サクションフィルタ９２の形状が相違している。このため、ここでは主に本実施例と第３実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第３実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図６に示すように、サクションフィルタ９２は、メッシュ９４の周方向２箇所に切欠き（スリット）が形成されている（すなわち、メッシュ９４は２つに分割されている）。２つの切欠きは、対向する位置に形成されている。なお、本実施例では、メッシュに形成された２つの切欠きを対向する位置に配置したが、メッシュに形成される切欠きの位置は適宜変更することができる（例えば、他の機能部品（ジェットポンプ等）の配置に応じて適宜変更することができる）。サクションフィルタ９２の下部には、円盤形状の燃料通路９６が形成されている。燃料通路９６の端部はメッシュ９４に連結されており、メッシュ９４に切欠きが形成された部分では閉じられている。燃料通路９６の端部とメッシュ９４の連結部は、第１実施例と同様のラッパ形状となっている。燃料通路９６の上面には燃料ポンプ３４の燃料吸入口３４ｂとの接続部９６ａが形成されている。

本実施例の燃料供給装置では、サクションフィルタ９２のメッシュ９４に２箇所の切欠が設けられ、２つに分割されている。このような構成によっても、管状のものと比べて製造が容易となる。また、この切欠部分に他の機能部品（例えばジェットポンプ等）を配置することが可能となるため、様々な構成の装置に対応させることができる。なお、本実施例のサクションフィルタ９２は、上述した各実施例の燃料供給装置のサクションフィルタとして用いることができる。

（実施例５） 本発明を具現化した第５実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置では、第１実施例や第２実施例の燃料供給装置と比較して、サクションフィルタ１０２の燃料通路１０６の形状が相違している。このため、ここでは主に本実施例と第１実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第１実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図７に示すように、本実施例のサクションフィルタ１０２では、メッシュ１０４の下部に２本の管状の燃料通路１０６が連結されている。各燃料通路１０６は、メッシュ１０４の中心で交差している。各燃料通路１０６の両端はメッシュ１０４に連結され、各連結部は第１実施例と同様にラッパ形状に形成されている。各燃料通路１０６が交差する部分には、燃料ポンプ３４の燃料吸入口３４ｂとの接続部１０６ａが形成されている。

本実施例のサクションフィルタ１０２でも、第１実施例や第２実施例の燃料供給装置と同様の効果が得られる。また、２本の燃料通路１０６によってメッシュ１０４の周方向４箇所が支持されるため、メッシュ１０４の円筒形状が好適に維持される。
なお、本実施例のサクションフィルタ１０２の燃料通路１０６は、上述した各実施例のサクションフィルタの燃料通路として用いることができる。また、メッシュと燃料ポンプを連通する燃料通路の数は２本に限られず、１本あるいは３本以上としてもよい。

（実施例６） 本発明を具現化した第６実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置では、第３実施例の燃料供給装置と比較して、サクションフィルタ１１２の燃料通路１１６の形状が相違している。このため、ここでは主に本実施例と第３実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第３実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図８に示すように、サクションフィルタ１１２は、メッシュ１１４の周方向の一部に切欠きが形成されている。サクションフィルタ１１２の下部には１本の管状の燃料通路１１６が形成されている。燃料通路１１６の両端はメッシュ１１４に連結され、各連結部はラッパ状に形成されている。燃料通路１１６は、メッシュ１１４の中心を通り、その中心部に燃料ポンプ３４の燃料吸入口３４ｂとの接続部１１６ａが形成されている。

本実施例の燃料供給装置によっても、第３実施例の燃料供給装置と同様の効果が得られる。なお、本実施例の燃料供給装置では、１本の管状の燃料通路１１６のみを備えているが、複数本の燃料通路を備えることができる。

（実施例７） 本発明を具現化した第７実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置では、第４実施例の燃料供給装置と比較して、サクションフィルタ１２２の燃料通路１２６の形状が一部相違している。このため、ここでは主に本実施例と第４実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第４実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図９に示すように、サクションフィルタ１２２は、メッシュ１２４の周方向２箇所に切欠きが形成されている。サクションフィルタ１２２の下部には２本の管状の燃料通路１２６が形成されている。各燃料通路１２６の両端はメッシュ１２４と連結され、その連結部はラッパ状に形成されている。各燃料通路１２６は、メッシュ１２４の中心で交差し、その中心部分に燃料ポンプ３４の燃料吸入口３４ｂとの接続部１２６ａが形成されている。

本実施例の燃料供給装置によっても、第４実施例の燃料供給装置と同様の効果が得られる。なお、本実施例の燃料供給装置では、サクションフィルタ１２２が２本の管状の燃料通路１２６を備えていたが、燃料通路１２６の数は１本でもよく、あるいは３本以上であっても構わない。

（実施例８） 本発明を具現化した第８実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置では、第２実施例の燃料供給装置と比較して、リザーバカップ１３８の形状が相違している。このため、ここでは主に本実施例と第２実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第２実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図１０に示すように、リザーバカップ１３８は、燃料ポンプ３４と、燃料フィルタ３６と、サクションフィルタ１３２を収容している。リザーバカップ１３８の内周面には、上下方向（燃料ポンプ３４の軸線方向）に伸びる８本のリブ１３８ａが等間隔に形成されている。リブ１３８ａは、サクションフィルタ１３２の外周面に接触するように中心側へ突出している。リブ１３８ａによって、サクションフィルタ１３２の外周面とリザーバカップ１３８の内周面との間に、リブ１３８ａの突出長さ分の隙間が形成されている。

本実施例の燃料供給装置では、リザーバカップ１３８の内周面にリブ１３８ａが形成されているため、サクションフィルタ１３２の外周面とリザーバカップ１３８の内周面とが密着しない。これによって、サクションフィルタ１３２の外周面が濾過部として機能することが担保され、サクションフィルタ１３２の濾過面積を十分に確保することができる。
なお、リブ１３８ａの形状、数及び位置等については適宜変更することができる。

（実施例９） 本発明を具現化した第９実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置では、第２実施例の燃料供給装置と比較して、リザーバカップ１４８の形状が一部相違している。このため、ここでは主に本実施例と第２実施例との相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第２実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図１１に示すように、リザーバカップ１４８は、燃料ポンプ３４と、燃料フィルタ３６と、サクションフィルタ１４２を収容している。リザーバカップ１４８の底面には、円筒形状の板状のリブ１４８ａが形成されている。リブ１４８ａは、リザーバカップ１４８の底面より上側へ突出しており、サクションフィルタ１４２の燃料通路１４６の下面を支持している。サクションフィルタ１４２は、リブ１４８ａによって、下端（メッシュ１４４部分の下端）がリザーバカップ１４８の底面から浮上った状態で支持されている。

本実施例の燃料供給装置では、リザーバカップ１４８の底面に形成されているリブ１４８ａによって、サクションフィルタ１４２は、その下端がリザーバカップ１４８の底面から浮上った状態で支持される。このため、サクションフィルタ１４２の下端がリザーバカップ１４８の底面に押付けられることがない。従って、メッシュ１４４部分の変形に起因するサクションフィルタ１４２の濾過面積の減少を防止することができる。
なお、リブ１４８ａの形状、数及び位置等については適宜変更することができる。

（実施例１０） 本発明を具現化した第１０実施例を図を用いて説明する。本実施例の燃料供給装置では、第９実施例の燃料供給装置と比較して、サクションフィルタ１５２の燃料通路１５６の構成が一部相違している。このため、ここでは主に本実施例と第９実施例の相違点について説明し、重複説明を省略する。また、本実施例の燃料供給装置と第９実施例の燃料供給装置とに共通の部材については同一符号を用いることとする。

図１２と図１３に示すように、サクションフィルタ１５２の燃料通路１５６の上面と下面には、燃料通路１５６と同心状にメッシュ部１５６ａ，１５６ｂが形成されている。メッシュ部１５６ａ，１５６ｂは、サクションフィルタ１５２のメッシュ１５４と同素材である。リザーバカップ１４８の底面に形成されているリブ１４８ａは、燃料通路１５６下面の、メッシュ部１５６ｂ以外の部分（ある程度の剛性を有する部分）を支持している。サクションフィルタ１５２は、リブ１４８ａによって、その下端がリザーバカップ１４８の底面から浮上った状態で支持されている。

本実施例の燃料供給装置では、サクションフィルタ１５２の燃料通路１５６の一部にメッシュ部１５６ａ，１５６ｂを形成されているため、燃料ポンプ３４の周囲だけでなく、下方にも燃料濾過部が形成される。これによって、濾過面積が増大するため、ポンプ効率の低下を効果的に抑制することができる。また、サクションフィルタ１５２は弾性体であるため、メッシュ部１５６ａ，１５６ｂを燃料ポンプ３４の下方に配設することによって、燃料ポンプ３４の駆動時の振動を緩和あるいは吸収させることができる。
なお、燃料通路１５６に形成するメッシュ部１５６ａ，１５６ｂの形状、位置等については適宜変更することができる。

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

第１実施例の燃料供給装置の縦断面図。 図１の要部拡大図。 図１のIII−III線縦断面図。 第２実施例の燃料供給装置の縦断面図。 第３実施例の燃料供給装置の図１のIII−III線縦断面図に相当する図。 第４実施例の燃料供給装置の図１のIII−III線縦断面図に相当する図。 第５実施例の燃料供給装置の図１のIII−III線縦断面図に相当する図。 第６実施例の燃料供給装置の図１のIII−III線縦断面図に相当する図。 第７実施例の燃料供給装置の図１のIII−III線縦断面図に相当する図。 第８実施例の燃料供給装置をサクションフィルタの燃料通路の中央で水平方向に切断したときの断面図。 第９実施例の燃料供給装置の縦断面図。 第１０実施例の燃料供給装置の縦断面図。 図１２のXIII−XIII線縦断面図。

符号の説明

１２：燃料タンク、１２ａ：開口
１４：燃料取出し部
１６：燃料ポンプ部
１８：リングプレート、開口１８ａ
２０：蓋部材、２０ａ：接続部
２２：シール部材
２４：固定部材
２６：燃料取出し管
２８：コネクタ
３０：接続管
３２：ケーシング
３４：燃料ポンプ、３４ａ：燃料吐出口、３４ｂ：燃料吸入口
３６：燃料フィルタ
３８：サクションフィルタ
４０：接続管
４２：ポート
４４：メッシュ
４６：燃料通路、４６ａ：接続部
４８：連結部
６２：リザーバカップ
６６：燃料ポンプ部
６８：サクションフィルタ
７４：メッシュ
７６：燃料通路、７６ａ：接続部
７８：連結部
８２：サクションフィルタ
８４：メッシュ
８６：燃料通路、８６ａ：接続部
９２：サクションフィルタ
９４：メッシュ
９６：燃料通路、９６ａ：接続部
１０２：サクションフィルタ
１０４：メッシュ
１０６：燃料通路、１０６ａ：接続部
１１２：サクションフィルタ
１１４：メッシュ
１１６：燃料通路、１１６ａ：接続部
１２２：サクションフィルタ
１２４：メッシュ
１２６：燃料通路、１２６ａ：接続部
１３２：サクションフィルタ
１３８：リザーバカップ、１３８ａ：リブ
１４２：サクションフィルタ
１４４：メッシュ
１４６：燃料通路
１４８：リザーバカップ、１４８ａ：リブ
１５２：サクションフィルタ
１５４：メッシュ
１５６：燃料通路。１５６ａ：メッシュ部、１５６ｂ：メッシュ部

Claims (6)

1. 燃料ポンプと、
   その燃料ポンプの燃料吸入口に接続されたサクションフィルタと、を備えており、
   サクションフィルタは、袋状にされた濾過部材と、袋状にされた濾過部材の内部空間と燃料ポンプの燃料吸入口とを連通する連通部材を有しており、
   袋状にされた濾過部材と連通部材との連結部における連通部材の端部の形状が濾過部材に向かって徐々に拡開する形状であり、
   袋状にされた濾過部材の濾過面積が、連通部材の端部の断面積よりも大きくされており、
   袋状にされた濾過部材は、燃料ポンプの長手方向に伸びる管状に成形されており、その管状に成形された濾過部材によって燃料ポンプの周囲が取り囲まれていると共に、管状に成形された濾過部材の表面全体が燃料タンク内に露出するようになっている、燃料ポンプ装置。
2. 連通部材は、濾過部材の全周又は周方向１箇所以上において濾過部材と連結されている、請求項１に記載の燃料ポンプ装置。
3. 濾過部材は、周方向に１以上の切欠が形成されている、請求項１又は２に記載の燃料ポンプ装置。
4. リザーブカップと、
   リザーブカップ内に配置される請求項１〜３のいずれかに記載の燃料ポンプ装置と、を備えており、
   リザーブカップの内壁と濾過部材の外周面との間には、周方向の少なくとも一箇所に隙間が形成されている、燃料供給装置。
5. リザーブカップ底面の内壁に凸部が形成されており、その凸部と連通部材が接触している、請求項４に記載の燃料供給装置。
6. 連通部材の一部に濾過部が形成されている、請求項４又は５に記載の燃料供給装置。

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