JP4804023B2 - 窒化アルミニウム系粉末及びその製造方法ならびにそれを含む熱伝導性材料 - Google Patents

窒化アルミニウム系粉末及びその製造方法ならびにそれを含む熱伝導性材料 Download PDF

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Description

本発明は、窒化アルミニウム系粉末及びその製造方法ならびにそれを含む熱伝導性材料に関する。より詳細には、樹脂、ゴム等の有機材料の充填材(フィラー)として特に有用な窒化アルミニウム系粉末に関する。
窒化アルミニウム粉末は、樹脂、ゴム、エラストマー、粘性流体等の各種材料の熱伝導性を高めるために、フィラーとして添加されている。
窒化アルミニウム粉末は、水との反応性が高いため、水と接触すると加水分解され、アンモニアを発生しながら水和アルミナになる。この加水分解は大気中の水分によっても進行するため、窒化アルミニウムがフィラーとして添加された製品では、高温高湿条件下で性能が劣化するという問題が生じる。
上記問題を解決するため、窒化アルミニウム粉末の耐水処理に対する検討が従来から種々行われている。例えば、窒化アルミニウム粉末の粒子表面にSi−Al−O−N反応層を形成させるシリケート処理方法が提案されている(特許文献1〜4など)。しかし、Si−Al−O−N反応層を有するこれらの粉末は、フィラーとして各種材料に高い充填率で配合することが困難であり、この充填性という点においてさらなる改善の余地がある。
また、表面に酸化アルミニウム皮膜もしくは燐酸系皮膜を有する窒化アルミニウム粉末に有機珪素系カップリング剤、有機燐酸系カップリング剤及び分子中にホスフェート基を含有する有機チタン系カップリング剤から選択される少なくとも1つのカップリング剤を窒化アルミニウム粉末100重量部当たり0.1〜10重量部を添加して処理する方法が開示されている(特許文献5)。しかしながら、カップリング剤で処理した表面は各種材料となじみがよく高い充填率で配合することができるものの、表面に酸化アルミニウム皮膜もしくは燐酸系皮膜を有する窒化アルミニウム粉末は熱伝導性に劣る。
また、上記以外に、窒化アルミニウム粉末、シリケート処理剤及びシランカップリング剤を含む混合物を調製し、得られた混合物を熱処理することによって得られる窒化アルミニウム系粉末が開示されている(特許文献6)。しかし、この粉末でも、充填性及び熱伝導性は未だ十分なものとはいえず、さらなる改善の余地がある。

米国特許第5,234,712号 特開2000−129160 特開平11−116213号 特表平7−507760 特開平7−33415号 特開2004−83334
従って、本発明の主な目的は、高湿高温条件化にあっても安定した耐水性を有し、且つ、優れた充填性及び熱伝導性をともに備えた新規な窒化アルミニウム系粉末を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の方法によって得られる粉末が所定の粒子構造を有するがゆえに上記目的を達成できることを見出し、ついに本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記の窒化アルミニウム系粉末及びその製造方法ならびにそれを含む熱伝導性材料に係る。
. 窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、下記一般式(1)
Figure 0004804023
(ただし、基R〜Rは、互いに同一又は異なっていて、すべての基が炭素数8以下のアルコキシ基である。nは0以上の整数を示す。)
で示されるシリケート処理剤を含む混合物を調製する工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム系粉末の製造方法。
. 前記シリケート処理剤が、Si100原子に対し、Cが1〜1100原子である、前記項に記載の製造方法
本発明の窒化アルミニウム系粉末の製造方法では、窒化アルミニウム粉末と特定のシリケート処理剤とを混合する工程により、所定の構成を有する粉末を得ることができる。すなわち、特定の被覆層と有機炭素量を有する窒化アルミニウム系粉末を製造することができる。
この窒化アルミニウム系粉末は、かかる構成を有することから、高湿高温条件下にあっても安定した耐水性を有する。このため、これまでの窒化アルミニウム粉末等と比べ熱伝導性が高く、フィラーとしてマトリックス材(母材)により高い充填率で配合することができる。その結果、窒化アルミニウムの特性を利用した高熱伝導性の材料を提供することが可能となる。
1.窒化アルミニウム系粉末
本発明の窒化アルミニウム系粉末は、窒化アルミニウム粒子の表面に被覆層が形成された複合粒子からなる粉末であって、
(1)前記被覆層がSi、O、H及びアルキル基を含み、
(2)前記粉末の有機炭素量が0.02〜1.0重量%である、
ことを特徴とする。
被覆層は、窒化アルミニウム粒子の表面上の一部又は全部に形成されている。特に、被覆層の実質的全部に形成されていることが望ましい。
被覆層はSi、O、H及びアルキル基を含む。アルキル基は、炭素数は1〜20のアルキル基が好ましく、特に炭素数1〜10のアルキル基がより好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等が挙げられる。
各元素の存在形態は特に限定されず、Si、SiO、C2n-1等として存在する。また、Si、O及びHは、アルコキシ基の形態で存在していても良い。アルコキシ基は、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、特に炭素数1〜10のアルコキシ基がより好ましい。例えば、メトキシ基、エトシキ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。
SiO、H及びアルキル基の割合は限定的でなく、所望の特性等に応じて適宜設定することができる。また、本発明の効果(特に充填性、耐水性等)を妨げない範囲内で他の成分が被覆層に含まれていても良い。
被覆層の割合は、所望の充填性、耐水性等に応じて適宜設定すれば良いが、通常は窒化アルミニウム100重量部に対して0.1〜30重量部とすることが好ましい。
本発明の窒化アルミニウム系粉末は、特に各種材料からなるマトリックスに対するフィラ−として好適に用いることができる。特に、熱伝導性材料のフィラーとしてより好ましく用いることができる。すなわち、本発明は、窒化アルミニウム系粉末を含む熱伝導性材料を包含する。
前記材料(マトリックス)としては、例えば樹脂、ゴム(エラストマーを含む。以下同じ。)、粘性流体等の有機材料・無機材料に混合するフィラーとして利用することができる。例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリブタジエン、フラン樹脂、ウレタン樹脂、アルキルベンゼン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和アルキド樹脂(グリプタル樹脂、不飽和アルコール変性フタル酸樹脂、イソフタル酸系樹脂、テレフタル酸系樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂)等の樹脂、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴム等の有機材料に適用することができる。また、非酸化物系セラミックス、酸化物セラミックス、セメント、ガラス、金属等の無機材料にも本発明粉末をフィラーとして配合することができる。本発明粉末は、上記のうち、樹脂、ゴム及びエラストマーからなる高分子材料の少なくとも1種に好ましく適用することができる。例えば、シリコーン樹脂に対する充填剤として好適に用いることができる。
これらの各種材料に本発明の窒化アルミニウム系粉末を含有させることによって、熱伝導性に優れた成形体を作製することができる。本発明では、窒化アルミニウム系粉末の含有量が成形体中50重量%以上、特に60〜90重量%、さらには80〜95重量%という高充填の複合材料を製造することができる。かかる複合材料は、本発明粉末が高い充填率で配合されることにより、優れた熱伝導性を発揮することができる。すなわち、本発明により熱伝導性成形体が提供される。
有機材料又は無機材料への本発明粉末の配合は、均一に混合できる限りいずれの方法を採用しても良い。例えば、ミキサー、ニーダー等の公知の混合機を用いて混合すれば良い。
2.窒化アルミニウム系粉末の製造方法
本発明の窒化アルミニウム系粉末は、例えば窒化アルミニウム粉末及びシリケート処理剤を含む混合物を調製する工程を含む方法によって製造することができる。
窒化アルミニウム粉末(原料)は、公知のもの又は市販品を使用することができる。また、いずれの製法で得られた粉末であっても良い。例えば、1)金属アルミニウム粉と窒素又はアンモニアとを直接反応させる直接窒化法、2)アルミナと炭素の混合粉末を窒素雰囲気下又はアンモニア雰囲気下で加熱することにより、還元と窒化とを同時に行うアルミナ還元法等を単独で又は組み合わせて用いることにより得られる窒化アルミニウム粉末を使用することができる。
シリケート処理剤としては、1)アルコキシ基を有し、かつ、2)有機質材料と化学結合する反応基を有しない化合物を使用することが好ましい。有機質材料と化学結合する反応基としては、例えばビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基等が挙げられる。特に、下記一般式(1)
Figure 0004804023
(ただし、基R〜Rは、互いに同一又は異なっていて、少なくとも1つの基がアルコキシ基であり、残りが水素又はアルキル基を示す。nは0以上の整数を示す。)で示される化合物であることがより好ましい。これらの化合物は、公知のもの又は市販品を使用することができる。また、これら化合物は、1種又は2種以上で用いることができる。
上記一般式(1)において、基R〜Rは、少なくとも1つの基がアルコキシ基であれば良い。従って、基R〜Rのすべてがアルコキシ基であっても良い。アルコキシ基以外の基がある場合は、それらの基は水素又はアルキル基であることが望ましい。
上記アルコキシ基の炭素数は1〜8、特に1〜5であることが好ましい。例えば、メトキシ基、エトシキ基、プロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基等が挙げられる。また、上記アルキル基の炭素数は1〜8、特に1〜5であることが好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基等が挙げられる。
上記nは、0以上の整数であれば良い。0以上の範囲内で適宜決定すれば良い。このような化合物自体は、公知のものから選択することができる。
例えば、上記一般式(1)でn=0のときの化合物としては、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
また、上記一般式(1)でnが1以上のときの化合物としては、C−(SiO(OC−Si(OC、C−SiO(CH−Si(OC等が例示される。
これらのうち、本発明では、Si100原子に対し、Cが1〜1100原子であるシリケート処理剤が特に好適に用いられる。
シリケート処理剤の使用量は、用いるシリケート処理剤の種類等にもよるが、用いる窒化アルミニウム粉末の粒子表面に被覆層を形成するのに十分な量であれば良い。一般的には、窒化アルミニウム粉末100重量部に対し、通常0.1〜100重量部程度、特に1〜20重量部とすることが好ましい。上記範囲内に設定すれば、所定の耐水性を維持しつつ、より優れた熱伝導性を付与することができる。
これらの原料を用いて混合物の調製を行う。混合は、ミキサー、ニーダー等の公知の攪拌装置を用い、均一になるまで実施すれば良い。好ましくは、混合物中にシリケート処理剤を加水分解するための水を配合する。水の配合量は、シリケート処理剤が加水分解するのに必要な量とすれば良いが、通常はシリケート処理剤100重量部に対して1〜200重量部程度とすれば良い。
混合物の調製には、必要に応じて溶媒を使用しても良い。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、トルエン、ミネラルスピリット、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を使用することができる。溶媒の使用量は、原料が均一に混合できるような量であれば良く限定されない。一般的には、窒化アルミニウム粉末100重量部に対し、溶媒を100〜1000重量部程度とすれば良い。
さらに、上記混合物には、必要に応じてpH調整剤等の各種の添加剤を適宜配合することもできる。
混合物を調製する温度は通常−50〜90℃程度、好ましくは0〜90℃とすれば良い。調製時間は適宜設定することができるが、通常10分〜24時間、好ましくは1〜8時間である。調製雰囲気は限定的ではなく、酸化性雰囲気(又は大気中)、還元性雰囲気、不活性ガス雰囲気、真空中等のいずれであっても良い。かかる温度範囲に設定することにより、従来のシリケート処理品に比して優れた充填性、熱伝導性等を発揮できる窒化アルミニウム系粉末を得ることができる。従って、本発明の製造方法において、他の工程(例えば乾燥工程)を有する場合であってもそれらの工程がすべて90℃を上回らない温度下で実施されることが好ましい。すなわち、本発明の製造方法は、90℃を超えて行われる工程を含まないことが望ましい。
次いで、必要に応じて、得られた混合物を乾燥処理することもできる。なお、上記混合物が溶媒を含まない場合は、乾燥処理を省略しても良い。上記混合物が溶媒を含む場合は、公知の固液分離の後に乾燥処理をしても良い。乾燥処理における乾燥温度は、−50〜90℃、好ましくは0〜90℃である。
混合物を調製及び乾燥する工程は、必要に応じて複数回行っても良い。すなわち、より耐水性に優れた被覆層を形成させるような場合は、得られた窒化アルミニウム系粉末にさらにシリケート処理剤を含む混合物を調製すれば良い。
得られた窒化アルミニウム系粉末は、前記で示した樹脂等に混合することにより熱伝導性材料を作製することができる。この場合も、窒化アルミニウム系粉末を−50〜90℃(好ましくは0〜90℃)の温度で維持した後、前記材料に充填することが好ましい。このような厳格な温度管理下で保持・充填を行うことにより、本発明窒化アルミニウム系粉末の優れた充填性、熱伝導性等を十分に活かすことができ、それにより所望の優れた熱伝導性材料を得ることができる。
従来のシリケート処理では、優れた耐水性を付与するためにSi−Al−O−N等の熱処理による反応物が利用されていた。ところが、熱処理された従来の窒化アルミニウム系粉末では、高い充填率でマトリックス材に配合しようとすると、粘度が大幅に上昇し、成形不能に陥る。
これに対し、本発明の窒化アルミニウム系粉末は、シリケート処理されたものでありながら、これまでの窒化アルミニウム系粉末等と比べ比べ熱伝導性が高く、フィラーとしてマトリックス材に高い充填率で配合することができる。これは、特に、本発明の窒化アルミニウム系粉末の調製温度が−50〜90℃であることによる。すなわち、90℃を超える温度下で行われる工程を含まない製法によって得られることによる。
このように、本発明の製造方法で得られる窒化アルミニウム系粉末では、優れた耐水性を発揮できるだけのシリケート処理がなされているにもかかわらず、窒化アルミニウム系粉末表面に存在するCが揮発することなく樹脂との馴染み性を向上させ、これまで以上に高い充填率でマトリックス材に配合することができる。さらに、熱酸化皮膜等の、熱伝導性を阻害する層が形成されにくく、単位重量あたりの熱伝導性がこれまでの窒化アルミニウム系粉末等と比べて高いという特徴をあわせ持つ。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確に示す。なお、本発明は、これらの実施例に限定されない。なお、実施例中の各物性は、それぞれ下記の方法により測定を行った。
(1)比表面積
装置「NOVA2000」ユアサアイオニクス社製を使用し、BET法により測定した。
(2)熱伝導率
熱定数測定装置「LF/TCM−FA8510B」リガク社製を使用し、レーザー・フラッシュ法により測定した。
(3)充填率
式100b/(a+b)(%)(但し、aは窒化アルミニウム系粉末以外の使用材料の重量(合計)、bは窒化アルミニウム系粉末の重量をそれぞれ示す。)により求めた。
(4)有機炭素量
炭素分析装置「EMIA−511」堀場製作所社製を使用し、炭素量を測定し、式c−d(%)(但し、cは窒化アルミニウム系粉末の炭素量、dはc100gを大気中600℃で4時間熱処理した後の窒化アルミニウム系粉末の炭素量)により求めた。
炭素量測定条件は、試料0.2g及びSnフラックス0.1gをセラミックスボードに充填し、酸素ガス中で燃焼温度1250℃、積算時間60℃とした。
実施例1
(1)窒化アルミニウム系粉末の製造
エタノール1000ml中に平均粒子径15μmの窒化アルミニウム粉末250gを混合し、TEOS250gを添加し、攪拌した。さらに、純水250ml添加し、混合物を調製した。この混合物を40℃で4時間乾燥し、窒化アルミニウム系粉末を得た。得られた窒化アルミニウム系粉末の比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
(2)ゴムコンパウンド成形体の製造
シリコーンゲル(製品名「TSE3033(A)」東芝シリコーン社製)(以下「シリコーンゲルA」という。)10g及びシリコーンゲル(製品名「TSE3033(B)」東芝シリコーン社製)(以下「シリコーンゲルB」という。)10gの混合物に対し、上記(1)の窒化アルミニウム系粉末90gを徐々に添加混合し、脱泡した後、200μmの厚さに成形した。この成形体を150℃で30分かけて硬化させることにより、ゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。
(3)ゴムコンパウンド成形体の製造(その2)
シリコーンゲルA(5g)及びシリコーンゲルB(5g)の混合物に上記(1)の窒化アルミニウム系粉末115gを徐々に添加混合し、脱泡した後、200μmの厚さのシート状に成形した。この成形体を150℃で30分かけて硬化させることにより、ゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
実施例2
・ 窒化アルミニウム系粉末の製造
乾燥条件を80℃にしたほかは、実施例1(1)と同様にして窒化アルミニウム系粉末を得た。得られた窒化アルミニウム系粉末の比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
・ ゴムコンパウンド成形体の製造
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末90gを使用したほかは、実施例1(2)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。
(3)ゴムコンパウンド成形体の製造(その2)
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末115gを使用したほかは、実施例1(3)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
実施例3
(1)窒化アルミニウム系粉末の製造
乾燥条件を90℃にしたほかは、実施例1(1)と同様にして窒化アルミニウム系粉末を得た。得られた窒化アルミニウム系粉末の比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
(2)ゴムコンパウンド成形体の製造
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末90gを使用したほかは、実施例1(2)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
(3)ゴムコンパウンド成形体の製造(その2)
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末115gを使用したほかは、実施例1(3)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
比較例1
(1)窒化アルミニウム系粉末の製造
実施例1(1)と同様にして窒化アルミニウム系粉末を調製した。その後、650℃で2時間熱処理を施した。得られた窒化アルミニウム系粉末の比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
(2)ゴムコンパウンド成形体の製造
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末90gを使用したほかは、実施例1(2)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
(3)ゴムコンパウンド成形体の製造(その2)
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末115gを使用したほかは、実施例1(3)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
比較例2
(1)窒化アルミニウム系粉末の製造
実施例1(1)と同様にして窒化アルミニウム系粉末を調製し、その後300℃で4時間熱処理を施した。得られた窒化アルミニウム系粉末の比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
(2)ゴムコンパウンド成形体の製造
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末90gを使用したほかは、実施例1(2)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
(3)ゴムコンパウンド成形体の製造(その2)
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末115gを使用したほかは、実施例1(3)と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
比較例3
(1)窒化アルミニウム系粉末の製造
TEOSの量を1000gとしたほかは、実施例と同様にして窒化アルミニウム系粉末を得た。得られた窒化アルミニウム系粉末の比表面積を測定した。その結果を表1に示す。
(2)ゴムコンパウンド成形体の製造
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末90gを使用したほかは、実施例と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
(3)ゴムコンパウンド成形体の製造(その2)
窒化アルミニウム系粉末として上記(1)の窒化アルミニウム系粉末115gを使用したほかは、実施例と同様にしてゴムコンパウンド成形体を得た。この成形体の熱伝導率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0004804023
試験例1
実施例1〜3、比較例1〜3で得られた窒化アルミニウム系粉末について耐水性テストを行った。テスト方法は、試料粉末を5gと蒸留水45gを密閉容器に入れ、120℃に保った乾燥機中に入れ、24時間保持した後、pHの変化をみた。
Figure 0004804023

Claims (2)

  1. 窒化アルミニウム粉末100重量部に対して、下記一般式(1)
    Figure 0004804023
    (ただし、基R〜Rは、互いに同一又は異なっていて、すべての基が炭素数8以下のアルコキシ基である。nは0以上の整数を示す。)
    で示されるシリケート処理剤を0.1〜100重量部含む混合物を調製する工程を含み、90℃を超える温度下で行われる工程を含まないことを特徴とする窒化アルミニウム系粉末の製造方法。
  2. 前記シリケート処理剤が、Si100原子に対し、Cが1〜1100原子である、請求項に記載の製造方法。
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