JP3127093B2 - 熱伝導性シリコーンゴム組成物 - Google Patents

熱伝導性シリコーンゴム組成物

Info

Publication number
JP3127093B2
JP3127093B2 JP07066668A JP6666895A JP3127093B2 JP 3127093 B2 JP3127093 B2 JP 3127093B2 JP 07066668 A JP07066668 A JP 07066668A JP 6666895 A JP6666895 A JP 6666895A JP 3127093 B2 JP3127093 B2 JP 3127093B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
silicone rubber
magnesium oxide
conductive silicone
thermally conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07066668A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07292251A (ja
Inventor
健英 岡見
登喜男 関矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP07066668A priority Critical patent/JP3127093B2/ja
Publication of JPH07292251A publication Critical patent/JPH07292251A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3127093B2 publication Critical patent/JP3127093B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコーンゴム組成物に
関し、特に、優れた熱伝導性と電気絶縁性を有し、熱を
発生する素子類を各種の電子又は電気機器に保持固定す
る際に用いる、放熱及び絶縁材料として好適なシリコー
ンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来技術】近年、電子、電気機器のマイクロ化、高密
度化に伴い、これらの機器に組み込まれる、パワートラ
ンジスタ、サイリスタ、整流器、トランス等の素子類に
おける放熱の問題が大きくクローズアップされている。
従来から、上記したような熱を発生する各種の素子類を
使用する場合には、放熱器を取り付けるとか、金属製シ
ャーシに固定するなどしてその放熱が行われている。ま
た、一般に電子、電気素子類と放熱体とを直接接触させ
ることは、各種機器の設計上又は安全性の点から好まし
くないので、上記素子類は電気絶縁材を介して放熱器又
はシャーシに固定されている。
【0003】上記電気絶縁材としては、従来、有機ゴム
やプラスチックなどの有機材料からなるもの、又は、磁
器、ガラス繊維、雲母などの無機材料からなるものが知
られている。しかしながら、前者は電気絶縁性の点で満
足することができても熱伝導性の点で劣り、後者は熱伝
導性は良いものの、硬くてもろいためにその加工性に劣
る上、その表面状態が悪いので、発熱体及び放熱体の表
面に密接させることが困難であるという問題があり、い
ずれの場合も、熱伝導性と電気絶縁性に優れた電気絶縁
材として、充分満足できるものではなかった。
【0004】一方、無機充填剤として金属酸化物の酸化
アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムが近年使
用されるようになり、熱伝導性が向上している。しかし
ながら、酸化アルミニウムはある程度の熱伝導性が出る
ものの、まだ不十分であり、また、窒化ホウ素及び窒化
アルミニウムは、性能は良いもののコストが高い等の欠
点を有している。
【0005】また特開平5−239358号公報には、
特定の水酸化マグネシウムを1,100〜1,600℃
で焼成して得られる酸化マグネシウムを配合した熱伝導
性シリコーンゴム組成物が開示されているが、吸湿性が
あること及び吸湿した結果強アルカリ性を示すこと等の
理由から、シリコーンゴムの熱伝導用充填材として用い
た場合には、高温高湿下ではシリコーンゴムのクラッキ
ングが起こり、シリコーンゴム成形体がボロボロになる
という現象がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、酸化マグネシウムに関する上記の欠点を解決すべく
鋭意検討した結果、酸化マグネシウムの表面を疎水化
し、これを特定のシリコーンゴム組成物と組合せること
により、良好な結果を得ることができるということを見
出し本発明に到達した。従って本発明の第1の目的は、
熱伝導性及び電気絶縁性に優れたシリコーンゴム組成物
を提供することにある。本発明の第2の目的は、安価で
あると共に表面状態も良好で、放熱性絶縁材料として好
適なシリコーンゴム組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の諸目的
は、少なくとも、特定の架橋可能なシリコーンゴム組成
及び充填剤からなる架橋可能な熱伝導性シリコーンゴ
ム組成物であって、前記充填剤が、表面を疎水化した酸
化マグネシウムであると共に、前記組成物中におけるそ
の含有率が、30〜70体積%であることを特徴とする
熱伝導性シリコーンゴム組成物によって達成された。
【0008】本発明の架橋可能なシリコーンゴム組成物
には、付加硬化タイプ及び縮合硬化タイプのものがあ
る。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】付加硬化タイプの熱伝導性シリコーンゴム
組成物は、(C)珪素原子に結合したアルケニル基を一
分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンを10
0重量部、(D)珪素原子に結合した水素原子を一分子
中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキ
サン(架橋剤)を(C)成分中のアルケニル基1個に対
しSiH基を0.6〜10個供給する量、及び(E)白
金又は白金化合物を含有するシリコーン組成物であるこ
とが好ましい。
【0013】上記の、珪素原子に結合したアルケニル基
を一分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン
〔(C)成分〕は、25℃における粘度が500〜20
0,000cst であることが好ましく、特に1,000
〜100,000cst の範囲にあることが好ましい。ア
ルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、1
−メチル−2−プロペニル基、ヘキセニル基、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピル基等の炭素原子数2〜8のア
ルケニル基が挙げられるが、本発明においては、特にビ
ニル基が好ましい。
【0014】上記(C)成分のオルガノポリシロキサン
は、アルケニル基以外の有機基として、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル
基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、β−フェニ
ルエチル基等のアラルキル基、又はこれらの基の水素原
子の一部若しくは全部をハロゲン原子等で置換したクロ
ロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基など
の置換又は非置換の、炭素原子数1〜10、好ましくは
炭素原子数1〜8の一価の炭化水素基を含んでいてもよ
い。
【0015】この様なオルガノポリシロキサンの具体例
としては、下記化6に示される化合物を挙げることがで
きる。
【化6】 但し、化6中のeは2又は3、c、f及びhは正の整
数、d、g及びiは0又は正の整数であり、c+d、f
+g、h+iはそれぞれ2,000以下の正の整数であ
る。(C)成分のオルガノポリシロキサンの構造は、直
鎖状でも一部分岐した構造でもよく、また、単独で用い
ても、2種以上を混合して用いても良い。
【0016】本発明で使用するハイドロジェンポリシロ
キサン〔(D)成分〕は、前記オルガノポリシロキサン
〔(C)成分〕の架橋剤として作用する。上記オルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンの構造は、直鎖状、分岐
状、及び環状の何れであってもよく、これらの混合物で
あっても良い。このようなオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの具体例としては、下記化7及び化8並びに
化9に示される化合物等が挙げられる。
【0017】
【化7】 但し、化7中、j、k、l、m、p、q及びsは0また
は正の整数、rは2以上の整数であり、分子中の珪素原
子数は、通常、400以下である。
【化8】
【化9】 但し、化9中のR7 は、水素原子、メチル基、プロピル
基、またはトリメチルシロキシ基を表す。
【0018】(D)成分であるオルガノハイドロジェン
ポリシロキサンの使用量は、前記(C)成分であるオル
ガノポリシロキサンに含まれるアルケニル基の合計量に
対し、珪素原子に結合した水素原子が0.6〜10モル
倍となる量であることが好ましく、特に1.0〜6.0
モル倍となる量であることが好ましい。また、本発明で
使用する白金又は白金系化合物〔(E)成分〕は付加反
応用触媒であり、硬化促進剤として作用する。
【0019】その具体例としては、白金黒、アルミナ、
シリカなどの担体に固体白金を担持させたもの、塩化白
金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフ
ィンとの錯体、白金とビニルシロキサンとの錯体等を挙
げることができる。これらの触媒の使用にあたっては、
それが固体触媒であるときには、分散性をよくするため
に細かく砕いたり、その担体を、粒径が小さく且つ比表
面積が大きいものとすることが好ましい。また、塩化白
金酸又は塩化白金酸とオレフィンとの錯体については、
これらをアルコール、ケトン、エーテル若しくは炭化水
素系などの溶剤に溶解して使用することが望ましい。
【0020】これらの触媒の使用量は、所望とする硬化
速度を得るための所謂触媒量であるが、経済的見地、或
いは良好な硬化物を得る見地から、次のような割合で使
用することが好ましい。即ち、アルコール変性又はシロ
キサン変性塩化白金酸などのようにシロキサン成分と相
溶するものについては、前記(C)成分及び(D)成分
の合計量に対して0.1〜100ppm(白金換算)、
また白金黒等の固体触媒については、20〜500pp
m(白金換算)の範囲とすることが好ましい。
【0021】次に、縮合硬化タイプのシリコーンゴム
成物は、(F)下記化10で示される分子鎖末端水酸基
封鎖ジオルガノポリシロキサンを100重量部及び
(G)一分子中に、珪素に結合した加水分解可能な基を
少なくとも3個有するシラン又はシロキサンを0.5〜
30重量部を含有する組成物であることが好ましい。
【0022】
【化10】 但し、化10中のR2 及びR3 は、同種又は異種の非置
換又は置換の一価炭化水素基を表わし、nは10以上の
整数である。上記のジオルガノポリシロキサン〔(F)
成分〕は、分子鎖末端が水酸基で封鎖された、シリコー
ンゴムの原料として公知のものの中から適宜選択するこ
とができる。
【0023】R2 及びR3 の具体例としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル
基、ビニル基、アリル基などのアルケニル基、フェニル
基などのアリール基、シクロヘキシル基などのシクロア
ルキル基、又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原
子の一部または全部を、ハロゲン原子、シアノ基などで
置換した3,3−3トリフロロプロピル基、2−シアノ
エチル基等が挙げられるが、これらの中でも特にメチル
基が好ましい。また、(F)成分の粘度は、100〜
1,000,000cstの範囲であることが好まし
く、特に3,000〜50,000cstの範囲である
ことが好ましい。
【0024】粘度が100cst以下では物理的強度の
優れた硬化弾性体を得ることができず、1,000,0
00cst以上では組成物の粘度が高すぎて使用時の作
業性が悪くなる。また、(F)成分であるジオルガノポ
リシロキサンは実質的に線状構造のものであるが、少量
の範囲であれば、三次元構造のシロキサンが導入されて
いても良い。
【0025】本発明で使用するシラン又はシロキサン
〔(G)成分〕は、上記した(F)成分であるジオルガ
ノポリシロキサンと常温で反応してこれを硬化させる硬
化剤として作用するものであり、下記化11で表される
オルガノシランまたはその部分加水分解物である。
【化11】 但し、化11中のR8 は、前記したR2 及びR3 と同様
の非置換又は置換一価炭化水素基、Xはアシルオキシ
基、アルコキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ
基、アミノ基、アミノオキシ基、アミド基などから選択
される加水分解可能な基、tは3又は4である。
【0026】(G)成分のシラン又はシロキサンの具体
例としては、下記化12及び化13に示される化合物が
挙げられる。
【化12】
【化13】 これらは単独で用いることも混合して用いることもでき
る。
【0027】(G)成分の添加量は、上記した(F)成
分100重量部に対して0.5〜30重量部の範囲とす
ることが好ましいが、特に2〜15重量部の範囲である
ことが好ましい。0.5重量部以下では、湿気の存在下
における架橋硬化反応が不十分となり、30重量部以上
とすると硬化物が硬くなりすぎる。本発明においては、
必要に応じて、(F)成分と(G)成分との反応を促進
させる触媒を更に用いても良い。
【0028】このような触媒の具体例として、鉛−2−
エチルオクトエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチ
ル錫ジラウレート、ブチル錫トリ−2−エチルヘキソエ
ート、鉄−2−エチルヘキソエート、コバルト−2−エ
チルヘキソエート、マンガン−2−エチルヘキソエー
ト、亜鉛−2−エチルヘキソエート、カプリル酸第一
錫、ナフテン酸錫、オレイン酸錫、ブチル酸錫、ナフテ
ン酸チタン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ス
テアリン酸亜鉛などの有機カルボン酸の金属塩;
【0029】テトラブチルチタネート、テトラ−2−エ
チルヘキシルチタネート、トリエタノールアミンチタネ
ート、テトラ(イソプロペニルオキシ)チタネートなど
の有機チタン酸エステル;オルガノシロキシチタン、β
−カルボニルチタンなどの有機チタン化合物;アルコキ
シアルミニウム化合物;3−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレ
ンジアミンなどのアミノアルキル基置換アルコキシシラ
ン、ヘキシルアミン、リン酸ドデシルアミンなどのアミ
ン化合物及びその塩;
【0030】ベンジルトリエチルアンモニウムアセテー
トなどの第四級アンモニウム塩;酢酸カリウム、酢酸ナ
トリウム、蓚酸リチウムなどのアルカリ金属の低級脂肪
酸;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシ
ルアミンなどのジアルキルヒドロキシルアミン;テトラ
メチルグアニジルプロピルトリメトキシシランなどのグ
アニジン化合物が挙げられる。
【0031】以上の様に、本発明の架橋可能な熱伝導性
シリコーンゴムの硬化タイプとして、付加硬化タイプ及
び縮合硬化タイプについて説明したが、これらには、補
強のためにフェームドシリカ、湿式シリカ、処理シリカ
に代表される補強性充填剤、また、炭酸カルシウム、重
質シリカ、石英粉に代表される非補強性充填剤や各種の
顔料、更には酸化鉄、酸化セリウムに代表される耐熱添
加剤や各種の接着助剤或いは難燃性付与剤等を本発明の
熱伝導性シリコーンゴム組成物の特性を妨げない範囲
で、適宜添加することができる。尚、充填剤は、シラ
ン、有機酸等で表面処理されていても良い。
【0032】次に、本発明のシリコーンゴム組成物に、
熱伝導性という機能的特徴を付与する充填剤である、酸
化マグネシウムについて詳述する。本発明で使用する酸
化マグネシウムは、表面が疎水化されていることが必要
である。酸化マグネシウム表面の疎水化には、シラン、
シロキサン、或いはシラザンを用いることができる。し
かしながら、高分子のシロキサンレジン類で酸化マグネ
シウム表面をコーティングした場合には熱伝導性を低下
させるおそれがあるので、一般的には、シランあるいは
その部分加水分解物である低分子のシロキサン(重合度
が8以下)を用いて処理することが好ましい。
【0033】この場合に用いるシランとしては、アルコ
キシシランやクロルシランを挙げることができるが、特
に下記化14で表されるアルコキシシランを用いること
が好ましい。
【化14】 但し、化14中のR4 は飽和又は不飽和の非置換若しく
は置換一価炭化水素基、R5 はメチル基又はエチル基を
表わし、bは0又は1である。
【0034】酸化マグネシウムの疎水化処理に使用され
るシランの具体例としては、下記化15に示す化合物等
が挙げられる。
【化15】 また、下記化16で表されるシラザンを用いることもで
きる。
【化16】 但し、化16中のR6 はメチル基又はエチル基、若しく
はフェニル基を表す。
【0035】上記シラザンの具体例としては、下記化1
7に示す化合物等が挙げられる。
【化17】 上記のシラン、シロキサン及びシラザンによる疎水化
は、公知の処理によって行うことができ、シランやシラ
ザン等を気相で処理する乾式法、又は、トルエン、キシ
レン、ヘキサン等の溶液中で処理する湿式法が、作業性
の点から好ましい。
【0036】疎水化処理における表面処理をより確実に
進めるために、酸化マグネシウムの粉体に水分子を吸着
させる工程、即ち、酸化マグネシウム粉体自身に吸湿さ
せた後処理することが望ましい。疎水化された酸化マグ
ネシウムの充填量は、30〜70体積%であることが必
要であり、特に40〜60体積%であることが好まし
い。熱伝導性シリコーン組成物全体の70体積%を越え
ると、作業性が悪い上、組成物がバサバサした感じにな
り、また30体積%より少ないと熱伝導性の効果が少な
い。
【0037】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物
は、上記したオルガノポリシロキサンに、表面を疎水化
した酸化マグネシウムの所定量を、ロール、ニーダー又
は、バンバリーミキサーで、また液状の添加物がある場
合には、品川式遊星攪拌機(プラネタリーミキサー)、
バタフライミキサー等の、通常シリコーンゴム組成物の
混練に使用されている混合機を使用して、均一に混合す
ることにより得ることができる。
【0038】また、上記の様にして調製した本発明の組
成物を使用して成形品を得るにあたっては、該組成物を
加圧成形法、押出成形法、カレンダー成形法、又はキャ
スティング成形法等の成形法を採用して所望の形状に成
形するか、或いは、ガラスクロス等の支持体に該組成物
を塗布し、次いで架橋方式に応じた方法で硬化させれば
良い。
【0039】
【発明の効果】本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物
は、安価で熱伝導性の良好な酸化マグネシウムを含有し
ているので、熱伝導性が良好で安価な電気絶縁性材料で
ある。また、使用される酸化マグネシウムの表面が疎水
化されているので、高温多湿条件下における保存安定性
も良好である。
【0040】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳述するが、
本発明はこれによって限定されるものではない。尚、添
加量を示す「部」は「重量部」を示す。また、各例中に
おける熱抵抗及び熱伝導率は下記のようにして調べたも
のである。
【0041】(1)熱抵抗の測定;試験体としてのシー
トをパワートランジスター(2SD217 TO−3
型)と放熱器(YWA−L120型)の間に固定した
後、10Vの電圧を印加し、3Aの電流を流して熱抵抗
を測定した。 (2)熱伝導率の測定;真空理工製DYNATECH装
置を使用し、ASTM F−433に準じて測定した。 また、酸化マグネシウム表面の疎水化は下記参考例1〜
3に示す方法によって行った。
【0042】参考例1.3リットルのセパラブルフラス
コ内に、平均粒径1μmの酸化マグネシクム(パイロキ
スマ5301;協和化学工業株式会社製の商品名)50
0gを入れ、攪拌しながらスチームを通し、520gの
吸湿酸化マグネシウムを得た。次にセパラブルフラスコ
を130℃に加熱し、フラスコ壁面にヘキサメチルジシ
ラザン175gを滴下して還流下で30分間反応させ、
570gの疎水化された酸化マグネシウムを得た。得ら
れた酸化マグネシウムを水に入れると水に浮くことか
ら、表面が疎水化されていることが確認できた。
【0043】参考例2.3リットルのセパラブルフラス
コ内に、参考例1で使用したものと同じ酸化マグネシウ
ムを500g入れ、攪拌しながらスチームを通し、51
8gの吸湿酸化マグネシウムを得た。次に、セパラブル
フラスコを130℃に加熱し、フラスコ壁面にビニルト
リメトキシシラン50gを滴下して還流下で1時間反応
させ、520gの疎水化酸化マグネシウムを得た。得ら
れた酸化マグネシウムを水に入れると水に浮くことか
ら、表面が疎水化されていることが確認できた。
【0044】参考例3.2リットルのセパラブルフラス
コ内に、参考例1で使用したものと同じ酸化マグネシウ
ム500gとトルエン1,000gを入れ、スラリー状
にした後、ビニルトリメトキシシラン80gを滴下し
た。次いで、85℃にて1時間攪拌した後、トルエンを
溜去して疎水化酸化マグネシウム530gを得た。得ら
れた酸化マグネシウムを水に入れると水に浮くことか
ら、表面が疎水化されていることが確認できた。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】実施例. 両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃に
おける粘度が30,000csのジメチルシロキサン1
00部に、参考例2で得た、表面が疎水化された酸化マ
グネシウム300部、塩化白金酸の2−エチルヘキシル
アルコール溶液(白金量で2重量%含有)0.4部及び
エチニルヘキシルアルコール(制御剤)0.01部を混
合した後、平均組成式が下記化18で表されるハイドロ
ジェンポリシロキサン(架橋剤)を2.2部加え、良く
混合した。
【化18】
【0054】次いで、ロールを用いて均一に混練した
後、得られた混練物を所定の金型を用いて120℃、5
0kg/cm2 で10分間加熱加圧した。更に、200
℃で1時間ポストキュアーし、厚さ0.5mmのシート
を得た。また、ASTM−F433の熱伝導率測定用と
して、直径50mm×厚さ9mmの円板を、同じ条件で
得た。得られた組成物中の酸化マグネシウムは45体積
%であった。次に、これらの成形物を用い、前述した方
法によって熱抵抗及び熱伝導率を測定し、表1に示す結
果を得た。
【表1】
【0055】比較例. 表面疎水化処理をした酸化マグネシウムの代わりに、同
量の未処理の酸化アルミニウム(アルミナAL−24:
昭和電工株式会社製の商品名)を用いた他は実施例3と
全く同様にして、厚さ0.5mmのシート及び直径50
mm×厚さ9mmの円板を得た。得られた成型物中に含
有される未処理の酸化アルミニウムは、43体積%であ
った。次に、これらの成形物を用い、実施例1と同様に
して熱抵抗及び熱伝導率を測定し、前記表1に示す結果
を得た。
【0056】実施例. 両末端が水酸基で封鎖された25℃の粘度が20,00
0csのジメチルポリシロキサンオイル100部に、参
考例3で表面処理をした酸化マグネシウム200部を混
合した後、γ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン
0.5部、ビニルトリプロペニルシラン8部及び接着助
剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン1部を
加えて減圧混合し、接着組成物を得た。この組成物をA
STM−F433に準拠し、直径50mm×厚さ9mm
の円板を得た後、25℃55%RHの雰囲気下で10日
間かけて硬化させた。硬化後の熱伝導性を測定し、下記
に示す結果を得た。
【0057】
【表2】 尚、得られた組成物中の酸化マグネシウムは33体積%
であった。
【0058】比較例. 酸化マグネシウムの代わりに同量の酸化アルミニウム
(アドマファインアルミナAO−40R:アドマテック
ス株式会社製の商品名)を用いた他は、実施例2と全く
同様にして直径50mm×厚さ9mmの円板を得た後、
同条件で硬化させた。硬化後の熱伝導性を測定し、前記
に示す結果を得た。尚、得られた組成物中の酸化ア
ルミニウムは、33体積%であった。以上の結果は本発
明の有効性を実証するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−176348(JP,A) 特開 昭54−129052(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 - 83/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも充填剤と、珪素原子に結合し
    たアルケニル基を一分子中に2個以上有するオルガノポ
    リシロキサンを含有するとともに、更に架橋剤として珪
    素原子に結合した水素原子を一分子中に2個以上有する
    オルガノハイドロジェンポリシロキサン及び触媒量の白
    金又は白金化合物を含有する付加硬化タイプの熱伝導性
    シリコーンゴム組成物であって、前記オルガノハイドロ
    ジェンポリシロキサンの含有量が、前記珪素原子に結合
    したアルケニル基を一分子中に2個以上有するオルガノ
    ポリシロキサン中のアルケニル基1個に対して、SiH
    基を0.6〜10個供給する量であると共に、前記充填
    剤が表面を疎水化した酸化マグネシウムであり、前記組
    成物中におけるその含有率が30〜70体積%であるこ
    とを特徴とする熱伝導性シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも、オルガノポリシロキサン及
    び充填剤からなる架橋可能な熱伝導性シリコーンゴム組
    成物であって、該熱伝導性シリコーンゴム組成物が、オ
    ルガノポリシロキサンとして下記化2で表される分子鎖
    末端水酸基封鎖ジオルガノポリシロキサン100重量部
    を含有する共に、一分子中に珪素原子に結合した加水分
    解可能な基を少なくとも3個有するシラン及び/又はシ
    ロキサンを0.5〜30重量部含有する縮合硬化タイプ
    であると共に、前記充填剤が表面を疎水化した酸化マグ
    ネシウムであり、前記組成物中におけるその含有率が3
    0〜70体積%であることを特徴とする熱伝導性シリコ
    ーンゴム組成物。 【化2】 但し、化2中、R及びRは同種又は異種の非置換又
    は置換の一価炭化水素基を表し、nは10以上の整数で
    ある。
  3. 【請求項3】 表面を疎水化した酸化マグネシウムが、
    下記化3で示される化合物又はその部分加水分解物で表
    される化合物を用いて疎水化された酸化マグネシウムで
    ある、請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコーンゴム
    組成物; 【化3】 但し、化3中、R は置換若しくは非置換一価炭化水素
    基、R はメチル基又はエチル基であり、bは0又は1
    である。
  4. 【請求項4】 表面を疎水化した酸化マグネシウムが下
    記化4で示されるシラザンで疎水化された酸化マグネシ
    ウムである、請求項1又は2に記載の熱伝導性シリコー
    ンゴム組成物; 【化4】 但し、化4中、R はメチル基又はエチル基、若しくは
    フェニル基を表す。
JP07066668A 1994-03-03 1995-03-02 熱伝導性シリコーンゴム組成物 Expired - Fee Related JP3127093B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07066668A JP3127093B2 (ja) 1994-03-03 1995-03-02 熱伝導性シリコーンゴム組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-60105 1994-03-03
JP6010594 1994-03-03
JP07066668A JP3127093B2 (ja) 1994-03-03 1995-03-02 熱伝導性シリコーンゴム組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07292251A JPH07292251A (ja) 1995-11-07
JP3127093B2 true JP3127093B2 (ja) 2001-01-22

Family

ID=26401177

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07066668A Expired - Fee Related JP3127093B2 (ja) 1994-03-03 1995-03-02 熱伝導性シリコーンゴム組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3127093B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101092092B1 (ko) 2003-10-14 2011-12-12 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 전극 회로 보호용 실리콘 고무 조성물, 전극 회로 보호재및 전기·전자 부품

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000064867A (ko) 1997-02-07 2000-11-06 아이. 데이비드 크로산 전도성,수지-기재 조성물
US6884314B2 (en) 1997-02-07 2005-04-26 Henkel Corporation Conducive, silicone-based compositions with improved initial adhesion reduced microvoiding
US6211276B1 (en) 1997-06-04 2001-04-03 The Furukawa Electric Co., Ltd. Heat-conductive rubber composition material and heat-conductive rubber sheet
JP3531805B2 (ja) * 2000-05-25 2004-05-31 富士高分子工業株式会社 熱伝導性シリコーンゲルを含むシート
JP3846571B2 (ja) 2002-04-12 2006-11-15 信越化学工業株式会社 オルガノポリシロキサン組成物
CN1946784A (zh) 2004-03-09 2007-04-11 汉高公司 导热性两部分粘合剂组合物
JPWO2013161844A1 (ja) * 2012-04-27 2015-12-24 ポリプラスチックス株式会社 高熱伝導性樹脂組成物
JP6075261B2 (ja) * 2013-10-02 2017-02-08 信越化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP6465037B2 (ja) * 2016-01-07 2019-02-06 信越化学工業株式会社 縮合硬化反応と有機過酸化物硬化反応を併用したシリコーン組成物
JP7168084B2 (ja) 2019-06-24 2022-11-09 信越化学工業株式会社 高熱伝導性シリコーン組成物及びその硬化物
JP7165647B2 (ja) 2019-12-26 2022-11-04 信越化学工業株式会社 熱伝導性シリコーン樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101092092B1 (ko) 2003-10-14 2011-12-12 신에쓰 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 전극 회로 보호용 실리콘 고무 조성물, 전극 회로 보호재및 전기·전자 부품

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07292251A (ja) 1995-11-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4015722B2 (ja) 熱伝導性ポリマー組成物
JP4727017B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP5154010B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP3576639B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP4255287B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物
JP6014299B2 (ja) 熱伝導性シリコーン組成物及び半導体装置
JP2009286855A (ja) 熱伝導性シリコーン組成物および電子装置
JP2819444B2 (ja) 導電性シリコーンゴム組成物
KR20090130005A (ko) 실리콘 엘라스토머 조성물 및 실리콘 엘라스토머
JP3127093B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JPH0241362A (ja) 硬化性液状オルガノポリシロキサン組成物
JP3104568B2 (ja) 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
JP2001139818A (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP2002179921A (ja) 型取り用オルガノポリシロキサン組成物
JP3950490B2 (ja) 導電性シリコーンゴム組成物および半導体装置
JP2004323764A (ja) 接着性ポリオルガノシロキサン組成物
JP7444856B2 (ja) 多成分型硬化性オルガノポリシロキサン組成物、熱伝導性部材および放熱構造体
JP3524634B2 (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
JP2007119589A (ja) 熱伝導性シリコーンゴム組成物
US5569684A (en) Heat conductive silicone rubber composition
JPH09118828A (ja) シリコーンゴム組成物
JPWO2020137086A1 (ja) 熱伝導組成物及びこれを用いた熱伝導性シート
JP2718956B2 (ja) シリコーンゴム組成物
JP5060165B2 (ja) 低透湿性ポリオルガノシロキサン組成物
JP4553562B2 (ja) 接着性ポリオルガノシロキサン組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees