JP4802457B2 - 高炉炉底部の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉炉底部の解体方法、より具体的には、高炉改修時の炉体解体における炉体冷却後に、高炉炉体の炉底部を一体として解体除去することを可能ならしめた高炉炉底部の解体方法に関するものである。
高炉の運転を長期間行うと、内部に設置したレンガの浸食が著しく進行する。これを放置すると、高炉の上部では、耐圧容器として外周に設けられている鉄皮に亀裂が入ってガス等の噴出が懸念され、一方高炉の下部では、炉底のカーボンレンガが浸食され溶解物が鉄皮を溶損して流出するおそれが生じる。
このため、十数年に一度程度の頻度で、高炉を吹き卸し、解体後、新設する高炉の改修が行われる。
高炉の改修に際しては、まず炉体冷却後、高炉の炉底部側壁に開口部を設けて、高炉の炉底部に残存する被解体物、すなわち炉底部に残存する銑鉄等の凝固物層および高炉炉底を構成する炉底レンガ等の除去を行う。
ところで、近年、発明者らは、高炉炉底部の解体に当たり、上記した被解体物の除去を効率的に行うものとして、炉底に残存する特に銑鉄等の凝固物層を一体として取り出す解体方法を開発した。
すなわち、炉床内容物とくに炉底に残留して凝固した銑鉄等の凝固物を一挙に除去できる技術として、特許文献1、特許文献2記載の技術を開発した。
これら特許文献1、2の技術は、高炉炉体を炉底部の炉床内容物が残留している位置より上方の位置で切断し、炉底部より上位の炉体は炉体支柱で懸架支持し、この状態で炉底部鉄皮を解体除去したのち、炉床内容物を吊り上げ除去する方法である。
特開2002−30312号公報 特開2002−30311号公報
しかしながら、上記したような従来の高炉炉底部の解体方法では、それまでの技術に比べれば解体期間を短縮できるとはいえ、残留する炉床内容物のハンドリングに難点を残し、さらなる改善が望まれていた。
本発明は、かかる事情に鑑み開発されたもので、高炉改修時における高炉の炉体冷却後に、炉底部に残存する被解体物を、経済的かつ短時間で撤去することができる高炉炉底部の解体方法を提案することを目的とする。
本発明は、上記の観点から、炉床内容物そのものを迅速に取り出すのではなく、炉床内容物ごと高炉炉底部を撤去することにより、所期した目的を達成したものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)吹き卸し後の高炉の炉体を、高さ方向に複数のブロックに分割し、分割ブロック単位で解体除去する方法により、高炉の炉底部ブロックを解体するに際し、吹き降ろし後の高炉炉底部に残存する炉床内容物より高いレベルで高炉炉体を水平に切断し、その切断レベルより上方にある上部炉体を炉体櫓に設置した炉体支持手段を用いて懸架すると共に、高炉炉底部に残存する炉床内容物より低いレベルで高炉炉体を水平に切断して、高炉炉底部と高炉基礎部との接合を断ち、しかる後、高炉炉底部に残存する炉床内容物ごと炉底部ブロックを側方に抜き出すことからなる高炉炉底部の解体方法において、
該高炉基礎部との接合を断つ高炉炉底部の切断レベルを、高炉基礎部の上面よりも低いレベルとし、かつ少なくとも炉底部の鉄皮周りより広い範囲にわたり、高炉基礎部を該切断レベルまで深さ方向に切断し、該深さ方向に切断した切断溝を起点にして、高炉基礎部の一部ごと高炉炉底部と高炉基礎部との接合を断ち、ついで高炉炉底部に施工した補強梁を支持面にする一方、残存する高炉基礎周りを補強し、該補強部分を起点にして油圧シリンダーで高炉炉底部を持ち上げ、しかる後、切断した高炉基礎部の一部と共に炉底部ブロックを側方に抜き出すことを特徴とする高炉炉底部の解体方法。
)前記高炉基礎部との接合を断つ高炉炉底部の切断レベルを、高炉炉底の最下層を構成する高炉炉底冷却装置の冷却配管群より低いレベルとし、炉底部ブロックの側方への抜き出しに際し、該高炉炉底冷却装置も併せて抜き出すことを特徴とする上記(1)記載の高炉炉底部の解体方法。
)前記高炉基礎部との接合を断つ高炉炉底部の切断レベルを、切断済み炉体を引き出す方向の搬出地場レベルに一致させることを特徴とする上記(1)または(2)記載の高炉炉底部の解体方法。
本発明によれば、高炉改修時の炉体解体に際し、高炉炉底部ブロックを、炉底に残存する炉床内容物ごと高炉基礎上から撤去できるので、従来、炉底部に残存する炉床内容物を解体して撤去した後、高炉炉底部の撤去を行っていた解体方法に比べて迅速であり、高炉改修期間を大幅に短縮することができる。
また、本発明によれば、高炉炉底部の最下層部分まで、そのまま取り出すことができるので、取り出し部分の高炉基礎部は新たな高炉炉体構築面とすることができる。
さらに、本発明によれば、高炉炉底部の切断後の取り出しは、切断面上をスライドさせて高炉基礎上から撤去することができるので、炉底部に残存する炉床内容物が多量であっても障害なく撤去を行うことができる。
本発明では、高炉の炉底部を、炉底部に残存する炉床内容物ごと撤去する。
このように、炉床内容物ごと炉底部を撤去できれば、高炉の解体作業とは別の場所で、別途に炉底部の解体を行うことができる。すなわち、炉底部および炉床内容物も高炉基礎上以外の場所で処理することができ、高炉の炉体解体作業とは別途に工事を行うことができるので、高炉の炉体下部で行っていた制約の多い従来作業に比べ、作業上の空間を大きく取れるなど、解体作業も格段に容易になる。
また、従来、炉底部および炉床内容物を撤去した後、順次に高炉の炉体解体を行っていたのに対し、炉底部撤去後、直ちにその上位の高炉炉体解体に着手することができるので、改修期間も大幅に短縮される。
ここで、炉底部に残存する炉床内容物とは、炉底部に残存する銑鉄の凝固物や、銑鉄と鉱滓が混合し凝固した高硬度の凝固物、ならびに銑鉄、コークスおよび鉱滓等の混合物からなって容易に崩壊する崩壊物などが主である。また、高炉炉底部とは、炉底鉄皮をはじめとして、炉底レンガ、炉底マンテルおよび炉底構造物などを指す。
なお、炉底部に残存する炉床内容物のうち、銑鉄の凝固物や、銑鉄と鉱滓が混合し凝固した高硬度の凝固物だけでも、数百トンから千数百トンにも達する。
本発明では、これらを一挙に撤去できることから、解体の時間短縮および解体作業性の大幅向上など、その利点は大きい。
以下、本発明に従う高炉炉底部の解体方法を、図面を用いて具体的に説明する。
図1に示すように、吹き卸し後の高炉の炉底部を解体するに際しては、まず炉体櫓1に設置したリフトジャッキ2のロッドの先部をトップマンテル3に固定して、高炉4を支持しておく。次に、高炉4の下部の炉底部5の上面である鉄皮を水平に切断する。切断する高さレベルは、少なくとも炉底部5に残存する炉床内容物6より高いレベルとする。これは、炉床内容物6を水平方向に抜き出して高炉から撤去する際に、切断された高炉4の上部炉体7の下端部に炉床内容物6が衝突しないようにするためである。
ついで、高炉の炉底部5を高炉から撤去する時は、鉄皮の切断位置より上方にある上部炉体7を、炉体櫓1に設置したリフトジャッキ2により、他の炉体7aおよびトップマンテル3と共に懸架する。なお、高炉4を、トップマンテル3、上部炉体7、他の炉体7aと表示したのは、炉底部5の撤去後、高炉4を降下させ、順次上部炉体7を切断撤去、次に残りの高炉4を降下させ、炉体7aを切断撤去、最後にトップマンテル3を撤去する例として、分割数を4分割として撤去する場合を示したからである。なお、8は高炉基礎部、また9は高炉炉体周りに構築される作業床であり、この作業床9は炉体の撤去に際し、干渉する範囲を事前に解体しておけば障害にはならない。
なお、分割数を3分割にするなど、必要に応じて分割数を変化させることも、解体に際し、障害にならないことは勿論である。
次に、炉底部5に残存する炉床内容物6より低いレベルの炉底下部位置で炉体を水平に切断して、高炉基礎部8との接合を断つ。この切断に際しては、高炉基礎部8の一部を含む形、すなわち高炉基礎部8の上面よりも低いレベルで切断しても良い。
この点について、より詳しく説明すると、次のとおりである。
図2、図3に示すように、高炉炉体は高炉基礎上に搭載され、高炉炉底部5は基礎部8と一体化されている。そこで、この基礎部8を、高炉の炉底部5撤去に先立って、炉底部5の鉄皮周りより広い範囲にわたり、基礎部8を縦方向(深さ方向)に必要深さだけ(切断予定レベルまで)切断する。すなわち、高炉の基礎部8の残す部分と、炉底部5の撤去に際し同時に除去する部分とに基礎部8を切り分ける。
図2は、基礎部8の切断例を示す高炉炉体の平面図であり、この図で見て、高炉炉体の炉底部5の抜き出し方向10の基礎部8の側面位置11a,11bを、炉底部5の下部の水平に切断する切断予定レベルまで、深さ方向に切断する。この切断処理は、ワイヤーソー等を用いて行うことができる。炉底部5の抜き出し方向10とは反対の領域は、改修に際し残すべき基礎部分がある場合には、その残す部分との境界線例えば11cの位置を、同様に炉底部下部の切断予定レベルまで、深さ方向に切断する。
また、上記したような深さ方向の切断に替えて、図3に示すように、基礎部8のうち、高炉炉底部5の周囲のハッチングで示した範囲12を、炉底部5の下部の切断予定レベルまで、予め解体しておくようにしても良い。
そして、図2の例では、炉底部5の鉄皮周りより広い範囲について縦方向に切断した切断位置11a、11b、11cの切断溝内に、ワイヤーソーのワイヤーを通し、このワイヤーソーを切断予定レベルの水平面内で回転させて、基礎部8の一部ごと炉底の下部位置を切断することにより、高炉基礎部8と高炉炉底部5との接続を断つ。
あるいは、図3に示すように、炉底部5の鉄皮周りの作業床9のハッチングで示した範囲12を解体撤去した後、炉底部5の外周に、ワイヤーソーのワイヤーを位置させ、このワイヤーソーを切断予定レベルの水平面内で回転させて、基礎部8の一部ごと炉底の下部位置を切断することにより、高炉基礎部8との接続を断つこともできる。
上記したようなワイヤーソーを用いて行う切断は、エンドレスのワイヤーに所定間隔でダイヤモンドビーズと称される刃部を取付けたワイヤーソーを、被切断物の外周を囲むように取付け、このワイヤーソーをモータ等の駆動部により軸方向に移動させて被切断物を切断する技術として公知である。本発明では、この切断法を使用することができる。
ただし、高炉炉底部5は、直径が15〜20mにも達する大型構造物であり、また前記したように、炉底部に残存する炉床内容物6のうち、銑鉄の凝固物や、銑鉄と鉱滓が混合し凝固した高硬度の凝固物だけでも数百トンから千数百トンに達する重量物でもある。
そのため、切断に際しては、図4、図5に示す切断形態を採ることが好ましい。
図4は、高炉炉底部5のワイヤーソーによる切断の一例を示す模式図である。図中、13はダイヤモンドビーズ取付きのワイヤー(いわゆるワイヤーソー)であり、本発明では、このワイヤーソー13を、高炉炉底部5の炉床内容物6より低いレベルの高炉炉底鉄皮あるいは高炉基礎部8の一部を含む炉底下部位置を囲うように取付け、該ワイヤー13をガイドシープ14によりガイドしつつ、回転円盤15を駆動部16により回転させて、ワイヤーソー13をその軸方向に移動させることにより、高炉炉底部5の鉄皮および炉底部耐火物等を切断するものである。切断につれて、駆動部全体(14、15、16)を図中矢印方向に軌道17上を後退移動させることにより、ワイヤーソー13の張力を調整しつつ切断する。
図中、実線で示すワイヤーソー13aは、切断が一部進行した状態を示し、ハッチング部は未切断領域である。また、このハッチング部の外周は、切断完了面18である。
なお、上記した切断形態では、高炉炉底部5の鉄皮あるいは鉄皮外周面より下部位置を囲うワイヤーソーの水平面内でのガイドが、ガイドシープ14のみでは難しい場合には、以下の切断形態を採ることが好ましい。
すなわち、水平に切断する切断位置にコアボーリングを施し、コアボーリング孔を利用してワイヤーソーを通し、コアボーリング孔間を順次に切断して、最終的に高炉の炉底部5と基礎部8とを分離する方法である。
図5は、その一例を示すもので、図5(a)は平面図を、図5(b)は断面図を示す。
図5において、高炉基礎部8の切断予定レベルに、複数のコアボーリングを施す。この図では、コアボーリング孔30を五孔設けた例を示し、31は図2にて説明したワイヤーソーによる縦方向(深さ方向)の切断線である。そして、水平方向の切断は、コアボーリング孔30にワイヤーソー13を通して、順次に隣接するコアボーリング孔30間を切断する。この水平方向の切断ラインを図5(b)に番号32で示す。なお、このような切断は、一台の切断装置を用い、順次に繰り返すことによって行っても、複数の切断装置を使用して同時に行うようにしても良い。
このようにして、炉底部5の下部の基礎部8を水平に切断し、高炉の基礎部8と切り離す。すなわち、図5の例では、切断線は、切断予定レベルに適するまでの深さ方向の切断を完了した切断線31とコアボーリング孔30とコアボーリング孔30間を切断した水平方向の切断ライン32で基礎部8の一部8aを基礎部8から切断することにより、基礎部8と分離している。
また、本発明では、図6に示すように、コアボーリング孔30や切断ライン32には、切断に際し粉体を充填しつつ切断を進行させることもできる。また、スペーサを挿入して切断の進行を図ることもできる。
図6は、炉底部5の下部の切断時の状態を側面から示す模式図であるが、ワイヤーソー13による切断の進行に伴って、切断空間19(水平方向の切断ライン32およびコアボーリング孔30)が発生する。この切断空間19に、スペーサあるいは粉体20を充填しつつ切断を進行させていくもので、この充填粉体20が切断済み高炉炉底部5の状態を保持し、上記の切断をスムーズに進行させ、かつ切断完了時、高炉炉底部5の落ち込みを防止する。
かかる切断に際し、切断空間19のうち、コアボーリング孔30および切断ライン32の片方のみにスペーサや粉体20を充填してもよいし、あるいは切断ライン32およびコアボーリング孔30の双方にスペーサや粉体20を充填しても良い。要は、かかる切断をスムーズに進行させると共に、切断完了時、高炉炉底部5の落ち込みを阻止あるいは緩和できれば良い。なお、スペーサ使用であれば適宜配置して行けばよく、粉体であれば順次充填して行けば良い。
炉底部5と基礎部8との切断分離完了後は、炉底部5の上面は予め高炉炉体と切断分離されているので、抜き出し方向10に向かってスライドさせることが可能となる。抜き出し方向10へのスライドは、切断済み炉底部5の下面にスペーサあるいは粉体20が存在している場合、これらスペーサあるいは粉体20がスライドを助ける。
その他、粉体20の充填空間(切断空間19)を利用して、炉底部5のスライド用機材を挿入して抜き出しを行うこともできる。また、スペーサ利用であれば、そのスペース空間を利用して、炉底部5のスライド用機材を挿入して抜き出しを行うこともできる。
また、本発明では、高炉炉底部の切断レベルを、高炉炉底の最下層を構成する高炉炉底冷却装置の冷却配管群より低いレベルとすることにより、高炉炉底部分を構成する全要素を併せて撤去することができる。
図7(a)にその一例を示す。21は、高炉炉底冷却装置の冷却配管群を示すもので、高炉炉底冷却装置の冷却配管群21の下方位置で切断した状態を示し、切断は、切断予定レベルまで深さ方向の切断を完了した切断線31とコアボーリング孔30とコアボーリング孔30間を切断した水平方向の切断ライン32で基礎8の一部8aを基礎8から切断し、基礎8と分離している。図中、27は、高炉炉体を基礎8上に固定していたアンカーボルトであり、これも高炉基礎8の一部8aとして切断を完了した状態を示す。この状態で切断が完了すれば、高炉炉底部分を構成する全要素を撤去することができる。切断が完了した高炉の炉底部5内には炉床内容物6が残存したままであり、これを炉底部5ごと高炉の基礎8から撤去する。
また、炉底部5を持ち上げて抜き出すこともできる。
すなわち、撤去する炉底部5は、高炉炉底部に残存する炉床内容物6を含んでおり大重量である。新設する炉体では、変形や歪などの発生がないように考慮した炉体の持ち上げを行わなければならないが、解体撤去の場合には、持ち上げ時の変形防止や歪発生阻止などの点に考慮を払う必要はない。従って、持ち上げが必要な場合には、図7(a),図7(b)に示すように、炉底部5の鉄皮部分に補強梁(例えばH形鋼の梁22、補強23)などを溶接施工して、補強梁を支持面にして油圧シリンダ(図示省略)で炉底部5を昇降させるなどの操作が可能である。例えば、切断した炉底部5を補強梁22,23を介して持ち上げ、炉底部5下面と持ち上げで発生した高炉基礎部8との空間に炉底部スライド用の機材、例えばチルタンク(商品名:チルコーポレーション製)や摺動用スライダーあるいはエア式スライダ等を差し込んで、抜き出しを行うこともできる。
高炉周囲の基礎8aごと切断する場合には、炉底部5側に残存する基礎8a周りを補強して、補強部分を起点にし、この起点と上記補強梁などの支持面との間に上記油圧シリンダを配置して持ち上げを行えばよい。
図7(b)は、切断完了後、高炉の炉底部5を持ち上げた状態を示したもので、炉底部5を切断した基礎の一部8aと共に油圧シリンダで持ち上げ、持ち上げにより発生した隙間hに、チルタンク33を挿入して、炉体の抜き出しを可能とした例である。
チルタンク33は、その一例を示すと、天板34、無限軌道を構成するローラ35ならびに敷板36からなっており、本図示例では3列配置で図中奥行き方向に荷重が担えるように多数配列とした場合を示している。持ち上げにより発生した隙間hに、チルタンク33を挿入し、しかる後、炉底部5を降下させてチルタンク33上に搭載する。ついで、チルタンク33に搭載された炉底部5を抜き出すことにより、高炉基礎8上から炉床内容物6ごと炉底部5を側方に移動させることができる。
高炉改修時の高炉吹き卸し時には、前述したとおり、炉内から排出し切れなかった残銑鉄・残滓などが数百〜一千数百トン程度炉床に残存しているが、これを高炉の炉底部と一緒に撤去できるため本発明の利点は大さい。また、かような炉床内容物を含む大荷重であっても、上記の例ではチルタンク33の使用台数を増加させることにより、支持、移動が可能であり支障にはならない。
さらに、高炉基礎8との接合を断つ切断線31の切断深さを、切断済みの炉底部5の炉体を抜き出す方向の搬出地場レベルに一致させ、高炉炉底部5を内部に残存する炉床内容物6ごと側方にスライドさせつつ高炉基礎上から撤去するようにすれば、撤去の際の作業性が一段と向上する。
図8にその一例を示す。
高炉基礎8の切断レベル(高さh1)とレベルをほぼ同一にした炉底部5の搭載架橋24(高さh2)を使用して、高炉基礎8から高炉炉底部5を移動させ、搭載架構24上に炉底部5を搭載する。25は、炉底部5の移動、すなわちスライドさせるためのスライド用の機材(例えばチルタンク)であり、このスライド用機材25上を炉底部5が矢印の方向にスライドして搭載架横24に移送する例を示した。ここで、切断レベル(高さh1)とレベルをほぼ同一にした搭載架橋24(高さh2)とは、搭載架橋24の高さh2は、スライド用機材25の高さを加えた高さとすることも含んでいることを意味する。スライド用機材25の高さが低い場合には、この高さh2は高さh1とほぼ同一としても良い。要は、基礎8上から炉底部5を搭載架構24側に移送できれば良い。
なお、この炉底部5のスライドのための駆動装置は、高炉の短期改修に炉体スライドで使用される油圧式移動装置など公知の機器を利用することができる。また、高炉基礎8の切断面の高さレベルh1と搭載架構24の高さレベルh2はほぼ同一であれば良く、段差が生じた場合には、図7で説明したように、複数の油圧シリンダ等で持ち上げてスライド高さを調整すれば良い。
図8にて示したように、側方へのスライド移動で炉底部5を基礎8上から撤去することにより、作業性よく撤去を行うことができる。なお、搭載架構24の移動は炉体搬送用台車26を利用して行う。
かような炉体搬送用台車26としては、公知文献(特開2000−282116号公報)に記載されている台車を使用することができる。この炉体搬送用台車26は、上面が平坦な長方形の台車本体を備え、台車本体の下部には空気を充填したタイヤ式の車輪が多数配列されており、地面上を走行する。車軸上には油圧式の昇降シリンダが配設してあって台車本体が昇降自在であり、また各車輪は旋回レバーを調整することにより車輪の水平旋回が可能となるため走行方向の調整も制御自在である。このため、炉体搬送用台車には、前進後退移動を可能とする走行用駆動装置を備えた自走式のものと、駆動装置のない従動式のものを長手方向に連結して使用される。かような輪送台車は、ユニットドーリー等と呼称される台車であり、連結台数の選択により長さが調節できるだけでなく、並列して使用することにより幅の広いものにも対応可能であり、使用台数を増加させることによって輸送可能重量を自在に調整できる。
従って、炉床内容物が残存して重量が大きくなった炉底部5といえども輸送が可能なのである。
図9は、高炉炉底部5の高炉基礎8からの撤去および撤去後の状態を示す側面図である。図9(a)は、高炉基礎8から切断ライン32の高さとほぼ等しい高さを有する搭載架構24上ヘ炉底部5を移動させ搭載した状態を示している。そして、図9(b)に示すように、搭載架構24に炉底部5を搭載した後、炉体搬送用台車26にて炉底部5を搭載架構24ごと必要な場所、例えば炉体解体用の地場まで運搬する。所定の場所まで運搬した後は、図9(c)に示すように、搭載架構24から炉体搬送用台車26を退避させ、その後、作業性の良い炉体解体用の地場で解体を行う。
このように、本発明では、高炉炉底部5の解体を、高炉基礎上の他の炉体の解体とは別途に行うことができるので、作業性は高く、またここでの解体作業は改修期間に影響を与えないものとなる。なお、切断した基礎部分8aは、搭載架橋24上への炉底部5の搭載に際し、不要な部分は除去しておくことが好ましく、図9の例では炉底部5直下の基礎の一部8aのみとして示した。
吹き卸し後の高炉の解体手順を示す図である。 高炉炉底部の鉄皮周りの基礎を切断する際の範囲を示す平面図である。 高炉炉底部の鉄皮周りの基礎を解体する際の範囲を示す平面図である。 高炉炉底部をワイヤーソーで水平方向に切断する状態を示す平面図である。 高炉炉底部を水平方向に切断する状態を示す平面図(a)および断面図(b)である。 高炉炉底部を水平方向に切断する状態を示す断面図である。 高炉炉底部の炉底冷却装置を含む部分を切断した状態(a)および切断完了の炉底部を持ち上げた状態(b)を示す断面図である。 高炉炉底部を高炉の基礎から撤去する状態を示す側面図である。 高炉炉底部の高炉基礎からの撤去および撤去後の状態を示す側面図である。
符号の説明
1 炉体櫓
2 リフトジャッキ
3 トップマンテル
4 高炉
5 高炉炉底部
6 炉床内容物
7 上部炉体
7a 他の炉体
8 高炉基礎部
9 作業床
10 炉底部の抜き出し方向
11a,11b,11c 切断位置
12 ハッチング範囲
13,13a ワイヤーソー
14 ガイドシープ
15 回転円盤
16 駆動部
17 軌道
18 切断完了面
19 切断空間
20 粉体
21 冷却配管群
22 梁
23 梁の補強
24 搭載架構
25 スライド用機材
26 炉体搬送用台車
27 アンカーボルト
30 コアボーリング孔
31 切断線
32 切断ライン
33 チルタンク
34 天板
35 ローラ
36 敷板

Claims (3)

  1. 吹き卸し後の高炉の炉体を、高さ方向に複数のブロックに分割し、分割ブロック単位で解体除去する方法により、高炉の炉底部ブロックを解体するに際し、吹き降ろし後の高炉炉底部に残存する炉床内容物より高いレベルで高炉炉体を水平に切断し、その切断レベルより上方にある上部炉体を炉体櫓に設置した炉体支持手段を用いて懸架すると共に、高炉炉底部に残存する炉床内容物より低いレベルで高炉炉体を水平に切断して、高炉炉底部と高炉基礎部との接合を断ち、しかる後、高炉炉底部に残存する炉床内容物ごと炉底部ブロックを側方に抜き出すことからなる高炉炉底部の解体方法において、
    該高炉基礎部との接合を断つ高炉炉底部の切断レベルを、高炉基礎部の上面よりも低いレベルとし、かつ少なくとも炉底部の鉄皮周りより広い範囲にわたり、高炉基礎部を該切断レベルまで深さ方向に切断し、該深さ方向に切断した切断溝を起点にして、高炉基礎部の一部ごと高炉炉底部と高炉基礎部との接合を断ち、ついで高炉炉底部に施工した補強梁を支持面にする一方、残存する高炉基礎周りを補強し、該補強部分を起点にして油圧シリンダーで高炉炉底部を持ち上げ、しかる後、切断した高炉基礎部の一部と共に炉底部ブロックを側方に抜き出すことを特徴とする高炉炉底部の解体方法。
  2. 前記高炉基礎部との接合を断つ高炉炉底部の切断レベルを、高炉炉底の最下層を構成する高炉炉底冷却装置の冷却配管群より低いレベルとし、炉底部ブロックの側方への抜き出しに際し、該高炉炉底冷却装置も併せて抜き出すことを特徴とする請求項1記載の高炉炉底部の解体方法。
  3. 前記高炉基礎部との接合を断つ高炉炉底部の切断レベルを、切断済み炉体を引き出す方向の搬出地場レベルに一致させることを特徴とする請求項1または2に記載の高炉炉底部の解体方法。
JP2004164375A 2004-06-02 2004-06-02 高炉炉底部の解体方法 Expired - Lifetime JP4802457B2 (ja)

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