JP4126469B2 - 高炉炉体の解体組立装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の炉体を解体する又は組み立てる高炉炉体の解体組立装置に関するものである。尚、以下で使用する「部分マンテル」は、鉄皮だけのものと、鉄皮にステーブ(又はステーブクーラ)、レンガ等が一体となったものの双方を含む意味に使用するものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来、高炉の炉体を解体する又は組み立てる高炉炉体の解体組立装置は、据付用に炉頂櫓に取り付けられた揚重機(一般には走行する炉頂アウトリガークレーン)を利用して、炉体を解体又は組み立てるものが知られている。
【0003】
一方、炉体を例えば5つの大ブロック(トップマンテル、上部シャフトマンテル、下部シャフトマンテル、ボッシュマンテル及びハースマンテル)に分割し、各ブロックを炉体櫓に設けた昇降設備によって炉底より取り込むもの(例えば特開平9−143521号公報)や、炉体を複数のブロックに分割し、各ブロックを炉体櫓に設けた中空油圧ジャッキを用い操業床より台車を介して搬出又は搬入するもの(例えば特開昭53−87906号公報、特開昭53−87907号公報等)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記炉頂櫓に取り付けられた揚重機(炉頂アウトリガークレーン)は、吊り上げ能力が通常60〜200トン程度であり、炉体は全体重量で数千トン、水平方向にリング状に分割したリング状マンテルでもステーブの取り付けられた状態では数百トン規模となることが通常である。このため、炉体を短冊形のピースに分割したもので解体乃至組立(据付)を行なっていたが、工期がかかり効率的、経済的ではなかった。
【0005】
一方、炉体を5つの大ブロックに分割し搬出又は搬入するものは、ブロック自体の重量が非常に大きくなり、吊り上げ、吊り下げ等に極めて大規模な仮設を要すると共に、炉底周りの作業空間を多く必要とし、高炉全体構造や周辺の空間的制約を受けるもので、汎用的装置ではなかった。
【0006】
又、炉体を複数のブロックに分割し操業床レベルにて台車を介して搬出又は搬入するものは、操業床レベルと2床近傍の環状管との高さ方向の間隙が小さく、台車上面からの有効高さに制限され各ブロックの高さを大きく取れず制約がある。これを回避するためには、環状管の撤去が必要であり、これを復旧する作業も生ずることから多大の労力を要する。
【0007】
上記高炉炉体の解体、組立は、高炉新設時のマンテル組立、据付においても全く同様であった。
【0008】
本発明の課題は、高炉炉体の解体組立装置において、解体組立時の部分マンテルの移動の自由度が大きく、且つ空間的制約が少ないことである。更に、解体組立の作業が容易であり工期短縮が可能で、効率的、経済的なことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、高炉炉体を複数に分割した部分マンテルであって、該部分マンテルを順次前記炉体から解体する又は順次組み立て前記炉体に組み上げる高炉炉体の解体組立装置において、高炉の炉体櫓の内側と外側との間に設けられた受梁と、該受梁上を走行して前記部分マンテルを水平方向に移動可能に設けられ、且つ前記部分マンテルを垂直方向に移動可能な移動ユニットとを備え、該移動ユニットは、所定長さの掛け渡し部材と、該掛け渡し部材を垂直方向に上げ下げする垂直方向移動手段と、前記掛け渡し部材に取り付けられ前記部分マンテルを吊ることが可能な吊り手段とを有することである。
【0010】
受梁は、高炉の炉体櫓の内側と外側との間に設けられたので、移動ユニットは、炉体櫓の内側と外側との間で受梁上を走行し、部分マンテルを水平方向に移動させることが出来る。更に、移動ユニットは、掛け渡し部材に吊り手段が取り付けられているので部分マンテルを吊ることが出来る。更に、垂直方向移動手段は掛け渡し部材を垂直方向に上げ下げ出来るので、掛け渡し部材に吊り手段によって吊られた、或いはブラケットを介して掛け渡し部材に載置された部分マンテルを垂直方向に上げ下げ出来る。従って、移動ユニットは、部分マンテルを水平方向と垂直方向に比較的自由に移動することが出来る。
【0013】
従って、本発明の高炉炉体の解体組立装置は、解体組立時の部分マンテルの移動の自由度が大きく、且つ空間的制約が少なくなる。更に、解体組立の作業が容易であり工期短縮が可能で、効率的、経済的である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る高炉炉体の解体組立装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、図1〜9において、同一又は同等部分には同一符号を付けて示す。
【0015】
図1は、本発明に係る高炉炉体の解体組立装置の第1実施の形態を示す正面図、図2は、図1の I 矢視図、を各々示す。第1実施の形態の高炉炉体の解体組立装置26は、既設の高炉炉体2を、例えば水平方向に10ブロックの部分マンテル4に分割して、順次取り外し解体するか、又は、予め製作しておいた部分マンテル4を順次搬入して組み立て炉体2に組み上げるかするものである。上記解体の場合において、炉体を予め10ブロックの部分マンテル4に分割したものを順次取り外すか、炉体から部分マンテル4を一つづつ分割しながら取り外すかは、高炉の大きさ、炉体櫓の状況等の条件を考慮して適宜決める。
【0016】
更に、高炉炉体の解体組立装置26は、高炉の炉体櫓16の内側19aと外側19bとの間に設けられた受梁28と、この受梁28上を走行して部分マンテル4を略水平方向に移動可能に設けられ、且つ部分マンテル4を略垂直方向に移動可能な二組の移動ユニット33とを備えている。図2に示すように、受梁28は、部分マンテル4を挟んで外側に2本敷設されている。この2本の受梁28上を門形状に形成された二組の移動ユニット33が部分マンテル4を支えながら走行する。
【0017】
図3は、図2の II 矢視図、図4(A)は図2の III 矢視図、図4(B)は(A)の要部拡大図、を各々示す。
【0018】
図3に示すように、受梁28は、断面I形で、上側フランジ上に上記移動ユニット33が走行する。受梁28は、鋳床11上に複数の受座13を介して設置され、鋳床11に片持ち或いは必要に応じて受梁28の先端側29(図1)を炉体櫓の支持柱17に支持させる。移動ユニット33は、所定長さの掛け渡し部材であるサポートビーム35と、このサポートビーム35を略垂直方向に上げ下げする垂直方向移動手段38とを有し、二つの垂直方向移動手段38の間にサポートビーム35が掛け渡されて門形状に形成されている。
【0019】
サポートビーム35には、吊り手段としての中空油圧ジャッキ44が取り付けられ、部分マンテル4を吊り下げ又は吊り上げすることが出来るようになっている。
【0020】
垂直方向移動手段38は、サポートビーム35の両端寄りを各々支え、それぞれ二つの油圧シリンダー39を有し、各油圧シリンダー39は多段階に、例えば4段に伸縮出来、サポートビーム35を上げ下げ出来る。油圧シリンダー39は、持ち上げる部分マンテル4の重量によって適宜基数とその容量を決められるが、例えばこの第1実施の形態の場合は、二つの移動ユニット33によって部分マンテル4を支えるので、油圧シリンダー39の数は8基となり、例えば鉄皮及びステーブを有する部分マンテル4の重量が500トンであれば、1基100トンの油圧シリンダーを使用して合計800トンの持ち上げ容量とすることが出来る。 尚、この第1実施の形態の移動ユニット33は、サポートビーム35の両側にそれぞれ二つずつの油圧シリンダー39を有しているが、本発明はこれに限定されず、持ち上げるべき部分マンテル4の重量によって一つ又は複数の油圧シリンダー39を設けても良いことは勿論である。又、この垂直方向移動手段38は、油圧シリンダー本体の他に油圧ポンプユニット、電気制御装置等を備え、公知のものを使用することが出来る。油圧ポンプユニット、電気制御装置等は、複数基の垂直方向移動手段38の上昇、下降速度やその移動量を制御する。
【0021】
中空油圧ジャッキ44は、部分マンテル4の吊り上げと吊り下げを行なうことが出来、油圧によって上下に移動するテンションロッド46を中心軸に持つもので、1基当りの吊り上げ又は吊り下げ容量は、例えば200トンである。中空油圧ジャッキ44を複数基設けることによって、数百トンの合計容量となり、例えば部分マンテル4の重量が先の部分マンテルと同様に500トンであれば、4〜6基の中空油圧ジャッキ44を使用することになる。上記テンションロッド46にワイヤーの先端を接続し、更にワイヤーの他端を部分マンテル4に設けられたブラケット5にボルト、ナット50で固定し、ワイヤーに接続されたテンションロッド46を上げ下げすることにより行なわれる。この中空油圧ジャッキ44の場合も、上記垂直方向移動手段38と同様に、中空油圧ジャッキ本体の他に油圧ポンプユニット、電気制御装置等を備え、公知のものを使用することが出来る。油圧ポンプユニット、電気制御装置等は、複数基の中空油圧ジャッキ44の上下吊り上げ速度や吊り下げ速度と吊り上げ又は吊り下げの移動量を制御する。これら油圧装置の一部は、垂直移動手段38の油圧装置と共用化することにより経済性は向上する。
【0022】
又、図3に示すように、高炉炉体の解体組立装置26は、受梁28に沿って走行可能に設けられた羽口可動安全天井52を備えて、この羽口可動安全天井52の上側空間54と下側空間55で各々安全に組立、解体作業が出来るようにすることも可能である。羽口可動安全天井52は、受梁28の下側フランジ31内面上を、上記移動ユニットのチルタンク41と同じ構造のチルタンク53(回転ローラ)が転動し走行する。羽口可動安全天井52の下側には分廻し用ビーム56が設けられ、ハースマンテル4d内の作業に供される。
【0023】
図4に示すように、移動ユニット33は、一つの部分マンテル4を移動するために二組設けられ、各移動ユニット33は、受梁28上を走行するために、チルタンク41が設けられている。尚、チルタンク41を用いず、車輪を設けて自走させる、或いは公知のスライドベアリングを用い、受梁28上を摺動させることも選択可能な走行手段である。
【0024】
以上の構造を有する本実施の形態の高炉炉体の解体組立装置26は、次のように作用する。即ち、図1〜4において、受梁28は、高炉の炉体櫓の内側19aと外側19bとの間に設けられたので、移動ユニット33は、炉体櫓の内側19aと外側19bとの間で受梁28上を走行し、部分マンテル4を略水平方向に高炉の鋳床部9側から炉体中心部3側に、又は炉体中心部3側から鋳床部9側に速やかに移動させることが出来る。更に、移動ユニット33は、サポートビーム35に中空油圧ジャッキ44が取り付けられているので部分マンテル4を吊ることが出来る。
【0025】
そして、垂直方向移動手段38はサポートビーム35を略垂直方向に上げ下げ出来るので、サポートビーム35に取り付けられた中空油圧ジャッキ44によって吊られた部分マンテル4を略垂直方向に上げ下げ出来る。従って、移動ユニット33は、部分マンテル4を略水平方向と略垂直方向に比較的大きな自由度をもって移動することが出来る。
【0026】
更に、門形状に形成され移動ユニット33は、両側の二つの垂直方向移動手段38によって部分マンテル4を上げ下げすることによって安定に垂直方向に移動出来、且つ垂直方向移動手段38は多段階に上げ下げ出来るので、部分マンテル4を必要な高さ位置に容易に移動出来る。
【0027】
そして、中空油圧ジャッキ44は、部分マンテル4を吊り上げたり、吊り下げたりすることが出来るので、部分マンテル4をサポートビーム35の下方に移動又はサポートビーム35の下方から移動することが出来、部分マンテル4の垂直方向の移動の自由度が大きくなる。
【0028】
受梁28を炉体の外側で、炉体櫓の支持柱17間を通して高炉の鋳床部9(又は鋳床11)から炉体中心部3側に設け且つ受梁の受座13を低くした場合には、鋳床面12のレベルと環状管14との高さ方向の間隙を鋳床面12より高いレベル位置にある操業床上に受梁28を設ける場合に比べ大きくとれ、空間的制約を受けることが比較的少ない。更に、炉体2の部分マンテル4への分割個数を少なく出来、且つ強度的に無理なく必要十分な強度のある受梁28を設けることが可能である。
【0029】
そして、鋳床レベルを利用して受梁28を設けることは、部分マンテル4の移動ユニット33からグランドレベル25への搬出又はグランドレベル25から移動ユニット33への搬入にも利便性がある。その上、受梁28の仮設に鋳床の天井クレーン10を利用することも出来る。
【0030】
又、図3に示したように、受梁28に沿って走行可能に設けられた羽口可動安全天井52は、安全天井の着脱作業を迅速、容易にし、高炉炉体の解体、組立作業を効率化する。そして、安全天井の上側空間54と下側空間55とで各々安全に解体、組立作業が出来る。
【0031】
次に、第1実施の形態の高炉炉体の解体組立作業について、図5〜7に基づいて説明する。
【0032】
図5は、高炉炉体の解体を示し、(A)は羽口マンテルの撤去中の正面図、(B)はボッシュマンテルの垂直方向移動及び水平方向移動中の正面図、をそれぞれ示す。図5(A)に示すように、先ず、炉体2を炉体櫓16にダブルリングガーダー18を介して支持しておく。この状態で羽口マンテル4eをピースに切断し、鋳床の天井クレーン10によって鋳床部9に移動し搬出する。尚、羽口マンテル4eの切断下端レベルは、受梁28上端と環状管14の下端との間に、その後の部分マンテル4の解体及び組立を容易に行なえる空間が取られるように決められている。羽口マンテル4eを撤去した後、図5(B)に示すように、鋳床面12に受梁28を敷設し、移動ユニット33を走行可能に設置する。この際、受梁28に羽口可動安全天井52を可動可能に設置する。
【0033】
羽口可動安全天井52の上側空間54においては、炉体2の下端側から所定の高さ寸法のリング状の炉腹マンテル4cを略水平に切断して切り出す。この時、切り出された炉腹マンテル4cを支持するために、移動ユニット33の垂直方向移動手段38によってバランスがとれるように支えておく。この切り出された炉腹マンテル4cを垂直方向移動手段38によって下げる。下げられた炉腹マンテル4cを移動ユニット33によって受梁28に沿って鋳床部9側に移送する。鋳床部9側に移送された炉腹マンテル4cは、図示していないクレーンによって搬出される。図1に示す如く、鋳床部9より外側へ受梁28を延長し、中空油圧ジャッキ44を用いて、重量物搬送台車23に載荷し搬出するのも一方法である。
【0034】
同時に、炉体上部のガス捕集マンテル等のトップマンテル4aをアウトリガークレーン22によって解体する。羽口可動安全天井52の下側空間55においては、ハースマンテル4d内の残銑を処理する作業が同時に行なわれる。この時、残銑塊を中空油圧ジャッキ44を用いて吊り上げ、移動ユニット33によって搬出することも可能である。以上の作業によって、炉体の解体が行なわれる。
【0035】
図6は、第1実施の形態における高炉炉体の組立を示し、(C)はハースマンテルの水平方向移動中の正面図、(D)はシャフトマンテルの水平方向移動中の正面図、をそれぞれ示す。図6(C)に示すように、外部で予め製作された部分マンテル、例えばハースマンテル4dは、図示していない公知の重量物搬送台車で鋳床部9まで搬送され、図示していないクレーンによって受梁28の移動ユニット33の中空油圧ジャッキ44に吊られる。図1に示す如く、鋳床部9より外側へ受梁28を延長し、中空油圧ジャッキ44を用いて、重量物搬送台車23より部分マンテル4を吊り上げて搬送する方法も可能である。ハースマンテル4dを吊った移動ユニット33は、炉体中心部3側に水平方向に移送される。移送されたハースマンテル4dは、炉底24に設置される。
【0036】
図6(D)に示すように、シャフトマンテル4bは、トップマンテル4a等と同様に鋳床部9に引き込まれ、移動ユニットの中空油圧ジャッキ44に吊られる。更に、シャフトマンテル4bは、移動ユニット33によって炉体中心部3側に移送される。移送されたシャフトマンテル4bは、移動ユニットの垂直方向移動手段38によって上方に持ち上げられ、先に組み立てられたトップマンテル4aや別のシャフトマンテル4bに接続される。溶接面の肌合わせ等の接続のための位置の微調整は中空油圧ジャッキ44をサポートビーム35上で摺動させる等の公知の方法により行なうことが出来る。
【0037】
図7は、図6と同様の組立を示し、(E)は3床大梁上の仮置と炉腹マンテルの水平方向移動中の正面図、(F)は炉腹マンテルの垂直方向移動中の正面図、をそれぞれ示す。図7(E)に示すように、トップマンテル4a、シャフトマンテル4b等は、ブラケット6を介して、3床大梁部に置かれた4〜8基の油圧ジャッキ7に支持されて3床大梁部上に仮置される。これは、既に接続された部分マンテル4を吊り上げ或いは吊り下げる吊り装置の能力を適正化するために選択される一つの方法である。炉腹マンテル4cは、図示していない重量物搬送台車で鋳床部9まで搬送され、図示していないクレーンによって移動ユニットの中空油圧ジャッキ44に吊られる。次に、図7(F)に示すように、炉腹マンテル4cが炉体中心部3側まで移動された時に移動ユニットの垂直方向移動手段38によって持ち上げられ、既に接続されているシャフトマンテル4bの下端に接続される。最後に、前記3床大梁部の油圧ジャッキ7で仮置された上方のマンテルのレベルを調整しつつ図示していない羽口マンテルを取り込み、上端、下端をそれぞれ、ボッシュマンテルとハースマンテル4dと接続することで炉体の組立が完了する。
【0038】
図8は、本発明に係る高炉炉体の解体組立装置の第2実施の形態を示す平面図である。第2実施の形態の高炉炉体の解体組立装置26は、移動ユニット33の配置方向が受梁28と平行な方向である。移動ユニット33をこのように配置することによって、移動ユニット33のサポートビーム35の長さを短くすることが出来、門形状の移動ユニット33を小型化することが可能である。第2実施の形態の高炉炉体の解体組立装置26におけるその他の構造と作用は、第1実施の形態の高炉炉体の解体組立装置と同じであるので、その説明を省略する。
【0039】
図9は、本発明に係る高炉炉体の解体組立装置の第3実施の形態を示す正面図である。第3実施の形態の高炉炉体の解体組立装置26は、炉体櫓16の中間高さ部に設けられた場合である。受梁28は、炉体櫓の支持柱17に支持されると共に、外側19bの先端28aと支持柱17間に斜めのワイヤーや鋼材等の補強材32を接続し、荷重に耐えるようにする。炉体の組立の場合は、炉体櫓16の外側19bで、グランドレベル25に重量物搬送台車23によって搬送された部分マンテル4を移動ユニット33の中空油圧ジャッキ44によって吊り上げ受梁28上に垂直移動する。次に、受梁28上を水平方向に炉体中心部3側に移送し、炉体の上部マンテルの組立の場合は垂直方向移動手段38によって部分マンテル4を持ち上げ、炉体の下部マンテルの組立の場合は中空油圧ジャッキ44によって部分マンテル4を吊り下げ、それぞれ先に組み立てた部分マンテル4に接続する。第3実施の形態の高炉炉体の解体組立装置26は、部分マンテル4の搬入又は搬出が容易であると共に、鋳床部9と炉体櫓内側19aとの間に設けた高炉炉体の解体組立装置と併設して設け、解体又は組立を速やかに行なうことも出来る。
【0040】
尚、上記第1〜3実施の形態において、部分マンテル4はリング状の場合について説明したが、本発明はこれに限らず、短冊に分割したものも含む。又、マンテルを一部残置して流用する場合も、一部の手順を調整することで容易に実施することが出来る。
【0041】
【発明の効果】
本発明の高炉炉体の解体組立装置によれば、解体組立時の部分マンテルの移動の自由度が大きく、且つ空間的制約を少なくする。更に、炉体の解体組立の作業が容易であり工期短縮が可能で、効率的、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高炉炉体の解体組立装置の第1実施の形態を示す正面図である。
【図2】図1の I 矢視図である。
【図3】図2の II 矢視図である。
【図4】(A)は図2の III 矢視図、(B)は(A)の要部拡大図である。
【図5】第1実施の形態における高炉炉体の解体を示し、(A)は羽口マンテルの撤去中の正面図、(B)は炉腹マンテルの垂直方向移動及び水平方向移動中の正面図、をそれぞれ示す。
【図6】第1実施の形態における高炉炉体の組立を示し、(C)はハースマンテルの水平方向移動中の正面図、(D)はシャフトマンテルの水平方向移動中の正面図、をそれぞれ示す。
【図7】図6と同様の組立を示し、(E)は3床大梁上の仮置と炉腹マンテルの水平方向移動中の正面図、(F)は炉腹マンテルの垂直方向移動中の正面図、をそれぞれ示す。
【図8】本発明に係る高炉炉体の解体組立装置の第2実施の形態を示す平面図である。
【図9】本発明に係る高炉炉体の解体組立装置の第3実施の形態を示す正面図である。
【符号の説明】
2 炉体
4 部分マンテル
16 炉体櫓
19a 内側
19b 外側
26 高炉炉体の解体組立装置
28 受梁
33 移動ユニット
35 サポートビーム(掛け渡し部材)
38 垂直方向移動手段
44 中空油圧ジャッキ(吊り手段)
Claims (1)
- 高炉炉体を複数に分割した部分マンテルであって、該部分マンテルを順次前記炉体から解体する又は順次組み立て前記炉体に組み上げる高炉炉体の解体組立装置において、高炉の炉体櫓の内側と外側との間に設けられた受梁と、該受梁上を走行して前記部分マンテルを水平方向に移動可能に設けられ、且つ前記部分マンテルを垂直方向に移動可能な移動ユニットとを備え、該移動ユニットは、所定長さの掛け渡し部材と、該掛け渡し部材を垂直方向に上げ下げする垂直方向移動手段と、前記掛け渡し部材に取り付けられ前記部分マンテルを吊ることが可能な吊り手段とを有することを特徴とする高炉炉体の解体組立装置。
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