JP4802376B2 - ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体を圧送するポンプに関するもので、特に内燃機関の冷媒を循環させるウォータポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平2−149822号公報(以下、従来技術という)には、ポンプハウジングのベアリング支持部を取り囲む状態でプーリを配置し、ベアリング支持部でのシール材配設部とベアリング配設部との間に形成した緩衝室の下部に水抜き穴を形成し、この水抜き穴をプーリの内面に開口させると共に、プーリの内面に水溜め部を形成したウォータポンプが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術のウォータポンプではプーリの内面に形成された水溜め部から漏れた液体は、プーリの外周面を伝わってプーリのベルト係合面に至る。周知のようにプーリによる回転力の伝達は回転力伝達手段たるベルトがベルトとプーリとの間に働く摩擦力によりプーリを回転させることで行われるため、プーリのベルト係合面に液体が付着すると摩擦力が低減し、回転力の伝達に損失が生じる恐れがある。また、ベルトは一般的にゴムで構成されているため液体の付着により膨潤し、強度が低下するという問題が生じる。
【0004】
それゆえ、本発明は、小型、軽量かつ簡単な構成で軸シール部材から漏出した液体がプーリのベルト係合面へ到達することを防止できるウォータポンプを提供することを、その課題とする。
【0005】
上記した課題を解決するために請求項1の発明にて講じた技術的手段は、ベルト係合面を有するプーリと、前記プーリと一体的に回転し、前記プーリに向かって突出するシャフトと、前記シャフトと一体的に回転するインペラと、ベアリングを介して前記プーリを回転自在に支承すると共に、前記ベアリングと前記インペラとの間に配設される軸シール及び前記ベアリングを固設する円筒部を有するボデーとを備えてなり、前記ベアリングの外輪は前記プーリの内周面に取り付けられ、前記ベアリングの内輪は前記円筒部の外周面に取り付けられ、前記軸シールは前記円筒部の内周面と前記シャフトの外周面との間に取り付けられているウォータポンプにおいて、前記プーリには、径方向外側に突出する突出部を設け、前記突出部の内周面は液体を所定量溜める溜め部を形成すると共に、前記溜め部に溜められる液体の水位が前記ベルト係合面の内周面よりも低くなるように調整する調整手段を有することである。
【0006】
上記した手段によれば、軸シールなどから漏出した液体は、プーリに設けられた径方向外側に突出する部分から滴下する。これにより、水切り効果が得られ、ベルトが係合されているプーリのベルト係合面にまで液体が流れることによるベルトへの液体の付着を防止できる。
また、上記した手段によれば、突出部はその容積の分(所定の量)だけ液体を溜めることができる。この時、溜められた液体の水位は調整手段によって常にベルト係合面の内周面よりも低くなるので溜められた液体がベルト係合面の内周面に侵入することが防止できる。
【0007】
また、上記した課題を解決するために請求項2の発明にて講じた技術的手段は、請求項1に記載の発明に加えて、前記突出部は前記ベルト係合面の前記プーリの軸方向側方に設けられていることである。これにより上記した水切り効果をベルト係合面から離れた位置(プーリの軸方向側方)で得ることができる。
【0010】
また、上記した課題を解決するために請求項3の発明にて講じた技術的手段は、請求項1または2に記載の発明に加えて、前記プーリは少なくとも一つの面が前記ベルト係合面の内周面によって形成される円環状の第一空間と、少なくとも一つの面が前記ベアリングが取り付けられる前記プーリの内周面によって形成される円環状の第二空間と、前記第一空間と前記第二空間とを連通させる連通部とを備えてなることである。
【0011】
上記した手段によれば、軸シールから漏出した液体がベアリングが取り付けられる第二空間に侵入しても連通部により速やかに第一空間に排出される。これによりベアリング付近に漏出した液体が滞留することがないので、ベアリング内部への液体の侵入を防止することができる。
【0012】
また、上記した課題を解決するために請求項4の発明にて講じた技術的手段は、請求項1または2に記載の発明に加えて、前記プーリは、前記ベルト係合面を構成する第一円筒面と、前記プーリの前記ベアリングが取り付けられる内周面を構成する第二円筒面と、前記第一円筒面と前記第二円筒面とを接続する第一円環面と、前記シャフトを構成する第三円筒面と、前記第二円筒面と前記第三円筒面とを接続する第二円環面とを有し、前記第二円環面と前記第二円筒面との少なくとも一方に連通部を設けたことである。
【0013】
上記した手段によれば、連通部が第一空間を構成する第一円環面と第二円筒面の少なくとも一方に設けられているので、第一空間の軸方向あるいは径方向に下方(プーリの外側方向)に開口する連通部を設けることができ、第二空間内の液体を速やかに第一空間に排出することができる。
【0014】
また、上記した課題を解決するために請求項5の発明にて講じた技術的手段は、請求項3に記載の発明に加えて、前記第一空間及び前記第二空間は前記プーリを複数回折り曲げることによってシャフトと一体に形成されていることである。
【0015】
上記した手段によれば、プーリをプレス加工や絞り加工などにより成形することができるので、複雑な形状のプーリを軽量で安価に製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明に従った実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明をエンジンのウォータポンプに適用した第一実施形態を示す断面図である。
【0018】
図1において、ウォータポンプ1は、プーリ10、インペラ30、ベアリング40、軸シール部材(軸シール)50、ハウジング(ボデー)60、シール部材80から構成されている。
【0019】
プーリ10は一方の側(図示右側)の端面は開口し、他方の側(図示左側)に端面10aを有する略有底円筒形状を有している。プーリ10の円筒面には、端面10a(プーリの軸方向側方)に径方向外方に全周にわたって突出する突出部11が形成され、その後縮径して一方の側に向かって延伸するベルトの係合面たる円筒面10bが形成されている。また、端面10aには、その中心付近を一方の側に向けてすり鉢状に突出させた段部10cと、その段部10cの中心付近を一方の側に向けて円筒状にさらに突出させたシャフト部(シャフト)20とを有する。段部10cと端面10aとの間には図1、図2に示すような切り欠き部(連通部)10dが形成されプーリの内部と外部とを連通する。
【0020】
このとき段部10c、シャフト部20、突出部11、ベルト係合面10bはすべてプーリ10と同心に形成されている。
【0021】
このプーリ10は、耐食処理された鋼板などの板状部材をプレス工法などにより成形されても良いし、鋼板で成形され、成形後に耐食処理されてもよい。
【0022】
インペラ30は、円盤状の基部30bと、そこから突出した数葉の羽根30cをもつ、所謂オープンタイプの羽根車である。インペラ30の基部30bの中心にはシャフト部20の内周面に挿入するための凸部30aが形成されている。この凸部30aと、シャフト部20とは、本実施形態においては圧入によって相対回転不能に取り付けられ、ハウジング60内の液体と外部との液密を確保している。
【0023】
ハウジング60は、吸込口62、図示しない吐出口、及び凹部61を有する主ボデー部62と、主ボデー部62の端面に取り付けられるボデー底部64とから構成されている。主ボデー部62は、例えば、アルミニウムダイカスト鋳物等で形成されていてもよいし、エンジンのシリンダブロックや、タイミングベルトケース等と一体的に構成されていてもよい。
【0024】
ボデー底部64は、略円盤形状を呈しており、その中心付近にはボデー底部64の外径よりも小径の円筒部63が、主ボデー部62から離れる方向に突出して形成されている。このボデー底部64は、耐食処理された鋼板等の板状部材から、プレス工法等によって成形されている。主ボデー部62と、ボデー底部64とは、シール部材80を介して図示しないボルト等によって結合されている。これにより、主ボデー部62の凹部61と、ボデー底部64との間には液密が保たれた空間が形成される。
【0025】
この空間が水室70を構成し、インペラ30は、この水室70内に配置されている。
【0026】
ボデー底部64の円筒部63の内周面63aには軸シール部材50の外周面が圧入などによって相対回転不能に取り付けられている。また、シャフト部20の外周面にも同様に圧入などによって軸シール部材50の内周面が相対回転不能に取り付けられている。ここで、軸シール部材50の内外周面は相対回転可能とされている。軸シール部材50は、公知のメカニカルシールである。
【0027】
また、ボデー底部64の円筒部63の外周面63bにはベアリング40の内輪が圧入などによって相対回転不能に取り付けられている。一方、プーリ10のベルト係合面10dの内周面10eにはベアリング40の外輪が、圧入などによって相対回転不能に取り付けられている。ここでベアリング40は公知のころがり軸受である。
【0028】
これにより、プーリ10は、ベアリング40によって、ハウジング60に対して相対回転可能に支承されている。
【0029】
次に本第一実施形態の作動について説明する。
【0030】
プーリ10のベルト係合面10bに係合されたベルト90を介して、図示しないエンジンの出力軸から伝達される回転力によりプーリ10が回転する。プーリ10の回転に伴って、プーリ10と一体成形されたシャフト部20も同一方向に回転する。そして、シャフト部20と一体となったインペラ30が、ハウジング60内の水室70内で回転する。
【0031】
いま、水室70内には冷媒が満たされているので、インペラ30の回転による遠心力によって、インペラ30は、水室70の中心付近にある冷媒を、インペラ30の外周方向へと運ぶ。このように、インペラ30の中心から外側に向かって、遠心力によるポンプ作用が発生する。これにより、水室70内におけるインペラ30の回転中心付近とその外周側との間には圧力差が生じ、冷媒がインペラ30の回転中心付近に設けられる吸込ポート62aから水室70内へと吸い込まれる。そして、インペラ30のポンプ作用により外周側へ圧送され、外周側に設けられた図示しない吐出口からエンジンの被冷却各部へと供給される。
【0032】
水室70内には冷媒が満たされているが、プーリ10は切り欠き部10dを介して大気開放されている。しかしながら、主ボデー部62と、ボデー底部64の間はシール部材80によって、シャフト部20とボデー底部64の間は軸シール部材50が配置されていることによって、密閉されている。
【0033】
上記したように、第一実施形態においては、軸シール部材50はボデー底部64の円筒部63の内周面63aとプーリ10のシャフト部20の外周面との間に配置されている。軸シール部材50は、その特性として微少な冷媒漏れが生じることがある。例えば、エンジンの停止時に軸シール部材50に漏れが生じた場合、漏れた冷媒はシャフト部20と円筒部63の内周面63aとの間を通って、プーリ10のベルト係合面10bの内周面10eと突出部11の内周面11aと、端面10aと、段部10cによって環状に画設される内部空間12に至る。図1に示すように内部空間12の図示下側はベルト係合面10bの内周面10eと、突出部11の内周面11aとが構成する。ここで、突出部11の内周面11aの図示水平方向の位置はベルト係合面10bの内周面10eの図示水平方向の位置よりも低くなるように形成されている。これにより、漏出冷媒は内部空間12のベルト係合面10bの内周面10e付近ではなく突出部11の内周面11aの方に溜まる。ところで、端面10aには図1または図2に示すような切り欠き部10d(調整手段)が設けられている。このとき、切り欠き部10dは、ベルト係合面10bの内周面10eの図示水平方向の位置よりも図示下側(低い)位置に開口している。これにより漏出冷媒は切り欠き部10dからプーリ10の外部へ速やかに排出される。排出された冷媒はプーリ10の端面10aを伝わり、突出部11の外周面11bから滴下する。このとき、突出部11はプーリ10の軸方向側方に径方向外方に向かって全周に渡り突出しているので、冷媒が突出部11を伝って円筒面(ベルト係合面)10bにまで到達することはない。このため、ベルトのゴム材の劣化(膨潤や強度低下)やベルトへの付着する冷媒の成分の乾燥物による悪影響などを発生させることがないのでベルトの寿命向上を図ることができる。さらに、ベルト係合面とベルトとの間に冷媒が入り込むことにより両者の間の摩擦力が低下して発生するスリップが防止できるのでポンプ駆動トルクの損失の発生、ベルトスリップによるベルトの摩耗の発生等を併せて防止できる。
【0034】
また、ベアリング40はプーリ10のベルト係合面10bの内周面10eと円筒部63の外周面63bとの間に配置されているが、突出部11により冷媒はベアリング付近には滞留せずに突出部11に滞留する。このためベアリング40内部に漏出冷媒が侵入する恐れはない。これによりベアリングのグリスの劣化やベアリング内部の腐食の発生を防止することができるので、ベアリングの寿命向上を図れる。
【0035】
図3は本発明をエンジンのウォータポンプに適用した第二実施形態を示す断面図である。尚、第二実施形態はプーリの構成が異なるだけであるので、第一実施形態と同一の構成については第一実施形態の番号符号に100を付した番号符号を付し、説明を省略する。
【0036】
図3において、ウォータポンプ101は、プーリ110、インペラ130、ベアリング140、軸シール部材150、ハウジング160、シール部材180から構成されている。
【0037】
プーリ110は一方の側の端面が開口し、他方の側に端面110aを有する略有底円筒形状の円筒面(第一円筒面113a)を一方の側で直角に折り曲げて形成した第一端面(第一円環面)113bと、第一端面113bを直角に折り曲げて他方の側に向かって延伸して形成した第二円筒面113cと、第二円筒面113cを他方の側で直角に折り曲げて形成した第二端面(第二円環面)113dと、第二端面113dを直角に折り曲げて一方の側に向かって延伸して形成した円筒状のシャフト部(第三円筒面)120とから構成されている。
【0038】
ベルト190は第一円筒面113aの外周面113a1に係合され、第一円筒面113aの外周面113a1はプーリ110のベルト係合面として機能する。プーリ110の第一円筒面113aの内周面と113a2と、プーリ110の他方側端面110aと、第一端面113bと、第二円筒面113cの外周面113c1とにより、プーリ110の一方の側に向かって突出する断面コの字状を有する第一円環状空間112a(第一空間)が画設される。プーリ110の端面110aは図4に示すように第一円筒面113aに直交する円環面であり、中心に向かって所定の長さだけ設けられ、あとは開口する。また、プーリ110の端面110aと第一円筒面113aとによる角部付近(プーリ110の軸方向側方)には第一円筒面113aが径方向外方に向かって全周にわたって突出する突出部111が形成されている。
【0039】
また、第二円筒面113cの内周面113c2と、第二端面113b、シャフト部120の外周面120aとによってプーリ110の他方の側に向かって突出する断面逆コの字状の第二円環状空間(第二空間)112bが画設される。この第二円筒面113cと第二端面112bとで構成される角部には第一円環状空間112aと第二円環状空間112bとを連通する切り欠き部110d(連通部)が設けられている。
【0040】
このとき、第一円筒面113a、第一端面113b、第二円筒面113c、第二端面113d、第一、第二円環状空間112a、112bとシャフト部120とはすべて同心に形成されている。
【0041】
このプーリ110は、耐食処理された鋼板などの板状部材をプレス工法などの塑性加工により成形して形成する。あるいは、鋼板をプレス工法などの塑性加工により形成した後に耐食処理するなどの工法により成形されてもよい。
【0042】
また、ボデー底部164の円筒部163の外周面163bにはベアリング140の内輪が圧入などによって相対回転不能に取り付けられている。プーリ110の第二円筒面113cの内周面113c2にはベアリング140の外輪が、圧入などによって相対回転不能に取り付けられている。ここでベアリング140は公知のころがり軸受である。
【0043】
これにより、プーリ110は、ベアリング140によって、ハウジング160に対して相対回転可能に支承されている。
【0044】
次に本第二実施形態の作動について説明する。
【0045】
上記した第一実施形態と同様に、軸シール部材150はボデー底部164の円筒部163の内周面163aとプーリ110のシャフト部120の外周面120aとの間に配置されている。軸シール部材150は、その特性として、微少な冷媒漏れが生じることがある。例えば、エンジンの停止時に軸シール部材150に漏れが生じた場合、漏れた冷媒はシャフト部120と円筒部163の内周面163bとの間を通って、プーリ110の第二円環状空間112bに至る。この第二円環状空間112bの図示下及び左方向には切り欠き部(連通部)110dが開口しているため、漏出冷媒は切り欠き部110dを介して図示下方へと導かれる。第二円環状空間112bの外周には第一円環状空間112aが画設されている。切り欠き部110dを介して漏出冷媒はこの第一円環状空間112aへと導かれる。ここで、第一円環状空間112aを画設するプーリ110の端面110aは所定の長さだけ縮径方向に向って延び、あとは開口している。これにより、漏出冷媒は所定の量だけこの第一円環状空間112a内に溜められる。もし、軸シール部材150からの漏出する冷媒の量がこの所定の量よりも多くなった場合には、漏出冷媒はプーリ110の端面110aを乗り越えて開口部110bから第一円環状空間112aの外へと流れ出す。外に流れ出た冷媒はプーリ110の端面110aを伝わり図示下方向に向かって流れる。そして、突出部111に至り滴下される。突出部111の外周面は、第一円筒面113aの外周面113a1よりも図示水平方向の位置が低いため、冷媒が突出部111を伝ってベルト190が係合されている外周面113a1にまで到達することはない。このため、ベルトのゴム材の劣化(膨潤や強度低下)やベルトへの付着する冷媒の成分の乾燥物による悪影響などを発生させることがないのでベルトの寿命向上を図ることができる。さらに、係合面とベルトとの間に冷媒が入り込むことにより両者の間の摩擦力が低下してスリップが起こることによるポンプ駆動トルクの損失の発生や、ベルトスリップの発生によるベルトの摩耗も併せて防止できる。
【0046】
また、ベアリング140は第二円環状空間112b内の円筒部163と第二円筒面113cの内周面113c2との間に配置されているが、切り欠き部110dにより第二円環状空間112b内には軸シール部材150から漏出した冷媒が滞留せず、すぐに第一円環状空間112aへと流れる。このためベアリング140内部に漏出冷媒が侵入する恐れはない。これによりベアリング内部の腐食やグリスの劣化等が防止できるのでベアリングの寿命向上を図ることができる。
【0047】
以上の如く、請求項1の発明にて講じた技術的手段によれば、プーリには、径方向外側に突出する突出部を設けたことによって、軸シールなどから漏出した液体を突出部から滴下させることができる。これにより、水切り効果が得られ、ベルトが係合されているプーリのベルト係合面にまで液体が流れ、ベルトに液体が付着することが防止できる。
また、前記突出部の内周面は液体を所定量溜める溜め部を形成すると共に、前記溜め部に溜められる液体の水位がベルト係合面の内周面よりも低くなるように調整する調整手段を有することによって、突出部はその容積の分(所定の量)だけ軸シールから漏出した液体を溜めることができる。この時、溜められた液体の水位は排出手段によって常にベルト係合面の内周面よりも低くなるので溜められた液体がベルト係合面の内周面に侵入することが防止できる。
【0048】
また、請求項2の発明にて講じた技術的手段によれば、請求項1に記載の発明に加えて、前記突出部は前記ベルト係合面の前記プーリの軸方向側方に設けられていることによって上記した水切り効果をベルト係合面から離れた位置(プーリの軸方向側方)で得ることができる。
【0050】
また、請求項3の発明にて講じた技術的手段によれば、請求項1または2に記載の発明に加えて、前記プーリは少なくとも一つの面が前記ベルト係合面の内周面によって形成される円環状の第一空間と、少なくとも一つの面が前記ベアリングが取り付けられる前記プーリの内周面によって形成される円環状の第二空間と、前記第一空間と前記第二空間とを連通させる連通部とを備えてなることによって、軸シールから漏れた液体はベアリングが取り付けられる第二空間に侵入しても連通部により速やかに第一空間に排出することができる。
【0051】
また、請求項4の発明にて講じた技術的手段によれば、請求項1または2に記載の発明に加えて、前記プーリは、前記ベルト係合面を構成する第一円筒面と、前記プーリの前記ベアリングが取り付けられる内周面を構成する第二円筒面と、前記第一円筒面と前記第二円筒面とを接続する第一円環面と、前記シャフトを構成する第三円筒面と、前記第二円筒面と前記第三円筒面とを接続する第二円環面とを有し、前記第二円環面と前記第二円筒面との少なくとも一方に連通部を設けたことによって、第二空間内の液体を速やかに第一空間へ排出することができる。
【0052】
また、請求項5の発明にて講じた技術的手段によれば、請求項3に記載の発明に加えて、前記第一空間及び前記第二空間は前記プーリを複数回折り曲げることによってシャフトと一体に形成されていることにより、プーリをプレス加工や絞り加工などにより成形することができるので、複雑な形状のプーリを軽量で安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施形態を示すウォータポンプの断面図である。
【図2】図2は本発明の第一実施形態を示すウォータポンプの正面図である。
【図3】図3は本発明の第二実施形態を示すウォータポンプの断面図である。
【図4】図3は本発明の第二実施形態を示すウォータポンプの正面図である。
【符号の説明】
1、101…ウォータポンプ
10、110…プーリ
10a、110a…端面
10d…切り欠き部(調整手段)
110d…連通部
11、111…突出部
12…内部空間(溜め部)
112a…第一円環状空間(第一空間部)
112b…第二円環状空間(第二空間部)
113a…第一円筒面
113b…第一円環面
113c…第二円筒面
113d…第二円環面
20、120…シャフト部(第三円筒面)
30、130…インペラ
30a、130a…凸部
40、140…ベアリング
50、150…軸シール部材
60、160…ハウジング
62、162…主ボデー部
63、163…円筒部
64、164…ボデー底部(ハウジングの一部)
64a、164a…円筒部の内周面
64b、164b…円筒部の外周面
70、170…水室
90、190…回転伝達部材(ベルト)
Claims (5)
- ベルト係合面を有するプーリと、
前記プーリと一体的に回転し、前記プーリに向かって突出するシャフトと、
前記シャフトと一体的に回転するインペラと、
ベアリングを介して前記プーリを回転自在に支承すると共に、前記ベアリングと前記インペラとの間に配設される軸シール及び前記ベアリングを固設する円筒部を有するボデーとを備えてなり、
前記ベアリングの外輪は前記プーリの内周面に取り付けられ、前記ベアリングの内輪は前記円筒部の外周面に取り付けられ、前記軸シールは前記円筒部の内周面と前記シャフトの外周面との間に取り付けられているウォータポンプにおいて、
前記プーリには、径方向外側に突出する突出部を設け、
前記突出部の内周面は液体を所定量溜める溜め部を形成すると共に、前記溜め部に溜められる液体の水位が前記ベルト係合面の内周面よりも低くなるように調整する調整手段を有することを特徴とするポンプ。 - 前記突出部は前記ベルト係合面の前記プーリの軸方向側方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
- 前記プーリは少なくとも一つの面が前記ベルト係合面の内周面によって形成される円環状の第一空間と、少なくとも一つの面が前記ベアリングが取り付けられる前記プーリの内周面によって形成される円環状の第二空間と、
前記第一空間と前記第二空間とを連通させる連通部とを備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ。 - 前記プーリは、前記ベルト係合面を構成する第一円筒面と、
前記プーリの前記ベアリングが取り付けられる内周面を構成する第二円筒面と、
前記第一円筒面と前記第二円筒面とを接続する第一円環面と、
前記シャフトを構成する第三円筒面と、
前記第二円筒面と前記第三円筒面とを接続する第二円環面とを有し、
前記第二円環面と前記第二円筒面との少なくとも一方に連通部を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のポンプ。 - 前記第一空間及び前記第二空間は前記プーリを複数回折り曲げることによってシャフトと一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のポンプ。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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