JP3979123B2 - ウォータポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォータポンプに関するものであり、特に、シャフト部の保護を図るウォータポンプの構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に用いられるウォータポンプは、動力源となるエンジンの一部に取り付けられ、エンジンの動力を利用してインペラを回転させ、インペラの回転によりエンジン内部に冷却水を循環させ、エンジンの冷却が図られる。
【0003】
例えば、特開平11−336699号公報には、シリンダブロックにボルト等の固定部材によりボデーが固定され、このボデーには軸受を介して回転軸が回転自在に支持され、回転軸の一端にはプーリブラケットを介してプーリが、ボルト等の固定部材により固定されていると共に、回転軸の他端には、インペラが圧入により固着され、インペラがプーリと一体回転を行うウォータポンプが開示されている。
【0004】
この公報に示されるウォータポンプでは、回転軸とプーリと別体で構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した公報に示されるウォータポンプでは、ボデーに軸受を介して回転軸が支持された状態で、プーリブラケットを介してプーリがボルト等の固定部材によって、固定される構成となっている。このため、ウォータポンプの構造が複雑になり、部品点数が多くなってしまう。
【0006】
そこで、この様な問題点を解決するために、本出願人は、プーリと回転軸を一体でプレス成形し、プーリにシャフト部を備えたウォータポンプを、特願2000−284017号において示した。
【0007】
つまり、このウォータポンプでは、プーリとシャフト部がプレスにより一体で成形される。そして、このウォータポンプでは、ハウジングにボルト等の固定部材によりボデー底部が固定され、ボデー底部とプーリとの間にベアリングが配設され、このベアリングによって回転自在となっている。
【0008】
一方、シャフト部はボデー底部の内径に配設される軸シール部材によってシールされ、シャフト部の先端にはインペラが圧入されて、プーリとインペラは一体回転する構成となっている。
【0009】
しかし、シャフト部を、単にプレス成形(例えば、深絞りプレス)によってプーリと一体成形した場合には、シャフト部の内部は袋状となり、シャフト部の一側は開口するものとなる。
【0010】
上記したウォータポンプを、車両に取り付ける場合、ウォータポンプはエンジンルーム内において、エンジン本体等に取り付けると、車両走行中に水跳ね等によりシャフト部の開口から水滴等が、開口内部に侵入し易く、開口から侵入した水滴等が開口内部に溜まることを防止する必要がある。
【0011】
例えば、シャフト部の開口内部に水滴等が溜まった状態が継続すると、シャフト部が金属材より成る場合にはシャフト部の内部が錆び付き、その結果、シャフト部の強度が低下し、破損してしまい、軸シール部材やロータの回転を支持できなくなるおそれがある。
【0012】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な方法によって、シャフト部の確実な保護を図ることを技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、流体室を区画するボデーと、一端側が開口され他端側が閉塞された中空のシャフト部と一体的に回転し、動力源から動力が入力される回転部材と、前記シャフト部を前記ボデーに回転自在に支承するベアリングと、前記シャフト部の他端に固定され、前記流体室内に位置するインペラと、前記シャフト部と前記ボデー間に配設され、前記流体室を密閉するシール部材とを備えたウォータポンプにおいて、前記シャフト部は板状部材をプレス成形したものであり、軸方向略全域にかけて中空部が形成され、プレス成形または樹脂成形によって形成された前記回転部材と一体的に前記シャフト部の一端開口を閉塞する閉塞部を設けたことである。
【0014】
上記した技術的手段によれば、板状部材をプレス成形し軸方向略全域にかけて中空部が形成されたシャフト部の一端開口が回転部材の閉塞部によって塞がれるので、開口から開口内部に向かって水滴等が外部から侵入することが閉塞部によって確実に防止される。これによって、水滴等がシャフト部の内部に溜まらなくなり、シャフト部の保護が図れ、シャフト部内部の錆び付き等によるシャフト部の劣化が防止される。
【0015】
この場合、閉塞部は、プレス成形または樹脂成形することによって、回転部材と一体的に成形される。閉塞部は簡単なプレス成形により作られる場合には、コストアップすることなく、シャフト部の保護を図ることが可能となる。また、閉塞部は樹脂成形によって、回転部材と一体的に成形される場合には、樹脂成形による簡単な方法構成により、シャフト部の保護を図ることが可能となる。
【0016】
更に、シャフト部の一端側には、径方向外方に延びるフランジ部と、該フランジ部の端部からシャフト部の他端側に延びる円筒部が形成され、該円筒部とボデーとの間にベアリングが配設されると共に、フランジ部と回転部材との間に形成される空間にボデーとシャフト部の外周面との間の隙間を連通する開口がフランジ部に設けられれば、簡単な構成によって、空間に微量な水滴等を溜めることが可能となる。これによって、ウォータポンプ外部に対してポンプ内部の流体が漏れにくくなり、ウォータポンプの信頼性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態においては、ポンプ1を車両におけるウォータポンプに適用した場合について説明を行うが、これに限定されるものではなく、例えば、油圧装置において流体(例えば、作動油)を外部に吐出するポンプに適用が可能である。
【0018】
(第1実施形態)
図1に第1実施形態におけるポンプ1の構成を示す。図1に示すポンプ1は、主に、中央の軸方向における一側に開口25を有し、他側には軸方向に延在する円筒部20eによって環状凹部が形成されるシャフト部20の外周面20dに取り付けられてシャフト部20と一体で、エンジンのクランクシャフトの回転に同期して回転を行うプーリ10と、流体室(ここでは、流体に冷却水を使用するため、水室となる)61の軸方向におけるシールを図るための軸シール部材50と、ハウジング60に固定されたボデー64に対してシャフト部20およびプーリ10を回転自在に支持するベアリング40と、複数の羽根30cを周方向に有し、前記シャフト部20と一体回転するインペラ30とを備える。
【0019】
プーリ10は、一枚の金属より成る鋼板等の板状部材からプレス成形により作られている。プーリ10は、中央に凹部10gを有する円筒状を呈し、外周面には軸方向において複数の溝部10eが並んで形成されている。プーリ10の溝部10eには、図示しないが、エンジンのクランクシャフトおよびエンジンの吸排気を制御するカムシャフトの回転と同期した回転が行える様、プーリ10には、クランクシャフトとカムシャフトに耐屈曲性に優れる材質(例えば、アラミド繊維)の芯線を有するベルトがかけられる。プーリ10は一定のベルト張力が保たれた状態で、プーリ10が回転できる様になっている。つまり、プーリ10の外周面の溝部10eにベルトがかけられ、プーリ10がベルトによって駆動されると、回転を伴わないハウジング60に対して、回転自在に支持される。
【0020】
プーリ10の凹部10gには、同じく金属の板状部材がプレス成形されたシャフト部20が圧入等(例えば、溶接)により固定され、プーリ10はシャフト部20と一体回転が行える様になっている。シャフト部20の中央は軸方向の一側に開口25を有し、その外径には環状凹部が形成される。シャフト部の軸方向における凹部側は径方向に向かって延在した後、シャフト部20の中央と同じ、軸方向に突出した円筒部20eを有する。
【0021】
シャフト部20とプーリ10は同軸となっており、シャフト部20の円筒部20eがプーリ10の凹部10gの中に圧入等により固定され、プーリ10とシャフト部20は一体回転する。この場合、シャフト部20の軸方向における開口はプーリ10の軸方向端部に形成された閉塞部10dによって。塞がれる様になっている。また、シャフト部20には、シャフト部20の径方向に延在する軸方向端部20cの一部に開口20fが形成されていると共に、シャフト部20が凹部10gに圧入等がされた状態で、径方向において開口20fの位置に一致した位置に開口10fが、プーリ10の閉塞部10dとなる軸方向端部に形成されている。
【0022】
インペラ30は、円盤状またはプロペラ状の基部30bと、基部30bから軸方向に突出した数枚の羽根30cを有する。インペラ30の基部30bの中心には、シャフト部20の円筒状となった軸方向端部20gが取り付けられる凹部30aが形成されている。このインペラ30の凹部30aに対して、シャフト部20のハウジング側の軸方向端部20gは圧入等により固定され、インペラ30はプーリ10と一体回転する。
【0023】
一方、ウォータポンプ1が取り付けられるハウジング(例えば、エンジン本体等)60には、図示しない吸込口、吐出口が設けられている。また、ハウジング60の内部には、冷却水や潤滑油と言った流体(例えば、本実施形態においては、冷却水)が流れる凹部61が形成されており、インペラ30が回転すると、図示しない吸入口から吐出口に対して冷却水が流れる。そして、エンジン内部を冷却水が通り、エンジンの発熱を冷却水により吸熱することによって、エンジンを冷却する。
【0024】
ハウジング60の端部には、ウォータポンプ1をハウジング60に対して、取り付けるためのポンプ1のボデー64が取り付けられる。本実施形態において、ハウジング60はエンジン本体とするが、エンジン本体に限るものではなく、アルミニウムダイキャスト鋳物等によって、形成されていても良い。また、ハウジング60は、エンジンのシリンダブロックや、タイミングベルトケース等と一体的に構成されていても良い。
【0025】
ボデー64は、耐食処理された鋼板等の板状部材からプレス成形された略円盤状を呈する。ボデー64は、図1に示す如く、外径端部64aがわずかながら軸方向に屈曲したフランジを有しても良い。また、ボデー64は中央に開口を有し、中心に行くに従って小径となる段部64bを有し、ボデー64は軸方向において円筒状に突出する。このボデー64は、ハウジング60にシール部材80を介して、図示しないボルト等の締結部材によって固定されている。これによって、ハウジング60の内部で冷却水が流れる凹部61と、ボデー64との間は、シール性が保たれた空間が形成される。
【0026】
この空間が流体室(例えば、冷却水が流れる場合には水室となる)70を構成し、インペラ30は、この水室70内に回転自在に配置される。
【0027】
ボデー64の段部64bの内周面64dには、軸シール部材50が圧入等で固定されており、軸シール部材50の外周面50bが内周面64dに対して、相対回転不能に圧入等で固定されている。一方、シャフト部20の外周面20aには、軸シール部材50の内周面50aが当接し、軸シール部材50によって、水室70とのシール性が保たれた状態で、シャフト部20に対して軸シール部材50がシャフト部20に摺接する様、取り付けられる。この場合、ボデー64とシャフト部20とは、軸シール部材50により図1に示す軸シール部材左右のシール性が確保された状態下で、シャフト部20がボデー64により回転自在に支持されて、ハウジング60に対してシャフト部20が相対回転自在となっている。尚、軸シール部材50は、本実施形態においては公知のメカニカルシールを採用しており、ここでは軸シール部材50の詳細な説明は省略する。
【0028】
また、ボデー64の円筒状となった内径端部64cの外周面64eには、ベアリング40の内輪40aが内径端部64cに対して圧入等で固定され、相対回転不能に取り付けられている。一方、シャフト部20における円筒部20eの内周面には、ベアリング40の外輪40bが圧入等によって、プーリ10に対して相対回転不能に取り付けられている。本実施形態において、ベアリング40は公知のころがり軸受を使用している。これによって、プーリ10は、ベアリング40によって、ハウジング60に固定されるボデー64に対して、相対回転自在に支持されるものとなる。
【0029】
次に、作動について説明する。
【0030】
プーリ10は、エンジンの出力軸であるクランクシャフトからの回転力が、プーリ10の外径の外周面に張設されたベルトで駆動し、プーリ10が回転する。プーリ10が回転すると、その回転に伴ってプーリ10と一体でプレス成形されたシャフト部20も回転する。そして、シャフト部20に圧入等で固定されるインペラ30が、ハウジング60内の水室70内で回転を行う。
【0031】
この場合、水室70内にはエンジンを冷却する冷媒として冷却水が満たされるが、インペラ30の回転に伴う遠心力によって、水室70の中心付近にある冷却水を、インペラ30の外周側へと導くようになっている。これにより、水室70内におけるインペラ30の回転中心付近とその外周側との間には圧力差が生じる。その結果、冷却水がインペラ30の回転中心付近に設けられる吸込口からウォータポンプ内部へと吸い込まれる。そして、インペラ30の回転によってインペラ30の外周側へ圧送され、インペラ30の外周側に設けられた図示しない吐出口から、エンジン内部の被冷却各部へと供給されることにより、エンジンが冷却水の循環によって冷却される。
【0032】
この場合、水室70内には冷却水が満たされた状態で、プーリ10の一側(図1に示す左側)は大気開放される構成となるが、ハウジング60とボデー64との間はシール部材80によって冷却水はシールされる。また、シャフト部20の外周面20aとボデー64の段部64bの内周面64dとは、軸シール部材50によりシールされ、シャフト部20の外周面20aを伝わってベアリング側に侵入する冷却水は防止される。
【0033】
本実施形態では、シャフト部20の開口25は、プーリ10の閉塞部10dにより閉塞される。このため、ポンプ1が車両のエンジンルーム内に配設されるエンジン本体に取り付けられた場合、車両の走行時の水跳ね等により、ポンプ1の表面に水滴が付着することが起こり得る。この場合であっても、シャフト部20の開口25は、プーリ10の凹部10gにシャフト部20を圧入等で固定する際、閉塞部10dによって開口25は確実に塞がれ、開口25の内部への湿気や水滴等の侵入を、簡単な構成により防止することができる。
【0034】
よって、プレス成形されたシャフト部20の内部は、通常では表面処理膜がのりにくく、腐食(例えば、錆び付き等)に対して弱いが、開口25は閉塞されるので、外部からの水滴等の侵入が防止でき、シャフト部内部の腐食を防止することができる。また、この構成を取れば、シャフト部内部の錆び付きによるシャフト部20の強度低下や、シャフト部20の破損または孔あきによる水漏れ等を防止することができると共に、プーリ10とベアリング40の嵌合強度が向上し、プーリ10からのベルト抜けが防止できる。
【0035】
更に、本実施形態においては、軸シール部材50に異物が噛み込んだ場合等の一時的な漏れが発生した場合でも、ベアリング40の軸方向において、水室70から軸シール部材50を介してシャフト部20の外周面20aを通り、ベアリング40の一方の端部に冷却水が導かれる。しかし、ポンプ1では、シャフト部20の一方の軸方向端部(フランジ部)20cには、ベアリング40の外輪40bとボデー64の内径端部64cとの間の大きさを有する開口20fが形成されているので、その開口20fから、軸方向に漏れてきた冷却水がプーリ10の軸方向端部10hとシャフト部20の軸方向端部20cとによって形成される空間26の間に溜まる。
【0036】
これによって、水室70から軸シール部材50を通って漏れてきた冷却水を、空間26で微量な冷却水の漏れを溜めることができるドレインポケットの機能を有するものとなる。このため、シール不良とは見なされない微量な冷却水の漏れを空間26に溜めることにより、ポンプ外部への冷却水の漏れを防止できる。よって、ウォータポンプの信頼性が向上する。
【0037】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図2を参照して説明する。図1に示す第1実施形態では、別部材から成るシャフト部20をプーリ10の凹部10gに圧入等で固定することによって、2部材からプーリ10を構成した。しかし、第2実施形態では、シャフト部21を樹脂によりインサート成形することにより、プーリ11を構成している点が異なる。その以外のポンプ1の部分は、第1実施形態と同じ構成である。このため、第1実施形態と同じ構成の部分についての説明は、ここでは割愛し、主に、異なる部分についての説明を行う。
【0038】
第2実施形態では、ベアリング40の内輪40aは、ハウジング64にボルト等の締結部材65によってエンジン等に固定されるボデー64に対し、回転不能に圧入等で固定される。また、ベアリング40の外輪40bは、中央に円筒状の軸を有するシャフト部21の外周に形成された凹部21gに圧入等により固定されている。
【0039】
シャフト部21はプレスにより成形され、中央に円筒状を呈す。このシャフト部21の一側は、図2に示す如く、径方向に延在した後、再度、軸方向に延在して円筒部21eが形成されている。更に、シャフト部21は径方向にフランジ状の端部21fが形成されている。このフランジ21fを含み、円筒部21eの外径にはプーリ11が、樹脂成形により形成されている。プーリ11は軸方向において円筒状を呈し、外周面に図示しないベルトが張設される溝部11eが一体で形成されている。このシャフト部21をインサート成形する樹脂によって、シャフト部21の中央の開口を手前で閉塞する閉塞部11dが形成される。
【0040】
このため、ポンプ1が車両のエンジンルーム内に配設されるエンジン本体に取り付けられた場合、車両の走行中、水跳ね等により、図2に示すポンプ1の表面に水滴が付着する場合であっても、閉塞部11dによって開口25が確実に塞がれるので、開口25の内部への湿気や水滴等の侵入を、簡単な構成により防止することができる。よって、シャフト部内部には、水滴が入らない構成とすることができ、シャフト内部の錆び付きが防止できる。また、シャフト部内部の錆び付きによるシャフト部21の強度低下や、シャフト部21の破損または孔あきによる水漏れ等を防止することができると共に、プーリ11とベアリング40の嵌合強度が向上し、プーリ11からのベルト抜けが防止できる。
【0041】
(第3実施形態)
図3に、第3実施形態の構成を示す。第3実施形態において、基本的な構成は、図2に示す第2実施形態と同じである。つまり、図2ではシャフト部21に対して樹脂成形してプーリ11を作る場合に、開口25を閉塞する閉塞部11dを樹脂成形により成形する様にしている。しかし、第3実施形態においては、シャフト部22の開口25はプーリ11を形成する樹脂とは別の閉塞部材(例えば、樹脂、ゴム、プラスチック等から成る栓部材)によって閉塞しても、第2実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0042】
(第4実施形態)
図4に、第4実施形態の構成を示す。第4実施形態において、基本的な構成は、図2に示す第2実施形態と同じである。つまり、図2ではシャフト部21の開口手間の部分のみを樹脂成形によって開口を閉塞しているが、第4実施形態においては、シャフト部22の開口全体を樹脂で充填して開口を塞ぐこともできる。これにより、開口は樹脂によって完全に閉塞されるので、シャフト内部には水滴等が入らなくなり、第2実施形態や第3実施形態よりも、確実にシャフト部21を水滴等からの腐食から保護できるという効果を奏する。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、板状部材をプレス成形し軸方向略全域にかけて中空部が形成されたシャフト部の一端開口が回転部材の閉塞部によって塞がれるので、開口から開口内部に向かって水滴等が外部から侵入することが閉塞部によって確実に防止することができる。これによって、水滴等がシャフト部の開口内部に溜まらなくなり、シャフト部の保護を図ることができる。これによって、シャフト内部での錆び付き、穴空き、漏れ等によるシャフト部の劣化を確実に防止でき、ウォータポンプの信頼性を向上させることができる。
【0044】
この場合、閉塞部は、プレス成形によって、回転部材と一体的に成形されると、簡単なプレス成形により閉塞部をコストアップすることなく作る事ができ、シャフト部の保護を図ることができる。
【0045】
また、閉塞部は、樹脂成形によって、回転部材と一体的に成形されると、樹脂成形による簡単な方法により、シャフト部の保護を図ることができる。
【0046】
更に、シャフト部の一端側には、径方向外方に延びるフランジ部と、該フランジ部の端部からシャフト部の他端側に延びる円筒部が形成され、該円筒部とボデーとの間にベアリングが配設されると共に、フランジ部と回転部材との間に形成される空間にボデーとシャフト部の外周面との間の隙間を連通する開口がフランジ部に設けられれば、簡単な構成によって、開口を通して微量に漏れた冷却水を溜めることができ、冷却水をウォータポンプ外部に対して漏れにくくすることができるので、ウォータポンプの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態におけるポンプの構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態におけるポンプの構成を示す断面図である。
【図3】 本発明の第3実施形態におけるポンプの構成を示す断面図である。
【図4】 本発明の第4実施形態におけるポンプの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・ウォータポンプ(ポンプ)
10・・・プーリ(回転部材)
10d・・・閉塞部
10e・・・溝部
10f・・・開口
11・・・プーリ(回転部材)
11d・・・閉塞部
20,21・・・シャフト部
20d・・・外周面
20f・・・開口
25・・・開口
26・・・空間
30・・・インペラ
30c・・・羽根
40・・・ベアリング
50・・・軸シール部材
60・・・ハウジング(非回転部材)
64・・・ボデー(非回転部材)
70・・・水室(流体室)
80・・・シール部材

Claims (2)

  1. 流体室を区画するボデーと、
    一端側が開口され他端側が閉塞された中空のシャフト部と一体的に回転し、動力源から動力が入力される回転部材と、
    前記シャフト部を前記ボデーに回転自在に支承するベアリングと、
    前記シャフト部の他端に固定され、前記流体室内に位置するインペラと、
    前記シャフト部と前記ボデー間に配設され、前記流体室を密閉するシール部材とを備えたウォータポンプにおいて、
    前記シャフト部は板状部材をプレス成形したものであり、軸方向略全域にかけて中空部が形成され、プレス成形または樹脂成形によって形成された前記回転部材と一体的に前記シャフト部の一端開口を閉塞する閉塞部を設けたことを特徴とするウォータポンプ。
  2. 前記シャフト部の一端側には、径方向外方に延びるフランジ部と、
    該フランジ部の端部から前記シャフト部の他端側に延びる円筒部が形成され、該円筒部と前記ボデーとの間に前記ベアリングが配設されると共に、
    前記フランジ部と前記回転部材との間に形成される空間に前記ボデーと前記シャフト部の外周面との間の隙間を連通する開口が前記フランジ部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のウォータポンプ。
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