JP6266388B2 - ウォータポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば自動車のエンジン冷却装置に適用され、該冷却装置内における冷却水の循環に供されるウォータポンプに関する。
この種の従来のウォータポンプとしては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
概略を説明すると、このウォータポンプは、内部にポンプ室を有するポンプハウジングと、該ポンプハウジングの外周側にベアリングを介して回転自在に支持されると共に、内側へ折曲形成された筒状ボス部を中心部に有するプーリと、前記ポンプハウジングの内部に挿通配置され、一端部が前記プーリの筒状ボス部に固定されたポンプ軸と、該ポンプ軸の他端部に固定されて、前記ポンプ室内に回転自在に収容されたインペラと、前記ポンプハウジングとポンプ軸との間に介装されたメカニカルシールと、を備えている。
前記メカニカルシールは、ポンプハウジングに固定されたカートリッジシートと、ポンプ軸に固定されて前記カートリッジシートに軸方向から摺接するシールリングとを有している。これらカートリッジシートとシールリングとによって、ポンプ室からポンプ軸を介して一端部方向(ベアリング方向)へ浸入しようとする冷却水の流動を阻止するようになっている。
US2008/0273966 A1
しかしながら、前記メカニカルシールは、前記ポンプ室からベアリング方向への冷却水の流動を阻止するようにはなっているが、例えばポンプ始動時や停止時のポンプ軸の回転が低速あるいは停止した際には、前記カートリッジシートとシールリングとの間から漏出してしまう場合がある。
このため、ポンプ室からメカニカルシールを漏出してきた冷却水が、筒状ボス部の端縁からポンプハウジングの内周面へ滴下した後に、ポンプ軸の一端部方向へ流動することで前記ベアリング内に浸入してしまうおそれがある。この結果、冷却水の浸入を起因とした発錆等によってベアリングの耐久性が低下するおそれがある。
本発明は、前記従来のウォータポンプの技術的課題に鑑みて案出されたもので、ポンプ室からメカニカルシールを漏出してきた冷却水をベアリングとは反対の方向へ案内することによって、ベアリング内への冷却水の浸入を阻止し得るウォータポンプを提供することを目的としている。
本発明は、軸方向一端側に円筒部を有するポンプハウジングと、前記円筒部の外周を取り囲む筒状基部を有し、前記円筒部と前記筒状基部との間に介設された軸受を介して回転自在に支持され、外部から動力が伝達されて回転するプーリと、前記ポンプハウジングの内部に軸方向に沿って挿通配置され、一端部が前記プーリの中心部を内側に折曲させて形成した筒状ボス部の内周に固定された駆動軸と、前記駆動軸の他端部に固定され、前記駆動軸と一体回転可能に設けられたインペラと、前記円筒部の内周面と前記駆動軸の外周面との間に介装されたシール部材と、前記駆動軸の回転軸方向における前記シール部材と前記筒状ボス部間において、前記円筒部の重力方向下側に設けられた排水孔と、を備え、前記円筒部の前記プーリ側の先端部内周面の重力方向下側を、前記排水孔へ向かって下り傾斜状の傾斜面に形成したことを特徴としている。
かかる構成により、前記シール部材から漏出した冷却水は、前記駆動軸の外周面から前記円筒部のプーリ側先端部内周面に設けられた前記傾斜面へ滴下し、ここから該傾斜面に案内され前記排水孔へと導かれる。
本発明によれば、シール部材から漏出した冷却水が軸受内に浸入することを阻止することができる。この結果、軸受における発錆等が抑制され、軸受の耐久性低下を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態におけるウォータポンプの縦断面図である。 本実施形態におけるウォータポンプの分解斜視図である。 第1の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。 第2の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。 第3の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。 第4の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。 第5の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。 第6の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。 第7の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。 第8の実施形態におけるウォータポンプの要部断面図である。
以下、本発明に係るウォータポンプの各実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車のラジエータとエンジンの間で冷却水である不凍液(エチレングリコール)を循環させる冷却装置に適用したものを示している。
〔第1の実施形態〕
ウォータポンプ1は、図1〜図3に示すように、エンジンを構成する図外のシリンダブロックの側部にボルト固定等により直接取り付けられ、シリンダブロック側の前端部内にポンプ室3が形成されたポンプハウジング2と、該ポンプハウジング2の外周側に、単一の軸受であるボールベアリング5によって回転自在に支持されたプーリ4と、前記ポンプハウジング2の内部に挿通配置され、一端部6aが前記プーリ4に固定された駆動軸であるポンプ軸6と、該ポンプ軸6の他端部6bに固定されて、前記ポンプ室3内に回転自在に収容されたインペラ7と、前記ポンプハウジング2とポンプ軸6との間に介装されて、ポンプ室3と前記ボールベアリング5との間をシールするシール部材であるメカニカルシール8と、を備えている。
前記ポンプハウジング2は、例えばアルミニウム合金材料による鋳造(アルミダイキャスト)で一体に成形されてなり、ポンプ室3側に設けられ、異形円環状に形成されたハウジング本体9と、該ハウジング本体9の後端側に設けられた段差径状の筒状部10と、を備えている。
前記ハウジング本体9は、前端にシリンダブロックの側部に設けられた平面部に当接する平坦な環状の取付面9aを有していると共に、外周には、シリンダブロックに螺着固定される取付ボルトを挿通するボルト孔9bが形成されたボス部9cが複数突設されている。
前記筒状部10は、図1に示すように、ポンプ室3側の大径部10aと、該大径部10aから前記ボールベアリング5方向へ延出した中径部10bと、後述するプーリ4側の先端部にあたり、該中径部10bからポンプ軸6の一端部6a方向へ延出した小径部10cと、から構成されている。
前記中径部10bは、軸方向のほぼ中央位置でかつ重力方向の下側に前記メカニカルシール8から漏れ出た冷却水の水滴をウォータポンプ1の外部に排出する排水孔であるドレン孔11が上下方向に貫通形成されている。
前記小径部10cは、図1に示すように、大径部10aや中径部10bよりも軸方向へ長く形成されていると共に、その内周面のほぼ全体が、端縁側から中径部10bへ向かって拡径するラッパ状に形成されている。すなわち、小径部10cの内周面の下側には、図3に示すように、その端縁側から中径部10bへ向かって所定角度をもって下り傾斜する傾斜面であるガイド面12が形成されている。このガイド面12は、高位部である一端縁12aが後述する筒状ボス部4aの外周面の軸方向ほぼ中央位置に配置され、低位部である他端縁12bが小径部10cと中径部10bとの内周側段差部にまで延設されている。
また、ガイド面12と中径部10bとの間の前記内周側段差部には、前記ガイド面12の他端縁12bに対して連続的に繋がる断面ほぼ円弧状の傾斜面である案内面13が形成されており、この案内面13は、中径部10bの内周側におけるドレン孔11の孔縁にまで延設されている。すなわち、案内面13は、ガイド面12の他端縁12bからドレン孔11へ至るまで下り傾斜状となるように形成されている。
さらに、小径部10cの前記ガイド面12と軸方向反対側の部位には、ガイド面12とは逆傾斜状のテーパ部14が前記ガイド面12の一端縁12aから小径部10cの先端側内端縁にかけて形成されている。このテーパ部14は、小径部10cの内部に後述する筒状ボス部4aを挿通する際に、逃げ部としての役割を有している。
前記プーリ4は、図1に示すように、金属プレート材をプレス成形によって円盤状に一体に形成されており、プーリ4の中央部に設けられ、前記ポンプ軸6の一端部6aが圧入固定される筒状ボス部4aと、該筒状ボス部4aの軸方向端縁からポンプ軸6の径方向に延出した小径フランジ壁4bと、該小径フランジ壁4bの外周縁からポンプ軸6の軸方向に折曲された大径状の筒状基部4cと、該筒状基部4cの軸方向端縁からポンプ軸6の径方向に折曲形成された大径フランジ壁4dと、該大径フランジ壁4dの外周縁から折り返し状に形成されたベルト装着部4eと、から構成されている。
前記筒状ボス部4aは、小径フランジ壁4bの中央部が窪むように内部軸方向へ折曲形成され、その内周面にポンプ軸6の一端部6aが圧入固定されるようになっている。また、筒状ボス部4aの先端縁4fは、ポンプ軸6に対して軸直角となるように形成されている。この先端縁4fの内周側には、後述するポンプ軸6の一端部6aを圧入させやすくするための面取り部15が形成されている。
前記小径フランジ壁4bは、図3に示すように、複数の小径貫通孔16が径方向のほぼ中央位置でかつ、円周方向のほぼ等間隔位置に穿設されている。この各小径貫通孔16は、前記筒状部10の小径部10cの外周に前記ボールベアリング5の内輪5aを圧入する際に図外の圧入用治具を挿入する作業用孔としての役割を有している。
前記筒状基部4cは、内周面に前記ボールベアリング5の外輪5bが圧入固定されるようになっており、その軸方向の長さが前記外輪5bの軸方向の長さよりも僅かに大きく形成されていると共に、内径が前記外輪5bの外径よりも圧入代を考慮して僅かに小さく形成されている。
前記大径フランジ壁4dは、前記インペラ7方向へ膨出状に折曲形成され、これによって剛性を確保するようになっている。また、大径フランジ壁4dの径方向のほぼ中央位置には、複数の大径貫通孔17が円周方向のほぼ等間隔位置に穿設されている。この各大径貫通孔17は、プーリ4を軽量化するための肉抜き孔としての役割を有している。
前記ベルト装着部4eは、波形歯状に形成された外周に、図外のクランクシャフトの先端部に固定された駆動プーリに巻回された伝達ベルトが巻回されて回転力が伝達されるようになっている。
前記ポンプ軸6は、金属材によって全体がほぼ均一な外径に形成され、図外のクランクシャフトからプーリ4に伝達された回転力を後述するインペラ7へ伝達するようになっている。
前記インペラ7は、プレス成形によって一体に形成され、前記ポンプ軸6の他端部6bに圧入固定された円筒状の圧入固定部7aと、該圧入固定部7aの軸方向端縁から径方向に延出した複数の羽根部7bとから構成されている。
前記ボールベアリング5は、一般的なもので、前記小径部10cに圧入された内輪5aと、前記筒状基部4cに圧入された外輪5bと、前記内輪5aと外輪5bとの間に保持器を介して転動自在に設けられた複数のボール5cとから構成されている。
前記内輪5aは、その軸方向の最大圧入位置が前記筒状部10の中径部10bの前端縁によって規制されている一方、外輪5bは、内輪5aの位置決めによって、筒状基部4cへの圧入の際に自ずと軸方向の位置が設定される。
また、前記内輪5aと外輪5bの前後端には、内部に水や塵芥などの浸入を阻止する一対の環状ゴム材からなるベアリングシール19a、19bがそれぞれ設けられている。この各ベアリングシール19a、19bは、外周部が前記外輪5bの軸方向の各端部に固定されている一方、内周部が前記内輪5aに摺動自在に形成されて、内部をシールするようになっている。
また、前記小径部10cの外周には、図2に示すように、小径部10cに圧入固定された保持部材21と前記内輪5aとに挟まれて固定された薄肉円環板状の遮蔽板20a及び、前記内輪5aと前記中径部10bとに挟まされて固定された薄肉円環板状の遮蔽板20bが設けられている。この遮蔽板20a、20bは、前記ボールベアリング5の前後端縁を覆った状態に配置されて、外部から水や塵芥などが前記ボールベアリング5へ浸入するのを阻止するようになっている。
前記メカニカルシール8は、一般的なものであって、前記筒状部10の中径部10bの内周面に固定されたカートリッジシート8aと、前記ポンプ軸6の外周面6cに支持されたシールリング8bとから構成されている。
〔本実施形態の作用〕
したがって、この実施形態によれば、機関のクランクシャフトが回転駆動して前記プーリ4が回転駆動されると、前記ポンプ軸6を介して前記インペラ7が回転してポンプ作用を行い、冷却水をポンプ室3内から機関のウォータジャケットに圧送してエンジンの冷却を行う。
このとき、前記高圧となったポンプ室3内の冷却水は、大部分が前記メカニカルシール8によってポンプ軸6の一端部6a側への漏出を規制されるものの、例えばポンプ始動時や停止時のポンプ軸6の回転が低速あるいは停止した場合に、一部が前記カートリッジシート8aと前記シールリング8bとの摺動面から漏出した後、ポンプ軸6の外周面6cを伝って一端部6a側に流動する。
このポンプ軸6の外周面6cを伝ってきた冷却水は、筒状ボス部4aの先端縁4fで切られて前記小径部10cの内周面に設けられたガイド面12へ滴下する。特に、本実施形態にあっては、ガイド面12の一端縁12aが筒状ボス部4aの内周面の軸方向のほぼ中央位置に形成されていることから、より確実にガイド面12へ滴下するようになっている。
そして、このガイド面12に滴下した冷却水は、該ガイド面12を伝って前記案内面13に案内されながらドレン孔11に到達し、ここから速やかにウォータポンプ1の外部へ排出される。
すなわち、筒状ボス部4aの先端縁4fから小径部10cの内周面に滴下した冷却水は、メカニカルシール8方向に下り傾斜状のガイド面12と、該ガイド面12の他端縁12bに対して連続的に繋がる案内面13によってドレン孔11へ案内され、このドレン孔11から外部へ排出されるようになっている。
したがって、この漏出したその殆どの冷却水は、ガイド面12及び案内面13の効果的な案内作用によってボールベアリング5方向への流動が阻止される。
また、この筒状ボス部4aの先端縁4fによって切られた冷却水は、たとえガイド面12を逆行してボールベアリング5方向へ流れようとしても、前記小径部10cの内周面と筒状ボス部4aの外周面との間隙が十分に狭く、表面張力が生じてその場に保持されることから、ボールベアリング5内に到達することがなくなる。
さらに、前記各ベアリングシール19a、19bによって、ボールベアリング5の内部がシールされていることから、該ボールベアリング5内への水や塵芥などの浸入をさらに効果的に阻止することが可能になる。
また、前記各遮蔽板20a、20bによって、ボールベアリング5の前後端縁が覆われていることから、該ボールベアリング5内部への水や塵芥などの浸入をさらに阻止することができる。
この結果、前記ボールベアリング5内部での錆の発生が抑制されて、該ボールベアリング5の耐久性の向上が図れる。
また、本実施形態では、ポンプ軸6の外周面6cは、切り欠きのない均一な外径に形成されていることから、該ポンプ軸6の剛性を十分に確保することができる。
〔第2の実施形態〕
以下、図4〜図10は他の実施形態を示し、図4に示す第2の実施形態は、小径部10cの先端側内端縁にテーパ部14を設けずに、該小径部10cの内周面全体を中径部10bに向かって拡径するラッパ状に形成したものである。すなわち、小径部10cの内周面の下側には、その外端縁から案内面13方向に所定角度をもって一様に下り傾斜状のガイド面12が形成されている。
したがって、この実施形態によれば、第1の実施形態と同様な作用効果が得られると共に、筒状ボス部4aと小径部10cの内周縁との間隙が第1の実施形態よりも狭まることから、ボールベアリング5方向への冷却水の伝達をさらに阻止して、ボールベアリング5内への冷却水の浸入を抑制することができる。
〔第3の実施形態〕
図5に示す第3の実施形態は、第2の実施形態をさらに変形させたもので、筒状ボス部4aの外周面を先端縁4fから小径フランジ壁4bに向かって拡径するラッパ状に形成したものである。すなわち、筒状ボス部4aの外周面の下側には、その先端縁4fから小径フランジ壁4b方向に一様に下り傾斜状のテーパ面22が形成されている。
したがって、本実施形態によっても第2の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
〔第4の実施形態〕
図6に示す第4の実施形態は、基本的には第1実施形態のものと同じであるが、小径部10cの内周面を、筒状ボス部4aの先端縁4fと対応する位置から案内面13にかけてラッパ状に形成したものである。すなわち、小径部10cの内周面の下側には、一端縁12aが筒状ボス部4aの先端縁4fと対応する位置にまで延設されると共に、案内面13方向に所定角度をもって下り傾斜状のガイド面12が形成されている。また、ガイド面12とテーパ部14との間には、平坦面23が形成されている。
したがって、本実施形態によっても第1の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
〔第5の実施形態〕
図7に示す第5の実施形態は、基本的には第4の実施形態のものと同じであるが、テーパ部14がガイド面12の一端縁12aから小径部10cの先端側内端縁にかけて形成されている。
この実施形態によってもガイド面12及び案内面13による案内作用は十分に得られるうえ、テーパ部14を第1実施形態よりも大きく形成していることから、ポンプハウジング2の小径部10c内に筒状ボス部4aを挿通する際のプーリ4に求められる成形精度が緩和される。
〔第6の実施形態〕
図8に示す第6の実施形態は、基本的には第4の実施形態のものと同じであるが、小径部10cの内周縁にテーパ部14を設けていない。すなわち、小径部10cの内周面には、その端縁からガイド面12の一端縁12aにかけて平坦面23が形成されている。
したがって、本実施形態によっても第1の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
〔第7の実施形態〕
図9に示す第7の実施形態では、基本的には第1実施形態の構造と同じであるが、メカニカルシール8側の筒状ボス部4aの先端縁4fが拡径するように屈曲形成されている。すなわち、筒状ボス部4aの外端縁が重力方向の下側に凸の突起部24を形成するようになっている。
したがって、先端縁4fによって切られた冷却水が突起部24に集められ、より確実にガイド面12へ滴下するようになると共に、ガイド面12を逆行してボールベアリング5方向へ流動しようとする冷却水の伝達を抑制することができる。
〔第8の実施形態〕
図10に示す第8の実施形態では、基本的には第1実施形態の構造と同じであるが、筒状ボス部4aの先端部に径の大きな筒状の拡径部25が形成されている。この拡径部25を設けたことによって、該拡径部25の内周面によってポンプ軸6の外周面6cを伝達する冷却水を効果的に堰き止めることができる。また、小径部10cの内周面と筒状ボス部4aの外周面との間隙がより狭まることから、ガイド面12を逆行してボールベアリング5方向へ流動しようとする冷却水の伝達を抑制することができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成を変更することも可能である。
例えば、第1の実施形態などでは、ドレン孔11に到達した冷却水をそのまま外部へ排出するように説明したが、ドレン孔11の重力方向の下側に、該ドレン孔11から流下した冷却水を捕集するドレンチャンバを設けて、ここに冷却水を貯留することもできる。さらに、ドレンチャンバの底部に冷却水を液密的に封止するドレンキャップを設けることもできる。かかる場合には、ウォータポンプ1の外面に冷却水が付着しないので、故障による冷却水漏れとの誤認を防止することができる。
また、ベアリングとしては、前記ボールベアリング5に限定されるものではなく、例えば複列式のボールベアリング、ニードルベアリングなどであってもよい。
1…ウォータポンプ
2…ポンプハウジング
4…プーリ
4a…筒状ボス部
4c…筒状基部
4f…先端縁
5…ボールベアリング(軸受)
5a…内輪
5b…外輪
5c…ボール
6…ポンプ軸(駆動軸)
6a…一端部
6b…他端部
7…インペラ
8…メカニカルシール(シール部材)
10…円筒部
10c…小径部(プーリ側の先端部)
11…ドレン孔(排水孔)
12…ガイド面(傾斜面)
12a…一端縁
12b…他端縁
13…案内面(傾斜面)
14…テーパ部

Claims (8)

  1. 軸方向一端側に円筒部を有するポンプハウジングと、
    前記円筒部の外周を取り囲む筒状基部と、前記筒状基部の内周側を前記ポンプハウジングの軸方向一端側から他端側へ向かって内側に折り曲げて前記円筒部の内周面と対向するように形成された筒状ボス部とを有し、前記円筒部と前記筒状基部との間に介設された軸受を介して回転自在に支持され、外部から動力が伝達されて回転するプーリと、
    前記ポンプハウジングの内部に軸方向に沿って挿通配置され、一端部が前記筒状ボス部の内周に固定された駆動軸と、
    前記駆動軸の他端部に固定され、前記駆動軸と一体回転可能に設けられたインペラと、
    前記円筒部の内周面と前記駆動軸の外周面との間に介装されたシール部材と、
    前記駆動軸の回転軸方向における前記シール部材と前記筒状ボス部間において、前記円筒部の重力方向下側に設けられた排水孔と、
    前記筒状ボス部の先端縁によって、前記駆動軸の外周側に拡径状に形成された段部と、
    を備え、
    前記段部と対向する前記円筒部の内周面に、前記排水孔へ向かって下り傾斜状の傾斜面が形成されていることを特徴とするウォータポンプ。
  2. 請求項1に記載のウォータポンプにおいて、
    前記円筒部の内周面と前記筒状ボス部の外周面との間隙が前記円筒部の前記プーリ側へ向かって狭くなるように形成したことを特徴とするウォータポンプ。
  3. 請求項2に記載のウォータポンプにおいて、
    前記駆動軸の全体をほぼ均一な外径に形成したことを特徴とするウォータポンプ。
  4. 請求項1に記載のウォータポンプにおいて、
    前記シール部材方向へ延設された前記筒状ボス部の軸方向先端部を拡径形成したことを特徴とするウォータポンプ。
  5. 請求項1に記載のウォータポンプにおいて、
    前記排水孔を大気へ開放するように形成したことを特徴とするウォータポンプ。
  6. 請求項1に記載のウォータポンプにおいて、
    前記排水孔の重力方向下側に排水を貯留するドレンチャンバを設けたことを特徴とするウォータポンプ。
  7. 請求項1に記載のウォータポンプにおいて、
    前記軸受は内輪と外輪及びこの間のボールとから構成された単列型であることを特徴とするウォータポンプ。
  8. 軸方向一端側に円筒部を有するポンプハウジングと、
    前記円筒部の外周を取り囲む筒状基部と、前記筒状基部の内周側を前記ポンプハウジングの軸方向一端側から他端側へ向かって内側に折り曲げて前記円筒部の内周面と対向するように形成された筒状ボス部とを有し、前記筒状基部と前記円筒部との間に介設された軸受を介して回転自在に支持され、外部から動力が伝達されて回転するプーリと、
    前記ポンプハウジングの内周側に軸線方向に沿って挿通配置され、一端部が前記筒状ボス部の内周に固定された駆動軸と、
    前記駆動軸の他端部に固定され、前記駆動軸と一体回転可能に設けられたインペラと、
    前記円筒部の内周面と前記駆動軸の外周面との間に介装されたシール部材と、
    前記駆動軸の回転軸方向における前記シール部材と前記筒状ボス部間において、前記円筒部の内周面の重力方向下側に設けられた排水孔と、
    前記筒状ボス部の先端縁によって、前記駆動軸の外周側に拡径状に形成された段部と、
    を備え、
    前記段部と対向する前記円筒部の内周面が、前記排水孔へ向かって拡径状に形成されていることを特徴とするウォータポンプ。
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