JP3558164B2 - ウォータポンプ - Google Patents

ウォータポンプ

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JP3558164B2 JP2000306793A JP2000306793A JP3558164B2 JP 3558164 B2 JP3558164 B2 JP 3558164B2 JP 2000306793 A JP2000306793 A JP 2000306793A JP 2000306793 A JP2000306793 A JP 2000306793A JP 3558164 B2 JP3558164 B2 JP 3558164B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、例えば水冷式内燃機関の冷却水を圧送するウォータポンプに関し、詳細には、メカニカルシールを備えたウォータポンプのハウジングに設けられた蒸気通路および水抜き通路からのダスト侵入防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のウォータポンプとして、特開2000−213349号公報に開示されたウォータポンプがある。このウォータポンプは、インペラが固設された回転軸を回転自在に支持する軸受とメカニカルシールとの間に形成された内部空間に連通する水蒸気排出口および水滴排出口と、水滴溜部と、水滴溜部の出口を塞ぐ蓋体とを備える。水蒸気排出口および水滴排出口は、ポンプボディの、軸受が圧入される圧入部分を貫通して、水滴溜部の下面から回転軸の軸線と垂直な方向に移動するドリルにより加工される。そして、水蒸気排出口は、前記圧入部分の径方向外方に設けられた外部連通孔に連通し、水滴排出口は、前記圧入部分の径方向外方に設けられた水滴溜部に連通する。
【0003】
このウォータポンプにおいて、水滴排出口は、水滴溜部を介してボディの周囲空間と連通するため、水滴排出口を通しての周囲空間からのダストの侵入は、水滴排出口が周囲空間に直接連通するものに比べて抑制され、また水蒸気排出口から内部空間へのダストの侵入は、水蒸気排出口の上方を覆う庇状の部材により抑制されて、内部空間に侵入したダストの付着等に起因する軸受およびメカニカルシールの耐久性の低下は防止されると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水滴排出口におけるこのようなダスト侵入防止構造では、蓋体が必要となるうえ、水滴溜部の下面に形成された加工孔を塞ぐ必要があって、部品点数が増加し、さらに加工孔を塞ぐ工程が加わるため、ウォータポンプのダスト侵入防止構造としては、コスト高となり、しかもウォータポンプの組立に時間を要することから、ダスト侵入防止構造を備えたウォータポンプの生産性の観点からは改善の余地があった。
【0005】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、部品点数が少なく、しかも水抜き通路を設ける際に形成される孔を塞ぐ必要がない、低コストで、生産性に優れたダスト侵入防止構造を備え、そのうえ軸受の耐久性が向上するウォータポンプを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本願の請求項1記載の発明は、一端部に結合されたインペラを駆動する回転軸と、該回転軸を軸受を介して支持する軸受部および前記インペラが配置されるポンプ室を形成するポンプ室部を有するハウジングと、前記軸受と前記ポンプ室との間での密封を行うべく前記回転軸と前記ハウジングとの間に設けられたメカニカルシールと、前記軸受と前記メカニカルシールとの間に形成された内部空間と、いずれも前記ハウジングに形成されて、一端が前記内部空間に開放し他端が前記ハウジングの周囲空間に開放する蒸気通路および水抜き通路とを備えたウォータポンプにおいて、前記蒸気通路および前記水抜き通路は、一直線状に径方向に延びて形成された孔からなり、前記水抜き通路は、前記軸受部の外周面から径方向外方に延びる通路用リブを貫通して、前記他端が前記ハウジングの外周面下部にて開口しており、前記水抜き通路の通気抵抗は、該水抜き通路が前記通路用リブを貫通することにより、前記蒸気通路の通気抵抗よりも大きくされ、前記軸受部の径方向外方には、周方向の一部の範囲で周方向リブが設けられ、該周方向リブは、前記蒸気通路および前記水抜き通路のうち、前記蒸気通路のみの上方に位置して、該蒸気通路の、前記軸受部の外周面上部にて開口する前記他端の上方を覆う防塵カバーを構成し、前記周方向リブの先端面の、前記回転軸の回転軸線方向での位置は、前記軸受の、前記内部空間側の端面の前記回転軸線方向での位置よりも僅かに前記回転軸の他端部寄りとされるウォータポンプである。
【0007】
この請求項1記載の発明によれば、メカニカルシールの密封摩擦面の潤滑用および冷却用に利用される水が、密封摩擦面での摩擦熱により水蒸気となって内部空間に流入するが、水蒸気は蒸気通路を通って周囲空間に流出し、また漏れた水蒸気が凝縮して生成された水は、水抜き通路から周囲空間に流出する。蒸気通路および水抜き通路は、真っ直ぐな孔、すなわち一直線状の孔からなるので、ハウジングの径方向外方の外面から機械加工で形成する場合にもその形成が容易である。そして、水抜き通路は、径方向外方に延びるリブを貫通してハウジングの外周面下部に開口するので、ハウジングの外周面に開口する孔が、水抜き通路の一部を構成することになって、前記従来技術のように、ハウジングの径方向外方の外周面から機械加工で形成する場合にも、該孔を塞ぐ必要がない。しかも、水抜き通路の通気抵抗は、該水抜き通路が径方向に延びる通路用リブを貫通することにより、比較的長い通路となって、蒸気通路の通気抵抗よりも大きくされるので、周囲空間に浮遊しているダストは、水抜き通路を通って内部空間に侵入し難くなり、内部空間に侵入したダストが、軸受およびメカニカルシールに付着するなどして軸受およびメカニカルシールの耐久性が低下することが防止される。その一方で、通気抵抗の小さい蒸気通路からは蒸気が周囲空間に流出し易い。
【0008】
その結果、次の効果が奏される。すなわち、蒸気通路および水抜き通路は、一直線状の孔からなるので、ハウジングの径方向外方の外面から機械加工で形成する場合にもその形成が容易であると共に、水抜き通路をハウジングの径方向外方の外周面から機械加工で形成する場合、径方向に延びる通路用リブを貫通してハウジングの外周面下部に開口する孔を塞ぐ必要がなく、さらに水抜き通路の通気抵抗は、水抜き通路が径方向に延びる通路用リブを貫通することにより、別部材を付加することなく、蒸気通路の通気抵抗よりも大きくされるので、部品点数が少なくなって、低コストとなり、しかもダスト侵入防止構造を備えたウォータポンプの生産性が向上する。
【0009】
また、前記軸受部の径方向外方には、周方向の一部の範囲で周方向リブが設けられ、該周方向リブは、前記蒸気通路および前記水抜き通路のうち、前記蒸気通路のみの上方に位置して、該蒸気通路の、前記軸受部の外周面上部にて開口する前記他端の上方を覆う防塵カバーを構成することにより、蒸気通路のみの他端が、その上方において周方向リブからなる防塵カバーで覆われるため、周囲空間のダストは蒸気通路を通って内部空間に侵入し難くなる。その結果、次の効果が奏される。すなわち、蒸気通路の他端の上方が防塵カバーを構成する周方向リブで覆われるため、周囲空間のダストは、内部空間に侵入し難くなり、また周方向リブは、周方向に部分的に設けられるものであるため、全周に渡って設けられるものに比べてウォータポンプを軽量化できる。
【0010】
さらに、前記周方向リブの先端面の、回転軸の回転軸線方向での位置は、軸受の、前記内部空間側の端面の前記回転軸線方向での位置よりも僅かに前記回転軸の他端部寄りとされることにより、軸受の径方向外方に位置する軸受部の外周面は、周方向リブに僅かに覆われるだけで、殆どの部分が周囲空間に直接開放しているので、軸受で発生した熱が軸受部を通じて効率よく周囲空間に放熱される。その結果、軸受で発生した熱が効率よく周囲空間に放熱されるので、軸受の冷却性が向上して、耐久性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の一実施例を図1および図2を参照して説明する。
図1および図2は、本願発明のウォータポンプが、水冷式内燃機関のウォータポンプに適用された実施例を示す。図示されない内燃機関の冷却系に組み込まれるウォータポンプ1は、ラジエータで冷却された冷却水を吸入して、機関本体を構成する図示されないシリンダブロックおよびシリンダヘッドの冷却水ジャケットに圧送し、さらに機関本体の各部からの燃焼熱を受け取って高温となった冷却水をラジエータに帰還させ、ラジエータでの放熱により冷却された冷却水を再度吸入することで、冷却水を循環させる。
【0012】
図1および図2を参照すると、シリンダブロックの端面にボルトにより締結されるウォータポンプ1のハウジング2は、該シリンダブロックの端面に形成され、ラジエータからの冷却水の流入路と接続される凹部と協働してポンプ室10を形成するポンプ室部3と、ポンプ室10内に配置されたインペラ11が一端部12aに一体回転可能に結合された回転軸12を回転自在に支持する玉軸受13が圧入されて固定される軸受部4と、ポンプ室部3から回転軸12の径方向外方に延びると共に、ポンプ室10に連通してインペラ11により圧送された冷却水が流れる流出路を、シリンダブロックの前記端面に形成された溝と協働して形成する流出部5とを有する。そして、ポンプ室部3と軸受部4とは、回転軸12の回転軸線L1と同軸の略円筒状に形成され、軸受部4はポンプ室部3よりも小径の外径を有すると共に、ポンプ室部3とは回転軸12の回転軸線L1方向(以下、単に「軸方向」という)で反対側である回転軸12の他端部12b側に突出する。
【0013】
図1に図示されるように、軸受部4の径方向外方には、ハウジング2をシリンダブロックに締結するボルトが貫通するボルト孔Aを有する複数、この実施例では5個の取付けボスB1〜B5が形成される。すなわち、ポンプ室部3から径方向に延びる流出部5の基部において、流出路を挟む周方向での両側の第1,第2取付けボスB1,B2と、略円筒状のポンプ室部3において、第1,第2取付けボスB1,B2と、それぞれ回転軸線L1に関して略対称な位置にある第3,第4取付けボスB3,B4と、流出部5の、シリンダブロックにおける圧送された冷却水の導入口の周縁部に軸方向で対向する位置にある第5取付けボスB5である。
【0014】
そして、軸受部4の外周面と第1〜第4取付けボスB1〜B4との間には、ポンプ室部3の外周面から軸方向に延びると共に、軸受部4の外周面から径方向に各取付けボスに向かって延びる第1〜第4補強リブC1〜C4がそれぞれ設けられる。このとき、取付けボスB1のボルト孔Aの中心線および回転軸線L1を含む平面と取付けボスB2のボルト孔Aの中心線および回転軸線L1を含む平面とがなす角度、すなわち第1補強リブC1と第2補強リブC2とで挟まれる角度α1、そして同様に第3補強リブC3と第4補強リブC4とで挟まれる角度α2は、いずれも鋭角とされ、同様に第1補強リブC1と第4補強リブC4とで挟まれる角度α3、および第2補強リブC2と第3補強リブC3とで挟まれる角度α4は、いずれも鈍角とされる。
【0015】
一方、図2を参照すると、一端部12aにインペラ11が結合された回転軸12の他端部12bには、図示されないポンププーリが固定される取付けプレート14が一体回転可能に結合される。ポンププーリには、内燃機関のクランク軸に一体回転可能に結合された駆動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され、回転軸12は無端ベルトを介して伝達されるクランク軸の動力により回転駆動される。
【0016】
ラジアル型の玉軸受13は、軸受部4の内周に圧入されるアウタレース13aと、アウタレース13aの内周面および回転軸12の外周面に軸方向に離隔して形成された2条の円環状の案内溝13bに嵌合する多数のボール13cと、軸方向での両端部を密封するシール部材13dとを有する密封軸受である。
【0017】
玉軸受13とインペラ11との軸方向での間において、回転軸12とハウジング2との間には、玉軸受13とポンプ室10との間での密封を行うためのメカニカルシール15が設けられる。メカニカルシール15は、インペラ11の背後に位置して回転軸12に液密に結合されて一体的に回転する回転リング15aと、回転リング15aよりも玉軸受13寄りでハウジング2のシール装着部6に液密に固定された固定リング15bと、固定リング15bを回転リング15aに押圧するコイルバネ15cとを有する。相互に接触する両リング15a,15bの軸方向の端面により形成される密封摩擦面15dは、インペラ11背後のポンプ室10中に位置して、密封摩擦面15dに、潤滑用および冷却用としての冷却水が浸入するようになっている。
【0018】
さらに、図1も併せて参照すると、玉軸受13とメカニカルシール15とは軸方向に間隔おいて配置され、両者の間に円環状の内部空間16が形成される。そして、軸受部4の、シール装着部6に隣接する部分には、一端が内側開口部17aにて該内部空間16の上部に開放し、他端が軸受部4の外周面上部にて開口する外側開口部17bでハウジング2の周囲空間Sに開放する1本の蒸気通路17が形成される。それゆえ、密封摩擦面15dに浸入した冷却水が摩擦熱により水蒸気となり、該水蒸気が内部空間16に流入したとき、水蒸気はこの蒸気通路17を通って周囲空間Sに流出する。
【0019】
そして、軸受部4の径方向外方には、第1補強リブC1および第4補強リブC4の間で、ポンプ室部3の外周面から軸方向に延びると共に周方向に延びて、軸受部4と同軸で、ポンプ室部3の最大径部である外周縁部3aよりも小径の円筒の一部である部分円筒状の周方向リブ7が、その周方向の両端で第1補強リブC1および第4補強リブC4にそれぞれ接続して設けられる。これによって、周方向リブ7と軸受部4との間には、ポンプ室10側が閉塞され、玉軸受13側が開放されて周囲空間Sに連通する部分環状空間18が形成される。そして、この周方向リブ7は、蒸気通路17の中心線L2と交差するように設けられており、その外側開口部17bの上方で、外側開口部17b全体を覆う防塵カバーを構成するもので、この周方向リブ7により、周囲空間Sに浮遊しているダストが蒸気通路17を通って内部空間16に侵入することが抑制される。したがって、この周方向リブ7により、蒸気通路17側のダスト侵入防止構造が構成される。
【0020】
また、周方向リブ7は、角度α3が鈍角となる第1補強リブC1および第4補強リブC4の間にあり、周方向に離れている第1,第4補強リブC1,C4間でハウジング2の剛性を高める補強リブの機能を兼ねる。さらに、周方向リブ7の径方向位置は、蒸気の通気性およびダストの侵入度合いを考慮して適宜決定される。そして、周方向リブ7の先端面7aの軸方向での位置は、玉軸受13の、内部空間16側の端面13eの軸方向での位置よりも僅かに前記ポンププーリ寄り、すなわち他端部 12b 寄りとされる。
【0021】
また、周方向リブ7の先端面7aと略同じ軸方向での位置に軸方向での端面8aを有し、軸受部4の外周面から径方向外方で下方に向かってポンプ室部3の外周縁部3aの外周面まで延び、かつポンプ室部3下部での外周面から軸方向に延びる通路用リブ8には、一端が内側開口部19aにて内部空間16の下部に開放し、他端がハウジング2の、回転軸線L1からの距離がポンプ室部3の外周面下部と略等しい位置にある外周面下部にて開口する外側開口部19bで周囲空間Sに開放する1本の水抜き通路19が形成される。それゆえ、密封摩擦面15dに浸入した冷却水が摩擦熱により水蒸気となり、該水蒸気が内部空間16に流入して凝縮したとき、生成された水はこの水抜き通路19を通って周囲空間Sに流出する。
【0022】
さらに、蒸気通路17および水抜き通路19は略同一の通路径を有する一方で、両開口部19a,19bを通じてのみ内部空間16と周囲空間Sとを連通させる水抜き通路19の通路長は、蒸気通路17の通路長よりも長くなるので、水抜き通路19の通気抵抗は、蒸気通路17のそれよりも大きく、しかも下方に向かって開放しているので、周囲空間Sに浮遊しているダストは、水抜き通路19を通って内部空間16に侵入し難くなっている。したがって、この通気抵抗が大きい水抜き通路19により、水抜き通路19側のダスト侵入防止構造が構成される。
【0023】
また、通路用リブ8は、角度α4が鈍角となる第2補強リブC2および第3補強リブC3の間にあり、周方向に離れている第2,第3補強リブC2,C3間でハウジング2の剛性を高める補強リブの機能を兼ねる。
【0024】
このような蒸気通路17および水抜き通路19は、ポンプ室部3、軸受部4、流出部5、シール装着部6および各リブC1〜C4,7,8を含めて一体形成されるハウジング2に対して、内部空間16を通るように、通路用リブ8の外周から、回転軸線L1に略直交する方向に向けてのドリル加工による1工程で形成される、略同一径を有する孔からなる。したがって、両通路17,19は、回転軸線L1に略直交する仮想平面上に共通の中心線L2を有し、しかも径方向に、屈曲することなく真っ直ぐに、すなわち一直線状に延びている。
【0025】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
内燃機関が運転されて、回転軸12によりインペラ11が回転駆動されると、前記流入口から流入した冷却水が、ポンプ室10内でインペラ11により圧送され、流出路を経てシリンダブロックの導入口からシリンダブロックの冷却水ジャケットをはじめ機関本体の冷却系に供給されて循環する。
【0026】
インペラ11の背後のポンプ室10内の僅かな量の冷却水が、メカニカルシール15の密封摩擦面15dの潤滑用および冷却用として、密封摩擦面15dに浸入する。そして、密封摩擦面15dに侵入した冷却水は、密封摩擦面15dにおいて摩擦熱により水蒸気となり、該水蒸気が内部空間16に流入するが、水蒸気は蒸気通路17を通って周囲空間Sに流出し、また漏れた水蒸気が凝縮して生成された水は、水抜き通路19から周囲空間Sに流出するため、内部空間16に存する水蒸気および水により、玉軸受13が悪影響を受けることが防止される。
【0027】
ここで、蒸気通路17および水抜き通路19は一直線状の孔からなるので、ハウジング2の径方向外方の外面から機械加工で形成する場合にもその形成が容易である。そして、水抜き通路19は、径方向外方に延びる通路用リブ8を貫通してハウジング2の外周面下部に開口するので、ハウジング2の外周面に開口する孔が、水抜き通路19の一部を構成することになって、前記従来技術のように、ハウジング2の径方向外方の外周面から機械加工で形成する場合にも、該孔を塞ぐ必要がない。しかも、略同一径の蒸気通路17および水抜き通路19において、水抜き通路19の通路長は、該水抜き通路19が径方向に延びる通路用リブ8を貫通することにより、蒸気通路17のそれよりも長いため、水抜き通路19の通気抵抗は、蒸気通路17の通気抵抗よりも大きくなるので、周囲空間Sに浮遊しているダストは、水抜き通路19を通って内部空間16に侵入し難くなり、内部空間16に侵入したダストが、玉軸受13およびメカニカルシール15に付着するなどして玉軸受13およびメカニカルシール15の耐久性が低下することが防止される。その一方で、通気抵抗の小さい蒸気通路17からは蒸気が周囲空間Sに流出し易い。
【0028】
その結果、次の効果が奏される。すなわち、蒸気通路17および水抜き通路19は、一直線状の孔からなるので、ハウジング2の径方向外方の外面から機械加工で形成する場合にもその形成が容易であると共に、水抜き通路19は、通路用リブ8を貫通してハウジング2の外周面下部に開口するので、水抜き通路19をハウジング2の径方向外方の外周面から機械加工で形成する場合、その外周面に開口する孔を塞ぐ必要がなく、さらに水抜き通路19の通気抵抗は、水抜き通路19が径方向に延びる通路用リブ8を貫通することにより、その通路長が長くなることで、別部材を付加することなく、蒸気通路17の通気抵抗よりも大きくされるので、部品点数が少なくなって、低コストとなり、しかもダスト侵入防止構造を備えたウォータポンプ1の生産性が向上する。
【0029】
蒸気通路17および水抜き通路19のうち、蒸気通路17のみの外側開口部17bが、その上方において部分円筒状の周方向リブ7からなる防塵カバーで覆われるため、周囲空間Sのダストは蒸気通路17を通って内部空間16に侵入し難くなり、内部空間16に侵入したダストが、玉軸受13およびメカニカルシール15に付着するなどして、玉軸受13およびメカニカルシール15の耐久性が低下することが防止される。その結果、次の効果が奏される。すなわち、蒸気通路17の外側開口部17bの上方が防塵カバーを構成する周方向リブ7で覆われるため、周囲空間Sのダストは、内部空間16に侵入し難くなり、また周方向リブ7は、周方向に部分的に設けられるため、全周に渡って設けられるものに比べてウォータポンプ1を軽量化できる。
【0030】
蒸気通路17および水抜き通路19は、回転軸線L1に略直交する仮想平面上に共通の中心線L2を有し、しかも径方向に一直線状に延びている。そのため、蒸気通路17の外側開口部17bの中心が、内側開口部17aの中心よりも、軸方向で玉軸受13側に位置することがない。その結果、次の効果が奏される。すなわち、蒸気通路17の外側開口部17bを覆う周方向リブ7の軸方向長さを短くすることができるので、周方向リブ7が玉軸受13の外方を覆う部分を極力少なくすることができ、しかも玉軸受13とメカニカルシール15との間の軸方向の間隔も小さくすることができるので、ハウジング2の軸方向の長さを短くすることができて、ハウジング2、ひいてはウォータポンプ1をコンパクトにすることができる。
【0031】
周方向リブ7は、角度α3が鈍角となる第1補強リブC1および第4補強リブC4の間にあり、周方向に離れている第1,第4補強リブC1,C4間でハウジング2の剛性を高める。また、通路用リブ8は、角度α4が鈍角となる第2補強リブC2および第3補強リブC3の間にあり、周方向に離れている第2,第3補強リブC2,C3間でハウジング2の剛性を高める。その結果、次の効果が奏される。すなわち、周方向リブ7および通路用リブ8は、ハウジング2の剛性を高める補強リブの機能をなすので、ハウジング2の剛性が向上し、ハウジング2の振動を抑制でき、また薄肉化によりハウジング2の軽量化が可能となる。
【0032】
さらに、周方向リブ7の先端面7aの軸方向での位置は、玉軸受13の、内部空間16側の端面13eの軸方向での位置よりも僅かに他端部 12b寄りとされるので、玉軸受13の径方向外方に位置する軸受部4の外周面は、周方向リブ7に僅かに覆われるだけで、殆どの部分が周囲空間Sに直接開放しているので、玉軸受13で発生した熱が軸受部4を通じて効率よく周囲空間Sに放熱される。その結果、玉軸受13で発生した熱が効率よく周囲空間Sに放熱されるので、玉軸受13の冷却性が向上して、耐久性が向上するという効果が奏される。
【0033】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
蒸気通路17および水抜き通路19は、いずれも前記仮想平面上に中心線L2を有するものであったが、回転軸線L1に対して傾斜する平面上にあってもよい。また、回転軸12は、内燃機関の動力により回転駆動されたが、電動機等他の駆動手段で回転駆動されてもよい。さらに、ウォータポンプ1は内燃機関以外の装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例である内燃機関のウォータポンプのハウジングのみの正面図である。
【図2】図1のII−II線断面図であり、ハウジングに回転軸、軸受、メカニカルシール等を組み付けた状態を示している。
【符号の説明】
1…ウォータポンプ、2…ハウジング、3…ポンプ室部、4…軸受部、5…流出部、6…シール装着部、7…周方向リブ、8…通路用リブ、
10…ポンプ室、11…インペラ、12…回転軸、13…玉軸受、14…取付けプレート、15…メカニカルシール、15d…密封摩擦面、16…内部空間、17…蒸気通路、18…部分環状空間、19…水抜き通路、
A…ボルト孔、B1〜B5…取付けボス、L1…回転軸線、L2…中心線、C1〜C4…補強リブ、S…周囲空間。

Claims (1)

  1. 一端部に結合されたインペラを駆動する回転軸と、該回転軸を軸受を介して支持する軸受部および前記インペラが配置されるポンプ室を形成するポンプ室部を有するハウジングと、前記軸受と前記ポンプ室との間での密封を行うべく前記回転軸と前記ハウジングとの間に設けられたメカニカルシールと、前記軸受と前記メカニカルシールとの間に形成された内部空間と、いずれも前記ハウジングに形成されて、一端が前記内部空間に開放し他端が前記ハウジングの周囲空間に開放する蒸気通路および水抜き通路とを備えたウォータポンプにおいて、
    前記蒸気通路および前記水抜き通路は、一直線状に径方向に延びて形成された孔からなり、前記水抜き通路は、前記軸受部の外周面から径方向外方に延びる通路用リブを貫通して、前記他端が前記ハウジングの外周面下部にて開口しており、前記水抜き通路の通気抵抗は、該水抜き通路が前記通路用リブを貫通することにより、前記蒸気通路の通気抵抗よりも大きくされ、前記軸受部の径方向外方には、周方向の一部の範囲で周方向リブが設けられ、該周方向リブは、前記蒸気通路および前記水抜き通路のうち、前記蒸気通路のみの上方に位置して、該蒸気通路の、前記軸受部の外周面上部にて開口する前記他端の上方を覆う防塵カバーを構成し、前記周方向リブの先端面の、前記回転軸の回転軸線方向での位置は、前記軸受の、前記内部空間側の端面の前記回転軸線方向での位置よりも僅かに前記回転軸の他端部寄りとされることを特徴とするウォータポンプ。
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