JP4801451B2 - 走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法 - Google Patents

走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法 Download PDF

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本発明は、走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法に関し、特に、電子銃のバイアス電圧の自動切り替えを行う制御装置及び制御方法に関するものである。
走査電子顕微鏡等において電子線を発生させる電子銃としては、タングステンフィラメント等を用いた熱電子放出型のものが低コストで超高真空が必要ないなどの利便性から広く用いられている。走査電子顕微鏡による像観察や微少部分析では、試料や目的に応じて電子銃から出力される電子線のエネルギーを調整する必要があるが、その設定範囲は通常数百eVから30keV程度までと広範囲にわたる。電子銃の制御部では電子線のエネルギーを決定する加速電圧として高電圧を電子銃に印加している。フィラメントから放出される電流、すなわちエミッション電流はこれら加速電圧の高低により変化し、加速電圧が低くなるに従ってエミッション電流は低下する。すなわち、低加速電圧であるほどエミッション電流は低下し、試料への照射電流も少なくなるので、検出信号量低下による像質劣化や分析感度低下といった問題が生じてくる。
このような問題に対して、従来、機械的に電子銃のウェネルト電極とアノード電極間の距離を狭くすることでエミッション電流を増やすなどといった対処方法が提案されている。しかしながら、この対処方法は、加速電圧の高低に応じてウェネルトまたはアノード電極を付け替える作業が煩雑であるため、一般には普及していない。
一方で、フィラメントとウェネルト電極の間にバイアス電圧を印加することにより、エミッション電流を抑制する方法が提案されている(特許文献1参照)。フィラメントとウェネルト電極の間にバイアス電圧を印加するには、これらの間に抵抗を配置するのが一般的な方法である。この抵抗に流れる電流による電圧降下分がバイアス電圧となってエミッション電流を抑制する仕組みとなっている。このようにフィラメントとウェネルト電極の間に抵抗Rbを配置した場合における加速電圧Vaccとエミッション電流Ieとの関係を図7に示す。図示するように、抵抗Rbの値の大小によって、加速電圧Vaccとエミッション電流Ieとの関係が変わってくる。
図7に示すように、フィラメントとウェネルト電極との間に配置する抵抗値を小さくしバイアス電圧は低く抑えることにより、低加速電圧であってもエミッション電流を大きくすることができる。特許文献2には、電子銃の加速電圧の値に応じて、フィラメントとウェネルト電極との間に配置した複数の抵抗をリレーで切り替える制御方式が記載されている。
特許第3553359号公報 特開平5−325865号公報
特許文献2に提案されているバイアス電圧を電気的に切り替える方式では、観察条件に応じて抵抗切り替えリレーのON/OFFを手動で制御するか、あるいは加速電圧の設定に応じて一義的にリレーをON/OFFするといった制御が行わることが想定される。後者であれば、例えば、6kV以下の低加速電圧の印加時には、エミッション電流が増大するようリレーをONにして抵抗値を小さくする一方で、6kVを超える高加速電圧の印加時には、エミッション電流が抑制されるようリレーをOFFして抵抗値を大きくするといった制御回路を構成することが想定される。このときのリレーON/OFFの切り替え点となる加速電圧値は、一般的に経験や実験に基づいて決められる固定値であるが、フィラメントの設定や観察条件によって最適なリレーON/OFFの切り替え点が変わり得るため、結局、リレーON/OFFの手動操作が必要になるといった煩わしさがあった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、煩雑な操作を必要とすることなく電子銃のバイアス電圧が最適に設定されるように制御することができる装置及び方法を提供しようとするものである。
上記解決課題に鑑みて鋭意研究の結果、本発明者は、以下のような電子銃の制御装置及び制御方法を提案する。
(1)電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御するための装置であって、フィラメントとウェネルト電極との間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗を切り替える手段と、加速電圧範囲を前記抵抗の数と同数の領域に分割する設定を受け付ける手段とを備えており、前記加速電圧領域の大小に応じた抵抗値を有する抵抗が当該加速電圧領域に対して用いられるように抵抗を切り替えることを特徴とする電子銃制御装置。
(2)電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御するための装置であって、フィラメントとウェネルト電極の間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗を切り替える手段と、エミッション電流値を検出する手段と、エミッション電流の最大値の設定を受け付ける手段とを備えており、エミッション電流が前記設定された最大値を超えない範囲で最大となるように抵抗を切り替えることを特徴とする電子銃制御装置。
(3)電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御するための装置であって、フィラメントとウェネルト電極との間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗を切り替える手段と、前記複数の抵抗とウェネルト電極との間に配置され、エミッション電流を抑制するよう作動する可変電圧源と、エミッション電流値を検出する手段と、エミッション電流の最大値の設定を受け付ける手段とを備えており、エミッション電流が前記設定最大値を超えない範囲で最大となるように、抵抗の切り替え及び前記可変電圧源の作動を行うことを特徴とする電子銃制御装置。
(4)フィラメントとウェネルト電極との間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗を備えた電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御する方法であって、加速電圧範囲を前記抵抗の数と同数の領域に分割する設定を受け付け、前記加速電圧領域の大小に応じた抵抗値を有する抵抗が当該加速電圧領域に対して用いられるように抵抗を切り替えることを特徴とする電子銃制御方法。
(5)フィラメントとウェネルト電極との間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗と、エミッション電流値を検出する手段とを備えた電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御する方法であって、エミッション電流の最大値の設定を受け付け、エミッション電流が前記設定された最大値を超えない範囲で最大となるように抵抗を切り替えることを特徴とする電子銃制御方法。
(6)フィラメントとウェネルト電極との間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗と、エミッション電流値を検出する手段と、前記複数の抵抗とウェネルト電極との間に配置され、エミッション電流を抑制するよう作動する可変電圧源とを備えた電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御する方法であって、エミッション電流の最大値の設定を受け付け、エミッション電流が前記設定された最大値を超えない範囲で最大となるように、抵抗の切り替え及び前記可変電圧源の作動を行うことを特徴とする電子銃制御方法。
以上、説明したように、本発明によれば、走査電子顕微鏡等に用いる電子銃において、煩雑な操作を必要とすることなく電子銃のバイアス電圧が最適に設定されるように制御することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法を実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1〜図6は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
[第1実施形態]
本発明の走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態における電子銃及びその制御装置の構成を概略的に示す図である。図1において、電子銃は、フィラメント1、ウェネルト電極2、アノード3、フィラメント加熱電源4、抵抗値が異なる複数の抵抗5、加速電圧発生用高圧電源6、高圧電源に含まれるエミッション電流検出手段7、リレーなどから構成される抵抗切り替え手段8を含んでいる。この電子銃のフィラメント加熱電源4、加速電圧発生用高圧電源6、エミッション電流検出手段7、抵抗切り替え手段8は、マイクロコンピュータなどから構成される電子銃制御手段9によって制御される。電子銃制御手段9には、ユーザインタフェースとしてオペレーションコンソール10が接続されている。操作者は、オペレーションコンソール10により、加速電圧値やフィラメント加熱量などを任意に設定することができる。
以上のように構成された電子銃及びその制御装置の動作について説明する。フィラメント1はフィラメント加熱電源4により加熱されて熱電子を発生する。発生した熱電子は、加速電圧発生用高圧電源6により陰極であるフィラメント1と接地されたアノード3との間に印加される加速電圧によって加速され、アノード3に向けて放出される。一方、フィラメント1とウェネルト電極2との間にはバイアス電圧Vbが印加されており、このバイアス電圧によってエミッション電流Ieは抑制されるようになっている。抵抗切り替え手段8によってそれぞれ抵抗値が異なる3つの抵抗5を切り替えるが、その抵抗値Rbが大きいほどバイアス電圧は高くなるので、抵抗5Rbを切り替えることによりエミッション電流Ieの値を制御することができる。オペレーションコンソール10によって、エミッション電流検出手段9により検出されたエミッション電流量がモニタ表示される。
低加速電圧のときには、エミッション電流が低下しプローブ電流低下による検出信号の劣化が生じるため、電子銃制御部9はこの劣化を低減すべく、抵抗値Rbが小さい抵抗に切り替えてバイアス電圧を下げるように制御する。一般的に、エミッション電流を増大させるためにバイアス電圧を低くすると、光源のスポット径が大きくなり高倍率での分解能劣化要因となるが、一方で、低加速電圧のときにはエミッション電流低下によってS/N比が低下する。このため、バイアス電圧はスポット径とS/N比とのバランスを考慮して設定する必要がある。具体的には、低倍率観察ではスポット径を多少犠牲にしてもS/N比を重視するのでバイアス電圧を低く設定し、高倍率観察ではS/N比よりもスポット径を重視するのでバイアス電圧を高く設定するのが好ましい。
次に、本実施形態におけるバイアス電圧の制御方法について、図2を参照しながら説明する。オペレーションコンソール10には、図2(A)に示すようなバイアス設定画面が表示される。この設定画面において、操作者は抵抗切り替え手段8による抵抗切り替えポイントとなる加速電圧値を設定することができる。図示する例では、加速電圧Vaccの値6kV及び14kVを境として抵抗切り替えを行うよう指定している。これにより、加速電圧Vaccの値によって、抵抗値Rbが異なる3つの抵抗が切り替えて使用されることになる。操作者は、加速電圧ゲージ上で抵抗切り替えポイントを示す2つの三角マークをスライドさせて任意の設定を行うことができる。
図2(a)に示すバイアス設定により電子銃制御を行った場合における加速電圧とエミッション電流との関係を図2(b)に示す。図中、実線で示す部分が実際に観測される値である。加速電圧が6kV未満の領域ではエミッション電流が大きく得られるよう抵抗値Rbが最も小さい抵抗を用い、加速電圧が6kV以上14kV未満の領域では抵抗値Rbが中程度の抵抗を用い、加速電圧が14kV以上の領域ではエミッション電流を抑え目にするために抵抗値Rbが最も大きい抵抗を用いている。
このように、本実施形態の電子銃及びその制御装置では、抵抗切り替えポイントとなる加速電圧値の指定によるバイアス設定という簡単な操作によって、加速電圧及びエミッション電流が最適な値となるよう自動的に制御を行うことができる。
[第2実施形態]
本発明の走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法の第2実施形態について説明する。本実施形態の電子銃及びその制御装置は、図1に示す第1実施形態のものとほぼ同様の構成となっているが、バイアス電圧の制御方法に関して第1実施形態とは異なる特徴を有している。
以下、本実施形態におけるバイアス電圧の制御方法について、図3を参照しながら説明する。オペレーションコンソール10には、図3(a)に示すようなバイアス設定画面が表示される。この設定画面において、操作者は抵抗切り替え手段8による抵抗切り替えポイントとなる最大エミッション電流値を設定することができる。図示する例では、最大エミッション電流値を120μAとしており、エミッション電流がこの値を超えないように抵抗切り替えを行うよう指定している。操作者は、エミッション電流ゲージ上で最大値を示す三角マークをスライドさせるか、あるいは最大値を直接数値入力するなどして、任意の設定を行うことができる。
図3(a)に示すバイアス設定により電子銃制御を行った場合における加速電圧とエミッション電流との関係を図3(b)に示す。図中、実線で示す部分が実際に観測される値である。第1実施形態における制御方法と同様に、低加速電圧領域では抵抗値Rbが最も小さい抵抗を用いているが、加速電圧の増大に伴ってエミッション電流が120μAに達すると、抵抗値Rbが中程度の抵抗を用いるように切り替え、さらに加速電圧の増大に伴って再度エミッション電流が120μAに達すると、抵抗値Rbが最も大きい抵抗を用いるように切り替えるように制御する。
尚、本実施形態では、図3(a)に示す最大エミッション電流値の設定方法に代えて、図3(c)に示すような直感的なバイアスモードを設定する方法をとることもできる。図3(c)に示す例では、S/N重視、標準、高分解能の3つの電子銃バイアスモードが用意されており、S/N重視の設定では最大エミッション電流値を高めに設定し、高分解能の設定では最大エミッション電流値を小さめに設定することとなる。これら3つの電子銃バイアスモードに対応する最大エミッション電流値は予め決めておくものとする。電子銃バイアスモードは、例えば、低倍率重視、高倍率重視といった表現を用いてもよい。
図4は、本実施形態におけるバイアス制御において、指定された最大エミッション電流値に基づいてバイアス切り替えポイントとなる加速電圧値を決定する手順を示すフローチャートである。この処理は、操作者がオペレーションコンソール10により最大エミッション電流値の設定変更を行った時や、フィラメント交換時、電源投入時などに、電子銃制御部9によって適宜実行されるものである。図4において、まず、最大エミッション電流値の設定を受け付けるとともに、初期処理として加速電圧およびバイアス設定(抵抗)を最小値に設定する(S401)。次に、エミッション電流検出手段7により検出されたエミッション電流値を取得し、設定された最大エミッション電流値(例として120μA)との大小を比較する(S402)。検出されたエミッション電流値が最大エミッション電流値より小さい場合には、加速電圧値を1ステップ増加する(S403)。加速電圧値が設定可能範囲の最大値かどうかを判定し(S404)、最大値に達するまでS402〜S403の処理を繰り返す。このとき、ステップS402において、検出されたエミッション電流値が最大エミッション電流値に達することなく、加速電圧値が設定可能範囲の最大値となった場合には、バイアス切り替えポイントとなる加速電圧値はなしとして、処理を終了する。
一方、ステップS402において、検出されたエミッション電流値が最大エミッション電流値以上となった場合には、現在の加速電圧値(あるいはその1ステップ前の値でもよい)をバイアス切り替えポイントとなる加速電圧値として記録する(S405)。その後、エミッション電流を抑制する(抵抗値を増大する)方向にバイアス設定を1ステップ増加(S406)する。このとき、バイアス設定が最大値に達していれば(S407)、そのまま処理を終了する。バイアス設定が最大値に達していない場合には(S407)、ステップS402に戻って、上記同様の処理を繰り返す。
このように、本実施形態の電子銃及びその制御装置では、設定された最大エミッション電流値に応じて、最適な抵抗切り替えポイントとなる加速電圧値を自動的に決定して、抵抗切り替えによるエミッション電流の制御を行うことができる。また、異なる抵抗値の設定毎に全加速電圧範囲にわたってエミッション電流を測定する必要は無いため、フィラメントの消耗が抑えられ、処理時間も短縮されるという利点がある。
一方で、最大エミッション電流値を指定せずとも、操作者による直感的な条件設定に従って、最適な抵抗切り替えポイントとなる加速電圧値を自動的に決定することができる。例えば、走査電子顕微鏡等では、高倍率観察時には集束レンズ条件を強励磁になるように設定し、縮小率を増すことで試料に照射するスポット径を小さくするのが一般的であることを考慮して、集束レンズ条件が強励磁に設定された場合には高倍率観察であるとみなし、バイアス設定を高分解能モード(または高倍率重視モード)に自動的に切り替えることで、操作者による条件設定を簡略化することも可能である。
[第3実施形態]
本発明の走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法の第3実施形態について説明する。図5は、本実施形態における電子銃及びその制御装置の構成を概略的に示す図である。図5において、本実施形態の電子銃及びその制御装置は、図1に示す第1実施形態のものとほぼ同様の構成となっているが、複数の抵抗5とウェネルト電極2との間に可変電圧源11を備えていることを特徴としている。
以下、本実施形態におけるバイアス電圧の制御方法について、図6を参照しながら説明する。本実施形態では、図3(a)に示すような最大エミッション電流値を指定するバイアス設定が行われており、また、図4に示すような抵抗切り替えポイントの自動決定が行われているものとする。本実施形態において電子銃制御を行った場合における加速電圧とエミッション電流との関係を図6に示している。図中、実線で示す部分が実際に観測される値である。
図6に示すように、最も加速電圧が低い領域では、可変電圧源11はOFFとし、抵抗値Rbが最も小さい抵抗を用いる。加速電圧の増大に伴ってエミッション電流が最大値に達すると、可変電圧源11をONにして、可変電圧源11による電圧印加によってバイアス電圧を増大させることにより、加速電圧がさらに増大してもエミッション電流が最大値を超えないように制御する。加速電圧がさらに増大して、抵抗の切り替えポイント付近に達すると、可変電圧源11をOFFにするとともに抵抗値Rbが中程度の抵抗に切り替える。その後、加速電圧の増大に伴って再度エミッション電流が最大値に達すると、また可変電圧源11をONにして、可変電圧源11による電圧印加によってバイアス電圧を増大させることにより、加速電圧がさらに増大してもエミッション電流が最大値を超えないように制御する。加速電圧がさらに増大して、抵抗の切り替えポイント付近に達すると、可変電圧源11をOFFにするとともに抵抗値Rbが最も大きな抵抗に切り替える。その後、加速電圧の増大に伴って再度エミッション電流が最大値に達すると、また可変電圧源11をONにして、可変電圧源11による電圧印加によってバイアス電圧を増大させることにより、加速電圧がさらに増大してもエミッション電流が最大値を超えないように制御する。
このように、本実施形態の電子銃及びその制御装置では、バイアス設定の切り替えによるエミッション電流の変動を低減し、広い加速電圧領域にわたってなるべく大きなエミッション電流が得られるように制御することができる。
以上、本発明の走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法について、具体的な実施の形態を示して説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上記各実施形態又は他の実施形態にかかる発明の構成及び機能に様々な変更・改良を加えることが可能である。
本発明は、走査電子顕微鏡等に用いる電子銃の制御装置及び制御方法として産業上利用することができるものである。
本発明の第1実施形態に係る電子銃及びその制御装置の構成を概略的に示す図である。 第1実施形態におけるバイアス電圧の制御方法について説明する図である。 第2実施形態におけるバイアス電圧の制御方法について説明する図である。 第2実施形態におけるバイアス制御において、指定された最大エミッション電流値に基づいてバイアス切り替えポイントとなる加速電圧値を決定する手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る電子銃及びその制御装置の構成を概略的に示す図である。 第3実施形態におけるバイアス電圧の制御方法について説明する図である。 電子銃のフィラメントとウェネルト電極の間に抵抗Rbを配置した場合における加速電圧Vaccとエミッション電流Ieとの関係を示す図である。
符号の説明
1 フィラメント
2 ウェネルト電極
3 アノード
4 フィラメント加熱電源
5 バイアス電圧切り替え用の抵抗(Rb)
6 加速電圧発生用高圧電源
7 エミッション電流検出手段
8 抵抗切り替え手段
9 電子銃制御手段
10 オペレーションコンソール
11 可変電圧源

Claims (2)

  1. 電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御するための装置であって、
    フィラメントとウェネルト電極との間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗を切り替える手段と、
    前記複数の抵抗とウェネルト電極との間に配置され、エミッション電流を抑制するよう作動する可変電圧源と、
    エミッション電流値を検出する手段と、
    エミッション電流の最大値の設定を受け付ける手段とを備えており、
    エミッション電流が前記設定最大値を超えない範囲で最大となるように、抵抗の切り替え及び前記可変電圧源の作動を行うことを特徴とする電子銃制御装置。
  2. フィラメントとウェネルト電極との間に配置された複数の抵抗値が異なる抵抗と、エミッション電流値を検出する手段と、前記複数の抵抗とウェネルト電極との間に配置され、エミッション電流を抑制するよう作動する可変電圧源とを備えた電子銃においてフィラメントからのエミッション電流を制御する方法であって、
    エミッション電流の最大値の設定を受け付け、
    エミッション電流が前記設定された最大値を超えない範囲で最大となるように、抵抗の切り替え及び前記可変電圧源の作動を行うことを特徴とする電子銃制御方法。
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