JP4800408B2 - 環境試験装置 - Google Patents
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Description
そしてバーンイン試験では、チャンバー内に被試験物たる電子機器を挿入し、ヒータによってチャンバー内を昇温する。チャンバー内が試験温度に達すると、所定の時間に渡ってバーンイン試験を実施する。即ち電子機器を恒温恒湿チャンバー内に置いて高温環境にさらし、この状態で外部から電源電力や信号を電子機器に入力して電子機器の機能を試験する。
所定時間に渡る試験が終了すると、チャンバーの温度を低下させ、その後に被試験物たる電子機器を取り出す。
再度試験を行う場合は、常温状態のチャンバー内に被試験物たる電子機器を挿入し、再度ヒータによってチャンバー内を昇温する。
具体的なバーンイン試験装置は、例えば特許文献1,2に開示されている。
そのためバーンイン試験装置では、電子機器をチャンバー内に挿入してからチャンバー内が試験温度に達するまでの時間が短いことが好ましい。
そこで本発明は、従来技術の環境試験装置の問題点に注目し、試験温度に達するまでの時間が短く、且つ消費電力が低い環境試験装置を提供することを課題とする。
ここで昇温状態における排気は、チャンバー内の温度が高すぎる場合に排出されるチャンバー内の空気であり、試験温度と同等かそれよりも高いものであり、相当の高温である。
そのため共通ダクトには相当に高い温度の排気が流れる。
ここで本発明の環境試験装置では、チャンバー内を昇温する際には送風機の回転によって前記共通ダクトから空気を導入する。前記した様に、共通ダクト内には、温度が高すぎる場合にチャンバーから排出された高温の空気が流れているから、チャンバー内を昇温する際に導入される空気は、相当に高温であり、チャンバー内の温度上昇に寄与する。
ここで本発明者らの実験では、3基のチャンバーから排出される高温の空気を利用するならば、新たに昇温させようとするチャンバーが必要とする空気量を短時間で確保することができることが判明した。
例えばバーンイン試験においては、試験後に被試験物を取り出す際、チャンバー内の温度を常温まで低下させる。
この工程においては、チャンバー内に常温の空気を大量に導入して内部の高温の空気を置換するが、この際に排気される空気は、常温よりも高いものの、試験温度に比べると低い。そのため、この空気を共通ダクトに排気すると共通ダクトを流れる空気の温度が低下し、新たに昇温させようとするチャンバーに導入する空気の温度が低下する。
これに対して本発明では、共通ダクトを経ずにチャンバーから空気を排出することができるので、中間温度の排気が共通ダクトに混入せず、新たに昇温させようとするチャンバに導入する空気は高温状態に維持される。
図1は、本発明の実施形態の環境試験装置の構成図である。図2は、図1の環境試験装置の一つのチャンバーを拡大して示すチャンバーの拡大図である。
4基のチャンバーA,B,C,Dは、いずれも単独でバーンイン試験装置として機能するものであり、本実施形態のバーンイン試験装置1は、4台のバーンイン試験装置を共通ダクト2で繋いだものであるとも言える。
以下、混乱を防ぐために装置全体をバーンイン試験装置1と称し、個々のバーンイン試験装置を請求項1の表現に合わせてチャンバーA,B,C,Dと称することとする。
チャンバーBは、図2に示すように、断熱壁3によって覆われた箱であり、図示しない扉を閉じることによって内部を略密閉状態とすることができる。また扉を開くことによって被試験物たる電子機器の出し入れを行うことができる。
チャンバーB内には、試料設置棚7が設けられている。試料設置棚7は、被試験物たる電子機器を載置するものであり、さらに電子機器に通電するための端子(図示せず)が設けられている。
そして実線で示すように、ダンパー板15が垂直に垂下された姿勢にあるときは、空気導入口10と空気排気口11の双方が開放される。またダンパー板15が垂直に垂下された姿勢にあるときは、ダンパー板15によって空気排気口11と送風機5の吸気口16の間が閉鎖され、送風機5の吸気口16は空気導入口10だけと連通する状態となる。
従ってこの状態で送風機5を回転させると、空気導入口10から空気が導入されて送風機5に入り、チャンバーBの内部を通過して空気排気口11から排出される。
この状態で送風機5を回転させると、チャンバーB内で空気が循環することとなる。
またチャンバーBの内部には、図示しないヒータが内蔵されており、ヒータによってチャンバーB内を昇温することができる。さらにチャンバーB内の湿度を調節するための加湿器(図示せず)を備えることも可能である。
チャンバーBの空気排気口11から排出側開閉部材26に至る流路は、共通ダクト2を経ずにチャンバーBから空気を排出することができる流路であり、排気開放路28として機能する。
本実施形態のバーンイン試験装置1では、各チャンバーA,B,C,D内に被試験物たる電子機器を挿入し、高温環境下で電子機器に通電して電子機器を試験する。
本実施形態のバーンイン試験装置1は、各チャンバーA,B,C,Dに温度調節装置が設けられ、各チャンバーA,B,C,Dの温度が所定の試験温度となる様に制御されている。即ち各チャンバーA,B,C,Dは図示しないヒータを備えており、各チャンバーA,B,C,D内の温度が試験温度よりも低い場合にはヒータによって内部が昇温される。また各チャンバーA,B,C,D内の温度が試験温度よりも高い場合には、接続ダクト18の導入側流路20に設けられた導入側開閉部材25が開かれる。その結果、外気導入路27を経て各チャンバーA,B,C,Dに外気が導入され、各チャンバーA,B,C,D内の空気の一部が外気と置換されて各チャンバーA,B,C,D内の温度が低下する。
従って各チャンバーA,B,C,D内の温度が試験温度よりも高く、換気手段17によって各チャンバーA,B,C,D内の空気の一部を外気と置換する際、各チャンバーA,B,C,Dから排出された高温の空気は、共通ダクト2に流れる。
また各チャンバーA,B,C,Dの空気排気口11が常時半開状態となっている場合には、各チャンバーA,B,C,D内の高温の空気は、少しずつではあるが常時連続的に共通ダクト2に流れる。
いずれの場合においても、バーンイン試験の最中においては、各チャンバーA,B,C,Dから、単位時間あたり略一定量の高温の空気が共通ダクト2に流れる。
ここで本実施形態では、4基のチャンバーA,B,C,Dを持つため、例えば一つのチャンバーが試験の準備中であっても、他の3基のチャンバーから単位時間あたり略一定量の高温の空気が共通ダクト2に流れ込んでいる。
その結果、共通ダクト2から接続ダクト18の導入側流路20を経てチャンバーA内に至る流路が開く。またチャンバーAから接続ダクト18の排出側流路21、排出側開閉部材26を経て大気開放される流路が開く。即ち、排出側流路21から共通ダクト2に至る流路は閉塞され、排気開放路28を経て直接大気開放される流路が開かれる。
ここで前記した様に共通ダクト2内には他のチャンバーB,C,Dから排出された高温の空気が流れているから、送風機5を起動すると、前記した流路を経て高温の空気がチャンバーA内に入る。
なおチャンバーの数が少ない等の理由によって、共通ダクト2を流れる高温の空気量が少ない場合には、給排気のバランスをとるために、ステップ2では切り換えダンパー13を半開状態とすることが推奨される。
本実施形態では、試験温度よりも摂氏5度低い、摂氏120度を採用している。
この際にも図示しないヒータは通電され続けているので、チャンバーA内の温度はさらに上昇する。
そしてステップ7で、チャンバーA内の温度が試験温度たる摂氏125度となったことが確認されれば、ステップ8に移行し、バーンイン試験が実行される。即ち内部の電子機器に通電され、所定の性能試験が行われる。
その結果、外部から導入側開閉部材25を経てチャンバーAに至る流路(外気導入路27)と、チャンバーAから接続ダクト18の排出側流路21を経て共通ダクト2に至る流路が開かれる。
そしてステップ11でバーンイン試験の終了を待つ。バーンイン試験が終了すると、ステップ12に移り、チャンバーA内の温度を低下させる動作を行う。即ち接続ダクト18内の導入側開閉部材25を開き、排出側開閉部材26についても開く。
その結果、外部から導入側開閉部材25を経てチャンバーAに至る流路(外気導入路27)と、チャンバーAから接続ダクト18の排出側流路21を大気開放される流路(排気開放路28)が開かれる。
その結果、チャンバーAの空気は急速に外気と置換され、チャンバーA内の温度が低下する。そして例えば摂氏40度といった所定の低温に至る(ステップ13)と、ステップ14に移り、送風機5を停止し、一連の工程を終える。
ただし実際の作業においては、再度、チャンバーA内に被試験物がセットされ、新たに前記した工程が行われることとなる。
またチャンバーA内の温度を上昇させる工程においても、排出側開閉部材26からチャンバーA内の空気を大気開放させた。
この構成は、チャンバーA内の温度を低下させる際等の中間的な温度の空気が共通ダクト2に流れ込まない様に配慮したものであり、推奨される構成である。
上記した構成によると、中間的な温度の空気が共通ダクト2に流れ込まないので、共通ダクトを流れる空気は、常時高温の状態に維持される。
そのため例えば一つのチャンバーが温度低下工程であったとしても、他のチャンバーに高温の空気を導入することができる。
図4は、本発明の第二実施形態の環境試験装置の構成図であり、排出側開閉部材26を省略した場合を示す。他の構成は、先の実施形態と同一であるので、同一の部材に同一の番号を付して重複した説明を省略する。
図4に示す環境試験装置30では、チャンバーの排気は全て共通ダクト2に流されるので、いずれかのチャンバーが温度低下工程にある場合は、中間的な温度の空気が共通ダクト2に流れ込み、共通ダクト2を流れる空気の温度が低下する。
そのため図4に示す環境試験装置30では、いずれかのチャンバーが温度低下工程にある場合には、他のチャンバーに対する共通ダクト2からの空気の供給を停止することが望ましい。
さらに共通ダクト2内の温度を検知する手段を設け、この検知温度によって共通ダクト2からの空気の供給を受けるか否かを判断してもよい。
また以上説明した実施形態は、冷凍装置を有しないものであるが、冷凍装置を追加してより高い精度の温度制御をめざすものであってもよい。
即ち試験の開始時刻や終了時刻のスケジュールを決定し、各チャンバーを昇温させる工程の時刻をずらす。あるいは各チャンバーを昇温させる工程の時刻と他のチャンバーの温度を低下させる工程時刻をずらす。その結果、より効率的に排熱の利用を行えることとなる。
2 共通ダクト
5 送風機
10 空気導入口
11 空気排気口
13 切り換えダンパー(切り換え手段)
17 換気手段
18 接続ダクト
20 導入側流路
21 排出側流路
25 導入側開閉部材
26 排出側開閉部材
27 外気導入路
28 排気開放路
30 バーンイン試験装置(環境試験装置)
A,B,C,D チャンバー
Claims (7)
- 被試験物を収納する昇温可能なチャンバーを有し、被試験物を前記チャンバーの内部に収納した状態でチャンバー内を所定の温度に昇温し、昇温状態を維持して試験を行う環境試験装置において、複数のチャンバーと、被試験物に通電する通電手段と、送風機を有すると共に各チャンバーを連通する共通ダクトを有し、前記各チャンバーは空気導入口と空気排気口を有し、前記送風機の回転によってチャンバーの外部から空気を導入又は排気して内部の環境を調節する機能を備え、前記送風機の回転によって昇温状態における排気を前記共通ダクトに排出し、チャンバーを昇温する際には前記送風機の回転によって前記共通ダクトから空気を導入することを特徴とする環境試験装置。
- 環境試験装置は、電子機器を試験するバーンイン試験装置であることを特徴とする請求項1に記載の環境試験装置。
- チャンバーはチャンバー内部を、試験を実施する際の試験温度に温度調節可能であり、チャンバー内を昇温する際には前記試験温度に対して摂氏3〜20度低い温度に至るまで共通ダクトから空気を導入することを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。
- チャンバーはチャンバー内部を、試験を実施する際の試験温度に温度調節可能であり、空気導入口及び空気排気口を経てチャンバー内が換気される状態とチャンバー内が換気されない状態とを切り換える切り換え手段を有し、チャンバー内を昇温する際には前記試験温度に対して摂氏3〜20度低い温度に至るまでチャンバー内が換気される状態とし、チャンバー内がそれ以上の温度に至るとチャンバー内が換気されない状態とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の環境試験装置。
- 共通ダクトを経ずにチャンバーに空気を導入する外気導入路を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の環境試験装置。
- 共通ダクトを経ずにチャンバーから空気を排出する排気開放路を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の環境試験装置。
- 被試験物を収納する昇温可能なチャンバーと、被試験物に通電する通電手段を有し、被試験物を前記チャンバーの内部に収納した状態でチャンバー内を所定の試験温度に昇温し、前記試験温度を維持して試験を行う環境試験装置において、チャンバーは空気導入口と、空気排気口及び換気手段を有し、前記換気手段は前記空気導入口と前記空気排気口の開閉を切り換える開閉切り換え手段及び送風機であり、チャンバー内を昇温する際には前記試験温度に対して摂氏3〜20度低い温度に至るまで前記空気導入口を開き、チャンバー内がそれ以上の温度に至ると前記空気導入口を閉じることを特徴とする環境試験装置。
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