JP5329481B2 - 恒温装置 - Google Patents

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Description

本発明は、試験室内の温度を所定の高温状態に維持することができる恒温装置に関するものであり、特にバーンイン試験を実施するための恒温装置として好適なものである。
電子部品や電子機器の不良品を除去するための試験として、バーンイン試験が知られている。バーンイン試験とは、半導体デバイス等の電子機器等を、所定の温度に晒し、この状態で電子機器に通常の使用電圧よりも高い電圧を印加して不良品を見分ける検査である。
バーンイン試験においては、摂氏100度以上、通常は摂氏125度程度の温度に電子機器を晒すことが多い。またバーンイン試験においては、電子機器が晒される温度が一定の範囲でなければならない。
そこでバーンイン試験に使用される恒温装置100(図6)は、例えば摂氏125度の温度に試験室102内の温度を昇温することができることが必要である。そのためバーンイン試験に使用される恒温装置100は、一般に大容量の電気ヒータ103を備えている。またバーンイン試験に使用される恒温装置100は、さらに一定の温度幅の間に試験室102内の温度を維持する必要がある。そのためバーンイン試験に使用される恒温装置100は、前記した大容量の電気ヒータ103を比例制御することによって試験室102内の温度を一定の範囲に保っている。
特開2002−22214号公報
バーンイン試験は、多くの場合、高温状態で試験を行うため、前記した様に大型の電気ヒータ103を搭載しており、電気ヒータ103が大電力を消費する。またバーンイン試験は電子機器Wに通電して試験を行うものであるから電子機器Wに通電するための電力も必須である。そのためバーンイン試験は、電力消費が甚だしく、改善が望まれている。
また従来技術の恒温装置100は、前記した大容量の電気ヒータ103(図6)を比例制御するものであった。ここで周知の通り、比例制御は、目標温度と現在温度の偏差に比例して電気ヒータの出力を変化させる制御方法であり、旧来の単なるオンオフ制御に比べて試験室102内の温度の変動が小さい。理想的には図1の様に、時間の経過と共に試験室102内の温度が上昇し、多少のオーバーシュートがあるものの、次第に設定温度に収束する。なお図2は、オンオフ制御を行った場合の温度上昇曲線を表している。理想的な比例制御が実行された場合には、オンオフ制御の場合の様な大きなオーバーシュートやアンダーシュートは起こらないはずである。
しかしながら、近年、電子機器Wの需要が増大し、バーンイン試験に使用する恒温装置100もこれに伴って大型化している。その結果、電気ヒータ103も極めて大容量のものが採用されている。そのため電気ヒータ103の最低発熱量が大きなものとなってしまっている。
その結果、比例制御を行っているとは言え、最低通電時における電気ヒータの発熱量が大きく、試験室102内の温度を一気に上昇させてしまう。そのため、実際には、図3の様に、定常状態となってもオーバーシュートやアンダーシュートが発生する。そのため従来技術の恒温装置100は、設定温度に対する温度バラツキが大きくなってしまうという不満がある。
また電気ヒータ103の発熱量が大きく、試験室102内の温度を一気に上昇させてしまうので、これを設定温度に戻すために試験室102内を冷却する必要が生じ、さらに電力消費を増大させる要因となっている。
例えば図6に示す恒温装置100の様に、試験室102内に冷却器101を設け、冷却器101で試験室102内の温度を低下させている(放熱E)。また試験室102を換気することによっても放熱を行う(放熱F)。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、消費電力の抑制が可能であり、かつ温度ばらつきも小さい恒温装置の開発を課題とする。
本発明者らは、上記目的を達成するべく、現行の恒温装置100の見直しを進めた。そして従来技術の恒温装置100は、熱エネルギーを無駄に廃棄していることに気づいた。
即ちバーンイン試験の特徴として、被試験物W(電子機器)自体が発熱するという問題がある。即ちバーンイン試験は、電子機器Wに通電して性能を試験するものであるから、図6の様に電子機器W自体が発熱し発熱Aを生じる。そのためバーンイン試験の際には、試験室102の内部に多数の発熱体を内包することとなり、試験室102内の場所による温度のばらつきが大きなものとなってしまう。
そのためバーンイン試験に使用する恒温装置100は、試験室102内の場所による温度のばらつきを解消するため、通常の環境試験装置よりも強力な送風機105を備えている。
即ちバーンイン試験に使用する恒温装置100では、強力な送風機105で試験室102内の空気を強く攪拌し、位置による温度のばらつきを解消している。
この様にバーンイン試験装置100は、被試験物W自体が発熱する上に強力な送風機105を備えており、送風機105が発生する攪拌熱(発熱B)を無視することができない。
例えば出願人らが試作した恒温装置では、9キロワットもの送風機105(4.5キロワットの送風機を2基)を搭載している。
バーンイン試験装置は、摂氏100度以上もの高温で試験されるので、断熱壁106からの熱の逃げ(放熱C)も極めて大きいが、本出願人の計算及び実験によると、被試験物W自体の発熱量Aと送風機が試験室内の空気に与える攪拌熱Bの合計は、断熱壁からの放熱量Cよりも大きい。
従って、もし外乱が全く無いならば、恒温装置100が定常状態となった後は、電気ヒータ103による加熱は必要なく、もっぱら熱を廃棄するだけで試験温度たる摂氏100度以上の高温を維持することができる。
また試験室102内の空気を換気することによって試験室102内の温度を低下させることができる。そして換気によって温度を低下させる方策は、冷却器101を使用する場合に比べて電力消費量が極めて少ない。
しかし換気による温度低下は、低下量の制御が困難であり、試験室102内の温度を設定値の上下限に維持することが困難である。
そこで本発明者らは、定常運転時には、換気によって昇温に見合う量の熱量を排出(等価換気)し、比較的小型の電気ヒータを使用して試験室102内の温度調整を行うこととした。
即ち図4の様にダンパーを一定の開度で固定的に開いて等価換気を行い、電気ヒータを使用して試験室内の温度を微調整する。
式で表現すると、電子機器の発熱Aと、送風機が発生する攪拌熱Bの合計から、断熱壁の放熱Cを引いた熱量Gを定常的に換気によって放出する。即ち、G=(A+B)−Cで示すことができる。
そして容量の小さな電気ヒータを比例制御又はオンオフ制御して試験室内の温度を微調整する。
上記した知見に基づいて開発された請求項1に記載の発明は、被試験物を配置する試験室と、試験室内の空気を循環する送風手段と、試験室内の空気を換気する換気手段とを有し、摂氏100度以上の設定温度に内部を維持して試験を行うことを常態とする恒温装置であって、常時一定の発熱量で運転される基礎ヒータを備えるか、或いは試験室内に配置された被試験物が発熱するものであるかいずれかの条件または双方の条件を備え、且つ被試験物を試験室内に配置し、前記送風手段を起動し、前記基礎ヒータを備える場合には当該基礎ヒータを運転し、前記換気手段による換気を行わなわずに試験を行った場合に試験室内の温度が前記設定温度を超える傾向となる恒温装置において、前記送風手段の発熱量と、基礎ヒータの発熱量と、被試験物の発熱量の合計を基礎発熱量としたとき、当該基礎発熱量よりも小さい最大発熱量であって且つ発熱量を制御することができる制御ヒータと、当該制御ヒータよりも容量が大きい臨時ヒータを備え、前記換気手段は換気量を変更することが可能であり、被試験物を試験室内に配置し、前記送風手段を運転し、試験室内の温度が低下している場合にはさらに臨時ヒータを運転し、前記基礎ヒータを備える場合には当該基礎ヒータを運転している状態であって、これらが定常状態となった際に試験室内の温度が設定温度の近傍となる換気量に前記換気手段の換気量を固定し、臨時ヒータを運転している場合は試験室内の温度が設定温度に達したことを条件に臨時ヒータを停止し、その後は制御ヒータの発熱量を制御して試験室内の温度を設定温度に調節することを特徴とする恒温装置である。
本発明の恒温装置は、高温下で試験を行う機種を対象としている。即ち本発明は、摂氏100度以上の設定温度に内部を維持して試験を行うことを目的とする恒温装置である。また本発明は、換気手段による換気を行わなわずに試験を行った場合に試験室内の温度が前記設定温度を超える傾向となる恒温装置を対象としている。
そして本発明では、定常状態となった際に試験室内の温度が設定温度の近傍となる換気量に前記換気手段の換気量を固定し、その後は制御ヒータの発熱量を制御して試験室内の温度を設定温度に調節する。そのため図6に示すように、従来無駄に発生していた電気ヒータ103の発熱Dや、冷却器101の放熱Eが解消され、省エネルギー運転が可能となる。また試験室内の温度も安定する。
請求項2に記載の発明は、固定される換気量は、定常状態となった際に制御ヒータを停止した場合に試験室内の温度が低下傾向となる換気量であることを特徴とする請求項1に記載の恒温装置である。
本発明の恒温装置は、固定される換気量が等価換気量よりもやや多めに設定されている。そのため試験室内の温度を低下させないためには、制御ヒータ13を常時発熱させることとなるが、制御ヒータ13を常時発熱させることによって試験室3内の温度の下げしろができる。そのため外乱によって試験室3内の温度が上昇傾向となっても迅速に試験室3内の温度を低下させることができる。
請求項3に記載の発明は、試験室は断熱壁を有し、定常状態となった際には前記基礎発熱量が前記断熱壁からの放熱量を上回るものであり、ほぼ両者の差に相当する熱量を排出する様に前記換気手段の換気量が固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の恒温装置である。
請求項4に記載の発明は、制御ヒータ13の最大発熱量は、断熱壁からの放熱量と前記換気手段の換気によって外部に排出される熱量との合計排出熱量と、前記基礎発熱量との差の4倍未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の恒温装置である。
本発明は、制御ヒータの大きさの基準を示すものである。
請求項5に記載の発明は、制御ヒータの最大発熱量は、送風手段の発熱量よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の恒温装置である。
本発明も、制御ヒータの大きさの基準を示すものである。
請求項6に記載の発明は、制御ヒータの最大発熱量は、被試験物の発熱量よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の恒温装置である。
本発明も、制御ヒータの大きさの基準を示すものである。
請求項7に記載の発明は、複数のヒータを備え、これらを選択的に使用して制御ヒータとして機能させると共に、残りのヒータを臨時ヒータとして機能させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の恒温装置である。
本発明の恒温装置では、複数のヒータを備え、これらを選択的に使用して制御ヒータとして機能させるので、被試験物の発熱量の相違や、外気温度の相違による放熱量の相違に対応することができる。
請求項8に記載の発明は、複数のヒータを備え、制御ヒータはこの内の一部であって、制御ヒータの最大発熱量は、全ヒータの総最大発熱量の20パーセント以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の恒温装置である。
本発明は、制御ヒータの大きさの基準を示すものである。
請求項9に記載の発明は、換気手段は、開度を変更可能なダンパーであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の恒温装置である。
本発明では、換気手段としてダンパーを採用しているので、余分な電力消費が無い。
本発明の恒温装置は、試験時における消費電力が少ないという効果がある。また本発明の恒温装置は、試験室内の温度が安定するという効果がある。
理想的な比例制御によって恒温装置の試験室内の温度が制御された場合の試験室内の温度上昇曲線を示すグラフである。 オンオフ制御によって試験室内の温度が制御された場合の試験室内の温度上昇曲線を示すグラフである。 従来技術の恒温装置の試験室内の温度上昇曲線を示すグラフである。 本発明の実施形態の恒温装置の概念図である。 本発明の第2実施形態の恒温装置の概念図である。 従来技術の恒温装置の概念図である。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
なお、本実施形態の恒温装置1は、バーンイン試験を行うバーンイン試験装置として説明する。ここで、バーンイン試験は、先にも説明したように、通電すると発熱する発熱試料体Wに対して、所定の温度に晒した状態で、通常の使用電圧よりも高い電圧を掛けて、不良品を見分ける検査である。
恒温装置1は、図4に示すように、外部の温度変化の影響を受けないように外枠が断熱壁2で形成されており、図示しない扉を閉じることによって、内部を密閉状態とすることができる。また、前記扉を開くことによって、被試験物Wたる半導体デバイス等の出し入れを行うことができる。
また、断熱壁2は試験室3を形成している。また試験室3の内部は、被試験物Wを配置する試料配置部5と、空気が流れる通路部6とに分けられている。
試料配置部5は、図4に示すように、試験室3のほぼ中央に位置し、空気の流れ方向上流側と下流側に通路部6が隣接している。また、試料配置部5は、バーンインボードと称される試料載置棚7が鉛直方向に複数並べられ、さらに各試料載置棚7には被試験物Wに通電するための図示しない端子が設けられている。即ち、試料配置部5を通過する空気は、試料載置棚7に沿ってほぼ平行に流れる。より具体的には、試料配置部5を通過する空気は、試料載置棚7によって大まかに5層に分かれて並行に流れる。
そして、試料配置部5を通過する空気は、通電されて発熱した被試験物Wと熱交換する。
通路部6は、図4に示すように、試料配置部5を囲繞するように位置している。具体的には、通路部6は、断熱壁2と試料配置部5との間にあり、送風通路10と、上流側通路11と、下流側通路12によって構成されている。
ここで上流側通路11は、図4の様に、試料配置部5の空気の流れ方向上流側(右側)と隣接した通路である。また下流側通路12は、試料配置部5の空気の流れ方向下流側(左側)に隣接した通路である。
送風通路10は、試料配置部5の上部側にあり、送風機18と、1基の制御ヒータ13と、5基の臨時ヒータ14(a,b,c,d,e)が設けられている。
なお、送風通路10の一部であって、送風機18及び臨時ヒータ14(a,b,c,d,e)の近辺には、仕切り15が設けられている。他の領域には、仕切りはない。
そして前記した上流側通路11と、下流側通路12は、送風通路10を介して循環流路を形成している。即ち送風通路10の送風は、上流側通路11から試料配置部5に入り、下流側通路12に抜けて送風通路10に戻る。
また、通路部6には、下流側通路12を通過した空気の一部又は全部が外部に排気される排気部22と、外部から試験室3内に空気を給気する給気部23と、排気部22と給気部23を通過する空気の通過流量を調整可能な開閉板24とが設けられ、ダンパー21が形成されている。具体的には、排気部22は、下流側通路12における空気の流れ方向下流側に位置し、給気部23は、送風通路10の流れ方向上流側に位置している。即ち給気部23は、送風機18の吸込圧によって負圧になる領域にあり、排気部22は、送風機18の排気圧によって正圧になる領域にある。
排気部22は、排気ダクト34と接続されている。
ダンパー21は、開閉板24が、図示しないモータによって開度調整され、当該開閉板24によって排気部22と給気部23を通過する空気の通過流量を同時に調整することができる。より具体的には、開閉板24は、排気部22と給気部23を同時に覆うことができる程度の大きさを備えた1枚の金属板である。また、開閉板24には、排気部22と給気部23の間にヒンジ25が配されている。即ち、開閉板24は、ヒンジ25を基準に回動させることで、排気部22と給気部23の開度を同時に調整することができる。即ち、ダンパー21の開度調整は、図示しない制御部から生成される信号に基づいて、前記モータが駆動されてヒンジ25を基準に開閉板24が回動して行われる。
従って、ダンパー21は、排気部22と給気部23との開度を調整することで、恒温装置1内部の加熱された空気を排気しつつ、外部の低温空気を給気できるため、試料配置部5の温度を降下させることができる(換気手段)。即ち、ダンパー21により、恒温装置1内部の空気を外気と置換させることができる。なお、上記開閉板24は、所謂バタフライ式であるが、ゲート式でもよい。
さらに、本実施形態に採用されたダンパー21は、開閉板24の開閉速度が制御可能な構成である。これにより、試料配置部5の温度調整をより円滑に行うことが可能となる。なお、この開閉板24の開閉速度制御は、本発明に直接的に関わらないため、簡単に説明する。即ち、試料配置部5の温度を急激に下げたい場合には開閉板24の開速度を増加し、試料配置部5の温度を急激に上げたい場合には開閉板24の閉速度を増加する。
また本実施形態では、ダンパー21の開閉板24を開閉するモータにステッピングモータが採用されており、ダンパー21の開度を任意の位置で固定することもできる。
送風通路10には室内温度検知センサ20が配されている。即ち、室内温度検知センサ20の検知温度に基づいて、試験室3内の温度が調整されている。
送風通路10には前記した様に送風機18と制御ヒータ13及び臨時ヒータ14が配されており、送風機18がヒータ13,14よりも空気の流れ方向下流側に位置している。即ち、ヒータ13,14で加熱された空気が、送風機18によって上流側通路11に送り出される。
本実施形態では、ヒータ13,14は合計6つ設けられており、その内の1つは制御ヒータ13である。また残りの5つは短時間に急激な温度上昇を行う必要がある場合に作動する臨時ヒータ14a〜14eである。
ここで臨時ヒータ14a〜14eと制御ヒータ13の容量について説明すると、制御ヒータ13の最大発熱量(容量)は、全てのヒータ13,14の20パーセント以下であることが望ましい。より望ましくは、15パーセント以下である。
また制御ヒータ13の最大発熱量は、送風機18の発熱量(攪拌に寄与する発熱量又はモータ出力)よりも小さい。
また制御ヒータ13の最大発熱量は、被試験物Wの発熱量よりも小さい。
また制御ヒータ13の最大発熱量は、断熱壁2からの放熱量と固定状態のダンパー21からの換気によって外部に排出される熱量との合計排出熱量と、基礎発熱量(送風機18の発熱量Bと、被試験物Wの発熱量Aの合計)との差の4倍未満であることが望ましい。
送風機18は、公知の遠心ファンである。なお、本実施形態の恒温装置1では、従来の恒温装置に用いられる送風機よりもモータの容量が大きいものが採用されている。これは、高発熱化された近年の被試験物Wに対応するためである。具体的には、本実施形態に採用される送風機18のモータの容量としては、9kw(4.5kw程度のモータが2基)程度のものである。
次に、本実施形態の恒温装置1の機能について説明する。
本実施形態の恒温装置1では、試験室3の試料載置棚7に被試験物Wを載置し、熱風によって試料配置部5を加熱すると共に被試験物Wに通電して被試験物Wを試験することができる。
なお、送風機18は、恒温装置1が運転されている間は、試料配置部5の温度分布を均一にするために、常時送風動作を行っている。
また定常状態における試験室内の温度は、摂氏100度を超える。通常は、摂氏125度程度で試験が行われる。
また本実施形態の恒温装置1では、被試験物W自体の発熱量Aと送風機18が試験室3内の空気に与える攪拌熱Bの合計は、ダンパー21を閉め切った状態における断熱壁2からの放熱量Cよりも大きい。
そのためダンパー21を閉め切って換気を行わなわずに試験を行った場合には、電気ヒータ13,14がオフの状態であったとしても、試験室3内の温度が設定温度を超える傾向となる。
本実施形態の恒温装置1では、運転初期の様に試験室3の温度が低下している場合は、全ての電気ヒータ13,14を使用して試験室3の温度を昇温させる。一方、一旦、試験室3の温度が設定温度に達すると、臨時ヒータ14を停止し、以後は制御ヒータ13だけを比例制御して試料配置部5の温度を調節する。
またこのとき、ダンパー21は、中途の位置で開度を固定し、以後は原則としてダンパー21の開度調整は行わない。
具体的なダンパー21の開度は、恒温装置1が定常状態となっていることを前提として、試験室3内の温度が設定温度の近傍となる換気量となる開度である。
また設定温度の近傍とは、設定温度に対してプラスマイナス摂氏10度程度の温度である。より望ましくは、設定温度に対してやや高い温度であることが望ましい。推奨される温度は、設定温度に対して摂氏8度程度高い温度である。
ダンパー21の開度は、実際の試料配置部5を監視しながら変化させ、試験室3内の温度が設定温度の近傍となる換気量となったところで固定する。あるいは、予め、被試験物Wの発熱量等から、定常時における開度を演算し、あるいは予備実験によって求め、定常状態になれば、その演算された開度や、実験で求められた開度に移行させ、固定してもよい。
ダンパー21を固定する結果、換気によって昇温に見合う量の熱量が常時排出される(等価換気)。そのため原則的に恒温装置1の内外の熱収支が整い、試験室3内の温度変化は、外乱に起因するものだけとなる。
そして本実施形態では、小型の電気ヒータ(制御ヒータ13)で、この外乱に対応する。そのため本実施形態の恒温装置1は、無駄なヒータの電力消費等が無い。また最小限の電気ヒータを比例制御して試験室内の温度を調整するので、温度のオーバシュートやアンダーシュートが少ない。
以上説明した実施形態では、電気ヒータを6基備え、そのうちの1基だけが、制御ヒータ13であったが、2基以上の制御ヒータを備えるものであってもよい。また制御ヒータの数を試験状況に応じて変更可能なものであってもよい。
例えば、外乱が大きいことが予想される場合には、手動装置によって制御ヒータの数を増やすことができる構成であってもよい。
また外乱その他の影響によって、一つの制御ヒータ13だけでは、設定温度範囲に試験室3の温度を維持できない状況となった場合には、自動的に、制御ヒータ13の数を増加させ、その後に、元の状況に自動復帰させる構成を採用することもできる。
さらに、外乱その他の影響によって、一つの制御ヒータ13だけでは、設定温度範囲に試験室の温度を維持できない状況となった場合に、ダンパー21の開度を僅かに変更する構成を付加してもよい。
以上説明した実施形態では、被試験物Wの発熱と送風機18の発熱の合計(発熱量Aプラス発熱量B)が、断熱材2からの放熱量Cを超える場合の態様を説明したが、例えば基礎ヒータを備えており、被試験物Wの発熱量と送風機18の発熱量と基礎ヒータの発熱量を合計した場合に、断熱材からの放熱量を超える様な恒温装置にも本発明を適用することができる。
図5は、本発明の第2実施形態を示し、基礎ヒータ30を備えている。基礎ヒータ30は、常時一定の発熱量で発熱されるものである。他の構成については、同一であるから、部材の説明については省略する。
本実施形態の恒温装置31では、被試験物Wの発熱と送風機18の発熱と、基礎ヒータ30の発熱量の合計が、断熱壁2からの放熱量を超える。
即ち被試験物Wを試験室3内に配置し、送風機18を起動し、基礎ヒータ30を運転し、ダンパー21による換気を行わずに試験を行った場合に試験室3内の温度が前記設定温度を超える傾向となる。
また発熱しない被試験物を扱う恒温装置にも本発明を適用することができる。
この場合には、基礎ヒータ30が必須であり、送風機18を起動し、基礎ヒータ30を運転し、ダンパー21による換気を行わなわずに試験を行った場合に試験室3内の温度が前記設定温度を超える傾向となる様な恒温装置となる。
本発明の実施例として、次の仕様の恒温装置を試作した。
(実施例)
臨時ヒータ:容量15キロワット
制御ヒータ:容量3キロワット
基礎ヒータ:無し
送風機:4.5キロワットの送風機を2基
制御方法:定常状態においてダンパーを一定開度で固定し、制御ヒータを比例制御
比較例として次の仕様の恒温装置を試作した。
(比較例)
臨時ヒータ:無し
制御ヒータ:容量18キロワット
基礎ヒータ:無し
送風機:4.5キロワットの送風機を2基
制御方法:定常常態においてダンパーを全開にして、制御ヒータを比例制御
これらの恒温装置を使用し、摂氏25度を1時間維持し、摂氏125度を8時間維持させ、さらに摂氏25度を1時間維持させる試験を行った。その結果、比較例では、127.5キロワット時の電力を消費したのに対し、実施例における電力消費量は、109.3キロワット時であった。従って全ヒータ容量は同一であるが、実施例は、約14.3パーセントの電力削減効果があった。
1 恒温装置
2 断熱壁
3 試験室
5 試料配置部
13 制御ヒータ
14 臨時ヒータ
18 送風機(送風手段)
21 ダンパー(換気手段)
30 基礎ヒータ
W 被試験物

Claims (9)

  1. 被試験物を配置する試験室と、試験室内の空気を循環する送風手段と、試験室内の空気を換気する換気手段とを有し、摂氏100度以上の設定温度に内部を維持して試験を行うことを常態とする恒温装置であって、常時一定の発熱量で運転される基礎ヒータを備えるか、或いは試験室内に配置された被試験物が発熱するものであるかいずれかの条件または双方の条件を備え、且つ被試験物を試験室内に配置し、前記送風手段を起動し、前記基礎ヒータを備える場合には当該基礎ヒータを運転し、前記換気手段による換気を行わなわずに試験を行った場合に試験室内の温度が前記設定温度を超える傾向となる恒温装置において、
    前記送風手段の発熱量と、基礎ヒータの発熱量と、被試験物の発熱量の合計を基礎発熱量としたとき、当該基礎発熱量よりも小さい最大発熱量であって且つ発熱量を制御することができる制御ヒータと、当該制御ヒータよりも容量が大きい臨時ヒータを備え、前記換気手段は換気量を変更することが可能であり、被試験物を試験室内に配置し、前記送風手段を運転し、試験室内の温度が低下している場合にはさらに臨時ヒータを運転し、前記基礎ヒータを備える場合には当該基礎ヒータを運転している状態であって、これらが定常状態となった際に試験室内の温度が設定温度の近傍となる換気量に前記換気手段の換気量を固定し、臨時ヒータを運転している場合は試験室内の温度が設定温度に達したことを条件に臨時ヒータを停止し、その後は制御ヒータの発熱量を制御して試験室内の温度を設定温度に調節することを特徴とする恒温装置。
  2. 固定される換気量は、定常状態となった際に制御ヒータを停止した場合に試験室内の温度が低下傾向となる換気量であることを特徴とする請求項1に記載の恒温装置。
  3. 試験室は断熱壁を有し、定常状態となった際には前記基礎発熱量が前記断熱壁からの放熱量を上回るものであり、ほぼ両者の差に相当する熱量を排出する様に前記換気手段の換気量が固定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の恒温装置。
  4. 制御ヒータの最大発熱量は、断熱壁からの放熱量と前記換気手段の換気によって外部に排出される熱量との合計排出熱量と、前記基礎発熱量との差の4倍未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の恒温装置。
  5. 制御ヒータの最大発熱量は、送風手段の発熱量よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の恒温装置。
  6. 制御ヒータの最大発熱量は、被試験物の発熱量よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の恒温装置。
  7. 複数のヒータを備え、これらを選択的に使用して制御ヒータとして機能させると共に、残りのヒータを臨時ヒータとして機能させることが可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の恒温装置。
  8. 複数のヒータを備え、制御ヒータはこの内の一部であって、制御ヒータの最大発熱量は、全ヒータの総最大発熱量の20パーセント以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の恒温装置。
  9. 換気手段は、開度を変更可能なダンパーであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の恒温装置。
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