JP4800361B2 - 水密・気密性3次元構造布の製造方法 - Google Patents

水密・気密性3次元構造布の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エアーデッキ、エアージャッキ、エアークッション、ウォーターベッド、水嚢、土嚢、砂嚢、救命具、断熱材、遮音材等としての使用に適した水密・気密性3次元構造布の製造方法に関し、特に、相対する2枚の織布を連結糸により適宜の間隔をあけて連結して構成される3次元構造布を基布とする水密・気密性に優れた素材(これを、本発明では「水密・気密性3次元構造布」と称す)の製造方法に関する。
従来、上記のような3次元構造布の表面に空気あるいは水不透過性の被膜を形成した素材を用いたウォーターベッド、マットレス、クッション、枕、コンクリート用型枠等が提案されている(特開平4−295308号、同7−67749号、同9−151604号、実開平4−16952号、同7−7630号公報参照)。
これらの公報には、上記の空気あるいは水不透過性被膜として合成樹脂やゴムが使用できる旨を記載すると共に、合成樹脂やゴムを3次元構造布の相対する2枚の織布の表面に積層する方法としてコーティング法、トッピング法等の外に、織布表面に接着剤を介して合成樹脂シートやゴムシートをラミネートする方法等が使用できる旨をも記載している。
コーティング法やラミネート法では、3次元構造布の上側織布及び下側織布の表面に、良好な空気あるいは水不透過性の被膜を形成することは可能であるが、トッピング法(カレンダーによるトッピング)では、トッピング工程中に、3次元構造布にシワが発生し、3次元構造布の上側織布及び下側織布の表面に、良好な空気あるいは水不透過性の被膜を形成することが不可能な場合が多い。
トッピング法であっても、カレンダーロールの速度調整や、ロール状の3次元構造布の巻出し速度と、製造された水密・気密性3次元構造布のロール状への巻取り速度との調整等により、良好な水密・気密性3次元構造布が製造できることもある。
しかし、良好な水密・気密性3次元構造布ができたとしても、3次元構造布の上側織布と下側織布との位置ズレが生じることが多く、このような位置ズレが生じた状態で、ロール状に巻かれて製品構造布とされる。
ロール状の製品構造布は、一般にはロール状のまま、裁断・貼り合わせ・成型等の2次加工工程に移送され、ロールから繰り出されて、2枚の織布が接触した状態で(すなわち、連結糸が2枚の織布間で伸びて、又は正常な位置からズレて、折り畳まれ、2枚の織布間の空間が存在しない状態で)、これらの2次加工が施される。
このとき、ロールから繰り出される製品構造布は、上記のような位置ズレが生じた状態にあると、裁断・貼り合わせ・成型等の2次加工が全て、上記2枚の織布の位置が正常な位置からズレた状態で行われることになり、効率の良い2次加工が不可能であるばかりか、得られる2次成型品にも歪みが生じ、高品質の成型品にはならない。
しかも、上記した従来の各方法で製造される水密・気密性3次元構造布はいずれも、上側織布と下側織布との位置関係が固定されておらず、連結糸の長さだけ上下左右の方向にズレるのが一般的である。
上側織布と下側織布とがズレたままで、上記の裁断等の2次加工を行えば、上記のように、得られる2次成型品に歪みが生じることは必至であり、高品質の成型品は得られない。
従って、歪みのない高品質な2次成型品を得るためには、上側織布と下側織布との位置関係を正常な状態に修正し、2次加工を行わなければならない。
しかし、上側織布と下側織布との位置関係を正常な状態に修正することは、極めて困難であり、多大の手間が掛かり、2次加工を効率的に行うことは不可能であった。
本発明は、以上のような種々の問題を解決するためになされたもので、上記の水密・気密性3次元構造布を連続生産する上で、相対する2枚の織布の位置ズレの発生を防止して、効率的な2次加工を可能とし、かつ高品質の2次成型品を得ることのできる水密・気密性3次元構造布を、高効率で製造し得る方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために検討を重ねた結果、予め、上記の3次元構造布の両耳部を、相対する2枚の織布の正常な位置を確保して縫合しておくことにより、水密・気密性の被膜を形成する工程において位置ズレが生じても、2次加工の際に相対する3次元構造布の2枚の織布を容易に正常な位置に修正することができ、2次加工時における前記のような問題を回避できることを見い出した。
この知見に基づき、更に検討を重ねた結果、3次元構造布の相対する2枚の織布が正常な位置にある間に、これら2枚の織布の表面側に積層した合成樹脂を裏面側に適度に浸出させると共に、浸出した合成樹脂同士を適度にブロッキングさせることにより、水密・気密性3次元構造布の上下織布が2次加工工程中において全く位置ズレが生じないことを見い出した。
本発明は、これらの知見に基づいてなされたもので、相対する2枚の織布が多数の連結糸により適宜の間隔を開けて連結された3次元構造布を基布とし、
(1)予め、該基布の両耳部を、前記2枚の織布と連結糸との位置合わせをして縫合しておき次いで、前記2枚の織布の表面側に合成樹脂層を積層し、ロール状に巻き取る(以下、この方法を「第1方法」と称す)か、あるいは
予め、該基布の両耳部を、前記2枚の織布と連結糸との位置合わせをして縫合しておき次いで、前記2枚の織布の表面側に合成樹脂層を積層し、該2枚の織布の内面同士が、織布の目を通して裏面側に浸出した合成樹脂により、エアー吹き込みによる加圧で剥がれる程度にブロッキングするように加熱加圧し、ロール状に巻き取る(以下、この方法を「第方法」と称す)ことを特徴とする水密・気密性3次元構造布の製造方法を要旨とする。
本発明の第1方法によれば、得られる製品水密・気密性3次元構造布は、相対する織布同士がブロッキングしておらず、連結糸の長さの範囲で位置ズレを生じるものの、3次元構造布の両耳部が縫合されているので、極めて容易に位置ズレを修正することができ、裁断・張り合わせ・成型などの2次加工を、上側織布と下側織布とが位置ズレのない状態で行うことができ、歪みのない高品質な2次成型品を得ることができる。
また、本発明の第2方法によれば、得られる製品水密・気密性3次元構造布は、相対する織布同士が織布の目を通して裏面側に浸出した合成樹脂により、エアー吹き込みによる加圧で剥がれる程度にブロッキングされているので、上側織布と下側織布とが全く位置ズレを生ずることがなく、従って裁断・張り合わせ・成型などの2次加工を、上側織布と下側織布との位置ズレのない状態で行うことができ、歪みのない高品質な2次成型品を得ることができる。
しかも、本発明の第1のいずれの方法によっても、得られる製品水密・気密性3次元構造布は、製品表面に肌荒れがなく、水密性、気密性に優れる高品質のものとすることができる。
本発明の第1〜第方法において、基布となる3次元構造布は、市販のものがそのまま使用できる。
図1は、この3次元構造布の一構成例を説明するための模式図である。
図1において、1,1は相対する2枚の織布で、これら2枚の織布が、多数の連結糸2,2・・・により、各連結糸2,2・・・の長さ分の間隔Lをあけて連結されている。
この間隔Lの寸法は、連結糸2,2・・・の長さを適宜選定することにより適宜のものに選定することができるため、所望する2次成型品の寸法(特に、厚さ)に応じて、所望の間隔Lを有する3次元構造布を選定すればよいが、通常は、用途に応じて、1〜50cm程度、好ましくは3〜30cm程度から選ばれる。
基布の3次元構造布を構成する織布としては、木綿、絹、麻、ウール、レーヨン、ビニロン、ビニリデン、ナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、炭素繊維、ガラス繊維、ロックウール、金属繊維等のあらゆる繊維からなる織布を用いることができる。
本発明の第1方法では、先ず、図1に示すような3次元構造布の両耳部E,Eを、相対する2枚の織布1,1と連結糸との位置合わせをして、図2に示すように、オーバーロックR等により縫合する。この縫合は、3次元構造布を織成した後に行うこともできるし、3次元構造布の織成の際に織成と同時に行うこともできる。
前者の3次元構造布を織成した後に両耳部E,Eを縫合する場合は、相対する2枚の織布1,1と連結糸2,2・・・とを位置合わせする必要があるが、後者の3次元構造布を織成すると同時に両耳部E,Eを縫合する場合は、この位置合わせの必要がなく好ましい。
次いで、図2に示す両耳部E,Eが縫合された態様の3次元構造布の2枚の織布1,1の表面に合成樹脂層3,3を積層する。
この合成樹脂としては、エアーデッキ、エアージャッキ、エアークッション、ウォーターベッド、水嚢、救命具等の2次成型品とした場合に、成形品内部(すなわち、水密・気密性3次元構造布の基布内部)にエアーや水等の流体を充填して成形品を膨張することができる柔軟性を有するものを使用する。
具体的には、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらは架橋剤等を使用して架橋可能なものであってもよく、耐熱性、耐久性等の点からは、架橋可能な合成樹脂が好ましい。
上記織布1,1表面への合成樹脂層3,3の積層方法は、特に制限されず、合成樹脂液をドクターナイフコート法、ロールコート法、リバースロールコート法等のコーティング法により塗布し乾燥する方法、合成樹脂フィルムを接着剤によりラミネートするフィルムラミネーション法、合成樹脂を熱ロールで混練しカレンダーでトッピングする方法等が採用できる。
合成樹脂として架橋剤を配合した架橋可能な合成樹脂を使用する場合は、合成樹脂を架橋させるための加熱キュア工程が必要である。
加熱キュアは、合成樹脂層積層後の3次元構造布を、加熱オーブン中を通したり、加熱ドラムとベルトとの間に挾持する等して行うことができる。
合成樹脂層3,3はそれぞれ、1層としてもよいし、複数層とすることもでき、厚さは100〜3000μm、好ましくは100〜1500μmが適している。
なお、合成樹脂層3,3の積層は、相対する2枚の織布1,1のそれぞれの表面に同時に行ってもよいし、片面ずつ行ってもよい。
以上の本発明の第1方法では、図2に示すように、3次元構造布の両耳部E,EがオーバーロックR等により縫合されているため、上記の各種の方法で織布1,1の表面に合成樹脂を積層する工程において、2枚の織布1,1の位置ズレによりシワが生じることはない。
また、このようにして得られる水密・気密性3次元構造布をロール状に巻き取る際に、上側織布と下側織布との位置ズレが生じることはあり得るが、この位置ズレは、2次加工の際に、縫合されている両耳部E,Eを幅方向に引っ張ることにより、容易に修正することができる。
従って、従来法のように、上側織布と下側織布を正常な位置に修正するのに手間が掛かることがなく、2次加工を容易に、且つ正確に行うことができる。
本発明の第の方法では、上記した第1方法とは異なり、先ず、図1に示すような構成の3次元構造布の、相対する2枚の織布1,1の表面側に合成樹脂層3,3を積層する。
このときの合成樹脂の種類は、第1方法の場合と同様のものが使用でき、積層する方法も、第1方法の場合と同様のものが採用できる。
また、積層する合成樹脂層の数も、第1方法の場合と同様に、1層あるいは複数層でよい。
次いで、合成樹脂を積層した3次元構造布を、加熱ロール間や、加熱ロールとベルト(スチールベルト等)の間などを通すことにより、合成樹脂を2枚の織布の目を通して織布の裏面側に浸出させ、上側織布及び下側織布から浸出した合成樹脂同士を、エアー吹き込みによる加圧で剥がれる程度にブロッキングするように、加熱加圧する。
このブロッキングは、図3に示したロート加硫装置のような加熱ロール12と無端ベルト15の間に被処理体10aを通して加熱加圧する装置を使用するなどして、被処理体10aを広い面積で加熱加圧することにより行うのが好ましい。
ブロッキングの程度は、図3に示す装置等により合成樹脂層の積層圧着が完了し、製品水密・気密性3次元構造布10bとなった状態において、あるいは裁断や貼り合わせ等の2次加工が完了した状態(2次加工成型品となった状態)において、基布すなわち3次元構造布の相対する2枚の織布1と1の隙間(連結糸2,2・・・が存在する部分)にエアーを吹き込んだ際の圧力で、ブロッキングしていたこれら2枚の織布1,1が剥がれる程度である。
従って、本発明の第方法を採用するときは、裁断や貼り合わせ等の2次加工が完了し、2次加工成型品の品質検査のために行うエアー吹き込みを利用して、2枚の織布1,1内面同士の上記ブロッキングを解除するのが効率的である。
以上詳述した本発明の第方法では、3次元構造布の相対する2枚の織布1,1の目を通して織布の裏面側に適度に浸出させた合成樹脂をブロッキングさせるため、これをロール状に巻き取る際に、上側織布と下側織布とのズレが生ずることはない。
この結果、ロール状に巻き取られる製品水密・気密性3次元構造布10bにも位置ズレは生じず、ロール状の製品水密・気密性3次元構造布10bは、正常な状態で、2次加工工程に送られることになる。
従って、2次加工工程で位置ズレが起きることはなく、位置ズレの修正も不要であり、2次加工が極めて容易に、しかも効率的に行うことができる。
本発明の第方法における、エアー吹き込みによる加圧で剥がれる程度のブロッキングは、2枚の織布1,1を構成する糸の太さ、連結糸2,2・・・の太さ、織布1,1の緯糸及び経糸の打ち込み密度(本数/インチ)、連結糸2,2・・・の打ち込み密度(本数/インチ)、合成樹脂の種類、加熱加圧条件(加硫条件)などを適宜調整することにより得ることができる。
具体的には、2枚の織布1,1を構成する糸の太さは、70〜2000デニールの範囲内のものを使用するのが好ましく、連結糸2,2・・・の太さも、70〜2000デニールのものを使用するのが好ましい。
織布1,1の緯糸及び経糸の打ち込み密度は、10〜100本/インチとすることが好ましく、連結糸2,2・・・の打ち込み密度は、7本/インチ以上、好ましくは10〜50本/インチとすることが好ましい。
加熱温度は、120〜200℃とすることが好ましい。
加圧圧力は、ベルトゲージ圧80〜180kg/cm2とすることが好ましい。
(第1方法)
相対する2枚の織布1,1を、ナイロン糸(420デニール)で、縦糸を38本/インチ、横糸を40本/インチとし、連結糸2,2・・・を、ナイロン糸(420デニール)で、長さLを7cm、本数を10.5本/インチとして、織成した図1に示す3次元構造布を基布として用い、該基布の両耳部E,Eを、図2に示すようにナイロン糸(420デニール)で、オーバーロックRのように縫合した。
この後、基布の相対する2枚の織布1,1それぞれの表面に、カレンダーにより、軟質塩化ビニル樹脂(PVC)3,3を厚み0.5mmとなるようにトッピングし、クーリングロールにより冷却し、図2に示すような製品水密・気密性3次元構造布を得た。
得られた製品水密・気密性3次元構造布は、2次加工の際に、上側織布1と下側織布1が連結糸2,2・・・の長さLの範囲内で位置ズレを生じるものの、3次元構造布の両耳部E,Eが縫合Rされているので、縫合Rされた両耳部E,Eを把持して幅方向に引っ張ることにより、極めて容易に位置ズレを修正することができ、正確に2次加工を行うことができた。
しかも、得られた2次加工製品も、歪みのない高品質のものであった。
(第方法)
実施例1と同じ基布を用い、両耳部E,Eを実施例1と同様にして縫合し、相対する2枚の織布1,1それぞれの表面に、カレンダーにより、PVCを厚み0.5mmとなるようにトッピングした。
続いて、図3に示したロート加硫装置のような加熱加圧装置により、シリンダ11,12,13,14と無端ベルト15との間の圧力をそれぞれ、ベルトゲージ圧で130kg/cm 2 に調整して加熱加圧を行った。
なお、シリンダ11、13、14はヒータ非内蔵型の、すなわち加熱シリンダでないものを用い、シリンダ12はヒータ内蔵型の、すなわち加熱シリンダを用い、しかもシリンダ12の近傍部にはヒータ16を設け、ここを加熱ゾーンとして加熱加圧を行った。加熱ゾーンの温度は150℃に調整した。
得られた製品水密・気密性3次元構造布は、2次加工の際に、上側織布1と下側織布1とは全く位置ズレを生じないので、正確に2次加工ができ、2次加工製品も、歪みのない高品質のものであった。
なお、2枚の織布1,1の内面同士は、織布1,1の目を通して互いの裏面側に浸出したPVCによりブロッキングが発生していたが、500mm×2000mmに裁断し、4周をPVC層−生地−PVC層の三層構造の水密・気密性3次元構造布よりなるテープにて気密状態に貼り合わせ、エアー吹き込み口を設ける2次加工を行ってエアマットに成形し、該エアー吹き込み口から、足踏み式ポンプによりエアーを吹き込んだところ、この2枚の織布1,1の内面同士のブロッキングが完全に剥がれる状況が観察された(具体的には、エアーの供給がスムースになった時点で、該2次成型品を切り欠いて内部を観察したところ、2枚の織布1,1の内面同士のブロッキングがなくなっていることが確認された)。
そこで、上記の製品構造布から上記と同様の2次成型品を作り、これに足踏み式ポンプによりエアーを吹き込み、2枚の織布1,1の内面同士のブロッキングが剥がれる状況が観察された後(すなわち、エアーの供給がスムースになった後)も、エアーの吹き込みを続行した。
この結果、エアマットは、内部のエアー圧が高くなっても、連結糸2,2・・・の長さL分の間隔以上の厚みになることはなく、エアーマットとして剛性を有し、実用上問題のない高品質のもの(2次加工品)であった。
以上の実施例で使用した基布の構成を表1に纏めて示し、以上の実施例の各条件と、以上の実施例で得た製品水密・気密性3次元構造布の外観およびブロッキングの状態を観察した結果とを表2に纏めて示す。
Figure 0004800361
Figure 0004800361
なお、表2中、
*1:ベルトゲージ圧力で、kg/cm2
*2:◎は肌荒れが全くない場合、×は肌荒れがある場合を意味し、
*3:◎はブロッキングしているがエアー吹き込みにより容易に剥れる場合、○はブロッキングしない場合、×は強固にブロッキングしエアー吹き込みでは容易に剥れない場合を意味する。
比較例1
連結糸2,2・・・として210デニールのナイロン糸を使用する以外は、実施例1と同じ基布を用い、両耳部E,Eを実施例1と同様にして縫合し、相対する2枚の織布1,1それぞれの表面に、カレンダーにより、0.5mm厚に分出した未加硫クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)シート3,3をトッピングした。
続いて、図3に示したロート加硫装置(アフターキュア用の加熱炉18を除く)により、シリンダ11,12,13,14と無端ベルト15との間の圧力をそれぞれ、ベルトゲージ圧で80kg/cm 2 に調整してロート加硫を行った。
なお、シリンダ11、13、14はヒータ非内蔵型の、すなわち加熱シリンダでないものを用い、シリンダ12はヒータ内蔵型の、すなわち加熱シリンダを用い、しかもシリンダ12の近傍部にはヒータ16を設け、ここを加熱ゾーンとして加硫を行った。加熱ゾーンの温度は185℃に調整して製品構造布を得た。
比較例2
ベルトゲージ圧を130kg/cm 2 する以外は、比較例1と同様にして製品構造布を得た。
比較例3
連結糸2,2・・・の打込本数を6本/インチとする以外は、比較例1と同様にして製品構造布を得た。
比較例4
連結糸2,2・・・の打込本数を6本/インチとする以外は、比較例2と同様にして製品構造布を得た。
以上の比較例で使用した基布の構成を表3に纏めて示し、以上の比較例の各条件と、以上の比較例で得た製品構造布の外観およびブロッキングの状態を観察した結果とを表4に纏めて示す。
Figure 0004800361
Figure 0004800361
表2および表4から明らかなように、実施例では、得られた製品構造布は、織布1,1同士がブロッキングしておらず、連結糸2,2・・・の長さの範囲で位置ズレを生じるが、基布の両耳部E,EがオーバーロックR等により縫合されているので、極めて容易に位置ズレを修正することができ、2次加工を、上側織布1と下側織布1との位置ズレのない状態で行うことができ、歪みのない高品質な2次成型品を得ることができた。
また、実施例では、得られた製品構造布は、織布1,1同士が織布の目を通して裏面側に浸出した合成樹脂により、エアー吹き込みによる加圧で剥がれる程度にブロッキングされているので、上側織布1と下側織布1とが2次加工工程において全く位置ズレを生ずることがなく、従って2次加工を上側織布1と下側織布1とが位置ズレのない状態で行うことができ、歪みのない高品質な2次成型品を得ることができた。
しかも、実施例1〜のいずれの製品構造布も、製品表面に肌荒れはなく、水密性、気密性に優れた高品質のものであった。
これに対して、比較例1〜4で得られた製品構造布は、肌荒れがあるか、ブロッキングが強固でエアー吹き込みによる加圧では上側織布1と下側織布1とが剥がれず、良好な製品とは言えなかった。
本発明のゴム引布の基布となる3次元構造布を模式的に示す一部切欠き図である。 本発明における基布と、本発明で得られる製品構造布とを、模式的に示す一部切欠き図である。 ート加硫装置を模式的に示す図である。
符号の説明
1,1 相対する2枚の織布
2 連結糸
3,3 合成樹脂
E,E 3次元構造布の耳部
R オーバーロック
10a 被処理体
10b 製品構造布(製品引布)
11,12,13,14 シリンダ
15 無端ベルト
16 ヒータ
17 ガイドロール
18 アフタキュアー用の加熱炉

Claims (2)

  1. 相対する2枚の織布が多数の連結糸により適宜の間隔をあけて連結された3次元構造布を基布とし、
    予め、該基布の両耳部を、前記2枚の織布と連結糸との位置合わせをして縫合しておき
    次いで、前記2枚の織布の表面側に合成樹脂層を積層し、ロール状に巻き取
    ことを特徴とする水密・気密性3次元構造布の製造方法。
  2. 相対する2枚の織布が多数の連結糸により適宜の間隔をあけて連結された3次元構造布を基布とし、
    予め、該基布の両耳部を、前記2枚の織布と連結糸との位置合わせをして縫合しておき
    次いで、前記2枚の織布の表面側に合成樹脂層を積層し、
    該2枚の織布の内面同士が、織布の目を通して裏面側に浸出した合成樹脂により、エアー吹き込みによる加圧で剥がれる程度にブロッキングするように加熱加圧し、ロール状に巻き取
    ことを特徴とする水密・気密性3次元構造布の製造方法。
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