JP5178221B2 - 成形用中空部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化プラスチック製中空成形品を加熱・加圧成形するのに用いられる成形用中空部材の製造方法に関するものである。
従来から、繊維強化プラスチック製成形品を加熱・加圧成形することが知られている。
特許文献1のものでは、型主体とこの型主体よりも容積が小さい突出型とを有する型の内表面に沿ってプリプレグを敷設した後、突出型に敷設したプリプレグ上に発泡シートを重ねて配置し、次いで突出型の内部空間形状とほぼ同じ形状の内部型を突出型内部にプリプレグ及び発泡シートを介して配置し、そして、型主体に敷設したプリプレグの内側に膨張バッグを配置し、この膨張バッグに流体を充填することによりプリプレグを加圧し、それから、加熱により発泡シートを発泡させるとともにプリプレグを硬化させることにより、繊維強化プラスチック製中空成形品を製造している。
特開2005−161701号公報
ところで、本発明者たちは、繊維強化プラスチック製中空成形品を加熱・加圧成形するのに用いられる図11に示すようなシリコーンゴム製成形用中空部材101を開発した。この成形用中空部材101は、横断面形状が長方形状のシリコーンゴム製中空体103からなっており、該中空体103は押出し成形方法で製造される。より詳しくは、この中空体103は、未加硫シリコーンゴムを押出機(図示せず)の吐出口から横断面形状が長方形状となるように図11(b)の長手方向に押出し、押出されたときの形状を保ったまま加熱硬化させることにより製造される。
この成形用中空部材101を用いて中空成形品を加熱・加圧成形する際には、まず、成形用中空部材101の周りにプラスチック樹脂、繊維、及びプラスチック樹脂をこの順に巻き付け、そして、これらプラスチック樹脂及び繊維を何層にも積層することにより繊維と樹脂を積層プリプレグ化し、それから、この積層プリプレグを成形用中空部材101に巻き付けた状態で所定の圧力下で所定の熱を加えて硬化させ、その後、硬化させたプリプレグから成形用中空部材101を抜き取る。以上のようにして、横断面形状が長方形状の中空成形品が出来上がる。
このように、成形用中空部材を用いた中空成形品の成形時には、成形用中空部材に圧力がかかるので、成形用中空部材には耐圧性が要求されるが、上記成形用中空部材101は、シリコーンゴムのみからなるため、耐圧性が十分ではない。
また、成形用中空部材101はシリコーンゴム製ゆえ中空成形品の加熱成形時に伸びるが、冷却されると収縮するので、成形用中空部材101を繰り返し用いると、所定寸法の中空成形品を成形するために必要とされる成形用中空部材101の長手方向の寸法が不足することになる。
このような問題を解決するために、上記のように中空体を押出し成形する際に、該中空体に不織布等の補強材を埋設することが考えられるが、不織布は強度に方向性がなかったり、一方向の強度しか卓越しなかったりすることから、耐圧性と耐収縮性の両方を向上させることは困難である。
一方、耐圧性と耐収縮性の両方を向上させるために、中空体を押出し成形する際に、中空体に織布を埋設することが考えられるが、押出し成形時のシリコーンゴムは非常に柔らかいことから、このシリコーンゴムに対して繊維を編み上げるのは困難であり、また、中空部を有するシリコーンゴムに対し繊維を編み上げると、特に断面形状が円形以外のものでは繊維の締め付け力のバランスが保てず、形状が潰れるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、耐圧性及び耐収縮性を有する、断面形状が様々な形状の成形用中空部材を製造する技術を提供することにある。
第1の発明は、織布が埋設されたシリコーンゴム製中空体を備え、繊維強化プラスチック製中空成形品を加熱・加圧成形するのに用いられる成形用中空部材の製造方法であって、シリコーンゴム製の2枚のゴムシートの間に上記織布を挟むことにより、織布入りゴムシートを成形する工程と、上記織布入りゴムシートを中子に巻き付ける工程と、上記織布入りゴムシートを上記中子に巻き付けた状態で加熱加圧することにより、上記中空体を加硫成形する工程と、上記加硫成形された中空体から上記中子を抜き取る工程と、を含むことを特徴とするものである。
第1の発明によれば、織布入りゴムシートを中子に巻き付けて、該織布入りゴムシートを中子に巻き付けた状態で加熱加圧することにより、中空体を加硫成形するので、押出し成形とは異なり、中空体を製造する際に繊維を編み上げる必要がないことから、織布が埋設された断面形状が様々な形状の中空体を備える成形用中空部材を製造することができる。このように、中空体に織布を埋設することにより、成形用中空部材の耐圧性及び耐収縮性を向上させることができるとともに、該成形用中空部材を用いることにより、断面形状が様々な形状の繊維強化プラスチック製中空成形品を製造することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記巻き付け工程では、上記織布入りゴムシートをその巻き付け方向両端部同士が重なるように巻き付けることを特徴とするものである。
このように、織布入りゴムシートをその巻き付け方向両端部同士が重なるように巻き付けることで、成形用中空部材の耐圧性をさらに向上させることができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記織布入りゴムシートにおける一方のゴムシートの巻き付け方向一端部と、他方のゴムシートの巻き付け方向他端部とを除去することにより、上記織布を露出させる工程をさらに含み、上記巻き付け工程では、上記織布入りゴムシートをその巻き付け方向両端部の露出した織布同士が接して重なるように巻き付けることを特徴とするものである。
このように、織布入りゴムシートにおける一方のゴムシートの巻き付け方向一端部と、他方のゴムシートの巻き付け方向他端部とを除去して織布を露出させるとともに、織布入りゴムシートをその巻き付け方向両端部の露出した織布同士が接して重なるように巻き付けることにより、これらの両端部同士が重なった部分に余分なゴムがなくなるので、加熱加圧された際に巻き付け方向に作用するゴムの圧力が減少し、接して重ねられた織布が巻き付け方向に離間するのを抑制できる。
第4の発明は、上記第1〜第3のいずれか1つの発明において、上記成形された中空体の断面形状が非真円形状又は多角形形状であることを特徴とするものである。
このように、押出し成形において繊維を編み上げる際に、特に形状が潰れやすい、断面形状が円形以外の中空体を製造することができる。
なお、本発明において織布とは、例えば、経糸と緯糸とを直角に交錯させて編み上げた織物のように、繊維を編み上げることにより少なくとも略直交する二方向の強度を向上させた織物を意味し、該繊維には合成樹脂繊維、金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維などが含まれる。
また、繊維強化プラスチックとは、ガラス繊維や炭素繊維などをプラスチック中に分散させて強化・軽量化した材料である。
本発明によれば、織布入りゴムシートを中子に巻き付けて、該織布入りゴムシートを中子に巻き付けた状態で加熱加圧してシリコーンゴム製中空体を加硫成形するので、押出し成形とは異なり、中空体を製造する際に織布を編み上げる必要がないことから、断面形状が様々な形状の中空体を備える成形用中空部材を製造することができるとともに、中空体に織布を埋設することにより、成形用中空部材の耐圧性及び耐収縮性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
−成形用中空部材の構成−
図1及び図2に、本発明の製造方法により製造される成形用中空部材の一例を示す。成形用中空部材(成形用ブラダー)1は、中空パイプや中空フレームなどの繊維強化プラスチック(以下、FRPという)製中空成形品をオートクレーブ成形するのに用いられるものであって、横断面形状が長方形閉断面形状のシリコーンゴム製中空体3と、この中空体3の略全体に埋設されたポリエステル繊維製織布5とを備えている。なお、図1では、図を見易くするため、織布5を白抜きの層として示すとともに、ゴム層13,23や織布層5の厚さなどを誇張しており、その他の図面についても同様とする。
上記中空体3は、内側ゴム層(内層)13と、該内側ゴム層13の外側に設けられ、厚さが該内側ゴム層13と略同一の外側ゴム層(外層)23とを有している。シリコーンゴムは、耐熱性・耐薬品性・撥水性・電気絶縁性などに優れている。
上記織布5は、経糸15と緯糸25とを直角に交錯させて編み上げた(互いに直交して配置した)ものであり、経糸15の延びる経方向が中空体3の長手方向と、緯糸25の延びる緯方向が中空体3の周方向と、それぞれ略一致するように内側ゴム層13と外側ゴム層23との間に配置されており、全周に亘って内側ゴム層13の外周面及び外側ゴム層23の内周面と一体成形されている。織布5は、このように内側ゴム層13と外側ゴム層23との間に挟まれることにより、中空体3の厚み方向の略中央部に埋設されている。ポリエステルは、融点が250度を超えることから耐熱性に優れている他、耐収縮性・引張強度などにも優れている。
また、成形用中空部材1は、上述のように耐熱性に優れたポリエステルとシリコーンゴムとからなることにより、中空成形品のオートクレーブ成形時における加熱温度(約180度)に耐える耐熱性を有している。
−成形用中空部材の製造方法−
−成形用中空部材の製造方法−
図3は、シリコーンゴム材料からゴムシートを成形する製造方法を説明する概略図である。図3において、符号7a及び7bはシリコーンゴム材料21をシート状に圧延する第1及び第2練りロールであり、符号9は成形中のゴムシート33等を連続して搬送するコンベアーであり、符号11aはコンベアー9上に防着シート27を供給する第1供給ロールであり、符号17a及び17bは搬送される半製品をコンベアー9上で上下から押さえる第1及び第2押さえロールであり、符号19aは第1巻取りロールである。
シリコーンゴム材料21は、第1練りロール7aと第2練りロール7bとの間に上方から供給され、両ロール7a,7b間で圧延されてゴムシート33となり、コンベアー9上に供給される。この際、ゴムシート33は第1供給ロール11aからコンベアー9上に供給される防着シート27の上に重ねられた状態で搬送される。次いで、防着シート27と重ねられたゴムシート33が、第1押さえロール17aと第2押さえロール17bとの間に供給され、これらのロール17a,17bにより上下から押さえられて防着シート27がゴムシート33と一体化される。このように、防着シート27と一体となったゴムシート33は第1巻取りロール19aによって巻き取られる。
図4は、織布入りゴムシートを成形する製造方法を説明する概略図である。図4において、符号11b及び11cはそれぞれコンベアー9上にゴムシート33,33を供給する第2及び第3供給ロールであり、符号11dはコンベアー9上に織布5を供給する第4供給ロールであり、符号29a,29bは重ねられた複数のシートを上下からプレスして一体化させるトッピングロールであり、符号19bは第2巻取りロールである。
上述のように成形されたゴムシート33が2つ用意され、第2供給ロール11b及び第3供給ロール11cにそれぞれセットされる。第2供給ロール11bが図4の反時計回りに回転すると、防着シート27が上側になった状態でゴムシート33がコンベアー9上に供給される一方、第3供給ロール11cが図4の時計回りに回転すると、防着シート27が下側になった状態でゴムシート33がコンベアー9上に供給される。この際、第3供給ロール11cから供給されるゴムシート33の上面に第4供給ロール11dから供給されるポリエステル繊維製の織布5が重ねられるとともに、さらにこの織布5の上面に第2供給ロール11bから供給されるゴムシート33が重ねられる。次いで、上下2枚のゴムシート33,33は、それらの間に織布5が挟まれた状態で第1トッピングロール29aと第2トッピングロール29bとの間に供給され、これらのロール29a,29bにより上下からプレスされる。これにより、2枚のゴムシート33の間に織布5が埋設された織布入りゴムシート43が成形される。この織布入りゴムシート43は第2巻取りロール19bによって巻き取られる。
このようにして得られた長尺の織布入りゴムシート43は、横断面形状が長方形状の中子(芯棒、マンドレル)31(図6参照)の周長に合わせて切断される。具体的には、図6に示すように、織布入りゴムシート43を中子31に巻き付けた際に、織布入りゴムシート43の巻き付け方向両端部43a,43bが重なってラップ部35が形成されるように、中子31の周長に2cm(ラップ部35の巻き付け方向長さ)を加えた長さに該織布入りゴムシート43が切断される。
次いで、図5(a)に示すように、切断された織布入りゴムシート43における、図5の下側(一方)のゴムシート33aの左側端部(巻き付け方向一端部)35aと、図5の上側(他方)のゴムシート33bの右側端部(巻き付け方向他端部)35bとが除去される。具体的には、中子31に巻き付けた際に織布5よりも外側となる下側のゴムシート33aの左側端から2cmの部分35aと、中子31に巻き付けた際に織布5よりも内側となる上側のゴムシート33bの右側端から2cmの部分35bとが削り落とされて除去される。このようにしてシリコーンゴム35a,35bを除去することにより、図5(b)に示すように、織布入りゴムシートの巻き付け方向両端部43a,43bの織布5を露出させる。
そして、図6(a)に示すように、織布入りゴムシート43の上面の略中央部に上記中子31が置かれ、中子31の側面を覆うように織布入りゴムシート43が巻き付けられる。次いで、図6(b)に示すように、織布入りゴムシート43の左側端部43aが、露出した織布5aが上側となるように中子31の上面に被せられる。そして、図6(c)に示すように、織布入りゴムシート43の右側端部43bが、露出した織布5bが下側となるように中子31の上面に被せられる。このように、織布入りゴムシート43が、その巻き付け方向両端部43a,43bの露出した織布5a,5b同士が接して重なるように中子31に巻き付けられることで、ラップ部35が形成される。
織布入りゴムシート43の中子31への巻き付けが完了すると、図7(a)に示すように、織布入りゴムシート43が中子31に巻き付けた状態で上型37と下型39とで挟み込まれ、加熱成形プレス機(図示せず)を用いて加熱加圧されて中空体3が加硫成形される。そして、図7(b)に示すように、上型37と下型39とが開かれ、加硫成形された中空体3から中子31が抜き取られる。その後、織布5が埋設された中空体3は、二次加硫炉(図示せず)の中に入れられ、シリコーンゴムの特性を安定化させるため、二次加硫(再加熱)される。以上のようにして、外周面の横断面形状が長方形状の成形用中空部材1が完成する。
上述のように、織布入りゴムシート43における、下側のゴムシート33aの左側端部35aと、上側のゴムシート33bの右側端部35bとを除去することにより、織布入りゴムシート43の巻き付け方向両端部43a,43bの織布5を露出させ、露出した織布5a,5b同士が接して重なるように中子31に巻き付けてラップ部35を形成するのは、以下の理由による。すなわち、織布入りゴムシート43の両端部43a,43bを重ねてラップ部35を形成すれば、成形用中空部材1の耐圧性を上昇させることができるが、シリコーンゴム35a,35bを除去せずに、織布入りゴムシート43の両端部43a,43bを重ねると、図8(a)に示すように、ラップ部35には余分なシリコーンゴム35a,35bが存在することになり、ラップ部35の厚さがラップ部35以外の部分の厚さに比べて約2倍になる。そして、この状態で加熱成形プレス機により加熱加圧されると、余分なシリコーンゴム35a,35bが図の矢印41の向きに溶け出し、右側端部の織布5bを、図の右側に押すように作用することになる。その結果、図8(b)に示すように、ラップ部35において、左側端部の織布5aと右側端部の織布5bとがラップせず、成形用中空部材1の耐圧強度の低下を招くおそれがあるからである。
また、中空体3の厚み方向の略中央部に織布5を埋設するのは、織布が中空体の内側に寄りすぎて成形用中空部材の外側の強度が低下したり、織布が中空体の外側に寄りすぎて中空成形品の表面に織布の網目が転写されたり(浮き出たり)するのを抑えるためである。
以下、成形用中空部材1を用いたFRP製中空成形品のオートクレーブ成形方法を説明する。まず、成形用中空部材1の周りにプラスチック樹脂、繊維、及びプラスチック樹脂をこの順に巻き付ける。そして、これらプラスチック樹脂及び繊維を何層にも積層することにより繊維と樹脂を積層プリプレグ化する。それから、この積層プリプレグを成形用中空部材1に巻き付けた状態でオートクレーブ(耐圧釜)の中に入れ、所定の圧力下で所定の熱を加えて硬化させる。このとき、プリプレグには外側及び内側の両側から圧力がかかるため、各面部が真っ直ぐに延びる中空成形品を作ることができる。その後、硬化させたプリプレグをオートクレーブから取り出し、成形用中空部材1を抜き取る。ここで、成形用中空部材1は、上述のような構成を採用することにより、可撓性、柔軟性を有するので、成形用中空部材をプリプレグから容易に引き抜くことができる。以上のようにして、横断面形状が長方形閉断面形状の中空成形品が出来上がる。
−効果−
本実施形態によれば、織布入りゴムシート43を中子31に巻き付けて、該織布入りゴムシート43を中子31に巻き付けた状態で加熱加圧することにより、シリコーンゴム製中空体3を加硫成形するので、押出し成形とは異なり、中空体3を製造する際に繊維を編み上げる必要がないことから、織布5が埋設された断面形状が長方形状の中空体3を備える成形用中空部材1を製造することができる。このように、中空体3に織布5を埋設することにより、成形用中空部材1の耐圧性及び耐収縮性を向上させることができるとともに、該成形用中空部材1を用いることにより、断面形状が長方形状のFRP製中空成形品を製造することができる。
また、織布入りゴムシート43はその巻き付け方向両端部43a,43b同士が重なるように中子31に巻き付けられているので、成形用中空部材1の耐圧性を向上させることができる。
さらに、織布入りゴムシート43における下側のゴムシート33aの左側端部35aと、上側のゴムシート33bの右側端部35bとを除去して織布5a,5bを露出させるとともに、織布入りゴムシート43をその巻き付け方向両端部43a,43bの露出した織布5a,5b同士が接して重なるように巻き付けることにより、これらの両端部43a,43b同士が重なった部分(ラップ部35)に余分なゴムがなくなるので、加熱加圧された際に巻き付け方向に作用するゴムの圧力が減少し、接して重ねられた織布5a,5bが巻き付け方向に離間するのを抑制できる。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、成形用中空部材1をFRP製中空成形品をオートクレーブ成形するのに用いているが、オートクレーブ成形以外の加熱・加圧成形するのに用いてもよい。
また、上記実施形態では、ポリエステル繊維製の織布5を用いているが、織布5の材質はポリエステル繊維に限らず、例えば、ナイロン繊維やアラミド繊維などの合成樹脂繊維、又は金属繊維、ガラス繊維、炭素繊維を用いてもよい。
さらに、上記実施形態では、織布5として、経糸15と緯糸25とを交錯させて編み上げたものを用いたが、少なくとも略直交する二方向の強度を向上させた織物である限り、その構成は上記のものに限らない。
また、上記実施形態では、圧延されたゴムシートと防着シート27を一体化しているが、例えば、ゴムシートの表面に防着剤などを塗布してもよい。
さらに、上記実施形態では、織布入りゴムシート43を中子型31に巻き付けた際に、織布入りゴムシート43の巻き付け方向両端部43a,43bが重なってラップ部35が形成されるようにしているが、ラップ部35を形成しなくてもよい。
また、上記実施形態では、シリコーンゴム製中空体3の横断面形状を長方形状としているが、これに限らず、中空成形品の横断面形状に合わせて、例えば、円形状、又は楕円形状(図9(a)参照)などの非真円形状、又は三角形(図9(b)参照)、正方形(図9(c)参照)、台形(図9(d)参照)等の長方形以外の四角形、五角形(図9(e)参照)、六角形(図9(f)参照)、八角形(図9(g)参照)などの多角形形状としてもよい。
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明の効果を確認するために、下記の試験を行い、成形用中空部材の耐圧性及び耐収縮性について評価を行った。
<試験品>
実施例1、実施例2、実施例3及び比較例とも、ゴム硬度80度のシリコーンゴムからなり且つ断面形状が長方形状のシリコーンゴム製中空体を備えた成形用中空部材を用いた。さらに、実施例1、実施例2及び実施例3では、該中空体に、太さ275T(デシテックス)の繊維を、中空体の長手方向に24本/Inch、中空体の周方向に25本/Inchで互いに直交して配置した織布を埋設したものを用いた。織布の材質として、実施例1ではアラミド繊維、実施例2ではポリエステル繊維、実施例3ではナイロン繊維をそれぞれ用いた。これに対し、比較例では、中空体に織布を埋設しなかった。
<試験>
成形用中空部材を耐圧容器の中に入れ、耐圧容器の内圧を漸次上昇させていき、成形用中空部材が破裂(一部破断)したときの耐圧容器の内圧(破裂圧)を測定した。
また、成形用中空部材を加熱炉の中に入れ、中空成形品のオートクレーブ成形時における加熱温度と略同じ180度で2時間加熱し、その後自然冷却する工程を1サイクルとし、これを30サイクル繰り返し、各サイクル終了毎に、試験前の成形用中空部材に対する長手方向の収縮率を測定した。
<試験結果>
Figure 0005178221
表1に示すように、アラミド繊維を用いた実施例1では、耐圧容器の内圧が比較例の破裂圧(0.20MPa)の5倍である1.00MPaのときに成形用中空部材が破裂し、ポリエステル繊維を用いた実施例2では、耐圧容器の内圧が比較例の破裂圧の3倍である0.60MPaのときに成形用中空部材が破裂した。また、ナイロン繊維を用いた実施例3では、実施例のうち最も低い内圧で成形用中空部材が破裂したが、その破裂圧は比較例の破裂圧の約2倍に相当する0.38MPaだった。
一方、耐収縮性に関しては、図10に示すように、ポリエステル繊維を用いた実施例2が最も良好な結果を示し、次いでナイロン繊維を用いた実施例3で顕著な効果が表れた。これに対し、アラミド繊維を用いた実施例1では、サイクル数が5回を超えた辺りから、実施例2及び実施例3に比べて収縮率の上昇が顕著となったが、織布を埋設していない比較例よりも高い耐収縮性を示した。
以上の結果から、中空体に織布を埋設することにより、成形用中空部材の耐圧性及び耐収縮性が向上することが確認された。特に、ポリエステル繊維製織布を埋設した成形用中空部材を用いた実施例2では、耐圧性及び耐収縮性のいずれにおいても良好な結果を得た。
以上説明したように、本発明は、FRP製中空成形品を加熱・加圧成形するのに用いられる成形用中空部材の製造方法等について有用である。
本発明に係る成形用中空部材の概略横断面図である。 成形用中空部材の概略斜視図である。 シリコーンゴム材料からゴムシートを成形する製造方法を説明する概略図である。 織布入りゴムシートを成形する製造方法を説明する概略図である。 織布入りゴムシートを示す図であり、(a)は、概略縦断面図であり、(b)は、概略斜視図である。 織布入りゴムシートを中子に巻き付ける方法を段階的に説明する概略横断面図である。 シリコーンゴム製中空体を成形する方法を説明する概略横断面図であり、(a)は、織布入りゴムシートを中子に巻き付けた状態で上型と下型とで挟み込んだ様子を示す図であり、(b)は、上型と下型とを開き、中空体から中子を抜き取った様子を示す図である。 織布入りゴムシートを中子に巻き付けたときに形成されるラップ部を説明する概略縦断面図であり、(a)は、加熱加圧前のラップ部の状態を示す図であり、(b)は、加熱加圧後のラップ部の状態を示す図である。 成形用中空部材の変形例の図1相当図である。 成形用中空部材の耐収縮性を示すグラフ図である。 成形用中空部材を示す図であり、(a)は、概略横断面図であり、(b)は、概略斜視図である。
符号の説明
1 成形用中空部材
3 シリコーンゴム製中空体
5 織布
31 中子
33 ゴムシート
43 織布入りゴムシート

Claims (4)

  1. 織布が埋設されたシリコーンゴム製中空体を備え、繊維強化プラスチック製中空成形品を加熱・加圧成形するのに用いられる成形用中空部材の製造方法であって、
    シリコーンゴム製の2枚のゴムシートの間に上記織布を挟むことにより、織布入りゴムシートを成形する工程と、
    上記織布入りゴムシートを中子に巻き付ける工程と、
    上記織布入りゴムシートを上記中子に巻き付けた状態で加熱加圧することにより、上記中空体を加硫成形する工程と、
    上記加硫成形された中空体から上記中子を抜き取る工程と、を含むことを特徴とする成形用中空部材の製造方法。
  2. 請求項1記載の成形用中空部材の製造方法において、
    上記巻き付け工程では、上記織布入りゴムシートをその巻き付け方向両端部同士が重なるように巻き付けることを特徴とする成形用中空部材の製造方法。
  3. 請求項2記載の成形用中空部材の製造方法において、
    上記織布入りゴムシートにおける一方のゴムシートの巻き付け方向一端部と、他方のゴムシートの巻き付け方向他端部とを除去することにより、上記織布を露出させる工程をさらに含み、
    上記巻き付け工程では、上記織布入りゴムシートをその巻き付け方向両端部の露出した織布同士が接して重なるように巻き付けることを特徴とする成形用中空部材の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の成形用中空部材の製造方法において、
    上記成形された中空体の断面形状が非真円形状又は多角形形状であることを特徴とする成形用中空部材の製造方法。
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