JP2544170B2 - 義肢ソケット製作用バッグ - Google Patents

義肢ソケット製作用バッグ

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JP2544170B2 JP1509388A JP1509388A JP2544170B2 JP 2544170 B2 JP2544170 B2 JP 2544170B2 JP 1509388 A JP1509388 A JP 1509388A JP 1509388 A JP1509388 A JP 1509388A JP 2544170 B2 JP2544170 B2 JP 2544170B2
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、義肢ソケットを製作する際に注型外殻とし
て使用するバッグに関するものである。
[従来の技術] 切断端部をソケットで覆い、自立歩行を可能とするい
わゆる吸着式義足のソケットは、体重を支持し義足自身
を吊持する重要な箇所であり、ソケット内面形状が適当
でなく体重荷重が断端の適切な部分で行なわれていなけ
れば歩行時に痛みを生じることとなるし、腰椎の前彎や
体幹の側屈などの異常歩行をきたす原因ともなり、その
製作には特に慎重さが要求されている。
このソケットの材質としては、通常はプラスチックが
使用されている。他にも木材や多孔質プラスチックがあ
るが、コストや製作技術等の問題により普及度は極めて
低い。
そしてプラスチックを用いるソケットの製作方法は通
常、 切断端部を採型し、石膏により陽性モデルを作製す
る。
この陽性モデルに、別途作製したソフトインサート
をかぶせ、更にストッキネットとPVAフイルム(又はPVC
フイルム)で覆う。
ソフトインサートとPVAフイルム(又はPVCフイル
ム)の間にプラスチックを注型し形を整えて硬化させ
る。
最外側のPVAフイルム(又はPVCフイルム)を除去
し、必要に応じてアフターキュアを行なう。
陽性モデルを除去する。
という順序で行なわれている。(勿論上記からまで
の工程は、非常に概略的なものであり、離型用のフイル
ムや薬剤を更に設けたり、補強用としてストッキネット
間にカーボン繊維を付加するなどの工程が適宜追加され
ている) またこの製作方法は、義足に限らず義手の場合であっ
ても概ね同様である。
[発明が解決しようとする課題] ところが、この場合に使用する最外側のフイルム(バ
ッグ)は、そのままでは離型性が悪く製品表面が平滑で
なくなり易いという欠点を有していた。更に、離型性が
悪いためにバッグは再度の使用に耐えられず、使い捨て
式のものとなっている。
一方本発明者は、通常のソケットが、ムレや皮膚呼吸
の阻害等様々な問題を提起している現状を憂慮し、従来
のソケット製作方法とほとんど変わりない方法で得られ
るものでありながら、そうした問題を解消する斯新なソ
ケットの製作方法を開発した。それは、プラスチック
(ポリエステル)と水を混合させた上でエマルジョン化
し、そのまま硬化させた後乾燥させて連続気泡体を得る
というもので、水を含んだプラスチックを撹拌するとい
う工程が加わるだけで、吸湿通気性に優れ、軽量で木質
感のある製品となる。
この方法を採用する場合、表面に細かな気泡孔が存在
するため、バッグにはより高度な離型性が要求される。
更に、水を含むものであるため、PVAバッグの如く水溶
性プラスチックは採用できない。
[課題を解決するための手段] そこで本発明者は、上記諸点に鑑み長年鋭意研究の結
果遂に本発明を成したものであり、その特徴とするとこ
ろは、断端部陽性モデルに被せる上下開口に大きさの差
のあるシームレスな筒状のものであって、シリコンラバ
ーをその材質として採用した点、及びさらにより好適な
ものとして伸縮性を有するシームレスな筒状繊維を該シ
リコンラバー内に封入した点にある。
ここで「義肢ソケット」とは、吸着式義肢に使用する
ソケットを指し、バッグを陽性モデルに被せその間隙に
樹脂を注型する方法によって得られるものであればどの
ようなものであっても本発明バッグが採用可能である。
なお勿論、義足用・義手用双方を含むものである。(上
下開口に大きさの差があるいわゆるメガホン形のもので
あり、義足と義手のソケットの外径の違いに充分対応が
できるので多種のバッグを必要としない) 「断端部陽性モデル」は、装用者の断端部を採型した
のち石膏等によって得られるモデルであるが、その製作
方法や材質その他に関しては本発明は何ら限定するもの
ではない。
「上下開口」及び「筒状」とあるバッグの形状につい
ての特徴は、従来のバッグと変わりないものであるが、
但し、従来は使い捨て式であったためにコストを低くす
る必要があり、そのためプラスチックシートを筒状に貼
着して得られていたのに比して、本発明の場合はシーム
レスな筒状体であるという違いがある。
「シリコンラバー」は、充分な弾性と強度を有するも
のであればどのような種類のものであっても良い。ま
た、本発明品の製造方法として本発明者は、石膏型を使
用するハンドレイアップ法を採用したが本発明はこれを
限定するものではなく、その他の方法、例えばディップ
モールディング法やスラッシュモールディング法等の方
法も採用し得るかと思われる。なおシリコンラバー単体
では機械的強度がやや劣ることもあるので、該シリコン
ラバー内にストッキネット等の伸縮性の高い繊維を封入
することも好適に行ない得るが、その場合の製造方法に
ついても本発明はそれを何ら限定するものではない。
[実施例] 以下図面に示す実施例に基づいて本発明を更に詳細に
説明する。
第1図は、本発明に係る義肢ソケット製作用バッグ1
の一例を示すものであり、図より明らかなように、義肢
ソケット製作用バッグ1は従来のバッグと同様上下に大
きさの異なる2個の開口(上部開口2及び下部開口3)
を有する筒状のものである。但し従来のバッグのように
継目は存在しておらず、完全にシームレスな構造であ
る。
また義肢ソケット製作用バッグ1は、その材質として
シリコンラバー4を使用しており、かつ本例の場合その
内部に婦人用ナイロンストッキングの上下を切り取って
得られる伸縮性に優れた筒状繊維5を封入して機械的強
度を高いものとしている。但し、この筒状繊維5は本発
明に不可欠なものではなくこれを使用しなくとも良い。
本発明のバッグの使用方法自体は、従来とさして大差
ないものであるため説明はしないが、そのうち従来のバ
ッグでは離型性が悪いために行なっていた、蒸しタオル
等で濡らしたり、離型剤を塗布や噴霧したりする、等々
の工程は省略可能であり、作業性も向上する。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように本発明に係る義肢ソケット
製作用バッグは、断端部陽性モデルに被せる上下開口に
大きさの差のあるシームレスな筒状のものであって、シ
リコンラバーをその材質とするものであり、以下述べる
如き種々の利点を有する極めて有用な発明である。
シリコンラバーを使用しているので、離型性が非常
に良好であり製品(ソケット)の表面を平滑美麗なもの
とし得る。
シームレスなものであるので、製品(ソケット)の
表面に継目跡が出ない。
シリコンラバーを使用しているので、PVA製バッグ
のように水に融けることはなくソケット材料をエマルジ
ョンタイプのものとした場合であっても採用し得る。
耐熱性、耐酸化性、耐薬品性、離型性に優れている
ので、繰り返し使用することができる。
筒状繊維をシリコンラバーの内部に封入すれば機械
的強度も向上し、更に好適なバッグとなる。
離型性を向上させるためのテクニックを必要としな
いので、ソケット製作に要する熟練度が軽減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る義肢ソケット製作用バッグの実施
例の一つを示す斜視図である。 1……義肢ソケット製作用バッグ 2……上部開口、3……下部開口 4……シリコンラバー、5……筒状繊維

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断端部陽性モデルに被せる上下開口(2、
    3)に大きさの差のあるシームレスな筒状のものであっ
    て、シリコンラバーをその材質とすることを特徴とする
    義肢ソケット製作用バッグ
  2. 【請求項2】伸縮性を有するシームレスな筒状繊維
    (5)がシリコンラバー(4)内に封入されてなる請求
    項1記載の義肢ソケット製作用バッグ
JP1509388A 1988-01-26 1988-01-26 義肢ソケット製作用バッグ Expired - Fee Related JP2544170B2 (ja)

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