JP5834318B2 - 繊維補強ゴム部材 - Google Patents

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この発明は繊維補強ゴム部材に関し、上下水道、水路、水処理施設、海洋護岸、トンネル、共同溝などの構造体の止水や地震時などの変位、温度変化による伸縮の許容のために用いる可撓性継手などの構成材料となる繊維補強されたゴム部材の強度の確保と可撓性とを両立できるようにしたものである。
構造体の継手部分の止水や変位などの許容のためゴムや合成ゴムによる可撓性継手が用いられており、押出ゴム部材を繊維補強した繊維補強ゴム部材が用いられている。
大型の構造物に対応する場合には、長尺の繊維補強ゴム部材が必要とされ、例えば未加硫の押出ゴム部材にゴムを被覆した一定幅の平織りあるいはスダレ織りの補強繊維層を貼り付けて加硫することが行われている。
また、特許文献1には、タイヤの構成材料となるゴム状弾性シート材料の製造方法として回転駆動させた拡縮可能な成形用ドラム上に、金属コードまたは繊維コードにゴム状弾性材料を被覆したインシュレーションコードを相互に密着させながら螺旋状に巻き付けて所定の長さの筒状体を成形し、この成形用ドラム上の筒状体の端末部にカッターを所定の角度で押し付けて成形用ドラムを回転させるとともにカッターをドラム軸方向に移動させて所定幅に切断することで、平行四辺形状の補強されたシート材料を得ることが開示されている。
さらに、シート状ではないがゴム製筒体を補強する方法として特許文献2には、マンドレルの周りに内面未加硫ゴムを巻き付け、その外側に補強コードを巻き付けつつ中心軸方向に往復させ、かつ一往復ごとに周方向に所定のピッチだけずらしながら複数回往復させることで補強コードを中心軸に対して傾斜させつつ周方向に配列し、補強コードを巻き付ける際に押し付けロールで位置決めしつつ内面未加硫ゴムに押し付けて補強コード層を形成し、その外側に外面未加硫ゴムを配置して内面未加硫ゴムおよび外面未加硫ゴムを加硫成形することが開示されている。
特開2002−28988号公報 特開2008−82447号公報
押出成形された押出ゴム部材に平織りあるいはスダレ織りの補強繊維層を貼り付けて加硫する場合には、可撓性継手の伸縮部のような湾曲部に対して補強繊維層を貼り付けることが困難であったり、加硫時に不同収縮やシワなどが生じてしまうという問題があるとともに、補強繊維層のコードが側方端面に露出し耐水性が劣ったり、剛性が上がり過ぎ可撓性が確保できないなどの問題もある。
また、特許文献1に開示されたタイヤの構成材料となるゴム状弾性シート材料の製造方法では、長尺の繊維補強ゴム部材を製造しようとすると、成形用ドラムを大径かつ長尺にする必要があり、製造設備が大型化するなど簡単に対応することができないという問題がある。
さらに、特許文献2に開示されたゴム製筒体の製造方法では、筒状体への適用は簡単にできるものの、長尺のゴム部材にそのまま適用するとゴム部材の表裏両面を補強することになるなど、簡単に適用することができないという問題がある。
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、長尺かつ湾曲部があっても繊維による補強と必要な可撓性を確保することができるとともに、製造も容易な繊維補強ゴム部材を提供しようとするものである。
上記従来技術の課題を解決するこの発明の請求項1記載の繊維補強ゴム部材は、平板状のゴム基板と、このゴム基板の長手方向と角度をなして単条コード複数本両側端部で折り返されて交差する2方向に埋設された補強コード層とからなり、前記平板状のゴム基板は、補強用短繊維が配合され、加硫されて構成されてなることを特徴とする。
この発明の請求項2記載の繊維補強ゴム部材は、請求項1記載の構成に加え、前記単条コードは、未加硫ゴム、接着剤、ゴム糊のいずれかもしくは複合して被覆されて構成されてなることを特徴とする。
この発明の請求項3記載の繊維補強ゴム部材は、請求項1記載の構成に加え、前記補強コード層は、未加硫ゴムで被覆されて構成されてなることを特徴とする。
この発明の請求項記載の繊維補強ゴム部材は、請求項1〜のいずれかに記載の構成に加え、前記平板状のゴム基板には、幅方向に少なくとも1箇所の膨出部が形成されて構成されてなることを特徴とする。
この発明の請求項記載の繊維補強ゴム部材は、請求項1〜のいずれかに記載の構成に加え、前記補強コード層の両側端部の折返し部の前記平板状のゴム基板厚肉に構成されてなることを特徴とする。
この発明の請求項記載の繊維補強ゴム部材は、請求項1〜のいずれかに記載の構成に加え、前記繊維補強ゴム部材の両側端部にボルト穴形成されて構成されてなることを特徴とする。
こで、この出願での「ゴム基板」とは、未加硫ゴム基板やさらに加硫することが可能な半加硫ゴム基板を含むものである。
また、この出願での「加硫」とは、通常の加温による加硫、例えば缶加硫のほか、加硫剤と加硫促進剤により常温で加硫する自然加硫を含むものである。
この発明の請求項1記載の繊維補強ゴム部材によれば、平板状のゴム基板と、このゴム基板の長手方向と角度をなして単条コード複数本両側端部で折り返されて交差する2方向に埋設された補強コード層とからなり、前記平板状のゴム基板は、補強用短繊維が配合され、加硫されて構成されてなるので、ゴム基板上に両側端部で折り返して交差する2方向の補強コード層が埋設されて加硫されていることで、平板の側方端面に単条コードが露出しない長尺の繊維補強ゴム部材とすることができる。また、平板状の未加硫や半加硫のゴム基板に補強コード層を埋設することで、しわなどの発生を防止することができるとともに、補強コードの埋設後に湾曲部など形状成形することで、湾曲部などがあっても均一に補強コード層を埋設することができる。これにより、交差する2方向の補強コード層で補強強度を確保できるとともに、バイアス補強により可撓性の確保もでき、伸縮部を備える可撓性継手などを効率的に製造することが可能となる。
また、前記平板状のゴム基板は、補強用短繊維が配合されているので、ゴム基板自体を短繊維で補強することで、繊維補強ゴム部材の耐圧強度を一層高めることが可能となる。
この発明の請求項2記載の繊維補強ゴム部材によれば、前記単条コードは、未加硫ゴム、接着剤、ゴム糊のいずれかもしくは複合して被覆されて構成されているので、被覆した単条コードの粘着力で一層確実にゴム基板に配向して埋設することができ、補強強度を向上することができる。
この発明の請求項3記載の繊維補強ゴム部材は、前記補強コード層は、未加硫ゴムで被覆されて構成されているので、未加硫ゴムの被覆で補強コード層の全面を覆うことで、加硫によってゴム基板と確実に一体化することができ、被覆された補強コード層で補強強度を確実に向上することができる。
この発明の請求項記載の繊維補強ゴム部材によれば、前記平板状のゴム基板には、幅方向に少なくとも1箇所の膨出部が形成されて構成されてるので、ゴム基板に膨出部を形成しておくことで、膨出部を備えた繊維補強ゴム部材を用いて伸縮部を備えた可撓性継手を容易に製造することができる。
この発明の請求項記載の繊維補強ゴム部材によれば、前記補強コード層の両側端部の折返し部の前記平板状のゴム基板厚肉に構成されてなるので、折り返し部によって重なる補強コード層を利用してゴム基板の両側端部を厚肉にすることが容易となり、この両側端部の補強された厚肉部分を可撓性継手の取付固定部とすることで、構造上抜け難くなり、可撓性継手の機能の向上を図ることができる。
この発明の請求項記載の繊維補強ゴム部材によれば、前記繊維補強ゴム部材の両側端部にボルト穴形成されて構成されてなるので、交差する補強コード層が埋設されている部分にボルト穴が形成されることで、補強用の単条コードがボルト穴で切断されても折り返されて連続した状態を確保でき、側端部で抜け易くなることを防止することができる。
この発明の繊維補強ゴム部材の一実施の形態にかかり、ゴム基板と補強コード層の配向状態を模式的に示す概略説明図およびこれを用いた可撓性継手の概略断面図である。 この発明の繊維補強ゴム部材の一実施の形態にかかり、ボルト穴を形成した場合の補強コード層の状態を模式的に示す概略説明図および従来例と比較した補強コードの側端部の状態の概略説明図である。 この発明の繊維補強ゴム部材の一実施の形態にかかり、単条コードを被覆するコードトッピングダイスの正面図、側面図およびA−A断面図である。 この発明の繊維補強ゴム部材の一実施の形態にかかり、これを用いた可撓性継手を模式的に示す概略説明図および概略断面図である。 この発明の繊維補強ゴム部材の他の一実施の形態にかかり、ゴム基板と補強コード層の配向状態を模式的に示す概略説明図およびこれを用いた可撓性継手の概略断面図である。 この発明の繊維補強ゴム部材のさらに他の一実施の形態にかかり、ゴム基板と補強コード層の配向状態を模式的に示す概略説明図およびこれを用いた可撓性継手の概略断面図である。 この発明の繊維補強ゴム部材の製造方法の一実施の形態にかかり、それぞれゴム基板と補強コード層を配向する案内ノズルの配置を模式的に示す概略説明図である。
以下、この発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
この発明の繊維補強ゴム部材10は、図1に示すように、平板状のゴム基板11と、このゴム基板11の長手方向と角度をなして単条コード12を複数本両側端部11aで折り返して交差する2方向に埋設された補強コード層13とからなり、ゴム基板11に補強コード層13を埋設して加硫、例えば缶加硫されて構成されるものであり、例えば図1(b)に横断面形状を示すように、平板状のゴム基板11の幅方向に湾曲した伸縮部14を一ないし複数箇所設けた可撓性継手15などの構成材料として利用されるもので、交差する2方向の補強コード層13で強度向上を確保できるとともに、バイアス補強により可撓性の確保もできるものとなる。
この繊維補強ゴム部材10での平板状のゴム基板11は補強コード層13を埋設したのちに加硫することから、未加硫ゴムやさらに加硫することが可能な半加硫ゴムで構成される。
また、未加硫や半加硫のゴム基板の加硫は、通常の加温する加硫、例えば缶加硫を行う場合に限らず、加硫剤と加硫促進剤を入れることにより常温で行う自然加硫も含むものである。
なお、加硫方法の選択や温度設定などの加硫条件は、材料組成や製品として必要な強度などで適宜決定すれば良く、特に、管継手、例えば可撓性継手など、強度を必要とされる場合には、缶加硫を用いることが望ましい。
この繊維補強ゴム部材10では、平板状の未加硫または半加硫のゴム基板11はゴムや合成ゴムで押し出し成形されて長尺の平板状とされる。
そして、この平板状の未加硫または半加硫のゴム基板11上に補強コード層13が埋設される。この補強コード層13は、1本のコードである単条コード12を一定ピッチで複数配列し、配列された単条コード12を未加硫または半加硫のゴム基板11の長手方向に対して角度をなして未加硫または半加硫のゴム基板11の両側端部11a,11aで折り返すことで交差する2方向に埋設されて構成され、いわゆるバイアス状態で表層に埋設されて補強されている。
補強コード層13を構成する単条コード12としては、例えばナイロンコード、ポリエステルコード、スチールコード、アラミッドコード、ビニロンコード、カーボンコード、その他各種材料の繊維によるコードなどが用いられる。
そして、繊維補強ゴム部材10の製造に際しては、図7に示すように、単条コード12が一定ピッチで複数配列された案内ノズル16を介して、一定速度で長手方向に移動される平板状の未加硫または半加硫のゴム基板11上に繰り出される。
そして、配列された単条コード12を図示しない圧着ロールによって表層近くに押し付けることで埋設(内包)したり、図示しない形状形成ロールによって未加硫または半加硫のゴム基板11への形状形成、例えば可撓性継手15の湾曲した伸縮部14,14などの形成と同時にその表層近くに配列された単条コード12を押し付けるようにして埋設(内包)された状態とする。
このような未加硫または半加硫のゴム基板11上に両側端部11a,11aで折り返して交差する2方向の補強コード層13がバイアス状態で埋設され、加硫、例えば缶加硫されて基本的な平板状などの繊維補強ゴム部材10が構成される。
これにより、繊維補強ゴム部材10の平板の側方端面では補強コード層13の単条コード12が折り返して連続することで、単条コード12が側方端面に露出しない状態で長尺とすることができる。
また、平板状の未加硫または半加硫のゴム基板に補強コード層13を埋設し、補強コードの埋設後あるいは埋設と同時に形状成形することで、伸縮部14となる湾曲部などがあってもしわなどの発生を防止して補強コード層13を形成することができる。
さらに、交差する2方向の補強コード層13で補強強度を確保できるとともに、バイアス補強により可撓性の確保もでき、この繊維補強ゴム部材10を用いることで、伸縮部14,14を備える可撓性継手15などを効率的に製造することが可能となる。
また、この繊維補強ゴム部材10によれば、図2に示すように、繊維補強ゴム部材10の両側端部11aにボルト穴17を形成した場合に、交差する補強コード層13がバイアス状態で埋設されている部分にボルト穴17が形成されることになり、補強コード層13の単条コード12がボルト穴17部分で切断されても折り返して連続する状態で配向されているので、従来例のように側端部11aで抜け易くなることがなく、ボルト穴17の周囲の補強強度を確保することができる。
次に、このような繊維補強ゴム部材10の基本構成に加えることで一層の機能の向上を図るための種々の構成について説明する。
繊維補強ゴム部材10の補強コード層13を構成する単条コード12として、未加硫ゴム、接着剤、ゴム糊のいずれかで、もしくは複合したものを用いることが好ましく、その粘着力などで一層確実にゴム基板11の表層に貼り付けるように配列して埋設することができ、補強強度を向上することができる。特に、未加硫ゴムを用いて単条コード11を案内ノズル16を介して供給する場合に、図3に示すように、コードトッピング用ダイス18を用い、ダイス18内に張力を与えた状態で単条コード12を通過させ、その間に押出機19から未加硫ゴム20を押し出して被覆して送り出すようにすることで、未加硫または半加硫のゴム基板11との粘着力によって連続的かつ滑らかに交差する2方向に配向することができ、両側端部11a,11aでの折り返しもスムーズに行うことができる。
また、このような単条コード12を未加硫ゴム20などで被覆した補強コード層13を用いる場合に、未加硫または半加硫のゴム基板11を加温した状態とすることで、一層粘着力を高めることができ、確実に補強コード層13を配列することができる。
さらに、繊維補強ゴム部材10の補強コード層13の全面を、未加硫ゴム21で被覆することが好ましく、図4に示すように、補強コード層13の全面を被覆した未加硫ゴム21を未加硫または半加硫のゴム基板11とともに加硫、例えば缶加硫することで、確実に補強コード層13と未加硫または半加硫のゴム基板11とを一体化することができ、補強強度を確実に向上することができるとともに、補強コード層13が未加硫ゴム21とともに加硫した埋設状態を確保することができる。
また、繊維補強ゴム部材の平板状の未加硫または半加硫のゴム基板11自体の強度の確保が必要な場合には、押し出される未加硫または半加硫のゴム基板11に補強用短繊維22を配合するようにすれば良く、未加硫または半加硫のゴム基板11に配合する補強短繊維22は、図5に示すように、未加硫または半加硫のゴム基板11の長手方向に沿って配向するようにしたり、図6に示すように、未加硫または半加硫のゴム基板11の長手方向と直交する幅方向に配向する場合のいずれでも良く、補強すべき方向や可撓性に必要な方向により定めれば良い。
未加硫または半加硫のゴム基板11の長手方向に沿うように補強短繊維22を配向する繊維補強ゴム部材10Aの場合には、例えば押出成形の際に押出機にゴム材料とともに混合してダイスから押し出すことなどで対応でき、未加硫または半加硫のゴム基板の幅方向に補強短繊維を配向する繊維補強ゴム部材10Bの場合には、例えばゴム材料とともに混合した短繊維を単純な長方形の小さなダイスから押出してリボン状とし、リボン状のものを押出方向と略直交するように扇形ないし直線状に往復させることで長尺な平板状とすることで対応することができる。
このようなゴム基板11自体を短繊維22で補強することで、繊維補強ゴム部材10A,10Bの耐圧強度を一層高めることが可能となるとともに、強度と可撓性に方向性を付与することもできる。
次に、このような各繊維補強ゴム部材10,10A,10Bを用いて可撓性継手15を構成する場合には、平板状の未加硫または半加硫のゴム基板11を成形ダイスで押し出した後、補強コード層13を折り返すようにして交差する2方向に埋設し、次いで、幅方向に少なくとも1箇所、例えば図示例のように、幅方向に2箇所の膨出部14,14を形成するため成形ローラを組み合わせて成形し、加硫、例えば缶加硫することで、膨出部14,14を伸縮部にでき、2箇所の伸縮部を備えた可撓性継手15を容易に製造することができる。
このような可撓性継手15では、補強コード層13の両側端部11a,11aの折返し部が平板状の未加硫または半加硫のゴム基板11上に交差して重なることで、必然的に補強コード層13自体が厚くなることを利用し、押出成形の成形ダイスにより未加硫または半加硫のゴム基板11の両端部11a、11aをそれぞれ厚肉にすることを組み合わせて構成することで、可撓性継手15の取付固定部23,23として抜け難い構造とすることが容易となり、可撓性継手15の機能を向上することができる。
また、このような繊維補強ゴム部材10,10A,10Bを用いた可撓性継手15によれば、きわめて単純な平板での補強コード成形により、止水材として最も重要な伸縮部14であるアーチ部補強と取付固定部23としての端部シート面補強とを、連続した切断しない単条コード12による補強コード層13で全面補強をすることが可能となった。さらに、補強コード層13がバイアス状態に配列されて平板状のゴム基板11を補強しているので、可撓性継手(止水材)15としての伸縮やねじれ変位に対して抵抗が少なく、バイアスタイヤや空気バネあるいはホースと同様に、X―Y―Zの3方向への変位追随性と低応力そして変位耐久性を有するものとなる。
また、短繊維21を配向した繊維補強ゴム部材10A,10Bを用いた可撓性継手15では、短繊維21を長手方向に配向し、長手直角方向を主眼にして補強コード層13のバイア角度を直交方向に傾けた繊維補強ゴム部材10Aや、逆に短繊維22を長手直交方向に配向し、補強コード層13のバイアス角度を長手方向に傾けた繊維補強ゴム部材10Bを用いることで、効率的に各可撓性継手(止水材)15を補強することができる。すなわち、短繊維22によるゴム基板11の補強と補強コード層13による補強とを組み合わせることで、補強強度に方向性を持たせて補強できるとともに、可撓性についても方向性を付与することができ、可撓性継手(止水材)15の使用状態に対応した性能とすることができることになる。
に、繊維補強ゴム部材の製造方法について、図7を参照して詳細に説明する。
の繊維補強ゴム部材の製造方法は、連続的に押し出される平板状の未加硫または半加硫のゴム基板11に、単条コード12を複数本押し出し方向と角度をなして往復移動させ、両側端部で折り返しながら交差する2方向に補強コード層を埋設した後、加硫、例えば缶加硫するようにしている。
この繊維補強ゴム部材の製造方法では、繊維補強ゴム部材として平板状に押出し成形ダイス24から連続的に未加硫または半加硫のゴム基板を押し出して一定速度で長手方向に連続的に移動させ、この未加硫または半加硫のゴム基板11に対して補強用の単条コード12を1本ごとに供給する案内ノズル16を複数本配列し、配列した案内ノズル16が未加硫または半加硫のゴム基板11の長手方向に直交するよう(左右方向)に、制御された速度で同時に往復移動する。そして、この往復移動を繰り返すことで未加硫または半加硫のゴム基板11の表面に未加硫または半加硫のゴム基板11の移動速度と案内ノズル16の往復移動速度によって定まるバイアス角度で交差した2方向の補強コード層(13:図示省略)を形成する。
このような補強用の単条コード12を供給する案内ノズル16は、未加硫または半加硫のゴム基板11の長手方向の移動に対して複数本を長手方向に直交するように配列したり(図7(a)参照)、長手方向と平行に配列する(図7(b)参照)ほか、これらの間の角度に配列した状態(図7(c)参照)で往復移動するようにすれば良く、案内ノズル16の配列方向は設置スペースなどを考慮して適宜決定すれば良い。
そして、未加硫または半加硫のゴム基板上に往復移動することで交差する2方向に供給された補強コード層は、圧着ロールによって表層近くに押し付けることで埋設(内包)したり、形状形成ロールによって未加硫または半加硫のゴム基板への形状形成、例えば可撓性継手の湾曲した伸縮部などの形成と同時にその表層近くに配列された単条コードを押し付けるようにして補強コード層が埋設(内包)された状態となる。
こうして圧着ロールや形状成形ロールで補強コード層を平板状の未加硫または半加硫のゴム基板に埋設した状態として形状成形することで、湾曲部に対しても補強コード層をしわなどの発生を防止して埋設することができ、均一な補強コード層を形成することができる。
また、案内ノズルから押し出して供給される単条コードに対して未加硫ゴムや接着剤あるいはゴム糊のいずれかもしくは複合して被覆しておくことで、未加硫または半加硫のゴム基板に確実に配向することができ、均一に補強することが容易となる。このとき、未加硫または半加硫のゴム基板を加温状態とすることで、その表面の粘着性を高めることができ、表面への埋設を一層確実に行うことができる。
さらに、未加硫または半加硫のゴム基板上に補強コード層を交差する2方向に配列して埋設状態とした後、押出成形ダイスから未加硫ゴムを押し出して全面を被覆することで、補強コード層をゴム層内に確実に埋設した状態とすることができ、次工程での加硫、例えば缶加硫により確実に一体化することができる。
このような繊維補強ゴム部材の製造方法によれば、平板状のゴム基板に対しても2方向に交差する補強コード層を簡単に埋設することができ、これを加硫、例えば缶加硫することで、平板状の繊維補強ゴム部材を簡単に製造することができる。これにより、交差する2方向の補強コード層で補強強度を確保できるとともに、バイアス補強により可撓性の確保もでき、加硫前の形状成形により伸縮部を備える可撓性継手などを効率的に製造することが可能となる。
また、この繊維補強ゴム部材の製造方法によれば、単条コードを、未加硫ゴム、接着剤、ゴム糊のいずれかもしくは複合して被覆して、補強コード層とするようにしたので、被覆による粘着力によって一層確実にゴム基板に配向し埋設することができ、均一に補強して補強強度を向上することができる。
さらに、この繊維補強ゴム部材の製造方法によれば、補強コード層の全面を、未加硫ゴムで被覆した後、加硫、例えば缶加硫するようにしたので、確実に補強コード層をゴム層内に埋設して一体化することができ、一層確実に補強強度を確保することができる。
また、この繊維補強ゴム部材の製造方法によれば、平板状の未加硫または半加硫のゴム基板に補強用短繊維を長手方向または長手直交方向に配向させて連続的に押し出すようにしたので、ゴム基板自体を補強することができるとともに、その配向方向によって繊維補強ゴム部材の補強強度に方向性を付与することができる。
さらに、この繊維補強ゴム部材の製造方法によれば、平板状の未加硫または半加硫のゴム基板の押し出し速度に対し、単条のコードを左右に往復移動させる案内ノズルの移動速度を制御することで、補強コード層の配向方向や密度などを簡単に制御することができ、必要な補強強度や可撓性を調整することができる。
なお、繊維補強ゴム部材の用途は、図示例の可撓性継手とする場合に限らず、他の横断面形状の可撓性継手とする場合のほか、補強強度と可撓性とを必要とする種々の製品への適用もできる。
また、上記実施の形態では、可撓性継手について加硫、例えば缶加硫を行う場合を例に説明したが、缶加硫に限らず、自然加硫を用いることもでき、加硫条件も材料組成や製品として必要な強度などで適宜決定すれば良い。
10 繊維補強ゴム部材
10A 繊維補強ゴム部材(長手方向短繊維補強)
10B 繊維補強ゴム部材(長手直交方向短繊維補強)
11 ゴム基板
11a 側端部
12 単条コード
13 補強コード層
14 伸縮部(湾曲部、膨出部)
15 可撓性継手
16 案内ノズル
17 ボルト穴
18 コード用トッピングダイス
19 押出機
20 単条コード用の未加硫ゴム被覆
21 補強コード層用の未加硫ゴム被覆
22 補強短繊維
23 取付固定部
24 成形ダイス

Claims (6)

  1. 平板状のゴム基板と、このゴム基板の長手方向と角度をなして単条コード複数本両側端部で折り返されて交差する2方向に埋設された補強コード層とからなり、
    前記平板状のゴム基板は、補強用短繊維が配合され、加硫されて構成されてなることを特徴とする繊維補強ゴム部材。
  2. 前記単条コードは、未加硫ゴム、接着剤、ゴム糊のいずれかもしくは複合して被覆されて構成されてなることを特徴とする請求項1記載の繊維補強ゴム部材。
  3. 前記補強コード層は、未加硫ゴムで被覆されて構成されてなることを特徴とする請求項1記載の繊維補強ゴム部材。
  4. 前記平板状のゴム基板には、幅方向に少なくとも1箇所の膨出部が形成されて構成されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の繊維補強ゴム部材。
  5. 前記補強コード層の両側端部の折返し部の前記平板状のゴム基板厚肉に構成されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の繊維補強ゴム部材。
  6. 前記繊維補強ゴム部材の両側端部にボルト穴形成されて構成されてなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の繊維補強ゴム部材。
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