JP4799375B2 - 多心用光コネクタ - Google Patents
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この光コネクタ51は、コネクタハウジング52内に、光ファイバの先端部を挿通固定し成端した光フェルール53、及び、この光フェルール53を前方に付勢するコイルスプリング54を収容し、前記コネクタハウジング52の後端側にスプリング押し55を取り付けて、このスプリング押し55で前記コイルスプリング54の反力を受けるようにし、コネクタハウジング52の外周に、コネクタ接続部材であるアダプタ50に対する着脱のためのカップリング56をカップリング用スプリング57とともに装着し、前記スプリング押し55の後部に光ファイバコード(図示例では光ファイバテープ)58のコネクタ口部近傍を保護するゴムブーツ59を取り付けた基本構造を持つ(特許文献1)。58aは光ファイバコード58の被覆を除去した光ファイバ素線部分(複数本の光ファイバ素線が密着してテープ状をなしている部分(素線部と呼ぶ))、58bは光ファイバコード58の被覆部(コード部)を示す。各光ファイバ素線は、裸ファイバに一次被覆を施したもので、例えば外径が0.25mmである。
この光コネクタ51を図11に示すアダプタ50に嵌入すると、このアダプタ50に反対側から嵌入した相手側光コネクタ(不図示)と光フェルール53どうしが突き合わされて、光ファイバどうしが光接続される。
その結果、光フェルール53の成端作業時に、素線部58aに被せたスプリング押し55が作業の障害になるという問題があった。なお、スプリング54も同様に作業上の障害にはなるが、伸縮、屈曲自在であるため、スプリング押し55のような障害にはならない。ここで、光フェルールの成端作業とは、光ファイバの先端に光フェルールを取り付けその端面を研磨する作業を指している。
前記スプリング押しは、前端側を前記スプリング受け部とした基部と、光コネクタ幅方向両側から前方側に延出する1対のアーム部と、前記基部の後方に配置され外周にブーツを取り付け可能なブーツ取付部とを備え、
前記基部と前記ブーツ取付部の内部を、前記光ファイバ挿通用貫通穴とし、前記基部の光ファイバ挿通用貫通穴のテープコード厚み方向の内径は光ファイバテープコードの被覆部の厚みより小さく、
前記1対のアーム部のそれぞれの先端部の外側面と前記コネクタハウジングとに互いに係合する係合構造を形成し、この係合構造は、前記アーム部の先端部の外面に形成した係合爪が前記コネクタハウジング側に形成した係合穴に係合する係合構造であり、
前記スプリング押しを、前記基部および前記ブーツ取付部の光コネクタ幅方向中央付近で分割することで得られる2つの半体で構成し、組み合わせた時に前記光ファイバ挿通用貫通穴及びスプリング受け部を形成するようにし、
前記多心用光フェルールの後端部に、相手側多心用光フェルールと突き合わせ接続する際の位置決め用のガイドピンを保持するピンクランプが取り付けられ、
前記1対のアーム部のそれぞれの先端部に、前方に面した平坦面と、その中央付近に前方に突出した突部とを形成し、前記アーム部における基部側の付け根から前記平坦面までの部分をコネクタ幅方向内側に厚い肉厚部として、その肉厚部の先端部に前記平坦面を形成し、
前記アーム部先端部の係合爪は、アーム部における前記突部のコネクタ幅方向外側に形成される肉薄部の外面に形成され、
突き合わせ接続に際して相手側多心用光フェルールによって前記多心用光フェルールが過度に押し込まれる場合に、前記1対のアーム部の両方の突部が前記ピンクランプの後端に当たることで前記多心用光フェルールの過度の後退を防ぐようにされたことを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2の多心用光コネクタにおいて、2つの半体のうちの一方の半体の接合面に係合突起、他方の半体の接合面に前記係合突起が嵌合する係合凹所を設けたことを特徴とする。
請求項4は、請求項1〜3のいずれか1項の多心用光コネクタにおいて、前記ブーツ取付部が、複数の周溝が形成されたタケノコジョイントタイプのブーツ取付部であることを特徴とする。
この光コネクタ1を図11に示したアダプタ50と同様なアダプタに嵌入すると、カップリング6が後退しコネクタハウジング2の係合凹所2cがアダプタ側の係合爪と係合してアダプタに装着され、このアダプタに反対側から嵌入した相手側光コネクタと光フェルール3どうしが突き合わされて、光ファイバどうしが光接続される。
23はピンクランプであり、光フェルール3の後端部に取り付けられて、相手側多心用光フェルールと突き合わせ接続する際の位置決め用のガイドピン24を保持している。
さらに、各半体15の基部片側部分20’の接合面20”における、半長円状凹所16’を挟む片側の面に2つの係合突起26、反対側の面に2つの係合穴27がそれぞれ形成されている。両半体15を互いに対向させて突き合わせた時、一方の半体15の係合突起26が他方の半体15の係合穴27に嵌入して、両半体15が結合し、互いに固定される。なお、接合面20”に接着剤を塗布してさらに堅固に固定するようにしてもよい。また、接合面20”を、係合突起26及び係合穴27等の構造的な接合手段を持たない単なる平坦面として、単に接着剤で接合してもよい。
すなわち、スプリング押し5は、光ファイバ挿通用貫通穴16の内径が光ファイバコード8の素線部8aを通す程度であり、被覆部(コード部)8bを通す余裕はないが、一方で、コード口出し長は規定されており素線部8aの長さが一定長さ以下となり充分な余長を確保できないので、従来のように素線部8aにスプリング押しを被せていた場合、これを光フェルール3の後端面から充分に引き離すことができず、近接した位置に存在することになる。その結果、光フェルール3の成端作業時に、素線部8aに通されているスプリング押しが作業の障害になる。
しかし、上記の光コネクタ1によれば、スプリング押し5が2分割されているので、上記の通り、光ファイバの先端に光フェルールを取り付けこれを成端した後に、光ファイバ(素線部8a)に被せることができる。したがって、光フェルールの成端作業の際には、作業に邪魔なスプリング押しがない状態で作業することができ、光フェルールの成端作業が容易になる。なお、スプリング4も同様に作業上の障害にはなるが、伸縮、屈曲自在であるため、スプリング押しのような大きな障害にはならない。
次いで、光フェルール3をコネクタハウジング2内の前方部に収容し、スプリング押し5の先端の係合爪18をコネクタハウジング2の係合穴2aに係合させるとともに基部20の両側の突出部20aをコネクタハウジング2の段差状拡径部2dに係合させると、スプリング押し5がコネクタハウジング2の後部に取り付けられる。次いで、ゴムブーツ9をスプリング押し5の後部のゴムブーツ取付部22に被せる。これにより光コネクタ1の組立が完了する。
組立られた上記の光コネクタ1を相手側の光コネクタと突き合わせ接続する際に、相手側光フェルールによって光コネクタ1の光フェルール3が過度に押し込まれる場合がある。前記1対のアーム部21の両方の突部26は、前記ピンクランプ23の後端に当たることで、光フェルール3が相手側光フェルールによって過度に押し込まれることを防ぐことができる。
2 コネクタハウジング
2a 係合穴
2b 段差状拡径部
2c 係合凹所
3 光フェルール
4 コイルスプリング
5 スプリング押し
6 カップリング
7 カップリング用スプリング
8 光ファイバ(光ファイバコード)
8a 素線部(光ファイバコードの光ファイバ素線部分)
8b 被覆部(光ファイバコードの被覆部分(コード部))
9 ゴムブーツ
15 半体
16 光ファイバ挿通用貫通穴
17 スプリング受け部
18 係合爪
20 基部
20a 突出部
20b 中央部
20” 接合面
21 アーム部
22 ゴムブーツ取付部
23 ピンクランプ
24 ガイドピン
25 平坦部
26 突部
28 (アーム部の)厚肉部
29 (アーム部の)薄肉部
Claims (4)
- コネクタハウジング内に光ファイバテープコードを対象とする多心用光フェルール及びこの多心用光フェルールを前方に付勢するコイルスプリングを収容し、前記コネクタハウジングの後端側に取り付けた、光ファイバテープコードの被覆部は挿通させずに被覆を除去したテープ状の光ファイバ素線部分のみを挿通させる光ファイバ挿通用貫通穴及びスプリング受け部を持つスプリング押しで、前記コイルスプリングの反力を受けるようにした多心用光コネクタにおいて、
前記スプリング押しは、前端側を前記スプリング受け部とした基部と、光コネクタ幅方向両側から前方側に延出する1対のアーム部と、前記基部の後方に配置され外周にブーツを取り付け可能なブーツ取付部とを備え、
前記基部と前記ブーツ取付部の内部を、前記光ファイバ挿通用貫通穴とし、前記基部の光ファイバ挿通用貫通穴のテープコード厚み方向の内径は光ファイバテープコードの被覆部の厚みより小さく、
前記1対のアーム部のそれぞれの先端部の外側面と前記コネクタハウジングとに互いに係合する係合構造を形成し、この係合構造は、前記アーム部の先端部の外面に形成した係合爪が前記コネクタハウジング側に形成した係合穴に係合する係合構造であり、
前記スプリング押しを、前記基部および前記ブーツ取付部の光コネクタ幅方向中央付近で分割することで得られる2つの半体で構成し、組み合わせた時に前記光ファイバ挿通用貫通穴及びスプリング受け部を形成するようにし、
前記多心用光フェルールの後端部に、相手側多心用光フェルールと突き合わせ接続する際の位置決め用のガイドピンを保持するピンクランプが取り付けられ、
前記1対のアーム部のそれぞれの先端部に、前方に面した平坦面と、その中央付近に前方に突出した突部とを形成し、前記アーム部における基部側の付け根から前記平坦面までの部分をコネクタ幅方向内側に厚い肉厚部として、その肉厚部の先端部に前記平坦面を形成し、
前記アーム部先端部の係合爪は、アーム部における前記突部のコネクタ幅方向外側に形成される肉薄部の外面に形成され、
突き合わせ接続に際して相手側多心用光フェルールによって前記多心用光フェルールが過度に押し込まれる場合に、前記1対のアーム部の両方の突部が前記ピンクランプの後端に当たることで前記多心用光フェルールの過度の後退を防ぐようにされたことを特徴とする多心用光コネクタ。 - 前記スプリング押しは、前記コネクタハウジングの段差状拡径部に係合する突出部を有することを特徴とする請求項1記載の多心用光コネクタ。
- 前記2つの半体のうちの一方の半体の接合面に係合突起、他方の半体の接合面に前記係合突起が嵌合する係合凹所を設けたことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の多心用光コネクタ。
- 前記ブーツ取付部が、複数の周溝が形成されたタケノコジョイントタイプのブーツ取付部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の多心用光コネクタ。
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