JP4798341B2 - 希土類磁石の焼結方法 - Google Patents

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Description

本発明は、希土類磁石の製造方法に関し、特に焼結工程における成形体の変形を抑制する方法に関するものである。
希土類磁石の1種として知られているR−Fe−B系焼結磁石は、種々の永久磁石の中で最も高い磁気エネルギー積を示し、価格も比較的安いため、各種電子機器へ積極的に採用されている。ここで、Rは希土類元素の1種又は2種以上、Bはホウ素である。
希土類磁石は、希土類合金を粉砕して得た合金粉末を磁界中で加圧成形することによって成形体を作製し、この成形体を焼結炉において所定温度に所定時間保持することによって作製されている。しかし、焼結炉内に成形体を暴露した状態で焼結すると、炉内の酸素や水蒸気などの不純物ガスと成形体とが接触する。例えば、R−Fe−B系焼結磁石に含まれるNdなどの希土類元素が酸化すると、磁石の特性は大きく劣化する。したがって、密閉型の焼結容器内に収納された状態で焼結が施されている。
特許文献1(特開平11−354362号公報)は、焼結容器について新規な提案を行っている。つまり、特許文献1は、焼結容器の外表面に、輻射率が高く、蒸気圧が低く標準生成自由エネルギーが小さく安定した酸化物、炭化物あるいは窒化物セラミックス材料をコーティングすることにより、焼結工程の短縮を図ることを可能としている。
また、特許文献2(特開2002−20803号公報)は、磁石用合金粉末を加圧成形して得られた成形体の収納を容易に行え、成形体の収納作業の自動化に適した焼結容器、この焼結容器を用いて希土類磁石を製造する方法、さらに成形体を上記の焼結容器内に自動的に収納する装置を提供する。
特開平11−354362号公報 特開2002−20803号公報
図8及び図9は、焼結容器10内に成形体Gを置いた状態を示す図で、図8はその平面図、図9は図8のB−B矢視断面図である。焼結容器10は、底床11aと底床11aから立設する側壁11bとを備えたトレー11と蓋12とから構成されている。なお、図8は蓋12を取り除いた状態を示している。成形体Gの断面形状によっては、成形体Gを図9に示すように縦置きにした状態で焼結を行う場合がある。なお、縦置きか否かは重心の位置によって判断することができる。同一物について、重心が相対的に高い状態で置かれている場合を縦置きといい、逆に重心が相対的に低い状態で置かれている場合を横置きということができる。成形体Gを縦置きにした状態で焼結を行うと、図9に示すように、焼結後に成形体(焼結体)Gの上端部が垂れる変形を起すことがあった。この変形は、焼結容器10の特定の部位に置かれた成形体Gに生じる。すなわち、図8に示すように、焼結容器10内に成形体Gを整列して置いているが、点線で囲まれている最外周に置かれた成形体Gに変形が生じるのである。そして、その変形の方向は焼結容器10の中心に向かっている。
変形の生じた成形体(焼結体)Gは、変形の程度が大きいと製品として扱うことができず、歩留まりを低下させる。また、変形の程度が小さい場合には表面を加工することにより製品として扱うことができるが、加工能力の低下や加工工数の増加によって製品コストを上昇させる。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、成形体の焼結工程中における変形を抑制することのできる希土類磁石の焼結方法を課題とする。
前述した特許文献1には、焼結容器10を用いることによって焼結容器10内に置かれた成形体Gを均一に加熱することができる旨開示している。しかし、金属製の焼結容器10は一般的に、焼結炉材からの熱輻射を吸収しやすく、焼結炉材に面した焼結容器10の側壁11bの温度が急上昇する。つまり、焼結工程中の昇温過程において、焼結容器10の最外周に置かれた成形体Gのしかも焼結容器10の側壁11bに対向する側面aが最も加熱温度が高くなる。このために、焼結容器10の側壁11b近傍に置かれた成形体Gは、特に焼結工程の初期に不均一に加熱され、焼結変形の原因になるものと解される。このため、特許文献1のように輻射率の大きい材料で焼結容器10をコーティングすると、焼結変形を助長することになる。
そこで、本発明者らは、焼結容器10の側壁11bからの輻射熱による焼結容器10の最外周に置かれた成形体Gの急速な加熱を防止するべく、熱遮蔽体を配置する。昇温過程において、熱遮蔽体は焼結容器10からの輻射熱を受けて焼結容器10内の他の部分よりも優先的に温度が高くなるが、そのおかげで最外周に置かれた成形体Gの温度が他の位置にある成形体Gに比べて著しく高くなることはない。つまり、焼結容器10内に置かれた成形体の温度差は是正され、その結果として、焼結容器10の最外周に置かれた成形体Gの変形を抑制することができる。ただし、熱遮蔽体として機能するためには、ある条件を具備する必要がある。この条件は、熱遮蔽体を構成する物質の熱伝導度λと、熱遮蔽体の厚さtにより以下の式(1)で特定される単位面積当たりの熱伝導値Ct(以下、単に熱伝導値Ctということがある)が3500W/℃以下というものである。
Ct=λ/t(W/℃)…(1)
(ただし、λ:熱遮蔽体を構成する材料の熱伝導度(W/m・℃)、t:熱遮蔽体の厚さ(m))
すなわち本発明は、底床及び底床から立設する側壁を有し、かつ上面に開口部を有する箱体と、箱体の開口部を閉じる蓋体からなる容器中に所定組成の合金粉末からなる成形体を、複数配列した状態で加熱保持する希土類磁石の焼結方法であって、成形体は、縦置きされた状態で焼結されるものであり、最外周に置かれた成形体の周囲に、容器とは別体であり、かつ、下記式(1)で示す熱伝導値Ctが3500W/℃以下の熱遮蔽体を配置するとともに、熱遮蔽体は、成形体の最大射影面に対向して平行な方向にのみ配置されることを特徴とする希土類磁石の焼結方法である。
Ct=λ/t(W/℃)…(1)
(ただし、λ:熱遮蔽体を構成する材料の熱伝導度(W/m・℃)、t:熱遮蔽体の厚さ(m))
遮蔽体としては、ステンレス鋼を用いることが好ましい。金属の中では熱伝導度が低く、熱遮蔽体としての効果を得やすいこと、ある程度耐熱性に優れていること、による
以上説明したように、本発明によれば、成形体を縦置きした場合に焼結工程で生じる変形を抑制することができる。
以下、本発明を適用したR−Fe−B系焼結磁石の製造方法について説明する。
R−Fe−B系焼結磁石は、通常、原料合金作製、原料合金の粉砕、粉砕された粉末の磁場中成形、成形体の焼結という基本的な工程を経て作製される。
原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属をArガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。
原料合金は粉砕工程に供される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径2.5〜6μm、好ましくは3〜5μmとする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
微粉砕前後又はその両方にて、有機物を構成要素とする潤滑剤を0.01〜0.5wt%程度添加することにより、次の磁場中成形時に配向性の高い微粉を得ることができる。また、微粉砕前に潤滑剤を添加した場合には、微粉砕工程において所望の粒径の微粉末を効率よく製造することができる。この潤滑剤としては、脂肪酸又は脂肪酸の誘導体、例えばステアリン酸系やオレイン酸系であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等を用いることができる。
以上のようにして得られた微粉末は磁場中成形に供される。この磁場中成形は、800〜1360kA/m(10〜17kOe)の磁場中で、50〜200MPa(0.5〜2ton/cm2)前後の圧力で行なえばよい。
以上で得られた成形体は、次いで焼結工程に供される。
焼結工程は、その昇温過程において潤滑剤除去の熱処理を行うことになる。つまり、焼結温度までの昇温過程において、所定温度に所定時間保持することにより潤滑剤を除去することができる。この所定温度は、200〜600℃とすることが望ましい。200℃未満では潤滑剤除去の効果を十分得ることができないためであり、一方、600℃を超えると効果が飽和するためである。ここで、200〜600℃の温度範囲に保持する、とは当該温度範囲の一定温度に成形体を保持する場合に限らず、所定時間だけ当該温度範囲のいずれかの温度に成形体が加熱されていればよい。
潤滑剤除去のための保持時間は、短いと潤滑剤除去の効果が不十分であり、一方保持時間が長すぎても潤滑剤除去の効果が飽和してしまう。したがって、加熱処理の保持時間は、0.5〜10時間とすることが望ましく、さらには1〜3時間とすることが望ましい。
潤滑剤除去のための加熱処理は、真空又は不活性ガス雰囲気にて行うことができる。不活性ガスとしては、Arガス、H2ガス、Heガスを用いることができる。
以上の潤滑剤除去処理が施された成形体は、焼結温度まで昇温される。焼結は、真空又は不活性ガス雰囲気中、望ましくは真空中で行われる。焼結条件は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1100℃の温度で1〜10時間程度保持すれば緻密な焼結体を得ることができる。
本発明は、この焼結工程で成形体を収容する容器(焼結容器)に特徴を有している。以下、この焼結容器について説明する。
図1は、焼結容器10を用いて焼結を行っている様子を示す図である。図1に示すように、焼結炉1には、例えば加熱ヒータ3が配設されており、この加熱ヒータ3により焼結容器10内に置かれた成形体を焼結温度まで加熱する。焼結容器10は、焼結炉1内に配設された架台4に載置された状態で焼結に供される。
図2は焼結容器10内に成形体(焼結体)Gを置いた状態を示す図、図3は図2のA−A矢視断面図である。
図2及び図3は各々図8及び図9に相当する図であり、図8及び図9と同一部分には同一の符号を付している。以下では図8及び図9との相違点を中心に説明する。
図2及び図3に示すように、本実施の形態においては、成形体Gとトレー11の側壁11bとの間に熱遮蔽体5を配設している。熱遮蔽体5は、成形体Gを取り囲むように配設してある。この熱遮蔽体5は、トレー11の側壁11bからの輻射熱を受けて加熱される。つまりこの熱遮蔽体5は、図8及び図9で示した従来の焼結法で最も加熱温度が高くなった最外周に置かれた成形体Gの代わりとなるものである。そのために熱遮蔽体5に取り囲まれた成形体Gの変形が抑制される。
熱遮蔽体5は上述のような機能を果たすものであれば、材質、サイズ等に何ら制限はない。もちろん、焼結雰囲気に曝されるものであるから、それに耐え得る耐熱性を備えている材料であることが必要である。例えば、ステンレス鋼、Mo等の金属材料を熱遮蔽体5として用いても、変形抑制の効果を得ることができる。また、セラミックス焼結体を熱遮蔽体5として用いることもできる。ただし、焼結過程で焼結に悪影響を与えるガス等を放出するものの使用は避けるべきである。
熱遮蔽体5は、図2及び図3に示すように成形体Gの周囲を取り囲むこともできる。但し、本発明では、図4に示すように、成形体Gの最大射影面F(太線で示している)に対向して平行(略平行な方向を含む)にのみ熱遮蔽体5を配置する。後述する実施例に示すように、最大射影面F(太線で示している)に対向して平行な方向に熱遮蔽体5を配置することが、成形体Gの曲げ抑制という本発明の効果を得る上で重要であるからである
また、熱遮蔽体5は、図4に示すように焼結容器10の内部に配置することができるが、図5に示すように焼結容器10の外部に配置することもできる。図6に示すように、成形体Gの最大射影面Fに対向する側壁11bの肉厚を本発明の熱伝導値の条件を満足するような肉厚とする形態も考えられるが、本発明における熱遮蔽体5は焼結容器10と別体とする。
本発明は、以上説明した熱遮蔽体5の単位面積当たりの熱伝導値Ctが3500W/℃以下であることを要求する。この熱伝導値Ctは、熱遮蔽体5の熱伝導度をλ、熱遮蔽体5の厚さをt、単位面積をS(=1)とすると、以下の式(1)で定義される。熱伝導値Ctは、熱遮蔽体5の厚さを考慮した熱伝導のし易さを示す尺度であり、この値が大きいほど焼結炉1の加熱による焼結容器10内の温度上昇が迅速になることを意味する。したがって、本発明ではこのCtをある値以下に規制するのである。
Ct=λ(W/m・℃)/t(m)×S(m2)=λ/t(W/℃)…(1)
発明において熱伝導値Ctは、2500(W/℃)以下であることが好ましく、2000(W/℃)以下であることがより好ましい。
本発明はR−Fe−B(Rは希土類元素の1種又は2種以上)で示される焼結磁石について適用することができる。
R−Fe−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、RはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−Fe−B系焼結磁石の主相となるR2Fe14B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが37wt%を超えると主相であるR2Fe14B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜37wt%とする。望ましいRの量は28〜35wt%である。
また、本発明が適用されるR−Fe−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
本発明が適用されるR−Fe−B系焼結磁石は、Coを5.0wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜3.0wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上などに効果がある。
本発明が適用されるR−Fe−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Al、Cu、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を8000ppm以下、さらには5000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
本発明は、以上のR−Fe−B系焼結磁石に限らず、Sm−Co系等の他の希土類焼結磁石に適用することができることはいうまでもない。
水素粉砕された原料合金に潤滑剤としてオレイン酸アミドを0.1wt%加え、ジェットミルを用いて粉砕した。なお、原料合金の組成は、31wt%Nd−0.2wt%Al−0.5wt%Co−0.07wt%Cu−1.0wt%B−残部Feである。粉砕粉を磁界中で配向成形し(磁界:1200kA/m、加圧力:150MPa)、幅40mm、長さ70mm、厚さ10mmの成形体を作製した。
得られた成形体9個を、表1に示す要領で焼結容器10に収容し、真空中で焼結を行った。なお、成形体Gは3列×3列に整列して焼結容器内10に収容した。また、焼結は、400℃まで80℃/分の速度で昇温し、その後1.5時間保持し、さらに1030℃まで80℃/分の速度で昇温して4時間保持するというパターンで行った。なお、潤滑剤を除去するために、400℃において1.5時間保持している。
得られた焼結体の幅方向と長さ方向を含む面の長さ方向40mmの長さにおいて中間部のふくらみを図7に示すように測定し、その値を変形量とした。9個の焼結体のうち変形が最大であったものの変形量を表1に示す。焼結容器10、熱遮蔽体5を構成する材料の熱伝導度λは、以下の値を採用した。
Mo=150W/m・℃
ステンレス鋼(SUS)=15.5W/m・℃
Fe=61.5W/m・℃
Figure 0004798341
熱遮蔽体5を設けない試料No.3は、0.87mmと実験した試料の中で最も変形量が大きかった。これに対して、試料No.1及び2のように、ステンレス鋼(表1中、SUS)からなる熱遮蔽体5を、成形体Gの最大射影面Fに対して平行な方向にのみ(表1中、平行)配置することにより、変形量を相当抑制できることがわかる。しかし、試料No.4に示すように、ステンレス鋼からなる熱遮蔽体5を、成形体Gの最大射影面Fに対して垂直な方向にのみ(表1中、垂直)配置しただけでは、変形量の抑制にはほとんど効果がないことがわかる。
試料No.5及び6に示すように、熱伝導度λの低いSUSにより焼結を作製し、かつその厚さを厚くすることにより、焼結容器10自体に熱遮蔽体5の機能を持たせることにより、成形体Gの変形を防止することができる。
試料No.7及び8に示すように、SUSからなる熱遮蔽体5の厚さを薄くすると、それに応じて成形体Gの変形抑制効果が少なくなる。熱遮蔽体5の厚さが2mmでは成形体Gの変形抑制効果が極めて少ない。
焼結炉中に焼結容器を配設した様子を示す図である。 本実施の形態における焼結容器中に成形体を置いた様子を示す平面図である。 本実施の形態における焼結容器中に成形体を置いた様子を示す断面図で、図2のA−A矢視断面図である。 本実施の形態における焼結容器中に成形体を置いた様子を示す平面図であり、熱遮蔽体を成形体の最大射影面に対向して平行に配置した例を示す図である。 本実施の形態における焼結容器中に成形体を置いた様子を示す平面図であり、熱遮蔽体を焼結容器外に配置した例を示す図である。 焼結容器に熱遮蔽体の機能を持たせた例を示す図である。 実施例における焼結体変形量の測定方法を示す図である。 焼結容器内に成形体を置いた状態を示す平面図である。 焼結容器内に成形体を置いた状態を示す図で、図8のB−B矢視断面図である。
符号の説明
5…熱遮蔽体、10…焼結容器、11…トレー、12…蓋、11a…底床、11b…側壁、G…成形体

Claims (2)

  1. 底床及び前記底床から立設する側壁を有し、かつ上面に開口部を有する箱体と、前記箱体の前記開口部を閉じる蓋体からなる容器中に所定組成の合金粉末からなる成形体を、複数配列した状態で加熱保持する希土類磁石の焼結方法であって、
    前記成形体は、縦置きされた状態で焼結されるものであり、
    最外周に置かれた前記成形体の周囲に、前記容器とは別体であり、かつ、下記式(1)で示す単位面積あたりの熱伝導値Ctが3500W/℃以下の熱遮蔽体を配置するとともに、前記熱遮蔽体は、前記成形体の最大射影面に対向して平行な方向にのみ配置されることを特徴とする希土類磁石の焼結方法。
    Ct=λ/t(W/℃)…(1)
    (ただし、λ:熱遮蔽体を構成する材料の熱伝導度(W/m・℃)、t:熱遮蔽体の厚さ(m))
  2. 前記熱遮蔽体は、ステンレス鋼で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の希土類磁石の焼結方法。
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