JP4798114B2 - オイル潤滑装置 - Google Patents

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本発明は車両に用いられるオイル潤滑装置に関する。
車両に搭載されたエンジンに用いられるオイル潤滑装置としては、オイルポンプと、オイルパンと、を備えるオイル潤滑装置が一般的に用いられる。このようなオイル潤滑装置においては、オイルパンに貯留されたオイル(潤滑油)は、オイルポンプによって吸い上げられて、被潤滑部に供給される。被潤滑部に供給されたオイルは、オイルパンによって回収された後に、再びオイルポンプによって吸い上げられる。
また、最近では、オイルパンの劣化オイルを交換するオイル交換装置を備えたオイル潤滑装置が開発されてきている。例えば、特許文献1では、ダイヤフラムにより新規潤滑油室と劣化潤滑油室とに区画されたオイルタンクを備えるオイル交換装置が開示されている。このオイル交換装置によれば、オイル交換装置の制御部は、オイルパンのオイルが劣化した場合には、オイルパンの劣化潤滑油をオイルタンクの劣化潤滑油室へ排出し、オイルタンクの新規潤滑油をオイルパンへ供給する。それにより、オイルパンの劣化オイルを交換することができる。
特開平5−171913号公報
近年、気筒内に燃料噴射弁から燃料を直接噴射する筒内噴射式内燃機関が開発されてきている。オイルポンプとオイルパンとを備えるオイル潤滑装置を筒内噴射式内燃機関に使用した場合、例えば、燃料噴射弁から噴射された燃料が気筒内の内壁面に付着することがある。この場合、特に冷間時にあっては、気筒内における燃料の気化が促進され難いために、気筒内の内壁面に付着した燃料は、ピストンが上下運動するのに伴ってオイルパン内に掻き落とされて、オイルパンの潤滑油(オイル)と混ざり合う。その結果、燃料によるオイルの希釈(以下、オイル希釈と称する)が生じることが知られている。オイル希釈が生じたオイルがエンジンの被潤滑部に供給されると、オイルに含まれる燃料がエンジン温の上昇とともに揮発してブローバイガスとなるおそれがある。この場合、エンジンのECUによる排気のA/F(空燃比)の正確な制御が困難になるおそれがある。ECUによる排気のA/Fの正確な制御が困難になると、排気エミッションの悪化のおそれがある。
本発明は、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができるオイル潤滑装置を提供することを目的とする。
本発明に係るオイル潤滑装置は、エンジンの被潤滑部に対してオイルを吐出するオイルポンプと、被潤滑部に対して吐出されたオイルを回収して貯留するオイルパンと、上下方向に移動可能な仕切り部によって第1室と第2室とに区画され、第1室および第2室にオイルを貯留するオイルタンクと、オイルパンに貯留されたオイルのオイルポンプへの流入と第1室に貯留されたオイルのオイルポンプへの流入とを切り替えられ、第1室に貯留されたオイルがオイルポンプへ流入する場合には、オイルパンに貯留されたオイルが第2室へ流入するように構成された配管部と、を備え、仕切り部は逆止弁を有し、逆止弁は、第1室に貯留されたオイルがオイルポンプへ流入する場合には、第2室に貯留されたオイルの第1室への流入を抑制し、第1室に貯留されたオイルがオイルポンプへ流入しない場合には、第2室に貯留されたオイルの第1室への流入を許可することを特徴とするものである。
本発明に係るオイル潤滑装置によれば、オイルタンクを備えている。それにより、オイルタンクには、オイルパンに貯留されたオイルのオイル希釈率に比較して小さいオイル希釈率を有するオイルを貯留しておくことができる。また、本発明に係るオイル潤滑装置によれば、配管部は、オイルパンに貯留されたオイルのオイルポンプへの流入とオイルタンクに貯留されたオイルのオイルポンプへの流入とを切り替えることができる。それにより、例えばオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある場合には、オイルタンクに貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部に供給することができる。その結果、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。また、この構成によれば、第1室に、オイルパンに貯留されたオイルのオイル希釈率に比較して小さいオイル希釈率を有するオイルを貯留しておくことができる。また、この構成によれば、第1室に貯留されたオイルがオイルポンプによってエンジンの被潤滑部に供給される際に、オイルパンに貯留されたオイル希釈率の高いオイルと第1室に貯留されたオイル希釈率の低いオイルとが混合することが抑制される。また、この構成によれば、第1室に貯留されたオイルがオイルポンプへ流入しない場合には、第2室に貯留されたオイルを、逆止弁を通じて第1室に流入させることができる。それにより、第1室へのオイルの充填を自動的に行うことができる。
上記構成において、オイルパンには、蛇行流路が形成されていてもよい。この構成によれば、エンジンの被潤滑部からオイルパンへ戻ったオイルを、蛇行流路を通過させた後に、オイルポンプまたはオイルタンクの第2室へ流入させることができる。それにより、蛇行流路が形成されていない場合に比較して、エンジンの被潤滑部から戻ったオイルのオイルポンプへの流入に要する時間あるいは第2室への流入に要する時間を稼ぐことができることから、エンジンの被潤滑部から戻ったオイルに含まれる燃料の揮発を促進させることができる。その結果、蛇行流路が形成されていない場合に比較して、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
上記構成において、配管部は、オイルパンに貯留されたオイルをオイルポンプへ流入させる第1流路と、第1室に貯留されたオイルをオイルポンプへ流入させる第2流路と、オイルパンに貯留されたオイルを第2室へ流入させる第3流路と、第1流路および第2流路のいずれか一方を連通状態とし他方を遮断状態とする第1弁と、第3流路の連通状態と遮断状態とを切り替える第2弁と、を備えていてもよい。この構成によれば、例えばオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある場合には、第2流路が連通状態となるように第1弁を切り替えるとともに第3流路が連通状態となるように第2弁を切り替えることにより、第1室に貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部に供給することができる。その結果、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
上記構成において、オイルパンに貯留されたオイルの温度に基づいて第1弁および第2弁を制御する制御部をさらに備えていてもよい。この構成によれば、制御部は、例えばオイルパンに貯留されたオイルの温度がオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある温度である場合に、第2流路が連通状態となるように第1弁を制御するとともに第3流路が連通状態となるように第2弁を制御することができる。それにより、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある場合に、第1室に貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部に供給することができる。その結果、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
上記構成において、制御部は、オイルパンに貯留されたオイルの温度に基づいて第1弁および第2弁を制御した後に、さらにオイルパンに貯留されたオイルの温度と、エンジンの回転数と、エンジンの負荷と、に基づいて第1弁および第2弁を制御してもよい。この構成によれば、制御部は、第1室に貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部へ供給した後に、さらにエンジンが暖気されてオイルに含まれる燃料の揮発が生じやすい温度となった場合において、エンジンの回転数が高くかつエンジンの負荷が大きい場合すなわちオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性が少ない場合には、再度第1室に貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部へ供給することができる。それにより、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制できるとともに、第1室に貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部へ供給した後にエンジンを停止し、再度エンジンを始動させた場合におけるオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
上記構成において、制御部は、第1弁および第2弁を制御した後にさらに第1弁および第2弁を制御する場合には、エンジンの回転数と、エンジンの負荷と、に基づいて第1弁および第2弁の制御態様を変更した上で、第1弁および第2弁を制御してもよい。この構成によれば、制御部は、第1室に貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部へ供給した後に、再度第1室に貯留されたオイルをエンジンの被潤滑部へ供給する場合において、例えばエンジンの運転状態がアイドリング状態となる可能性が高いと考えられる程度にエンジンの回転数が低く、エンジンの負荷も低いような場合には、オイルの入れ替え量が少なくなるように第1弁および第2弁を制御することができる。あるいは、1回当たりのオイルの入れ替え量を少なくするために、オイルが分割して入れ替えられるように第1弁および第2弁を制御することができる。それにより、オイル再入れ替え処理が行われた直後にエンジンの運転状態がアイドル状態になった場合に生じるオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
上記構成において、オイルパンに貯留されたオイルのオイル希釈率と第1室に貯留されたオイルのオイル希釈率とに基づいて、第1弁および第2弁を制御する制御部をさらに備えていてもよい。この構成によれば、制御部は、オイルパンに貯留されたオイルのオイル希釈率に比較して小さいオイル希釈率を有するオイルをエンジンの被潤滑部に供給することができる。それにより、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
本発明によれば、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができるオイル潤滑装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の第1実施例に係るオイル潤滑装置40について説明する。図1は、本発明の第1実施例に係るオイル潤滑装置40が用いられる車両5の全体構成を示す模式図である。図1に示すように、車両5は、エンジン10と、MIL30(不調警告灯)と、オイル潤滑装置40と、ECU140と、各種センサ類と、を備える。
エンジン10は、シリンダブロック12と、シリンダブロック12に接続された吸気径路14と、シリンダブロック12に接続された排気径路16と、を備える。エンジン10としては、特に限定されないが、例えば筒内噴射式内燃機関を用いることができる。エンジン10が筒内噴射式内燃機関の場合、シリンダブロック12の気筒内には、燃料噴射弁(図示せず)が配置されている。エンジン10が筒内噴射式内燃機関の場合は、エンジン10の燃料噴射量、燃料噴射回数等は、後述するECU140によって制御される。例えば、ECU140は、排気のA/Fが所定の値になるように、燃料噴射量および燃料噴射回数等を制御する。
エンジン10のクランクシャフト(図示せず)付近にはクランクポジションセンサ18が配置されている。クランクポジションセンサ18は、クランク角を検出して、検出結果をECU140に伝える。それにより、ECU140は、エンジン10の回転数を取得することができる。
吸気径路14には、エアフロメータ20が配置されている。エアフロメータ20は、吸気径路14からシリンダブロック12に吸気されるエアの吸気量を検出し、検出結果をECU140に伝える。それにより、ECU140は、エンジン10の単位時間当たりの吸気量を取得することができる。また、吸気径路14のスロットル(図示せず)には、スロットルポジションセンサ22が配置されている。スロットルポジションセンサ22は、スロットルのスロットル開度を検出して、検出結果をECU140に伝える。それにより、ECU140は、スロットル開度を取得することができる。なお、スロットルのスロットル開度はアクセル(図示せず)の開度に連動する。スロットル開度の大きさは、エンジン10の負荷の大きさに対応する。つまり、本実施例においては、スロットルポジションセンサ22は、エンジン10の負荷を検出するエンジン負荷検出手段としての機能を有する。
排気径路16には、A/Fセンサ24が配置されている。A/Fセンサ24は、排気のA/F(空燃比)を検出し、検出結果をECU140に伝える。それにより、ECU140は、排気のA/Fを取得することができる。
MIL30は、乗員に対して、車両5に不調が発生するおそれがある旨を伝える警告灯としての機能を有する。MIL30は、車両5の運転席(図示せず)のメータパネル(図示せず)に配置されている。MIL30は、ECU140に接続されている。例えば、燃料によって希釈されたオイルから揮発した燃料を原因として、ECU140による排気のA/Fの正確な制御が困難となった場合には、排気エミッションの悪化のおそれがあることから、ECU140はMIL30を点灯させる。
オイル潤滑装置40は、オイルポンプ50と、オイルパン60と、オイルタンク70と、配管部120と、制御部と、を備える。オイルポンプ50は、オイルを吸い上げて、その吸い上げられたオイルをエンジン10の被潤滑部(例えば、カム、ピストン等)に対して吐出する。なお、本実施例においては、オイルポンプ50の吐出側とエンジン10の被潤滑部とは、第4流路128を介して連通されている。オイルポンプ50は、吸い上げたオイルを第4流路128を介してエンジン10の被潤滑部に対して吐出する。それにより、エンジン10の被潤滑部に対してオイルが供給される。オイルポンプ50としては、オイルをエンジン10の被潤滑部に対して吐出することができるものであれば、特に限定されない。オイルポンプ50としては、トロコイドポンプ、ギアポンプ等の周知のオイルポンプを用いることができる。オイルポンプ50の始動方法および停止方法としては、特に限定されない。本実施例においては、オイルポンプ50は、エンジン10の運転が開始されるとともに、始動される。また、オイルポンプ50は、エンジン10の運転が終了されるとともに、停止される。
オイルパン60は、内部に、オイルポンプ50によってエンジン10の被潤滑部に対して吐出されたオイルを貯留する。オイルパン60は、エンジン10の下方、例えばシリンダブロック12の下方に、配置されている。オイルパン60の材質、形状等は、オイルを貯留できるものであれば特に限定されない。また、オイルパン60とオイルポンプ50とは、第1流路122を介して連通されている。なお、第1流路122には、第1弁130が介挿されている。
また、オイルパン60の内部には、オイルパン60の内部の下方から上方にかけて、蛇行流路62が形成されている。蛇行流路62は、オイルパン60の内部の下方から上方にかけて千鳥状に配置された水平な仕切り板64によって形成されている。
オイルパン60には、温度センサ66が配置されている。温度センサ66は、オイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)を検出して、検出結果をECU140に伝える。それにより、ECU140は油温を取得することができる。温度センサ66としては、油温を検出することができるものであれば特に限定されない。温度センサ66としては、周知の温度センサを用いることができる。
オイルタンク70は、オイルパン60とは独立して配置されている。オイルタンク70は、オイルを貯留する。オイルタンク70の材質としては、オイルを貯留できるものであれば特に限定されず、例えばステンレス等を用いることができる。本実施例においては、オイルタンク70は、上下方向に移動可能な仕切り部80によって、内部を重力方向上方の第1室100と重力方向下方の第2室110とに区画されている。第1室100および第2室110には、それぞれオイルが貯留される。
第1室100は、オイルポンプ50と第2流路124を介して連通されている。なお、第2流路124には、第1弁130が介挿されている。つまり、第1弁130は、第1流路122と第2流路124との合流点に介挿されている。第2室110は、オイルパン60と第3流路126を介して連通されている。また、第3流路126には、オイルパン60側から第2室110側にかけて、第2弁132とチェック弁134とが順に介挿されている。
なお、オイルタンク70の仕切り部80としては、オイルタンク70の内部を上下方向に移動可能であり、オイルタンク70の内部を重力方向上方の第1室100と重力方向下方の第2室110とに区画でき、第1室100と第2室110とにオイルを貯留できるものであれば、特に限定されない。例えば、オイルタンク70の仕切り部80は、オイルタンク70の内部を第1室100と第2室110とに区画する水平板からなる区画部82と、区画部82の外周に配置され、区画部82が水平方向から傾斜することを抑制するためのガイド部84と、区画部82に形成された貫通孔に配置された逆止弁90と、を有する。この場合、仕切り部80は、第2室110の圧力が第1室100よりも高い場合に、上方へ移動する。このとき、第1室100に貯留されたオイルと第2室110に貯留されたオイルとは混合しない。一方、第1室100の圧力と第2室110の圧力とが同じ場合には、第2室110に貯留されたオイルが逆止弁90を通じて第1室100に流動する。このとき、仕切り部80は、下方へ移動する。なお、逆止弁90の詳細については、後述する。
オイルタンク70には、仕切り部位置センサ86が配置されている。本実施例においては、仕切り部位置センサ86は、オイルタンク70の上部に配置されている。仕切り部位置センサ86は、仕切り部80の上下方向の位置を検出して、検出結果をECU140に伝える。それにより、ECU140は、仕切り部80の上下方向の位置を取得することができる。仕切り部位置センサ86としては、仕切り部80の上下方向の位置を検出することができるものであれば、特に限定されない。仕切り部位置センサ86としては、例えば、周知の距離センサを用いることができる。
仕切り部位置センサ86として距離センサを用いた場合、仕切り部位置センサ86は、第1室100の上部と仕切り部80の区画部82との距離を検出し、検出結果をECU140に伝える。ECU140は、仕切り部位置センサ86の検出結果を基に、オイルタンク70の内部の底部(第2室110の底部)と仕切り部80の区画部82との距離を算出し、その算出結果を仕切り部80の位置(S)とする。この場合、仕切り部80の位置(S)の値が小さい程、仕切り部80が下方に位置していることとなる。つまり、仕切り部80の位置(S)の値が小さい程、第1室100の容積が大きい、すなわち第1室100に貯留されているオイルの量が多いこととなる。
配管部120は、オイルパン60に貯留されたオイルのオイルポンプ50への流入とオイルタンク70に貯留されたオイルのオイルポンプ50への流入とを切り替えられ、オイルタンク70に貯留されたオイルがオイルポンプ50へ流入する場合には、オイルパン60に貯留されたオイルがオイルタンク70へ流入するように構成されている。詳しくは、配管部120は、オイルパン60に貯留されたオイルのオイルポンプ50への流入と第1室100に貯留されたオイルのオイルポンプ50への流入とを切り替えられ、第1室100に貯留されたオイルがオイルがオイルポンプ50へ流入する場合には、オイルパン60に貯留されたオイルが第2室110へ流入するように構成されている。本実施例においては、配管部120は、第1流路122と、第2流路124と、第3流路126と、第4流路128と、第1弁130と、第2弁132と、チェック弁134と、を有する。
第1流路122は、オイルパン60の内部とオイルポンプ50とに通じている。第1流路122は、オイルパン60に貯留されたオイルをオイルポンプ50へ流入させる機能を有する。第1流路122としては、例えば、ゴム製のオイルホース、ステンレス製の配管等を用いることができる。第1流路122の一端はオイルポンプ50の吸い込み口へ接続されている。第1流路122の他端にはオイルストレーナ136が接続されている。オイルストレーナ136は、オイルパン60の内部の底部、詳しくは、蛇行流路62の終端付近に配置されている。
第2流路124は、第1室100とオイルポンプ50とに通じている。第2流路124は、第1室100に貯留されたオイルをオイルポンプ50へ流入させる機能を有する。第2流路124としては、例えば、ゴム製のオイルホース、ステンレス製の配管等を用いることができる。第2流路124の一端はオイルポンプ50の吸い込み口へ接続され、他端は第1室100の上部に接続されている。
第3流路126は、オイルパン60の内部と第2室110とに通じている。第3流路126は、オイルパン60に貯留されたオイルを第2室110へ流入させる機能を有する。第3流路126としては、例えば、ゴム製のオイルホース、ステンレス製の配管等を用いることができる。第3流路126の一端は、オイルパン60の内部の底部、詳しくは、蛇行流路62の終端付近に接続されている。第3流路126の他端は、第2室110の底部に接続されている。
第4流路128は、オイルポンプ50とエンジン10の被潤滑部とに通じている。第4流路128は、オイルポンプ50から吐出されたオイルをエンジン10の被潤滑部へ供給する機能を有する。第4流路128の一端はオイルポンプ50の吐出口に接続され、他端はエンジン10の被潤滑部付近に配置されている。第4流路128としては、例えは、ゴム製のオイルホース、ステンレス製の配管等を用いることができる。
第1弁130は、第1流路122と第2流路124との合流点に配置されている。第1弁130は、任意に選択された第1流路122および第2流路124のいずれか一方を連通状態とし、他方を遮断状態とする機能を有する。第1弁130としては、例えば、制御部によって動作が制御される電磁3方弁等を用いることができる。
第2弁132は、第3流路126に介挿されている。第2弁132は、第3流路126の連通状態と遮断状態とを切り替える機能を有する。第2弁132としては、例えば、制御部によって動作が制御される電磁2方弁等を用いることができる。この場合、電磁2方弁の弁位置が開の場合には、第3流路126は連通状態となり、電磁2方弁の弁位置が閉の場合には、第3流路126は遮断状態となる。
チェック弁134は、第3流路126の第2弁132よりも第2室110側に介挿されている。チェック弁134は、第2弁132により第3流路126が連通状態とされた場合に、オイルパン60から第2室110へのオイルの流入を許可し、第2室110からオイルパン60へのオイルの流入を禁止する。チェック弁134としては、液体の逆流を防ぎつつ、液体を一方向に流すことができるものであれば、特に限定されない。チェック弁134としては、周知のチェック弁を用いることができる。
制御部は、第1弁130および第2弁132の動作を制御する。本実施例においては、制御部は、オイルパン60に貯留されたオイルの温度に基づいて第1弁130および第2弁132を制御する。ECU140は、CPUとROMとRAMとを備えるマイクロコンピュータである。ECU140は、エンジン10の動作を統括的に制御する。例えばECU140は、各種センサ類の検出結果に基づいて、適正なA/Fが得られるように燃料噴射量を決定し、その決定された燃料噴射量に基づいて燃料が噴射されるようにエンジン10の燃料噴射弁(図示せず)を制御する。また、本実施例においては、ECU140は、第1弁130の動作および第2弁132の動作を制御する制御部としての機能を有する。さらに、ECU140は、タイマ機能を備えている。それにより、ECU140は、エンジン10が始動されてからの時間を取得することができる。なお、制御部の動作の詳細については、後述する。
なお、図1において、クランクポジションセンサ18、エアフロメータ20、スロットルポジションセンサ22、A/Fセンサ24、温度センサ66および仕切り部位置センサ86は、各種センサ類に相当する。
続いて、オイルタンク70の仕切り部80の逆止弁90について説明する。図2(a)は、第1室100の圧力に比較して第2室110の圧力が高い場合の逆止弁90の模式的断面図である。図2(b)は、第1室100の圧力と第2室110の圧力とが同じ場合の逆止弁90の模式的断面図である。図2(a)および図2(b)に示すように、逆止弁90は、球形の弁体92と、弁体92の周囲を囲むケース部94と、を備える。
図2(a)に示すように、ケース部94の上部には、弁体92の外径に比較して小さい外径を有し、弁体92が下側から着座することにより閉塞される第1開口部96が形成されている。なお、本実施例においては、仕切り部80の区画部82の一部がケース部94の上部を担っている。また、第1開口部96は、区画部82に形成されている。つまり、第1開口部96は、区画部82の貫通孔に相当する。
第1室100の圧力に比較して第2室110の圧力が高い場合、弁体92が第1開口部96を閉塞することにより、第2室110に貯留されたオイルの第1室100への流入が抑制される。また、第1室100の圧力に比較して第2室110の圧力が高いことから、第1室100に貯留されたオイルが第1開口部96を通って第2室110へ流入することはない。なお、第1室100の圧力に比較して第2室の圧力が高い場合は、第1室100に貯留されたオイルがオイルポンプへ流入し、オイルパン60に貯留されたオイルが第2室110に流入する場合に相当する。
ケース部94の下部には、第2開口部98が形成されている。第2開口部98の形状としては、特に限定されない。例えば、第2開口部98は、弁体92の外径に比較して小さい外径を有し、弁体92が上側から着座することにより閉塞される形状を有していてもよい。また、第2開口部98の中心線は、第1開口部96の中心線に対して左右いずれかの方向にずれている。それにより、弁体92が第1開口部96に着座した状態(図2(a)の状態)から下方に落下した場合には、図2(b)に示すように、弁体92は、ケース部94の下部の第2開口部98を除く部位に着座する。
また、図2(a)に示すように、ケース部94は、弁体92が第1開口部96に着座した場合には、弁体92とケース部94の下部との間に間隙を有するように構成されている。さらに、図2(b)に示すように、ケース部94は、弁体92がケース部94の下部の第2開口部98を除く部位に着座した場合には、第1開口部96と弁体92との間に間隙を有するように構成されている。それにより、図2(b)に示すように、弁体92がケース部94の下部の第2開口部98を除く部位に着座した場合には、第1開口部96と第2開口部98とは連通状態となる。その結果、第2室110に貯留されたオイルは、第2開口部98および第1開口部96を通って、第1室100に流入することができる。この場合、仕切り部80は、下方へ移動する。
つまり、図2(b)に示すように、第1室100の圧力と第2室110の圧力とが同じ場合、図1に示す仕切り部80は、下方へ移動する。それとともに、第2室110に貯留されたオイルは、逆止弁90を通って、第1室100へ流入する。なお、第1室100の圧力と第2室110の圧力とが同じ場合は、第1室100に貯留されたオイルがオイルポンプ50へ流入しない場合、すなわち、オイルパン60に貯留されたオイルがオイルポンプ50へ流入する場合に相当する。
図3(a)は、オイルが第2室110に流入する前のオイルタンク70の様子を示す模式的断面図である。図3(b)は、オイルが第2室110に流入した場合のオイルタンク70の様子を示す模式的断面図である。図1、図2(a)、図2(b)、図3(a)および図3(b)を参照して、オイル潤滑装置40の動作について説明する。まず、エンジン10が始動される前においては、オイルポンプ50は停止している。この場合、第1弁130により第1流路122は連通状態とされ、第2流路124は遮断状態とされている。また、第3流路126は、第2弁132により遮断状態とされている。この場合、図3(a)に示すように、仕切り部80はオイルタンク70の最下方に位置している。また、第1室100にはオイルが貯留されている。なお、第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率は、オイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率に比較して小さいことが好ましい。第1室100に貯留されているオイルとしては、例えば、未使用状態のオイルを用いることができる。
次いで、エンジン10の始動が開始されてオイルポンプ50の始動が開始された場合、図1を参照に、通常は、第1弁130により第1流路122は連通状態とされ、第2流路124は遮断状態とされている。また、第3流路126は、第2弁132により遮断状態とされている。この場合、オイルパン60に貯留されたオイルは、オイルストレーナ136から吸い込まれる。オイルストレーナ136から吸い込まれたオイルは、第1流路122、オイルポンプ50および第4流路128を通って、エンジン10の被潤滑部に供給される。エンジン10の被潤滑部に供給されたオイルは、オイルパン60の内部に戻る。オイルパン60の内部に戻ったオイルは、オイルパン60の蛇行流路62を通って、オイルストレーナ136から吸い込まれる。
一方、第1弁130により第1流路122が遮断状態とされ、第2流路124が連通状態とされ、第2弁132により第3流路126が連通状態とされた場合、オイルタンク70の第1室100に貯留されたオイルは、第2流路124、オイルポンプ50および第4流路128を通って、エンジン10の被潤滑部に供給される。それとともに、図3(b)に示すように、オイルパン60に貯留されたオイルは、第3流路126を通ってオイルタンク70の第2室110に流入する。また、図1に示すように、エンジン10の被潤滑部に供給されたオイルは、オイルパン60の内部に戻る。オイルパン60の内部に戻ったオイルは、蛇行流路62および第3流路126を通って、第2室110に流入する。
次いで、再び、第1弁130により第1流路122が連通状態とされ、第2流路124が遮断状態とされ、第2弁132により第3流路126が遮断状態とされた場合、オイルパン60に貯留されたオイルはオイルポンプ50を介してエンジン10の被潤滑部に供給される。また、オイルタンク70の第2室110に貯留されたオイルは、仕切り部80の逆止弁90を介して第1室100に流入する。そして、図3(a)に示すように、仕切り部80は、オイルタンク70の内部の下方へ移動する。
本実施例に係るオイル潤滑装置40によれば、オイルタンク70を備えている。また、オイルタンク70は第1室100と第2室110とを備えている。それにより、オイルタンク70の第1室100には、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率に比較して小さいオイル希釈率を有するオイルを貯留しておくことができる。また、本発明に係るオイル潤滑装置40によれば、配管部120は、オイルパン60に貯留されたオイルのオイルポンプ50への流入と第1室100に貯留されたオイルのオイルポンプ50への流入とを切り替えることができる。それにより、例えばオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある場合には、第1室100に貯留されたオイルをエンジン10の被潤滑部に供給することができる。その結果、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
また、本実施例に係るオイル潤滑装置40によれば、オイルタンク70の仕切り部80は、逆止弁90を有している。それにより、第1室100に貯留されたオイルをエンジン10の被潤滑部に供給する際に、オイルパン60に貯留されたオイル希釈率の高いオイルと第1室100に貯留されたオイル希釈率の低いオイルとが混合することが抑制される。また、オイルパン60に貯留されたオイルがオイルポンプ50へ流入する場合には、第2室110のオイルを、逆止弁90を通じて第1室100に流入させることができる。それにより、第1室100へのオイルの充填を自動的に行うことができる。
さらに、本実施例に係るオイル潤滑装置40によれば、オイルパン60の内部には、蛇行流路62が形成されている。それにより、エンジン10の被潤滑部からオイルパン60へ戻ったオイルを、蛇行流路62を通過させた後に、オイルポンプ50またはオイルタンク70の第2室110へ流入させることができる。それにより、蛇行流路62が形成されていない場合に比較して、エンジン10の被潤滑部から戻ったオイルのオイルポンプ50への流入に要する時間あるいは第2室110への流入に要する時間を稼ぐことができる。その結果、エンジン10の被潤滑部から戻ったオイルに含まれる燃料の揮発を促進させることができる。したがって、本実施例に係るオイル潤滑装置40によれば、蛇行流路62が形成されていない場合に比較して、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
次いで、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部(ECU140)の動作について説明する。本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部は、オイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)に基づいて第1弁130および第2弁132の動作を制御する。
具体的には、制御部は、油温が所定範囲内にある場合に、第2流路124が連通状態となるように第1弁130を制御するとともに第3流路126が連通状態となるように第2弁132を制御する。それにより、第1室100に貯留されたオイルがオイルポンプ50を介してエンジン10の被潤滑部に供給されるとともに、オイルパン60に貯留されたオイルが第2室110へ流入する(以下、制御部の第2流路124を連通状態とし、第3流路126を連通状態とする処理を、オイル入れ替え処理と称する)。
図4は、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。制御部は、所定時間毎に図4に示すフローチャートを繰り返し実行する。まず、制御部は、エンジン10が始動された直後であるか否かを判断する(ステップS1)。例えば、制御部は、タイマ機能によって、エンジン10が始動された直後であるか否かを判断することができる。
ステップS1において、エンジン10が始動された直後であると判断された場合には、制御部は、油温を取得する(ステップS2)。なお、取得された油温をTSとする。次いで、制御部は、ステップS2において取得された油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも低いか否かを判断する(ステップS3)。所定の温度(TS0)としては、特に限定されないが、例えば、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化が生じ難い温度を用いることができる。具体的には、所定の温度(TS0)としては、エンジン10の通常運転時における油温、すなわち、エンジン10の内部に噴射された燃料の揮発が十分に行われてオイル希釈が生じ難い温度(常温)を用いることができる。
ステップS3において、油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも低いと判断された場合には、制御部は、オイル入れ替え処理の実行フラグ(X)を1にする(ステップS4)。次いで、制御部は、後述するステップS6を実行する。一方、ステップS1において、エンジン10が始動された直後であると判断されなかった場合には、制御部は、後述するステップS6を実行する。また、ステップS3において、油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも低いと判断されなかった場合には、制御部は、オイル入れ替え処理の実行フラグ(X)を0にする(ステップS5)。次いで、制御部は、後述するステップS6を実行する。
ステップS6において、制御部は、オイル入れ替え処理の実行フラグ(X)が1であるか否かを判断する。ステップS6においてオイル入れ替え処理の実行フラグ(X)が1であると判断された場合には、制御部は、油温を取得する(ステップS7)。なお、取得された油温をTOILとする。
次いで、制御部は、ステップS7において取得された油温(TOIL)が所定の温度(TOIL0)よりも大きいか否かを判断する(ステップS8)。所定の温度(TOIL0)としては、特に限定されないが、例えば、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化が生じると考えられる温度を用いることができる。例えば、所定の温度(TOIL0)としては、オイルに含まれる燃料が大量に揮発し始める温度を用いることができる。
ステップS8において、ステップS7において取得された油温(TOIL)が所定の温度(TOIL0)よりも大きいと判断された場合には、制御部は、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、制御部は、仕切り部位置センサ86の検出結果を取得して、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいか否かを判断することができる。なお、仕切り部80の位置(S)が小さい程、第1室100に貯留されているオイルの量が多いこととなる。また、所定の値(S0)としては、特に限定されないが、例えば、後述するオイル入れ替え処理を実行するのに必要な量のオイルが第1室100に貯留されていると考えられる仕切り部80の位置に相当する値を用いることができる。
ステップS9において、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいと判断された場合には、制御部は、オイル入れ替え処理を実行する(ステップS10)。具体的には、制御部は、第2流路124が連通状態となるように第1弁130の弁位置を切り替えるとともに第3流路126が連通状態となるように第2弁132の弁位置を開にする。それにより、第1室100に貯留されたオイルがオイルポンプ50を介してエンジン10の被潤滑部に供給されるとともに、オイルパン60に貯留されたオイルが第2室110へ流入する。次いで、制御部は、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)を1にセットする(ステップS11)。次いで、制御部は、フローチャートの実行を終了する。
一方、ステップS6において、オイル入れ替え処理の実行フラグ(X)が1であると判断されなかった場合には、制御部は、オイル入れ替え処理を実行しない(ステップS12)。この場合、既に第1流路122が連通状態であり、かつ第3流路126が遮断状態の場合には、制御部は、その状態を維持する。また、第2流路124が連通状態であり、かつ第3流路126が連通状態の場合には、制御部は、第1流路122が連通状態となるように第1弁130の弁位置を切り替えるとともに、第3流路126が遮断状態となるように第2弁132の弁位置を閉にする。次いで、制御部は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS8において、ステップS7において取得された油温(TOIL)が所定の温度(TOIL0)よりも大きいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS12を実行する。また、ステップS9において、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS12を実行する。
本実施例に係るオイル潤滑装置40によれば、制御部は、オイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)に基づいて第1弁130および第2弁132を制御する。具体的には、制御部は、油温が所定範囲内にある場合(TOIL0より大きくTS0より小さい場合)、すなわち油温がオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある温度である場合に、第2流路124が連通状態となるように第1弁130を制御するとともに第3流路126が連通状態となるように第2弁132を制御する。それにより、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある場合に、第1室100に貯留されたオイルをエンジン10の被潤滑部に供給することができる。その結果、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
続いて、実施例2に係るオイル潤滑装置40について説明する。本実施例に係るオイル潤滑装置40は、実施例1に係るオイル潤滑装置40とは、制御部の動作が異なる。具体的には、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部は、オイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)に基づいて第1弁130および第2弁132を制御した後に、さらにオイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)と、エンジン10の回転数と、エンジン10の負荷と、に基づいて、第1弁130および第2弁132を制御する。
つまり、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部は、図4に示すオイル入れ替え処理を実行した後に、さらにオイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)が所定範囲内にあり、エンジン10の回転数が所定値より大きく、エンジン10の負荷が所定値より大きい場合には、第2流路124が連通状態となるように第1弁130を制御するとともに、第3流路126が連通状態となるように第2弁132を制御する。それにより、第1室100に貯留されたオイルがオイルポンプ50を介してエンジン10の被潤滑部に供給されるとともに、オイルパン60に貯留されたオイルが第2室110へ流入する(以下、制御部のオイル入れ替え処理を実行した後に、再度、第2流路124を連通状態とし、第3流路126を連通状態とする処理を、オイル再入れ替え処理と称する)。
ここで、例えば、図1に示すように仕切り部80が逆止弁90を備えている場合において、図4に示すオイル入れ替え処理が実行された後に、エンジン10を停止させた場合を考えてみる。この場合、第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率は高くなっていると考えられる。この状態でエンジン10が再始動されて、エンジン10が暖気されてオイルに含まれる燃料の揮発が生じやすい状態になり、かつ制御部によってオイル入れ替え処理が実行された場合には、オイル希釈率の高い第1室100のオイルがエンジン10の被潤滑部に供給される。この場合、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化が生じるおそれがある。
一方、エンジン10の回転数が高く、エンジン10の負荷が大きい場合には、エンジン10の単位時間当たりの吸入空気量も多い。そのため、エンジン10の回転数が高く、エンジン10の負荷が大きい場合には、オイル希釈率の高いオイルがエンジン10の被潤滑部に供給された場合であっても、排気のA/Fの正常値からのずれは少ない。そのため、エンジン10の回転数が高く、エンジン10の負荷が大きい場合には、オイル希釈率の高いオイルがエンジン10の被潤滑部に供給された場合であっても、排気エミッションが悪化する可能性は少ない。この点に鑑みて、本実施例に係るオイル潤滑装置40は発明された。
図5は、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部が、図4に示すフローチャートを実行した後に行う動作の一例を示すフローチャートである。制御部は、所定時間毎に図5に示すフローチャートを繰り返し実行する。図5に示すように、まず、制御部は、エンジン10が始動された直後であるか否かを判断する(ステップS21)。
ステップS21において、エンジン10が始動された直後であると判断された場合には、制御部は、油温を取得する(ステップS22)。なお、取得された油温をTSとする。次いで、制御部は、オイル再入れ替え処理実行フラグ(Z)を1にセットする(ステップS23)。次いで、制御部は、エンジン10の回転数を取得し、エンジン10の負荷を取得する(ステップS24)。例えば、制御部は、クランクポジションセンサ18の検出結果を取得することによって、エンジン10の回転数を取得することができる。例えば、制御部は、スロットルポジションセンサ22の検出結果を取得することによって、エンジン10の負荷を取得することができる。なお、取得されたエンジン10の回転数をNEとし、取得されたエンジン10の負荷をKLとする。一方、ステップS21において、エンジン10が始動された直後であると判断されなかった場合には、制御部は、ステップS24を実行する。
次いで、制御部は、ステップS24において取得されたエンジン10の回転数(NE)が所定の値(NE0)より大きいか否か、およびステップS24において取得されたエンジン10の負荷(KL)が所定の値(KL0)よりも大きいか否かを判断する(ステップS25)。なお、所定の値(NE0)としては、特に限定されないが、例えばエンジン10の被潤滑部に供給されたオイルに含まれる燃料が揮発した場合であっても、排気エミッションの悪化が生じない程度のエンジン10の回転数を用いることができる。また、所定の値(KL0)としては、特に限定されないが、例えばエンジン10の被潤滑部に供給されたオイルに含まれる燃料が揮発した場合であっても、排気エミッションの悪化が生じない程度のエンジン10の負荷を用いることができる。
ステップS25において、ステップS24において取得されたエンジン10の回転数(NE)が所定の値(NE0)より大きいと判断された場合、かつ、ステップS24において取得されたエンジン10の負荷(KL)が所定の値(KL0)よりも大きいと判断された場合には、制御部は、ステップS22において取得された油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも小さいか否かを判断する(ステップS26)。所定の温度(TS0)としては、例えば、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化が生じ難い温度(例えば、常温)を用いることができる。
ステップS26において、ステップS22において取得された油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも小さいと判断された場合には、制御部は、オイル再入れ替え処理実行フラグ(Z)が1であるか否かを判断する(ステップS27)。
ステップS27においてオイル再入れ替え処理実行フラグ(Z)が1であると判断された場合には、制御部は、油温を取得する(ステップS28)。なお、ステップS28において取得された油温をTOIL2とする。
次いで、制御部は、ステップS28において取得された油温(TOIL2)が所定の温度(TOIL1)よりも大きいか否かを判断する(ステップS29)。所定の温度(TOIL1)としては、例えば、エンジン10が暖気されて、オイルに含まれる燃料が大量に揮発し始める温度を用いることができる。
ステップS29において、ステップS28において取得された油温(TOIL2)が所定の温度(TOIL1)よりも大きいと判断された場合には、制御部は、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいか否かを判断する(ステップS30)。なお、所定の値(S0)としては、特に限定されないが、例えば、後述するオイル再入れ替え処理を実行するのに必要なオイルの量が第1室100に貯留されていると考えられる仕切り部80の位置に相当する値を用いることができる。
ステップS30において、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいと判断された場合には、制御部は、オイル再入れ替え処理を実行する(ステップS31)。具体的には、制御部は、第2流路124が連通状態となるように第1弁130の弁位置を切り替えるとともに第3流路126が連通状態となるように第2弁132の弁位置を開にする。それにより、第1室100に貯留されたオイルがオイルポンプ50を介してエンジン10の被潤滑部に供給されるとともに、オイルパン60に貯留されたオイルが第2室110へ流入する。次いで、制御部は、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)を2にセットする(ステップS32)。次いで、制御部は、油温(TOIL2)を取得する(ステップS33)。次いで、制御部は、フローチャートの実行を終了する。
一方、ステップS25において、ステップS24において取得されたエンジン10の回転数(NE)が所定の値(NE0)より大きくかつステップS24において取得されたエンジン10の負荷(KL)が所定の値(KL0)よりも大きいと判断されなかった場合には、制御部は、オイル再入れ替え処理を実行しない(ステップS34)。この場合、既に第1流路122が連通状態であり、かつ第3流路126が遮断状態の場合には、制御部は、その状態を維持する。また、第2流路124が連通状態であり、かつ第3流路126が連通状態の場合には、制御部は、第1流路122が連通状態となるように第1弁130の弁位置を切り替えるとともに、第3流路126が遮断状態となるように第2弁132の弁位置を閉にする。また、制御部は、オイル再入れ替え処理実行フラグ(Z)を0にセットする。次いで、制御部は、ステップS33を実行する。
ステップS26において、ステップS22において取得された油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも小さいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS34を実行する。ステップS27において、オイル再入れ替え処理実行フラグ(Z)が1であると判断されなかった場合には、制御部は、ステップS34を実行する。ステップS29において、ステップS28において取得された油温(TOIL2)が所定の温度(TOIL1)よりも大きいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS34を実行する。ステップS30において、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS34を実行する。
本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部によれば、オイルパン60に貯留されたオイルの温度が例えばオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性がある温度である場合に、第1室100に貯留されたオイルをエンジン10の被潤滑部に供給することができる。また、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部によれば、第1室100に貯留されたオイルをエンジン10の被潤滑部へ供給した後に、さらにエンジン10が暖気されてオイルに含まれる燃料の揮発が生じやすい温度となった場合において、エンジン10の回転数が高くかつエンジン10の負荷が大きい場合すなわちオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化の可能性が少ない場合には、再度第1室100に貯留されたオイルをエンジン10の被潤滑部へ供給することができる。それにより、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制できるとともに、第1室100に貯留されたオイルをエンジン10の被潤滑部へ供給した後にエンジン10を停止し、再度エンジン10を始動させた場合におけるオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
なお、制御部は、ステップS31においてオイル再入れ替え処理を行う場合には、エンジン10の回転数とエンジン10の負荷とに基づいて、第1弁130および第2弁132の制御態様を変更した上で、第1弁130および第2弁132を制御してもよい。例えば、制御部は、オイル再入れ替え処理を行う場合において、エンジン10の回転数とエンジン10の負荷とが低い場合には、オイルの入れ替え量が減少するように第1弁130および第2弁132の制御態様を変更する、あるいはオイルが分割されて入れ替えられるように第1弁130および第2弁132の制御態様を変更する等の処理を行ってもよい。
ここで、ステップS31のオイル再入れ替え処理が行われた直後に、例えばエンジン10の運転状態がアイドリング状態になった場合を考えてみる。この場合、エンジン10の吸入空気量が少なくなることから、希釈されたオイルがエンジン10の被潤滑部に供給された場合には、排気エミッションの悪化の可能性が高くなるおそれがある。
そこで、制御部は、オイル入れ替え処理を実行した後に、オイル再入れ替え処理を実行する場合において、例えばエンジン10の運転状態がアイドリング状態となる可能性が高いと考えられる程度にエンジン10の回転数が低く、エンジン10の負荷も低いような場合には、オイル再入れ替え処理時のオイルの入れ替え量が少なくなるように第1弁130および第2弁132を制御する。あるいは、制御部は、1回当たりのオイルの入れ替え量を少なくするために、オイルが分割して入れ替えられるように第1弁130および第2弁132を制御する。それにより、オイル再入れ替え処理が行われた直後にエンジン10の運転状態がアイドル状態になった場合に生じるオイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
なお、本実施例において、制御部は、スロットルポジションセンサ22の検出結果、すなわちスロットル開度を取得することによって、エンジン10の負荷を取得しているが、これに限られない。例えば、制御部は、アクセルのアクセル開度、燃料噴射量、エアフロメータ20の検出結果等を取得することによって、エンジン10の負荷を取得してもよい。
続いて、実施例3に係るオイル潤滑装置40について説明する。本実施例に係るオイル潤滑装置40は、実施例1に係るオイル潤滑装置40とは、制御部の動作が異なる。具体的には、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部は、オイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)に基づいて第1弁130および第2弁132を制御する代わりに、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率と第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率とに基づいて第1弁130および第2弁132を制御する点において、実施例1に係るオイル潤滑装置40の制御部と異なる。
詳しくは、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部は、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率が第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率に比較して大きい場合に、第2流路124が連通状態となるように第1弁130を制御するとともに、第3流路126が連通状態となるように第2弁132を制御する、すなわちオイル入れ替え処理を実行する。
なお、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率および第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率としては、各種センサ類によって検出した値を用いてもよく、あるいは、推測された値を用いてもよい。
例えば、オイル希釈率は、「オイルに含まれる燃料量」を、「オイル量」で除することによって求められる。このうち、「オイル量」については、オイルパン60に貯留されているオイルの量またはオイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルの量を測定することによって求められる。
また、「オイルに含まれる燃料量」は、「エンジン10に供給された燃料量」から「オイルから揮発した燃料量」を差し引くことによって求められる。あるいは、「オイルに含まれる燃料量」は、オイルの温度とエンジン10の運転時間とオイルに含まれる燃料量の増加量との関係を示すマップを事前に準備しておき、そのマップを参照することによって求めてもよい。
「エンジン10に供給された燃料量」は、ECU140が記憶している燃料噴射マップから求められる。また、「オイルから揮発した燃料量」は、例えば、エアフロメータ20の検出結果をA/Fセンサ24の検出結果で除した値を用いてもよい。あるいは、「オイルから揮発した燃料量」は、オイルの温度と、オイルの温度およびオイルから揮発した燃料量の関係を示すマップと、を参照することによっても求められる。
従って、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率および第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率は、上記方法によって、検出することができる。
あるいは、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率および第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率は、制御部が、オイル入れ替え処理の実行履歴から推測した値を用いてもよい。例えば、オイル入れ替え処理およびオイル再入れ替え処理を実行した場合には、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率および第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率は、それぞれ0としてもよい。
ここで、例えば、オイルパン60に貯留されたオイルの温度(油温)が実施例1に係るオイル入れ替え処理を実行するための条件に到達しない状態、すなわち、油温が図4のステップS8のTOIL0に到達しない状態で、エンジン10の停止および始動を繰り返した場合を考えてみる。この場合、オイル入れ替え処理が実行されないことから、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈量は極めて高くなるおそれがある。
そして、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈量が極めて高くなった状態で、エンジン10が始動されて、実施例1に係るオイル入れ替え処理が実行された後に、図5に示す実施例2に係るオイル再入れ替え処理の実行条件が満たされずに、エンジン10が停止された場合、すなわち、実施例2に係るオイル再入れ替え処理が実行されない状態でエンジン10が停止された場合を考えてみる。この場合、オイルタンク70の第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率は極めて高くなるおそれがある。オイルタンク70の第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率が極めて高い状態で、エンジン10が再び始動されて、実施例1に係るオイル入れ替え処理が実行された場合には、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化が生じるおそれがある。本実施例に係るオイル潤滑装置40は、この点に鑑みて発明された。
図6は、本実施例に係るオイル潤滑装置40の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。制御部は、所定時間毎に図6に示すフローチャートを繰り返し実行する。図6に示すように、まず、制御部は、エンジン10が始動された直後であるか否かを判断する(ステップS41)。
ステップS41において、エンジン10が始動された直後であると判断された場合には、制御部は、現在オイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFP)および現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)を取得するとともに、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)を0にセットし、オイル入れ替え処理実行フラグ(M)を0にセットする(ステップS42)。
ここで、現在オイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFP)としては、例えば前回エンジン10を停止したときにオイルパン60に貯留されていたオイルのオイル希釈率(DFP0)を用いることができる。また、現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)としては、例えば前回エンジン10を停止したときにオイルタンク70の第1室100に貯留されていたオイルのオイル希釈率(DFT0)を用いることができる。
なお、前回エンジン10を停止したときにオイルパン60に貯留されていたオイルのオイル希釈率(DFP0)および前回エンジン10を停止したときにオイルタンク70の第1室100に貯留されていたオイルのオイル希釈率(DFT0)は、各種センサ類によって検出された値を用いてもよく、オイル入れ替え処理の実行履歴によって推測された値を用いてもよい。例えば、前回エンジン10を停止する前に、オイル入れ替え処理およびオイル再入れ替え処理を実行した場合には、前回エンジン10を停止したときにオイルパン60に貯留されていたオイルのオイル希釈率(DFP0)および前回エンジン10を停止したときにオイルタンク70の第1室100に貯留されていたオイルのオイル希釈率(DFT0)は、それぞれ0としてもよい。
次いで、制御部は、油温を取得する(ステップS47)。なお、取得された油温をTSとする。
一方、ステップS41においてエンジン10が始動直後であると判断されなかった場合には、制御部は、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)が2であるか否かを判断する(ステップS43)。ステップS43においてオイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)が2であると判断されなかった場合には、制御部は、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)が1であるか否かを判断する(ステップS44)。ステップS44において、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)が1であると判断されなかった場合には、制御部は、ステップS47を実行する。
ステップS44において、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)が1であると判断された場合には、制御部は、現在オイルタンク70に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)および現在オイルパン60の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFP)を取得する(ステップS45)。例えば、制御部は、図4に示すオイル入れ替え処理を実行する前のオイルパン60に貯留されていたオイルのオイル希釈率(DFP1)を現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)とするとともに、現在オイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFP)を0とする。次いで、制御部は、ステップS47を実行する。
ステップS43において、オイル入れ替え処理実行回数判断フラグ(R)が2であると判断された場合には、制御部は、現在オイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFP)および現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)を取得する(ステップS46)。例えば、制御部は、現在オイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFP)を0とし、現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)を0とする。次いで、制御部は、ステップS47を実行する。
制御部は、ステップS47を実行した後には、ステップS47において取得された油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも小さいか否かを判断する(ステップS48)。所定の温度(TS0)としては、例えば、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化が生じ難い温度(例えば、常温)を用いることができる。
ステップS48において、ステップS47において取得された油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも小さいと判断された場合には、制御部は、Δt時間経過後のオイルパン60のオイルのオイル希釈率の推測値(DFP2)を取得する(ステップS49)。例えば、制御部は、現在オイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率を用いて、現在オイルパン60に貯留されているオイルに含まれる燃料量を算出する。そして、制御部は、算出された燃料量に、Δt時間経過後のオイルパン60に貯留されているオイルに含まれる燃料の増加量(A)を加えることによって、Δt時間経過後のオイルパン60に貯留されているオイルに含まれる燃料量を取得することができる。制御部は、Δt時間経過後のオイルパン60に貯留されているオイルに含まれる燃料量から、Δt時間経過後のオイル希釈率の推測値(DFP2)を取得することができる。なお、Δt時間経過後のオイルパン60に貯留されているオイルに含まれる燃料の増加量(A)は、例えば、油温(TS)と時間(Δt)とオイルに含まれる燃料の増加量(A)との関係を示すマップをあらかじめ準備しておき、そのマップを参照することによって取得することができる。
次いで制御部は、ステップS49において取得されたオイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率の推測値(DFP2)が、現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)よりも大きいか否かを判断する(ステップS50)。
一方、ステップS48において、ステップS47において取得された油温(TS)が所定の温度(TS0)よりも小さいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS50を実行する。
ステップS50において、ステップS49において取得されたオイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率の推測値(DFP2)が現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)よりも大きいと判断された場合には、制御部は、オイル入れ替え処理実行フラグ(M)を1にセットする(ステップS51)。次いで、制御部は、オイル入れ替え処理実行フラグ(M)が1にセットされているか否かを判断する(ステップS52)。
一方、ステップS50において、ステップS49において取得されたオイルパン60に貯留されているオイルのオイル希釈率の推測値(DFP2)が現在オイルタンク70の第1室100に貯留されているオイルのオイル希釈率(DFT)よりも大きいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS52を実行する。
ステップS52において、オイル入れ替え処理実行フラグ(M)が1にセットされていると判断された場合には、制御部は、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいか否かを判断する(ステップS53)。なお、所定の値(S0)としては、特に限定されないが、例えば、後述するオイル入れ替え処理を実行するのに必要なオイルの量が第1室100に貯留されていると考えられる仕切り部80の位置に相当する値を用いることができる。
ステップS53において、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいと判断された場合には、制御部は、オイル入れ替え処理を実行する(ステップS54)。具体的には、制御部は、第2流路124が連通状態となるように第1弁130の弁位置を切り替えるとともに第3流路126が連通状態となるように第2弁132の弁位置を開にする。それにより、第1室100に貯留されているオイルがオイルポンプ50を介してエンジン10の被潤滑部に供給されるとともに、オイルパン60に貯留されているオイルが第2室110へ流入する。次いで、制御部は、フローチャートの実行を終了する。
一方、ステップS52において、オイル入れ替え処理実行フラグ(M)が1にセットされていると判断されなかった場合には、制御部は、オイル入れ替え処理を実行しない(ステップS55)。この場合、既に第1流路122が連通状態であり、かつ第3流路126が遮断状態の場合には、制御部は、その状態を維持する。また、第2流路124が連通状態であり、かつ第3流路126が連通状態の場合には、制御部は、第1流路122が連通状態となるように第1弁130の弁位置を切り替えるとともに、第3流路126が遮断状態となるように第2弁132の弁位置を閉にする。次いで、制御部は、フローチャートの実行を終了する。
ステップS53において、仕切り部80の位置(S)が所定の値(S0)よりも小さいと判断されなかった場合には、制御部は、ステップS55を実行する。
本実施例に係るオイル潤滑装置40によれば、制御部は、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率と第1室100に貯留されたオイルのオイル希釈率とに基づいて、第1弁130および第2弁132を制御する。それにより、オイルパン60に貯留されたオイルのオイル希釈率に比較して小さいオイル希釈率を有するオイルをエンジン10の被潤滑部に供給することができることから、オイル希釈に起因する排気エミッションの悪化を抑制することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の第1実施例に係るオイル潤滑装置が用いられる車両の全体構成を示す模式図である。 図2(a)は、第1室の圧力に比較して第2室の圧力が高い場合の逆止弁の模式的断面図である。図2(b)は、第1室の圧力と第2室の圧力とが同じ場合の逆止弁の模式的断面図である。 図3(a)は、オイルが第2室に流入する前のオイルタンクの様子を示す模式的断面図である。図3(b)は、オイルが第2室に流入した場合のオイルタンクの様子を示す模式的断面図である。 実施例1に係るオイル潤滑装置の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 実施例2に係るオイル潤滑装置の制御部が、図4に示すフローチャートを実行した後に行う動作の一例を示すフローチャートである。 実施例3に係るオイル潤滑装置の制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
5 車両
10 エンジン
18 クランクポジションセンサ
20 エアフロメータ
22 スロットルポジションセンサ
24 A/Fセンサ
30 MIL
40 オイル潤滑装置
50 オイルポンプ
60 オイルパン
62 蛇行流路
66 温度センサ
70 オイルタンク
80 仕切り部
86 仕切り部位置センサ
90 逆止弁
100 第1室
110 第2室
120 配管部
122 第1流路
124 第2流路
126 第3流路
128 第4流路
130 第1弁
132 第2弁
134 チェック弁
140 ECU

Claims (6)

  1. エンジンの被潤滑部に対してオイルを吐出するオイルポンプと、
    前記被潤滑部に対して吐出されたオイルを回収して貯留するオイルパンと、
    上下方向に移動可能な仕切り部によって第1室と第2室とに区画され、前記第1室および前記第2室にオイルを貯留するオイルタンクと、
    前記オイルパンに貯留されたオイルの前記オイルポンプへの流入と前記第1室に貯留されたオイルの前記オイルポンプへの流入とを切り替えられ、前記第1室に貯留されたオイルが前記オイルポンプへ流入する場合には、前記オイルパンに貯留されたオイルが前記第2室へ流入するように構成された配管部と、を備え
    前記仕切り部は逆止弁を有し、
    前記逆止弁は、前記第1室に貯留されたオイルが前記オイルポンプへ流入する場合には、前記第2室に貯留されたオイルの前記第1室への流入を抑制し、前記第1室に貯留されたオイルが前記オイルポンプへ流入しない場合には、前記第2室に貯留されたオイルの前記第1室への流入を許可することを特徴とするオイル潤滑装置。
  2. 前記オイルパンには蛇行流路が形成されていることを特徴とする請求項1記載のオイル潤滑装置。
  3. 前記配管部は、前記オイルパンに貯留されたオイルを前記オイルポンプへ流入させる第1流路と、前記第1室に貯留されたオイルを前記オイルポンプへ流入させる第2流路と、前記オイルパンに貯留されたオイルを前記第2室へ流入させる第3流路と、前記第1流路および前記第2流路のいずれか一方を連通状態とし他方を遮断状態とする第1弁と、前記第3流路の連通状態と遮断状態とを切り替える第2弁と、を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のオイル潤滑装置。
  4. 前記オイルパンに貯留されたオイルの温度に基づいて前記第1弁および前記第2弁を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項記載のオイル潤滑装置。
  5. 前記制御部は、前記オイルパンに貯留されたオイルの温度に基づいて前記第1弁および前記第2弁を制御した後に、さらに前記オイルパンに貯留されたオイルの温度と、前記エンジンの回転数と、前記エンジンの負荷と、に基づいて前記第1弁および前記第2弁を制御することを特徴とする請求項記載のオイル潤滑装置。
  6. 前記オイルパンに貯留されたオイルのオイル希釈率と前記第1室に貯留されたオイルのオイル希釈率とに基づいて、前記第1弁および前記第2弁を制御する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項記載のオイル潤滑装置。
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