以下、本発明の実施の形態に係る光ディスク装置および光ディスク再生方法を、図面に基づいて説明する。光ディスク再生方法は、光ディスク装置の動作の一部として説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る光ディスク装置1を示す構成図である。光ディスク装置1は、CD、DVDおよびBDの3種類の光ディスク2を再生することができるものである。
光ディスク装置1は、この3種類の光ディスク装置1が共通に装着されるターンテーブル11を有する。ターンテーブル11は、円錐の先端を切断した形状を有し、光ディスク装置1に装着される光ディスク2の内孔に挿入される。ターンテーブル11は、ドライブモータ12により、回転可能に軸支される。ドライブモータ12は、ターンテーブル11およびそれに装着される光ディスク2を回転駆動する。
光ディスク装置1は、ピックアップ13を有する。ピックアップ13は、対物レンズ14を有する。対物レンズ14は、レーザ光を収束する。ピックアップ13は、ターンテーブル11に装着される光ディスク2の読取面に対物レンズ14が対向するように配設される。
また、ピックアップ13は、光ディスク2の読取面を基準として、その面と接離する方向に可動可能に配設される。ピックアップ13のその可動範囲内の位置は、アクチュエータ15により制御される。アクチュエータ15は、制御指示信号が供給されると、ピックアップ13の位置を、制御指示信号に応じて浮上制御する。なお、ピックアップ13は、その可動範囲の略中央の中立位置において、理論上の合焦が得られる。
図2は、図1の光ディスク装置1の切替機構などを示す分解斜視図である。切替機構は、トラバースシャーシ21と、モータシャーシ22と、スライダ23と、を有する。
トラバースシャーシ21は、平板形状を有する。トラバースシャーシ21は、ターンテーブル11に装着される光ディスク2の読取面と略平行に配設される。以下、このトラバースシャーシ21の光ディスク2の読取面に対向する側の面を、トラバースシャーシ21の表面と呼ぶ。
トラバースシャーシ21は、ピックアップ駆動軸26を保持する。対物レンズ14は、このピックアップ駆動軸26により軸支される。対物レンズ14は、ピックアップ駆動軸26の軸方向へ移動可能である。対物レンズ14は、ターンテーブル11に装着される光ディスク2の内側から外側にかけて移動可能である。
モータシャーシ22は、上面部22aおよび一対の側面部22bにより構成される。上面部22aおよび一対の側面部22bの内側に、ドライブモータ12が取り付けられる。モータシャーシ22の上面部22aは、トラバースシャーシ21の裏面と対向する。モータシャーシ22に取り付けられるドライブモータ12の駆動軸12aは、上面部22aおよびトラバースシャーシ21を貫通し、トラバースシャーシ21の表面側へ突出する。ドライブモータ12の駆動軸12aの先端には、ターンテーブル11が取り付けられる。モータシャーシ22の上面部22aには、上方へ突出する3つの突起部22cが形成される。3つの突起部22cは、トラバースシャーシ21に開設された3つの貫通孔21aに挿入される。
スライダ23は、籠部23aを有する。籠部23a内には、モータシャーシ22およびドライブモータ12が載置される。スライダ23は、トラバースシャーシ21の裏面に沿って移動可能に取り付けられる。モータシャーシ22の3つの突起部22cがトラバースシャーシ21に挿入されているので、スライダ23が移動しても、モータシャーシ22およびドライブモータ12は、籠部23a内で移動し、一定の位置を維持する。
スライダ23の籠部23aの側面には、3段の階段状の長孔23bが形成される。スライダ23の移動方向に沿って形成される。この3段の階段状の長孔23bには、モータシャーシ22の側面部22bから外側へ突出する突起部22dが挿入される。スライダ23が移動すると、突起部22dは長孔23b内で移動する。長孔23bは、3段の階段状に形成されている。モータシャーシ22は、この3段の階段状の長孔23b内における突起部22dの位置に応じて、スライダ23の籠部23a内で上下方向へ3段階に移動する。つまり、スライダ23が移動すると、ターンテーブル11は、上下方向へ3段階に移動する。
このターンテーブル11の上下方向へ3段階の位置は、以下のように設定されている。以下の3つの位置が得られるように、3段の階段状の長孔23bは形成される。すなわち、ターンテーブル11に装着されたCDの記録面から、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの理論上の合焦が得られる位置)による位置が、ピックアップ13におけるCD中立位置となる高さ位置と、ターンテーブル11に装着されたDVDの記録面から、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの理論上の合焦が得られる位置)による位置が、ピックアップ13におけるDVD中立位置となる高さ位置と、ターンテーブル11に装着されたBDの記録面から、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの理論上の合焦が得られる位置)による位置が、ピックアップ13におけるBD中立位置となる高さ位置との、3段階の高さ位置となるように、設定されている。
なお、共通の対物レンズ14を使用した場合、この3つの高さ位置は、CDの場合に最も高くなり、BDの場合に最も低くなる。光ディスク2の読取面から、対物レンズ14までの距離は、CDの場合に最も短くなり、BDの場合に最も長くなる。
また、スライダ23は、複数のギア歯23cを有する。複数のギア歯23cは、スライダ23の移動方向に沿って直線状に並べて形成される。この複数のギア歯23cには、切替モータ24により回転駆動される歯車25が噛み合わされる。切替モータ24により歯車25が回転駆動されると、スライダ23は、トラバースシャーシ21の裏面に沿って移動する。
図1に説明を戻す。光ディスク装置1は、上述した構成要素の他に、三波長切替投受光回路16、信号処理回路17、マイクロコンピュータ18などを有する。
三波長切替投受光回路16は、三種類の波長のレーザ光を切り替えて対物レンズ14へ出力する。三波長切替投受光回路16が出力する三種類のレーザ光は、CDの読取に使用する780ナノメートルの波長のレーザ光と、DVDの読取に使用する650ナノメートルの波長のレーザ光と、BDの読取に使用する405ナノメートルの波長のレーザ光である。対物レンズ14は、レーザ光を集光する。また、光ディスク2により反射されたレーザ光は、三波長切替投受光回路16により受光される。三波長切替投受光回路16は、受光するレーザ光の強さに応じてレベルが変化する読取信号を生成する。
信号処理回路17には、三波長切替投受光回路16が生成した読取信号が供給される。信号処理回路17は、読取信号から、FE(フォーカスエラー)信号、フォーカスドライブ信号、TE(トラッキングエラー)信号、トラッキングドライブ信号などのサーボ信号を生成する。信号処理回路17は、生成したサーボ信号をマイクロコンピュータ18へ出力する。
マイクロコンピュータ18は、図示外の入出力ポート、メモリ、CPU(中央処理装置)などを有する。CPUは、メモリに記憶される光ディスク装置1の制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、マイクロコンピュータ18には、判断手段としての種類判断部31、切替制御手段としての切替制御部32、外乱補正値演算部33、BPF(バンドパスフィルタ)部34、レベル判定部35、共振抑制補正値演算部36、加算部37などが実現される。マイクロコンピュータ18の入出力ポートには、信号処理回路17の他にも、マイクロコンピュータ18の制御により動作するアクチュエータ15、ドライブモータ12、切替モータ24などが接続される。
なお、マイクロコンピュータ18のメモリに記憶される制御プログラムは、光ディスク装置1の出荷時にそのメモリに記憶されているものであっても、光ディスク装置1の出荷後にそのメモリに記憶されているものであってもよい。また、マイクロコンピュータ18のメモリに記憶される制御プログラムは、その一部が光ディスク装置1の出荷後にそのメモリに記憶されているものであってもよい。光ディスク装置1の出荷後にメモリに記憶される制御プログラムは、たとえばCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
種類判断部31は、ターンテーブル11に装着されている光ディスク2の種類を判断する。種類判断部31は、ターンテーブル11に装着されている光ディスク2が、CD、DVDおよびBDの中のどの種類の光ディスク2であるかを判断する。
切替制御部32は、切替モータ24の動作を制御する。切替制御部32は、モータシャーシ22およびターンテーブル11の高さ位置が、ターンテーブル11に装着されている光ディスク2の種類に応じた高さ位置となるように、切替モータ24の動作を制御する。
外乱補正値演算部33は、光ディスク2の再生中に補正値を演算する。外乱補正値演算部33は、たとえばFE信号やTE信号が最適な状態から変化すると、最適な状態からの変化の程度に応じた補正値を演算する。すなわち、外乱補正値演算部33は、最適な状態からの変化量が大きいほど、大きな値の補正値を演算する。
再生時には、光ディスク2は回転駆動される。回転する光ディスク2には、対物レンズ14により集光されたレーザ光が照射される。三波長切替投受光回路16の読取信号は、光ディスク2の面ぶれ、偏心、傷、フィンガープリント、インターラプションなどに起因する外乱により、変化する。外乱補正値演算部33は、これらの外乱による読取信号の乱れを打ち消す補正値を演算する。
BPF部34は、光ディスク2の再生中のFE信号から、所定の周波数成分を抽出する。アクチュエータ15がピックアップ13を浮上制御すると、ピックアップ13に振動が発生してしまうことがある。この振動は、たとえばアクチュエータ15とピックアップ13を保持する図示外のワイヤの振動などによって生じるものであり、ピックアップ13に固有の所定の共振周波数での振動である。
レベル判定部35は、BPF部34が抽出した所定の共振周波数成分のレベルを判定する。レベル判定部35は、所定の共振周波数成分のレベルが所定の閾値以上であるとき、共振周波数成分有りと判断し、所定の閾値より小さいとき、共振周波数成分無しと判断する。
共振抑制補正値演算部36は、レベル判定部35の判定結果に応じて補正値を演算する。共振抑制補正値演算部36は、初期値が「0」であり、アクチュエータ15への制御指示信号へ反映可能な値の範囲内の一部の範囲内で更新される補正値を演算する。すなわち、共振抑制補正値演算部36は、共振周波数成分有りの判断結果の場合、共振周波数成分を減らすように、現在の補正値に所定の値を加減算する。共振抑制補正値演算部36は、共振周波数成分有りの判断結果の場合、所定の値の範囲内で補正値を更新する。共振抑制補正値演算部36は、現在の補正値が所定の値の範囲の上限値あるいは下限値となっているとき、その上限値あるいは下限値の補正値を維持する。また、共振抑制補正値演算部36は、共振周波数成分無しの判断結果の場合、補正値を更新しない。補正値は、それ以前に更新された値に維持される。
加算部37は、外乱補正値演算部33が生成した補正値と、共振抑制補正値演算部36が生成した補正値とを加算する。加算部37は、演算結果の値に応じた制御指示信号を、アクチュエータ15へ出力する。アクチュエータ15は、制御指示信号により、ピックアップ13を浮上位置へ制御する。ピックアップ13は、加算部37の演算結果の値に応じた浮上位置に制御される。
次に、以上の構成を有する図1の光ディスク装置1の動作を説明する。
図3は、図1の光ディスク装置1に光ディスク2が装着されたときに実行される切替処理の流れを示すフローチャートである。ターンテーブル11に光ディスク2が装着されると、マイクロコンピュータ18の種類判断部31は、光ディスク2が装着されたと判断し(ステップST1)、光ディスク2の種類判断処理を開始する(ステップST2)。
光ディスク2の種類判断処理(ステップST2)において、種類判断部31は、たとえばアクチュエータ15により、ピックアップ13をその可動範囲の下限位置(光ディスク2から最も離れる位置)から上限位置(光ディスク2に最も近づく位置)まで一定の速度で移動させ、その間のFE信号やTE信号を監視する。そして、種類判断部31は、その一定の速度での移動走査において、最初のFE信号が検出されてから、2つ目のFE信号が検出されるまでの時間の長さに基づいて、装着されている光ディスク2の種類を判断する。
ピックアップ13をその可動範囲の下限位置から上限位置まで移動する走査において、三波長切替投受光回路16が出力するレーザ光は、まず、光ディスク2の読取面により反射され、次に、光ディスク2の記録面により反射される。これらの反射光があるとき、三波長切替投受光回路16は、有意な読取信号を生成し、信号処理回路17は、FE信号やTE信号を生成する。光ディスク2の読取面から記録面までの距離は、CDでは1.2ミリメートルであり、DVDでは0.6ミリメートルであり、BDでは、0.1ミリメートルである。したがって、ピックアップ13の下限位置から上限位置まで移動速度が一定であるとき、2つの反射光が得られる時間間隔は、光ディスク2の種類に応じて異なる値となる。種類判断部31は、2つの反射光が得られる時間間隔に基づいて、光ディスク2の種類を判断する。種類判断部31は、装着されている光ディスク2の種類の判断結果を、切替制御部32へ供給する。
種類判断部31により光ディスク2の種類が判断されると、切替制御部32は、種類判断部31により判断された光ディスク2の種類を確認し、光ディスク2の種類に応じた切替処理を実行する。具体的には、切替制御部32は、まず、判断された光ディスク2の種類がBDであるか否かを判断する(ステップST3)。
そして、判断された光ディスク2の種類がBDである場合、切替制御部32は、モータシャーシ22の高さ位置がBDへの理論上の合焦が得られる位置となるように切替モータ24を駆動させる(ステップST4)。切替制御部32は、モータシャーシ22の高さ位置が光ディスク2から最も離れる位置となるように、切替モータ24を駆動させる。この最も離れた高さ位置への駆動により、スライダ23は、図1において右方向へ移動し、モータシャーシ22は、降下する。これにより、実際に装着されている光ディスク2がBDである場合、そのBDの記録面から、中立位置にいる対物レンズ14までの距離は、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの合焦距離)となる。
判断された光ディスク2がBDである場合の切替制御部32による切替処理が完了すると、光ディスク装置1は、BDを読み取る再生処理を開始する(ステップST5)。光ディスク装置1は、まず、アクチュエータ15により、ピックアップ13を中立位置とする。共振抑制補正値演算部36の補正値を0にリセットする。
その後、光ディスク装置1は、ドライブモータ12により光ディスク2の回転駆動を開始し、ピックアップ駆動軸26の軸方向へピックアップ13を移動させる。三波長切替投受光回路16は、BD用のレーザ光を、対物レンズ14へ出力する。三波長切替投受光回路16は、回転する光ディスク2により反射されたレーザ光を受光し、受光するレーザ光の強さに応じてレベルが変化する読取信号を生成する。信号処理回路17は、読取信号から、FE信号、フォーカスドライブ信号、TE信号、トラッキングドライブ信号などのサーボ信号を生成し、マイクロコンピュータ18へ供給する。
マイクロコンピュータ18の外乱補正値演算部33は、FE信号やTE信号が最適な状態から変化すると、その変化量に応じた補正値を演算する。外乱補正値演算部33は、これらの外乱による読取信号の乱れを打ち消すための補正値を演算する。
また、マイクロコンピュータ18のBPF部34は、FE信号から所定の固有の共振周波数成分を抽出する。レベル判定部35は、BPF部34により抽出された周波数成分のレベルが、所定の閾値以上であるとき、共振周波数成分有りと判断し、所定の閾値より小さいとき、共振周波数成分無しと判断する。
図4は、図1中の共振抑制補正値演算部36の処理の流れを示すフローチャートである。共振抑制補正値演算部36は、光ディスク装置1において再生処理が開始されると(ステップST11)、まず、FE信号中の、所定の固有の共振周波数成分のレベルが所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップST12)。共振抑制補正値演算部36は、具体的には、レベル判定部35の判定結果を用いて、共振周波数成分のレベルが所定の閾値以上であるか否かを判断する。
レベル判定部35が共振周波数成分有りと判断した場合、共振抑制補正値演算部36は、共振周波数成分を減らすように、自らが出力する補正値を更新する(ステップST13)。共振抑制補正値演算部36は、所定の値の範囲内で、補正値を増減する。
レベル判定部35が共振周波数成分有りと判断しない場合、共振抑制補正値演算部36は、補正値を更新しない。補正値は、それ以前に更新された値に維持される。
共振周波数成分有り無しの判断に応じた補正値の演算処理が終了すると、共振抑制補正値演算部36は、再生処理が終了したか否かを判断する(ステップST14)。再生処理が終了していない場合、共振抑制補正値演算部36は、レベル判定部35による共振周波数成分有り無しの判断結果に基づいて、必要に応じた補正値の更新処理を繰り返し実行する(ステップST12からST14)。再生処理が終了すると、共振抑制補正値演算部36は、更新処理を終了する。
共振抑制補正値演算部36は、所定の値の範囲内で補正値を更新する。したがって、レベル判定部35が共振周波数成分有りと判断し続けている場合、共振抑制補正値演算部36が生成する補正値は、その範囲の上限値あるいは下限値となる。共振抑制補正値演算部36は、その後の更新処理では、その上限値あるいは下限値の補正値を維持する。
外乱補正値演算部33により、外乱による読取信号の乱れを打ち消すための補正値が演算され、共振抑制補正値演算部36により、ピックアップ13に生じる所定の固有の共振周波数成分を抑えるための補正値が演算されると、加算部37は、これらの値を加算する。加算部37は、これらの補正値を加算し、その演算結果の値に応じた制御指示信号を、アクチュエータ15へ出力する。アクチュエータ15は、ピックアップ13の位置を、制御指示信号に応じた位置へ制御する。アクチュエータ15は、再生が終わるまで、加算部37ら供給される制御指示信号に応じた位置制御により、ピックアップ13の位置を制御し続ける。
以上の補正値に基づくアクチュエータ15の制御により、ピックアップ13は、再生中に、面ぶれ、偏心、傷、フィンガープリント、インターラプションなどに起因する外乱に応じて、その位置が変化する。また、ピックアップ13は、それに発生する固有の共振周波数成分を減らすように、その位置が変化する。アクチュエータ15は、ピックアップ13の可動範囲を利用して、これらの再生時に生じる変動に応じて、ピックアップ13の位置を制御する。
説明を図3に戻す。ステップST3において、判断された光ディスク2の種類がBDではないと判断した場合、切替制御部32は、さらに、判断された光ディスク2の種類がDVDであるか否かを判断する(ステップST6)。
そして、判断された光ディスク2の種類がDVDである場合、切替制御部32は、モータシャーシ22の高さ位置がDVDへの理論上の合焦が得られる位置となるように切替モータ24を駆動させる(ステップST7)。切替制御部32は、モータシャーシ22の高さ位置が中間位置となるように、切替モータ24を駆動させる。切替モータ24の駆動により、スライダ23は、図1に図示する位置となるように中央へ向かって移動し、モータシャーシ22は、中間位置となる。これにより、実際に装着されている光ディスク2がDVDである場合、そのDVDの記録面から、中立位置にいる対物レンズ14までの距離は、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの合焦距離)となる。
判断された光ディスク2がDVDである場合の切替制御部32による切替処理が完了すると、光ディスク装置1は、DVDを読み取る再生処理を開始する(ステップST5)。DVDの再生処理における光ディスク装置1の処理の流れは、判断された光ディスク2がBDである場合の再生処理の流れと同様であり、説明を省略する。
ステップST6において、判断された光ディスク2の種類がDVDではないと判断した場合、切替制御部32は、さらに、判断された光ディスク2の種類がCDであるか否かを判断する(ステップST8)。
そして、判断された光ディスク2の種類がCDである場合、切替制御部32は、モータシャーシ22の高さ位置がCDへの理論上の合焦が得られる位置となるように切替モータ24を駆動させる(ステップST9)。切替制御部32は、モータシャーシ22の高さ位置が上昇位置となるように、切替モータ24を駆動させる。切替モータ24の駆動により、スライダ23は、図1において左方向へ移動し、モータシャーシ22は、上昇する。これにより、実際に装着されている光ディスク2がCDである場合、CDの記録面から、中立位置にいる対物レンズ14までの距離は、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの合焦距離)となる。
判断された光ディスク2がCDである場合の切替制御部32による切替処理が完了すると、光ディスク装置1は、CDを読み取る再生処理を開始する(ステップST5)。CDの再生処理における光ディスク装置1の処理の流れは、判断された光ディスク2がBDである場合の再生処理の流れと同様であり、説明を省略する。
ステップST8において、判断された光ディスク2の種類がCDではないと判断した場合、切替制御部32は、光ディスク装置1に装着されている光ディスク2が再生不能のものであると判断し、ノーディスク処理を開始する(ステップST10)。このノーディスク処理において、光ディスク装置1は、ターンテーブル11に装着されている光ディスク2を排出する処理や、再生可能でない旨を表示や音などにより報知する処理などを実行する。
以上のように、この実施の形態1によれば、種類判断部31は、ターンテーブル11に光ディスク2が装着されると、その載置された光ディスク2の種類を、CD、DVDおよびBDの中から判断する。切替制御部32は、種類判断部31による判断された光ディスク2の種類に基づいて、ターンテーブル11に載置される光ディスク2とピックアップ13との距離を、光ディスク2の種類毎に予め設定された、光ディスク2へ照射する光の合焦距離に近づくように切り替えられる。
図5は、切替機構を有するこの実施の形態1の光ディスク装置1と、切替機構を持たない比較例の光ディスク装置との、光ディスク2の種類毎の合焦状態を示す説明図である。図5の上段は、この実施の形態1の光ディスク装置1によるBD、DVDおよびCDに対する合焦状態を示すものであり、図5の下段は、その比較例の光ディスク装置によるBD、DVDおよびCDに対する合焦状態を示すものである。
そして、図5の上段に示すように、切替機構を有するこの実施の形態1の光ディスク装置1では、切替機構の切替動作によりピックアップ13の位置が光ディスク2の種類に対応して昇降され、ピックアップ13は、中立位置(ピックアップ13の可動範囲の中央の位置)のままで、各種の光ディスク2の記録面に合焦する。その結果、実施の形態1の光ディスク装置1のアクチュエータ15は、光ディスク2がどの種類のものであったとしても、それによるピックアップ13の可動範囲を、光ディスク2を再生するときに生じる変動を抑えるために使用することができる。
これに対して、図5の下段に示すように、切替機構を持たない比較例の光ディスク装置では、ピックアップ13は、BDである場合のみで、中立位置(ピックアップ13の可動範囲の中央の位置)のままで光ディスク2の記録面に合焦する。光ディスク2がDVDやCDである場合、ピックアップ13は、浮上位置において光ディスク2の記録面に合焦する。
その結果、比較例の光ディスク装置では、アクチュエータ15は、光ディスク2がDVDやCDである場合、光ディスク2を再生するときに生じる変動を抑えるために使用することができるピックアップ13の可動範囲が少なくなってしまう。図5の下段の例では、ピックアップ13を上方へ動かす範囲が少なくなっている。したがって、この比較例の光ディスク装置では、DVDやCDを再生するときに、面ぶれ、偏心、傷、フィンガープリント、インターラプションなどに起因する外乱が生じると、光ディスク2を再生することができなくなってしまう。DVDのみを再生する光ディスク装置1や、CDを再生するのみを再生する光ディスク装置1などにあっては再生可能な光ディスク2であっても、その光ディスク2を再生することができない場合が生じてしまう。
また、この比較例の光ディスク装置では、光ディスク2がDVDやCDである場合、外乱が無いときでも、ピックアップ13は浮上位置に維持される。アクチュエータ15の負荷は大きい。アクチュエータ15は、常に、ピックアップ13を浮上させるための駆動電流を流し続ける必要がある。その結果、光ディスク装置1の消費電流が増え、光ディスク装置1の内部に発生する熱量が増加する。また、この定常的に流れる駆動電流により、たとえば光ディスク装置1のグランド電位などが変動し、光ディスク装置1が生成する音声信号や画像信号が歪み、再生品質が悪化してしまう。
このように、この実施の形態1の構成を採用すれば、光ディスク装置1は、CD、DVDおよびBDの3種類の光ディスク2に対して、切替機構の切替制御により合焦を得ることができる。光ディスク装置1は、ピックアップ13を略中立位置としたままで、3種類の光ディスク2に対して理論上の合焦を得ることができる。光ディスク装置1は、アクチュエータ15によるピックアップ13の可動範囲を少なくすることなく、3種類の光ディスク2に対して理論上の合焦を得ることができる。
その結果、アクチュエータ15は、3種類の光ディスク2に対して理論上の合焦を得るために、ピックアップ13を浮上位置に維持するように制御し続ける必要はない。また、アクチュエータ15は、ピックアップ13を浮上させるための電流を流し続ける必要がない。駆動電流を、1種類の光ディスク2のみに対応する光ディスク装置1での駆動電流と同等レベルに抑えることができる。
また、アクチュエータ15は、光ディスク2がどの種類のものであったとしても、ピックアップ13の可動範囲を、外乱に応じて合焦を得るために利用することができる。アクチュエータ15は、1種類の光ディスク2のみに対応している光ディスク装置1のものと同等のピックアップ13の可動範囲を有効に利用して、面ぶれ、偏心、傷、フィンガープリント、インターラプションなどに起因する外乱に対応して、合焦が得られるようにピックアップ13を可動させる。光ディスク装置1は、1種類の光ディスク2のみに対応している光ディスク装置1が再生可能な、大きな面ぶれがある光ディスク2などについてもたとえば再生が可能となり、高いプレイアビリティを有する。光ディスク装置1は、合焦距離が互いに異なるCD、DVDおよびBDの3種類の光ディスク2を、高いプレイアビリティによりたとえば再生することができる。
この実施の形態1の切替機構は、トラバースシャーシ21に移動可能に取り付けられるスライダ23を、切替モータ24により移動することで、トラバースシャーシ21を基準としてモータシャーシ22を昇降させている。これにより、ターンテーブル11に載置される光ディスク2とピックアップ13との距離は、判断された光ディスク2の種類に応じた合焦距離に切り替えられる。
この実施の形態1の共振抑制補正値演算部36は、再生中のFE信号に、ピックアップ13に生じる所定の固有の共振周波数の成分が検出された場合、その成分を減らすように、ピックアップ13の可動範囲の一部を用いて、光ディスク2に対するピックアップ13の距離を変更する補正値を演算する。アクチュエータ15は、その補正値により、光ディスク2に対するピックアップ13の距離を変更する。
この変更制御により、ピックアップ13に生じている所定の固有の共振周波数の成分は減る。この実施の形態1の光ディスク装置1は、複数種類の光ディスク2に対して理論上の合焦を得るために、アクチュエータ15によりピックアップ13をその可動範囲内で大幅に異動させない。そのため、このようにピックアップ13の共振を積極的に減らすために可動範囲の一部を利用したとしても、外乱に応じて合焦を得るために利用可能な可動範囲をさほど狭めることはない。その結果、光ディスク装置1は、外乱に対する高い調整能力に加えて、ピックアップ13の共振を減らすことができ、より高いプレイアビリティを備えることができる。
実施の形態2.
図6は、本発明の実施の形態2に係る光ディスク装置3を示す構成図である。図7は、図6の光ディスク装置3の切替機構などを示す分解斜視図である。
実施の形態2に係る光ディスク装置3の切替機構は、ベースシャーシ41と、トラバースシャーシ42と、スライダの一部としての第一スライダ43と、スライダの一部としての第二スライダ44と、を有する。
ベースシャーシ41は、底面部41aと、底面部41aの対向する二辺に沿って立設される一対の側面部41bと、を有する。底面部41aの上には、ドライブモータ12が取り付けられる。ドライブモータ12の駆動軸12aの先端には、ターンテーブル11が取り付けられる。また、一対の側面部41bには、一対のU字溝41cが形成される。U字溝41cは、ドライブモータ12の駆動軸12aに沿って延びている。
トラバースシャーシ42は、上面部42aと、上面部42aの対向する二辺に沿って下方に向けて突出する一対の側面部42bと、を有する。トラバースシャーシ42の一対の側面部42bは、外向きに突出する一対の軸部42cを有する。一対の軸部42cは、ベースシャーシ41の一対のU字溝41c内に配設される。これにより、トラバースシャーシ42は、上記ベースシャーシ41上に、前記ドライブモータ12の駆動軸12aの方向に沿った方向へ昇降可能に保持される。
第一スライダ43および第二スライダ44は、平板形状を有する。第一スライダ43および第二スライダ44は、ベースシャーシ41の一対の側面部41bの外側に配設される。第一スライダ43には、ドライブモータ12の駆動軸12aと垂直な方向に沿って延びる2つの略長方形の長孔43aと、1つの3段の階段状の長孔43bとが形成される。第二スライダ44には、ドライブモータ12の駆動軸12aと垂直な方向に沿って延びる2つの略長方形の長孔44aと、1つの3段の階段状の長孔44bとが形成される。4つの略長方形の長孔43a,44aには、ベースシャーシ41の一対の側面部41bから、外向きに突出する突起部41dが挿入される。2つの3段の階段状の長孔43b,44bには、トラバースシャーシ42の一対の軸部42cが挿入される。
また、第一スライダ43および第二スライダ44は、複数のギア歯43c,44cを有する。複数のギア歯43c,44cは、ドライブモータ12の駆動軸12aと垂直な方向に沿って直線状に並べて形成される。この複数のギア歯43c,44cには、切替モータ24により回転駆動される歯車25が噛み合わされる。
切替モータ24により歯車25が回転駆動されると、第一スライダ43および第二スライダ44は、ドライブモータ12の駆動軸12aと垂直な方向へ直線的に移動する。トラバースシャーシ42の一対の軸部42cは、第一スライダ43および第二スライダ44に形成される一対の3段の階段状の長孔43b,44b内で移動する。一対の軸部42cは、ベースシャーシ41の一対のU字溝41c内に配設されているので、ドライブモータ12の駆動軸12aと垂直な方向へ移動できない。トラバースシャーシ42は、この一対の3段の階段状の長孔43b,44b内における一対の軸部42cの位置に応じて、上下方向へ3段階に移動する。つまり、第一スライダ43および第二スライダ44が移動すると、ピックアップ13は、上下方向へ3段階に移動する。また、図示しないチルト調整機構を有し、ピックアップ駆動軸26とディスク面とが平行になるように制御している。
このピックアップ13の上下方向へ3段階の位置は、以下のように設定されている。以下の3つの位置が得られるように、3段の階段状の長孔43b,44bは形成される。すなわち、ターンテーブル11に装着されたCDの記録面から、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの理論上の合焦が得られる位置)による位置が、ピックアップ13におけるCD中立位置となる高さ位置と、ターンテーブル11に装着されたDVDの記録面から、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの理論上の合焦が得られる位置)による位置が、ピックアップ13におけるDVD中立位置となる高さ位置と、ターンテーブル11に装着されたBDの記録面から、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの理論上の合焦が得られる位置)による位置が、ピックアップ13におけるBD中立位置となる高さ位置との、3段階の高さ位置となるように、設定されている。
実施の形態2の光ディスク装置3の上述した以外の構成要素は、実施の形態1の光ディスク装置1の同名の構成要素と同様の機能を奏するものであり、実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。
そして、この実施の形態2の光ディスク装置3に、光ディスク2が装着されると、種類判断部31は、光ディスク2の種類判断処理を開始する。また、種類判断部31により光ディスク2の種類が判断されると、切替制御部32は、種類判断部31により判断された光ディスク2の種類を確認し、光ディスク2の種類に応じた切替処理を実行する。
切替制御部32は、具体的には、まず、種類判断部31により判断された光ディスク2の種類がBDである場合、トラバースシャーシ42の高さ位置がBDへの理論上の合焦が得られる位置となるように切替モータ24を駆動させる。切替制御部32は、トラバースシャーシ42の高さ位置が光ディスク2から最も離れる位置となるように、切替モータ24を駆動させる。この最も離れた高さ位置への駆動により、第一スライダ43および第二スライダ44は、図6において右方向へ移動し、トラバースシャーシ42は、降下する。これにより、実際に装着されている光ディスク2がBDである場合、そのBDの記録面から、中立位置にいる対物レンズ14までの距離は、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの合焦距離)となる。その後、光ディスク装置3は、BDを読み取る再生処理を開始する。再生処理における三波長切替投受光回路16からアクチュエータ15までの構成要素の動作は、実施の形態1と同様であり説明を省略する。
これにより、ピックアップ13は、再生中に、面ぶれ、偏心、傷、フィンガープリント、インターラプションなどに起因する外乱に応じて、その位置が変化する。また、ピックアップ13は、それに発生する固有の共振周波数成分を減らすように、その位置が変化する。アクチュエータ15は、ピックアップ13の可動範囲を利用して、これらの再生時に生じる変動に応じて、ピックアップ13の位置を制御する。
種類判断部31により判断された光ディスク2の種類がBDではないと判断した場合、切替制御部32は、さらに、判断された光ディスク2の種類がDVDであるか否かを判断する。そして、判断された光ディスク2の種類がDVDである場合、切替制御部32は、トラバースシャーシ42の高さ位置がDVDへの理論上の合焦が得られる位置となるように切替モータ24を駆動させる。切替制御部32は、トラバースシャーシ42の高さ位置が中間位置となるように、切替モータ24を駆動させる。切替モータ24の駆動により、第一スライダ43および第二スライダ44は、図1に図示する位置となるように中央へ向かって移動し、トラバースシャーシ42は、中間位置となる。これにより、実際に装着されている光ディスク2がDVDである場合、そのDVDの記録面から、中立位置にいる対物レンズ14までの距離は、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの合焦距離)となる。その後、光ディスク装置3は、DVDを読み取る再生処理を開始する。
種類判断部31により判断された光ディスク2の種類がDVDではないと判断した場合、切替制御部32は、さらに、判断された光ディスク2の種類がCDであるか否かを判断する。そして、判断された光ディスク2の種類がCDである場合、切替制御部32は、トラバースシャーシ42の高さ位置がCDへの理論上の合焦が得られる位置となるように切替モータ24を駆動させる。切替制御部32は、トラバースシャーシ42の高さ位置が上昇位置となるように、切替モータ24を駆動させる。切替モータ24の駆動により、第一スライダ43および第二スライダ44は、図1において左方向へ移動し、トラバースシャーシ42は、上昇する。これにより、実際に装着されている光ディスク2がCDである場合、CDの記録面から、中立位置にいる対物レンズ14までの距離は、対物レンズ14の焦点距離(フォーカスの合焦距離)となる。その後、光ディスク装置3は、CDを読み取る再生処理を開始する。
また、種類判断部31により判断された光ディスク2の種類がCDではないと判断した場合、つまり、種類判断部31により判断された光ディスク2の種類がBD、DVDおよびCDの中のものではないと判断した場合、切替制御部32は、ノーディスク処理を開始する。
上述した動作以外の実施の形態2に係る光ディスク装置3の動作は、実施の形態1に係る光ディスク装置1の動作と同様であり、説明を省略する。
以上のように、この実施の形態2によれば、種類判断部31は、ターンテーブル11に光ディスク2が装着されると、その載置された光ディスク2の種類を、CD、DVDおよびBDの中から判断する。切替制御部32は、種類判断部31による判断された光ディスク2の種類に基づいて、ターンテーブル11に載置される光ディスク2とピックアップ13との距離を、光ディスク2の種類毎に予め設定された、光ディスク2へ照射する光の合焦距離に近づくように切り替えられる。そのため、アクチュエータ15は、光ディスク2がどの種類のものであったとしても、それによるピックアップ13の可動範囲を、光ディスク2を再生するときに生じる変動を抑えるために使用することができる。
このように、この実施の形態2の構成を採用すれば、光ディスク装置3は、CD、DVDおよびBDの3種類の光ディスク2に対して、切替機構の切替制御により合焦を得ることができる。光ディスク装置3は、ピックアップ13を略中立位置としたままで、3種類の光ディスク2に対して理論上の合焦を得ることができる。また、アクチュエータ15は、ピックアップ13を浮上させるための電流を流し続ける必要がない。
光ディスク装置3は、アクチュエータ15によるピックアップ13の可動範囲を少なくすることなく、3種類の光ディスク2に対して理論上の合焦を得ることができる。光ディスク装置3は、合焦距離が互いに異なるCD、DVDおよびBDの3種類の光ディスク2を、高いプレイアビリティによりたとえば再生することができる。
この実施の形態2の切替機構は、ベースシャーシ41に移動可能に取り付けられる第一スライダ43および第二スライダ44を、切替モータ24により移動することで、ベースシャーシ41を基準としてトラバースシャーシ42を昇降させている。これにより、ターンテーブル11に載置される光ディスク2とピックアップ13との距離は、判断された光ディスク2の種類に応じた合焦距離に切り替えられる。
以上の各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の例であるが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形や変更が可能である。
上記各実施の形態では、種類判断部31は、FE信号により光ディスク2の種類を判断している。この他にもたとえば、種類判断部31は、TE信号、フォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号などの、光ディスク2の読取信号に基づいて生成される信号により、光ディスク2の種類を判断するようにしてもよい。また、種類判断部31は、光ディスク装置1の特定の場所などを読み取るなどして、光ディスク2の種類を判断するようにしてもよい。
上記各実施の形態の種類判断部31は、光ディスク2の種類として、CD、DVDおよびBDを判断している。この他にもたとえば、種類判断部31は、CD、DVD、BDおよびHD(High Definition)−DVDの中から選択された複数の光ディスク2を判断してもよい。HD−DVDは、405ナノメートルの波長のレーザ光を開口数NA=0.65で収束して読み取る規格のものである。この変形例の場合、スライダ23に形成される長孔の段数は、たとえば判別する光ディスク2の種類と同数とし、切替制御部32は、たとえば判別する光ディスク2の種類と同数の位置まで切替モータ24を駆動すればよい。
上記実施の形態1では、トラバースシャーシ21を基準として、ドライブモータ12およびターンテーブル11を、ピックアップ13の移動方向と略垂直な方向へ昇降することで、光ディスク2とピックアップ13との距離を切り替えている。上記実施の形態2では、ベースシャーシ41を基準として、トラバースシャーシ42を、ドライブモータ12の軸方向に沿った方向へ昇降することで、光ディスク2とピックアップ13との距離を切り替えている。この他にもたとえば、ドライブモータ12およびターンテーブル11を昇降するとともに、ピックアップ13が取り付けられるトラバースシャーシを昇降することで、光ディスク2とピックアップ13との距離を切り替えるようにしてもよい。
上記各実施の形態の切替機構は、複数種類の光ディスク2に対して合焦が得られるように、位置を切り替えている。この他にもたとえば、切替機構は、ターンテーブル11に載置される光ディスク2とピックアップ13との距離が合焦距離に近づくように、位置を切り替えるようにしてもよい。
上記各実施の形態では、外乱補正値演算部33は、FE信号およびTE信号により外乱を抑制する補正量を演算し、共振抑制補正値演算部36は、FE信号に基づいて共振を抑制する補正量を演算している。この他にもたとえば、外乱補正値演算部33および共振抑制補正値演算部36は、FE信号やTE信号などのほかにも、あるいは、FE信号やTE信号などに替えて、フォーカスドライブ信号やトラッキングドライブ信号などの光ディスク2の読取信号に基づいて生成されるサーボ信号により、光ディスク2の種類を判断するようにしてもよい。
上記各実施の形態の光ディスク装置1,3は、光ディスク装置1,3に装着された光ディスク2を再生するものである。この他にもたとえば、光ディスク装置は、光ディスク装置に装着された光ディスク2へデータを記録するものであっても、あるいは、再生および記録の両方の機能を備えるものであってもよい。