JP4796769B2 - 電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用炭素材料及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は、電気二重層キャパシタ用炭素材料及びこれを分極性電極に用いた電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、一対の分極性電極を向かい合わせに配置し、それらの間に非水電解質溶液を介在させた構造を有している。電気二重層キャパシタは、エネルギーデバイスとして利用されており、充電時間が短い、放電が速く瞬時に大きなエネルギーを取り出すことができる、サイクル寿命が長い、環境にやさしい、メンテナンスフリーであるなどの特徴を有している。
この電気二重層キャパシタでは、分極性電極と電解液との界面に形成される界面電気二重層へのイオンの吸着・脱着現象を利用してエネルギーの出し入れを行う。そのため、静電容量の観点では、分極性電極の単位重量当りの表面積が大きいことが有利であると考えられている。
このような理由から、従来、分極性電極の材料としては、賦活処理の条件を最適化することにより比表面積を大きくした活性炭,例えばBET吸着等温式を利用して得られる比表面積(以下、単に比表面積という)が1000m2/g以上の活性炭,を使用していた。しかしながら、活性炭の比表面積を増大させることにより実現され得る静電容量は、限界に達しつつある。
より高い静電容量を実現すべく、分極性電極の材料として、002面の格子面間隔をコントロールした炭素材料を使用することが提案されている。
例えば、以下の特許文献1には、分極性電極の材料として、炭素材料に賦活処理を施して製造されると共に002面の格子面間隔が0.365nm乃至0.385nmである黒鉛類似の微結晶炭素を有する炭素材料を使用することが記載されている。この炭素材料は、比表面積が約300m2/g又は約400m2/gと小さいにも拘らず、電気二重層キャパシタの電極材料として用いた場合に比較的高い静電容量を実現可能とする。
このように、分極性電極の材料として、002面の格子面間隔を広げた炭素材料を使用すると、比較的高い静電容量を実現することができる。しかしながら、電気二重層キャパシタには、さらに大きな静電容量が要求されている。また、本発明者らは、分極性電極の材料として002面の格子面間隔を広げた炭素材料を使用した電気二重層キャパシタは、活性炭を使用した通常の電気二重層キャパシタと比較して、内部抵抗が高いことを見出している。
特開平11−317333号公報
本発明の目的は、静電容量が大きく且つ内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタ及びその分極性材料に用いる炭素材料を提供することにある。
本発明の第1側面によると、電気二重層キャパシタの電極材料として使用する炭素材料であって、コークスを炭化処理してなる材料を、002面の格子面間隔が0.350nm乃至0.375nmの範囲内となるようにアルカリ金属化合物を用いた賦活処理に供し、前記賦活処理後の前記材料を高速気流中衝撃法で粉砕することによって得られ、光散乱法で粒度分布を測定することによって得られる粒度累積曲線の10%粒径D10と90%粒径D90との比D10/D90が0.15以上であることを特徴とする炭素材料が提供される。

本発明の第2側面によると、互いに向き合った一対の分極性電極と、それらの間に介在した非水電解質溶液とを具備し、前記一対の分極性電極の少なくとも一方は第1側面に係る炭素材料を含有したことを特徴とする電気二重層キャパシタが提供される。
本発明によると、静電容量が大きく且つ内部抵抗の小さい電気二重層キャパシタ及びその分極性材料に用いる炭素材料が提供される。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同様又は類似する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る電気二重層キャパシタを概略的に示す断面図である。
この電気二重層キャパシタ1は、互いに向き合った一対の分極性電極2a,2bを含んでいる。分極性電極2a,2b間には、セパレータ3が介在している。分極性電極2a,2bの外面には、それぞれ、集電体4a,4bが設けられている。これら分極性電極2a,2b、セパレータ3、及び集電体4a,4bは、非水電解質溶液5とともに、図示しない容器内に封入されている。
この電気二重層キャパシタ1には、さらに、充放電に利用するための一対の外部取出電極(図示せず)が設けられている。これら外部取出電極の一端はそれぞれ集電体4a及び4bに接続されており、他端は容器の外側に位置している。
分極性電極2a,2bは、電極材料として粉体状の炭素材料21を含有している。分極性電極2a,2bは、これら炭素材料21を凝集させてなる多孔質体であり、非水電解質溶液5を含浸している。本態様では、分極性電極2a,2bの少なくとも一方,典型的にはそれらの双方,の炭素材料21として、例えば、以下の方法により製造したものを使用する。
まず、原料として、硫黄含量CSが少ない石油系ピッチを準備する。例えば、硫黄含量CSが約1.0重量%以下の石油系ピッチを準備する。
次に、この石油系ピッチを、加圧条件下で予備炭化処理に供する。例えば、約0.1MPa乃至約0.5MPaの不活性雰囲気又は還元性雰囲気中、5℃/分程度の昇温速度で加熱し、約300℃乃至約500℃の温度範囲内に約1時間乃至約5時間維持する。この予備炭化処理により、ピッチをコークスにする。
続いて、このコークスを炭化処理に供する。例えば、約0.2MPa以下の不活性雰囲気又は還元性雰囲気中、5℃/分程度の昇温速度で加熱し、約700℃乃至約900℃の温度範囲内に約1時間乃至約5時間維持する。
その後、炭化処理後の材料を、アルカリ金属化合物を用いた賦活処理に供する。この賦活処理は、炭素材料21の002面の格子面間隔d002が例えば約0.350nm乃至約0.375nmとなるように行う。例えば、炭化処理後の材料に、重量比で約1倍乃至約5倍のアルカリ金属化合物を添加し、この混合物を、約700℃乃至約900℃,望ましくは約800℃,の温度に約4時間乃至約10時間維持する。アルカリ金属化合物としては、例えば、カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩を使用する。また、この賦活処理の際に行う加熱は、例えば、窒素雰囲気又は窒素と水蒸気との混合雰囲気中で行う。
次いで、賦活処理後の材料に、例えば加圧濾過洗浄等を施す。これにより、賦活処理後の材料から余分なアルカリ成分などを除去する。
その後、先の材料を粉砕処理に供する。この粉砕処理には、例えば高速気流中衝撃法を利用する。また、この高速気流中衝撃法による粉砕処理は、粉砕処理後の材料について光散乱法で粒度分布を測定した場合に、これによって得られる粒度累積曲線の10%粒径D10と90%粒径D90との比D10/D90が0.15以上となるように行う。この比D10/D90は、例えば、材料に与える衝撃の大きさや処理時間などに応じて制御することができる。
ここで、「10%粒径D10」及び「90%粒径D90」について説明する。
図2は、光散乱法で炭素材料の粒度分布を測定することにより得られる粒度分布曲線の一例を示すグラフである。図3は、図2の粒度分布曲線から得られる粒度累積曲線を示すグラフである。図2において、横軸は炭素材料の粒径を示し、縦軸は相対頻度を示している。また、図3において、横軸は炭素材料の粒径を示し、縦軸は累積頻度を示している。
「10%粒径D10」は、図3の粒度累積曲線において、10%の累積頻度を与える炭素材料の粒径を意味している。他方、「90%粒径D90」は、図3の粒度累積曲線において、90%の累積頻度を与える炭素材料の粒径を意味している。図2から分かるように、粒径のばらつきが小さくなるほど、比D10/D90が大きくなる。
この粉砕処理後、必要に応じ、水素化処理などの表面処理を行う。例えば、約3%の濃度で水素を含有した窒素ガスを流通させながら、約700℃乃至約900℃,望ましくは約800℃,の温度で焼成する。以上のようにして、粉体状の炭素材料21を得る。
上述した高速気流中衝撃法による粉砕処理は、例えば、以下の粉砕機を用いて行うことができる。
図4は、炭素材料の製造に利用可能な粉砕機の一例を概略的に示す部分切開側面図である。なお、図4の説明に際しては、紙面の手前側を前面側と呼び、奥側を背面側と呼ぶこととする。
図4に示す粉砕機100は、ケーシング110を有している。ケーシング110は、柱面が水平に対して平行又は傾いた円柱面状壁部と、その前面側及び背面側の開口を塞ぐ一対の平面状壁部とを含んでおり、それらは円柱形状の内部空間を形成している。ケーシング110の円柱面状壁部には、その上部と下部とに、ケーシング110の内部空間と外部空間とを連絡する貫通孔が設けられている。また、各平面状壁部には、その中央部に、ケーシング110の内部空間と外部空間とを連絡する貫通孔が設けられている。
ケーシング110内には、ステータ120が配置されている。ステータ120は、ケーシング110の内側円柱面に対して平行な円柱面状壁部と、その前面側及び背面側の開口を塞ぐ一対の平面状壁部とを含んでおり、それらは円柱形状の内部空間を形成している。ステータ120の円柱面状壁部には、その上部と下部とに、ステータ120の内部空間と外部空間とを連絡する貫通孔が設けられている。また、ステータ120の各平面状壁部には、その中央部に、ステータ120の内部空間と外部空間とを連絡する貫通孔が設けられている。
ステータ120の円柱面状壁部とケーシング110の円柱面状壁部とは、互いから離間しており、それらの間に密閉空間130を形成している。この密閉空間130は、冷媒又は熱媒を流通させるジャケットとして利用することができる。
ケーシング110の円柱面状壁部の上部に設けた貫通孔には、三方管140の一管部140aが挿入されており、管部140aの先端はステータ120の円柱面状壁部の上部に設けた貫通孔に接続されている。三方管140の他の管部140bは、ケーシング110の前面側平面状壁部に設けた貫通孔に挿入されており、その先端はステータ120の前面側平面状壁部に設けた貫通孔に接続されている。なお、三方管140の残りの管部140cの開口は、ステータ120内に粉体を供給するための供給口として利用する。
ケーシング110及びステータ120の円柱面状壁部の下部に設けた貫通孔は、ステータ120内に粉体を排出するための排出口として利用する。この排出口には、弁150が取り付けられている。
ステータ120内には、円盤状のロータ160が配置されている。ロータ160は、その前面側の主面とステータ120の前面側の平面状壁部とに挟まれた空間が、管部140bと連絡するように配置されている。
ロータ160の前面側主面には、複数のブレード170が取り付けられている。これらブレード170は、ロータ160上で放射状に配列している。ロータ160の半径方向に沿った各ブレード170の寸法は、ロータ160の半径よりも短い。また、各ブレード170は、そのロータ160の縁により近い端部がステータ120の内側円柱面の極近傍に位置するように配置されている。
ケーシング110の背面側には、図示しないモータが配置されている。モータの回転軸は、ケーシング110及びステータ120の背面側の平面状壁部に設けた貫通孔に挿入されており、その先端でロータ160の中心部を支持している。このモータは、ロータ160を反時計回りに回転させる。
この粉砕機100を用いた粉砕処理は、例えば、以下の方法により行う。まず、ロータ160を反時計回りに例えば約10000rpmの回転数で回転させながら、粉砕処理前の炭素材料を管部140cの開口からステータ120内に供給する。この際、弁150は閉じておく。また、必要に応じ、ジャケット130に冷媒又は熱媒を流通させる。
ロータ160が回転している間、ステータ120内の炭素材料には、重力と遠心力とが作用する。また、ロータ160の回転に伴い、ステータ120並びに管部140a及び140b内には、矢印で示す気流が発生する。その結果、炭素材料は、ステータ120並びに管部140a及び140b内を循環する。
ロータ160の回転を十分な時間継続した後、ロータ160の回転を停止する。例えば、炭素材料の平均粒径(50%粒径D50)が約3μm乃至約30μm,望ましくは約5μm乃至約20μm,となった時点で、ロータ160の回転を停止する。その後、弁150を開き、ステータ120内から炭素材料を排出する。以上のようにして、粉砕処理を終了する。
ところで、上述した方法で炭素材料を製造する場合、粉砕処理前における炭素材料は、多くの針状粒子を含んでおり、比D10/D90は0.15よりも遥かに小さい。すなわち、粉砕処理前における炭素材料は、針状粒子を数多く含むと共に、粒径のばらつきが極めて大きい。
高速気流中衝撃法で粉砕処理を行う代わりに、ボールミルなどを利用した一般的な粉砕処理を行った場合、炭素材料の平均粒径は小さくなるが、針状粒子を減らす効果や粒径のばらつきを低減する効果は小さい。そのため、この方法で粉砕処理を行うことにより得られる炭素材料は、針状粒子を数多く含むと共に、粒径のばらつきが極めて大きい。
このような炭素材料を分極性電極2a,2bに使用すると、炭素材料21間に多くの隙間が生じ易く、また、平坦性に優れた分極性電極2a,2bを得ることが難しい。そのため、静電容量が低下すると共に、内部抵抗が増加する。
これに対し、図4を参照しながら説明した方法で粉砕処理を行うと、理由は必ずしも明らかになっている訳ではないが、針状粒子の数を減らすことができると共に、粒径のばらつきを大幅に低減することができる。したがって、このようにして得られる炭素材料を分極性電極2a,2bに使用すると、炭素材料21間に多くの隙間が生じるのを防止でき、また、平坦性に優れた分極性電極2a,2bを容易に得ることができる。そのため、静電容量を高めると共に、内部抵抗を低減することが可能となる。
また、図4を参照しながら説明した方法で粉砕処理を行うと、理由は必ずしも明らかになっている訳ではないが、尖った形状又は角張った形状の粒子が減少し、丸みを帯びた形状の粒子が増加する。
図5及び図6は、ボールミルで粉砕処理した炭素材料の走査電子顕微鏡写真である。図7及び図8は、図4の装置で粉砕処理した炭素材料の走査電子顕微鏡写真である。なお、図5及び図7の写真では倍率を1000倍としており、図6及び図8の写真では倍率を2000倍としている。
図5及び図6に示すように、通常の方法で粉砕した炭素材料では、尖った形状又は角張った形状の粒子が多く、丸みを帯びた形状の粒子は殆どない。これに対し、図4の装置で粉砕処理した炭素材料では、丸みを帯びた形状の粒子が多く、尖った形状又は角張った形状の粒子は殆どない。
分極性電極2a,2bは、この炭素材料21に加え、例えばカーボンブラックなどの導電性補助剤や、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの結着剤をさらに含有することができる。
セパレータ3は、イオン透過性の誘電体からなり、分極性電極2a,2b間の短絡を防止する。セパレータ3としては、例えば、ポリプロピレン及びポリエチレンなどからなる微多孔質セパレータなどを使用することができる。
集電体4a,4bの材料としては、例えば、アルミニウムなどの金属や合金を使用することができる。
非水電解質溶液5は、電解質と有機溶媒とを含有した非プロトン溶液である。この電解質としては、例えば、電離することにより、テトラアルキルアンモニウムイオンなどのカチオンと、テトラフルオロ硼酸イオンやヘキサフルオロ燐酸イオンや過塩素酸イオンなどのアニオンとを生じるものを使用することができる。テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、例えば、Me4+、EtnMe4-n+、Et4+、n−Bu4+などを挙げることができる。なお、ここで、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Bu」はブチル基を示している。
非水電解質溶液5の有機溶媒としては、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、それらの混合物などを使用することができる。この有機溶媒には、例えば、プロピオニトリル、炭酸エチレン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、それらの混合物などをさらに添加することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本例では、以下の方法により図1の電気二重層キャパシタ1を作成した。
まず、硫黄含量CSが約1.0重量%の石油系ピッチに予備炭化処理を施した。この予備炭化処理では、石油系ピッチを、5℃/分の昇温速度で加熱し、約500℃に約2時間維持した。
次に、これにより得られたコークスに炭化処理を施した。この炭化処理では、先のコークスを、約0.15MPaの窒素雰囲気中、5℃/分の昇温速度で加熱し、約750℃に約2時間維持した。
次いで、炭化処理後の材料を、アルカリ金属化合物として水酸化カリウムを用いた賦活処理に供した。具体的には、まず、炭化処理後の材料に重量比で約2倍の水酸化カリウムを添加し、それらを十分に混合した。次に、この混合物を、窒素雰囲気中、約800℃に約4時間維持した。
続いて、賦活処理後の材料に、加圧濾過洗浄を施した。これにより、賦活処理後の材料から余分なアルカリ成分などを除去した。
その後、先の材料を、ボールミルを用いた粉砕処理に供した。この粉砕処理は、先の材料の平均粒径D50が約15μmになった時点で終了した。
さらに、この材料を、形状化粉砕処理に供した。この形状化粉砕処理には、図4の粉砕機を使用し、ロータ160の回転数は約8000rpmとした。また、この形状化粉砕処理は、先の材料の平均粒径D50が約10μmになった時点で終了した。
その後、粉砕処理品を、約3%の濃度で水素を含有した窒素ガスを流通させながら、約700℃の温度で焼成した。以上のようにして、粉体状の炭素材料21を得た。以下、この炭素材料21を「炭素材料A」と呼ぶ。
次に、炭素材料Aを80重量部と、カーボンブラック10重量部と、10重量部のPTFEを含有したPTFE溶液とを十分に混練した。次いで、この混合物を圧延して厚さ0.1mmのシート状とし、面積が2cm2の円形形状に切り出した。
その後、このようにして得られた分極性電極2a,2bに、非水電解質溶液5として、1mol/Lの濃度でEt4N・BF4を含有したプロピレンカーボネート溶液を含浸させた。この非水電解質溶液5は、微多孔質セパレータ3にも包含させた。
続いて、アルミニウムからなる集電体4a、分極性電極2a、セパレータ3、分極性電極2b、アルミニウムからなる集電体4bを順次積層し、この積層体を図示しない容器内に封入した。以上のようにして、コイン型の電気二重層キャパシタ1を完成した。以下、この電気二重層キャパシタ1を、「キャパシタA」と呼ぶ。
(実施例2)
粉砕処理として形状化粉砕処理のみを行ったこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、粉体状の炭素材料21を得た。なお、本例では、形状化粉砕処理におけるロータ160の回転数は10000rpmとし、形状化粉砕処理は粉砕処理品の平均粒径D50が約15μmになった時点で終了した。以下、この炭素材料21を「炭素材料B」と呼ぶ。
次に、炭素材料Aの代わりに炭素材料Bを用いたこと以外は、例1で説明したのと同様の方法により、電気二重層キャパシタ1を作製した。以下、この電気二重層キャパシタ1を、「キャパシタB」と呼ぶ。
(比較例1)
形状化粉砕処理を行わなかったこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、粉体状の炭素材料21を得た。なお、本例では、粉砕処理は、粉砕処理品の平均粒径D50が約15μmになった時点で終了した。以下、この炭素材料21を「炭素材料C」と呼ぶ。
次に、炭素材料Aの代わりに炭素材料Cを用いたこと以外は、例1で説明したのと同様の方法により、電気二重層キャパシタ1を作製した。以下、この電気二重層キャパシタ1を、「キャパシタC」と呼ぶ。
(比較例2)
形状化粉砕処理を行わなかったこと以外は、実施例1で説明したのと同様の方法により、粉体状の炭素材料21を得た。なお、本例では、粉砕処理は、粉砕処理品の平均粒径D50が約10μmになった時点で終了した。以下、この炭素材料21を「炭素材料D」と呼ぶ。
次に、炭素材料Aの代わりに炭素材料Dを用いたこと以外は、例1で説明したのと同様の方法により、電気二重層キャパシタ1を作製した。以下、この電気二重層キャパシタ1を、「キャパシタD」と呼ぶ。
これら炭素材料A乃至Dについて、光散乱法による粒度分布測定を行い、これによって得られる粒度累積曲線から10%粒径D10と90%粒径D90との比D10/D90を求めた。さらに、これら炭素材料A乃至Dについて、BET吸着等温式を利用して比表面積を求めると共に、X線回折法を利用して格子面間隔d002を調べた。また、キャパシタA乃至Dについては、単位体積当たりの静電容量及び内部抵抗を測定した。これらの結果を以下の表に纏める。
Figure 0004796769
この表に示すように、炭素材料A及びBは、炭素材料C及びDと比較して、比D10/D90が大きかった。また、キャパシタA及びBは、キャパシタC及びDと比較して、静電容量が大きく且つ内部抵抗が小さかった。
本発明の一態様に係る電気二重層キャパシタを概略的に示す断面図。 光散乱法で炭素材料の粒度分布を測定することにより得られる粒度分布曲線の一例を示すグラフ。 図2の粒度分布曲線から得られる粒度累積曲線を示すグラフ。 炭素材料の製造に利用可能な粉砕機の一例を概略的に示す部分切開側面図。 炭素材料の走査電子顕微鏡写真。 炭素材料の走査電子顕微鏡写真。 炭素材料の走査電子顕微鏡写真。 炭素材料の走査電子顕微鏡写真。
符号の説明
1…電気二重層キャパシタ、2a…分極性電極、2b…分極性電極、3…セパレータ、4a…集電体、4b…集電体、5…非水電解質溶液、21…炭素材料、100…粉砕機、110…ケーシング、120…ステータ、130…密閉空間、140…三方管、140a…管部、140b…管部、140c…管部、150…弁、160…ロータ、170…ブレード。

Claims (2)

  1. 電気二重層キャパシタの電極材料として使用する炭素材料であって、コークスを炭化処理してなる材料を、002面の格子面間隔が0.350nm乃至0.375nmの範囲内となるようにアルカリ金属化合物を用いた賦活処理に供し、前記賦活処理後の前記材料を高速気流中衝撃法で粉砕することによって得られ、光散乱法で粒度分布を測定することによって得られる粒度累積曲線の10%粒径D10と90%粒径D90との比D10/D90が0.15以上であることを特徴とする炭素材料。
  2. 互いに向き合った一対の分極性電極と、それらの間に介在した非水電解質溶液とを具備し、前記一対の分極性電極の少なくとも一方は請求項1に記載の炭素材料を含有したことを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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