JP2017107917A - 電極及び蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部抵抗が小さく、エネルギー密度が大きな蓄電素子を提供する。
【解決手段】電極は、BJH法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの前記細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布において、細孔直径Dが10nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の微分ΔV/ΔDの最大値が、細孔直径Dが2nm乃至10nmの範囲内における微分ΔV/ΔDの最大値と比較してより大きい炭素材料を用いて製造され、BJH法に従って得られる細孔分布において、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が0.07mL/g以上である。
【選択図】図4

Description

本発明は、電極及び蓄電素子に関する。
電気二重層キャパシタ、非対称型キャパシタ及びリチウムイオン二次電池等の蓄電素子には、活性炭等の炭素材料が使用されることがある。
例えば、特許文献1には、活性炭と導電補助材とバインダとを含んだ分極性電極層を備えた電気二重層キャパシタが記載されている。この電気二重層キャパシタは、活性炭の外部比表面積が分極性電極層の単位容積当たり450〜800m2/cm3 の範囲内にあり、分極性電極層の単位体積当たりの粒子間空隙に基づく容積が0.05〜0.12cm3/cm3の範囲内にある。
特開2008−60457号公報
本発明の目的は、内部抵抗が小さく、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現可能とすることにある。
本発明の第1側面によると、BJH法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの前記細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布において、前記細孔直径Dが10nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の前記微分ΔV/ΔDの最大値M1が、前記細孔直径Dが2nm乃至10nmの範囲内における前記微分ΔV/ΔDの最大値M2と比較してより大きい炭素材料を用いて製造される電極であって、BJH法に従って得られる細孔分布において、前記電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が0.07mL/g以上である電極が提供される。
本発明の第2側面によると、第1側面に係る電極と、前記電極から離間した対向電極と、前記電極及び前記対向電極間に介在した電解質とを具備した蓄電素子が提供される。
本発明によると、内部抵抗が小さく、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現することが可能となる。
粉砕機の一例を概略的に示す断面図。 図1に示す粉砕機のII−II線に沿った断面図。 電気二重層キャパシタの一例を概略的に示す断面図。 炭素材料の細孔容積を単位質量当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフ。 電極の細孔容積を単位質量当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフ。 エネルギー密度と出力密度との関係の例を示すグラフ。 細孔容積と出力密度との関係の例を示すグラフ。
以下、本発明の態様について説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
一般に、比表面積が大きな活性炭を蓄電素子の電極において使用した場合、小さな内部抵抗を達成し得る。しかしながら、そのような活性炭を蓄電素子の電極において使用した場合、大きなエネルギー密度を実現することは不可能であるか又は困難であった。
他方、比表面積が小さな活性炭を蓄電素子の電極において使用した場合、大きなエネルギー密度を達成し得る。しかしながら、この場合、小さな内部抵抗を実現することは不可能であるか又は困難であった。
本発明者らは、以下に説明する方法により製造した炭素材料は、細孔分布などが他の炭素材料とは異なっていること、及び、この炭素材料を使用し且つ電極製造時の圧延条件を調整すると、内部抵抗が小さく、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現できることを見出した。
はじめに、この炭素材料の製造方法を説明する。
まず、炭素材料の原料として、固体材料を準備する。この固体材料としては、例えば、石炭系又は石油系コークスを使用する。この固体材料は、例えばハンマーミルを用いて粗粉砕する。
次に、この粗粉砕品を炭化処理に供する。具体的には、この粗粉砕品を、不活性雰囲気中で乾留する。これにより、以下の物理的性質を有している材料を得ることが可能となる。
SSA≦10m2/g
002=0.355nm〜0.365nm
DM≦300μm
ここで、「SSA」は、BET吸着等温式を利用して得られる比表面積を表している。「d002」は、X線回折法を利用した測定によって得られる002面の格子面間隔を表している。「DM」は、レーザー回折・散乱法に従った粒度分布測定によって得られる体積平均径を意味している。以下、用語「平均粒径」は、レーザー回折・散乱法に従った粒度分布測定によって得られる体積平均径を意味していることとする。
これら物理的性質は、原料の物理的及び化学的性質と炭化処理の条件とに応じて変化する。典型的には、この炭化処理の温度は600℃乃至900℃の範囲内とし、時間は0.5時間乃至2時間の範囲内とする。
次に、炭化処理後の材料を、一次粉砕に供する。この一次粉砕には、例えばバンダムミルを使用する。また、この一次粉砕は、粉砕品の平均粒径が例えば100μm以下となるように行う。
次いで、一次粉砕後の材料を、アルカリ金属を用いた賦活処理に供する。例えば、一次粉砕後の材料と苛性アルカリとの混合物を、不活性雰囲気中で熱処理する。なお、アルカリ金属としては、典型的には、リチウム以外のアルカリ金属を使用する。続いて、この材料に、例えば加圧濾過洗浄等の洗浄を施すことにより、余分なアルカリ成分などを除去する。この洗浄は、例えば、洗浄液として純水を使用し、使用後の純水のpHが6乃至8になるまで繰り返す。その後、洗浄した材料を乾燥させ、乾燥後の材料を二次粉砕に供する。この二次粉砕には、例えば、乾式のボールミルを使用する。
上記の賦活処理から二次粉砕までの工程によって、二次粉砕後の材料が以下の物理的性質を有するように産物を得ることが可能となる。
SSA≦1000m2/g
002=0.365nm〜0.380nm
DM=3μm〜20μm
二次粉砕後の材料の物理的性質は、炭化処理後の材料の物理的及び化学的性質並びにその後に行う処理の条件などに応じて変化する。賦活処理については、例えば、苛性アルカリ添加量は炭化処理後の材料に対して質量比で1倍乃至10倍の範囲内とし、不活性雰囲気中で行う熱処理の温度は600℃乃至900℃の範囲内とし、時間は1時間乃至16時間の範囲内とする。
次いで、二次粉砕後の活性炭を超微粉砕に供する。具体的には、先の活性炭を湿式遠心力粉砕に供する。これにより、活性炭の平均粒径を、例えば0.1μm乃至1.0μmの範囲内とする。この湿式遠心力粉砕については、後で詳しく説明する。
続いて、超微粉砕した活性炭と分散液とを含んだスラリーを粉砕媒体から分離し、この活性炭を乾燥させる。この乾燥には、例えば噴霧乾燥機を使用する。
その後、乾燥後の活性炭を、還元処理に供する。例えば、この活性炭を、還元性雰囲気中、1時間乃至16時間に亘って、600℃乃至900℃の範囲内の温度に加熱する。
以上のようにして、炭素材料として、超微粉砕した活性炭を得る。
この方法では、上記の通り、湿式遠心力粉砕によって活性炭を超微粉砕する。湿式遠心力粉砕法によると、他の粉砕法、例えば乾式粉砕法では実現することができない小さな平均粒径を実現することができる。湿式遠心力粉砕法について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、粉砕機の一例を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示す粉砕機のII−II線に沿った断面図である。
この粉砕機は、チャンバ10を含んでいる。チャンバ10は、上板110と下板120と排出管130とを含んでいる。
上板110は、略円盤形状を有している。上板110の一方の主面は、その周縁部でせり上がっている。また、上板110には、そのほぼ中心に、スラリー供給口として使用する開口部が設けられている。
下板120は、略円盤形状を有している。下板120の一方の主面はその周縁部でせり上がっており、この主面には、せり上がった周縁部の内側に円形の溝が設けられている。更に、下板120には、そのほぼ中心に貫通孔が設けられている。
上板110と下板120とは、それらのせり上がった周縁部、即ち側壁部が互いに接触するように配置されており、これにより、それらの間に略円柱形の密閉空間を形成している。
排出管130は、先の側壁部に取り付けられている。排出管130は、上板110と下板120とが形成している内部空間を外部空間へと連絡している。
このチャンバ10内には、ロータ20とセパレータ30とスペーサ40とが配置されている。
ロータ20は、凸部210と底板220と側壁230とフィン240とを含んでいる。
凸部210は、一端が先細りした円柱形状を有している。凸部210の他端は、下板120に設けられた貫通孔に挿入されたシャフト50の一端に支持されている。凸部210の先細りした先端は、上板110に設けられた開口部と向き合っている。
底板220は、中央部に貫通孔が設けられた円盤形状を有している。底板220には、その中央部及び周縁部から離れた位置に複数の貫通孔が更に設けられている。中央部に設けられた貫通孔には凸部210が挿入されており、この位置で、底板220は凸部210に支持されている。
側壁230は、円筒形状を有している。側壁230には、円周方向に配列した複数の貫通孔が設けられている。側壁230は、その柱面が底板220の一方の主面に対して垂直となるように底板220に支持されている。
フィン240は、側壁230に支持されている。フィン240は、その主面が底板220の主面に対して垂直又は斜めとなるように、側壁230の外面上でその円周方向に沿って配列している。
セパレータ30は、円筒形状を有している。セパレータ30には、底板220の中央部から離れた位置に設けられた貫通孔及び側壁230に設けられた貫通孔と比較して径がより小さな複数の貫通孔が設けられている。更に、セパレータ30には、その内面に複数の突起310が設けられている。セパレータ30は、下板120に設けられた溝に嵌め込まれている。
スペーサ40は、セパレータ30と上板110との間及びセパレータ30と下板120との間に介在している。スペーサ40は、セパレータ30に内側から力が加わった場合に、その変形を抑制する。
上述した炭素材料の製造においては、例えば、この粉砕機を用いて二次粉砕後の活性炭を超微粉砕する。
具体的には、まず、ロータ20を高速で回転させる。次いで、粉砕媒体を又は粉砕媒体と分散媒とを含んだスラリーを、上板110に設けられたスラリー供給口からチャンバ10内へと供給する。
粉砕媒体は、例えばセラミックスからなる球体である。粉砕媒体は、底板220の中央部から離れた位置に設けられた貫通孔及び側壁230に設けられた貫通孔と比較してより小さく、セパレータ30に設けられた貫通孔と比較してより大きい。分散媒としては、例えば水を使用することができる。
凸部210の先端に到達した粉砕媒体は、遠心力と重力とによって側壁230の内面へと移動する。側壁230には貫通孔が設けられているため、側壁230の内面へと移動した粉砕媒体は、遠心力によって、これら貫通孔を介してセパレータ30の内面上へと移動する。粉砕媒体は、セパレータ30の内面上に堆積し、ここで層を形成する。
セパレータ30の内面上では、粉砕媒体は、フィン240の作用によって、セパレータ30の内面上を円周方向に沿って移動する。この際、セパレータ30の内面に設けられている突起310は、円周方向に沿った粉砕媒体の移動を妨げる。そして、遠心力を利用してセパレータ30と側壁230との間に粉砕媒体を局在化させるため、この空間内における粉砕媒体の密度を高くすることができる。従って、粉砕媒体に、大きな剪断力を作用させることができる。
また、粉砕媒体の一部は、底板220と側壁230とが形成している凹部内へと、その上板110側の開口から又は底板220に設けられている貫通孔を介して戻る。その後、これら粉砕媒体は、遠心力によって、側壁230に設けられている貫通孔を通過し、セパレータ30の内面上で円周方向へ移動している粉砕媒体に高速で衝突する。
このように、粉砕媒体は、セパレータ30と側壁230とに挟まれた空間内を円周方向に移動すると共に、この空間と側壁230によって囲まれた空間との間で循環する。そして、遠心力を利用しているため、粉砕媒体が小さい場合であっても、大きな剪断力を加えること及び粉砕媒体同士を高速で衝突させることが可能である。
次に、ロータ20を高速で回転させたまま、二次粉砕後の活性炭と分散媒とを含有したスラリーを、上板110に設けられたスラリー供給口からチャンバ10内へと供給する。このスラリーにおける活性炭の濃度は、例えば1質量%乃至10質量%の範囲内とする。また、分散媒としては、例えば水を使用する。
凸部210の先端に到達したスラリーは、遠心力と重力とによって側壁230の内面へ向けて移動する。このスラリーは、側壁230によって囲まれた空間内で粉砕媒体と混合された後、側壁230に設けられている貫通孔を通過し、セパレータ30と側壁230とに挟まれた空間内を移動している粉砕媒体の流れと合流する。
粉砕媒体の流れの中で、スラリー中の活性炭は、上述した剪断力と粉砕粒子同士の衝突とによって粉砕される。粉砕された活性炭は、分散液と共にセパレータ30を透過する。セパレータ30を透過した活性炭と分散液とは、スラリーとして排出管130を通過する。以上のようにして、粉砕した活性炭を含有したスラリーを得る。
その後、チャンバ10内の粉砕粒子を径がより小さなものと交換すると共に、必要に応じてセパレータ30を貫通孔の径がより小さなものと交換する。次いで、二次粉砕した直後の活性炭を含有したスラリーの代わりに、図1及び図2に示す粉砕機を用いて粉砕した活性炭を含有したスラリーを使用すること以外は、上述したのとほぼ同様の方法により粉砕を行う。なお、ロータ20の回転速度及びスラリーの供給速度などの諸条件は、必要に応じて適宜変更する。
そして、上述した粉砕粒子等の交換と粉砕とを、所望の粒径の活性炭が得られるまで繰り返す。例えば、第1回目の粉砕処理においては直径が0.2mm乃至1.0mmの範囲内にある粉砕媒体を使用し、最後の粉砕処理においては直径が0.05mm乃至0.2mmの範囲内にある粉砕媒体を使用する。以上のようにして、超微粉砕した活性炭を含んだスラリーを得ることができる。
なお、このように超微粉砕した活性炭を、ボールミル、振動ミル、ローターミル、ハンマーミル、ジェットミル及び遊星ミルなどの一般的な粉砕機を用いて得ることは不可能である。これは、活性炭を超微粉砕するには、小さな粉砕媒体を使用すること、粉砕媒体の衝突頻度が高いこと、粉砕媒体が活性炭に及ぼす力が大きいことなどが必要であるが、先に例示した粉砕機は何れも、これら要件の1つ以上を欠いているためである。
また、図1及び図2に示す粉砕機を用いて乾式法により粉砕を行った場合、例え、活性炭を超微粉砕することができたとしても、現実的には、超微粉砕した活性炭を捕集することは不可能である。これは、超微粉砕した活性炭は、バグフィルタなどのフィルタを透過するためである。
上述した方法により得られる炭素材料は、以下の物理的性質を有している。即ち、BJH(Barrett-Joyner-Halenda)法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布曲線は、細孔直径Dが10nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の微分ΔV/ΔDの最大値M1が、細孔直径Dが2nm乃至10nmの範囲内における微分ΔV/ΔDの最大値M2と比較してより大きい。典型的には、細孔直径Dが10nm乃至100nmの範囲内において、細孔直径Dの増加に応じて、この微分ΔV/ΔDは増加している。
例えば、最大値M1と最大値M2との比M1/M2は2倍以上であり、好ましくは4倍以上である。なお、比M1/M2は、典型的には、10以下である。
また、この炭素材料の物理的性質の各々は、例えば、以下の値を有している。
SSA≦1000m2/g
002=0.365nm〜0.380nm
DM=0.1μm〜1μm
そして、この炭素材料の物理的性質の各々は、典型的には、以下の値を有している。
SSA≦1000m2/g
002=0.365nm〜0.380nm
DM=0.1μm〜0.5μm
この炭素材料のSSAは、好ましくは10〜1000m2/g、より好ましくは100〜800m2/g、更に好ましくは200〜400m2/gである。
炭素材料の細孔分布曲線は、具体的には、以下の方法により得る。
まず、77.4K(窒素の沸点)の窒素ガス中で、窒素ガスの圧力P(mmHg)を徐々に高めながら、各圧力Pで、炭素材料の窒素ガス吸着量(cc/g)を測定する。次いで、圧力P(mmHg)を窒素ガスの飽和蒸気圧P0(mmHg)で除した値を相対圧力P/P0として、各相対圧力P/P0に対する窒素ガス吸着量をプロットすることにより吸着等温線を得る。その後、この吸着等温線から、BJH法に従って細孔分布を求める。このようにして、細孔分布曲線が得られる。なお、BJH法は、例えば、「J.Am.Chem.Soc.(1951),73,373−380」などに記載されている。
続いて、この炭素材料を用いた電極の製造方法の一例を説明する。
まず、上記炭素材料と、導電剤と、結着剤とを混練する。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック、気相成長カーボン又は黒鉛を使用する。導電剤は、電極の導電性を向上させる役割を担っている。導電剤の炭素材料に対する質量比は、例えば0質量%乃至20質量%の範囲内とし、典型的には5質量%乃至10質量%の範囲内とする。導電剤は、省略してもよい。
結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用する。結着剤は、炭素材料の粒子間及び/又は炭素材料の粒子と導電剤の粒子との間の密着性を向上させる役割を担っている。結着剤の炭素材料に対する質量比は、例えば1質量%乃至30質量%の範囲内とし、典型的には10質量%乃至20質量%の範囲内とする。結着剤は、省略してもよい。
次に、得られた混合物を圧延する。その後、任意に、圧延処理により得られたシートからの切り出し又は打ち抜きを行う。このようにして、電極を得る。
上記の圧延処理は、プレス圧及びプレス回数等を調整して、得られた電極が、BJH法に従って得られる細孔分布において、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が0.07mL/g以上となるように行う。即ち、圧延処理により、この容積が0.07mL/g未満とならないようにする。この容積は、一般に1.0mL/g以下、典型的には0.15mL/g以下である。なお、電極の細孔分布は、先に炭素材料について述べたのと同様の方法により測定する。
圧延処理時のプレス圧は、例えば0.1MPa乃至0.20MPaの範囲内とし、典型的には0.16MPa乃至0.18MPaの範囲内とする。このプレス圧を過度に小さくすると、電極の耐久性が低下する可能性がある。このプレス圧を過度に大きくすると、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が過度に小さくなる可能性がある。
圧延処理時のプレス回数は、例えば1回乃至20回の範囲内とし、典型的には4回乃至10回の範囲内とする。このプレス回数を過度に少なくすると、電極の耐久性が低下する可能性がある。このプレス回数を過度に多くすると、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が過度に小さくなる可能性がある。
圧延処理時のプレス圧とプレス回数との積は、例えば0.6MPa乃至4MPaの範囲内とし、典型的には0.64MPa乃至1.8MPaの範囲内とする。プレス圧とプレス回数との積を過度に小さくすると、電極の耐久性が低下する可能性がある。プレス圧とプレス回数との積を過度に大きくすると、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が過度に小さくなる可能性がある。
上記炭素材料を使用し且つ電極を上述したように製造すると、内部抵抗が小さく、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現できる。その理由は、必ずしも明らかにされている訳ではないが、本発明者らは以下のように考えている。
超微粉砕を行わないこと以外は上述したのと同様の方法により得られる炭素材料は、リチウムイオンなどのイオンのインターカレートに適した結晶構造を有している。従って、この炭素材料を使用した場合、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現し得る。
しかしながら、この炭素材料は、電解液が拡散可能な細孔の容積が小さい。それゆえ、電解液中のイオンを炭素材料粒子の中心部に吸蔵させる場合及びこの中心部が吸蔵しているイオンを電解液中へと放出させる場合、イオンは炭素材料内で比較的長い距離を移動しなければならない。そのため、超微粉砕を行わないこと以外は上述したのと同様の方法により得られる炭素材料を使用した場合、小さな内部抵抗を実現することは不可能であるか又は極めて困難である。
これに対し、上述した方法により得られる炭素材料のBJH法に従って得られる細孔分布は、細孔直径が10nm乃至100nmの範囲内における上記微分の最大値M1が、細孔直径が2nm乃至10nmの範囲内における上記微分の最大値M2と比較してより大きい。即ち、この炭素材料は、電解液が拡散可能な細孔の容積が大きい。従って、この炭素材料を使用すると、内部抵抗が小さく、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現できる可能性がある。
但し、超微粉砕を行った場合であっても、必ずしも小さな内部抵抗と大きなエネルギー密度との双方を同時に達成できる訳ではない。即ち、炭素材料の製造に続く電極製造に採用する手順及び条件が、電極の細孔分布に大きな影響を及ぼし、それゆえ、蓄電素子の性能に大きな影響を及ぼす。
上述した方法では、製造される電極のBJH法に従って得られる細孔分布を、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が0.07mL/g以上となるようにする。即ち、この電極では、電解液が拡散可能な細孔の容積が大きい。それゆえ、この電極を使用すると、内部抵抗が小さく、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現できる。
また、この電極は、電解液が拡散可能な細孔の容積が大きいため、蓄電素子の電極に使用した場合に、電解液の移動を生じ難い。そのため、この電極を使用すると、膨張が抑制された蓄電素子を得ることができる。
この電極は、例えば0.70g/mL以上、典型的には0.70〜0.95g/mLの電極密度を有する。
この電極は、例えば、電気二重層キャパシタ、非対称型キャパシタ及びリチウムイオン二次電池などの蓄電素子において使用することができる。例えば、この電極は、電気二重層キャパシタの分極性電極として使用することができる。或いは、この電極は、非対称型キャパシタの正極又は負極として使用してもよい。或いは、この電極は、リチウムイオン二次電池の負極として使用してもよい。
図3は、電気二重層キャパシタの一例を概略的に示す断面図である。
この電気二重層キャパシタ1は、互いに向き合った一対の分極性電極2a及び2bを含んでいる。分極性電極2aと分極性電極2bとの間には、セパレータ3が介在している。分極性電極2a及び2bの外面には、それぞれ、集電体4a及び4bが設けられている。これら分極性電極2a及び2b、セパレータ3、並びに集電体4a及び4bは、非水電解質溶液5と共に、図示しない容器内に封入されている。
この電気二重層キャパシタ1には、更に、充放電に利用するための一対の外部取出電極(図示せず)が設けられている。これら外部取出電極の一端はそれぞれ集電体4a及び4bに接続されており、他端は容器の外側に位置している。
分極性電極2a及び2bの少なくとも一方は、上述した方法により製造した電極である。分極性電極2a及び2bは、炭素材料CMを凝集させてなる多孔質体であり、非水電解質溶液5を含浸している。分極性電極2a及び2bの少なくとも一方、典型的にはそれらの双方の炭素材料CMは、上述した方法により得られる炭素材料を含んでいる。
セパレータ3は、イオン透過性の誘電体からなり、分極性電極2aと分極性電極2bとの間の短絡を防止する。セパレータ3としては、例えばポリプロピレン又はポリエチレンからなる多孔質セパレータを使用することができる。
集電体4a及び4bの材料としては、例えば、アルミニウムなどの金属又は合金を使用することができる。
非水電解質溶液5は、電解質と有機溶媒とを含有した非プロトン溶液である。この電解質としては、例えば、電離することにより、テトラアルキルアンモニウムイオンなどのカチオンと、テトラフルオロ硼酸イオン、ヘキサフルオロ燐酸イオン及び過塩素酸イオンなどのアニオンとを生じるものを使用することができる。テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、例えば、Me4+、EtnMe4-n+、Et4+及びn−Bu4+を挙げることができる。なお、ここで、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Bu」はブチル基を示している。
非水電解質溶液5の有機溶媒としては、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、又はそれらの混合物を使用することができる。この有機溶媒は、例えば、プロピオニトリル、炭酸エチレン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、又はそれらの混合物を更に含んでいてもよい。
以下、本発明の例を説明する。
<炭素材料Aの製造>
以下の方法により炭素材料を製造した。
まず、石油系コークスを、ハンマーを用いて粗粉砕した。この粗粉砕により、粒径が約6mm乃至約7mmの粗粉砕品を得た。
次に、この粗粉砕品を炭化処理に供した。具体的には、ニッケル製の坩堝に投入した粗粉砕品を、不活性雰囲気中、約750℃で約1時間に亘って加熱した。この乾留には、美濃窯業株式会社製の縦型焼成炉を使用した。
次いで、炭化処理後の材料を、一次粉砕に供した。この一次粉砕には、バンダムミルを使用した。また、この一次粉砕は、粉砕品の平均粒径が100μm以下となるように行った。
次に、一次粉砕後の材料を、アルカリ金属を用いた賦活処理に供した。具体的には、一次粉砕後の材料と水酸化カリウムとを1:2の質量比で混合し、この混合物をニッケル製の坩堝に投入した。そして、この混合物を、不活性雰囲気中、約800℃で約4時間に亘って加熱した。この賦活には、先の縦型焼成炉を使用した。
続いて、この材料に、加圧濾過洗浄を施した。ここでは、洗浄液として純水を使用した。また、この洗浄は、使用後の純水のpHが7になるまで繰り返した。
その後、洗浄した材料を乾燥させた。この乾燥には、温度を115℃に設定した乾燥機を使用した。
次に、乾燥後の材料を二次粉砕に供した。具体的には、セラミックスからなる容器に、乾燥品とセラミックスからなる球状の粉砕媒体とを投入し、これをユーラステクノ株式会社製の振動ミルに設置した。そして、15分間の粉砕処理を行い、平均粒径が約8μmの二次粉砕品を得た。
次いで、二次粉砕後の活性炭を超微粉砕に供した。具体的には、先の活性炭を、図1及び図2を参照しながら説明したのとほぼ同様の湿式遠心力粉砕に供した。ここでは、二次粉砕後の活性炭を5質量%の濃度で含有したスラリーを使用した。このスラリーの分散媒としては、水を使用した。また、湿式遠心力粉砕には、三井鉱山株式会社性の湿式循環型粉砕機SC100を使用した。第1回目の粉砕処理においては直径が0.2mmの粉砕媒体を使用し、最後の粉砕処理においては直径が0.05mmの粉砕媒体を使用した。以上のようにして、平均粒径が0.5μmの活性炭を含んだスラリーを得た。
続いて、超微粉砕した活性炭と分散液とを含んだスラリーを粉砕媒体から分離し、この活性炭を乾燥させた。この乾燥には、藤崎電機株式会社製の噴霧乾燥機MDL−050Bを使用した。
その後、乾燥後の活性炭を、還元処理に供した。具体的には、この活性炭を、還元性雰囲気中、8時間に亘って700℃に加熱した。この還元処理には、炉研工業株式会社製の横型焼成炉を使用した。
以上のようにして、炭素材料として、超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料A」と呼ぶ。炭素材料AのSSAは、290m2/gであった。
<炭素材料Bの製造>
超微粉砕を行わなかったこと以外は、炭素材料Aについて説明したのと同様の方法により活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料B」と呼ぶ。炭素材料BのSSAは、360m2/gであった。
<評価1:炭素材料の細孔分布>
炭素材料A及びBの各々について、細孔分布を測定した。この測定には、Quantachrome社製のNOVA−3000を使用した。具体的には、115℃で1時間以上に亘って乾燥させた炭素材料を0.0275g量り取り、これを先の細孔分布測定装置内に設置した。そして、これを、真空下、350℃で3時間に亘る乾燥に供し、その後、窒素の吸着量を測定し、BJH法により細孔分布を解析した。その結果を、図4に示す。
図4は、炭素材料の細孔容積を単位質量当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフである。図4において、横軸は細孔直径Dを示し、縦軸は細孔容積Vの細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDを示している。なお、図4では、横軸に対数座標を使用しているため、微分ΔV/ΔDを「ΔV/ΔlogD」と表記している。
図4から分かるように、炭素材料Aでは、細孔直径Dが10nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の微分ΔV/ΔDの最大値M1が、細孔直径Dが2nm乃至10nmの範囲内における微分ΔV/ΔDの最大値M2と比較してより大きかった。これに対し、炭素材料Bでは、最大値M1は、最大値M2と比較してより小さかった。
<例1:電極E1の製造>
炭素材料Aを、110℃で2時間の真空乾燥に供した。そして、90質量部の炭素材料Aと、10質量部のカーボンブラックと、20質量部のPTFEを含有したPTFE溶液とを混練した。
次いで、得られた混合物をエッチングされたアルミ箔上に塗布した後、これを0.18MPaのプレス圧で4回プレスした。そして、得られたシートを、面積が2cm2 のコイン状に打ち抜いた。以下、このようにして得られた電極を「電極E1」と呼ぶ。「電極E1」の電極密度は、0.76g/mLであった。
<例2:電極E2の製造>
プレス回数を4回とする代わりに6回としたことを除いては、例1と同様にして、電極を製造した。以下、この電極を「電極E2」と呼ぶ。「電極E2」の電極密度は、0.85g/mLであった。
<例3:電極E3の製造>
プレス回数を4回とする代わりに10回としたことを除いては、例1と同様にして、電極を製造した。以下、この電極を「電極E3」と呼ぶ。「電極E3」の電極密度は、0.93g/mLであった。
<例4:電極E4の製造(比較例)>
プレス回数を4回とする代わりに2回としたことを除いては、例1と同様にして、電極を製造した。以下、この電極を「電極E4」と呼ぶ。「電極E4」の電極密度は、0.60g/mLであった。
<例5:電極E5の製造(比較例)>
炭素材料Aを使用する代わりに炭素材料Bを使用したことを除いては、例1と同様にして、電極を製造した。以下、この電極を「電極E5」と呼ぶ。「電極E5」の電極密度は、0.89g/mLであった。
<評価2:電極の細孔分布>
電極E1乃至E5の各々について、細孔分布を測定した。細孔分布の測定には、Quantachrome社製のNOVA−3000を使用した。具体的には、115℃で1時間以上に亘って乾燥させた電極を0.0202g量り取り、これを先の細孔分布測定装置内に設置した。そして、これを、真空下、350℃で3時間に亘る乾燥に供し、その後、窒素の吸着量を測定し、BJH法により細孔分布を解析した。その結果を図5及び表1に示す。
図5は、電極の細孔容積を単位質量当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフである。図5において、横軸は細孔直径Dを示し、縦軸は細孔容積Vの細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDを示している。なお、図5では、横軸に対数座標を使用しているため、微分ΔV/ΔDを「ΔV/ΔlogD」と表記している。また、図5では、電極E1、E3及びE5についての測定結果のみを示している。
表1は、電極E1乃至E5の各々について、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積を示している。なお、表1では、この容積を「100−3000nm容積」と記載している。
図5及び表1から分かるように、電極E1乃至E3は、電極E4及びE5と比較して、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積がより大きかった。電極E1乃至E3は、当該容積が0.07mL/g以上であり、電極E4及びE5は、当該容積が0.07mL/g未満であった。
<電気化学的セルの製造>
電極E1を作用電極と対電極とに使用した2極セルを製造した。この2極セルの電解液としては、1mol/Lの濃度でEt4N・BF4を含有したプロピレンカーボネート溶液を使用した。以下、この2極セルを「セルC1」と呼ぶ。
次に、電極E1の代わりに電極E2乃至E5を使用したこと以外は、セルC1について説明したのと同様の方法により2極セルをそれぞれ製造した。以下、電極E2、E3、E4及びE5を用いて得られた2極セルを、それぞれ「セルC2」、「セルC3」、「セルC4」及び「セルC5」と呼ぶ。
<評価3:セルのエネルギー密度及び出力密度>
セルC1乃至C5の各々について、エネルギー密度と出力密度とを測定した。これらの測定には、北斗電工株式会社製の充放電装置 HJ−1005 SM8Aを使用した。
具体的には、定出力条件における充放電試験を行った。即ち、まず、この充放電装置を用いてセルC1乃至C5の各々を充電した。この充電は、25℃の温度条件のもと、セルの電圧が3.5Vに達するまで、5乃至500mWの範囲内の定出力で行った。充電完了後、セル電圧が2.31Vへと低下するまで、セルに放電させた。そして、この放電時におけるエネルギー密度と出力密度とを測定した。その結果を図6及び図7に示す。
図6は、エネルギー密度と出力密度との関係の例を示すグラフである。図6には、セルC1、C3及びC5についての結果を示している。
図6から分かるように、セルC1及びC3は、セルC5と比較して、所定のエネルギー密度を与える条件における出力密度がより大きかった。即ち、セルC1及びC3では、高いエネルギー密度と高い出力密度とを両立できることが分かった。即ち、セルC1及びC3は、内部抵抗が小さく、エネルギー密度が高いことが分かった。
図7は、細孔容積と出力密度との関係の例を示すグラフである。このグラフの横軸は、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積を表している。このグラフの縦軸は、エネルギー密度が10Wh/Lであるときの出力密度を表している。
図7から分かるように、セルC1乃至C3は、セルC4及びC5と比較して、エネルギー密度が10Wh/Lであるときの出力密度がより大きかった。即ち、電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が0.07mL/g以上である場合、大きな出力密度を達成できた。即ち、この場合、小さな内部抵抗を達成できた。
1…電気二重層キャパシタ、2a…分極性電極、2b…分極性電極、3…セパレータ、4a…集電体、4b…集電体、5…非水電解質溶液、10…チャンバ、20…ロータ、30…セパレータ、40…スペーサ、50…シャフト、110…上板、120…下板、130…排出管、210…凸部、220…底板、230…側壁、240…フィン、CM…炭素材料。

Claims (4)

  1. BJH法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの前記細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布において、前記細孔直径Dが10nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の前記微分ΔV/ΔDの最大値M1が、前記細孔直径Dが2nm乃至10nmの範囲内における前記微分ΔV/ΔDの最大値M2と比較してより大きい炭素材料を用いて製造される電極であって、
    BJH法に従って得られる細孔分布において、前記電極の単位質量当りに占める100nm乃至3000nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積が0.07mL/g以上である電極。
  2. 前記炭素材料は、前記細孔直径Dが10nm乃至100nmの範囲内において、前記細孔直径Dの増加に応じて前記微分ΔV/ΔDが増加している請求項1に記載の電極。
  3. 前記炭素材料は、前記最大値M1と前記最大値M2との比M1/M2が2倍以上である請求項2に記載の電極。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の電極と、前記電極から離間した対向電極と、前記電極及び前記対向電極間に介在した電解質とを具備した蓄電素子。
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