JP2015202965A - 改質黒鉛およびこの改質黒鉛を含有する電池用電極材、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

改質黒鉛およびこの改質黒鉛を含有する電池用電極材、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ Download PDF

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賢洋 江上
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Abstract

【課題】多孔質でありつつ、高い面積比容量(F/cm2)または高い体積比容量(F/cm3)を発現し、電極材の材料として用いることで電気化学素子を高容量化、高出力化することができる改質黒鉛が望まれていた。【解決手段】本発明に係る改質黒鉛は、BET法による比表面積が270m2/g以上であり、かつBJH法による細孔分布において直径2〜50nmの範囲に少なくとも1つ以上のピークを有していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電池用電極材や電気二重層キャパシタなどに用いられる改質黒鉛であって、特定以上の比表面積を有し、かつメソ孔領域(直径2〜50nm)の細孔が多く存在するという特徴を有する改質黒鉛に関するものである。
さらに詳しくは、メソ孔領域の中でも特定の直径範囲の細孔が多く存在するという特徴を有することによって、より高い面積比容量を発現させることができる改質黒鉛に関するものである。
また、この改質黒鉛を含有する電池用電極材、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタに関するものである。
リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子は小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、さらに充放電が可能な特性を有することからその需要が急速に拡大している。
具体的には、リチウムイオン二次電池はエネルギー密度が大きいことから、携帯電話やノート型パーソナルコンピュータなどの分野で利用されている。電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタは急速充放電が可能であることから、小中容量タイプのものはパーソナルコンピュータなどのメモリーバックアップ小型電源などに利用されており、大容量タイプのものは自動車の回生エネルギーとして実用化され始めている。
また、高いエネルギー密度と高い充放電速度を両立させるため、正極または負極のいずれか一方の電極をファラデー反応電極とし、もう一方の電極を非ファラデー反応電極としたハイブリッドキャパシタも開発が進められている。
さらに、導電性高分子の表面において起こる酸化還元反応を利用するレドックスキャパシタ(疑似容量キャパシタ)もその容量の大きさから注目を集めている。
そして、これら電気化学素子については用途の拡大や発展に伴い、更なる小型化、高出力化、高容量化、低抵抗化その他の機械的特性の改善が求められており、かかる要望を満足させるために電気化学素子に用いられる電極材についても様々な改善が行われている。
ここで、電気化学素子の高容量化を実現するためには、電極材の重量比容量(F/g)を向上させることにも増して、面積比容量(F/m)または体積比容量(F/m)を向上させることが重要となる。また、電気化学素子の高出力化においては、高いレート特性も要求されることから充放電容量を向上させることも重要となる。
そして、これらの要求に応える1つの方法として電極材の多孔質化が挙げられる。
ここで、多孔質化の例として、高比表面積の活性炭を電極材に用いることが行われている。具体的には、特許文献1には比表面積を1600〜2200m/g、平均細孔径を1.7〜2.1nm、1.4〜2.0nmの細孔容積を0.25cm/g以上とした電極材(電気二重層キャパシタ用活性炭)が開示されている(特許文献1の[請求項1]参照)。また、特許文献2には比表面積を1000〜3500m/g、平均細孔径を2〜4nm、全細孔容積を0.6〜3cm/gとした電極材(電気二重層キャパシタ用活性炭)が開示されている(特許文献2の段落[0054]〜[0056]参照)。
特開2008−21966号公報 特開2013−249252号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載されているような活性炭は、一般的に、活性炭の基となるヤシガラ炭化物、フェノール樹脂炭化物、石炭などの原料を水蒸気賦活あるいは薬品賦活することによって作製されるが、混合・混連、焼成、酸や熱水による複数回の洗浄、乾燥、焼成、粉砕といった長い工程が必要となるという課題がある。そして、この様な複雑な工程を経なければならないことからコストも高くなってしまうという課題もある。
また、特許文献1、2に記載されている活性炭は2000m/gを超える高い比表面積を有するものであるが、平均細孔径は2nm程度であり、多孔質という観点からは必ずしも満足できる性能とは言えないものである。すなわち先に述べたように電気二重層キャパシタの高容量化、高出力化を実現するためには、平均細孔径をさらに大きくする必要があるのである。
そこで、本発明者らは、黒鉛を単層剥離したグラフェンの比表面積が2630m/gであること、黒鉛を薄片化した薄片化黒鉛が活性炭に比べて多くのメソ孔を有すること、原材料である黒鉛が安価であることなどに着目して鋭意検討を重ねた結果、機械粉砕や酸による化学処理などを行うことによって高い比表面積を有しつつ、メソ孔領域の細孔が多く存在するという特徴を有する改質黒鉛を作製することができるという知見を得た。そして、かかる改質黒鉛は高い面積比容量(F/m)を発現するものであるという知見を得た。
さらに、この黒鉛を電気化学素子の電極材に用いた場合には、電気化学素子を高容量化、高出力化することができるという知見を得た。
すなわち、本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、従来の活性炭よりも高い面積比容積を発現する改質黒鉛の提供を目的とするものである。また、この改質黒鉛を電気化学素子の電極材に用いた場合には高容量化、高出力化を発現させることができる改質黒鉛の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る改質黒鉛は、BET法による比表面積が270m/g以上であり、かつBJH法による細孔分布において直径2〜50nmの範囲に少なくとも1つ以上のピークを有していることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る改質黒鉛は、ピークが、直径9〜29nmの範囲に存在することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る改質黒鉛は、ピークが、直径9〜14nmの範囲と直径14〜29nmの範囲に存在することを特徴とする。
本発明の請求項4に係る改質黒鉛は、直径9〜14nmの範囲に存在するピーク(第1ピーク)と、直径14〜29nmの範囲に存在するピーク(第2ピーク)とのピーク比(第2ピーク/第1ピーク)が、0.91〜1.36であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る改質黒鉛は、平均細孔直径が、5〜10nmであることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る電池用電極材は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改質黒鉛を含有することを特徴とする。
本発明の請求項7に係る電気二重層キャパシタは、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改質黒鉛を含有することを特徴とする。
本発明の請求項8に係るリチウムイオンキャパシタは、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改質黒鉛を含有することを特徴とする。
本発明に係る改質黒鉛によれば、特定以上のBET比表面積を有し、かつメソ孔領域(直径2〜50nm)の細孔を多く有しているので、従前の活性炭などに比べて高い面積比容量を発現させることができる。また、かかる改質黒鉛を含有することによって、従前の活性炭などを含有した場合に比べて、高容量化、高出力化した電気化学素子(電池用電極材、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなど)を得ることができる。
特に、本発明の請求項2〜請求項5に係る改質黒鉛によれば、メソ孔領域の中でも特定の直径範囲における細孔が多く存在するという特徴を有する、あるいは平均細孔直径が特定の範囲であるという特徴を有する黒鉛とすることによって、より高い面積比容量を発現させることができる。
実施例の改質黒鉛および比較例の黒鉛の細孔分布グラフである。
(比表面積)
本発明の改質黒鉛は、BET法による比表面積が270m/g以上であることを必要とする。BET法による比表面積が270m/gよりも小さくなると電気化学素子の電極材として用いた際に高容量化を実現することが困難となるからである。そして、その中でも後記する細孔分布などの要件と相俟って高容量化をより発現させることができることからBET法による比表面積を328m/g以上とすることが好ましい。
なお、BET比表面積の上限値については特に制限はない。但し、あまりBET比表面積を高くし過ぎても嵩比重が低くなるために電気化学素子の特性が頭打ちになることから2630m/g以下とすることが好ましい。
(細孔分布)
また、本発明の改質黒鉛は細孔分布において直径2〜50nmの範囲に少なくとも1つ以上のピークを有していることが必要である。このように各種のイオンの出入りに最適な細孔であるメソ孔領域(直径2〜50nm)の細孔径を多く有していることによって、電解質イオンやリチウムイオンなどが細孔内に多く吸脱着することになり、従前の活性炭などを用いた場合に比べて高い面積比容量または体積比容量を実現することができるのである。
なお、本発明における細孔分布とは積算細孔容積分布、差分細孔容積分布、微分細孔容積分布、Log微分細孔容積分布など各種の細孔分布を示すものであるが、その中でもLog微分細孔容積分布において直径2〜50nmの範囲に少なくとも1つ以上のピークを有していることが好ましい。
ここで、Log微分細孔容積分布とは差分細孔容積(dV)を細孔直径Dの対数扱いの差分値d(logD)で割った値を縦軸とし、細孔直径Dを横軸としてプロットしたものである。
そして、本発明の改質黒鉛はこのLog微分細孔容積分布において、上記した直径2〜50nmの範囲の中でも、直径9〜29nmの範囲に少なくとも1つ以上のピークを有していることが好ましく、さらに図1に示すように直径9〜14nmの範囲と直径14〜29nmの範囲にそれぞれピークを有していることが好ましい。このようにメソ孔領域の中でも9〜29nmの直径範囲における細孔を特徴的に多く有していることによって、電解質イオンやリチウムイオンなどがより多く、かつより迅速に細孔内に吸脱着することになり、高い面積比容量または体積比容量を実現することができるのである。
なお、直径9〜14nmの範囲に存在するピークを第1ピークとし、直径14〜29nmの範囲に存在するピークを第2ピークとした場合のピーク比(第2ピーク/第1ピーク)については、0.91〜1.36であることが好ましく、その中でも0.91〜1.24であることが好ましい。
(平均細孔直径)
また、本発明の改質黒鉛は、平均細孔直径が5〜10nmであることが好ましい。このように特定の比表面積、特有の細孔分布を有しつつ、細孔直径の平均を5〜10nmという微細なものとすることによって、電解質イオンやリチウムイオンなどがより多く、かつより迅速に細孔内に吸脱着することになり、高い面積比容量または体積比容量を実現することができるのである。なお、平均細孔直径については5〜10nmの中でも5.7〜7.8nmの範囲であることが好ましい。
(原料および製造方法)
本発明の改質黒鉛の原料としては特に限定されず、市販されている天然や人造などの黒鉛、ヤシガラ炭化物、フェノール樹脂炭化物、石炭などを原料とすることができる。そしてこれらの中でもBET比表面積が10m/g程度の燐片状黒鉛を原料とすることが好ましい。
次に、本発明の改質黒鉛の製造方法としては、例えば上記の原料を機械粉砕や酸による化学処理を複合的に行うことによって製造する方法が挙げられる。機械粉砕としては例えばハンマーミル、ピンミル、ビーズミル、振動ミル、ジェットミルなどが挙げられ、酸による化学処理としては例えば硫酸、発煙硫酸、無水硫酸、硝酸塩類、過硫酸塩類、過マンガン酸カリウム、過酸化水素水などによる処理が挙げられる。そして、これらの方法を複合的に組み合わせることによって本発明の改質黒鉛を製造する。具体的には、例えば2種類以上の機械粉砕を組み合わせたり、2種類以上の化学処理を組み合わせたり、機械粉砕と化学処理を組み合わせたりすることによって本発明の改質黒鉛を製造する。特に、酸による化学処理を行えば改質黒鉛の表面を親水性にすることができ、その後表面に各種の官能基を修飾することで高容量化だけでなく、様々な機能性を付与することができる。
なお、化学処理を採用する場合には、処理後に水洗、乾燥、粉砕をして用いることもできるが、後記する電極補助剤として用いるような場合には処理後にさらに還元処理をして用いることもできる。
(電池用電極材、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ)
そして、上記の方法によって製造された本発明の改質黒鉛は、電池用電極材、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなどの各種電気化学素子の電極材に用いることができる。
また、本発明の改質黒鉛はそれ自体を電極材とするのではなく、電極補助剤として用い、他の材料と混合(すなわち本発明の改質黒鉛を含有)することによって電極材とすることもできる。具体的には、本発明の改質黒鉛を、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、熱膨張黒鉛、炭素繊維、カーボンナノファイバー、ナノ炭素材料、酸化ルテニウム、導電性高分子(例えば、ポリピロール、ポリアニリン及びそれらの誘導体)などと混合することによって電極材とすることができる。
ここで、本発明の改質黒鉛を用いた電極材の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を採用することができるが、例えば金属や活性炭の集電体の上にスラリー化した本発明の改質黒鉛を塗布し、乾燥させて作製する方法や本発明の改質黒鉛を樹脂などと混連してシート状に作製し、集電体上に積層する方法などが挙げられる。また、予め本発明の改質黒鉛と他の材料を混連することによって複合化した材料を作製した後、上記の方法を用いて電極材を製造する方法も挙げられる。なお、その際の本発明の改質黒鉛の配合量としては特に限定されるものではなく、電極材として所望する物性に応じて適宜決定されることになる。
さらに、電解液に後記するリチウム塩を含有する電解液を用いる場合には、粉末の状態の改質黒鉛にかかる電解液を浸漬して黒鉛の表面にリチウムを担持した後に電極材としてもよいし、電極材の状態にした後、かかる電極材に電解液を浸漬して黒鉛の表面にリチウムを担持することもできる。
本発明の改質黒鉛を用いた電極材を用いて電気化学素子を作製する際に用いられる電解液は特に限定されず、水系、溶剤系のいずれのものも用いることができる。
なお、電解液は電解質と溶媒とから構成されるものである。そして、電解質としては例えばリチウム塩やアンモニウム塩などを用いることができる。
ここで、電解質にリチウム塩を用いる場合には、カチオンとしては例えばリチウムイオンを用いることができ、アニオンとしては、PF 、BF 、AsF 、SbF 、N(RfSO 、C(RfSO 、RfSO (Rfはそれぞれ炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表す)、F、ClO 、AlCl 、AlF などを用いることができる。
また、溶媒としては例えばプロピレンカーボート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート類、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、スルホラン類、アセトニトリルなどのニトリル類などが挙げられる。なお、これらの電解質や溶媒については単独または二種以上を併用して用いることができる。
次に、本発明に係る改質黒鉛を実施例および比較例に基づいて詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
燐片状天然黒鉛(西村黒鉛社製、品番PB−99、BET比表面積10m/g)をジェットミル(アイシンナノテクノロジーズ社製)を用いて粉砕し、32m/gまでBET比表面積を向上させた。次に、この黒鉛を乾式ボールミル(φ5mmのジルコニアビーズ)を用いて96時間粉砕することによって、実施例1の改質黒鉛を作製した。
(実施例2)
乾式ボールミルの粉砕時間を123時間にした以外は実施例1と同様の操作を行い、実施例2の改質黒鉛を作製した。
(実施例3)
実施例1の作製過程で得られるジェットミル後の黒鉛(BET比表面積、32m/g)を用い、当該黒鉛、98%濃硫酸、硝酸ナトリウム、過マンガン酸カリウムを重量比で、当該黒鉛:98%濃硫酸:硝酸ナトリウム:過マンガン酸カリウム=1:40:5:2となるようにビーカー内で配合し、氷を入れたウォーターバスを用いてビーカー内の配合物を20℃以下で1時間混合した。
次に、この混合物に対して、3%希硫酸水溶液と35%過酸化水素水をそれぞれ重量比で、混合物:3%希硫酸水溶液:35%過酸化水素水=200:1:1となるように配合し、加温装置を用いて80℃で30分加熱混合した。
次に、この混合物を20時間放置し、遠心分離器を用いて蒸留水でデカンテーションを3回繰り返した。
最後に、洗浄後の混合物を100℃で2時間乾燥した後、500℃の窒素雰囲気下で1時間還元焼成を行うことによって実施例3の改質黒鉛を作製した。
(実施例4)
実施例1の作製過程で得られるジェットミル後の黒鉛(BET比表面積、32m/g)を乾式ボールミルの粉砕時間を210時間にした以外は実施例1と同様の操作を行うことによって実施例4の改質黒鉛を作製した。
(実施例5)
実施例3の配合比を当該黒鉛:98%濃硫酸:硝酸ナトリウム:過マンガン酸カリウム=1:40:5:1とした以外は実施例3と同様の操作を行うことによって実施例5の改質黒鉛を作製した。
(比較例1)
市販されている天然黒鉛(日本黒鉛工業社製、品番J−CPB、BET比表面積9m/g)を比較例1の黒鉛とした。
(比較例2)
実施例1の原料として用いた燐片状天然黒鉛(西村黒鉛社製、品番PB−99、BET比表面積10m/g)を比較例2の黒鉛とした。
(比較例3)
市販されている膨張黒鉛(西村黒鉛社製、品番PS−99、BET比表面積20m/g)を比較例3の黒鉛とした。
(比較例4)
市販されている高比表面積の活性炭(BET比表面積1125m/g)を比較例4の黒鉛とした。
次に、実施例の改質黒鉛および比較例の黒鉛について、比表面積および細孔分布の測定、平均細孔直径の算出を行った。具体的には、まず、実施例の改質黒鉛および比較例の黒鉛を150℃にて30分間真空加熱した後、窒素吸着装置(Quantachrome社製、「QUADRASORB SI」)を用いて吸着等温線を求め、かかる吸着等温線からBET法により比表面積を測定した。また、改質黒鉛、黒鉛に形成された細孔の形状をスリット状と仮定し、BJH法により細孔分布を測定した。さらに、比表面積と全細孔容積とから平均細孔直径を算出した。結果を表1に示す。また、細孔分布を表2と図1に示す。
その結果、実施例の改質黒鉛についてはいずれも、1)表1からわかる通りBET比表面積が270m/g以上となり、かつ2)図1からわかる通りBJH法による細孔分布(Log微分細孔容積分布)において直径2〜50nmの範囲(詳しくは直径9〜29nmの範囲)に少なくとも1つ以上のピークが存在するという特徴を有していることがわかった。
特に、細孔分布(Log微分細孔容積分布)については、図1からわかる通り、実施例の改質黒鉛は直径9〜14nmの範囲と直径14〜29nmの範囲に2つのピークが存在するという特徴を有していることがわかった。そして、この直径9〜14nmの範囲に存在するピークを第1ピークとし、直径14〜29nmの範囲に存在するピークを第2ピークとした場合のピーク比(第2ピーク/第1ピーク)は、表2から0.91〜1.36の範囲に属するという特徴を有していることがわかった。
一方、比較例の黒鉛については、比較例4についてはBET比表面積が270m/g以上(1125m/g)となっているが、その他の比較例については全てBET比表面積が270m/g未満であった。
さらに、BJH法による細孔分布(Log微分細孔容積分布)においては、いずれの比較例においても直径2〜50nmの範囲にピークと判断できるような特徴は認められなかった。なお、表2から直径9〜14nmの範囲の極大値と直径14〜29nmの範囲の極大値をそれぞれ第1ピークと第2ピークと見立ててピーク比を算出したところ、いずれの比較例のピーク比も上記の0.91〜1.36の範囲を外れるものであった。
(静電容量の評価)
次に、実施例の改質黒鉛および比較例の黒鉛について静電容量の評価を行った。具体的には、以下の手順にて作製した3極式セルの定電流充放電測定を行い、その結果から静電容量を評価した。
まず、実施例の改質黒鉛または比較例の黒鉛と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とを重量比で10:2となるように混合し、少量のエタノールを加えて乳鉢で10分間混練を行った。次に、この混練物をロールプレスにてプレスすることによって膜厚200μmのシートを得た。次に、このシートをφ10mmのディスクにて打ち抜き、60℃で1時間乾燥させることによって、電極材を作製した。最後に、得られたφ10mmの電極材を作用電極とし、活性炭繊維(ユニチカ社製:A−20)をカウンター電極とし、銀/塩化銀を参照電極とし、1Mの硫酸水溶液を電解液とすることによって3極式セルを作製した。そして、この3極式セルについて定電流充放電測定を行い、その結果から静電容量を算出した。結果を表1に示す。
その結果、実施例の改質黒鉛を用いた3極式セルについては、放電レート100mA/gでの単位面積当たりの静電容量が0.21〜0.22F/mという高容量のものとなった。
一方、比較例の黒鉛を用いた3極式セルは、実施例と同じ量を混合して電極材としたにもかかわらず、放電レート100mA/gでの単位面積当たりの静電容量は0.14F/mと低いものであった。
従って、特定以上の比表面積を有し、かつメソ孔領域(直径2〜50nm)の細孔を多く有している本発明の改質黒鉛は、従前の活性炭などを含有した場合に比べて高い面積比容量を発現するものであり、電気化学素子の電極材として使用した場合には電気化学素子を高容量化、高出力化することができることがわかった。
また、このような改質黒鉛を簡便に作製することができることもわかった。
本発明に係る改質黒鉛は、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオンキャパシタなどの電気化学素子に用いることができる。

Claims (8)

  1. BET法による比表面積が270m/g以上であり、
    かつBJH法による細孔分布において直径2〜50nmの範囲に少なくとも1つ以上のピークを有していることを特徴とする改質黒鉛。
  2. 前記ピークが、
    直径9〜29nmの範囲に存在することを特徴とする請求項1に記載の改質黒鉛。
  3. 前記ピークが、
    直径9〜14nmの範囲と直径14〜29nmの範囲に存在することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の改質黒鉛。
  4. 前記直径9〜14nmの範囲に存在するピーク(第1ピーク)と、
    直径14〜29nmの範囲に存在するピーク(第2ピーク)とのピーク比(第2ピーク/第1ピーク)が、
    0.91〜1.36であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の改質黒鉛。
  5. 平均細孔直径が、
    5〜10nmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の改質黒鉛。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改質黒鉛を含有することを特徴とする電池用電極材。
  7. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改質黒鉛を含有することを特徴とする電気二重層キャパシタ。
  8. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の改質黒鉛を含有することを特徴とするリチウムイオンキャパシタ。
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