JP2017108022A - 導電性補助剤、電極及び蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー密度が大きな蓄電素子を提供する。【解決手段】導電性補助剤は、BJH法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの前記細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布において、前記細孔直径Dが5nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の前記微分ΔV/ΔDの最大値が、前記細孔直径Dが2nm乃至5nmの範囲内における前記微分ΔV/ΔDの最大値と比較してより大きい炭素材料からなる。【選択図】図5

Description

本発明は、導電性補助剤、電極及び蓄電素子に関する。
電気二重層キャパシタ、非対称型キャパシタ及びリチウムイオン二次電池等の蓄電素子は、電極を備えている。この電極は、典型的には、蓄電材料と導電性補助剤と結着剤とを含んでいる。導電性補助剤は、蓄電材料の粒子間の接触抵抗を低下させることにより、電極の導電性を向上させる役割を担っている。
例えば、特許文献1には、活性炭と導電補助材とバインダとを含んだ分極性電極層を備えた電気二重層キャパシタが記載されている(請求項1)。そして、この導電補助材の例として、ケッチェンブラック及びアセチレンブラック等のカーボンブラック;気相成長炭素繊維(VGCF)、フラーレン、カーボンナノチューブ及びカーボンナノホーン等のナノカーボン;並びに粉状又は粒状グラファイトが挙げられている(段落0040)。
特開2008−60457号公報
本発明の目的は、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現可能とすることにある。
本発明の第1側面によると、BJH法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの前記細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布において、前記細孔直径Dが5nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の前記微分ΔV/ΔDの最大値M1が、前記細孔直径Dが2nm乃至5nmの範囲内における前記微分ΔV/ΔDの最大値M2と比較してより大きい炭素材料からなる導電性補助剤が提供される。
本発明の第2側面によると、蓄電材料と第1側面に係る導電性補助剤とを含んだ電極が提供される。
本発明の第3側面によると、第2側面に係る電極と、前記電極から離間した対向電極と、前記電極及び前記対向電極間に介在した電解質とを具備した蓄電素子が提供される。
本発明によると、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現することが可能となる。
粉砕機の一例を概略的に示す断面図。 図1に示す粉砕機のII−II線に沿った断面図。 電気二重層キャパシタの一例を概略的に示す断面図。 累積細孔容積を示すグラフ。 細孔容積を単位質量当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフ。 細孔容積を単位体積当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフ。 炭素材料のエネルギー密度を示すグラフ。 電気化学的セルのエネルギー密度を示すグラフ。 炭素材料の単位体積当りに占める5nm乃至100nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積と電気化学的セルのエネルギー密度との関係を示すグラフ。
以下、本発明の態様について説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の一態様に係る電極は、蓄電材料と導電性補助剤とを含んでいる。
蓄電材料は、電荷を蓄積及び放出する機能を有している。この蓄電材料としては、例えば、炭素材料又はリチウム化合物を使用する。
炭素材料としては、例えば、活性炭、木炭、黒鉛又はコークスを使用する。なお、この炭素材料として、後述する導電性補助剤の製造プロセスにおける中間品(以下、蓄電用炭素材料ともいう)を使用してもよい。
リチウム化合物としては、例えば、Liと遷移金属元素とを含んだ複合酸化物を使用する。この遷移金属元素は、例えば、Co、Ni、Mn又はこれらの組合せである。具体的には、この複合酸化物として、例えばLiCoO2、LiNiO2 又はLiMn24 を使用する。
蓄電材料の平均粒径は、典型的には、1μmより大きい。この平均粒径は、例えば50μm以下であり、典型的には20μm以下である。この平均粒径は、例えば1μmより大きく且つ15μm以下であり、典型的には3μm乃至10μmの範囲内にある。この平均粒径を過度に大きくすると、電極の内部抵抗が大きくなる場合がある。この平均粒径を過度に小さくすると、電極の充放電性能が低下する場合がある。なお、以下では、用語「平均粒径」は、レーザー回折・散乱法に従った粒度分布測定によって得られる体積平均径を意味していることとする。
導電性補助剤は、上述したように、蓄電材料の粒子間の接触抵抗を低下させることにより、電極の導電性を向上させる役割を担っている。
本発明者らは、以下に説明する方法により製造した炭素材料は、細孔分布などが他の炭素材料とは異なっていること、及び、この炭素材料を導電性補助剤として使用すると、エネルギー密度が大きな蓄電素子を実現できることを見出した。以下に、この炭素材料の製造方法を説明する。
まず、炭素材料の原料として、固体材料を準備する。この固体材料としては、例えば、石炭系又は石油系コークスを使用する。この固体材料は、例えばハンマーミルを用いて粗粉砕する。
次に、この粗粉砕品を炭化処理に供する。具体的には、この粗粉砕品を、不活性雰囲気中で乾留する。これにより、以下の物理的性質を有している材料を得ることが可能となる。
SSA≦10m2/g
0.355nm≦d002≦0.365nm
DM≦300μm
ここで、「SSA」は、BET吸着等温式を利用して得られる比表面積を表している。「d002」は、X線回折法を利用した測定によって得られる002面の格子面間隔を表している。「DM」は、平均粒径を意味している。
これら物理的性質は、原料の物理的及び化学的性質と炭化処理の条件とに応じて変化する。典型的には、この炭化処理の温度は600℃乃至900℃の範囲内とし、時間は0.5時間乃至2時間の範囲内とする。
次に、炭化処理後の材料を、一次粉砕に供する。この一次粉砕には、例えばバンダムミルを使用する。また、この一次粉砕は、粉砕品の平均粒径が例えば100μm以下となるように行う。
次いで、一次粉砕後の材料を、アルカリ金属を用いた賦活処理に供する。例えば、一次粉砕後の材料と苛性アルカリとの混合物を、不活性雰囲気中で熱処理する。なお、アルカリ金属としては、典型的には、リチウム以外のアルカリ金属を使用する。続いて、この材料に、例えば加圧濾過洗浄等の洗浄を施すことにより、余分なアルカリ成分などを除去する。この洗浄は、例えば、洗浄液として純水を使用し、使用後の純水のpHが6乃至8になるまで繰り返す。その後、洗浄した材料を乾燥させ、乾燥後の材料を二次粉砕に供する。この二次粉砕には、例えば、乾式のボールミルを使用する。
上記の賦活処理から二次粉砕までの工程によって、二次粉砕後の材料が以下の物理的性質を有するように産物を得ることが可能となる。
SSA≦1000m2/g
0.365nm≦d002≦0.380nm
1μm<DM≦10μm
二次粉砕後の材料の物理的性質は、炭化処理後の材料の物理的及び化学的性質並びにその後に行う処理の条件などに応じて変化する。賦活処理については、例えば、苛性アルカリ添加量は炭化処理後の材料に対して質量比で1倍乃至10倍の範囲内とし、不活性雰囲気中で行う熱処理の温度は600℃乃至900℃の範囲内とし、時間は1時間乃至16時間の範囲内とする。
なお、この二次粉砕後の活性炭は、蓄電材料として使用してもよい。即ち、この活性炭は、蓄電用炭素材料として使用してもよい。
次いで、二次粉砕後の活性炭を超微粉砕に供する。具体的には、先の活性炭を湿式遠心力粉砕に供する。これにより、活性炭の平均粒径を、例えば0.1μm乃至1.0μmの範囲内とする。この湿式遠心力粉砕については、後で詳しく説明する。
続いて、超微粉砕した活性炭と分散液とを含んだスラリーを粉砕媒体から分離し、この活性炭を乾燥させる。この乾燥には、例えば噴霧乾燥機を使用する。
その後、乾燥後の活性炭を、還元処理に供する。例えば、この活性炭を、還元性雰囲気中、1時間乃至16時間に亘って、600℃乃至900℃の範囲内の温度に加熱する。
以上のようにして、炭素材料として、超微粉砕した活性炭を得る。
この方法では、上記の通り、湿式遠心力粉砕によって活性炭を超微粉砕する。湿式遠心力粉砕法によると、他の粉砕法、例えば乾式粉砕法では実現することができない小さな平均粒径を実現することができる。湿式遠心力粉砕法について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、粉砕機の一例を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示す粉砕機のII−II線に沿った断面図である。
この粉砕機は、チャンバ10を含んでいる。チャンバ10は、上板110と下板120と排出管130とを含んでいる。
上板110は、略円盤形状を有している。上板110の一方の主面は、その周縁部でせり上がっている。また、上板110には、そのほぼ中心に、スラリー供給口として使用する開口部が設けられている。
下板120は、略円盤形状を有している。下板120の一方の主面はその周縁部でせり上がっており、この主面には、せり上がった周縁部の内側に円形の溝が設けられている。更に、下板120には、そのほぼ中心に貫通孔が設けられている。
上板110と下板120とは、それらのせり上がった周縁部、即ち側壁部が互いに接触するように配置されており、これにより、それらの間に略円柱形の密閉空間を形成している。
排出管130は、先の側壁部に取り付けられている。排出管130は、上板110と下板120とが形成している内部空間を外部空間へと連絡している。
このチャンバ10内には、ロータ20とセパレータ30とスペーサ40とが配置されている。
ロータ20は、凸部210と底板220と側壁230とフィン240とを含んでいる。
凸部210は、一端が先細りした円柱形状を有している。凸部210の他端は、下板120に設けられた貫通孔に挿入されたシャフト50の一端に支持されている。凸部210の先細りした先端は、上板110に設けられた開口部と向き合っている。
底板220は、中央部に貫通孔が設けられた円盤形状を有している。底板220には、その中央部及び周縁部から離れた位置に複数の貫通孔が更に設けられている。中央部に設けられた貫通孔には凸部210が挿入されており、この位置で、底板220は凸部210に支持されている。
側壁230は、円筒形状を有している。側壁230には、円周方向に配列した複数の貫通孔が設けられている。側壁230は、その柱面が底板220の一方の主面に対して垂直となるように底板220に支持されている。
フィン240は、側壁230に支持されている。フィン240は、その主面が底板220の主面に対して垂直又は斜めとなるように、側壁230の外面上でその円周方向に沿って配列している。
セパレータ30は、円筒形状を有している。セパレータ30には、底板220の中央部から離れた位置に設けられた貫通孔及び側壁230に設けられた貫通孔と比較して径がより小さな複数の貫通孔が設けられている。更に、セパレータ30には、その内面に複数の突起310が設けられている。セパレータ30は、下板120に設けられた溝に嵌め込まれている。
スペーサ40は、セパレータ30と上板110との間及びセパレータ30と下板120との間に介在している。スペーサ40は、セパレータ30に内側から力が加わった場合に、その変形を抑制する。
上述した炭素材料の製造においては、例えば、この粉砕機を用いて二次粉砕後の活性炭を超微粉砕する。
具体的には、まず、ロータ20を高速で回転させる。次いで、粉砕媒体を又は粉砕媒体と分散媒とを含んだスラリーを、上板110に設けられたスラリー供給口からチャンバ10内へと供給する。
粉砕媒体は、例えばセラミックスからなる球体である。粉砕媒体は、底板220の中央部から離れた位置に設けられた貫通孔及び側壁230に設けられた貫通孔と比較してより小さく、セパレータ30に設けられた貫通孔と比較してより大きい。分散媒としては、例えば水を使用することができる。
凸部210の先端に到達した粉砕媒体は、遠心力と重力とによって側壁230の内面へと移動する。側壁230には貫通孔が設けられているため、側壁230の内面へと移動した粉砕媒体は、遠心力によって、これら貫通孔を介してセパレータ30の内面上へと移動する。粉砕媒体は、セパレータ30の内面上に堆積し、ここで層を形成する。
セパレータ30の内面上では、粉砕媒体は、フィン240の作用によって、セパレータ30の内面上を円周方向に沿って移動する。この際、セパレータ30の内面に設けられている突起310は、円周方向に沿った粉砕媒体の移動を妨げる。そして、遠心力を利用してセパレータ30と側壁230との間に粉砕媒体を局在化させるため、この空間内における粉砕媒体の密度を高くすることができる。従って、粉砕媒体に、大きな剪断力を作用させることができる。
また、粉砕媒体の一部は、底板220と側壁230とが形成している凹部内へと、その上板110側の開口から又は底板220に設けられている貫通孔を介して戻る。その後、これら粉砕媒体は、遠心力によって、側壁230に設けられている貫通孔を通過し、セパレータ30の内面上で円周方向へ移動している粉砕媒体に高速で衝突する。
このように、粉砕媒体は、セパレータ30と側壁230とに挟まれた空間内を円周方向に移動すると共に、この空間と側壁230によって囲まれた空間との間で循環する。そして、遠心力を利用しているため、粉砕媒体が小さい場合であっても、大きな剪断力を加えること及び粉砕媒体同士を高速で衝突させることが可能である。
次に、ロータ20を高速で回転させたまま、二次粉砕後の活性炭と分散媒とを含有したスラリーを、上板10に設けられたスラリー供給口からチャンバ10内へと供給する。このスラリーにおける活性炭の濃度は、例えば1質量%乃至10質量%の範囲内とする。また、分散媒としては、例えば水を使用する。
凸部210の先端に到達したスラリーは、遠心力と重力とによって側壁230の内面へ向けて移動する。このスラリーは、側壁230によって囲まれた空間内で粉砕媒体と混合された後、側壁230に設けられている貫通孔を通過し、セパレータ30と側壁230とに挟まれた空間内を移動している粉砕媒体の流れと合流する。
粉砕媒体の流れの中で、スラリー中の活性炭は、上述した剪断力と粉砕粒子同士の衝突とによって粉砕される。粉砕された活性炭は、分散液と共にセパレータ30を透過する。セパレータ30を透過した活性炭と分散液とは、スラリーとして排出管130を通過する。以上のようにして、粉砕した活性炭を含有したスラリーを得る。
その後、チャンバ10内の粉砕粒子を径がより小さなものと交換すると共に、必要に応じてセパレータ30を貫通孔の径がより小さなものと交換する。次いで、二次粉砕した直後の活性炭を含有したスラリーの代わりに、図1及び図2に示す粉砕機を用いて粉砕した活性炭を含有したスラリーを使用すること以外は、上述したのとほぼ同様の方法により粉砕を行う。なお、ロータ20の回転速度及びスラリーの供給速度などの諸条件は、必要に応じて適宜変更する。
そして、上述した粉砕粒子等の交換と粉砕とを、所望の粒径の活性炭が得られるまで繰り返す。例えば、第1回目の粉砕処理においては直径が0.2mm乃至1.0mmの範囲内にある粉砕媒体を使用し、最後の粉砕処理においては直径が0.05mm乃至0.2mmの範囲内にある粉砕媒体を使用する。以上のようにして、超微粉砕した活性炭を含んだスラリーを得ることができる。
なお、このように超微粉砕した活性炭を、ボールミル、振動ミル、ローターミル、ハンマーミル、ジェットミル及び遊星ミルなどの一般的な粉砕機を用いて得ることは不可能である。これは、活性炭を超微粉砕するには、小さな粉砕媒体を使用すること、粉砕媒体の衝突頻度が高いこと、粉砕媒体が活性炭に及ぼす力が大きいことなどが必要であるが、先に例示した粉砕機は何れも、これら要件の1つ以上を欠いているためである。
また、図1及び図2に示す粉砕機を用いて乾式法により粉砕を行った場合、例え、活性炭を超微粉砕することができたとしても、現実的には、超微粉砕した活性炭を捕集することは不可能である。これは、超微粉砕した活性炭は、バグフィルタなどのフィルタを透過するためである。
上述した方法により得られる炭素材料は、以下の物理的性質を有している。即ち、BJH(Barrett-Joyner-Halenda)法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布曲線は、細孔直径Dが5nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の微分ΔV/ΔDの最大値M1が、細孔直径Dが2nm乃至5nmの範囲内における微分ΔV/ΔDの最大値M2と比較してより大きい。典型的には、細孔直径Dが5nm乃至100nmの範囲内において、細孔直径Dの増加に応じて、この微分ΔV/ΔDは増加している。
例えば、最大値M1と最大値M2との比M1/M2は2倍以上であり、好ましくは4倍以上である。なお、比M1/M2は、典型的には、10以下である。
また、この炭素材料の物理的性質の各々は、例えば、以下の値を有している。
SSA≦1000m2/g
0.365nm≦d002≦0.380nm
0.1μm≦DM≦1μm
そして、この炭素材料の物理的性質の各々は、典型的には、以下の値を有している。
SSA≦1000m2/g
0.365nm≦d002≦0.380nm
0.1μm≦DM≦0.5μm
この炭素材料のSSAは、好ましくは10〜1000m2/g、より好ましくは100〜800m2/g、更に好ましくは200〜400m2/gである。
炭素材料の細孔分布曲線は、具体的には、以下の方法により得る。
まず、77.4K(窒素の沸点)の窒素ガス中で、窒素ガスの圧力P(mmHg)を徐々に高めながら、各圧力Pで、炭素材料の窒素ガス吸着量(cc/g)を測定する。次いで、圧力P(mmHg)を窒素ガスの飽和蒸気圧P0(mmHg)で除した値を相対圧力P/P0として、各相対圧力P/P0に対する窒素ガス吸着量をプロットすることにより吸着等温線を得る。その後、この吸着等温線から、BJH法に従って細孔分布を求める。このようにして、細孔分布曲線が得られる。なお、BJH法は、例えば、「J.Am.Chem.Soc.(1951),73,373−380」などに記載されている。
BJH法に従って得られる細孔分布において、炭素材料の単位質量当りに占める5nm乃至100nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積は、例えば0.1〜1.0mL/gであり、典型的には0.3〜0.8mL/g、好ましくは0.5〜0.8mL/gである。また、BJH法に従って得られる細孔分布において、炭素材料の単位体積当りに占める5nm乃至100nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積は、例えば0.01〜0.15mL/mLであり、典型的には0.04〜0.10mL/mL、好ましくは0.07〜0.10mL/mLである。
本発明者らは、この炭素材料は導電性補助剤としての性能に優れていることを見出している。具体的には、この炭素材料は、カーボンブラック等の従来の導電性補助剤と比較して、エネルギー密度が際立って大きい。そして、蓄電材料と導電性補助剤とを含んだ電極において、この炭素材料を導電性補助剤として使用すると、電極のエネルギー密度を大幅に向上させることができる。
この炭素材料からなる導電性補助剤と上述した蓄電材料とは、例えば、その構成成分が異なっている。また、この導電性補助剤と蓄電材料とは、典型的には、互いに異なった粒度分布を有している。例えば、この導電性補助剤と蓄電材料とを含んだ混合物の粒度分布を測定すると、典型的には、これらの各々に対応した少なくとも2つのピークが観察される。
この導電性補助剤の平均粒径は、典型的には、蓄電材料の平均粒径と比較してより小さい。この導電性補助剤の平均粒径は、例えば0.1μm乃至1μmの範囲内にあり、典型的には0.1μm乃至0.9μmの範囲内にあり、好ましくは0.1μm乃至0.6μmの範囲内にあり、より好ましくは0.1μm乃至0.55μmの範囲内にある。この平均粒径を過度に小さくすると、導電性補助剤の取り扱いが困難となる場合がある。この平均粒径を過度に大きくすると、電極の導電性が低下する場合がある。
なお、蓄電材料の平均粒径に対する導電性補助剤の平均粒径の比は、例えば0.01乃至0.15の範囲内とし、典型的には0.05乃至0.11の範囲内とする。
蓄電材料と導電性補助剤との合計量に占める導電性補助剤の割合は、例えば5質量%乃至20質量%の範囲内とし、典型的には5質量%乃至10質量%の範囲内とする。この割合を小さくすると、電極の内部抵抗が大きくなる可能性がある。この割合を大きくすると、電極の充放電性能が低下する可能性がある。
この電極は、結着剤を更に含んでいてもよい。結着剤は、蓄電材料の粒子間及び/又は蓄電材料の粒子と導電性補助剤の粒子との間の密着性を向上させる役割を担っている。結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を使用する。
蓄電材料の量に対する結着剤の量の割合は、例えば、1質量%乃至30質量%の範囲内とし、典型的には10質量%乃至20質量%の範囲内とする。
この電極は、例えば、電気二重層キャパシタ、非対称型キャパシタ及びリチウムイオン二次電池などの蓄電素子において使用することができる。例えば、この電極は、電気二重層キャパシタの分極性電極として使用することができる。或いは、この電極は、非対称型キャパシタの正極又は負極として使用してもよい。或いは、この電極は、リチウムイオン二次電池の正極又は負極として使用してもよい。
図3は、電気二重層キャパシタの一例を概略的に示す断面図である。
この電気二重層キャパシタ1は、互いに向き合った一対の分極性電極2a及び2bを含んでいる。分極性電極2aと分極性電極2bとの間には、セパレータ3が介在している。分極性電極2a及び2bの外面には、それぞれ、集電体4a及び4bが設けられている。これら分極性電極2a及び2b、セパレータ3、並びに集電体4a及び4bは、非水電解質溶液5と共に、図示しない容器内に封入されている。
この電気二重層キャパシタ1には、更に、充放電に利用するための一対の外部取出電極(図示せず)が設けられている。これら外部取出電極の一端はそれぞれ集電体4a及び4bに接続されており、他端は容器の外側に位置している。
分極性電極2a及び2bの少なくとも一方は、導電性補助剤として、上述した炭素材料を含む。分極性電極2a及び2bは蓄電材料SMを凝集させてなる多孔質体であり、蓄電材料SMの粒子間には導電性補助剤CMが介在している。また、これら分極性電極2a及び2bは、非水電解質溶液5を含浸している。分極性電極2a及び2bの少なくとも一方、典型的にはそれらの双方の導電性補助剤CMは、上述した炭素材料からなる導電性補助剤である。
セパレータ3は、イオン透過性の誘電体からなり、分極性電極2aと分極性電極2bとの間の短絡を防止する。セパレータ3としては、例えばポリプロピレン又はポリエチレンからなる多孔質セパレータを使用することができる。
集電体4a及び4bの材料としては、例えば、アルミニウムなどの金属又は合金を使用することができる。
非水電解質溶液5は、電解質と有機溶媒とを含有した非プロトン溶液である。この電解質としては、例えば、電離することにより、テトラアルキルアンモニウムイオンなどのカチオンと、テトラフルオロ硼酸イオン、ヘキサフルオロ燐酸イオン及び過塩素酸イオンなどのアニオンとを生じるものを使用することができる。テトラアルキルアンモニウムイオンとしては、例えば、Me4+、EtnMe4-n+、Et4+及びn−Bu4+を挙げることができる。なお、ここで、「Me」はメチル基を示し、「Et」はエチル基を示し、「Bu」はブチル基を示している。
非水電解質溶液5の有機溶媒としては、例えば、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、γ−ブチルラクトン、アセトニトリル、又はそれらの混合物を使用することができる。この有機溶媒は、例えば、プロピオニトリル、炭酸エチレン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、又はそれらの混合物を更に含んでいてもよい。
以下、本発明の例を説明する。
<例1>
本例では、以下の方法により炭素材料を製造した。
まず、石油系コークスを、ハンマーミルを用いて粗粉砕した。この粗粉砕により、粒径が約6mm乃至約7mmの粗粉砕品を得た。
次に、この粗粉砕品を炭化処理に供した。具体的には、ニッケル製の坩堝に投入した粗粉砕品を、不活性雰囲気中、約750℃で約1時間に亘って加熱した。この炭化処理には、美濃窯業株式会社製の縦型焼成炉を使用した。
次いで、炭化処理後の材料を、一次粉砕に供した。この一次粉砕には、バンダムミルを使用した。また、この一次粉砕は、粉砕品の平均粒径が100μm以下となるように行った。
次に、一次粉砕後の材料を、アルカリ金属を用いた賦活処理に供した。具体的には、一次粉砕後の材料と水酸化カリウムとを1:2の質量比で混合し、この混合物をニッケル製の坩堝に投入した。そして、この混合物を、不活性雰囲気中、約800℃で約4時間に亘って加熱した。この賦活には、先の縦型焼成炉を使用した。
続いて、この材料に、加圧濾過洗浄を施した。ここでは、洗浄液として純水を使用した。また、この洗浄は、使用後の純水のpHが7になるまで繰り返した。
その後、洗浄した材料を乾燥させた。この乾燥には、温度を115℃に設定した乾燥機を使用した。
次に、乾燥後の材料を二次粉砕に供した。具体的には、セラミックスからなる容器に、乾燥品とセラミックスからなる球状の粉砕媒体とを投入し、これをユーラステクノ株式会社製の振動ミルに設置した。そして、15分間の粉砕処理を行い、平均粒径が約8μmの二次粉砕品を得た。
次いで、二次粉砕後の活性炭を超微粉砕に供した。具体的には、先の活性炭を、図1及び図2を参照しながら説明したのとほぼ同様の湿式遠心力粉砕に供した。ここでは、二次粉砕後の活性炭を5質量%の濃度で含有したスラリーを使用した。このスラリーの分散媒としては、水を使用した。また、湿式遠心力粉砕には、三井鉱山株式会社性の湿式循環型粉砕機SC100を使用した。第1回目の粉砕処理においては直径が0.2mmの粉砕媒体を使用し、最後の粉砕処理においては直径が0.05mmの粉砕媒体を使用した。以上のようにして、平均粒径が0.48μmの活性炭を含んだスラリーを得た。
続いて、超微粉砕した活性炭と分散液とを含んだスラリーを粉砕媒体から分離し、この活性炭を乾燥させた。この乾燥には、藤崎電機株式会社製の噴霧乾燥機MDL−050Bを使用した。
その後、乾燥後の活性炭を、還元処理に供した。具体的には、この活性炭を、還元性雰囲気中、8時間に亘って700℃に加熱した。この還元処理には、炉研工業株式会社製の横型焼成炉を使用した。
以上のようにして、炭素材料として、超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(1)」と呼ぶ。
<例2>
平均粒径が0.56μmの活性炭を含んだスラリーが得られるように超微粉砕を行ったこと以外は、例1において説明したのと同様の方法により超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(2)」と呼ぶ。
<例3>
平均粒径が0.85μmの活性炭を含んだスラリーが得られるように超微粉砕を行ったこと以外は、例1において説明したのと同様の方法により超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(3)」と呼ぶ。
<例4>
平均粒径が1.20μmの活性炭を含んだスラリーが得られるように超微粉砕を行ったこと以外は、例1において説明したのと同様の方法により超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(4)」と呼ぶ。
<例5>
超微粉砕を行わなかったこと以外は、例1において説明したのと同様の方法により超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(5)」と呼ぶ。
<例6>
本例では、椰子殻由来の炭素質材料を、水蒸気賦活処理に供した。具体的には、この炭素質材料を900℃の水蒸気雰囲気中に放置して、比表面積が2000m2/gの活性炭を得た。
次いで、この活性炭を一次粉砕に供した。この一次粉砕には、バンダムミルを使用した。また、この一次粉砕は、粉砕品の平均粒径が100μm以下となるように行った。
次に、一次粉砕後の材料を二次粉砕に供した。セラミックスからなる容器に、乾燥品とセラミックスからなる球状の粉砕媒体とを投入し、これをユーラステクノ株式会社製の振動ミルに設置した。そして、15分間の粉砕処理を行い、平均粒径が約8μmの二次粉砕品を得た。
次いで、二次粉砕後の活性炭を超微粉砕に供した。具体的には、先の活性炭を、図1及び図2を参照しながら説明したのとほぼ同様の湿式遠心力粉砕に供した。ここでは、二次粉砕後の活性炭を5質量%の濃度で含有したスラリーを使用した。このスラリーの分散媒としては、水を使用した。また、湿式遠心力粉砕には、三井鉱山株式会社性の湿式循環型粉砕機SC100を使用した。第1回目の粉砕処理においては直径が0.2mmの粉砕媒体を使用し、最後の粉砕処理においては直径が0.05mmの粉砕媒体を使用した。以上のようにして、平均粒径が0.60μmの活性炭を含んだスラリーを得た。
続いて、超微粉砕した活性炭と分散液とを含んだスラリーを粉砕媒体から分離し、この活性炭を乾燥させた。この乾燥には、藤崎電機株式会社製の噴霧乾燥機MDL−050Bを使用した。
以上のようにして、炭素材料として、超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(6)」と呼ぶ。
<例7>
三菱化学社が製造し、ライオン株式会社が販売しているカーボンブラックであるケッチェン・ブラック 300JDを準備した。以下、このカーボンブラックを「炭素材料(7)」と呼ぶ。
<例8>
平均粒径が0.43μmの活性炭を含んだスラリーが得られるように超微粉砕を行ったこと以外は、例1において説明したのと同様の方法により超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(8)」と呼ぶ。
<例9>
平均粒径が0.52μmの活性炭を含んだスラリーが得られるように超微粉砕を行ったこと以外は、例1において説明したのと同様の方法により超微粉砕した活性炭を得た。以下、この活性炭を「炭素材料(9)」と呼ぶ。
<評価1>
炭素材料(1)乃至(9)の各々について、平均粒径、細孔分布、嵩密度及びSSA(BET比表面積)を測定した。平均粒径の測定には、島津製作所社製のレーザー回折式粒度分布装置SALD−3000を使用した。ここでは、測定屈折率を2.00−0.20iとし、分散媒として純水を使用した。また、細孔分布の測定には、Quantachrome社製のNOVA−3000を使用した。具体的には、115℃で1時間以上に亘って乾燥させた炭素材料を0.0275g量り取り、これを先の細孔分布測定装置内に設置した。そして、これを、真空下、350℃で3時間に亘る乾燥に供し、その後、窒素の吸着量を測定し、BJH法により細孔分布を解析した。その結果を、以下の表1と図4乃至図6とに示す。
表1において、「5−100nm細孔容積(ml/g)」は、炭素材料の単位質量当りの、5nm乃至100nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積を意味し、「5−100nm細孔容積(ml/ml)」は、炭素材料の単位体積当りの、5nm乃至100nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積を意味する。
図4は、累積細孔容積を示すグラフである。図4において、横軸は細孔直径Dを示し、縦軸は累積細孔容積Vを示している。
図5は、細孔容積を単位質量当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフである。図6は、細孔容積を単位体積当りの容積として表した場合に得られる細孔分布を示すグラフである。図5及び図6において、横軸は細孔直径Dを示し、縦軸は、細孔容積Vの細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDを示している。
なお、図5及び図6では、横軸に対数座標を使用しているため、微分ΔV/ΔDを「ΔV/ΔlogD」と表記している。また、炭素材料(2)乃至(4)の細孔分布曲線は、炭素材料(1)の細孔分布曲線とほぼ同様の形状を有していたため、図4乃至図6では、それらを省略している。
<評価2>
炭素材料(1)、(5)、(7)、(8)及び(9)の各々について、エネルギー密度を測定した。エネルギー密度の測定には、北斗電工株式会社製の充放電装置 HJ−1005 SM8Aを使用した。
具体的には、25℃の温度条件のもと、セルの電圧が3.5Vに達するまで定電流を流すことによって行った。充電完了後、出力電流を25mAの一定値として、セル電圧が2.3Vへと低下するまでセルに放電させた。その結果を図7に示す。
図7は、炭素材料のエネルギー密度を示すグラフである。図7には、横軸を平均粒径とし、縦軸をエネルギー密度としたグラフを描いている。
図7に示すように、炭素材料(1)、(8)及び(9)は、炭素材料(7)とほぼ同程度の平均粒径を有しており且つ炭素材料(7)と比較して際立って大きなエネルギー密度を有していた。また、炭素材料(1)、(8)及び(9)のエネルギー密度は、炭素材料(5)とほぼ同程度であった。
<電極の製造>
炭素材料(1)及び炭素材料(5)を、110℃で2時間の真空乾燥に供した。
そして、80質量部の蓄電材料としての炭素材料(5)と、10質量部の導電性補助剤としての炭素材料(1)と、10質量部のPTFEを含有したPTFE溶液とを十分に混練した。
次いで、この混合物をロールプレス機を用いて圧延して、厚さ0.1mmのシート状とした。その後、これを、面積が2cm2のコイン状に切り出した。以下、このようにして得られた電極を「電極(1)」と呼ぶ。
次に、炭素材料(1)の代わりに炭素材料(2)乃至(4)、(6)乃至(9)を使用したこと以外は、電極(1)について説明したのと同様の方法により電極をそれぞれ製造した。以下、導電性補助剤として炭素材料(2)、(3)、(4)、(6)、(7)、(8)及び(9)を用いて得られた電極を、それぞれ「電極(2)」、「電極(3)」、「電極(4)」、「電極(6)」、「電極(7)」、「電極(8)」及び「電極(9)」と呼ぶ。
<電気化学的セルの製造>
電極(1)を作用電極と対電極とに使用し、リチウム箔を参照電極として使用した3極セルを製造した。この3極セルの電解液としては、1mol/Lの濃度でEt4N・BF4を含有したプロピレンカーボネート溶液を使用した。以下、この3極セルを「セル(1)」と呼ぶ。
次に、電極(1)の代わりに電極(2)乃至(4)、(6)乃至(9)を使用したこと以外は、セル(1)について説明したのと同様の方法により3極セルをそれぞれ製造した。以下、電極(2)、(3)、(4)、(6)、(7)、(8)及び(9)を用いて得られた三極セルを、それぞれ「セル(2)」、「セル(3)」、「セル(4)」、「セル(6)」、「セル(7)」、「セル(8)」及び「セル(9)」と呼ぶ。
<評価3>
セル(1)乃至(4)及び(6)乃至(9)の各々について、エネルギー密度を測定した。エネルギー密度の測定には、北斗電工株式会社製の充放電装置HJ−1005 SM8Aを使用した。
具体的には、まず、定電流条件における充放電試験を行った。即ち、この充放電装置を用いてセル(1)乃至(4)及び(6)乃至(9)の各々を充電した。充電は、25℃の温度条件のもと、セルの電圧が3.5Vに達するまで定電流を流すことによって行った。充電完了後、出力電流を25mAの一定値として、セル電圧が2.3Vへと低下するまでセルに放電させた。このようにして得られた充放電特性から、エネルギー密度を得た。その結果を、以下の表2と図8とに示す。
図8は、電気化学的セルのエネルギー密度を示すグラフである。図8には、セル(1)及びセル(7)の各々のエネルギー密度を棒グラフとして描いている。
表2及び図8に示すように、セル(1)、(8)及び(9)は、セル(7)と比較してエネルギー密度が大きかった。
また、図9は、炭素材料の単位体積当りに占める5nm乃至100nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積と電気化学的セルのエネルギー密度との関係を示す。図9の結果より、導電性補助剤として使用される炭素材料について、5nm乃至100nmの範囲内の細孔直径を有した細孔の容積を増大させると、電気化学的セルのエネルギー密度を増大させることができることがわかる。この効果は、導電性補助剤の各粒子間の隙間および導電性補助剤の粒子と蓄電材料の粒子との間の隙間に加えて、導電性補助剤の各粒子が有している細孔が、電極の容量増加に寄与することに基づくと考えられる。
1…電気二重層キャパシタ、2a…分極性電極、2b…分極性電極、3…セパレータ、4a…集電体、4b…集電体、5…非水電解質溶液、10…チャンバ、20…ロータ、30…セパレータ、40…スペーサ、50…シャフト、110…上板、120…下板、130…排出管、210…凸部、220…底板、230…側壁、240…フィン、CM…導電性補助剤、SM…蓄電材料。

Claims (10)

  1. BJH法に従って得られ、横軸を細孔直径Dとし、縦軸を単位質量又は単位体積当りの細孔容積Vの前記細孔直径Dによる微分ΔV/ΔDとして描いた細孔分布において、前記細孔直径Dが5nm乃至100nmの範囲内における細孔容積の前記微分ΔV/ΔDの最大値M1が、前記細孔直径Dが2nm乃至5nmの範囲内における前記微分ΔV/ΔDの最大値M2と比較してより大きい炭素材料からなる導電性補助剤。
  2. レーザー回折・散乱法に従った粒度分布測定によって得られる体積平均径が0.1μm乃至1μmの範囲内にある請求項1に記載の導電性補助剤。
  3. 前記細孔直径Dが5nm乃至100nmの範囲内において、前記細孔直径Dの増加に応じて前記微分ΔV/ΔDが増加している請求項1又は2に記載の導電性補助剤。
  4. 前記最大値M1と前記最大値M2との比M1/M2は2倍以上である請求項3に記載の導電性補助剤。
  5. 蓄電材料と請求項1乃至4の何れか1項に記載の導電性補助剤とを含んだ電極。
  6. 前記導電性補助剤は、前記蓄電材料と比較して、レーザー回折・散乱法に従った粒度分布測定によって得られる体積平均径がより小さい請求項5に記載の電極。
  7. 前記蓄電材料の前記体積平均径に対する前記導電性補助剤の前記体積平均径の比は0.01乃至0.15の範囲内にある請求項6に記載の電極。
  8. 前記導電性補助剤の前記体積平均径は0.1μm乃至1μmの範囲内にあり、前記蓄電材料の前記体積平均径は1μmより大きい請求項6又は7に記載の電極。
  9. 前記蓄電材料と前記導電性補助剤との合計量に占める前記導電性補助剤の割合が5質量%乃至20質量%の範囲内にある請求項5乃至8の何れか1項に記載の電極。
  10. 請求項5乃至9の何れか1項に記載の電極と、前記電極から離間した対向電極と、前記電極及び前記対向電極間に介在した電解質とを具備した蓄電素子。
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