本発明の実施の形態について以下に図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものは実質的に同様の内容を示している。
本発明の実施の形態にかかるパターン基板の欠陥修正装置について図1及び図2を用いて説明する。図1は欠陥修正装置の構成を模式的に示す上面図であり、図2は欠陥修正装置の構成を示す側面断面図である。本実施の形態にかかる欠陥修正装置は、ステージ7、転写フィルムローダ21、トラッシュ22、架台31、Yレール32、フレーム33、Xレール34、リペアヘッド35、可動レール36、光源ヘッド37を備えている。
ここでは、液晶表示装置などの表示装置に用いられるカラーフィルタ基板6(以下、基板6とする)を修正する場合について説明する。基板6はR、G、Bの三色の着色層と着色層の間に設けられた遮光層とを備えている。本実施の形態にかかる欠陥修正装置は基板6の欠陥を光学的に検出し、検出した欠陥に対してフィルム転写方式で欠陥修正を行う。さらに、本実施の形態では、3580550号明細書に記載されているように、パルスレーザ光の照射によってマスクフィルムに開口部を設け、開口部が設けられたマスクフィルムを介して転写フィルムの転写層を熱転写方式で基板に転写している。なお、本発明にかかる欠陥修正装置で修正される基板6は、カラーフィルタ基板に限られるものではなく、例えば、遮光層のみが形成された遮光パターン付き基板であってもよい。
本実施の形態においては、後に詳述するが、基板6上に転写した転写層を平坦化するために、マスクフィルム及び転写フィルムを介して、リペアヘッド35内に取り付けられた熱転写ロッドにより押圧する。したがって、熱転写ロッドが、転写層の形成及び平坦化の2つの機能を有する。なお、転写層の形成、平坦化のために別々の部材を設けてもよい。ここでは、基板6上に形成した転写層が、請求の範囲に記載した修正部に相当する。また、修正部を形成した箇所を修正領域とする。
架台31の上には、額縁状のフレーム33が設けられている。この額縁状のフレーム33の上に、透明なガラス板から構成されるステージ7が設けられる。すなわち、ステージ7の外周近傍がフレーム33によって支持される。フレーム33は架台31に対して固定され、ステージ7はフレーム33に対して固定されている。ステージ7の上には上面に着色層が作成された基板6が載置される。なお、ステージ7をX−Y−Zステージ、X−Yステージ又はYステージとしてもよい。
ステージ7の外側にはYレール32が設けられている。Yレール32はY方向に沿ってステージ7の両側に配設されている。この2本のYレール32の上にはXレール34が設けられている。Xレール34は基板6をまたぐよう、X方向に沿って設けられている。Xレール34にはリペアヘッド35が取り付けられている。リペアヘッド35はXレール34に対して移動可能に設けられている。これにより、リペアヘッド35がX方向に沿って移動する。リペアヘッド35には後述するように、欠陥を検出するための欠陥検出機構及び欠陥を修正するための欠陥修正機構が設けられている。
さらに、Xレール34はYレール32に対して移動可能に設けられている。これにより、Xレール34がY方向に移動する。したがって、リペアヘッド35は基板6の上をXY方向に移動する。すなわち、リペアヘッド35をX方向に移動させ、リペアヘッド35が取り付けられたXレール34をY方向に移動させることで、リペアヘッド35を2次元的に移動させることができる。これにより、基板6全面に対して欠陥の検出及び修正を行うことができる。また、欠陥修正装置のフットプリントを小さくすることができるため、生産性を向上することができる。リペアヘッド35やXレール34の駆動は、ACサーボモータなどの公知の方法を用いて行なうことができる。また、基板6が載置されたステージ7がXY方向に移動してもよい。
ステージ7の下側には、可動レール36が設けられている。可動レール36には、光源ヘッド37が取り付けられている。光源ヘッド37はリペアヘッド35と同様にXY方向に移動可能に設けられている。すなわち、光源ヘッド37はX方向に移動可能に設けられ、可動レール36がY方向に移動可能に設けられている。さらに、光源ヘッド37はリペアヘッド35の移動に追従して移動することが可能である。すなわち、リペアヘッド35が移動した場合、リペアヘッド35が移動した方向に同じ距離だけ、光源ヘッド37が移動する。これにより、XY平面において、光源ヘッド37がリペアヘッド35と同じ位置に移動する。光源ヘッド37には、透過照明用の照明光源と転写層の転写時に照射するUV光源とが設けられている。この光源ヘッド37については後述する。
基板6及びステージ7の外側には、転写フィルムローダ21が設けられている。転写フィルムローダ21はカラーフィルタのR、G、Bの着色層及び遮光層に対応して4つ設けられている。すなわち、欠陥修正装置には、Rの転写フィルムローダ21とGの転写フィルムローダ21とBの転写フィルムローダ21と遮光層(BM)用の黒の転写フィルムローダ21とが設けられている。転写フィルムローダ21は各色に対応した転写フィルムの断片を供給する。
転写フィルムローダ21の構成について図3を用いて説明する。図3は転写フィルムローダ21の構成を示す側面断面図である。図3に示すように、転写フィルムローダ21は、転写フィルム供給リール25、カバーフィルム巻き取りリール26、フィルムカッタ27を備えている。転写フィルム供給リール25には、転写フィルム18が巻きつけられている。転写フィルム18の転写層側の面には、転写層を保護するためのカバーフィルム18aが設けられている。すなわち、カバーフィルム18aが取り付けられた転写フィルム18が転写フィルム供給リール25に巻き付けられている。カバーフィルム18aの先端側は転写フィルム18から剥がされてカバーフィルム巻取りリール26に取り付けられている。カバーフィルム巻取りリール26にはモータなどの回転駆動機構が設けられている。カバーフィルム巻取りリール26を回転させることによって、カバーフィルム18aが徐々に転写フィルム18から剥がされながら巻き取られていく。
カバーフィルム巻取りリール26を回転させてカバーフィルム18aを巻き取っていくと、転写フィルム18が転写フィルム供給リール25から矢印の方向に送り出されていく。これにより、転写フィルム18がフィルムカッタ27の方向にフィードされる。転写フィルム18の先端側には、フィルムカッタ27が設けられている。フィルムカッタ27によって、送り出された転写フィルム18を切り取ることができる。このようにして、転写フィルム供給リール25から転写フィルム18の断片を切り出すことができる。転写フィルム18は例えば、幅約10mmで長さ約30mm程度に切り出すことができる。転写フィルム18の断片は、修正する欠陥の大きさに応じて変化させてもよい。なお、フィルムカッタ27はリペアヘッド35に設けて、リペアヘッド35を駆動することによって転写フィルムローダ21の転写フィルム18を切断してもよい。このように転写フィルム供給リール25に巻きつけられた転写フィルム18のロールから断片が供給される。
欠陥修正装置には、上記の構成の転写フィルムローダ21がR、G、Bの着色層及び遮光層に対応するよう4つ設けられている。すなわち、Rの転写フィルムローダ21には赤色に着色された転写層を有する転写フィルム18が転写フィルム供給リール25に巻きつけられている。同様にGの転写フィルムローダ21には緑色に着色された転写層を有する転写フィルム18が、Bの転写フィルムローダ21には青色に着色された転写層を有する転写フィルム18が、遮光層の転写フィルムローダ21には黒色に着色された転写層を有する転写フィルム18が転写フィルム供給リール25に巻き付けられている。なお、転写フィルムローダ21に設けられている1つの転写フィルムリール25に4つの転写フィルム18を巻きつけてもよい。この場合、転写フィルムリール25が幅広になるが、転写フィルムローダ21を1つにすることができる。
また、基板6及びステージ7の外側には、トラッシュ22が設けられている。トラッシュ22に、使用済みの転写フィルム18を落下させることにより、トラッシュ22内に捨てることができる。
次に、リペアヘッド35及び光源ヘッド37の構成について図4及び図5を用いて説明する。図4はリペアヘッド35及び光源ヘッド37の構成を模式的に示す側面断面図である。図5はリペアヘッド35の構成を模式的に示す上面図である。まず、リペアヘッド35の構成に付いて説明する。リペアヘッド35は、マスクフィルムリール8、ハロゲンランプ14、光学系41、フィルムホルダ42、熱転写ロッド43、マスクフィルム固定治具44、ヒータロッド45、高温ブロワ46、筐体47、マスクフィルム押し付けロッド48を備えている。筐体47は、X方向に移動可能となるようXレール34に取り付けられている。筐体47にはマスクフィルムリール8と、光学系41と、フィルムホルダ42と、熱転写ロッド43と、マスクフィルム固定治具44と、ヒータロッド45と、高温ブロワ46と、マスクフィルム押し付けロッド48とが取り付けられ、これらは筐体47とともに移動する。すなわち、筐体47をXレールに対してスライドさせることにより、リペアヘッド35内の構造物がX方向に移動する。筐体47の下側、すなわち基板6側は、開放されている。リペアヘッド35内の構造物が欠陥検出及び欠陥修正のために基板6に対して、アクセス可能になっている。
基板6の上には、基板6と対向するようにマスクフィルム5が配置される。マスクフィルム5はレーザアブレーションが容易な材質や透明な材質を用いることができる。本実施の形態では例えば、約10μmのポリイミドを用いる。このマスクフィルム5に開口部を設け、開口部を介して転写フィルム18の転写層を基板6に転写させる。マスクフィルム5はマスクフィルムリール8に巻き付けられている。2つのマスクフィルムリール8の一方が巻き取り用のリールであり、他方が供給用のリールである。巻取り用のマスクフィルムリール8を回転させると、供給用のマスクフィルムリール8からマスクフィルム5が図5の矢印の方向に送り出される。これにより、マスクフィルム5の未使用部分が基板6の上に供給される。このマスクフィルム5を介して、欠陥の観察及び欠陥修正が行われる。マスクフィルム5はY方向に送り出される。すなわち、マスクフィルム5は、リペアヘッド35の移動方向と垂直な方向にフィードされる。
さらに、マスクフィルムリール8はリペアヘッド35の筐体47ではなく、Xレール34にクランプさせることが可能である。すなわち、マスクフィルムリール8をXレール34に固定するか、リペアヘッド35の筐体47に固定するかを選択することができる。マスクフィルムリール8をXレール34にクランプした場合、リペアヘッド35が移動しても、マスクフィルムリール8及びマスクフィルム5は基板6上の同じ位置のままで固定されている。欠陥修正時には、マスクフィルムリール8をXレール34に対してクランプさせ、マスクフィルムリール8の位置を固定する。検査時には、マスクフィルムリール8をリペアヘッド35にクランプして、リペアヘッド35の移動に応じて、マスクフィルム5を移動させる。なお、マスクフィルムリール8をXレール34に対してクランプさせた場合、マスクフィルムリール8を下方に移動させ、マスクフィルム5の位置が基板6に対して近くなるようにしてもよい。また、Xレール34にリペアヘッド35をクランプさせるためのアームを設けても良い。
マスクフィルム5の上にはマスクフィルム固定治具44が設けられている。このマスクフィルム固定治具44によるマスクフィルム5の固定方法について図6を用いて説明する。図6はマスクフィルム固定治具44及びマスクフィルム押し付けロッド48の構成を示す側面図である。なお、図6では、説明の明確化のため基板6の図示を省略している。マスクフィルム固定治具44は図6に示すように上下方向に移動可能に設けられている。マスクフィルム固定治具44はマスクフィルム5を基板6に対して固定するクランパーである。欠陥修正時には、マスクフィルム固定治具44を下げて、マスクフィルム5を基板6に押し当てる。すなわち、マスクフィルム固定治具44の角度を変えて、マスクフィルム固定治具44の先端を下げてマスクフィルム5と基板6とを接触させる。このとき、マスクフィルム5にはマスクフィルムリール8の巻き取り用モータによってテンションが加わっている。これにより、マスクフィルム5が基板6に密着し、マスクフィルム5を基板6に対して固定することができる。欠陥を修正している間、マスクフィルム5の開口部の位置と欠陥の位置を一致させることができる。マスクフィルム5の開口部の両側に、マスクフィルム固定治具44を設けることが好ましい。また、マスクフィルム5を帯電させて静電気力により基板6に固定することも可能である。マスクフィルム固定治具44は、先端がシリコーンゴムとすることができる。
マスクフィルム固定治具44もマスクフィルムリール8と同様に、Xレール34に直接クランプさせることができる。マスクフィルム固定治具44をXレール34に固定するか、リペアヘッド35の筐体47に固定するかを選択することができる。マスクフィルム固定治具44をXレール34に直接クランプした場合、リペアヘッド35が移動しても、マスクフィルム固定治具44は基板6上の同じ位置のままで固定されている。転写フィルム18から転写層を転写している間は、マスクフィルムリール8及びマスクフィルム固定治具44をXレール34にクランプさせて、リペアヘッド35がX方向に移動しても基板6に対して移動しないようにする。なお、マスクフィルム固定治具44は、どちらに固定されている場合でも、上下方向(Z方向)に移動することができる。このように、マスクフィルム固定治具44及びマスクフィルムリール8をXレール34に固定する固定ユニット、及びリペアヘッド35に固定する固定ユニットを設ける。
上述のようにマスクフィルム固定治具44により、マスクフィルム5を基板6に設置したとき、マスクフィルム5と基板6との間に含まれる空気などを除去するマスクフィルム押し付けロッド48がリペアヘッド44に設けられている。マスクフィルム押し付けロッド48は上下方向に移動可能に設けられている。マスクフィルム押し付けロッド48は図6に示すように、マスクフィルム5が基板6に接触している状態で、欠陥修正箇所のマスクフィルム5を基板6に対して押圧する。これにより、横方向から欠陥修正箇所の空気が抜けていく。具体的には、マスクフィルム5が基板6に固定している状態で、欠陥箇所の上にマスクフィルム押し付けロッド48が配置されるようにリペアヘッド35を移動させる。このとき、マスクフィルムリール8とマスクフィルム固定治具44はXレール34に直接ロックさせておく。そして、マスクフィルム押し付けロッド48を下方向に移動させて、欠陥箇所におけるマスクフィルム5と基板6とを密着させる。これにより、マスクフィルム5と基板6との間に空間がなくなり、空気を除去することができる。そして、マスクフィルム押し付けロッド48を上方向に移動させる。これにより、欠陥箇所における基板6とマスクフィルム5の間の気泡の発生を防ぐことができるため、転写による欠陥修正を確実に行うことができる。マスクフィルム押し付けロッド48は、先端をシリコーンゴムなどの弾性体とすることが好ましい。
図4に示すようリペアヘッド35にはさらにハロゲンランプ14が設けられている。ハロゲンランプ14は転写後の転写層を加熱する。これについては後述する。光学系41には、反射照明を行うための光源と、欠陥検出を行なうための2次元光検出器と、マスクフィルム5に開口部を設けるためのパルスレーザ光源と、UV照射用のUV光源と、それらに対する光学部品とが設けられている。光学系41の構成については後述する。
フィルムホルダ42の下側には、2つの吸着パッド49が設けられている。この吸着パッド49によって、転写フィルム18の断片の両端が吸着される。例えば、フィルムホルダ42に空気を吸引するための配管を取り付ける。これにより、吸着パッド49に転写フィルム18の断片が吸着される。なお、真空吸着に限らず、静電吸着を用いてもよい。さらには、機械的に転写フィルム18を挟んで保持してもよい。転写フィルムローダ21から供給された転写フィルム18の上にフィルムホルダ42が配置されるよう、リペアヘッド35を移動させる。そして、吸着パッド49から空気を吸引すると、吸着パッド49に転写フィルム18の断片が保持される。このとき、マスクフィルムリール8をXレール34に固定した状態にして、フィルムホルダ42の下側にマスクフィルム5が配置されないようにする。すなわち、マスクフィルムリール8をXレール34に固定した状態にして、リペアヘッド35を移動して、マスクフィルム5とフィルムホルダ42の位置をずらしておく。
転写フィルム18の断片を吸着した状態で、光学系41によって欠陥を検出した箇所にリペアヘッド35を移動させる。これにより、フィルムホルダ42が基板6の欠陥に対応する位置に移動する。したがって、欠陥箇所に対応するマスクフィルム5の開口部の上には転写フィルム18の断片が配置される。そして、フィルムホルダ42を下方向に移動して、基板6の欠陥箇所の近傍に転写フィルム18の断片を配置する。
フィルムホルダ42の上には熱転写ロッド43が配置される。熱転写ロッド43は、上下方向に移動可能に設けられている。熱転写ロッド43としては、例えば、直径3mmの円柱状のものを用いることができる。フィルムホルダ42の中央部分には貫通孔が設けられている。熱転写ロッド43は貫通孔を介して、転写フィルム18の断片を基板6に押し当てる。これにより、転写フィルム18の断片が基板に押圧され、転写フィルム18の断片の転写層が欠陥箇所に転写される。これにより、マスクフィルム5の開口部の大きさに対応した修正部が基板上に形成される。また、熱転写ロッド43は、転写フィルム18及びマスクフィルム5の開口部が設けられていない未使用部分を介して、転写した転写層(修正部)を押圧する。なお、2つのフィルムホルダ42を用いて、その間に熱転写ロッド43を配置してもよい。熱転写ロッド43は、例えば、約120℃に加熱されている。
マスクフィルムリール8をXレール34にクランプした状態で、リペアヘッド35をX方向に移動させるとマスクフィルム5の上に光学系41が配置される。すなわち、マスクフィルム5の上に配置されていたフィルムホルダ42がマスクフィルム5の上からずれて、マスクフィルム5の上には、光学系41が移動する。これにより、マスクフィルムを介した欠陥の観察及び転写層の転写が可能になる。すなわち、基板6の欠陥を観察するときは、光学系41をマスクフィルム5の上に配置して、マスクフィルム5を介して光学的に欠陥を観察する。そして、マスクフィルムリール8及びマスクフィルム固定治具44をXレール34にクランプした状態で、マスクフィルム固定治具44を押下して、マスクフィルム5を基板に固定する。さらに、マスクフィルム押し付けロッド48で空気を除去する。光学系41に設けられたレーザ光源からパルスレーザ光を照射して、マスクフィルム5に開口部を設ける。そして、リペアヘッド35を移動させ、フィルムホルダ42をマスクフィルム5の上に配置する。このとき、マスクフィルム5が移動しないため、欠陥箇所に開口部が配置されている。さらにマスクフィルム5の開口部の上には、熱転写ロッド43が配置される。そして、熱転写ロッド43を押下して、基板6に転写層を転写する。これにより、欠陥修正を行うことができる。なお、フィルムホルダ42と光学系41とはX方向、すなわちマスクフィルム5のフィード方向と垂直な方向に設けられている。これにより、フィルムリール8の間隔を狭くできるため、リペアヘッド35の小型化を図ることができる。
ヒータロッド45及び高温ブロワ46は転写後の転写層を乾燥、熱架橋するために設けられている。ヒータロッド45は上下方向に移動可能に設けられている。例えば、180℃以上に加熱したヒータロッド45を下げて、転写層に接触させる。これにより、転写層の温度が上昇し、転写層を熱架橋させることができる。高温ブロワ46は転写層に対して、高温の乾燥ガスを送風する。これにより、転写層を乾燥させることができるとともに、熱架橋させることができる。なお、ハロゲンランプ14から照射される赤外線により転写層を加熱して、熱架橋させることも可能である。
本発明では、転写フィルムローダ21をリペアヘッド35に設けていないため、リペアヘッドを小型化することができる。よって、ハロゲンランプ14、高温ブロワ46及びヒータロッド45をリペアヘッド35に設けた場合でも、リペアヘッド35の大型化を防ぐことができる。これによって、欠陥修正装置のフットプリントを小さくすることができ、生産性を向上することができる。さらに、リペアヘッド35に高温ブロワ及びヒータロッド45を設けることによって、リペアヘッド35に高温ブロワ及びヒータロッド45を転写箇所に高速に移動させることができる。これによって、修正時間を短縮することができ、生産性をより向上することができる。なお、ハロゲンランプ14、高温ブロワ46及びヒータロッド45はリペアヘッド35に設けていなくてもよく、これらのうち少なくとも1つがリペアヘッド35に設けられていることが好ましい。
ステージ7の下側に配置された光源ヘッド37には、UV光源52と照明光源51とが設けられている。照明光源51は、リペアヘッド35の光学系41の光軸と一致するよう配置される。照明光源51によって透過像を撮像するための透過照明が行われる。すなわち、照明光源51は、欠陥を検出する時、あるいは欠陥修正が正常に行われたか否かを確認する時に、透過観察用の照明光を出射する。照明光源51から出射した光は透明なステージ7を介して基板6に入射する。そして、基板6を通過した透過光が光学系41に設けられたCCDカメラなどによって検出される。これにより、透過像を撮像することができる。UV光源52は熱転写ロッド43によって転写フィルム18の断片から転写層を基板6に転写している間、基板6の裏面側から転写層に紫外線(UV光)照射する。なお、図4では図示していないが、レンズなどの光学部品を光源ヘッド37に設けてもよい。
次に光学系41の構成について図7を用いて説明する。図7は光学系41及び光源ヘッド37の構成を示す図である。光学系41は、ハーフミラー3、レーザ光源1、ビーム成形機構2、対物レンズ4、ランプ光源9、フィルタ10、ハーフミラー11及びCCDカメラ12を備えている。光学系41は、さらに基板6の欠陥箇所に転写された転写層に対して基板表面からUV光を照射するUV光源13を備えている。光学系41のランプ光源9、ハーフミラー3、ハーフミラー11、フィルタ10及びCCDカメラ12並びに光源ヘッド37の照明光源51は欠陥の検出あるいは、欠陥の修正が正常に行われたか否かを確認するために用いられる。すなわち、基板6の反射像あるいは透過像を観察して、欠陥の検出などが行なわれる。
基板6の反射像を観察するための構成について説明する。反射観察用光源として光学系41に設けられたランプ光源9を用いている。ランプ光源9は基板6の表面を照明するための白色光を出射する。ランプ光源9から出射した反射観察用の光はフィルタ10を通過して、ハーフミラー11に入射する。フィルタ10は波長可変フィルタであり、所定の波長のみを透過/遮光することができる。ここで、フィルタ10は欠陥検出に好適な波長の光を出射させることができる。ハーフミラー11に入射した光は基板6の方向に反射する。この光はハーフミラー3を透過して、対物レンズ4に入射する。対物レンズ4と基板6の間にはマスクフィルム5が基板6と対向して設けられている。そして、対物レンズ4で集光された光はマスクフィルム5を透過して基板6の表面に入射する。これにより、基板6の上面から基板6の一部を照明することができる。基板6で反射された光はマスクフィルム5、対物レンズ4、ハーフミラー3及びハーフミラー11を透過してCCDカメラ12に入射する。CCDカメラ12は基板6の表面での反射光に基づいて反射画像を検出する。これによって、基板6の反射像を観察することができる。
次に、透過像を観察するための構成について説明する。本発明では、基板6の透過像を観察するため、光源ヘッド37に照明光源51を用いている。照明光源51は、対物レンズ4の光軸上に設けられている。すなわち、照明光源51の光軸は上記の反射像の観察用光学系の光軸と一致している。照明光源51はステージ7を介して基板6の裏面側から基板6に透過照明光を入射させる。基板6を透過した透過光は、マスクフィルム5、対物レンズ4、ハーフミラー3及びハーフミラー11を透過してCCDカメラ12に入射する。照明光源51には、反射像の観察と同様にランプ光源を用いることができる。また、照明光源51に対してレンズや波長可変フィルタなどのフィルタなどを設けても良い。欠陥検出時は、リペアヘッド35と光源ヘッドを同期して移動させる。これにより、透過照明光と反射照明光とが同じ光軸で基板に入射するため、ランプ光源9及び照明光源51のON/OFFを独立して制御することにより、透過像又は反射像のいずれを撮像するかを容易に切り替えることができる。
なお、上記の説明では、マスクフィルム5を介して基板6の観察を行なったが、これに限るものではない。例えば、マスクフィルム5を基板6と光学系41の間から外して観察を行なうこともできる。すなわち、マスクフィルム5を光軸からずらした状態で観察を行ってもよい。
CCDカメラ12はパーソナルコンピューター(PC)などの情報処理装置に接続されており、検出された画像に基づいて基板6の欠陥の有無を判断する。例えば、検出したリファレンスダイと比較するダイツーダイ方式(Die−to−Die)を用いることができる。検出した画像がリファレンスダイと異なる場合は、欠陥部分であると判断する。この欠陥検出機構では、不透明な黒欠陥及び透明な白欠陥を区別して検出することができる。さらに、PCはリペアヘッド35のXY駆動機構と接続され、欠陥検出時のリペアヘッド35の位置から検出箇所が特定され、基板上における欠陥画素の座標が検出される。もちろん、欠陥検出機構は図示した構成に限らず、これ以外の構成を備える欠陥検出機構を用いてもよい。この欠陥検出機構については従来の欠陥検出装置と同様の構成を用いることができる。リペアヘッド35を移動させることにより、基板6とランプ光源9からの光の相対位置を変化させて、基板6の全面の欠陥検出を行う。情報処理装置は、基板6の欠陥箇所の座標を、欠陥の種類(R、G、B、遮光層)や欠陥の大きさと対応付けて記憶する。
上述の欠陥検出機構により検出された欠陥は欠陥修正機構により、修正が行われる。欠陥修正機構について以下に説明する。レーザ光源1はQスイッチYAGレーザであり、10nsec以下の短パルス光を出射することができる。レーザ光源1から出射した短パルスレーザ光はビーム成形機構2に入射する。ビーム成形機構2はアパーチャーやスリットあるいはレンズなどを備えており、短パルス光のスポットを適当な形状のビームスポットに成形することが可能である。例えば、基板上での短パルス光のビームスポットをカラーフィルタの画素と略同じ矩形状に成形する。あるいは欠陥の形状と略同じ形状に成形するようにしてもよい。ハーフミラー3は短パルス光を基板6の方向に反射する。ここでレーザ光源1とランプ光源9からの光が同軸になるようにそれぞれの光学部品が配置されている。ハーフミラー3で反射した短パルスレーザ光はマスクフィルム5に照射される。このとき、マスクフィルム5はマスクフィルム固定治具44によって固定されている。すなわち、基板6に対してマスクフィルム5が固定された状態で、マスクフィルム5に開口部が形成される。
さらにハーフミラー3にはレーザ光源1からのレーザ光を効率よく反射させるミラーなどを用いることも可能である。例えば、レーザ光の波長に対して反射率の高いダイクロイックミラーや反射ミラーを用いてもよい。これにより、レーザ光1を効率よくマスクフィルム5に照射することができるため、レーザ光源1の出力を低減することができる。この場合、欠陥検出時や欠陥観察時には、ハーフミラー3を光路上から外してもよい。すなわち、欠陥検出時や欠陥観察時には、欠陥の検出や欠陥の観察に好適な波長の光によって基板6を照明するため、ハーフミラー3をランプ光源9の光路上から外すことが好ましい。このとき、ハーフミラー3を機械的に移動させることによって、光路上から取り除くようにする。欠陥検出時及び観察時には、ハーフミラー3をランプ光源9の光路上から除去し、開口部の形成時にはハーフミラー3をランプ光源9の光路上に配置する。
このマスクフィルム5と基板6との構成について図8を用いて説明する。図8は修正箇所の構成を示す拡大断面図である。図8(a)は短パルス光を照射中のマスクフィルム5と基板6の構成を示している。図8(b)は、マスクフィルム5と欠陥画素の着色層が除去された基板6の構成を示している。基板6は、赤色(R)の着色層61、緑色(G)の着色層62、青色(B)の着色層63、ブラックマトリックス(BM)64を有している。これらは基板6の上面側、図8においては図示していないがリペアヘッド35側に設けられている。BM64は黒色の樹脂などからなり、マトリクス状に形成されている。BM64の間には、各着色層の色に対応した顔料を分散した樹脂などからなる、Rの着色層61、Gの着色層62及びBの着色層63が形成されている。なお、ここでは図示していないが、Rの着色層61、Gの着色層62、Bの着色層63及びBM64の上には、保護膜やITO電極が形成される場合もある。
ここでは図8(a)に示すようにRの着色層61に白抜け部分が設けられているとする。すなわち、Rの着色層61となる画素の一部に、Rの着色層61が付着していない箇所があるとする。このような白抜け部分が設けられている画素は、欠陥検出機構により光を透過する欠陥画素として検出される。マスクフィルム5は基板6と略接触している。
ここで、上記の欠陥修正装置を用いた欠陥修正方法について説明する。上記の欠陥画素に、図7に示すレーザ光源1からの10nsec以下の短パルス光を照射する。対物レンズ4によって集光された短パルス光は基板6と近接するマスクフィルム5に入射する。この短パルス光はレーザアブレーションによりマスクフィルム5を部分的に開口するようにパワーが調整されている。本実施例では、ポリイミドフィルムを用いているため、YAG短パルスレーザ光源1の3倍高調波の355nm又は4倍高調波の266nmを使用すれば、短パルス光を吸収するので容易にマスクフィルム5に開口部を設けることができる。また、ポリイミドフィルムは可視光領域で光吸収がなく略透明であるので観察が容易であり、ランプ光源9を用いて欠陥を検出することができる。なお、マスクフィルム5はポリイミドに限らず、光の照射によって、化学分解、熱的な分解、昇華又はアブレーションなどによって開口する材質を用いることが出来る。レーザ光はビーム成形機構2によって、欠陥の形状又は画素の形状になるように成形されているので、マスクフィルム5の開口部の形状は欠陥形状又はRの画素の形状と略同じ形状にすることができる。レーザアブレーションによってRの着色層61の修正領域とマスクフィルムの一部を略同時に除去することができる。
除去されたRの着色層61はマスクフィルム5の開口部を通って、基板6から離脱する。これにより、白欠陥画素のRの着色層61の欠陥部分を除去することができ、図8(b)に示すように白欠陥66となる。このとき、基板6から除去された着色層61はマスクフィルム5の上に付着する。修正部周辺はマスクフィルム5でカバーされているため、Rの着色層61が修正部周辺に付着して新たな欠陥を作ることがない。このように、レーザアブレーションによりマスクフィルム5と欠陥を略同時に除去することができる。なお、除去されたRの着色層61は1片となっているが多数のデブリとなって、マスクフィルム上に着地する場合もある。レーザ光源1のパワーは徐々にマスクフィルム5に穴を開けるように調整してもよいし、マスクフィルム5の穴あけと着色層などの除去を同時に行なうように調整してもよい。
なお、上記の説明では、白抜きの画素において着色層61を除去したが、異物が付着している画素にも適用することができる。この場合、画素に付着した異物がマスクフィルム5によって再度基板6に付着するのを防ぐことができる。異物が透明な場合、異物に短パルス光を照射しても、光の吸収がないのでレーザアブレーションが生じない。これに対し、マスクフィルム5としてポリイミドなどの光を吸収するフィルムを用いて、吸収フィルムを異物の上部に略接触させた状態で短パルスレーザ光を照射すると、フィルムがレーザアブレーションで開口するのと同時に前方にとんだガスやデブリによって異物が基板に一瞬押し付けられ、その後の反跳によって基板から離脱することができる。上述の処理により基板上の異物とともに着色層61が除去されるため、黒欠陥は光を透過する白欠陥66となる。
白欠陥66となった画素に対して転写フィルム18の断片の転写層を転写する。具体的には、マスクフィルム5を基板6に対して固定した状態で、図4に示すリペアヘッド35を移動させる。これにより、開口部の上から光学系41が移動して、フィルムホルダ42が開口部の上に配置される。転写フィルム18を吸着した状態でフィルムホルダ42が下降して、転写フィルム18の断片を開口部の上に配置する。これにより、開口部が転写フィルム18の断片によって覆われ、白欠陥66の箇所に転写フィルム18の断片を対向させることができる。
転写フィルム18は熱転写によって転写する転写層を有する転写フィルムであり、例えば、富士写真フイルム社製トランサー(登録商標)を用いることができる。この転写フィルム18の構成について図9を用いて説明する。
この転写フィルム18はベース層18eの上に形成されたクッション層18dを備えている。クッション層18dの上には酸素遮断層18c、さらにその上には各種顔料によって着色された転写層18bを設けている。転写層18bは例えば、感光性樹脂によって形成される。この転写層18bの顔料は修正するカラーフィルタの画素に応じて着色されている。この転写層18bを基板6に転写して欠陥を修正する。転写層18bの上に表面保護のためポリプロピレンのカバーフィルム18aを圧着している。また、剥離帯電などにより塵などの付着を防止する目的でベース層18eの裏面に導電性の帯電防止層18fを設けている。
ベース層18eは例えば、厚さが約75μmのPETにより形成されている。クッション層18dとしては厚さが約20μmの弱アルカリに可溶性の熱可塑性樹脂を用いることができる。このクッション層18dにより、基板の欠陥部分における段差を吸収して、転写層の密着性を向上することができる。酸素遮断層は厚さ1.6μm、転写層18bは厚さ2.0μm、カバーフィルムは厚さ1.2μmとした。カバーフィルム18aが転写フィルムローダ21によって剥がされた状態で、転写フィルム18がフィルムホルダ42によって保持される。上述の転写フィルム18の構成は典型的な一例であり、上述の構成に限るものではない。例えば、酸素遮断層18c又は帯電防止層18fは設けなくてもよい。また、転写層18bは感光性樹脂層に限られず、転写するパターンに応じた着色層であればよい。
熱転写ロッド43は上下に移動可能に設けられており、転写フィルム18の転写層18bを付着させる時には下に移動して転写フィルム18を基板6に押圧する。この時の基板6と転写フィルム18の構成を図10に示す。図10は修正部における基板6の構成を示す断面図である。ここで転写フィルム18の酸素遮断層18c、ベース層18e及び帯電防止層18fについては図示を省略している。熱転写ロッド43により転写フィルム18を押圧すると図10(a)に示す構成となる。
熱転写ロッド43を押しつけることにより、基板6と転写フィルム18に開口部を有するマスクフィルム5が挟まれた状態となる。したがって、転写層18bがマスクフィルム5の開口部を介して基板6の欠陥位置に押し当てられる。開口部はレーザアブレーションにより着色層61を除去した箇所と同じ大きさ及び同じ位置に設けられているため修正が必要な箇所と一致している。マスクフィルム5を介して転写層18bを転写することにより開口部では基板6に転写層18bが付着する。一方、開口部以外の領域では転写層18bはマスクフィルム5の上面に付着される。これにより、欠陥箇所にのみ転写層18bが転写された修正部を設けることができる。
このように、マスクフィルム5の開口部を介して着色層となる転写層18bを転写することにより、欠陥箇所以外の領域に転写層18bが付着されることを防止できる。これにより、簡易な構成で欠陥箇所にのみ転写層18bを転写することができ、正確に欠陥を修正することが可能になる。また、余分な箇所に転写層18bが付着されないため、後の工程で余分な箇所の転写層18bを除去する必要がなくなり、生産性を向上することができる。
さらに本実施例では、熱可塑性樹脂層18dを介して転写層18bを押下している。熱可塑性樹脂層18dは加熱することで弾力性を有し、転写フィルム18を基板6に押圧する際にはクッション層として機能する。これにより、着色層62、BM64及びマスクフィルム5により生じる基板上の段差が吸収されるため、正確に転写層18bを転写することができる。熱可塑性樹脂層18dは厚さが20μmであるため、例えば、着色層が2μm、BMが2μm、マスクフィルム5が約10μmの厚さであっても、これらにより生じる段差を吸収して正確に転写することができる。
ここで、熱転写ロッド43を押下して転写層18bを熱転写している間、光源ヘッド37のUV光源52によって基板6の裏面側からUV光を照射する。これにより、転写層18bの基板6に対する密着性を向上することができる。裏面側からのUV光の照射量は、例えば、約50mJ/cm2とする。
熱転写ロッド43を上げて基板6と離した後、フィルムホルダ42を上昇して基板6から転写フィルム18を離す。同時にマスクフィルム固定治具44を上昇して、基板6からマスクフィルム5を離す。これにより、上面に転写層18bが付着したマスクフィルム5が基板から剥離される。従って、修正部が開口部から離間される。これにより、図10(b)に示す構成となる。このとき、マスクフィルム5に引っ張られて、転写された転写層18bの端にツノが立った形状となる。すなわち、マスクフィルム5の開口部の端に付着している転写層が、マスクフィルムの上昇と共に上方に突出する。
このツノ形状を抑えるために、剥離性部材を介して弾性体により基板6上に転写された転写層(修正部)を再度押下する。具体的には、まずマスクフィルムリール8を回転させ、開口部が形成されていないマスクフィルム5を供給する。これにより、修正部の上に開口部が設けられていないマスクフィルム5が配置される。すなわち、マスクフィルム5の開口部が設けられていない箇所が修正部に対向配置される。従って、マスクフィルム5が修正部に当接する。そして、剥離性部材としてマスクフィルム5及び弾性体として転写層の形成に用いた転写フィルムの熱可塑性樹脂層18dを利用し、熱転写ロッド43により、基板6上に形成された転写層を押圧する。これにより、図10(c)に示すように、転写層のツノ形状部分の高さを低くすることができ、画素内での平坦性を向上できる。このとき、転写フィルム18を保持しているフィルムホルダ42は移動させていないため、転写フィルム18の転写層が設けられていない箇所と修正部の間に、マスクフィルム5が配置される。例えば、本実施の形態においては、120℃に加熱した熱転写ロッド43により、8kg/cm2の圧力を修正部に加えた。これにより、押下前には約4μmであったツノ部分の高さが約1.0μmとすることができた。また、修正部のツノ部分は、修正部と未修正部(正常部)との境界部分を覆うように広がるため、被覆性が向上し、当該境界部分における光漏れを抑制することができる。
本実施の形態においては、剥離性部材としてマスクフィルム5を流用し、弾性体として転写フィルム18を流用している。そして、熱転写ロッド43を用いて押圧することによって、別途他の構成を追加することなく転写層の端のツノ形状の高さを低くすることができる。このため、リペアヘッド35の大型化を防止することができる。しかし、剥離性部材、弾性体、押圧部材をそれぞれ別途設けることを妨げない。また、剥離性部材は必要に応じて設ければよく、省略してもかまわない。さらに、押圧部材自体が弾性体を含む材料で形成されていてもよい。例えば、ゴムなどの弾性体からなる押圧部材で押圧してもよい。また、弾性層を有する剥離性フィルムを介して押圧してもよい。剥離性フィルムは、基板のパターンの凹凸に沿う程度の厚みであればよい。また、転写フィルム18の転写層が転写された箇所で修正部を押圧することにより、転写フィルム18を移動させる工程を省略することができる。
このように、ドライプロセスにより転写層18bを熱転写した後に、修正部を平坦にすることができる。さらに、マスクフィルム固定治具44を上げた後、マスクフィルムリール8を回転させる。基板6側に酸素遮断層18c又は熱可塑性樹脂層18dが付着してしまう場合は、後の洗浄工程において、弱アルカリ水溶液でシャワー噴霧処理を行い酸素遮断層18c又は熱可塑性樹脂層18dを除去する。あるいは、酸素遮断層18cや熱可塑性樹脂層18dを研磨テープで削り取る又は布テープで拭き取るなどの方法により除去する。これにより、図10(d)に示すように白欠陥の位置に着色層となる平坦な転写層18bが転写される。
なお、後述する加熱工程(ステップS112)において基板6上の転写層(修正部)を加熱すると、当該修正部の高さは他の欠陥のない着色層(未修正部)の高さと略等しくなる。
このようにマスクフィルム5を用いることにより、着色層として転写される層の厚さ、色、透過率などの特性を容易に制御することができる。すなわち、転写フィルム18の転写層18bを所望の特性で形成することにより、修正された着色層が正常な着色層と略同じ状態となるように修正することができる。これにより、正確な欠陥修正を行うことができる。上述の熱転写工程では、転写速度を上げるため。基板6を予備加熱するようにしてもよい。例えば、ハロゲンランプ14から赤外線を照射することにより、予備加熱することもできる。
マスクフィルム5を基板6から剥がした後、転写箇所の上にUV光源13が配置されるようリペアヘッド35を移動する。そして、基板6の表面側に設けられたUV光源13からUV光を照射する。これにより、転写層18bの両面からUV光が照射されることになる。よって、転写層18bに対して均一にUV光を照射することができ、感光性樹脂からなる転写層18bが均一に硬化される。なお、光学系41にはUV光源13に対するレンズやフィルタなどを設けても良い。
表面側からUV光を照射したら、基板6に付着した転写層18bの真上にヒータロッド45が配置されるようリペアヘッド35を移動させる。ヒータロッド45は熱転写ロッド43よりも高い温度に設定されている。そして、ヒータロッド45を基板6に押圧して転写層18bを加熱する。これにより、転写層18bに熱架橋反応を起こさせることができる。また、光学系41に設けられたランプ光源9又はリペアヘッド35に設けられたハロゲンランプ14からの赤外線によって加熱してもよい。さらに、リペアヘッド35を移動した後、高温ブロワ46から高温の乾燥ガスを送風して、転写層18bを乾燥させる。なお、高温ブロワで高温の乾燥ガスを送風しながら、ヒータロッド45で加熱してもよい。これにより、処理時間を短縮することができ、生産性を向上することができる。これにより、転写層8bを固化することができ、転写層18bを安定させることができる。さらに、後の工程(例えば、洗浄工程)での転写層18bの剥がれの発生を低減することができる。よって、欠陥を確実に修正することができる。さらに、転写層18bの平坦性を向上することができる。また、ヒータロッド45は熱転写ロッド43と共用してもよいが、温度変更の時間を削減するため、別途設けることが好ましい。
さらに、修正部の平坦性を向上させるために、マスクフィルム5の開口部の周囲に段差部を設けるようにしてもよい。これについて、図11を参照して説明する。図11に、このようにマスクフィルム5の開口部5aの周囲の厚みを薄くした場合のマスクフィルム5の形状を示す。図11(a)はマスクフィルム5の上面図であり、図11(b)は図11(a)のA−A断面図である。図11に示すように、マスクフィルム5の開口部5aの周囲を囲むように厚みの薄い段差部5bを設ける。例えば、開口部5aの大きさが一辺の長さが100μmの正方形である場合、段差部5bの大きさを一辺の長さが300μmの正方形とし、その中央に開口部5aが配置されるようにすることができる。このような形状のマスクフィルム5は、上記のレーザ光源1からのトータルの照射パワーを変化させることで形成することができる。例えば、上記のレーザ光源1からの短パルス光の照射回数を変化させることにより、上記の形状のマスクフィルムを形成できる。
例えば、ビーム形成機構2によって、パルスレーザ光のマスクフィルム上での照射領域を1辺が300μmの正方形状とする。そして、この状態で、パルスレーザ光を30ショット照射する。これにより、照射領域におけるマスクフィルムの厚みが3.75μmになる。次に、この1辺が300μmの正方形状の領域の中央の、1辺が100μmの正方形状の領域に、パルスレーザ光を照射する。すなわち、ビーム形成機構によって、パルスレーザ光の照射領域を1辺が100μmの正方形状とする。そして、この状態で、マスクフィルム5の薄くなっている領域にパルスレーザ光を40ショット照射する。これにより、マスクフィルム5が貫通し、開口部5aを設けることができる。また、開口部5aの周りの領域は、厚みが3.75μmとなっているため、段差部5bを形成することができる。このように、レーザ光の照射量を領域に応じて変化させることによって、段差部を形成することができる。なお、開口部5aと段差部5bとを設ける手順は、上記のものに限られるものではない。例えば、開口部5aに対応する領域にレーザ光を照射した後に、段差部5bに対応する領域にレーザ光を照射してもよい。段差部5bは開口部5aの外周全体を囲むように設けられていればよい。
上記のような段差部5bを有するマスクフィルム5を用いて転写を行うことによって、着色層62、BM64及びマスクフィルム5により生じる基板6上の段差が小さくなるため、転写領域周辺部の膜厚が均一になり、転写層18bの平坦性を向上させることができる。
次に、図12を用いて欠陥修正方法の手順について説明する。図12は欠陥修正方法の手順を示すフローチャートである。まず、基板6の欠陥を光学的に検出する(ステップS101)。ここでは、リペアヘッド35に設けられた光学系41及び、光源ヘッド37に設けられた照明光源51を用いる。そして、光学系41のCCDカメラの光軸と、照明光源51の光軸とが一致するように、リペアヘッド35と光源ヘッド37とを同期して移動させる。これによって、透過観察が可能になり、欠陥の検出効率を向上することができる。もちろん、反射観察によって欠陥を検出してもよい。リペアヘッド35と光源ヘッド37を走査して、基板全面に対して欠陥検査を行う。そして、検出された欠陥のそれぞれに対し、その基板上の位置と、欠陥の種類と、欠陥の大きさなどが対応付けて情報処理装置に記憶される。なお、欠陥検出時にはマスクフィルム5を光路上から取り除いてもよい。
基板6に対する欠陥検査が終了したら、修正箇所とその修正色を決定する(ステップS102)。このとき、情報処理装置での処理によって自動的に決定してもよく、あるいは、欠陥箇所を観察してオペレータがその修正色を決定してもよい。そして、修正色に対応する転写フィルムローダ21までリペアヘッド35を移動させる(ステップS103)。
リペアヘッド35を転写フィルムローダ21に対応する位置まで移動させた後、転写フィルム18を保持する(ステップS104)。ここでは、修正する欠陥に対応した色の転写フィルム18を保持する。具体的には、フィルムホルダ42によって転写フィルムローダ21によって供給される転写フィルム18の断片を吸着する。なお、このリペアヘッドの移動には、光源ヘッド37を追従させなくてよい。すなわち、光源ヘッド37は検出する欠陥に対応する位置に移動させておけばよい。
次に、リペアヘッド35を欠陥箇所に移動する(ステップS105)。このとき、情報処理装置に記憶された欠陥の座標にリペアヘッド35の光学系41が配置される。さらに、欠陥箇所に対応する位置には光源ヘッド37の照明光源51が配置される。そして、照明光源51又はランプ光源9からの光を基板に照射して、マスクフィルム越しに基板6を観察してもよい。この場合、欠陥の位置に正確に位置合わせされているかを確認することができる。すなわち、光学系41の光軸が正確に欠陥の位置と一致していることを確認することができる。正確に位置合わせできていない場合、リペアヘッド35及び光源ヘッド37を移動して、微調整を行なうようにしてもよい。
リペアヘッド35を欠陥箇所に移動したら、基板6に対しマスクフィルム5を固定する(ステップS106)。まず、マスクフィルムリール8及びマスクフィルム固定治具44をXレール34に対してクランプさせる。これにより、リペアヘッド35を移動させた場合でも、マスクフィルム5の位置がずれなくなる。そして、マスクフィルム固定治具44を下方向に移動して、マスクフィルム5を基板6に押し当てる。これにより、マスクフィルム5が基板6に対して圧着され、固定される。そして、マスクフィルム押し付けロッド48によって基板とマスクフィルム5の間の空気を除去し、密着度を向上させる。
そして、マスクフィルム5に光学系41のレーザ光源1からレーザ光を照射して開口部を形成する(ステップS107)。このとき、修正する欠陥の大きさに応じて、ビーム成形機構を調整する。これにより、開口部の大きさを修正する欠陥に対応した大きさとすることができる。例えば、開口部の大きさをカラーフィルタの1画素と略一致させることができる。光学系41において、レーザ光源1からのレーザ光とランプ光源9の照明光の光軸とは一致している。すなわち、レーザ光源1とランプ光源9からの光は同じ光軸上になるように調整されているので、マスクフィルム5におけるレーザスポットと観察用の照明光のスポットは略同じ位置になる。したがって、レーザ光源1からのレーザ光と、ランプ光源9からの照明光とは基板6上の同じ位置に入射する。これにより、欠陥に対応する箇所に正確に開口部を形成することができる。また、ステップS107で開口部の外周全体を囲むように段差部5bを形成してもよい。
開口部を形成した後、フィルムホルダ42をマスクフィルム5の上に移動させる(ステップS108)。すなわち、リペアヘッド35をX方向に移動させ、光学系41の位置をマスクフィルム5の開口部の上からずらして、マスクフィルム5の上にフィルムホルダ42を配置する。これにより、マスクフィルム5の開口部の上に、転写フィルム18及び熱転写ロッド43が配置される。このとき、マスクフィルムリール8及びマスクフィルム固定治具44をXレール34に固定しているため、マスクフィルム5は移動しない。したがって、欠陥箇所にマスクフィルム5の開口部が位置合わせされている。
次に転写フィルムの圧着及び裏面側からのUV照射を行なう(ステップS109)。具体的には、開口部の上に配置された熱転写ロッド43を下げて、転写フィルム18を基板6に対して押圧する。これにより、開口部を介して転写フィルム18の転写層が基板6に転写される。本発明ではマスクフィルム5を用いているため、基板6の開口部に対応する箇所のみ転写層が圧着される。開口部以外の箇所は熱転写ロッド43で押圧されてもマスクフィルム5でマスクされるため、基板6に付着しない。これにより、欠陥箇所のみに転写層18bを転写させることができ、正確な欠陥修正が可能になる。さらに、熱転写ロッド43で転写フィルム18を押圧している間、光源ヘッド37のUV光源52によって基板6の裏面側からUV光を照射する。これによって、転写層を硬化することができ、基板6に対する転写層の密着性を向上することができる。なお、ステップS107の前に光源ヘッド37を移動させ、開口部に対応する位置にUV光が照射されるように配置することが好ましい。
そして、転写層を転写した後、マスクフィルム5から転写フィルム18を剥離する。例えば、熱転写ロッド43を上げ、転写フィルム18を冷却した後、マスクフィルム5を吸着した状態のフィルムホルダ42を上昇させて、マスクフィルム5から転写フィルム18を離す。そして、マスクフィルム固定治具44を上昇させて、マスクフィルム5を基板6から剥離する。これによって、マスクフィルム5と基板6とを離すことができる。
この後、基板6に転写された転写層(修正部)を押圧する(ステップS110)。具体的には、まず、マスクフィルムリール8を回転させて、マスクフィルム5の未使用部分をフィルムホルダ42の下に移動させる。これにより、マスクフィルム5の未使用部分が、修正部の上に対向配置される。そして、基板6に対しマスクフィルム5を固定する。マスクフィルムリール8及びマスクフィルム固定治具44をXレール34に対してクランプさせる。そして、マスクフィルム固定治具44を下方向に移動して、マスクフィルム5を基板6に押し当てる。その後、マスクフィルム押し付けロッド48によって基板とマスクフィルム5の間の空気を除去し、密着度を向上させる。これにより、マスクフィルム5が基板6に対向配置される。そして、マスクフィルム5の未使用部分の上に配置された熱転写ロッド43を下げて、転写フィルム18を基板6に対して再度押圧する。これにより、開口部を介して基板6上に転写された転写層の端に形成される、ツノの高さを低くすることができる。
転写層を押圧した後、マスクフィルム5から転写フィルム18を剥離する。熱転写ロッド43を上げ、転写フィルム18を冷却した後、マスクフィルム5を吸着した状態のフィルムホルダ42を上昇させて、マスクフィルム5から転写フィルム18を離す。そして、マスクフィルム固定治具44を上昇させて、マスクフィルム5を基板6から剥離する。これによって、マスクフィルム5と基板6とを離すことができる。このとき、マスクフィルムリール8を回転させて、マスクフィルム5の未使用部分をフィルムホルダ42の下に移動させるようにしてもよい。
マスクフィルム5を基板から離した後、基板6の表面から転写層にUV光を照射する(ステップS111)。具体的には、光学系41に設けられたUV光源13が転写箇所に対応する位置になるよう、リペアヘッド35を転写箇所まで移動する。そして、UV光源13からUV光を転写層に照射する。このとき、マスクフィルム5が転写箇所の上に設けられていないため、UV光はマスクフィルム5を介さずに照射される。
UV光の照射が終了したら、転写層を加熱する(ステップS112)。具体的には、リペアヘッド35をX方向に移動させ、加熱されているヒータロッド45を転写箇所に対向させる。そして、ヒータロッド45を下方向に移動して、転写層を押圧する。ヒータロッド45からの熱によって転写層が加熱される。これにより、基板6上に形成された修正部は、欠陥のない他の着色層と同じ高さとなる。さらに、リペアヘッド35をX方向に移動させ、転写箇所に高温ブロワ46を対向させる。そして、高温の乾燥ガスを送風して、基板6に転写された転写層を加熱させる。あるいは、光学系41に設けられたハロゲンランプ14を用いて、加熱してもよい。これによって、基板6に転写された転写層が熱架橋し、転写層を固化することができる。転写層が熱架橋することによって、転写層が化学的に安定し、不純物の溶出を防ぐことができる。さらに、転写層の後工程での剥がれを防止することができる。これにより、欠陥修正が完了する。なお、基板6の欠陥箇所が多い場合は、1枚の基板6に対する全欠陥の転写が終了してから、まとめて加熱を行ってもよい。具体的には、加熱を行わずに全ての欠陥箇所に転写層を転写して、その基板6を高温オーブンで加熱してもよい。
欠陥修正が終了した後、使用済みの転写フィルムを廃棄する(ステップS113)。具体的には、リペアヘッド35を移動して、使用済みの転写フィルム18の断片を吸着したフィルムホルダ42をトラッシュ22の上に移動させる。そして、フィルムホルダ42での吸着を停止して、使用済みの転写フィルム18の断片を開放する。これによって、使用済みの転写フィルム18の断片を廃棄することができる。この直後、次の欠陥に対応する転写フィルム18の断片を保持するようにしてもよい。
さらに、基板6に欠陥が複数ある場合、ステップS102から工程を繰り返し実行する。このとき、マスクフィルムリール8を回転させて、マスクフィルム5の上面に転写層が付着していない部分を用いる。これにより、基板6全体に対して欠陥を修正することができる。なお、ステップS112の後、修正箇所を光学系41によって観察して、欠陥が正常に修正されているか否かを確認してもよい。欠陥が正常に修正されていない場合、その箇所を欠陥として、再度同じ箇所に修正を行うようにしてもよい。
なお、図示した欠陥検出機構及び欠陥修正機構の光学系などの構成は一例であり、その他のフィルタ、レンズ、ミラーなどの光学部品を備えていてもよい。なお、上述の説明では液晶表示装置などの表示装置のカラーフィルタ基板で説明したが、CCDカメラなどの固体撮像素子用のカラーフィルタ基板に利用することもできる。もちろん、カラーフィルタ基板以外のパターン基板に対しても利用可能である。例えば、PDPやブラウン管などの蛍光体の修正に利用することも可能である。さらには、液晶表示装置の薄膜トランジスタアレイ基板に対して利用することも可能である。この場合、転写フィルムにはクロムなどの金属からなる導電層を設けて、短パルス光により導電層を転写することにより、配線や電極などのパターンの修正を行うことができる。これにより、配線の断線修復も可能である。あるいはフィルムに絶縁膜を設けて、配線間の絶縁層の欠陥を修正するようにしてもよい。さらにはフォトマスクパターンの修正も可能である。この場合もクロムや黒色に着色された樹脂などの遮光層を転写することにより、パターン修正が可能になる。このように欠陥を修正するため、修正する箇所に応じた材質の転写層(着色層、遮光層、導電層など)をフィルムに設けることによって、様々な種類のパターン基板の欠陥を修正することができる。
上述の説明では欠陥を白抜け部分が設けられている画素としたが、欠陥は透明な材質からなる異物でもよく。さらには、精度良く設けられていない着色層などを除去しても良い。これらの除去しなければならない異物などを欠陥と称するものとする。この欠陥を除去し、転写層18bを転写することにより欠陥を修正することができる。また、パターン形成時に所定のパターンが形成されなかった欠陥箇所に対して、転写層を転写することにより欠陥を修正することができる。上述の欠陥修正装置を用いて欠陥修正を行うことにより、パターン基板製造の生産性を向上することができる。すなわち、リペアヘッドの小型化を図ることができ、装置のサイズを小さくすることができる。よって、フットプリントを小さくすることができ、生産性を向上することができる。さらに、リペアヘッド35に転写フィルムのリールなどが設けられていないため、リペアヘッド35を簡易な構造とすることができる。よって、リペアヘッド35にヒータロッド45などのヒータや光学系41を取り付けた場合でも、リペアヘッド35の大型化を防ぐことができる。
また、上述の欠陥修正装置を用いて欠陥修正を行うことにより、平坦性のよいパターン基板を製造することができる。さらに、リペアヘッドに他の構成を付加することなく、転写層の平坦性を向上させることができるため、リペアヘッドの大型化を抑制することができる。なお、本実施の形態では、基板6上に形成された転写層を、熱転写ロッドにより押圧する構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、基板6上のパターンを研磨して、基板6上の転写層の端に形成されるツノの高さを低くし、パターンの表面を平坦化することができる。なお、本実施の形態においては、修正部の形成方法として転写フィルムを用いて転写層を転写する方法を用いたがこれに限定されない。例えば、開口部を有するマスクを用いてスプレー塗布法により修正を行った場合などにも、本発明は適用可能である。すなわち、弾性体により押圧することにより修正領域における凹凸形状を平坦にすることができ、突起の形成を抑制することができる。また、開口部端のツノ形状が修正領域と正常部との境界を覆うことにより、修正領域の周囲からの光漏れを防止することができる。
なお、転写フィルム18及びマスクフィルム5は上述の構成のフィルムに限られるものではない。リペアヘッド35は転写フィルムの断片を保持するものに限られるものではなく、リペアヘッド35自体に、転写フィルムローダを設けてもよい。また、図12に示した欠陥修正方法の工程は、典型的な修正方法の工程であり、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にかかる欠陥検査装置は上述の構成に限られるものではない。例えば、観察用のCCDカメラ12はリペアヘッド35ではなく、光源ヘッド37に設けてもよい。UV光源13、ハロゲンランプ14、ヒータロッド45又は高温ブロワ46はリペアヘッド35に設けることが好ましい。リペアヘッド以外の新たなヘッドを設ける必要がないため、欠陥修正装置のコストを低減することができる。さらに、これらを同じヘッドに設けることによってヘッドの移動距離が短くなり、欠陥修正の処理時間を短縮することができる。なお、上記の欠陥修正装置は例えば、カラーフィルタ基板などのように異なる種類のパターンが形成され、複数の転写フィルムが必要なパターン基板に好適である。これによって、パターン基板の生産性を向上することができる。