JP4793521B2 - 電波吸収体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
電波利用の範囲が、生活環境に対して広がりを見せている。電波吸収体あるいは電磁波シールド分野から観た場合、具体的には、電気回路のノイズ対策や回路保護で、急速にその利用技術が発達している。
その中でも近年は、携帯型電話機の普及は目覚ましいものがあり、PHS(Personal Handy Phone System)を含めると、日本のデジタル携帯電話は、5500万台を超える普及と言われている。
さらには、今後も、後記するITSを応用したETC、無線LANシステム、デジタル放送網など複雑な通信ネットワークが構築され、高速な通信利用が電波路に対応できるように、飛び地のような周波数を埋めていく作業がされるようになってきている。
これら、無線や携帯電話を利用したシステムが種種、実用化に向けて進行中であり、高周波を利用した使用機数は、さらに大幅に増えていくことが簡単に予想される状態である。
【0002】
日本における高度道路交通システム(Interigent Transport System 以下、略してITSともいう)は、各省庁を中心に、具体的には、郵政、建設、運輸、自治、通産の5省庁を中心に進められている。
その狙いは、ドライバー、車、道路を情報通信システムで結び、安全運転を支援しつつ、群れで飛ぶ鳥のごとく、渋滞の無いスムーズな道路運行の流れを作ることにある。
欧米も、日本に先駆けて、国家プロジェクトとして、ITSに力を入れている。日本はここ数年、急速に研究が進んでいるのが現状である。
【0003】
特に、高度道路交通システムとして、研究が進んでいるものとして、次の2つがある。
(1)道路や車への課金システムで、「ノンストップ自動料金収受システム」 であるETCもその一つ。
(2)事故防止装置を取り付けるなどの走行支援道路システム(Advanced Cruise−Assist Highway System 略してAHSともいう)。
【0004】
これらの中で、計画実行されてきているものに、
1)前方障害物衝突防止支援、2)カーブ進入危険防止支援、3)車線逸脱防止支援、4)出会いがしら衝突防止支援、5)右折衝突防止支援、6)横断歩道歩行者衝突防止支援、7)路面情報活用車間保持等支援、の7つがあがっている。
【0005】
前記(1)は、郵政省、通産省が中心となって進めている、電波通信運行の整備にも関係する。この中で、ETC(Electronic Toll Collection System)は、「ノンストップ自動料金収受システム」とも呼ばれ、東京湾横断道路、京葉道路、東関東自動車道路など千葉県を中心とした54の料金所を使い試験中である。
【0006】
ここで使用される電波の周波数は、高周波帯では、2.0GHz〜7.0GHzと10GHz〜15GHzが国際標準として使用される。
これからの道路環境においては、交通制御することを目的に、高周波電波が頻繁に使用され、かつ相互に通信のやり取りをすることで、乱反射等による不要電波が溢れかえる状況となりつつある。そのため、ノイズや電波散乱によるシステムの誤動作の問題が出ており、その対策が必要となっている。
【0007】
本発明は、このような高度道路交通システム(Interigent Transport System 略してITSともいう)、レーダ偽像防止、無線障害防止、および電磁波障害(Electromagnetic Interference 略してEMI)対策分野で、主に有効に使用される、電波吸収体に関するものである。
【0008】
また、ディスプレイ分野、特にその中でも、プラズマディスプレイパネル(PDP)、FEDなど電磁波放射が強いものに対する電波吸収対策、電子回路ノイズ保護、携帯型電話機筐体、前記した高度道路交通システム(ITS)を利用したETC、無線LANシステムに適応展開するための電波吸収体に関するものでもある。
特に、本発明は、電波吸収効率に優れた電波吸収体に関するものである。
【0009】
【従来の技術】
従来から、通信アンテナ分野においては、アンテナの設計、特にロッドアンテナよりも効率の高いアンテナ設計に鋭意努力がなされている。
その中で、1999年、ペンシルバニア州立大学のワーナらが、アンテナをフラクタル状に配置した場合、アンテナ効率が高まることを理論的に説明していることは知られている(日経サイエンス1999年9月号第10頁)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記した従来の技術は、あくまでもアンテナを対象としており、本発明のような電波吸収体を対象とするものではなかった。つまり、ロッドアンテナに代わり、携帯用の小型アンテナとして示したにすぎない。
また、フラクタルパターンもフラクタル3角形として配置しているのみで、電波吸収体として最適化されたものとはなっていない。
さらに、その製造方法は、フラクタルにより構成されている複雑なパターンを、従来のエッチング法を用いて試作・製造しており、簡便でかつ量産化に対応するものとはなっていない。
【0011】
本発明は、このような現状に鑑みて、なされたものである。
即ち、高周波GHz対応(例えば、2GHz〜6GHz)の電波吸収体において、安価で電波吸収特性に優れた(例えば、広範囲な周波数において、減衰特性を有する)ものを実現させることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電波吸収体は、高周数GHz対応の電波吸収体であって、電波吸収層からなる電波吸収体の片面に、6角星形と、該6角星形の各頂点から、該6角星形の外周を一方向に周回する方向、各辺に沿い延びる矢状の部分とを有する形状である6角星矢印形を基本単位図形として、自己相似性を有するフラクタルパターン状のアンテナパターンが、前記矢状の部分における細線パターンのL&Sを5μm/5μmとして、GHz帯対応として最適化されて形成されている。
【0013】
また、本発明の電波吸収体は、周数GHz対応の電波吸収体であって、表面に、6角星形と、該6角星形の各頂点から、該6角星形の外周を一方向に周回する方向、各辺に沿い延びる矢状の部分とを有する形状である6角星矢印形を基本単位図形として、自己相似性を有するフラクタルパターン状のアンテナパターンが、前記矢状の部分における細線パターンのL&Sを5μm/5μmとして、GHz帯対応として最適化されて形成されている電波吸収層と熱伝達変換層からなる。
また、本発明の電波吸収体は、高周数GHz対応の電波吸収体であって、表面に、6角星形と、該6角星形の各頂点から、該6角星形の外周を一方向に周回する方向、各辺に沿い延びる矢状の部分とを有する形状である6角星矢印形を基本単位図形として、自己相似性を有するフラクタルパターン状のアンテナパターンが、前記矢状の部分における細線パターンのL&Sを5μm/5μmとして、GHz帯対応として最適化されて形成されている電波吸収層と、1層以上の電波吸収層と、熱伝達変換層からなる。
これらの電波吸収体の各層の間には、易接着層を設けてもよい。
【0014】
また、電波吸収体のフラクタルパターン状のアンテナパターンの材料としては、金属微粒子と、反応性モノマーと、光重合開始剤と、分散剤と、溶剤から構成された紫外線硬化型電波吸収体用インキ組成物が用いられる。
そして、前記分散剤は、高分子型湿潤性分散剤であることを特徴とする。
【0015】
本発明では、電波吸収層上にアンテナパターンを形成すること、さらに、このアンテナパターンがGHz帯を意識して、最適化されたフラクタルパターンを採用したのである。
【0016】
電波吸収層とアンテナパターン、特にフラクタルパターンの組み合わせとする最大の理由は、アンテナを層状に配置することで、キャパシタンス向上がはかられる事である。
さらには、配置パターンとなるフラクタルアンテナパターンは、インダクタンス効果を生み出し、電気回路構成としてのLCの関係が改善されることによる。
そのなかで、最適なフラクタルパターンを見出し、これを本発明である電波吸収体に搭載したものである。
【0017】
ここで、アンテナパターンとして配置するフラクタルパターンについて説明する。(フラクタルの定義については、例えば、日経サイエンス社(1985)、広中平祐監訳、「フラクタル幾何学」の記載参照。)
フラクタル図形の重要な性質としては、自己相似性があげられる。自己相似性とは、ある図形の一部を拡大するとその図形全体、あるいはより大きな部分と一致するという性質である。
【0018】
ここで、フラクタル図形の1つであるシェルビンスキーの3角形を用いてこの性質を説明する。図3の図形がシェルビンスキーの3角形である。この図形の右下の三角形を3倍すると元の図形と一致する。すなわち、この図形は、相似形の入れ子構造になっているのである。自己相似性を有する図形を自己相似図形と呼ぶ。フラクタル図形は必ず自己相似性を持っており、自己相似性はフラクタル図形の重要な性質の1つである。
【0019】
このような性質は、一般の自然界の図形においても見られる。例えば、雲を例にとると、肉眼で見たときでも望遠鏡を使って見たときでも雲の外形は変わらない。これは厳密な意味では相似形ではないが、統計的に見た場合、自己相似性を持っているといえる。
【0020】
一方、本発明におけるフラクタルパターンの製造に関しては、印刷技術、特に製版技術を応用して製造する。
つまり、フラクタルパターンを構成している相似の基本単位図形、例えばシェルビンスキーの3角形であれば、構成単位図形は3角形である。これを製版フィルム(例えばリスフィルム)に1つだけ焼き付ける。これを製版装置にセットする。アンテナパターンとしての焼付けは、図形配置位置の座標、拡大・縮小率データとして、特にデジタルデータを利用する。
これを、コンピュータ・タイプセッターによって、フォトリソ法で、複雑なフラクタルアンテナパターンを電波吸収層に形成させる。製版されていれば、何回でも使用でき、フォトリソ法で製造されるため、サブミクロンオーダのレベルで精度良く、かつ安価に大量複製が可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(フラクタルアンテナパターンの材料と製造方法)
本発明は、フラクタルパターンをフォトレジスト法によって得る。さらには、導電性配線パターンとするため、金属微粒子核をもとに無電解メッキによって製造する。これにより、処理法が簡便で、無電解で工程数が簡略化される。
レジスト材料としては、Pd,Ni,Co、ITOなど金属微粒子が分散された透明性の感光性樹脂を使用する。市販品をそのまま使用してもよいし、以下の材料を配合して調合後使用しても良い。
【0022】
紫外線レジスト組成物を、金属微粒子と、反応性モノマーと、光重合開始剤と、分散剤と、溶剤からなり、必要であれば樹脂と、粘度調整剤などの添加物とから構成される紫外線硬化型電磁波吸収体用インキ組成物とすることができる。
【0023】
フラクタルパターン状のアンテナパターンの成分材料(紫外線硬化型電磁波吸収体用インキ組成物)について、説明する。
【0024】
(金属微粒子)
本発明のインキ組成物の重要な構成材料である、金属微粒子としては、Pd,Ni,Co、ITOなど金属微粒子以外にも次のようなものがある。
すなわち、一般には、フェライトを中心とした磁性金属類や金属酸化物、合金、磁性体も用いられる。特に、透磁率(μ値)を規定した特殊な磁性体、複合フェライト、パーマロイとしてNi−Fe系の代表的な磁性合金、カーボニル鉄粉末を非磁性体中に分散させたカーボニル鉄系磁性体、高誘電率材料(例えば5000の誘電率を有すチタン酸バリウムやチタン酸鉛など)も用いられる。
【0025】
以上の金属微粒子の使用量は、インキ全体の重量の5重量%〜40重量%の範囲で、最適には10重量%〜25重量%の範囲である。
【0026】
(分散剤)
分散剤としては、高分子型湿潤性分散剤(多点吸着型の分散剤)を用いることが好ましい。分散剤は、金属微粒子が反応性モノマーまたは樹脂中で均一に分散するために用いる。この他、インキ化の均質性を保持したり、改善する役目もある。さらに、形成される膜質を良好とするもので、電波吸収層との密着性を阻害しないようなものを注意して厳選しなければならない。
このような性能をもつ分散剤の材料としては、例えば、楠本化成(株)製ディスパロンシリーズ、アビシア(株)製ソルスパースシリーズなどがある。この中で、好適には、酸価8〜20、アミン価20〜32の高分子型湿潤性分散剤を用いる。
【0027】
具体的には、ディスパロンの商品番号DA−703−50,DA−705,DA−725,DA−234,DA−325,DA−375、ソルスパース24000、12000、5000などである。
さらに、これと組み合わせて使用可能な分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル系、ポリエチレングリコールジエステル系、ソルビタン脂肪酸エステル系、脂肪酸変性ポリエステル系、3級アミン変性ポリウレタン系などが用いられる。
【0028】
また、インキ組成物として着色する場合には、顔料と組み合わせて、有機色素誘導体等を使用できる。有機色素誘導体としては、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系等の有機色素(顔料、染料など)の骨格にカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基、カルボニル基、スルホニル基等を付加したもの、および、その塩等をあげることができる。
【0029】
また従来から公知である他の分散剤を用いることもできる。
以上の分散剤の使用量は、0.01重量%〜30重量%の範囲で、最適には0.1重量%〜10重量%の範囲である。
【0030】
(溶剤)
溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類、α―もしくはβ−テルピネオール等のテルペン類等、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等が挙げられる。
ただし、これらに限定されるものではないし、モノマーが溶剤の代わりとして使用されてもよい。
【0031】
(反応性モノマー)
反応性モノマーとしては、後述する光重合開始剤が光を吸収することにより発生するラジカルによって重合が誘発されるモノマーのことをいい、本発明においては、当該性質を有するモノマーであればいかなるモノマーも使用可能であり、少なくとも1つの重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物を用いることができる。
【0032】
具体的には、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、2,2−ジメチロールプロパンアクリレート、グリセロールジアクリレート、トリプロプレングリコールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシプロピルトリメチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレート、ジアリルフマレート、1,10−デカンジオールジメチルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、および、上記のアクリレート基をメタアクリレート基に置換したもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシアクリレート、3−ブタンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、フェノール−エチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール−プロピレンオキサイド変性アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、ビスフェノールA−エチレンオキサイド変性ジアクリレート、などの、アクリレートモノマー、および、これらのアクリレート基をメタアクリレート基に置換したもの、ポリウレタン構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合したポリウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル構造を有するオリゴマーにアクリレート基を結合したポリエステルアクリレートオリゴマー、エポキシ基を有するオリゴマーにアクリレート基を結合したエポキシアクリレートオリゴマー、あるいは、メタクリレート基を有するエポキシメタクリレート樹脂等が挙げられる。
【0033】
これらは、使用できるモノマーの一例であり、これらに限定されるものではない。また、このようなモノマーの含有量は、インキ中の樹脂組成物の不揮発成分の10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%の範囲が望ましい。
上記、プレポリマーおよびモノマーは単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。中でも、3官能以上の多官能アクリレートモノマーは、特に好適に用いることが可能である。
【0034】
(光重合開始剤)
本発明の、紫外線硬化型インキ組成物に含有される光重合開始剤とは、光を吸収することによりラジカルを発生し、前記の反応性モノマーの重合を開始させるためのものである。
【0035】
例えば、インキ組成物に含有せしめる光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾイン類、イミダゾール2量体類、ハロメチルチアゾール化合物、ハロメチル−S−トリアジン系化合物、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、エチルアントラキノン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、メチルベンゾインホルメート、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル))プロパノン、2−[(2−ジメチルアミノエチル)アミノ]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン−ジメチル硫酸塩、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、Octel Chemicals製 QUANTACURE ITX,ABQ,CPTX,BMS,EPD,DMB,MCA,EHA、みどり化学製TAZ−100,101,102,104,106,107,108、などを用いることが可能である。
【0036】
また、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドやビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド、Octel Chemicals製QUANTACURE QTX、みどり化学製TAZ−110,113,118,120,121,122,123、Lamberti製ESACURE KTO46などを用いることが可能である。
【0037】
さらには、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムやη5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフルオロフォスフェイト(1−)等のメタロセン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、みどり化学製TAZ−114などを用いることが可能である。
【0038】
本発明において用いることができる光重合開始剤については、以下に述べる光吸収領域を有し、前記の反応性モノマーが重合できるために必要なラジカルを発生するものであれば、特に限定する物ではない。
また、本発明では、これらの光重合開始剤を単独で、または、2種以上を混合して使用できる。
【0039】
このような光重合開始剤の添加量は、紫外線硬化型インキ中の樹脂組成物の不揮発成分100重量部に対して5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部の範囲で設定することができる。
【0040】
(その他の添加剤)
アンテナパターンを形成するための上記のインキ組成物には、必要に応じて、下記の各種の樹脂を添加することもできる。また、0.5〜10重量%程度の紫外線吸収剤や、同じく0.5〜10重量%程度の光安定剤を添加することにより、耐候性を更に高めることができる。
【0041】
(樹脂)
樹脂(インキ組成物の材料となるバインダー)としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアニリン樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどの導電性樹脂、特にポリアニリン樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、ポリフェニレンビニレン樹脂などが好適である。また、アルキッド樹脂、弗素系樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂、エポキシ変性ウレタンゴム等の各種ゴム類、シリコーン、各種の合成樹脂が用いられる。例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合樹脂等のアクリル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシフェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、又はフェノール樹脂あるいはこれらの共重合体や混合物等である。これらは誘電率も考慮して選択するのが望ましい。
【0042】
上記の内、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアニリン樹脂、アルキッド樹脂、弗素系樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂、エポキシ変性ウレタンゴム、シリコーン、エポキシフェノール樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、あるいはこれらの共重合体や混合物などを用いるのが特に好ましい。
この他にも上述の樹脂のコポリマー(共重合体)にグリシジル基または水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加させたポリマーなども用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0043】
また、上記の(バインダー)樹脂の中で、合わせて使用するモノマーとの相溶性などの観点から、特に好ましいエポキシ樹脂としては、三菱油化シェル(株)製エピコートシリーズ、ダイセル(株)製セロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシジルエステル、ポリオールグリシジルエステル、脂肪酸または脂環式エポキシ樹脂、アミノエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)アクリレートとラジカル重合可能なモノマーとの共重合エポキシ化合物を挙げることができる。
【0044】
前記の樹脂以外にも、次のものが好ましく使用される。一例としてアルキッド樹脂をベース成分とする樹脂成分と可塑剤とから成っており、この樹脂成分は、単油性アルキッド樹脂2〜15重量%にセルロースアセトブチレート3〜20重量%を添加して構成され、可塑剤は、0.01〜4重量%の含有量を有するものを好ましく用いる。
【0045】
また別の例としては、弗素系樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂をビヒクルとするもので、弗素系樹脂とアクリル系樹脂との混合樹脂が、これらの両者の合計を100重量部にしたときに、弗素系樹脂45〜85重量部、アクリル系樹脂55〜15重量部からなるものを好ましく用いる。
【0046】
上記の紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有機系化合物や、粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化セリウム等の無機質系化合物を使用することができる。又、光安定剤としては、例えばビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を使用することができる。
【0047】
さらに、インキ組成物には、粘度調整剤、粘度改質剤、流動性改質剤、レオロジーコントロール剤などを添加して印刷適性を向上させてもよい。具体的な例として、タルク、酸化チタンなどの金属酸化物微粒子、シリカ、シリカゾル(あるいはゲル)、多糖類例えば信越化学製セルロースシリーズ(MC系、アルカリ可溶性セルロース)、シリコーンオイルなどを数%程度添加すればよい。
【0048】
(着色剤)
本発明のインキ組成物には、着色剤または染料、顔料の配合を必ずしも必要としない。しかし、着色による意匠性の高い層を得る目的で、インキ中に着色剤等を配合する場合もある。そのときには、耐候性に優れた着色剤、例えばイソインドリノン(40黄)、キナクリドン(15赤)、ペリレン(100赤)、フタロシアニンブルー(青)、アニリンブラック(黒)、縮合アゾ/キナクリドン(耐候赤)等からなる有機顔料、黄鉛(黄)、チタンイエロー(黄)、弁柄(赤)、カドミウムレッド(赤)、コバルトブルー(青)、群青(青)、カーボン(黒)、チタン白(白)等からなる無機顔料を使用することにより、電波吸収体の耐候性をより一層高めることができる。
【0049】
(染料、顔料)
さらには、公知の染料および/または顔料を用いることも可能である。すなわち、化学構造としてはアントラキノン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、アゾ系、ピロロピロール系、キノフタロン系、フタロシアニン系、スレン系、トリフェニルメタン系、トリアリルメタン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ペリレン系、ペリノン系およびこれらの金属錯体などをあげることができる。これら、有機色素の場合は耐熱性、耐光性の観点から顔料形態のものの方が特に好ましい。
【0050】
(紫外線硬化型電波吸収体用インキ組成物の製造方法)
(分散機)
本発明で使用するインキ組成物を製造する為に、必要な成分材料を混合、分散するための装置としての分散機は、ペイントロール、スタティックミキサー、回転式ラインミキサー、ホモミキサー、マイクロフルダイザー、アルティマイザー、ナノマイザー、さらには、前記したペイントロール以外にもペイントシェーカ、ビーズミル、アトライターなどを用いても良い。
【0051】
ビーズミルを用いる場合、回転式の混合ピン等を持ち、ボール状充填物を入れて、連続的に被混練分散液を通過させる。後記する各実施例と比較例においては、全て次のような条件で行った。
本体:ビーズミル式分散機
1)ボール(材質:ジルコニア)2mm径で30分分散(初期分散)
2)周速 13.5m/s
3)ベッセル容量22リットル(仕込み比10.5リットル)
4)ジルコニアビーズ0.6〜0.8mm径 2.1Kg(85%充填)
5)吐出量 100kg/h (本分散)
初期分散粒子径(d50)で40μmが、本分散(5パス後、d50)で5.2μmであった。
粒子径および粒度分布の測定は、日機装株式会社製レーザ粒度分析計によって行った。
【0052】
インキ化は、例えば、反応性モノマー、光重合開始剤、溶剤、分散剤または前記の樹脂などの材料に対する金属微粒子の混合比を変化させ混入し、反応性モノマー、光重合開始剤、溶剤、分散剤または樹脂を最適な組み合わせで選択して、これをビーズミルまたはペイントロール等で混合した後、インキを製造する。
【0053】
金属微粒子などの種類や混合比を変えることにより、電波吸収特性の異なる各種インキ組成物となる。
【0054】
(電波吸収体およびその製造方法)
本発明の「電波吸収体」は、電波吸収層単層或いは、1層以上の電波吸収層と熱伝達変換層との積層体の電波吸収層上に、前記インキ組成物をフラクタルパターン状のアンテナパターンとして形成することにより製造される。
【0055】
(電波吸収層)
電波及び/または電磁波を吸収するための電波吸収層は、軽量化を意識した材料を用いるのが好ましい。すなわち、一般にはフェライトを中心とした磁性金属類が用いられるが、ここではさらなる軽量化を実現するために、例えば希土類イオン含有スメクタイト等の前記した各種希土類イオン含有包接物あるいは希土類粉体または磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした有機金属錯体類などを用いる。これらを固定させ電波吸収層を作製する方法には、主に圧延ロール法とホットプレス法がある。ここでは、実験室レベルで簡便で、異方性の生じにくいホットプレス法によった。
【0056】
ホットプレス法は、ゴムや樹脂などの固定媒体となる結着用材料に対する希土類イオン含有スメクタイト等の前記した各種希土類イオン含有包接物の混合比を変化させ混入し、これをペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを各種調整してホットプレスすることにより製作する。もちろん希土類イオン含有スメクタイトの代わりに希土類粉体または磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした有機金属錯体類などを結着用材料に分散、練り込んでも良い。また分散、混合する代わりに希土類イオン含有スメクタイト等の前記した各種希土類イオン含有包接物あるいは希土類粉体または磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした有機金属錯体類を固定媒体となる結着用材料で含浸させ硬化結着させる方法や含浸させ硬化結着させながら、スペーサで厚みを各種調整してホットプレスや圧延ロールにより製作することもある。
【0057】
固定媒体となる結着用材料としては、エポキシ変性ウレタンゴム等の各種ゴム類、シリコーン、各種の合成樹脂が用いられる。例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリブテン樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合樹脂、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸メチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エチル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル樹脂、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合樹脂等のアクリル樹脂、ナイロン6又はナイロン66等で代表されるポリアミド樹脂、三酢酸セルロース樹脂、セロファン、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシフェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、又はフェノール樹脂あるいはこれらの共重合体や混合物等である。これらは誘電率も考慮して選択するのが望ましい。
上記の内、エポキシ変性ウレタンゴム、シリコーン、エポキシフェノール樹脂、エポキシウレタン変性樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、あるいはこれらの共重合体や混合物などを用いるのが好ましい。
【0058】
混合、分散するための分散機は、前記したペイントロール以外にもペイントシェーカ、ビーズミル、アトライターなどを用いても良い。スペーサで設計厚みに調整してホットプレスによって作製する際、例えば、設計数値等に関しては橋本修等の論文を参考に分散調合を決定していった。(橋本修等:電子情報通信学会論文誌 B Vol.J82−B No.3 pp.469−475 1999年3月)
【0059】
希土類イオン含有スメクタイト等の前記した各種希土類イオン含有包接物あるいは希土類粉体または磁性スピンを有するCo、Feなどを中心金属とした有機金属錯体類などの種類や混合比や電波吸収層の厚みによって、電波吸収特性の異なる各種電波吸収層を作製できる。例えば、希土類イオンの異なる各種電波吸収層は、電波吸収特性も異なる。
【0060】
さらに、このようにして製造した電波吸収特性の異なる各種電波吸収層は、単層で用い、電波吸収体としても良い。或いは、易接着層2を介して、電波吸収特性の異なる各種電波吸収層を、複数積層させて用いる場合とがある。吸収効率と電磁波周波数に応じて、各層に機能分離するほうがより有利であり、これにより一層帯域も広がり、高周波全域を無駄無く吸収することが可能となる。
【0061】
(熱伝達変換層)
熱伝達変換層5は、一般にはアルミニウムや銅などの金属板、金属ネット、を複合加工して製品としている。その他、軽量かつ放熱性および熱伝導率の点から「アルミホイル」、「有機繊維または無機繊維を用いた高熱伝導性樹脂シート」を用いると良い。
【0062】
有機繊維または無機繊維を用いた高熱伝導性樹脂シートは、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等の特殊な繊維の繊維方向を制御して高濃度で整列させエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂で硬化させることによって得られる。例えば、日機装株式会社の商品名 MATELIGHT(炭素繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック)やポリマテック株式会社の繊維配向複合材などを使用するのがよい。この炭素繊維は、レーヨン系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、フェノール樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系など、各種の炭素繊維が使用でき、そして、通常、繊維直径が2〜30μm程度、平均繊維長さが0.1〜10mm程度のものを使用するのが好ましい。
【0063】
ここで炭素繊維、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、ガラス繊維等の特殊な繊維の繊維方向を制御しないでエポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂で硬化させても良い。熱硬化性樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、BMI系樹脂(フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フラン樹脂など)、ポリイミド樹脂等の一般の熱硬化性樹脂であり、特に限定されるものではない。
なお、熱硬化性樹脂には、必要に応じて、硬化剤等の配合剤を配合することができる。
また、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂の代わりに、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂を使用しても良い。
【0064】
特殊な繊維としては綿、麻、竹、木等の植物原料から得た繊維(セルロースパルプを含む)等の天然有機繊維、または炭化珪素繊維、金属繊維、セピオライト、石綿等の天然乃至は人造無機繊維や、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニールアルコール、ポリプロピレン、ポリアミド繊維等の人造有機繊維も使用できる。
【0065】
また、本発明の「電波吸収体」は、図1と図2におけるように、電波吸収層1、3、4と熱伝達変換層5の各層間に、易接着層2をもたせて積層したものでも良い。これにより、施工場所における電磁波の到達度合いに応じて、最適な電磁波吸収面を、剥離用切り込み6を指標に、剥離することで、容易に作り出すことが可能となる。
【0066】
易接着層2の形成法としては、各電波吸収層及び、または熱伝達変換層に対して、メイヤーバーやグラビアなど各種コーティング法によって、1〜25μmの厚さに塗布して形成する。
易接着層2の組成の一例としては、信越化学株式会社製のアクリルシリコーンエマルジョン溶液を、溶媒(トルエンとアセトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈したものがある。
また、易接着層2の材料としての樹脂(バインダー)には、ポリビニルアルコール単独あるいはその部分ケン化品(商品名 ポバール)、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用でき、接着力の強弱を調整するためシリコーン油等のシリコーン類を数%含有すればよい。
さらには、シリコーン油のみならず、シランカップリング剤単独あるいはその加水分解物を数%含有させても良い。(東芝シリコン株式会社製)
さらに易接着層2は、樹脂(バインダー)分として、天然ゴム,エステルガム,ポリビニルアルコール(PVA)等を、顔料分として、マイクロシリカ,スターチ,有機高分子粉末等を、揮発分として、水等を適宜配合したものを用い、それぞれの配合比を変えて、接着力を調整したものでも良い。
また、易接着層2の上端及び下端には、再剥離時に、剥離をさらに容易にするために接着力を弱める易剥離層を形成しておいても良い。
【0067】
この他、易接着層2には、各種ヒートシール剤層、各種感圧接着層も使用できる。
例えば、再剥離可能な感圧接着層の粘着主剤として、ソープフリー乳化重合で得た、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)のゴムラテックス、或いはポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂ラテックス等を用いる。これらは優れた感圧接着性を示し接着力が強い。
【0068】
ソープフリー乳化重合法によるラテックスは、低分子量乳化剤を含まない為、ドライタック(べたつき感)が少ない点で好ましい。また、これらラテックスのエマルションは、イソプロピルアルコールを消泡剤として使用でき塗工液の固型分調整も任意の割合に出来、グラビア塗工適性にも優れる等の性能を有している。
なお、粘着主剤に、通常の乳化重合によるラテックスとして、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシ変性SBR(XSBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、或いは、アクリル変性天然ゴム(PMMA−NR)、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂系ラテックスの粘着剤等も、種々の特性向上の為に併用しても良い。
【0069】
感圧接着層は、ソープフリー乳化重合のラテックスのみでも、ある程度の性能は得られ且つ所望の平滑度を得やすいが、従来同様に接着力抑制に充填剤を加えると、接着力の調整がし易く経時的に接着力が強くなり過ぎるのが抑えられる。平滑度を所望の範囲にしたままで、接着力を調整するに適した充填剤としては、例えば平均粒子径が3〜10μm程度のポリスチレン樹脂粒子が使用できる。ポリスチレン樹脂粒子は、前記ソープフリー乳化重合のラテックスとの組み合わせで、良好に調整された接着力と平滑度を与え、その結果優れた光沢感が得られる。
【0070】
また、充填剤は、ポリスチレン樹脂粒子以外にも、アクリル樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子、架橋アクリル樹脂粒子等の樹脂粒子でも良い。耐熱性が要求される用途では、架橋樹脂粒子が適している。充填剤の配合量は、例えばポリスチレン等の樹脂粒子では、粘着主剤100重量部当たり5〜20重量部である。充填剤としてシリカや澱粉等は、透明性ならびに平滑性に支障を来さない範囲で用いる。なお、配合量は粘着主剤のドライタック及び目的とする物性により適宜調整する。
【0071】
そして、本発明で紫外線硬化型電波吸収体用インキ組成物を形成してから、光を照射する際に、使用するランプについては、各インキ材料に含有される光重合開始剤が、最も吸収する光を発する紫外線照射光源(紫外線ランプ)を使用することにより、生産効率を向上せしめることが好ましい。
【0072】
この場合、電波吸収層に紫外線硬化型電波吸収体用インキ組成物をスピンコーティング後、紫外線硬化型電波吸収体用インキ組成物に対して、紫外線光を露光し硬化させることで皮膜を得る。紫外線露光は、アライナー、ステッパー、プロキシ等の装置によって行う。さらに、露光線源は、メタルハライド、ショートアークXe等、照射波長が230nm〜480nm,最適には320nm〜420nmを使用するのがよい。
また、酸素遮断条件下で、紫外線露光、硬化を行うと、発生するラジカル失活が抑制され、かつ硬化感度は高まり、深部にまで均一に硬化可能である。
【0073】
さらには、例えば、上述の光重合開始剤の1つであるイルガキュアー369(チバスペシャリティーケミカルズ製)は、約290nm〜365nmの波長の光を最も吸収するため、当該範囲の光を発光するランプ(例えば水銀ランプ)を用いることが好ましく、また、光重合開始剤の1つであるイルガキュアー907(チバスペシャリティーケミカルズ製)は、約260nm〜330nmの波長の光を最も吸収するため、光学系も石英レンズを使用した当該範囲の光を発光するランプを用いることが好ましい。
【0074】
【実施例】
次に実施例をあげて、本発明をさらに説明する。
【0075】
(実施例1)
希土類イオン含有スメクタイトの具体的な作製方法について以下に述べる。
希土類イオン含有包接物は次の様にして得た。包接体はスメクタイトを用いた。
陽イオン交換能を利用して水溶液中にスメクタイト(商品名 スメクタイトS クニミネ工業株式会社製)と希土類塩(LnCl3)をほぼ1:1で混合攪拌した。
【0076】
反応溶液の温度は、40℃程度に暖め、イオン交換能を高めた状態で行なった。
溶液中の残イオンに関しては、キレート材(錯化剤)によりキレート化し、回収することでリサイクル利用する。フィルター等を利用し分離した希土類イオン含有スメクタイトは、室温乾燥させた。
【0077】
エポキシフェノール樹脂100g当たりに、前記希土類イオン含有スメクタイト2.68g添加して、ペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを2.01mmに調整して、ホットプレスによって作製したものを電波吸収層とした 。
【0078】
さらに、この電波吸収層表面に、フラクタルアンテナパターンを以下のようにして形成した。
フラクタルアンテナパターンは、製版技術を応用して製造した。フラクタルパターンを構成している相似の基本単位図形、6角星矢印形(図4の12に相当)を1つ抽出した。これを製版用リスフィルム(Agfa製)の中央に、1つだけ焼き付け、現像工程を経て製版マスクフィルムとした。これを製版装置(Agfaイメージセッタやアライナー、写真製版機など)にセットする。
アンテナパターンとしての焼付けは、図形配置位置の座標、拡大・縮小率データとして特にデジタルデータを利用する。これを、コンピュータ・タイプセッターによってフォトリソ法で、複雑なフラクタルアンテナパターンを電波吸収体(層)に形成させる。
【0079】
紫外線硬化型電波吸収体用インキ組成物となる光パターン用材料として、住友大阪セメント社製の光解像性化学メッキ触媒SOC−PAを使用した。SOC−PAをスピンコーティング1000rpm、20秒の条件で塗布した。プリベーク50℃、15分行った後、アライナー(大日本スクリーン製)にて紫外線露光した。露光波長は、365nm(ウシオ製紫外線ランプ)で、500mJ/cm2で行った。
水現像後、アフターベーク130℃、20分間行った。その後、無電解Cuメッキ液に23℃、5分間浸漬させた。その後、水洗・室温乾燥させた。これにより、電波吸収層の表面に、フラクタルパターンを複数配置できた。
尚、細線パターン精度は、仕上がりとして、L&Sが5μm/5μmで、できたことを光学顕微鏡の反射像で確認した。サブミクロンオーダのレベルで精度良く、かつ大量複製できた。
【0080】
このようにして、電波吸収層の表面に、6角星矢印形のアンテナパターンを配置した構成の本発明の電波吸収体の場合には、17GHz〜20GHz(測定限界のため)において、鋭い吸収ピークが見られ、−23dBの吸収損失を確認した。この場合には、電波吸収層単独からなる電波吸収体よりも広い帯域での吸収が見られた。
【0081】
(実施例2)
図1は、本発明の電波吸収体の一実施例の断面図である。図2は、本発明の電波吸収体の一実施例の構成を示す斜視図である。
そして、図1及び図2の如き構成の電波吸収体7を次の様にして作製した。
エポキシフェノール樹脂100g当たりに、前記室温で乾燥させた希土類イオン含有スメクタイト3.09g添加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを1.91mmに調整してホットプレスによって作製したものを電波吸収層1とした 。
この電波吸収層1の表面に、実施例1と同様にして、6角星矢印形によるフラクタルアンテナパターンを形成した。
【0082】
エポキシフェノール樹脂100g当たりに前記希土類イオン含有スメクタイト2.08g添加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを3.31mmに調整してホットプレスによって作製したものを電波吸収層3とした 。
エポキシフェノール樹脂100g当たりに前記希土類イオン含有スメクタイト2.68g添加してペイントロールで混合した後、スペーサで厚みを2.01mmに調整してホットプレスによって作製したものを電波吸収層4とした 。
電波吸収層1、3、4の角部を斜めに切断して剥離用切り込み6を設けた。
【0083】
熱伝達変換層5は、MATELIGHT COMPOSITE 0.3mm厚さをそのまま用いた。
6角星矢印形によるフラクタルアンテナパターンが形成された電波吸収層1と、電波吸収層3、4と熱伝達変換層5の各層間には、易接着層2を設けた。易接着層2は、信越化学株式会社製のアクリルシリコーンエマルジョン溶液を溶媒(トルエンとアセトンの1:1混合溶媒)で5%に希釈したものをメイヤーバーによって、5μmの厚さに塗布して形成した。
フラクタルアンテナパターンが最表面となるように、各層を積層して貼り合わせ電波吸収体7を構成させた。
電波吸収特性はアドバンテスト法によって行なった。この場合には、1GHz〜10GHzにおいてほぼフラットに−32dBの吸収損失を確認した。
【0084】
(実施例3)
実施例2の電波吸収体7において、電波吸収層1を剥離用切り込み6に従って剥離したところ、容易に剥離でき、電波吸収層3を最表面に持ってくることができた。この電波吸収層3の表面に、実施例1と同様にして、6角星矢印形によるフラクタルアンテナパターンを形成した。
電波吸収特性はアドバンテスト法によって行なった。この場合には、3GHz〜8GHzにおいてほぼフラットに、−27dBの吸収損失を確認した。
【0085】
(参考実施例1)
6角星矢印形のアンテナパターンの代わりに、斜4角矢印(図5の14に相当)のアンテナパターンを配置した。
それ以外は、実施例1と同様に行った。
【0086】
この場合には、17GHz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収ピークが見られ、−20dBの吸収損失を確認した。
【0087】
(参考実施例2)
6角星矢印形のアンテナパターンの代わりに、斜4角矢印((図5の14に相当)のアンテナパターンを配置した。
それ以外は実施例2と同様に行った。
【0088】
この場合には、1GHz〜10GHzにおいてほぼフラットに−28dBの吸収損失を確認した。
【0089】
(参考実施例3)
6角星矢印形のアンテナパターンの代わりに、斜4角矢印(図5の14に相当)のアンテナパターンを配置した。
それ以外は実施例3と同様に行った。
【0090】
この場合には、3GHz〜8GHzにおいて、ほぼフラットに、−24dBの吸収損失を確認した。
【0091】
(参考実施例4)
6角星矢印形のアンテナパターンの代わりに、シェルビンスキーの3角形(図3の10に相当)のアンテナパターンを配置した。
それ以外は、実施例1と同様に行った。
【0092】
この場合には、17GHz〜20GHz(測定限界のため)において鋭い吸収ピークが見られ、−20dBの吸収損失を確認した。
【0093】
(参考実施例5)
6角星矢印形のアンテナパターンの代わりに、シェルビンスキーの3角形(図3の10に相当)のアンテナパターンを配置した。
それ以外は実施例2と同様に行った。
【0094】
この場合には、1GHz〜10GHzにおいてほぼフラットに−25dBの吸収損失を確認した。
【0095】
(参考実施例6)
6角星矢印形のアンテナパターンの代わりに、シェルビンスキーの3角形(図3の10に相当)のアンテナパターンを配置した。
それ以外は実施例3と同様に行った。
【0096】
この場合には、3GHz〜8GHzにおいて、ほぼフラットに−23dBの吸収損失を確認した。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、フラクタル図形を応用した新規なアンテナパターン構成となる電波吸収体を提供できる。この発明をすることで、一定面積(体積)に細密充填で、大小相似の一定リズムをもったアンテナパターンを配置でき、効果的に電(磁)波吸収が行われる結果、広範囲な周波数減衰特性や良好な斜入射特性の改善効果を与える。
【0098】
また、電波吸収層が2層以上ある電波吸収体の場合には、施工場所における電波到達度合いに応じて、最適な電波吸収面を容易に作り出すことが可能となる。例えば、屋内壁面への施工の場合には、窓面からの入射と天井面では、電(磁)波の散乱・反射度合いが異なるが、その様な状況に対しても同一ロット製品で施工可能となる。
さらには、大小相似の一定リズムをもったパターンの配置は、印刷技術、特に製版技術を適応すれば、容易に精度良く加工できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電波吸収体の一実施例の断面図である。
【図2】 本発明の電波吸収体の一実施例の構成を示す斜視図である。
【図3】 シェルビンスキーの3角形によるフラクタルパターンを示す概略図である。
【図4】 6角星矢印形によるフラクタルパターンを示す概略図である。
【図5】 斜4角矢印によるフラクタルパターンを示す概略図である。
【符号の説明】
1 電波吸収層
2 易接着層
3 電波吸収層
4 電波吸収層
5 熱伝達変換層
6 剥離用切り込み
7 電波吸収体
8 フラクタルアンテナパターン
10 シェルビンスキーの3角形
12 6角星矢印形
14 斜4角矢印

Claims (6)

  1. 高周数GHz対応の電波吸収体であって、電波吸収層からなる電波吸収体の片面に、6角星形と、該6角星形の各頂点から、該6角星形の外周を一方向に周回する方向、各辺に沿い延びる矢状の部分とを有する形状である6角星矢印形を基本単位図形として、自己相似性を有するフラクタルパターン状のアンテナパターンが、前記矢状の部分における細線パターンのL&Sを5μm/5μmとして、GHz帯対応として最適化されて形成されている電波吸収体。
  2. 高周数GHz対応の電波吸収体であって、表面に、6角星形と、該6角星形の各頂点から、該6角星形の外周を一方向に周回する方向、各辺に沿い延びる矢状の部分とを有する形状である6角星矢印形を基本単位図形として、自己相似性を有するフラクタルパターン状のアンテナパターンが、前記矢状の部分における細線パターンのL&Sを5μm/5μmとして、GHz帯対応として最適化されて形成されている電波吸収層と熱伝達変換層からなる電波吸収体。
  3. 高周数GHz対応の電波吸収体であって、表面に、6角星形と、該6角星形の各頂点から、該6角星形の外周を一方向に周回する方向、各辺に沿い延びる矢状の部分とを有する形状である6角星矢印形を基本単位図形として、自己相似性を有するフラクタルパターン状のアンテナパターンが、前記矢状の部分における細線パターンのL&Sを5μm/5μmとして、GHz帯対応として最適化されて形成されている電波吸収層と、1層以上の電波吸収層と、熱伝達変換層からなる電波吸収体。
  4. 請求項2又は請求項3の電波吸収体の各層の間に易接着層を設けたことを特徴とする電波吸収体。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4の電波吸収体のフラクタルパターン状のアンテナパターンの材料が、金属微粒子と、反応性モノマーと、光重合開始剤と、分散剤と、溶剤から構成された紫外線硬化型電波吸収体用インキ組成物であることを特徴とする電波吸収体。
  6. 分散剤が、高分子型湿潤性分散剤であることを特徴とする請求項5に記載された電波吸収体。
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