JP4791993B2 - 炉心冷却材流量計測装置および炉心冷却材流量計測方法 - Google Patents

炉心冷却材流量計測装置および炉心冷却材流量計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量を計測する装置および方法に関する。
現在の沸騰水型原子力発電所においては、原子炉圧力容器にある原子炉燃料内で発生するウラン等の核燃料の核分裂量を制御し、かつ核分裂によって発生した熱を有効に除去するために、冷却材である水を強制的に循環させる方式を採用している。
原子炉冷却材の循環量すなわち炉心流量が多いと原子炉炉心部で発生する気泡(ボイド)の量が少なくなり、このため核分裂によって生成される高速中性子に対する減速効果が増大して核分裂が促進され、原子炉の出力が増加する。炉心流量が少ない場合にはこれとは逆に気泡の量が多くなり、原子炉出力は低下する。このように、沸騰水型原子力発電所において原子炉の炉心流量は原子炉の冷却という安全上の観点ばかりでなく、原子炉出力の制御の観点からも極めて重要な物理量であり、高い精度で計測または計算することが要求されている。
また、将来の原子炉の一つとして自然循環型の沸騰水型原子炉が想定されているが、この場合、炉心流量が原子炉出力の制御に直接用いられることはないが、安全上の観点と、燃料の燃焼管理といった効率的な運転管理の観点から重要な物理量であることに変わりはなく、強制循環型原子炉の場合と同様に高い精度で計測あるいは計算することが要求される。
炉心に冷却材を循環させるための再循環ポンプを原子炉圧力容器に内蔵する形式の改良型沸騰水型原子力発電所がある。内蔵形式の再循環ポンプは原子炉インターナルポンプ(RIP)と呼ばれる。タービン系から送り込まれる給水は給水配管を通して原子炉圧力容器(RPV)へ注入される。注入された給水は気水分離器で分離された飽和水と上部プレナムで混合してサブクール水となり、シュラウドと原子炉圧力容器の内壁との間をダウンカマへ流れる。
ダウンカマを流下した冷却材は複数の原子炉再循環ポンプによって加圧され、下部格子板を通り炉心の燃料で加熱されて沸騰する。これにより蒸気と水との二相流体となって気水分離器へ流れ、そこで飽和水と飽和蒸気に分離される。飽和水は上部プレナム部へと流れ再び給水と混合される。一方、飽和蒸気はさらに蒸気乾燥器および主蒸気配管を通りタービンへ送られる。
ここで、改良型沸騰水型原子炉の炉心流量計測方法は大きく分けて二つある。一つはポンプ部差圧測定法(PdP法と呼ばれる)であり、もう一つは炉心支持板差圧測定法(CPdP法と呼ばれる)である。
PdP法は、再循環ポンプ1のポンプ吸込部圧力と炉心入口部圧力との圧力差(ポンプ部差圧)を計測し、そのポンプ部差圧に基づいて予め求めておいた再循環ポンプ1のQ−H(流量−揚程)特性曲線から炉心流量を求めるものである。
この方法を、図11を参照して説明する。図11において、原子炉圧力容器3の下部に再循環ポンプ1が配置され、シュラウド5外の冷却材が下方に駆動される。再循環ポンプ1を通った冷却材は、炉心支持板6を上方に向かって通り、その上方にある炉心部へ送られる。
図11に示すように、原子炉圧力容器3内のポンプ部差圧計測配管9によって再循環ポンプ1の入口部圧力と再循環ポンプ1により加圧された炉心入口圧力との差圧(ポンプ部差圧ΔPp)が検出され、ポンプ部差圧発信器10に入力される。ポンプ部差圧発信器10によって計測されたポンプ部差圧ΔPpはプロセス計算機11に入力される。また、プロセス計算機11には再循環ポンプ1の回転数を検出するRIP回転数検出器12からのRIP回転数Riが入力されるとともに、RPVボトムドレン温度検出器13で検出された再循環ポンプ1を通る原子炉冷却材の温度(RPVボトムドレン温度)Tbが入力される。
プロセス計算機11には再循環ポンプ1のポンプ性能として各再循環ポンプ1についてポンプQ−H特性曲線が予め記憶されている。このポンプQ−H特性曲線は工場試験で得られた特性曲線であり、式(1)に示すような高次の線型方程式によるフィッティング式として保持される。測定したRPVボトムドレン温度Tb、RIP回転数Ri、ポンプ部差圧ΔPpを式(1)に代入し、再循環ポンプ1の各号機の流量Qiを求め、式(2)に示すように炉心流量Wpdpを求める。
Qi=fi(ΔPp,Ri,Tb) (1)
Wpdp=Kp・ΣQi (2)
ここで、Kpは校正係数である。
次に、もう一つの炉心流量計測方法であるCPdP法は炉心入口部圧力と炉心出口部圧力との圧力差(炉心支持板差圧)を計測し、その炉心支持板差圧と原子炉平均出力とから炉心流量を求めるものである。
すなわち、図11に示すように、炉心支持板差圧計測配管14により炉心支持板6の上下の差圧を検出して炉心支持板差圧発信器15に入力し、炉心支持板差圧発信器15で計測された炉心支持板差圧(下部格子板差圧)ΔPcpは核計装系16に入力される。また、核計装系16には炉内中性子検出器17によって検出された原子炉内の中性子束Φが入力されている。核計装系16では、検出された中性子束Φに基づいて原子炉内の局部出力の平均値を求め、原子炉の平均出力Aを求める。そして、測定した炉心支持板差圧ΔPcpと原子炉の平均出力Aを式(3)に代入して炉心流量Wcpdpを求める。
Wcpdp
=Kc・(a+b√ΔPcp+c・ΔPcp)・(d+e・A+f・A) (3)
ここで、a,b,c,d,e,fは定数であり、ΔPcpは炉心支持板差圧であり、Aは原子炉の平均出力であり、Kcは校正係数である。
一方、沸騰水型原子力発電所においては、原子炉の運転に伴なって原子炉冷却材中に含まれる金属イオンやクラッド等の不純物がポンプや炉内構造物の表面に付着し、これによりポンプの性能の低下や原子炉炉心部分の流動抵抗係数の増加が経時的に発生する可能性がある。
すなわち、CPdP法で得られた炉心流量Wcpdpは、炉心支持板差圧ΔPcpおよび原子炉出力により求めた炉心流量であるので、原子炉出力分布の変化や経時的な原子炉内へのクラッド等の付着によって、炉心支持板差圧ΔPcpと実際の炉心流量との関係が変化する。
このため、CPdP法で得た炉心流量Wcpdpについては、次のような校正を行なうことによって所定の精度を得るようにしている。すなわち、炉心状態の影響を受けないPdP法で求めた炉心流量Wpdpを基準として、炉心流量Wpdpと炉心流量Wcpdpとの偏差が所定値を超えたような場合、炉心流量Wcpdpを炉心流量Wpdpに合わせるべく、式(3)の校正係数Kcを設定し直している。これによって、CPdP法で得る炉心流量Wcpdpも十分に精度の良い炉心流量となるようにしている。
そして、PdP法で得られる炉心流量Wpdpは炉心性能計算に用いられ、CPdP法で得られた炉心流量Wcpdpは表示装置(CRTや液晶表示装置等)に表示して監視に用いるとともに、安全保護系でスクラムのインターロックを動作させるための変数として用いられている。
しかしながら、前記のように、原子炉冷却材中に含まれるクラッド等は炉内構造物に付着して炉心支持板差圧を変化させるだけでなく、再循環ポンプのインペラ部等に付着した場合にはポンプ性能が変化する。そのため、ポンプ部差圧ΔPpと実際の炉心流量との関係も変化することから、PdP法による炉心流量を基準とすることができない。
このため、炉心差圧または炉心支持板差圧の測定値と原子炉出力の測定値から炉心熱水力計算コードにより計算した炉心流量を基準流量とし、計算された基準流量との偏差が所定値を超えた場合に式(2)の校正係数Kp、および式(3)の校正係数Kcを設定し直すことも行なわれている。
ところが、前記の炉心熱水力計算コードによる計算値も、炉内構造物へのクラッド等の付着により炉心部の圧力損失特性が変化した場合にはその影響を避けることができない。このため、炉心差圧または炉心支持板差圧とポンプ部差圧との相関関係を示す直線の傾きの変化から原子炉炉心部分の流動抵抗係数の増加割合を求め、この値を用いて炉心熱水力計算コードによる炉心流量計算値を補正する方法(特許文献1参照。以下この方法を差圧勾配法と呼ぶ)が考案されている。
このほか、ポンプや炉内構造物へのクラッド等の付着の影響を原理的に受けない方法として、原子炉圧力容器の出入口で測定される流量、温度の値と原子炉圧力容器内の熱エネルギーバランスを記述する式を用いて炉心流量を計算により求めるヒートバランス法と呼ばれる方法が考案されている(たとえば特許文献2参照)。
また、前記炉心熱水力計算コードによる炉心流量計算値をヒートバランス法による炉心流量計算値と比較し、その差が所定の大きさを超えた場合に燃料表面のクラッド厚さ等の炉心熱水力計算コードの入力定数を調整して炉心熱水力計算コードによる炉心流量計算値を補正することも考案されている(特許文献3参照)。
これとは別に、ポンプ部差圧と炉心支持板差圧との圧力差および予め求められた流量係数に基づいて演算した炉心流量を基準炉心流量とし、PdP法による炉心流量およびCPdP法による炉心流量と基準炉心流量との偏差が所定の値を超えた場合にPdP法およびCPdP法による計算値を校正することも考案されている(特許文献4参照)。
特開2003−57384号公報 特開2003−315484号公報 特開2001−141874号公報 特開平11−237493号公報
上述の従来の炉心冷却材流量計測装置においては、基準となる炉心流量との偏差が所定の値を超えて初めて校正が行なわれるため、炉心流量の指示値が校正前後で不連続な変化を示すという課題があった。また、基準流量との偏差を補正するに当って、原子炉冷却材中の金属イオンやクラッド等の不純物の濃度の測定値に基づいた補正が行なわれていないため、基準流量との偏差がクラッド等の付着によるものか、それ以外の原因によるものかが分からないままであり、校正係数を設定する根拠が明らかではないという課題があった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、沸騰水型原子炉の原子炉冷却材中の金属イオンやクラッド等の付着による炉心流量計測への影響を連続的に補正して、より精度の高い計測を可能とすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置は、原子炉冷却材を循環させる再循環ポンプのポンプ部差圧、再循環ポンプの回転数、および原子炉冷却材温度を入力する第1の信号入力部と、前記第1の信号入力部で入力された入力値と予め定められた前記再循環ポンプのQ−H特性曲線とに基づいてポンプ部差圧測定法により炉心流量を演算する炉心流量演算部を有する炉心流量演算処理部と、原子炉冷却材中の金属イオン濃度を入力する第2の信号入力部と前記金属イオン濃度の入力値から炉心流量偏差を推定する流量偏差推定部と、前記炉心流量と炉心流量偏差との差を新たな炉心流量測定値として算出する炉心流量補正部と、前記炉心流量測定値を出力する出力部を有する炉心流量補正処理部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測方法は、原子炉冷却材を循環させる再循環ポンプのポンプ部差圧、再循環ポンプの回転数、および原子炉冷却材温度を入力する第1の入力ステップと、前記第1の入力ステップで入力された入力値と予め定められた前記再循環ポンプのQ−H特性曲線とに基づいてポンプ部差圧測定法により炉心流量を演算する炉心流量演算ステップと、原子炉冷却材中の金属イオン濃度を入力する第2の入力ステップと、前記第1の入力ステップで入力された入力値から炉心流量偏差を推定する流量偏差推定ステップと、前記炉心流量と炉心流量偏差との差を新たな炉心流量測定値として算出する炉心流量補正ステップと、前記炉心流量測定値を出力する出力ステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、沸騰水型原子炉の原子炉冷却材中の金属イオンやクラッド等の付着による炉心流量計測への影響を連続的に補正することができ、より精度の高い計測が可能となる。
以下に本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態を図1〜図4に基づき説明する。
図1において、本実施形態は、沸騰水型原子炉の再循環ポンプのポンプ部差圧ΔPp、再循環ポンプの回転数Ri、原子炉冷却材温度Tbを入力する第1の信号入力部21と、前記の入力値および予め定められた再循環ポンプのQ−H特性曲線に基づいてPdP法により炉心流量Wpdpを演算するWpdp演算部22から成る炉心流量演算処理部20と、原子炉冷却材中の金属イオン濃度信号18を入力する第2の信号入力部31と、金属イオン濃度の入力値から炉心流量偏差ΔWpdpを推定する流量偏差推定部32と、炉心流量Wpdpと炉心流量偏差ΔWpdpとの差を新たな炉心流量推定値Wcとして算出する炉心流量補正部33と、炉心流量測定値Wcを出力する出力部34から成る炉心流量補正処理部30とから構成されている。
流量偏差推定部32は、図2に示すように、クラッド付着効果推定部40とクラッド剥離効果推定部41とフィルタ部42とから構成される。流量偏差推定部32の構成の詳細を図3に示す。クラッド付着効果推定部40およびクラッド剥離効果推定部41はいずれも、直列に接続された不感帯要素50あるいは50’と一次遅れモデルを用いた推定器51あるいは51’より構成される。ただし、不感帯要素50と50’、および推定器51と51’のパラメータは通常異なる値が設定される。
第1の実施形態の流量偏差推定部32の動作を図3を用いて説明する。図3において、炉心流量偏差推定部32の入力信号はポンプ部差圧信号に与える影響が最も大きい原子炉冷却材中の金属イオン濃度、たとえばクロムイオン濃度である。クラッド付着効果推定部40に入力された信号はまず、クロムイオンの溶解度に対応したしきい値Zpを不感帯幅に持つ不感帯要素50に入力される。不感帯要素50の出力は一次遅れモデルを用いて構成された推定器51に入力される。推定器51の一次遅れモデルのパラメータである時定数TpおよびゲインApは、実際の炉心流量偏差の増加現象を再現できるように予め設定しておく。こうして、入力されたクロムイオン濃度の値がしきい値Zpを超えた場合には、推定器51の出力、すなわちクラッド付着効果推定部40の出力にはクラッドの付着によって再循環ポンプQ−H特性が変化することにより生じる炉心流量偏差の増加量の推定値が出力される。
クラッド付着効果推定部40の出力は、クラッド剥離効果推定部41の不感帯要素50’および、クラッド剥離効果推定部41と並列に接続されたフィルタ部42に入力される。不感帯要素50’は、付着したクラッドが剥離を始めることによって再循環ポンプQ−H特性が変化を始めるときの炉心流量偏差の値Zmを不感帯幅に持つ。不感帯要素50’の出力は一次遅れモデルを用いて構成された推定器51’に入力される。推定器51’の一次遅れモデルのパラメータである時定数TmおよびゲインAmは、実際の炉心流量偏差の飽和現象を再現できるように予め設定しておく。
こうして、クラッド剥離効果推定部41に入力された炉心流量偏差増加分の推定値がしきい値Zmを超えた場合には、推定器51’の出力、すなわちクラッド剥離効果推定部41の出力にはクラッドの剥離によって再循環ポンプQ−H特性が変化することにより生じる炉心流量偏差の減少量の推定値が出力される。
フィルタ部42は、たとえば一次遅れ特性のフィルタとして構成され、原子炉冷却材中のクロムイオン濃度の測定信号に含まれる炉心流量の変化とは無関係な変動分を低減するものである。フィルタ部42の出力からクラッド剥離効果推定部41の出力を差し引いた値が、炉心流量偏差の推定値ΔWpdpとして流量偏差推定部32より出力される。フィルタ部42の一次遅れ特性のパラメータである時定数Tfは、炉心流量偏差の推定値に不要な変動が現われないような値に設定し、ゲインAfは通常1に設定する。
炉心流量演算処理部20で演算された炉心流量Wpdpと前記炉心流量偏差推定値ΔWpdpは図1に示す炉心流量補正部33に入力され、式(4)の演算により補正後の炉心流量測定値Wcが計算され、出力部34より出力される。
Wc=Wpdp−ΔWpdp (4)
本実施形態の炉心流量計測装置を適用した一例を図4に示す。図4(a)は真の炉心流量と見なされる基準炉心流量であり、図4(b)は図1の炉心流量演算処理部において算出されたPdP法炉心流量Wpdpである。図4(c)は図1の信号入力部2により得られた炉水中クロムイオン濃度であり、図4(d)の太線はこのデータを入力として図3の流量偏差推定部32において計算された炉心流量偏差推定値である。図4(d)には図4(b)と図4(a)との差である炉心流量偏差の基準値を細線で示したが、図4(c)のクロムイオン濃度から求めた炉心流量偏差の推定値は基準値と良く一致していることが確認される。なお、ここでは図3に示す各パラメータに対して、Zp=Zm=2、Tp=Tm=500、Ap=Am=1.25、Tf=200、Af=1を与えた。
本実施形態によれば、原子炉冷却材中の金属イオン濃度が増加してクラッドとして再循環ポンプのインペラ部等に付着し、再循環ポンプQ−H特性が変化したことによりPdP法による炉心流量計算値に偏差が生じた場合にも、原子炉冷却材中の金属イオン濃度測定値を直接用いて連続的に補正が行なわれる。そのため、クラッド付着による効果のみが適切に補正され、また補正後の炉心流量計算値に不連続な変化を生じることがない。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置の第2の実施形態を図1、図2および図5を用いて説明する。なお第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態においては第1の実施形態と同様に図1および図2に示すように構成されるほか、図2のクラッド付着効果推定部40およびクラッド剥離効果推定部41はいずれも、図5に示すように直列に接続された不感帯要素50あるいは50’と1入力自己回帰モデルを用いた推定器52あるいは52’より構成される。すなわち、本実施形態における流量偏差推定部32の構成は、第1の実施形態で示した図3における二つの推定器51、51’をそれぞれ1入力自己回帰(ARX)モデルを用いた推定器52、52’に置き換えたものである。
したがって、第1の実施形態と同様に、本実施形態においてもクラッド付着効果推定部40の不感帯要素50は金属イオン濃度の溶解度に対応したしきい値Zpを持ち、クラッド剥離効果推定部41の不感帯要素50’は炉心流量偏差増加量に対するクラッド剥離現象開始のしきい値Zmを持つ。
本実施形態において第1の実施形態と異なるのは、推定器52、52’に1入力自己回帰モデルを用いた点である。クラッド付着効果推定部40の推定器52は、入力された金属イオン濃度Xがしきい値Zpを超えた場合に、クラッドの付着によって再循環ポンプQ−H特性が変化することにより生じる炉心流量偏差の増加量ΔWpdpを式(5)により計算する。
ΔWpdp(k)=B(q)・{X(k)−Zp}/A(q) (5)
ただし、 A(q)=1+a−1+・・・+ana−na
B(q)=b−1+・・・+bnb−nb
ここでqは時間シフトオペレータであり、kは時刻tkを表わす。モデルのパラメータa,・・・,ana,b・・・,bnbは実際の炉心流量偏差の増加現象を再現できるように予め設定しておく。このとき、次数na,nbを変えてモデルのパラメータを求めた中から、式(6)で計算した最終予測誤差(FPE)を最小とする次数およびパラメータの組を使用する。
FPE
=[{1+(na+nb)/N}]/{1−(na+nb)/N}]・(V/N)
(6)
式(6)において、Nはモデルの作成に用いた実際の炉心流量偏差増加時のデータの点数であり、Vは前記次数na,nbとパラメータa,・・・,ana,b・・・,bnbを与えて計算した炉心流量偏差推定値の誤差の分散を表わす(FPEの考え方についてはたとえばサイエンス社「ダイナミックシステムの統計的解析と制御」を参照)。
クラッド剥離効果推定部41の推定器52’はクラッド付着効果推定部40の推定器52と同一次数でゲインA(q)のみ異なる1入力自己回帰モデルを用いることができる。
以上に説明したように、本実施形態の炉心冷却材流量計測装置によれば、第1の実施形態の炉心冷却材流量計測装置の一次遅れモデルを用いた推定器に代えて1入力自己回帰モデルを用いて炉心流量偏差を推定することにより、精度の高い推定が可能となり、クラッドが付着して再循環ポンプQ−H特性が変化することによって生じる炉心流量偏差を適切に補正できることが期待される。
[第3の実施形態]
次に、本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置の第3の実施形態を図1、図2および図6を用いて説明する。
本実施形態においては第1の実施形態と同様に図1および図2に示すように構成されるが、第2の信号入力部31に入力される信号18はポンプ部差圧信号に影響を与える可能性のある原子炉冷却材中の複数の金属イオン濃度等、たとえばクロムイオン濃度、ニッケルイオン濃度、鉄クラッド濃度、等の複数の信号から成る。
第2の信号入力部31において2種の金属イオンXaおよびXbの濃度が入力された場合を例として説明する。クラッド付着効果推定部40は、図6に示すように、金属イオンXaの濃度が入力される不感帯要素50aと不感帯要素50aの出力が入力される一次遅れモデルを用いた推定器51a、および金属イオンXbの濃度が入力される不感帯要素50bと不感帯要素50bの出力が入力される一次遅れモデルを用いた推定器51bから構成される。クラッド剥離効果推定部41およびフィルタ部42は、図3に示した第1の実施形態と同様に構成される。したがって、第3の実施形態において第1の実施形態と異なるのは、第2の信号入力部31およびクラッド付着効果推定部40が複数の金属イオン濃度の入力を処理できるように構成されている点である。
本実施形態におけるクラッド付着効果推定部40の動作を図6を用いて説明する。図6において、入力された金属イオンXaの濃度はまず、金属イオンXaの溶解度に対応したしきい値Zpaを不感帯幅に持つ不感帯要素50aに入力される。不感帯要素50aの出力は、一次遅れモデルを用いて構成された推定器51aに入力される。また、もう一つの入力である金属イオンXbの濃度はまず、金属イオンXbの溶解度に対応したしきい値Zpbを不感帯幅に持つ不感帯要素50bに入力される。不感帯要素50bの出力は、一次遅れモデルを用いて構成された推定器51bに入力される。そして二つの推定器51aおよび51bの出力の和がクラッド付着効果推定部40より出力される。
推定器51aおよび51bの一次遅れモデルのパラメータである時定数Tpa、Tpb、およびゲインApa、Apbは、実際の炉心流量偏差の増加現象を再現できるように予め設定しておく。こうして、入力された複数の金属イオン濃度の値がそれぞれのしきい値Zpaおよび/あるいはZpbを超えた場合には、クラッド付着効果推定部40の出力には、金属イオンXaおよび/あるいはXbの濃度が増加したクラッドが付着したことによって再循環ポンプQ−H特性が変化し、これによって生じる炉心流量偏差の増加量の推定値が出力される。
以上に説明したように、本実施形態によれば、原子炉冷却材中の複数の金属イオン濃度が増加してクラッドとして再循環ポンプのインペラ部等に付着し、再循環ポンプQ−H特性が変化したことによりPdP法による炉心流量計算値に偏差が生じた場合にも、原子炉冷却材中の複数の当該金属イオン濃度測定値を直接用いて連続的に補正が行なわれる。そのため、クラッド付着による効果のみが適切に補正され、また補正後の炉心流量計算値に不連続な変化を生じることがない。
[第4の実施形態]
次に、本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置の第4の実施形態を図1、図2および図7を用いて説明する。
本実施形態においては第2の実施形態と同様に図1および図2に示すように構成される。ここで、第2の信号入力部31に入力される信号18は、第3の実施形態の場合と同様に、ポンプ部差圧信号に影響を与える可能性のある原子炉冷却材中の複数の金属イオン濃度等、たとえばクロムイオン濃度、ニッケルイオン濃度、鉄クラッド濃度、等の複数の信号から成る。
第3の実施形態で示した図6と同様に、第2の信号入力部31において2種の金属イオンXaおよびXbの濃度が入力された場合を例として説明する。クラッド付着効果推定部40は、図7に示すように、金属イオンXaの濃度が入力される不感帯要素50aと、金属イオンXbの濃度が入力される不感帯要素50b、および二つの不感帯要素50aおよび50bの出力が入力される多入力自己回帰モデルを用いた推定器53から構成される。またクラッド剥離効果推定部41およびフィルタ部42は、図5に示した第2の実施形態と同様に構成される。したがって、第4の実施形態において第2の実施形態と異なるのは、第2の信号入力部31およびクラッド付着効果推定部40が複数の金属イオン濃度の入力を処理できるように構成されている点である。
本実施形態におけるクラッド付着効果推定部40の動作を、図7を用いて説明する。図7において、入力された金属イオンXaの濃度はまず、金属イオンXaの溶解度に対応したしきい値Zpaを不感帯幅に持つ不感帯要素50aに入力される。また、もう一つの入力である金属イオンXbの濃度はまず、金属イオンXbの溶解度に対応したしきい値Zpbを不感帯幅に持つ不感帯要素50bに入力される。二つの不感帯要素50aおよび50bの出力は多入力自己回帰モデルを用いて構成された推定器53に入力される。
推定器53では式(5)と同様の計算式により、クラッドが付着して再循環ポンプQ−H特性が変化することにより生じる炉心流量偏差の増加量の推定値を計算し、この値をクラッド付着効果推定部40の出力とする。ただしこの場合、式(5)の右辺Xは金属イオンXaおよびXbの濃度を要素とする列ベクトル、Zpはしきい値ZpaおよびZpbを要素とする列ベクトルであり、また係数B(q)は式(7)で定義されるBj(q)を要素に持つ行ベクトルである。
Bj(q)=b1j−1+・・・+bnbj−nb (7)
ここで、モデルの次数na,nbは式(6)のFPEを最小にする値に、パラメータa,・・・,ana,b・・・,bnbは実際の炉心流量偏差の増加現象を再現できる値に、予め設定しておく。
以上に説明したように、本実施形態によれば第3の実施形態と同様の効果が期待される。すなわち、原子炉冷却材中の複数の金属イオン濃度が増加してクラッドとして再循環ポンプのインペラ部等に付着し、再循環ポンプQ−H特性が変化したことによりPdP法による炉心流量計算値に偏差が生じた場合にも、原子炉冷却材中の複数の当該金属イオン濃度測定値を直接用いて連続的に補正が行なわれるため、クラッド付着による効果のみが適切に補正され、また補正後の炉心流量計算値に不連続な変化を生じることがない。
また本実施形態は第3の実施形態におけるクラッド付着効果推定部40を構成する一次遅れモデルを用いた複数の推定器に代えて多入力自己回帰モデルを用いて炉心流量偏差を推定するようにしたことにより精度の高い推定が可能となることが期待される。
[第5の実施形態]
次に、本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置の第5の実施形態を図1および図8を用いて説明する。
本実施形態においては第1の実施形態と同様に図1に示すように構成されるほか、図1の流量偏差推定部32は、図8に示すように、並列に接続されたクラッド付着効果推定部40とクラッド剥離効果推定部41より構成される。クラッド付着効果推定部40およびクラッド剥離効果推定部41は、たとえば図9に示すように構成され、クラッド付着効果推定部40の出力とクラッド剥離効果推定部41との差が炉心流量偏差の推定値として流量偏差推定部32より出力される。
本実施形態における流量偏差推定部32の動作を図9を用いて説明する。図9において、炉心流量偏差推定部32の入力信号はポンプ部差圧信号に与える影響が最も大きい原子炉冷却材中の金属イオン濃度、たとえばクロムイオン濃度であり、クラッド付着効果推定部40の動作は第1の実施形態の場合と同様である。
一方、クラッド剥離効果推定部41には、第1の実施形態の場合とは異なって金属イオン濃度の値がそのまま入力される。すなわち、不感帯要素50’は金属イオン濃度が上昇して付着したクラッドが剥離を始めるときの濃度Zmを不感帯幅に持ち、その出力は一次遅れモデルを用いて構成された推定器51’に入力される。推定器51’の一次遅れモデルのパラメータである時定数TmおよびゲインAmは、実際の炉心流量偏差の飽和現象を再現できるように予め設定しておく。こうして、クラッド剥離効果推定部41に入力された金属イオン濃度がしきい値Zmを超えた場合には、推定器51’の出力、すなわちクラッド剥離効果推定部41の出力にはクラッドの剥離によって再循環ポンプQ−H特性が変化することにより生じる炉心流量偏差の減少量の推定値が出力される。
以上に説明したように、本実施形態の炉心冷却材流量計測装置によれば第1の実施形態に示したものと同様の効果が期待される。すなわち、原子炉冷却材中の金属イオン濃度が増加してクラッドとして再循環ポンプのインペラ部等に付着し、再循環ポンプQ−H特性が変化したことによりPdP法による炉心流量計算値に偏差が生じた場合にも、原子炉冷却材中の金属イオン濃度測定値を直接用いて連続的に補正が行なわれる。そのため、クラッド付着による効果のみが適切に補正され、また補正後の炉心流量計算値に不連続な変化を生じることがない。
[第6の実施形態]
次に、本発明に係る沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置の第6の実施形態を、図10を用いて説明する。
図10において、本実施形態は、沸騰水型原子炉の炉心支持板差圧ΔPcpと原子炉の平均出力Aを入力する第1の信号入力部21’と、前記の入力値からCPdP法により炉心流量Wcpdpを演算するWcpdp演算部22’から成る炉心流量演算処理部20と、原子炉冷却材中の金属イオン濃度18を入力する第2の信号入力部31と金属イオン濃度の入力値から炉心流量偏差ΔWcpdpを推定する流量偏差推定部32と、炉心流量Wcpdpと炉心流量偏差ΔWcpdpとの差を新たな炉心流量測定値Wcとして算出する炉心流量補正部33と、炉心流量測定値Wcを出力する出力部34から成る炉心流量補正処理部30とから構成されている。流量偏差推定部32は、たとえば第1の実施形態において示した図2および図3と同様に構成される。
したがって、本実施形態の炉心冷却材流量計測装置によれば、CPdP法による炉心流量演算値に対して第1の実施形態でPdP法による炉心流量演算値に対して示したものと同様の補正効果が期待される。すなわち、原子炉冷却材中の金属イオン濃度が増加してクラッドとして炉内構造物に付着し、炉心部圧力損失特性が変化したことによりCPdP法による炉心流量計算値に偏差が生じた場合にも、原子炉冷却材中の金属イオン濃度測定値を直接用いて連続的に補正が行なわれる。そのため、クラッド付着による効果のみが適切に補正され、また補正後の炉心流量計算値に不連続な変化を生じることがない。
将来の原子炉の一つとして想定されている自然循環型の沸騰水型原子炉においてもCPdP法による炉心流量計測装置が設置される可能性は高いことから、本実施形態の炉心冷却材流量計測装置が適用できると期待される。
[その他の実施形態]
以上説明した実施形態は単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。たとえば、上記の各実施形態において、原子炉冷却材中の金属イオン濃度の測定値の変動が小さい場合には、流量偏差推定部32においてフィルタ部42を設ける必要はない。さらに、金属イオン濃度の変化が、炉心部圧力損失特性あるいは再循環ポンプQ−H特性が変化することによって生じる炉心流量偏差が飽和特性を示すほど大きくならない原子力発電所においては、流量偏差推定部32においてクラッド剥離効果推定部41を設ける必要はない。
また、推定器51〜53に使用するモデルの設定においては実際の炉心流量偏差を用いることがあるが、このときに基準とする炉心流量としては、前記のヒートバランス法あるいは差圧勾配法による炉心流量を用いることができる。
第1の実施形態で示した図1、および第6の実施形態で示した図10では、炉心冷却材流量計測装置を従来の計測装置とは独立に構成する場合について示したが、炉心流量演算処理部20は従来の計測装置をそのまま流用することも可能である。すなわち、PdP法による炉心流量計測装置の場合は、図11に示したようにプロセス計算機11において炉心流量演算が行なわれており、図1の炉心流量補正処理部30をプロセス計算機11のプログラムとして構成することも容易に可能である。一方、CPdP法による炉心流量の演算は核計装系16において行なわれており、この演算結果のみを図10の炉心流量補正処理部30に入力するように構成することも可能である。
本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第1の実施形態の構成を示すブロック図。 図1の炉心冷却材流量計測装置における流量偏差推定部の概略構成を示すブロック図。 図1および図2の流量偏差推定部の構成を示すブロック図。 本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第1の実施形態による炉心流量偏差推定結果の例を示すタイムチャートであって、(a)は基準炉心流量を示すグラフ、(b)はPdP法炉心流量を示すグラフ、(c)はクロムイオン濃度を示すグラフ、(d)は炉心流量偏差を示すグラフ。 本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第2の実施形態における流量偏差推定部の構成を示すブロック図。 本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第3の実施形態におけるクラッド付着効果推定部の構成を示すブロック図。 本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第4の実施形態におけるクラッド付着効果推定部の構成を示すブロック図。 本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第5の実施形態における流量偏差推定部の概略構成を示すブロック図。 本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第5の実施形態における流量偏差推定部の構成を示すブロック図。 本発明に係る炉心冷却材流量計測装置の第6の実施形態の構成を示すブロック図。 従来の沸騰水型原子炉の炉心流量計測に関わる計測システムの説明図。
符号の説明
1…再循環ポンプ、 3…原子炉圧力容器、 5…シュラウド、 6…炉心支持板、 9…ポンプ部差圧計測配管、 10…ポンプ部差圧発信器、 11…プロセス計算機、 12…RIP回転数検出器、 13…RPVボトムドレン温度検出器、 14…炉心支持板差圧計測配管、 15…炉心支持板差圧発信器、 16…核計装系、 17…炉内中性子検出器、 18…炉水中金属イオン濃度信号、 19…原子炉の平均出力、 20…炉心流量演算処理部、 21,21’…信号入力部、 22…Wpdp演算部、 22’…Wcpdp演算部、 30…炉心流量補正処理部、 31…信号入力部、 32…流量偏差推定部、 33…炉心流量補正部、 34…出力部、 40…クラッド付着効果推定部、 41…クラッド剥離効果推定部、 42…フィルタ部、 50,50’,50a,50b…不感帯要素、 51,51’,51a,51b…一次遅れモデルによる推定器、 52,52’…1入力自己回帰モデルによる推定器、 53…多入力自己回帰モデルによる推定器

Claims (11)

  1. 沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置であって、
    原子炉冷却材を循環させる再循環ポンプのポンプ部差圧、再循環ポンプの回転数、および原子炉冷却材温度を入力する第1の信号入力部と、前記第1の信号入力部で入力された入力値と予め定められた前記再循環ポンプのQ−H特性曲線とに基づいてポンプ部差圧測定法により炉心流量を演算する炉心流量演算部を有する炉心流量演算処理部と、
    原子炉冷却材中の金属イオン濃度を入力する第2の信号入力部と前記金属イオン濃度の入力値から炉心流量偏差を推定する流量偏差推定部と、前記炉心流量と炉心流量偏差との差を新たな炉心流量測定値として算出する炉心流量補正部と、前記炉心流量測定値を出力する出力部を有する炉心流量補正処理部と、
    を備えたことを特徴とする炉心冷却材流量計測装置。
  2. 沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測装置であって、
    炉心支持板差圧と原子炉の平均出力を入力する第1の信号入力部と、前記の入力値から炉心支持板差圧測定法により炉心流量を演算する炉心流量演算部を有する炉心流量演算処理部と、
    原子炉冷却材中の金属イオン濃度を入力する第2の信号入力部と前記金属イオン濃度の入力値から炉心流量偏差を推定する流量偏差推定部と、前記炉心流量と炉心流量偏差との差を新たな炉心流量測定値として算出する炉心流量補正部と、前記炉心流量測定値を出力する出力部を有する炉心流量補正処理部と、
    を備えたことを特徴とする炉心冷却材流量計測装置。
  3. 前記流量偏差推定部は、原子炉冷却材中金属イオン濃度をクラッド付着効果推定部に入力し、クラッド付着効果推定部の出力をフィルタ部およびフィルタ部と並列に接続されたクラッド剥離効果推定部とに入力し、フィルタ部の出力とクラッド剥離効果推定部の出力との差を炉心流量偏差の推定値として出力すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  4. 前記流量偏差推定部は、原子炉冷却材中金属イオン濃度をクラッド付着効果推定部およびクラッド付着効果推定部と並列に接続されたクラッド剥離効果推定部とに入力し、クラッド付着効果推定部の出力とクラッド剥離効果推定部の出力との差を炉心流量偏差の推定値として出力すること、を特徴とする請求項1または請求項2に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  5. 前記クラッド付着効果推定部およびクラッド剥離効果推定部は、それぞれ、互いに直列に接続された不感帯要素と一次遅れモデルによる推定器とを有すること、を特徴とする請求項3または請求項4に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  6. 前記クラッド付着効果推定部およびクラッド剥離効果推定部は、それぞれ、互いに直列に接続された不感帯要素と1入力自己回帰モデルによる推定器とを有すること、を特徴とする請求項3または請求項4に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  7. 前記クラッド付着効果推定部は、複数の金属イオン濃度の測定値をそれぞれ入力とする複数の不感帯要素と、これらの不感帯要素それぞれに直列に接続された複数の一次遅れモデルによる推定器と、を有することを特徴とする請求項3に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  8. 前記クラッド付着効果推定部およびクラッド剥離効果推定部は、複数の金属イオン濃度の測定値をそれぞれ入力とする複数の不感帯要素と、これらの不感帯要素それぞれに直列に接続された複数の一次遅れモデルによる推定器と、を有することを特徴とする請求項4に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  9. 前記クラッド付着効果推定部は、複数の金属イオン濃度の測定値をそれぞれ入力とする複数の不感帯要素と、前記複数の不感帯要素の出力を入力とする一つの多次元自己回帰モデルによる推定器とを有することを特徴とする請求項3に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  10. 前記クラッド付着効果推定部およびクラッド剥離効果推定部は、複数の金属イオン濃度の測定値をそれぞれ入力とする複数の不感帯要素と、前記複数の不感帯要素の出力を入力とする一つの多次元自己回帰モデルによる推定器とを有することを特徴とする請求項4に記載の炉心冷却材流量計測装置。
  11. 沸騰水型原子炉の炉心冷却材流量計測方法であって、
    原子炉冷却材を循環させる再循環ポンプのポンプ部差圧、再循環ポンプの回転数、および原子炉冷却材温度を入力する第1の入力ステップと、
    前記第1の入力ステップで入力された入力値と予め定められた前記再循環ポンプのQ−H特性曲線とに基づいてポンプ部差圧測定法により炉心流量を演算する炉心流量演算ステップと、
    原子炉冷却材中の金属イオン濃度を入力する第2の入力ステップと、
    前記第1の入力ステップで入力された入力値から炉心流量偏差を推定する流量偏差推定ステップと、
    前記炉心流量と炉心流量偏差との差を新たな炉心流量測定値として算出する炉心流量補正ステップと、
    前記炉心流量測定値を出力する出力ステップと、
    を備えたことを特徴とする炉心冷却材流量計測方法。
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