JP3735458B2 - 炉心流量計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉再循環ポンプとしてインターナルポンプを使用している改良型沸騰水型原子力発電プラントの炉心流量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉において、炉心流量は原子炉の安全かつ効率的な運用管理を行うために極めて重要なパラメータであり、これを正しく計測することは原子炉の適切な運用管理のために必要不可欠である。
【0003】
図3は、再循環ポンプ(RIP)1としてインターナルポンプを用いた改良型沸騰水型原子力発電所の原子炉の説明図である。タービン系から送り込まれる給水は、給水配管2を通して原子炉圧力容器(RPV)3へ注入される。注入された給水は、セパレータ(気水分離器)4で分離された飽和水と上部プレナムで混合してサブクール水となり、シュラウド5と原子炉1との内壁の間をダウンカマへ流れる。
【0004】
そして、インターナルポンプと呼ばれる複数の原子炉再循環ポンプ1によって加圧され、下部格子板6を通り炉心の燃料で加熱されて沸騰する。これにより、蒸気と水との2相流体となりセパレータ4へ流れ、そこで飽和水と飽和蒸気に分離される。飽和水は上部プレナム部へと流れ再び給水と混合される。一方、飽和蒸気は、さらに蒸気乾燥器7および主蒸気配管8を通りタービンへと送られる。
【0005】
ここで、再循環ポンプ1としてインターナルポンプを使用している原子炉の炉心流量計測方法には、大きく分けて2つの計測方法がある。1つはポンプ部差圧測定法(PdP法)であり、もう一つは炉心支持板差圧計測法(CPdP法)である。
【0006】
ポンプ部差圧測定法(PdP法)は、再循環ポンプ1のポンプ吸込部圧力と炉心入口部圧力との圧力差(ポンプ部差圧)を計測し、そのポンプ部差圧に基づいて予め求めておいた再循環ポンプ1のQ−H特性曲線から炉心流量を求めるものである。
【0007】
すなわち、図4に示すように、原子炉圧力容器3内のポンプ部差圧計測配管9によって、再循環ポンプ1の入口部圧力と再循環ポンプ1により加圧された炉心入口圧力との差圧(ポンプ部差圧ΔPp)を検出しポンプ部差圧発振器10に入力する。このポンプ部差圧発振器10よって計測されたポンプ部差圧ΔPpはプロセス計算機11に入力される。また、プロセス計算機11には、再循環ポンプ1の回転数を検出するRIP回転数検出器12からのRIP回転数Riが入力されると共に、RPVボトムドレン温度検出器13で検出された再循環ポンプ1を通る原子炉冷却材の温度(RPVボトムドレン温度)Tが入力される。
【0008】
プロセス計算機11には、再循環ポンプ1のポンプ性能として各再循環ポンプ1について、ポンプQ−H特性曲線が予め記憶されている。このポンプQ−H特性曲線は、工場試験で得られた特性曲線であり、高次の線形方程式によるフィッティング式として保持される。このフィッティング式を下記の(1)式に示す。また、測定したRPVボトムドレン温度T、RIP回転数Ri、ポンプ部差圧ΔPpを(1)式に代入し、再循環ポンプ1の各号機の流量Qiを求め、(2)式に示すように炉心流量WTpdpを求める。
【0009】
Qi=fi(ΔPp,Ri,T) …(1)
WTpdp=Kp・ΣQi …(2)
Kp:校正係数
【0010】
次に、もう一つの炉心流量計測方法は、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)である。炉心支持板差圧計測法(CPdP法)は、炉心入口部圧力と炉心出口部圧力との圧力差(炉心支持板差圧)を計測し、その炉心支持板差圧と原子炉平均出力とから炉心流量を求めるものである。
【0011】
すなわち、図4に示すように、下部格子板差圧計測配管14により下部格子板6の上下の差圧を検出して下部格子板差圧発振器15に入力し、下部格子板差圧発信器15で計測された下部格子板差圧(炉心支持板差圧)ΔPcpは核計装系16に入力される。また、核計装系16には、炉内中性子検出器17によって検出された原子炉内の中性子束Φが入力されている。核計装系16では検出された中性子束Φに基づいて原子炉内の局部出力の平均値を求め、原子炉の平均出力を求める。そして、(3)式に示すように炉心流量WTcpdpを求める。
【0012】
【数1】
Figure 0003735458
【0013】
炉心支持板差圧計測法(CPdP法)で得られた炉心流量WTcpdpは、炉心支持板差圧ΔPcpおよび原子炉出力により求めた炉心流量であるので、原子炉出力分布の変化や経年的な原子炉内へのクラッド付着によって、炉心支持板差圧ΔPcpと実際の炉心流量との関係が変化することが一般に知られている。
【0014】
そこで、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)で得た炉心流量WTcpdpについては、以下のような校正を講じることによって所定の精度を得るようにしている。すなわち、炉心状態の影響を受けないポンプ部差圧測定法(PdP法)で求めた炉心流量WTpdpを基準として、炉心流量WTpdpと炉心流量WTcpdpとの偏差が所定値を超えたような場合、炉心流量WTcpdpを炉心流量WTpdpに合わせるべく、(3)式の校正係数Kcを設定し直している。これによって、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)で得る炉心流量WTcpdpも十分な精度の良い炉心流量となるようにしている。
【0015】
そして、ポンプ部差圧測定法(PdP法)で選られた炉心流量WTpdpは炉心性能計算に用い、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)で得られた炉心流量WTcpdpは、CRT表示装置等に表示して監視に用いると共に安全保護系でスクラムのインターロックを動作させるための変数として用いられる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような現状の炉心流量計測系では、ポンプ部差圧測定法(PdP法)の炉心流量の妥当性を評価する手段がなく校正する手段もないので、ポンプ部差圧測定法(PdP法)での誤差の発生自体が分からないし校正することもできない。
【0017】
また、ポンプ部差圧測定法(PdP法)を基準として、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)を校正する運用としているので、再循環ポンプ1のポンプ性能が工場試験時のQ−H特性(予め定めた特性曲線)から変化したような場合には、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)での炉心流量の測定にも誤差が生じることになる。
【0018】
本発明の目的は、再循環ポンプのポンプ性能が初期性能から変化するような場合であっても、常に十分な精度を有する炉心流量を計測できる炉心流量計測装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係わる炉心流量計測装置は、原子炉冷却材を循環させる再循環ポンプのポンプ部差圧および予め定められた再循環ポンプのQ−H特性曲線に基づいてPdP法により炉心流量WTpdpを演算するWTpdp演算手段と、原子炉内の炉心支持板差圧および原子炉出力に基づいてCPdP法により炉心流量WTcpdpを演算するWTcpdp演算手段と、ポンプ部差圧と炉心支持板差圧との圧力差および予め求められた流量係数に基づいて炉心流量WTspを演算するWTsp演算手段と、炉心流量WTspに基づいて炉心流量WTpdpおよび炉心流量WTcpdpの補正演算を行う炉心流量補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項1の発明に係わる炉心流量計測装置では、WTpdp演算手段により再循環ポンプのポンプ部差圧および予め定められた再循環ポンプのQ−H特性曲線に基づいてPdP法により炉心流量WTpdpを演算し、WTcpdp演算手段により原子炉内の炉心支持板差圧および原子炉出力に基づいてCPdP法により炉心流量WTcpdpを演算する。また、WTsp演算手段によりポンプ部差圧と炉心支持板差圧との圧力差および予め求められた流量係数に基づいて炉心流量WTspを演算する。そして、炉心流量補正手段により炉心流量WTspに基づいて炉心流量WTpdpおよび炉心流量WTcpdpの補正演算を行う。
【0021】
請求項2の発明に係わる炉心流量計測装置は、請求項1の発明において、WTsp演算手段における流量係数は、再循環ポンプのポンプ性能の劣化がない状態で定格炉心流量付近で運転した場合のPdP法から求めた炉心流量WTpdpとそのときに測定したセパレータ部圧損とから予め求められることを特徴とする。
【0022】
請求項2の発明に係わる炉心流量計測装置では、請求項1の発明の発明の作用に加え、WTsp演算手段では、再循環ポンプのポンプ性能の劣化がない状態で定格炉心流量付近で運転した場合のPdP法から予め求めた炉心流量WTpdpとそのときに測定したセパレータ部圧損とから求めた流量係数を用いて炉心流量WTspを演算する。
【0023】
請求項3の発明に係わる炉心流量計測装置は、請求項1の発明において、炉心流量補正手段は、炉心流量WTspとPdP法で求めた炉心流量WTpdpとの偏差ΔWTpを求め、その偏差ΔWTpが所定値を超えたときは警報を発生することを特徴とする。
【0024】
請求項3の発明に係わる炉心流量計測装置では、請求項1の発明の作用に加え、炉心流量WTspとPdP法で求めた炉心流量WTpdpとの偏差ΔWTpにより、PdP法で求めた炉心流量WTpdpを監視し、その偏差ΔWTpが所定値を超えたときは警報を発生する。
【0025】
請求項4の発明に係わる炉心流量計測装置は、請求項3の発明において、炉心流量補正手段は、偏差ΔWTpに基づいてPdP法で求めた炉心流量WTpdpの補正係数を求めることを特徴とする。
【0026】
請求項4の発明に係わる炉心流量計測装置では、請求項3の発明の作用に加え、PdP法で求めた炉心流量WTpdpの補正係数は、炉心流量補正手段により偏差ΔWTpに基づいて求められる。
【0027】
請求項5の発明に係わる炉心流量計測装置は、請求項1の発明において、炉心流量補正手段は、炉心流量WTspとCPdP法で求めた炉心流量WTcpdpとの偏差ΔWTcpを求め、その偏差ΔWTcpが所定値を超えたときは警報を発生することを特徴とする。
【0028】
請求項5の発明に係わる炉心流量計測装置では、請求項1の発明の発明の作用に加え、炉心流量WTspとCPdP法で求めた炉心流量WTcpdpとの偏差ΔWTcpにより、CPdP法で求めた炉心流量WTcpdpを監視し、その偏差ΔWTcpが所定値を超えたときは警報を発生する。
【0029】
請求項6の発明に係わる炉心流量計測装置は、請求項5の発明において、炉心流量補正手段は、偏差ΔWTcpに基づいてCPdP法で求めた炉心流量WTcpdpの補正係数を求めることを特徴とする。
【0030】
請求項6の発明に係わる炉心流量計測装置では、請求項5の発明の作用に加え、CPdP法で求めた炉心流量WTcpdpの補正係数は、炉心流量補正手段により偏差ΔWTcpに基づいてを求められる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる炉心流量計測装置のブロック構成図である。
【0036】
図1において、WTpdp演算手段18は、再循環ポンプ1のポンプ部差圧および予め定められた再循環ポンプ1のQ−H特性曲線に基づいて、PdP法により炉心流量WTpdpを演算するものである。すなわち、WTpdp演算手段18は、図2に示すような再循環ポンプ1のQ−H特性曲線を有する。このQ−H特性曲線は工場試験で得られた特性曲線であり、再循環ポンプ1のポンプ特性の劣化がない状態での特性曲線である。
【0037】
また、このQ−H特性曲線は(1)式に示すように、高次の線形方程式によるフィッティング式として、RPVボトムドレン温度T、RIP回転数Ri、ポンプ部差圧ΔPpの関数として表され予めWTpdp演算手段18に保持される。
【0038】
WTpdp演算手段18では、RPVボトムドレン温度検出器13で測定したRPVボトムドレン温度T、RIP回転数検出器12で検出されたRIP回転数Ri、ポンプ部差圧発振器10で検出されたポンプ部差圧ΔPpを入力して、再循環ポンプのQ−H特性曲線に基づき、PdP法による炉心流量WTpdpを演算する。演算した炉心流量WTpdpは後述する炉心流量補正手段19に出力される。
【0039】
核計装系16のWTcpdp演算手段20は、原子炉内の炉心支持板差圧ΔPcpおよび原子炉出力に基づいてCPdP法により炉心流量WTcpdpを演算するものである。すなわち、炉内中性子束検出器17で検出された中性子束Φに基づいて原子力出力を計算し、下部格子板差発信器15で計測した炉心支持板差圧ΔPcpにより、(3)式に示す演算式で炉心流量WTcpdpを演算する。ここで求められた炉心流量WTcpdpは、後述する炉心流量補正手段19および出力分布補正係数演算手段21に出力される。
【0040】
次に、WTsp演算手段22はポンプ部差圧ΔPpと炉心支持板差圧ΔPcpとの圧力差(セパレータ部圧損)および予め求められた流量係数に基づいて炉心流量WTspを演算するものである。この流量係数は、再循環ポンプ1のポンプ性能の劣化がない状態で定格炉心流量付近で運転した場合のPdP法から求めた炉心流量WTpdpと、そのときに測定したセパレータ部圧損とから予め求められる。
【0041】
まず、セパレータ部の圧損ΔPsは、ポンプ部差圧ΔPpと炉心支持板差圧ΔPcpとの圧力差として(4)式によって求められる。
【0042】
ΔPs=ΔPp−ΔPcp …(4)
【0043】
そして、プラント初期の再循環ポンプ1のポンプ性能の劣化がない時のポンプ部差圧測定法(PdP法)による炉心流量WTpdpと、測定したセパレータ部圧損ΔPsとから、下記の(5)式からセパレータ部の圧損係数(流量係数)Rcを求め、この流量係数Rcを用いて下記の(6)式によって炉心流量WTspを求める。
【0044】
【数2】
Figure 0003735458
【0045】
このように、WTsp演算手段22は、ポンプ部差圧発振器10からのポンプ部差圧ΔPpと下部格子板差圧発振器15からの下部格子板差圧(炉心支持板差圧)ΔPcpとから、セパレータ部圧損による炉心流量WTspの演算を行う。この炉心流量WTspは炉心流量補正手段19に出力される。
【0046】
次に、炉心流量補正手段19は、炉心流量WTspに基づいて炉心流量WTpdpおよび炉心流量WTcpdpの補正演算を行うものである。
【0047】
炉心流量補正手段19では、WTpdp演算手段18で演算したポンプ部差圧測定法(PdP法)による炉心流量WTpdp、WTcpdp演算手段20で演算した炉心支持板差圧計測法(CPdP法)による炉心流量WTcpdp、WTsp演算手段22で演算した炉心流量WTspを入力し、下記の(7)に示すように、炉心流量WTspと炉心流量WTpdpとの偏差ΔWTp、炉心流量WTspと炉心流量WTcpdpとの偏差ΔWTcp、炉心流量WTspと炉心流量WTpdpとの比Rp、炉心流量WTspと炉心流量WTcpdpとの比Rcpを求める。
【0048】
【数3】
Figure 0003735458
【0049】
そして、これら炉心流量の偏差ΔWTp、ΔWTcpあるいは比Rp、Rcpが、ある閾値(所定値)を超えたか否かを判定し、所定値を超えている場合には、警報出力手段23を介して警報を発生する。これにより、炉心流量WTpdp、WTcpdpの特性変化を知らせる。
【0050】
また、その比Rp、Rcpからポンプ部差圧測定法(PdP法)の炉心流量WTpdpおよび炉心支持板差圧計測法(CPdP法)の炉心流量WTcpdpを以下の(8)式によって補正する。
【0051】
【数4】
Figure 0003735458
【0052】
実際のポンプ部差圧測定法(PdP法)の炉心流量WTpdpの補正は、(2)式で示される炉心流量計算式の校正係数Kpに比Rpを補正係数として掛け合わせて行う。同様に、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)の炉心流量WTcpdpの補正は、(3)式で示される炉心流量計算式の校正係数Kp、Kcに比Rcpを補正係数として掛け合わせて行う。
【0053】
これにより、より確からしい炉心流量を求めることができる。すなわち、炉心流量は、出力分布変化やクラッド付着による炉心圧損の増加の影響を受けないので、再循環ポンプ1の性能の低下が発生したり出力分布の変化がある場合でも十分な精度を有する流量を提供することができる。
【0054】
次に、WTcpdp演算手段20でCPdP法により求めた炉心流量WTcpdpに対し、オフラインの炉心熱水力計算から求めた補正係数にて補正することも可能である。
【0055】
すなわち、原子炉の出力分布の変化が発生する可能性の時または定期的に、炉内中性子検出器17で検出された中性子束Φをプロセス計算機11の炉心出力分布計算手段24に入力し、その入力した中性子束Φに基づいて炉心の出力分布計算を行い、原子炉出力および出力分布を求める。炉心熱水力計算手段25では、この炉心出力分布計算手段24で求められた原子炉出力および出力分布と、下部格子板差圧発振器15で計測された炉内支持板差圧ΔPcp信号とに基づいて、オフラインによる炉心流量計算を行う。
【0056】
出力分布補正係数演算部21では、炉水熱水力計算手段25で得られた炉心流量WTcpdpiに基づいて、下記(9)式で出力分布の影響による炉心流量の変化割合Rdを求める。
【0057】
Rd=WTcpdpn/WTcpdpo …(9)
WTcpdpn:現状の出力分布での炉心流量
WTcpdpo:前回計算時の炉心流量
【0058】
そして、この炉心流量の変化割合Rdが、炉心流量の誤差評価から許容できるある閾値(所定値)を逸脱した場合に、その変化割合Rdを用いてCPdP法で求められた炉心流量WTcpdpの補正を下記の(10)式にしたがって実施する。
【0059】
WTcpdp’=Rd×WTcpdp …(10)
【0060】
実際の炉心支持板差圧計測法(CPdP法)での炉心流量WTcpdpの補正は、校正係数Kcにこの変化割合Rdを補正係数として掛け合わせて行う。
【0061】
ここで、炉心熱水力計算手段25のモデルとして、炉心部特性モデルにセパレータ部圧損特性モデルを付加したモデルを使用し、炉心出力分布計算手段24からの原子炉出力および出力分布と、下部格子板差圧発振器15で計測された炉心支持板差圧ΔPcpと、ポンプ部差圧発振器10で計測されたポンプ部差圧ΔPpを基に、炉心部とセパレータ部とを含んだの熱水力計算を行い、オフラインの炉心流量WT信cpdpniを出力することも可能である。
【0062】
以上のように、炉心支持板差圧計測法(CPdP法)による炉心流量WTcpdpについて、最も大きな影響を有する出力分布分についてオフラインの熱水力計算による補正が行えるので、出力分布の変化がある場合でも十分な精度を有する炉心流量を提供することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の炉心流量計測装置によれば、ポンプ性能が初期性能から変化するような場合に発生する誤差を検出して補正するので、常に十分な精度を有する炉心流量が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる炉水流量計測装置の構成図。
【図2】再循環ポンプのQ−H特性曲線の説明図。
【図3】改良型原子力発電所の原子炉の説明図。
【図4】原子炉の炉心流量計測に関わる計測システムの説明図。
【符号の説明】
1 再循環ポンプ
2 給水配管
3 原子炉圧力容器
4 セパレータ
5 シュラウド
6 下部格子板
7 蒸気乾燥器
8 主蒸気配管
9 ポンプ部差圧計測配管
10 ポンプ部差圧発振器
11 プロセス計算機
12 RIP回転数検出器
13 RPVボトムドレン温度検出器
14 下部格子板差圧計測配管
15 下部格子板差圧発信器
16 核計装系
17 炉内中性子検出器
18 WTpdp演算手段
19 炉心流量補正手段
20 WTcpdp演算手段
21 出力分布補正係数演算手段
22 WTsp演算手段
23 警報出力手段
24 炉心出力分布計算手段
25 炉水熱水力計算手段

Claims (6)

  1. 原子炉冷却材を循環させる再循環ポンプのポンプ部差圧および予め定められた前記再循環ポンプのQ−H特性曲線に基づいてPdP法により炉心流量WTpdpを演算するWTpdp演算手段と、原子炉内の炉心支持板差圧および原子炉出力に基づいてCPdP法により炉心流量WTcpdpを演算するWTcpdp演算手段と、前記ポンプ部差圧と前記炉心支持板差圧との圧力差および予め求められた流量係数に基づいて炉心流量WTspを演算するWTsp演算手段と、前記炉心流量WTspに基づいて前記炉心流量WTpdpおよび前記炉心流量WTcpdpの補正演算を行う炉心流量補正手段とを備えたことを特徴とする炉心流量計測装置。
  2. 請求項1の発明において、前記WTsp演算手段における流量係数は、再循環ポンプのポンプ性能の劣化がない状態で定格炉心流量付近で運転した場合のPdP法から求めた炉心流量WTpdpとそのときに測定したセパレータ部圧損とから予め求められることを特徴とする炉心流量計測装置。
  3. 請求項1の発明において、前記炉心流量補正手段は、前記炉心流量WTspとPdP法で求めた炉心流量WTpdpとの偏差ΔWTpを求め、その偏差ΔWTpが所定値を超えたときは警報を発生することを特徴とする炉心流量計測装置。
  4. 請求項3の発明において、前記炉心流量補正手段は、前記偏差ΔWTpに基づいてPdP法で求めた炉心流量WTpdpの補正係数を求めることを特徴とする炉心流量計測装置。
  5. 請求項1の発明において、前記炉心流量補正手段は、前記炉心流量WTspとCPdP法で求めた炉心流量WTcpdpとの偏差ΔWTcpを求め、その偏差ΔWTcpが所定値を超えたときは警報を発生することを特徴とする炉心流量計測装置。
  6. 請求項5の発明において、前記炉心流量補正手段は、前記偏差ΔWTcpに基づいてCPdP法で求めた炉心流量WTcpdpの補正係数を求めることを特徴とする炉心流量計測装置。
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