JP2013019728A - 原子炉の核熱水力安定性監視装置、方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】監視精度及び信頼性を向上させる原子炉の核熱水力安定性監視技術を提供する。
【解決手段】監視装置50は、炉心16内に規則的に配置された複数の核計装検出器31が出力する核計装信号Sから核熱水力現象の安定性指標(例示は減幅比γ)を算出する算出部52と、原子炉の運転状態に係る情報を入力条件75として物理モデルに基づいて核熱水力現象をシミュレートするシミュレーション部70と、このシミュレート結果から核熱水力現象の制限値Dを更新する制限値更新部58と、安定性指標(例示は減幅比γ)及び制限値Dに基づいて出力振動抑制手段60を起動するか否かを判定する判定部53と、を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】監視装置50は、炉心16内に規則的に配置された複数の核計装検出器31が出力する核計装信号Sから核熱水力現象の安定性指標(例示は減幅比γ)を算出する算出部52と、原子炉の運転状態に係る情報を入力条件75として物理モデルに基づいて核熱水力現象をシミュレートするシミュレーション部70と、このシミュレート結果から核熱水力現象の制限値Dを更新する制限値更新部58と、安定性指標(例示は減幅比γ)及び制限値Dに基づいて出力振動抑制手段60を起動するか否かを判定する判定部53と、を備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、沸騰水型原子炉の核熱水力安定性監視技術に関する。
沸騰水型原子炉(BWR)は、炉心流量を変更することにより沸騰している炉心内の蒸気割合(ボイド率)を変化させ、出力を制御することができる。
しかし、炉心流量及びその他の運転条件によっては、炉心内におけるボイドの輸送遅れと負のボイド反応度係数による負のフィードバック効果とにより、炉心内での中性子束分布と流動状態が不安定化することが知られている。
しかし、炉心流量及びその他の運転条件によっては、炉心内におけるボイドの輸送遅れと負のボイド反応度係数による負のフィードバック効果とにより、炉心内での中性子束分布と流動状態が不安定化することが知られている。
このような核熱水力不安定現象が発生した結果、出力と流量が大きく振動し、燃料棒表面温度での除熱特性が悪化して、燃料棒被覆管の健全性が損なわれることが懸念される。
このため、沸騰水型原子炉の燃料・炉心設計に際し、核熱水力安定性解析を実施して、予想される全ての運転領域においてこのような振動現象が生じないように、安定性に余裕を持たせた設計をしている。
そして、このような核熱水力安定性が悪化する領域では、運転が制限されるように予め安全設定されている。また原子炉のタイプによっては、万が一この運転制限領域に入った場合、制御棒挿入などにより出力を低下させ、運転制限領域から離脱するように安全設定されている。
このため、沸騰水型原子炉の燃料・炉心設計に際し、核熱水力安定性解析を実施して、予想される全ての運転領域においてこのような振動現象が生じないように、安定性に余裕を持たせた設計をしている。
そして、このような核熱水力安定性が悪化する領域では、運転が制限されるように予め安全設定されている。また原子炉のタイプによっては、万が一この運転制限領域に入った場合、制御棒挿入などにより出力を低下させ、運転制限領域から離脱するように安全設定されている。
一方、沸騰水型原子炉は、大型化・高出力密度化・高燃焼度化するのに従い、一般的に核熱水力安定性が低下するものであるが、前記した安全設定ではそのような沸騰水型原子炉への対応がとれない。
また、米国で実績が積まれている原子炉の運転を高出力化する場合は、運転制御曲線が高出力側へ拡張するために、出力/流量の比が増加して核熱水力安定性が悪化する傾向にある。この場合、前記した安全設定に従うと、低流量領域において運転制御曲線が安定性制御曲線と交差する可能性もあるために、低流量側の運転可能領域が大幅に制限され、さらに原子炉の起動・停止時の運転操作にも影響が及ぶ可能性がある。
そこで、検知と抑制(Detect and Suppress)の観点から、出力振動現象を許容するとともに核熱水力不安定性に起因する出力振動現象を的確に検知して、燃料健全性が損なわれる前に振動を抑制する原子力プラントも多く存在する。
このため、OPRM (Oscillation Power Range Monitor)と呼ばれる、出力振動現象を検知する専用の検出信号を用いた出力振動検出アルゴリズムが提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2)。
このため、OPRM (Oscillation Power Range Monitor)と呼ばれる、出力振動現象を検知する専用の検出信号を用いた出力振動検出アルゴリズムが提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2)。
ところで、前記した大型化・高出力密度化・高燃焼度化・高出力化といった沸騰水型原子炉の性能が増強されると、運転領域が実質的に拡大することとなり、核熱水力安定性の余裕度の低下が避けられない。こうした沸騰水型原子炉の性能を増強させたメリットを十二分に発揮させるためには、核熱水力安定性の監視精度及び信頼性を、従来よりもさらに向上させることが求められている。
本発明はこのような問題を解決することを課題とし、監視精度及び信頼性を向上させる原子炉の核熱水力安定性監視技術を提供することを目的とする。
原子炉の核熱水力安定性監視装置において、炉心内に規則的に配置された複数の核計装検出器が出力する核計装信号に基づいて核熱水力現象の安定性指標を算出する算出部と、原子炉の運転状態に係る情報を入力条件として物理モデルに基づいて核熱水力現象をシミュレートするシミュレーション部と、前記シミュレート結果から核熱水力現象の制限値を更新する制限値更新部と、前記安定性指標及び前記制限値に基づいて出力振動抑制手段を起動するか否かを判定する判定部と、を備える。
本発明により、監視精度及び信頼性を向上させる原子炉の核熱水力安定性監視技術が提供される。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示される原子力発電システムは、核燃料の核分裂による発熱により炉水を加熱して蒸気を発生させる原子炉10と、この発生した蒸気をタービン22に導く主配管21と、この蒸気により回転駆動するタービン22に同軸接続され回転運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機23と、タービン22で仕事をして膨張した蒸気を冷却し凝縮して復水する復水器24と、この復水をポンプ25により送液して原子炉10に導く給水配管26とから構成されている。
図1に示される原子力発電システムは、核燃料の核分裂による発熱により炉水を加熱して蒸気を発生させる原子炉10と、この発生した蒸気をタービン22に導く主配管21と、この蒸気により回転駆動するタービン22に同軸接続され回転運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機23と、タービン22で仕事をして膨張した蒸気を冷却し凝縮して復水する復水器24と、この復水をポンプ25により送液して原子炉10に導く給水配管26とから構成されている。
この原子炉10に戻された給水は、再び炉水として加熱され、前記したプロセスを繰り返し、連続的な発電が行われる。そして、この発電が安定して持続するように原子炉10の核熱水力安定性監視装置50(以下、「監視装置50」という)が設けられている。
原子炉10は、炉水が満たされた内部にシュラウド15が固定されている圧力容器11と、このシュラウド15に固定される炉心支持板17と、この炉心支持板17に支持されシュラウド15に外周が囲まれている炉心16と、炉心16を通過して気液二相流となった炉水を気液分離する気水分離器13と、から構成されている。
そして、気水分離器13で気水分離された一方の蒸気は前記したように主配管21に導かれて発電に寄与し、他方の分離水は給水配管26から戻された給水と合流する。このように合流した炉水は、周方向に複数設けられた再循環ポンプ18により(図面では省略して一つのみ記載)、シュラウド15及び圧力容器11に挟まれる領域(ダウンカマD)を下降して下部プレナムLに案内される。
下部プレナムLに案内された炉水は、再び炉心16を通過して加熱され気液二相流となって、上部プレナムUに到達する。この到達した気液二相流は、再び気水分離器13に導かれ、前記したプロセスを繰り返す。
下部プレナムLに案内された炉水は、再び炉心16を通過して加熱され気液二相流となって、上部プレナムUに到達する。この到達した気液二相流は、再び気水分離器13に導かれ、前記したプロセスを繰り返す。
図2に水平断面図が示されるように、炉心16は、多数の燃料棒(図示略)が収納されている角筒状の燃料集合体33と、核分裂反応に伴う中性子を吸収して出力を制御する制御棒32と、図1に示されるようにこの中性子を検出する核計装検出器31(31A,31B,31C,31D)を支持するとともに上部格子板14及び炉心支持板17にそれぞれ上下端が固定されている計装管34とが、多数配列して構成されている。
この計装管34は、16体の燃料集合体33に1本程度の割合で設置されており、たとえば燃料集合体が872体の改良型沸騰水炉では52本の計装管34が設けられている。
これら計装管34の鉛直方向4箇所に設けられている核計装検出器31A,31B,31C,31Dは、下からの高さ位置に応じてそれぞれAレベル、Bレベル、Cレベル、Dレベルと呼ばれている。そして、炉心16を内部循環する炉水は、Aレベルから流入して、燃料により加熱され沸騰が始まり、Bレベル、Cレベル、Dレベルに水・蒸気の二相状態を変化させながら順次到達する。
これら計装管34の鉛直方向4箇所に設けられている核計装検出器31A,31B,31C,31Dは、下からの高さ位置に応じてそれぞれAレベル、Bレベル、Cレベル、Dレベルと呼ばれている。そして、炉心16を内部循環する炉水は、Aレベルから流入して、燃料により加熱され沸騰が始まり、Bレベル、Cレベル、Dレベルに水・蒸気の二相状態を変化させながら順次到達する。
核熱水力安定性は、この水・蒸気二相状態における圧力伝播の影響を大きく受ける。
つまり、図1に示されるように、炉心16を下から上に向かう炉水の圧力伝播遅れにより、二相状態(水・蒸気割合)が変動し、核計装検出器31A,31B,31C,31Dの応答が遅れ、Aレベル、Bレベル、Cレベル、Dレベルから検出される核計装信号S(SA,SB,SC,SD)にそれぞれ位相差を生じさせる。
つまり、図1に示されるように、炉心16を下から上に向かう炉水の圧力伝播遅れにより、二相状態(水・蒸気割合)が変動し、核計装検出器31A,31B,31C,31Dの応答が遅れ、Aレベル、Bレベル、Cレベル、Dレベルから検出される核計装信号S(SA,SB,SC,SD)にそれぞれ位相差を生じさせる。
このような炉水流れ方向における出力振動の位相差は、互いの核計装信号Sの応答をキャンセルする作用があるために、同じ高さレベルの複数の核計装信号Sをグループ化して評価することが核熱水力安定性の監視の精度や信頼性の観点から好ましい。
また、AレベルからDレベルの全てについて安定性監視をする必要性は低く、各実施形態では、一般的に安定性監視の感度が最も高いと言われるBレベルのグループに対して核熱水力安定性の評価を行う。
また、AレベルからDレベルの全てについて安定性監視をする必要性は低く、各実施形態では、一般的に安定性監視の感度が最も高いと言われるBレベルのグループに対して核熱水力安定性の評価を行う。
核熱水力安定性に関連する出力振動は、燃料集合体33を取り囲む燃料チャンネル内の流動条件が、中性子束の動的な応答に対する反応度フィードバックにより不安定化し、炉心全体にマクロ的に発生する現象である。そして、この出力振動は、この反応度フィードバックにより中性子束の空間モードが励起され振動に至ったものであると考えられている。
ここで励起された空間モードが基本モードである場合は、炉心一体振動と呼ばれ、同じ高さレベルの炉心断面の出力振動は、位相が基本的に揃っている。この場合、同じ断面で計測される複数の核計装信号Sは、互いに位相差がほとんど無く、加算してもキャンセリングされず、平均化信号(APRM)を用いた振動検出が十分可能である。
これに対して、励起された空間モードが高次モードである場合は、領域振動と呼ばれ、その空間高次モード分布に従って、同じ高さの炉心断面におけるそれぞれの核計装信号Sに位相差が生じる。そして、この空間高次モード分布の節が振動の中心線となり、この中心線を挟んで位相差が180度となり振動が逆転する。
図3(A)は、領域振動における空間高次モード分布を示しており、図3(B)に水平断面視されるように節に相当する振動の中心線cを挟んで、二つの領域a,bが互いに逆位相すなわち180度の位相差で振動している。
この場合、二つの領域a,bにまたがる複数の核計装信号Sを平均化すると位相差による振動のキャンセリングが生じ、平均化信号の振幅がなまされて振動検出が困難になる。すなわち、このような領域振動の検出には、炉心全体を平均化して出力するAPRM信号の使用は不適切である。
また、図示を省略するが、ある特定の燃料集合体33(図2)を中心に狭い領域で出力振動する局所振動の検出に対しても、APRM信号の使用は不適切であるといえる。
この場合、二つの領域a,bにまたがる複数の核計装信号Sを平均化すると位相差による振動のキャンセリングが生じ、平均化信号の振幅がなまされて振動検出が困難になる。すなわち、このような領域振動の検出には、炉心全体を平均化して出力するAPRM信号の使用は不適切である。
また、図示を省略するが、ある特定の燃料集合体33(図2)を中心に狭い領域で出力振動する局所振動の検出に対しても、APRM信号の使用は不適切であるといえる。
図1及び図2に示されるように、監視装置50は、炉心16内に規則的に配置された複数の核計装検出器31が出力する核計装信号Sに基づいて核熱水力現象の安定性指標(例示は減幅比γ)を算出する算出部52と、原子炉の運転状態に係る情報を入力条件75として物理モデルに基づいて核熱水力現象をシミュレートするシミュレーション部70と、このシミュレート結果から核熱水力現象の制限値Dを更新する制限値更新部58と、安定性指標(例示は減幅比γ)及び制限値Dに基づいて出力振動抑制手段60を起動するか否かを判定する判定部53と、を備える。
このように、監視装置50が構成されることにより、物理モデルを用いたプラント状態の推定結果、あるいは状態推移の予測結果に基づいて、プラント状態に対して最適な制限値Dに更新される。
判定部53は、更新された制限値Dを逐一取り込んで、安定性指標(例示は減幅比γ)に照らし、核熱水力不安定現象が発生しているか否かを判定する。そして、核熱水力不安定現象が発生していると判定されると、起動指示部56に対し、出力振動抑制手段60(例えば、警報装置や、制御棒挿入装置)の起動を命じる。
判定部53は、更新された制限値Dを逐一取り込んで、安定性指標(例示は減幅比γ)に照らし、核熱水力不安定現象が発生しているか否かを判定する。そして、核熱水力不安定現象が発生していると判定されると、起動指示部56に対し、出力振動抑制手段60(例えば、警報装置や、制御棒挿入装置)の起動を命じる。
核熱水力安定性を現象的に記述する物理モデルと実測データである核計装信号Sとを組み合わせることにより、監視装置50による出力振動現象の監視精度及び信頼性が向上する。
ここで、図4を参照し、システムに外乱を印加した際の振動的なインパルス応答を用いて、減幅比、振動周期及び振幅の定義を行う。ピーク値を順番に、X1,X2,X3,X4,・・・として、それらのピークの出現する時間を各々、t1,t2,t3,t4、・・・とすれば、核熱水力安定性の安定性を表す指標として一般に用いられる減幅比、振動周期及び振幅は次のように定義される。
減幅比=(X3−X4)/(X1−X2)
振動周期=(t3−t1) 又は (t4−t2)
振幅=(X3−X4) 又は (X1−X2)
位相差は、複数信号間でのtn間の時間差を、1周期を360度とした角度で定義する。
減幅比=(X3−X4)/(X1−X2)
振動周期=(t3−t1) 又は (t4−t2)
振幅=(X3−X4) 又は (X1−X2)
位相差は、複数信号間でのtn間の時間差を、1周期を360度とした角度で定義する。
この減幅比は、値が1よりも小さければインパルス応答は減衰するのでこのシステムは安定、逆に1を超えれば振動は成長するのでシステムは不安定となる。また、減幅比が1の場合は一定の振幅で振動が持続することになる。
また、振動周期は、短いほど振動がより速く成長したり減衰したりする。そして、この振動周期の逆数を、一般に共振周波数あるいは固有周波数と呼び、単位をHzあるいはcpsとして表す。
また、振動周期は、短いほど振動がより速く成長したり減衰したりする。そして、この振動周期の逆数を、一般に共振周波数あるいは固有周波数と呼び、単位をHzあるいはcpsとして表す。
図2に示される算出部52は、各々の核計装信号Sの減幅比、振動周期、振幅を安定性指標として求めることができる。さらに、これら減幅比、振動周期、振幅等について、グループ化部51で区分された核計装検出器31毎に統計処理したデータを、安定性指標として用いることもできる。
シミュレーション部70が実行する物理モデルは、炉心内の核熱水力現象の3次元分布をシミュレートする3次元炉心シミュレータ71、BOP(Balance Of Plant)系も含めたプラント全体のヒートバランスをシミュレートするプラントヒートバランスモデル72、原子炉系を中心としたプラントの過渡特性をシミュレートするプラント過渡解析コード73、及びこれらシミュレート結果から任意の運転状態における核熱水力現象の安定性を解析する安定性解析コード74から構成される。
さらに、図示を省略するが監視装置50は、入力条件75及び各々の前記コード間のデータを転送するデータインターフェイス部と、オペレータからの指示に基づいて解析結果の表示又は出力を行うマンマシンインターフェイス部と、を備えている。
これらの物理モデルでは、実際のプラントの最新状態(プラントヒートバランスや制御棒挿入状態)を入力条件75として反映することにより、炉心内部の非観測パラメータの値を推定する。また、これらの物理モデルにより、現在の運転状態で再循環炉心流量ポンプがトリップするなどの過渡事象が発生した場合のプラント状態の予測などを行うことが可能である。
物理モデルによる後者(過渡事象が発生した場合のプラント状態の予測)の動作例を次に示す。
最初に、現在のプラント状態をプロセスコンピュータや計測信号などから取り込む。そして、現在のプラントのヒートバランスをモデル72で推定した上で、3次元炉心シミュレータ71により現在の炉心状態を詳細に推測する。これにより、現在のプラント・炉心状態の詳細が物理モデルでシミュレートされることになる。
最初に、現在のプラント状態をプロセスコンピュータや計測信号などから取り込む。そして、現在のプラントのヒートバランスをモデル72で推定した上で、3次元炉心シミュレータ71により現在の炉心状態を詳細に推測する。これにより、現在のプラント・炉心状態の詳細が物理モデルでシミュレートされることになる。
次に、このプラント状態において発生する可能性のある過渡状態を想定して、核熱水力安定性状態を予測する運転状態が設定される。その運転状態に相当する過渡状態をプラント過渡解析コード73によりシミュレートし、過渡事象の結果として移行するプラント運転状態を予測する。
そして、そのプラント運転状態における炉心状態を3次元炉心シミュレータ71で再度シミュレートし、その結果得られた炉心状態を元に安定性解析コード74を実行して過渡事象後の安定性予測を行う。
このようなシミュレーション部70におけるシミュレート結果を用いて、制限値更新部58は、制限値Dを変更する。
そして、そのプラント運転状態における炉心状態を3次元炉心シミュレータ71で再度シミュレートし、その結果得られた炉心状態を元に安定性解析コード74を実行して過渡事象後の安定性予測を行う。
このようなシミュレーション部70におけるシミュレート結果を用いて、制限値更新部58は、制限値Dを変更する。
バンドパスフィルタ57は、核計装信号Sのうち出力振動に対応する周波数成分を抽出するものである。そしてこの抽出された周波数成分に基づいて安定性指標が算出される。
核計装検出器31が出力する核計装信号Sには多様な変動成分が含まれている。さらに、核熱水力現象の変動周期は、二相流が炉心を鉛直方向に通過する時間と相関し、運転状態に応じて典型値をとる。
すなわち、定格運転状態のように炉心流量が大きな場合には、振動周期は1秒程度、すなわち振動周波数は1Hz前後の典型値をとる。これに対して、核熱水力安定性が低下しやすい部分出力状態では、定格運転状態に比べて炉心流量が低いため、振動周期は数秒程度、振動周波数としては0.3〜0.6Hz程度の典型値をとる。
核計装検出器31が出力する核計装信号Sには多様な変動成分が含まれている。さらに、核熱水力現象の変動周期は、二相流が炉心を鉛直方向に通過する時間と相関し、運転状態に応じて典型値をとる。
すなわち、定格運転状態のように炉心流量が大きな場合には、振動周期は1秒程度、すなわち振動周波数は1Hz前後の典型値をとる。これに対して、核熱水力安定性が低下しやすい部分出力状態では、定格運転状態に比べて炉心流量が低いため、振動周期は数秒程度、振動周波数としては0.3〜0.6Hz程度の典型値をとる。
こうした炉心の出力振動の周期は、シミュレーション部70の安定性解析コード74で評価することが可能である。このように、監視する振動現象の周期、あるいは周波数帯が予測されていれば、核計装信号Sの中から監視対象から外れる変動成分を取り除いて監視精度を向上させることが可能である。
図5は、バンドパスフィルタ57の特性グラフを示している。
ここで、フィルターの時定数の設定方法、すなわち通過周波数帯の下限値fcminと上限値fcmaxの設定方法について述べる。
これら、下限値fcmin及び上限値fcmaxを設定するに先立って、図6(A)に示すように、燃料特性の類似した燃料集合体ごとにチャンネルグループに分割して安定性解析を実施する。
ここで、フィルターの時定数の設定方法、すなわち通過周波数帯の下限値fcminと上限値fcmaxの設定方法について述べる。
これら、下限値fcmin及び上限値fcmaxを設定するに先立って、図6(A)に示すように、燃料特性の類似した燃料集合体ごとにチャンネルグループに分割して安定性解析を実施する。
図6(B)は、チャンネルグループごとの熱水力安定性の解析結果である。
ここで、チャンネルグループごとに周波数が推測されるので、このような周波数の範囲を、バンドパスフィルタ57の通過周波数帯に設定すればよいと判断できる。
ここで、チャンネルグループごとに周波数が推測されるので、このような周波数の範囲を、バンドパスフィルタ57の通過周波数帯に設定すればよいと判断できる。
図6においては、炉心安定性減幅比により核熱水力安定性を評価しているが、これ以外の領域安定性減幅比に関しても同様にチャンネルグループに分割することにより解析を実施することができる。
領域安定性減幅比、及び各チャンネルグループの周波数を同様に求め、周波数の最小値をf1、最大値をf2とした場合、fcmin ≦ f1 < f2 ≦ fcmaxと設定し、バンドパスフィルタ57の時定数設定の目安とする。
また、基準振動周期TREFの設定の目安を1/f2 ≦ TREF ≦ 1/f1とすることができる。
領域安定性減幅比、及び各チャンネルグループの周波数を同様に求め、周波数の最小値をf1、最大値をf2とした場合、fcmin ≦ f1 < f2 ≦ fcmaxと設定し、バンドパスフィルタ57の時定数設定の目安とする。
また、基準振動周期TREFの設定の目安を1/f2 ≦ TREF ≦ 1/f1とすることができる。
このように安定性指標及び前記制限値に基づく判定は、前記した炉心安定性減幅比、領域安定性減幅比の他に、炉心に配置される燃料集合体の特性に従ってグループ化された中から代表される前記核計装信号の減幅比、最も熱的に厳しい燃料集合体の熱水力現象を反映する前記核計装信号の減幅比、及びこれら核計装信号の固有周波数、のうち少なくとも一つを対象に実施することができる。
前記した不等式では設定点の上限値、あるいは下限値しか明示していないが、具体的な設定値を与えるためには、以下の2つの不確定性を考慮する必要がある。すなわち、物理モデルとしての安定性解析コードの実現象を予測する際の不確定性、及び安定性を予測する運転状態の不確定性である。後者には運転状態を測定するための検出器の測定誤差、および検出器の測定結果から運転パラメータを推測する際の誤差にそれぞれ伴う不確定性が含まれる。
安定性解析コード(シミュレート結果)の不確定性としては、実プラントで実施された安定性試験、あるいは観測された出力振動現象、および核熱水力安定性現象を模擬できる試験装置で実施された安定性試験データなどを参照データとして、それらの状態を模擬して解析した結果を比較することにより、参照データとの誤差が評価される。
誤差εaはバイアスと標準偏差からなり、εa=<εa>±σaと表すことにする。ここで、右辺第1項はバイアス、第2項は誤差の標準偏差を示している。これらの値は、安定性解析コード74の検証により、いずれも既知の値である。なお、ここではバイアスは(真値−解析値)で定義する。
運転点における安定度の不確定性はもっと複雑であり、実データを用いた不確定性は困難であることから、これに関しても安定性解析コード74を用いた不確定性評価が必要になる。
すなわち、まず運転点の特定に関する不確定性がある。核熱水力安定性に影響するパラメータは多数あり、それらは互いに複雑に関係している。ここでは、特に影響の大きなパラメータに関して不確定性を考慮する。
すなわち、まず運転点の特定に関する不確定性がある。核熱水力安定性に影響するパラメータは多数あり、それらは互いに複雑に関係している。ここでは、特に影響の大きなパラメータに関して不確定性を考慮する。
出力、流量、圧力、炉心入口温度などには計測に伴う不確定性がある。出力分布に関しては、検出器の測定誤差と検出器データから分布を予測する部分の誤差の重なった不確定性がある。
領域安定性解析に必要な高次モード固有値間隔に関しては、現状では観測データから精度良く推定する手法が確立していないので、3次元炉心シミュレータ71に組み込まれた高次モード解析機能の誤差に起因することになる。
領域安定性解析に必要な高次モード固有値間隔に関しては、現状では観測データから精度良く推定する手法が確立していないので、3次元炉心シミュレータ71に組み込まれた高次モード解析機能の誤差に起因することになる。
これらの観測誤差、あるいは計算誤差に関しては対象とするパラメータの不確定性(真値に対するばらつき)を特定した上で、それらのパラメータのばらつきを考慮した安定性解析を実施することにより、運転条件の不確定性に起因した安定性の誤差εbが評価される。
この誤差に関しても、バイアスと標準偏差からなり、εb=<εb>±σbと表すことができる。
この誤差に関しても、バイアスと標準偏差からなり、εb=<εb>±σbと表すことができる。
図7に示される原子炉の運転ラインのなかで、出力振動現象の監視対象となる安定性監視領域Rが一点鎖線で示されている。ここで、運転ライン上の運転点41を監視対象とする。この運転点41は、破線で示される不確定性の範囲42を有している。この不確定性は、出力や流量の測定誤差に起因するものと、通常運転状態からその運転状態へ移行する際の整定条件の不確定性に起因するものとがある。後者(整定条件の不確定性)に起因する場合は、プラント過渡解析コード73を用いて評価することができる。
このように運転条件の不確定性が特定できれば、関連するパラメータを、ランダムにそのばらつきの範囲内で変化させ、複数回にわたり安定性解析を実行できる。
このように運転条件の不確定性が特定できれば、関連するパラメータを、ランダムにそのばらつきの範囲内で変化させ、複数回にわたり安定性解析を実行できる。
図8は、運転条件の不確定性に基づいて、複数回にわたり求めた安定度(減幅比と固有周波数)の度数分布を示している。
このように安定度は正規分布を成し、その中心値がバイアス<ε>を示し、その左右の範囲がばらつきである標準偏差σを示している。ここで、ばらつきの制限として例えば95%を取れば、この標準偏差は1.96倍されることになる。
このようにして、運転状態の不確定性に基づいた安定度の誤差と、安定性解析コードの予測誤差を重ね合わせて最終的な誤差を確定することができる。
このように安定度は正規分布を成し、その中心値がバイアス<ε>を示し、その左右の範囲がばらつきである標準偏差σを示している。ここで、ばらつきの制限として例えば95%を取れば、この標準偏差は1.96倍されることになる。
このようにして、運転状態の不確定性に基づいた安定度の誤差と、安定性解析コードの予測誤差を重ね合わせて最終的な誤差を確定することができる。
図9において、安定度の解析結果の分布には、それぞれ解析コードの予測誤差が含まれている。このために、それら予測誤差を加味すると安定度の解析結果の分布は、さらに広がることになる。
ここで、例を振動周期に戻すと、その逆数である周波数の上下限値には上述した不確定性が加味される。この場合、バイアスと標準偏差に関し、ばらつきの範囲を、拡大する方向に設定する必要がある。
すなわち、バイアスが正であれば図9における正規分布の中心の右側にはそのバイアスを考慮し、逆に左側ではバイアスを考慮しないという操作になる。バイアスが負であればこの逆である。標準偏差に関しては正の値であるので、そのまま加えれば良い。
すなわち、バイアスが正であれば図9における正規分布の中心の右側にはそのバイアスを考慮し、逆に左側ではバイアスを考慮しないという操作になる。バイアスが負であればこの逆である。標準偏差に関しては正の値であるので、そのまま加えれば良い。
図9は、バイアスが正の場合の振動周期の例を示している。
上限側に関しては、運転状態の不確定性を考慮した周期の平均値<f>に対し、解析コードの周波数バイアスfaを加えた上で、運転状態での周波数の標準偏差σと解析コードの周波数誤差の標準偏差σaの平方根和で調整した値、fmax=<f>+fa+X√(σ2+σa 2) となる。
ここで、Xは信頼区間のための調整因子で95%であれば1.96になる。
上限側に関しては、運転状態の不確定性を考慮した周期の平均値<f>に対し、解析コードの周波数バイアスfaを加えた上で、運転状態での周波数の標準偏差σと解析コードの周波数誤差の標準偏差σaの平方根和で調整した値、fmax=<f>+fa+X√(σ2+σa 2) となる。
ここで、Xは信頼区間のための調整因子で95%であれば1.96になる。
逆に下限値に関しては、fmin=<f>−fa+X√(σ2+σa 2) となる。
ここで、周期の平均値<f>に関しては、上限値に関しては最大値f2に対応する値、下限値に関しては最小値f1に対応する値を用いることになるが、これらが予め用意されていない場合には、安定性解析コード74で求められた値をそのまま用いて、ばらつきに関する補正のみを実施すれはよい。
ここで、周期の平均値<f>に関しては、上限値に関しては最大値f2に対応する値、下限値に関しては最小値f1に対応する値を用いることになるが、これらが予め用意されていない場合には、安定性解析コード74で求められた値をそのまま用いて、ばらつきに関する補正のみを実施すれはよい。
もう一つの安定度の重要なパラメータとしては減幅比がある。この減幅比の値が大きい場合は、出力変動が核熱水力安定性に基づく現象である確率が高いことを示す。逆に減幅比が小さい場合には、出力変動は核熱水力安定性以外のメカニズムに基づいた現象である可能性が高い。
このために、出力振動の判定基準を厳しくすることが可能である。
つまり、制限値Dは、安定性指標とともに、判定部53において出力振動抑制手段60を起動するか否かを判定するための因子である。安定性指標以外の出力変動メカニズムに寄与する因子に基づいて制限値Dを変化させることにより、出力振動抑制手段60の起動条件を最適化することができる。
つまり、制限値Dは、安定性指標とともに、判定部53において出力振動抑制手段60を起動するか否かを判定するための因子である。安定性指標以外の出力変動メカニズムに寄与する因子に基づいて制限値Dを変化させることにより、出力振動抑制手段60の起動条件を最適化することができる。
ここで、判定部53において、安定性指標が所定の規定値を超える回数を、制限値Dに設定する場合が考える。この設定回数を制限値Dの初期設定値よりも大きくすることにより、減幅比が小さい状態における誤判定の確率を小さくする。逆に、推定された減幅比の値が大きく、特に値が1を超えて不安定な状態であると推定された場合には、制限値Dを最小値である2回に設定することで、極めて迅速な検出が可能になる。
ここで、既に述べた振動周波数と同様に、減幅比γの上限値は不確定性を考慮してγmax=<γ>+γa+X√(σ2+σa 2)とする。
この値が1を超えていれば、振動回数の設定値をNとすれば、γmax N/2 はその間における振幅の最大成長率になる。
したがって、許容される最大成長率がGmaxと設定されていれば、N<2log(Gmax)/log(γmax) となる。
この値が1を超えていれば、振動回数の設定値をNとすれば、γmax N/2 はその間における振幅の最大成長率になる。
したがって、許容される最大成長率がGmaxと設定されていれば、N<2log(Gmax)/log(γmax) となる。
また最大成長率に関しては、燃料健全性の観点から許容される最大振幅をSmax、振動検知開始の振幅の閾値をSminとすれば、Gmax ≦ Smax/Smin という上限値が設定される。
したがって、基準の振動回数設定値Npよりも小さな値が、前記した計算から得られれば設定回数をその値に下げることになる。
Np=Np (N≧Np)
Np=N (N<Np)
したがって、基準の振動回数設定値Npよりも小さな値が、前記した計算から得られれば設定回数をその値に下げることになる。
Np=Np (N≧Np)
Np=N (N<Np)
上式でNが2以下と言うような極めて小さな値であれば、振幅Smaxだけで振動検知判定、トリップ起動と言う通常の振動検知過程をバイパスすることができる。ただし、これが実プラント運転状態における判定ではなく、現在のプラント運転状態からポンプ停止などの想定しえる過渡状態後の場合には、通常の振動検知過程をバイパスすることはしない。
次に、Xとして大きな値、例えば6を用いてγmax=<γ>+γa+X√(σ2+σa 2)が1未満の値であれば、振動は成長せずに減衰する確率が高いことになる。この場合は上限値Nmaxを設けて、γmaxの1からの乖離度に合わせて、NpからNmaxの間で設定値を変動させる。
Np=Np (γmax=1)
Np=Np−2log(Gmax)/log(1−γmax)
Np=Nmax (Np−2log(Gmax)/log(1−γmax)>Nmax)
Np=Np (γmax=1)
Np=Np−2log(Gmax)/log(1−γmax)
Np=Nmax (Np−2log(Gmax)/log(1−γmax)>Nmax)
以上の設定値変更の基準においては、核計装信号Sの振幅が重要である。核計装信号Sの振幅に関しては、ピーク検知を行えば振幅は、自動的に算出される。一方、信号のばらつきである標準偏差を設定変更の基準に用いることも可能である。
標準偏差には振動成分以外のノイズ成分も含まれており、バックグラウンドとなるノイズ成分強度はプラントやプラントの運転状態に依存している。
標準偏差には振動成分以外のノイズ成分も含まれており、バックグラウンドとなるノイズ成分強度はプラントやプラントの運転状態に依存している。
図10は、同じプラントにおける異なる4点の運転点における核計装信号の標準偏差の分布を示したものである。
分布は、大きく3つのグループに分けられる。図10(A)の分布は振幅もそのばらつきも小さいが、図10(B)になると振幅が若干大きくなりばらつきも拡大する。図10(C)(D)の2つの運転状態では振幅もばらつきもほぼ同じであるが、図10(A)(B)に比べて振幅が大きくなり、ばらつきも拡大している。
分布は、大きく3つのグループに分けられる。図10(A)の分布は振幅もそのばらつきも小さいが、図10(B)になると振幅が若干大きくなりばらつきも拡大する。図10(C)(D)の2つの運転状態では振幅もばらつきもほぼ同じであるが、図10(A)(B)に比べて振幅が大きくなり、ばらつきも拡大している。
図10(A)から(D)に行くに従い、運転点における出力と流量の比が大きくなっており、この順番に核熱水力安定性も悪化していることが推測できる。ただし、図10の例では出力振動にまでは至っていないので、例えば振幅2%を出力振動発生の判定基準としても高い確率でこの場合は核熱水力振動以外の誤検出を避けることが可能である。
また、通常運転時に近い図10(A)(B)の状態では、標準偏差の平均値は0.5〜0.7程度であり、これがバックグラウンドノイズレベル相当であると考えられる。したがって、この値をSmin、上記の2%をSmaxとすれば、Gmaxは3.0〜4.0程度の値になる。
図11は、徐々に不安定化して出力振動に至る例について、核計装系信号の揺らぎの標準偏差の推移を6段階に分割して示している。
図11(A)〜図11(F)に行くに従い、炉心は不安定化していると考えられる。図11(E)〜図11(F)へ移行する段階で炉心は不安定化状態にあると考えられるので、図11(E)の分布から、2%をSmaxとするのは妥当といえる。このプラントの通常運転状態におけるバックグラウンドノイズレベルは図11(A)よりは小さいと考えられるので、Sminの値は0.6程度になる。
したがって、Gmaxは3.3程度であり、図10の例とほぼ同程度になる。
図11(A)〜図11(F)に行くに従い、炉心は不安定化していると考えられる。図11(E)〜図11(F)へ移行する段階で炉心は不安定化状態にあると考えられるので、図11(E)の分布から、2%をSmaxとするのは妥当といえる。このプラントの通常運転状態におけるバックグラウンドノイズレベルは図11(A)よりは小さいと考えられるので、Sminの値は0.6程度になる。
したがって、Gmaxは3.3程度であり、図10の例とほぼ同程度になる。
図12は、トリップ判定回数(制限値D)の初期値を10として、安定性解析コードで推定された最大減幅比γmaxに対して更新されるトリップ判定回数Npを示している。
最大減幅比が0.4ではトリップ判定回数は5割増しの15回に、0.2では倍になり、明らかに十分に安定と推定された炉心状態では、トリップ判定基準(制限値D)を厳しくすることにより誤検知を回避することが可能になる。
最大減幅比が0.4ではトリップ判定回数は5割増しの15回に、0.2では倍になり、明らかに十分に安定と推定された炉心状態では、トリップ判定基準(制限値D)を厳しくすることにより誤検知を回避することが可能になる。
また、出力振動の発生判定基準として判定回数に、前記核計装検出器の検知遅れ、出力振動抑制操作の起動遅れ、出力振動抑制操作が有効になるまでの遅れ、除熱特性改善の遅れ、を考慮することも可能である。
上記の遅れはハード側の仕様や運転状態などに依存するが、典型的には2〜4秒程度とそれほど大きな値ではない。そしてこの遅れは、物理モデルから導かれる振動周期及び核計装信号Sから導かれる振動周期の比に基づいて考慮される。
つまり、遅れ時間をTD、振動周期(これは安定性解析コードで推定された周波数の逆数、あるいは計装信号のピーク検知機能から推測できる)をTPとすれば、補正回数NCは、両者の比、TD/TPになる。従って、NC=TD/TP(端数は切り上げる)を更新されたトリップ判定回数Npから引けば良い。振動周期も2〜3秒程度であるので、遅れの補正回数は1〜2回程度の値になる。
つまり、遅れ時間をTD、振動周期(これは安定性解析コードで推定された周波数の逆数、あるいは計装信号のピーク検知機能から推測できる)をTPとすれば、補正回数NCは、両者の比、TD/TPになる。従って、NC=TD/TP(端数は切り上げる)を更新されたトリップ判定回数Npから引けば良い。振動周期も2〜3秒程度であるので、遅れの補正回数は1〜2回程度の値になる。
さて、図10,図11から複数ある核計装信号の振幅は、核熱水力安定性が悪化するに従いその平均値が大きくなると同時に、その分布の広がりも大きくなることがわかる。したがって、この特性を核熱水力安定性の監視に使うことが可能である。
図13は、核計装信号の応答の全信号内における標準偏差の不安定化に伴う変動を示している。
不安定化に伴い標準偏差の値は徐々に増加しているが、その増加割合には不連続的な変化が現れていることがわかる。すなわち、図13のA矢示部とB矢示部においてそれぞれ増加割合が不連続的に大きくなっていることがわかる。
不安定化に伴い標準偏差の値は徐々に増加しているが、その増加割合には不連続的な変化が現れていることがわかる。すなわち、図13のA矢示部とB矢示部においてそれぞれ増加割合が不連続的に大きくなっていることがわかる。
これらは、それぞれ核熱水力安定性が有意に悪化している兆候を現していると考えられる。すなわち、これら2点の前後で傾きはそれぞれ約10倍、約5倍に不連続的に増加していることがわかる。
実際に、図13のA矢示部付近では減幅比も不連続に増加しておりこの点付近を不安定化が顕著に開始し出す状態であり、安定性監視のレベルを強化する、すなわち出力振動の判定基準を緩めるタイミングになる。
B矢示部付近においては、今後は出力振動が成長する確率が高い状態であるので、この時点で出力振動抑制操作を起動する。
実際に、図13のA矢示部付近では減幅比も不連続に増加しておりこの点付近を不安定化が顕著に開始し出す状態であり、安定性監視のレベルを強化する、すなわち出力振動の判定基準を緩めるタイミングになる。
B矢示部付近においては、今後は出力振動が成長する確率が高い状態であるので、この時点で出力振動抑制操作を起動する。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…原子炉、11…圧力容器、13…気水分離器、14…上部格子板、15…シュラウド、16…炉心、17…炉心支持板、18…再循環ポンプ、21…主配管、22…タービン、23…発電機、24…復水器、25…ポンプ、26…給水配管、31(31A,31B,31C,31D)…核計装検出器、32…制御棒、33…燃料集合体、34…計装管、41…運転点、42…不確定性の範囲、50…核熱水力安定性監視装置、52…算出部、53…判定部、56…起動指示部、57…バンドパスフィルタ、58…制限値更新部、60…出力振動抑制手段、70…シミュレーション部、71…3次元炉心シミュレータ、72…プラントヒートバランスモデル、73…プラント過渡解析コード、74…安定性解析コード、75…入力条件、D…制限値、S(SA,SB,SC,SD)…核計装信号、γ…減幅比。
Claims (12)
- 炉心内に規則的に配置された複数の核計装検出器が出力する核計装信号に基づいて核熱水力現象の安定性指標を算出する算出部と、
原子炉の運転状態に係る情報を入力条件として物理モデルに基づいて核熱水力現象をシミュレートするシミュレーション部と、
前記シミュレート結果から核熱水力現象の制限値を更新する制限値更新部と、
前記安定性指標及び前記制限値に基づいて出力振動抑制手段を起動するか否かを判定する判定部と、を備えることを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項1に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
物理モデルとしては、炉心内の核熱水力現象の3次元分布をシミュレートする3次元炉心シミュレータ、プラントのヒートバランスをシミュレートするプラントヒートバランスモデル、プラントの過渡特性をシミュレートするプラント過渡解析コード、及びこれらシミュレート結果から任意の運転状態における核熱水力現象の安定性を解析する安定性解析コードのうち少なくとも一つが採用され、
さらに、前記入力条件及び各々の前記コード間のデータを転送するデータインターフェイス部と、
オペレータからの指示に基づいて解析結果の表示又は出力を行うマンマシンインターフェイス部と、を備えることを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
前記安定性指標及び前記制限値に基づく判定は、
炉心安定性減幅比、領域安定性減幅比、炉心に配置される燃料集合体の特性に従ってグループ化された中から代表される前記核計装信号の減幅比、最も熱的に厳しい燃料集合体の熱水力現象を反映する前記核計装信号の減幅比、及びこれら核計装信号の固有周波数、のうち少なくとも一つを対象に実施されることを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
前記安定性指標は、核計装信号のうち出力振動に対応する周波数成分を抽出して算出されることを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
前記判定部は、
前記シミュレート結果の不確定性の評価結果、及び安定度評価を行う運転点における不確定性の評価結果を加味して判定を実行することを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項5に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
前記評価結果を保守的に見積もって前記判定を実行することを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
前記判定部において、安定な状態から不安定な状態に遷移する前段階で観測されるか又は観測される可能性のある最大振幅を振動判定振幅とし、通常運転時における核計装信号の標準偏差の平均値をバックグランドノイズ振幅とした場合、前記振動判定振幅に対する前記バックグランドノイズ振幅の比で定義される振幅の許容成長率を判定基準に採用することを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項4から請求項7のいずれか1項に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
前記出力振動の発生判定基準は、前記核計装検出器の検知遅れ、出力振動抑制操作の起動遅れ、出力振動抑制操作が有効になるまでの遅れを考慮することを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項8に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
前記遅れは、前記物理モデルから導かれる振動周期及び前記核計装信号から導かれる振動周期の比に基づいて考慮されることを特徴とする沸騰水型原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の原子炉の核熱水力安定性監視装置において、
個々の核計装信号の変動ばらつきを示す標準偏差を演算し、この演算された個々の標準偏差から複数の核計装信号全体の標準偏差及び平均値を演算し、これら演算結果の増加率に基づいて前記判定部を実行させることを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視装置。 - 炉心内に規則的に配置された複数の核計装検出器が出力する核計装信号から核熱水力現象の安定性指標を算出するステップと、
原子炉の運転状態に係る情報を入力条件として物理モデルに基づいて核熱水力現象をシミュレートするステップと、
前記シミュレート結果から核熱水力現象の制限値を更新するステップと、
前記安定性指標及び前記制限値に基づいて出力振動抑制手段を起動するか否かを判定するステップと、を含むことを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視方法。 - コンピュータに、
炉心内に規則的に配置された複数の核計装検出器が出力する核計装信号から核熱水力現象の安定性指標を算出する機能、
原子炉の運転状態に係る情報を入力条件として物理モデルに基づいて核熱水力現象をシミュレートする機能、
前記シミュレート結果から核熱水力現象の制限値を更新する機能、
前記安定性指標及び前記制限値に基づいて出力振動抑制手段を起動するか否かを判定する機能、を実行させることを特徴とする原子炉の核熱水力安定性監視プログラム。
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