JPH04252998A - 原子炉の安定性予測方法及びその装置 - Google Patents

原子炉の安定性予測方法及びその装置

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JPH04252998A
JPH04252998A JP3009886A JP988691A JPH04252998A JP H04252998 A JPH04252998 A JP H04252998A JP 3009886 A JP3009886 A JP 3009886A JP 988691 A JP988691 A JP 988691A JP H04252998 A JPH04252998 A JP H04252998A
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core
stability
power distribution
reactor
future
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JP3009886A
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Inventor
Mitsuo Ebiya
戎 家 三津雄
Kazuhiko Matsumura
松 村 和 彦
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉におけ
る燃料バンドルの熱水力学的振動(チャンネル安定性)
並びに原子炉全体の反応度帰還効果による炉心出力振動
(炉心安定性)の現状監視及び将来予測を行なう原子炉
の安定性予測方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉の炉心内に配置
された燃料バンドルを通る冷却材は水と蒸気の二相流を
なして、炉心内に発生する熱を除去するが、この二相流
には冷却材中の蒸気泡の量(ボイド量)、圧力損失、流
量間のフィードバックに基づく熱水力学的振動の可能性
があることが知られている。炉心内には多数の燃料チャ
ンネルがあり、これらは並行流路を形成するので、各燃
料チャンネルにとってはその熱水力学的振動は入口、出
口間の差圧一定の条件の下で他の燃料バンドルと一応独
立に生ずるものと考えてよい。このような振動モードを
“チャンネル安定性”と呼ぶ。
【0003】一方、燃料チャンネルの二相流のフィード
バック現象に炉心の核特性及び再循環流路の動特性が関
係する振動のモードを“炉心安定性”と呼んでいる。通
常、炉心安定性の振動は炉心全体での中性子束(或いは
出力)の振動として現われ、チャンネル安定性の振動は
、振動した燃料チャンネル近傍の中性子束の振動として
現われる。
【0004】このような振動状態が持続する状態を発振
状態といい、燃料の破損の原因にもなるため、原子炉の
安全上からは、発振状態を避ける必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際の原子
力発電所の運転時の炉心安定性に関する発振状態は、炉
心平均出力検出器信号、再循環流量等の全体的信号によ
って検知することは可能であるが、チャンネル安定性に
ついては、それが局所的な現象であるため、炉心内に多
数の局所出力検出器が設置されているものの、炉心平均
出力検出器信号のように常時監視に用いられているわけ
ではないので、発振を検知することは困難である。
【0006】このように、原子炉の発振状態は、計装系
によりある程度検出することは可能であるが、発振状態
なる以前に、安定性余裕を適確に把握することは困難で
ある。
【0007】一方、現在の運転計画では、実際の運転中
に再循環ポンプがトリップして不安定な状態になったと
きにも、安定性余裕を確保することが要求されているが
、現実の運転状態以外の状態の安定性余裕を知ることは
できないという問題がある。
【0008】さらに、今後の運転計画を立案する場合に
も、安定性余裕を確保する必要があり、将来の炉心状態
の安定性余裕を正確に予測することが重要となっている
【0009】本発明は、このような点を考慮してなされ
たもので、原子炉運転中に現状の安定性余裕を評価する
ことができるとともに、現状の運転状態から、外乱が発
生したときの炉心状態での安定性余裕を予測でき、また
今後の運転計画における炉心状態での安定性を予測でき
る原子炉の安定性予測方法及びその装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子炉の安
定性予測方法は、前記目的を達成する手段として、原子
炉の炉心内出力分布を、3次元核熱水力計算モデルを用
いて計算するとともに、原子炉内の局所出力検出器また
は移動式炉心内計装系で検出される中性子束分布を用い
て前記炉心内出力分布の補正因子を決定し、この補正因
子により前記炉心内出力分布を補正して現状及び将来の
炉心内出力分布を求め、求められた炉心内出力分布を用
いて安定性解析を行ない、原子炉の現状及び将来の安定
度を予測するようにしたことを特徴とする。
【0011】また、本発明に係る原子炉の安定性予測装
置は、前記目的を達成する手段として、原子炉の炉心内
出力分布を3次元核熱水力計算モデルを用いて計算する
炉心現状監視計算部と;原子炉内の局所出力検出器また
は移動式炉心内計装系で検出される中性子束分布を用い
て炉心内出力分布の補正因子を決定し、この補正因子を
前記炉心現状監視計算部に与えて炉心内出力分布を補正
させる補正因子計算部と;補正後の炉心内出力分布の入
力により、現状の炉心状態の安定性余裕を計算する安定
性現状監視計算部と;3次元核熱水力計算モデルを用い
て将来の炉心内出力分布を計算するとともに、前記補正
因子計算部からの補正因子により、将来の炉心内出力分
布を補正する炉心状態予測計算部と;補正後の将来の炉
心内出力分布の入力により、将来の炉心状態の安定性余
裕を計算する安定性予測計算部と;をそれぞれ設けるよ
うにしたことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に係る原子炉の安定性予測方法において
、3次元核熱水力計算モデルを用いて計算された原子炉
の炉心内出力分布は、原子炉内の局所出力検出器または
移動式炉心内計装系で検出した中性子束分布を用いて決
定される補正因子により補正され、現状および将来の炉
心内出力分布が求められる。そして、この炉心内出力分
布を用いて安定性解析が行なわれ、原子炉の現状および
将来の安定度が予測される。このため、精度の高い予測
が可能となる。
【0013】また、本発明に係る原子炉の安定性予測装
置においては、炉心現状監視計算部により、3次元核熱
水力計算モデルを用いて原子炉の炉心内出力分布が計算
されるとともに、補正因子計算部により、原子炉内の局
所出力検出器または移動式炉心内計装系で検出した中性
子束分布を用いて炉心内出力分布の補正因子が決定され
、この補正因子により前記炉心内出力分布が補正される
。そして、この補正後の炉心内出力分布の入力により、
安定性現状監視計算部において、現状の炉心状態の安定
性余裕が計算される。このため、高精度の安定性余裕が
計算される。
【0014】一方、将来の炉内出力分布は、炉心状態予
測計算部において、3次元核熱水力計算モデルを用いて
計算されるとともに、前記補正因子により将来の炉心内
出力分布が補正される。そして、この補正後の炉心内出
力分布の入力により、安定性予測計算部において、将来
の炉心状態の安定性余裕が計算される。このため、高精
度の安定性余裕が計算される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。
【0016】図1は、本発明に係る原子炉の安定性予測
装置の一例を示すもので、図中、符号1は炉心2が格納
された原子炉であり、前記炉心2に設置されている局所
出力検出器または移動式炉心内計装系等の各検出器から
は、制御棒パターン、炉心流量、出入口温度、炉心圧力
等のプロセス量が出力されるようになっている。そして
、このプロセス量は、炉心性能計算装置3に入力される
ようになっている。
【0017】炉心性能計算装置3は、炉心現状監視計算
部4と、補正因子計算部5と、炉心状態予測計算部6と
を備えており、前記炉心現状監視計算部4は、前記プロ
セス量の入力により、ヒートバランスから炉心熱出力を
計算するとともに、3次元核熱水力計算モデルを用いて
炉心内出力分布を計算するようになっている。
【0018】また、前記補正因子計算部5は、炉心内の
局所出力検出器または移動式炉心内計装系で検出された
中性子束分布を使って、計算モデルで得られる出力分布
計算結果に対する補正因子を求めるようになっている。 具体的には、検出された中性子束分布と計算モデルで得
られる中性子束分布との比として補正因子を求め、これ
を記憶するようになっている。そして、この補正因子計
算部5で求められた補正因子は、前記炉心現状監視計算
部4に送られ、この炉心現状監視計算部4において計算
モデルで求めた炉心内出力分布計算値に補正因子を掛け
ることにより、現状の炉心内出力分布が求められるよう
になっている。
【0019】また、前記炉心状態予測計算部6は、将来
の時点、例えば再循環ポンプトリップの外乱が発生した
時点や今後の運転計画点に対し、炉心状態の予測計算を
実行するようになっている。すなわち、炉心状態予測計
算部6は、予測しようとする運転点に対する炉心データ
(制御棒パターン、炉心熱出力、炉心流量等)を与える
ことにより、前記炉心現状監視計算部4と同一の3次元
核熱水力計算モデルを用いて炉心内出力分布を計算する
とともに、補正因子計算部5に記憶されている補正因子
を掛けることにより、将来の炉心内出力分布を精度よく
求めることができるようになっている。そして、この将
来の炉心内出力分布および前記炉心現状監視計算部4で
求められた現状炉心内出力分布は、安定性計算装置7に
与えられるようになっている。
【0020】この安定性計算装置7は、安定性現状監視
計算部8と、安定性予測計算部9とを備えており、安定
性現状監視計算部8は、現状の炉心状態の安定性余裕を
計算するとともに、安定性予測計算部9は、将来の炉心
状態の安定性余裕を計算するようになっている。
【0021】すなわち、前記安定性現状監視計算部8は
、炉心現状監視計算部4で求めた炉心内出力分布の入力
により、また前記安定性予測計算部9は、炉心状態予測
計算部6で求めた炉心内出力分布の入力により、炉心安
定性とチャンネル安定性とを計算するようになっている
【0022】次に、本実施例の作用について説明する。 チャンネル安定性は、二相流体のチャンネル内のスイー
ブ時間遅れ等によって生じるチャンネル流量の不安定を
取扱うものであり、局部の安定性を調べることを目的と
するものである。
【0023】このチャンネル安定性は、入力された炉心
内出力分布のうち、最も厳しくなる単一チャンネルにつ
いて、熱水力特性モデルを解いてラプラス変換し、チャ
ンネル全体の開ループ伝達関数を求め、これから周波数
応答法により安定余裕を求める。
【0024】一方、炉心安定性は、熱水力学的に特性の
異なる多数のチャンネルが炉心内に存在していて、炉心
出力が各部で変動し、流量の再配分が起こって炉心の特
性が各部で変化するような場合に、炉心出力の安定性を
調べることを目的とするものである。
【0025】この炉心安定性は、入力された炉心内出力
分布を用い、熱水力学的にみて類似したいくつかのチャ
ンネルを1つのグループにまとめて、炉心全体をいくつ
かの領域に分け、各領域の熱水力特性モデルを解いてラ
プラス変換し、周波数応答法により安定余裕を求める。
【0026】ところで、チャンネル安定性及び炉心安定
性の安定度を表わす指標としては、次の減幅比を用いる
。減幅比は、出力振動が起こった場合の第1波と第2波
との振幅の比として定義する。減幅比が1以上になると
、振動は持続または増幅することを示し、いわゆる発振
状態を示す。したがって、減幅比が1より小さいことが
安定であることを示し、減幅比が小さいほど安定性余裕
が大きいことを示す。
【0027】そこで、プラント運転中に、予期されるあ
らゆる運転状態に対し、減幅比が1より小さくなるよう
に設計する必要がある。また、実際の運転に際しては、
充分な安定性余裕を確保するため、通常運転状態で、チ
ャンネル安定性の減幅比は0.5以下、炉心安定性の減
幅比は0.25以下になることを目標基準とする。
【0028】したがって、通常運転時及び運転計画作成
時には、安定性計算装置7で計算された減幅比が、前記
目標基準を満足していることを確認する。運転計画作成
時に、目標基準が満足できない場合には計画を変更する
。また、現状運転状態に対し、目標基準を満足していな
い場合には、再循環ポンプトリップ時の炉心状態を炉心
性能計算装置3で予測し、安定性計算装置7で安定性を
予測する。予測された減幅比が1よりも小さい場合には
、そのまま運転状態を継続するが、減幅比が1以上と予
測される場合には、運転状態を変更する処置をとる。 通常、制御棒を挿入して炉心流量を増加させると、安定
性余裕は増加する。
【0029】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、例えば以下のような変形例も考えられる
【0030】まず、炉心性能計算装置3における3次元
核熱水力計算モデルを用い計算された炉心内出力分布の
計算誤差補正方法の他の例としては、以下の方法が考え
られる。
【0031】すなわち、3次元核熱水力計算モデルの拡
散方程式に含まれるバックリング項や無限増倍率を修正
し、計算される中性子束分布が、炉心内の局所出力検出
器または移動式炉心内計装系で測定された中性子束分布
に一致するようにするものであり、得られたバックリン
グ項や無限増倍率の補正量を記憶しておき、予測計算に
も使用するものである。
【0032】また、安定性計算装置7の安定性計算モデ
ルとしては、次のものが考えられる。すなわち、安定性
計算モデルは、一般に動特性モデルを解く必要がある。 前記実施例では、動特性方程式を解く際に、炉心内出力
分布等を簡略化しているが、そのモデル化の精度を上げ
る必要がある場合には、例えば動特性方程式を解く際に
、炉心を1次元化、2次元化、3次元化と上げることが
考えられ、次元を上げることにより、計算精度はよくな
る。ただし、動特性方程式を解くためには、計算時間が
かかるため、計算機の能力と許容できる計算時間との関
係で、モデル化の次元数を決定する必要がある。
【0033】さらに、安定性計算装置7の安定性計算方
法を、前記実施例よりもさらに簡略化し、計算時間を短
縮する方法としては、次の方法が考えられる。
【0034】すなわち、安定性計算装置7において、炉
心性能計算装置3で得られる現状及び将来の炉心内出力
分布を、炉心内の燃料バンドルの炉心平均出力に対する
ピーキング係数の二乗平均値と炉心平均軸方向ピーキン
グ係数とその位置との3つのパラメータに整理し、その
パラメータと原子炉熱出力及び炉心流量の関数として炉
心安定性を予測し、チャンネル安定性については、炉心
性能計算装置3で得られる現状及び将来の炉心内出力分
布を、炉心内の燃料バンドルの軸方向ピーキング係数の
最大値と最大出力バンドルの軸方向ピーキング係数とそ
の位置との3つのパラメータに整理し、そのパラメータ
と原子炉熱出力および炉心流量の関数として予測するよ
うにしたものである。なお、この場合も、炉心安定性及
びチャンネル安定性の安定度を表わす指標としては、減
幅比を用いる。
【0035】次に、チャンネル安定性減幅比及び炉心安
定性減幅比の評価方法について説明する。一般に、原子
炉の安定性に影響を及ぼすパラメータとしては、数多く
のものが考えられる。炉心安定性は、熱水力学的な要因
が反応度フィードバックすることにより、炉心内で空間
的な出力振幅を起こすもので、炉心出力が各部で変動し
、各バンドルの流量の再配分が起こって、炉心の特性が
各部で変化することにより起こるため、炉心出力、流量
及び径方向出力分布が炉心安定性に大きな影響を与える
【0036】すなわち、径方向の出力分布のバラ付きが
大きい程、炉心安定性の安定度は悪化する。このことは
、径方向の出力分布の大小の差が大きい程、各バンドル
の流量の再配分が起こり易くなり、それが核的なフィー
ドバックとなって炉心内の出力の振動が起こり易くなる
結果、炉心安定性の安定度が悪化するためと考えること
ができる。
【0037】一方、チャンネル安定性については軸方向
のボイド分布が特に影響を与える。すなわち、炉心内に
単相で流れこんできた冷却材がやがて加熱されて気液二
相となるが、気液二相となっている領域が長い程チャン
ネル安定性は悪化する。チャンネル安定性に影響を与え
るパラメータとしてはまず出力と流量が考えられる。出
力が高い程、流量が低い程チャンネル安定性の安定度は
低下する。また、これら以外でチャンネル安定性に大き
な影響を及ぼすものとして、軸方向の出力分布形があげ
られる。
【0038】すなわち、この軸方向の出力分布形はチャ
ンネル安定性に大きな影響を及ぼす上に、実際の運転状
態において、制御棒の出入れや燃焼に伴なう核種ゼノン
の効果等によってかなり変化し、かつ、燃料チャンネル
毎に異なった形になっているので、現実の運転状態に即
した安定度評価を行なうためには、軸方向の出力分布形
の効果を考慮する必要がある。
【0039】ところで、軸方向の出力分布形とチャンネ
ル安定性の安定度との関係は、一般的には、軸方向の出
力分布形のピークの高さが高ければ高い程、かつ、ピー
ク位置が炉心(燃料バンドル)の下部であればある程、
安定度が小さくなるということができる。
【0040】以上に示したような性質を反映して、チャ
ンネル安定性および炉心安定性には、図2ないし図6に
示すような傾向があることが知られている。
【0041】炉心安定性は炉心全体での現象であること
から図2及び図3に示すように、炉心内の燃料バンドル
の炉心平均出力に対するピーキング係数の二乗平均値(
R値)、炉心平均軸方向平均出力(Pa )及びその発
生軸方向ノード(N)について傾向があり、Rが小さい
程、またPa が大きくNが小さい程安定である。言い
換えれば、炉心内の径方向出力分布がより平坦で、炉心
平均の軸方向出力ピーキングが大きく、その発生位置が
より上部にある程安定であることを示している。
【0042】また炉心安定性は、原子炉の出力及び流量
に対して図6に示すような傾向があることが知られてい
る。すなわち減幅比の出力及び流量に対する変化は、1
次関数または2次関数で表現することができる。
【0043】次にチャンネル安定性については、バンド
ル単位の局所的な現象であることから、図4及び図5に
示すように、最大出力バンドル(ホットチャンネル)の
径方向出力ピーキング(Pr )、ホットチャンネル軸
方向出力ピーキング(Pah)及びその発生ノード(N
)について傾向があり、Pr が小さい程、またPah
が小さくNが大きい程安定である。言い換えれば、ホッ
トチャンネルの出力が炉心平均出力により近く、またホ
ットチャンネルの軸方向分布がより平坦で、そのピーク
位置がより上部にある程安定であることを示している。 チャンネル安定性と原子炉出力、流量との関係について
は、炉心安定性の場合と同様に考えてよい。
【0044】本実施例では以上の点を考慮に入れて、チ
ャンネル安定性減幅比(Dchan)についてはPr 
、Pah、Nを用い、炉心安定性減幅比(DCORE)
についてはR、Pa 、Nを用いて次式で評価する。
【0045】すなわち、炉心安定性については式1で評
価し、またチャンネル安定性については式2で評価する
。 〔式1〕 D′CORE=a0 +a1 *R−a2 *Pa −
a3 *N  DCORE=D′CORE+b1 *Δ
P+b2 *ΔP2 +b3 *ΔW+b4 *ΔW2
 ただし、ΔP:基準出力からの熱出力変化量ΔW:基
準流量からの流量変化量 〔式2〕 D′chan=c0 +c1 *Pr +c2 *Pa
h−c3 *N  Dchan=D′chan+d1 
*ΔP+d2 *ΔP2 +d3 *ΔW+d4 *Δ
W2 上式においてa0 〜a3 、b1 〜b4 、
c1 〜c3 、d1 〜d4 を決定することにより
DCORE及びDchanを決めることができるが、こ
れらの係数は事前に予測計算を数ケース行い、その計算
結果を用いて容易にしかも精度よく決めることができる
【0046】これらの式を予め決定しておくことにより
、現在並びに将来における安定性の度合はPa やRな
ど、炉心性能計算3により得られる値のみで検知できる
こととなり、従来のようにその都度安定性解析を行う必
要がなくなるため計算時間を大幅に短縮できる。また炉
心状態予測計算部6で求まった値を入力として用いれば
将来における安定性の度合も極めて短時間のうちに知る
ことができる。
【0047】従って、通常運転時および運転計画作成時
に現在及び将来の減幅比を計算する場合、炉心性能計算
装置3及び炉心状態予測計算部6で得られた結果を用い
て極めて短時間のうちに精度よく行うことが可能となり
、計算量を大幅に削減できることができる。
【0048】なお、本実施例では、安定性計算装置7の
安定性計算方法を簡略化し、計算時間を短縮する場合に
ついて示したが、このことについて他の実施例も考えら
れる。まず、炉心安定性減幅比とチャンネル安定性減幅
比を表現する式について、Pa 、Rなどを含む項を2
次まで拡張するものである。例えば前述の実施例におけ
るD′CORE及びD′chanは次のようになる。
【0049】〔式3〕   D′CORE=a0 +a1 *R+a1 ′*R
2 −a2 *Pa −a2 ′*Pa 2     
        −a3 *N−a3 ′*N2   
D′chan=c0 +c1 *Pr +c1 ′*P
r 2 +c2 *Pah+c2 ′*Pah2   
          −c3 *N−c3 ′*N2 
このように2次まで拡張することによって精度を上げる
ことができるが、事前に求めるべき係数が増えるので、
2次まで拡張する項を別途検討する必要がある。またそ
の他の実施例としては、炉心安定性減幅比とチャンネル
安定性減幅比を表現する式に、安定性評価パラメーター
の積の項を導入することも考えられる。例えばD′CO
REを評価する時に、R*Pa の項も含めて評価する
ことである。このことにより安定性評価パラメータ同士
が互いに相関をもって減幅比に与えていた効果も評価す
ることができ、炉心安定性減幅比とチャンネル安定性減
幅比を表現する式の信頼性をより高めることができる可
能性がある。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る原子
炉の安定性予測方法及びその装置においては、3次元核
熱水力計算モデルを用いて計算した原子炉の炉心内出力
分布を、原子炉内の局所出力検出器または移動式炉心内
計装系で検出した中性子束分布から求められる補正因子
で補正して現状及び将来の炉心内出力分布を求め、この
炉心内出力分布を用いて安定性解析を行ない、原子炉の
現状及び将来の安定度を予測するようにしているので、
常に安定性を確保した運転が実現でき、原子炉の安定性
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る原子炉の安定性予測装
置を示すブロック図。
【図2】径方向分布指標と炉心安定性減幅比との関係を
示すグラフ。
【図3】炉心平均軸方向ピーキング及びその発生ノード
と炉心安定性減幅比との関係を示すグラフ。
【図4】ホットチャンネル径方向出力ピーキングとチャ
ンネル安定性減幅比との関係を示すグラフ。
【図5】ホットチャンネル軸方向出力ピーキング及びそ
の発生ノードとチャンネル安定性減幅比との関係を示す
グラフ。
【図6】原子炉出力及びポンプ速度と炉心安定性減幅比
との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1  原子炉 2  炉心 3  炉心性能計算装置 4  炉心現状監視計算部 5  補正因子計算部 6  炉心状態予測計算部 7  安定性計算装置 8  安定性現状監視計算部 9  安定性予測計算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉の炉心内出力分布を、3次元核熱水
    力計算モデルを用いて計算するとともに、原子炉内の局
    所出力検出器または移動式炉心内計装系で検出される中
    性子束分布を用いて前記炉心内出力分布の補正因子を決
    定し、この補正因子により前記炉心内出力分布を補正し
    て現状及び将来の炉心内出力分布を求め、求められた炉
    心内出力分布を用いて安定性解析を行ない、原子炉の現
    状及び将来の安定度を予測することを特徴とする原子炉
    の安定性予測方法。
  2. 【請求項2】原子炉の炉心内出力分布を3次元核熱水力
    計算モデルを用いて計算する炉心現状監視計算部と;原
    子炉内の局所出力検出器または移動式炉心内計装系で検
    出される中性子束分布を用いて炉内出力分布の補正因子
    を決定し、この補正因子を前記炉心現状監視計算部に与
    えて炉心内出力分布を補正させる補正因子計算部と;補
    正後の炉心内出力分布の入力により、現状の炉心状態の
    安定性余裕を計算する安定性現状監視計算部と;3次元
    核熱水力計算モデルを用いて将来の炉心内出力分布を計
    算するとともに、前記補正因子計算部からの補正因子に
    より、将来の炉心内出力分布を補正する炉心状態予測計
    算部と;補正後の将来の炉心内出力分布の入力により、
    将来の炉心状態の安定性余裕を計算する安定性予測計算
    部と;を具備することを特徴とする原子炉の安定性予測
    装置。
JP3009886A 1991-01-30 1991-01-30 原子炉の安定性予測方法及びその装置 Pending JPH04252998A (ja)

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