JP2777004B2 - 原子炉内流量の測定方法およびその測定システム - Google Patents

原子炉内流量の測定方法およびその測定システム

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JP2777004B2 JP3294569A JP29456991A JP2777004B2 JP 2777004 B2 JP2777004 B2 JP 2777004B2 JP 3294569 A JP3294569 A JP 3294569A JP 29456991 A JP29456991 A JP 29456991A JP 2777004 B2 JP2777004 B2 JP 2777004B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は原子炉の炉心流量を測
定する原子炉内流量の測定技術に係り、特に沸騰水型原
子炉の炉心流量をオンラインリアルタイムで高精度に測
定する原子炉内流量の測定方法およびその測定システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】軽水炉としての沸騰水型原子炉は、原子
炉圧力容器内に炉心を収容する一方、炉心の周りのダウ
ンカマ部にジェットポンプを複数台周方向に間隔をおい
て配置している。ジェットポンプは原子炉再循環系の運
転により駆動され、周囲の原子炉冷却材(炉水)を巻き
込んで炉心下部プレナムに案内し、必要な炉心流量を確
保するようになっている。
【0003】従来の沸騰水型原子炉の炉心流量の測定
は、ジェットポンプの出入口に差圧測定手段を設け、こ
の差圧測定手段にてジェットポンプ出入口の差圧を測定
し、この差圧から各ジェットポンプを流れる原子炉冷却
材流量を測定し、原子炉炉心部に案内される炉心流量を
測定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の沸騰水型原子炉
では、ジェットポンプ出入口の差圧を計測して炉心流量
を測定するようになっているため、ジェットポンプの出
入口に差圧が発生している場合には、炉心流量を正確に
測定することができるが、自然循環型原子炉のようにジ
ェットポンプを設置しないタイプの原子炉や、ジェット
ポンプを備えていても自然循環流動状態でジェットポン
プの出入口の差圧が小さく、微小値を示す状態では、炉
心流量の流量測定誤差が大きく、流量測定を高精度に行
なうことができなかった。
【0005】この発明は、上述した事情を考慮してなさ
れたもので、原子炉の炉心流量を、複雑な炉内計装装置
を増やすことなく、オンラインリアルタイムで高精度に
安定的に測定することができる原子炉内流量の測定方法
およびその測定システムを提供することを目的とする。
【0006】この発明の他の目的は、既設の軽水炉に対
しても既存の炉内計装設備を利用して炉心流量を高精度
かつ正確に測定し、流量測定の簡素化や、運転性および
信頼性の向上を図ることができる原子炉内流量の測定方
法およびそのシステムを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係る原子炉内
流量の測定方法は、上述した課題を解決するために、請
求項1に記載したように、中性子束の強度測定を行なう
ローカルパワーレンジモニタ(LPRM)からのLPR
M信号をコンピュータに入力し、このコンピュータにて
前記LPRM信号を、炉出力と流動様式の相関関係デー
タおよび統計数学的方法により信号処理し、ボイド率、
ボイド上昇速度および液層上昇速度を求め、上記ボイド
率、ボイド上昇速度および液層上昇速度から計測断面領
域の断面流量を求め、各断面流量を積算して炉心流量を
求め、炉心を通る炉心流量を測定する方法である。
【0008】また、上述した課題を解決するために、こ
の発明に係る原子炉内流量の測定システムは、原子炉の
炉心部にローカルパワーレンジモニタを設置し、このロ
ーカルパワーレンジモニタからのLPRM信号を入力し
て信号処理するコンピュータを設け、このコンピュータ
は、LPRM信号からボイドの上昇速度を計算する統計
処理回路と、炉出力とこの炉出力に基づくボイド率推定
モデルからボイド率を計算する解析処理回路と、前記統
計処理回路のボイド上昇速度と解析処理回路のボイド率
とから液層上昇速度を演算する演算処理回路と、前記ボ
イド率とボイド上昇速度と液層上昇速度とから計測断面
領域の断面流量を求め、各断面流量を積算して炉心流量
を求める流量演算処理回路とを備え、炉心を通る炉心流
量を測定するようにしたものである。
【0009】
【作用】この発明は、沸騰水型原子炉に炉出力計装用に
設けられているローカルパワーレンジモニタを積極的に
利用し、ローカルパワーレンジモニタからのLPRM信
号をコンピュータに入力して炉出力と流動様式の相関関
係データを統計数学的方法により信号処理し、ボイド
率、ボイド(気相)上昇速度および液層上昇速度をそれ
ぞれ求め、このボイド率、ボイド上昇速度および液層上
昇速度を演算処理して原子炉炉心内を上昇する炉心流量
をオンラインリアルタイムで高精度に測定することがで
きる。
【0010】この発明に係る原子炉内流量の測定システ
ムは、炉出力測定用に設けられた既存の炉内計装設備を
積極的に利用することができ、炉心流量を測定するため
に複雑な炉内計装装置を新たに追加して設置する必要が
ない。
【0011】また、この原子炉内流量の測定方法および
その測定システムはローカルパワーレンジモニタからの
LPRM信号をコンピュータにて信号処理することによ
り、炉心流量を精度よく正確に測定できるので、自然循
環型炉心でジェットポンプがない場合や、ジェットポン
プがあってもその出入口差圧が小さく、微小値を示す場
合でも、炉心流量を正確に測定でき、流量測定の簡素化
や、運転性および信頼性の向上を図ることができる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の一実施例について添付図面
を参照して説明する。
【0013】図1はこの発明を適用した軽水炉としての
沸騰水型原子炉を示す略示的な縦断面図である。この沸
騰水型原子炉は図示しない原子炉格納容器に格納された
原子炉圧力容器10を有し、原子炉圧力容器10内に炉
心11が収容される。炉心11は周囲が炉心シュラウド
12で囲まれる一方、炉心シュラウド12内上部に上部
格子板13が、その下部に炉心支持板14が設けられ
る。炉心シュラウド12はシュラウドヘッド15により
覆われている。
【0014】また、炉心シュラウド12と原子炉圧力容
器10の内周壁との間に環状(スリーブ状)のダウンカ
マ部17が形成され、このダウンカマ部17にジェット
ポンプ18が周方向に間隔をおいて複数台設けられる。
ジェットポンプ18には原子炉再循環系19を通って再
循環される冷却材が噴射されるようになっており、この
冷却材噴射によりダウンカマ部17周辺の炉水を巻き込
んで原子炉冷却材を炉心下方の下部プレナム20に案内
している。
【0015】炉心下部プレナム20に案内された原子炉
冷却材はここで反転して上昇し、炉心11を通る間に加
熱作用を受けて沸騰し、気液二相流となって炉心上部プ
レナム21に送られる。
【0016】炉心上部プレナム21に案内された気液二
相流は炉心上方の気水分離器22に案内され、ここで高
温水と蒸気とに分離される。分離された蒸気は続いて蒸
気乾燥器23に送られて乾燥作用を受け、乾き蒸気とな
って主蒸気ノズル24から図示しない蒸気タービンに送
られ、仕事をするようになっている。蒸気タービンで仕
事をした蒸気は復水器で冷却されて復水となる。
【0017】一方、気水分離器22で分離せしめられた
高温水は、復水器から原子炉復水給水系(図示せず)を
経て送られる給水と混合され、ダウンカマ部17に案内
される。
【0018】また、1100MWe級の沸騰水型原子炉
の炉心11は、炉心支持板14と上部格子板13との間
に図2に示すように4体一組の燃料集合体25が多数組
装荷されており、4体一組の燃料集合体25間に横断面
十字状の制御棒26が出し入れ可能に挿入される。制御
棒26は図示しない制御棒駆動機構により出し入れ操作
される。
【0019】この沸騰水型原子炉の炉心11では、核分
裂を始める原子炉の起動状態から全出力までを中性子源
領域モニタ(SRM)検出器28、中間領域モニタ(I
RM)検出器29および出力領域モニタ(PRM)検出
器30に分けて計測するようになっている。SRM検出
器30は中性子源31領域の中性子束監視のため4個設
けられ、IRM検出器29は起動状態から全出力に至る
中間領域の中性子束監視を行なっている。
【0020】また、PRM検出器30は1100MWe
級の沸騰水型原子炉の炉心11では例えば43箇所に設
けられ、各PRM検出器30は図3に示すように独立し
た4個の中性子検出器であるローカルパワーレンジモニ
タ(以下、LPRMという。)32A〜32Dが軸方向
に間隔をおいて配置される。PRM検出器30には各L
PRM32A〜32Dの較正と炉心軸方向の中性子束分
布の測定のために移動式炉心内計装(TIP)系検出器
33が較正用導管34内を移動自在に設けられる。
【0021】しかして、各検出器28,29および30
で検出された検出信号、例えばPRM検出器30の各L
PRM32A〜32Dからの検出信号であるLPRM信
号は信号ケーブル35から図示しない出力ケーブルを介
して図4に示すコンピュータ37に入力され、このコン
ピュータ37にて信号処理され、炉出力が計測されるよ
うになっている。この炉出力は制御棒26の出し入れと
ともに炉心流量の変動によっても変化するので、炉心流
量を正確に測定することは炉出力をウォッチする上で重
要な要素となる。
【0022】ところで、本発明による炉心流量を測定す
る原子炉内流量の測定システムは、既存のLPRM32
A〜32DからのLPRM信号を利用したもので、新た
な炉内計測設備の追加を必要としない。新たに炉内計測
設備を追加しなくても、各LPRM32A〜32Dから
のLPRM信号をコンピュータ37にて信号処理するこ
とにより、原子炉の炉心11を通る炉心流量を正確にオ
ンラインリアルタイムで精度よく測定できる。
【0023】コンピュータ37は各LPRM32A〜3
2DからのLPRM信号を入力して信号処理するもの
で、入力された各LPRM信号からボイド(気相)の上
昇速度Aを計算する統計処理回路38と、炉出力に基づ
くボイド率推定モデルからボイド率Bを計算する解析処
理回路39と、上記ボイドの上昇速度Aとボイド率Bか
ら液層上昇速度Cを演算する演算処理回路40と、上記
ボイドの上昇速度Aとボイド率Bと液層上昇速度Cとか
ら計測断面領域の断面流量Dを求め、この断面流量Dを
積算して炉心流量Qを求める流量演算回路41とを備え
ている。
【0024】コンピュータ37は、また、沸騰水型原子
炉炉心11用のシミュレーション回路43を有する。シ
ミュレーション回路43には、既知の設計データである
自然循環BWR炉心や強制循環炉心のシミュレーション
解析用データが内蔵されている。既知のシミュレーショ
ン解析用データには炉心データやLPRMのデータ等が
ある。
【0025】シミュレーション回路43は統計処理回路
38や解析処理回路39に接続され、既知のLPRMシ
ミュレーションデータを統計処理回路38や解析処理回
路39に出力している。
【0026】一方、統計処理回路38は各PRM検出器
30のLPRM32A〜32DからLPRM信号が入力
され、炉心11のLPRM位置情報や計装チャンネル周
辺の幾何学情報、炉心11の圧力、温度等のプロセス情
報に基づきカルマンフィルタ等の統計数学的方法により
統計処理されてボイド(気相)上昇速度Aを求めてい
る。
【0027】PRM検出器30の各LPRM32A〜3
2Dは原子炉内の中性子束強度測定のために設置されて
いるが、原子炉炉心11内に蒸気ボイド45の発生があ
ると、発生した蒸気ボイド45が中性子束強度に影響を
与え、各LPRM32A〜32Dで検出されるLPRM
信号は図5に示すように中性子束強度変化を受けて信号
変化が生じる。したがって、PRM検出器30の各LP
RM32A〜32Dで検出されたLPRM信号を信号処
理し、その信号変化とその時間遅れを測定することによ
り、ボイドの通過を測定することができる。統計処理回
路38は各LPRM32A〜32DからのLPRM信号
の信号変化とその時間遅れ、すなわち中性子束強度の時
間遅れからカルマンフィルタ等の統計数学的方法により
統計処理してボイド上昇速度を求めるようになってい
る。
【0028】また、解析処理回路39は、各LPRM3
2A〜32DからのLPRM信号を入力して炉心核特性
情報や炉心プロセス(温度・圧力)情報を解析し、原子
炉出力や炉心の反応度変化、蒸気の重量割合であるクオ
リティを求める解析計算回路47と、この解析計算回路
47で解析計算されたデータを統計数学的方法によりボ
イド率統計解析推定してボイド率Bを推定する解析推定
回路48とを備えており、解析計算回路47にて解析計
算されたクオリティから既知のボイド−クオリティ相関
式49で求めたものと、原子炉出力・反応度変化からシ
ミュレーション回路を利用して求めたものから解析推定
回路にてカルマンフィルタ等の統計解析的手法によりボ
イド率Bを推定し、測定している。
【0029】しかして、統計処理回路38で求められた
ボイド上昇速度Aと解析処理回路39で求められたボイ
ド率Bとが演算処理回路40に入力され、入力されたボ
イド上昇速度Aとボイド率Bとから既知のドリフトフラ
ックスモデル等に基づく流動様式のフローパターン相関
関係データおよびドリフト速度等が考慮されて液層上昇
速度Cが演算処理により求められ、推定される。あるい
は液層と気層(ボイド)の上昇速度差はスリップ比から
求めることができ、また、スリップ比から液相上昇速度
が推定できる。
【0030】このようにして、各LPRM32A〜32
DからのLPRM信号を統計処理回路38で統計処理す
ることによりホイド上昇速度Aが、また各LPRM信号
を解析処理回路39で解析処理することによりボイド率
Bがそれぞれ求められ、これらのボイド上昇速度Aとボ
イド率Bを演算処理管路40で流動様式の相関関係デー
タやドリフト速度等を考慮して演算処理することにより
液層上昇速度Cが求められる。
【0031】そして、これらのボイド上昇速度Aやボイ
ド率Bおよび液層上昇速度Cは、流量演算処理回路41
に入力されて演算処理される。流量演算処理回路41で
は、各PRM検出器30の計測領域毎の断面流量Qiが
求められる。この断面流量Qiは、
【0032】
【数1】
【0033】で得ることができ、求められた断面流量Q
iから炉心流量Qは次式で求められる。
【0034】
【数2】
【0035】なお、ボイド密度や液層密度は炉心のプロ
セス情報(温度、圧力等)から得られ、既知の物性値デ
ータである。
【0036】このようにして、各LPRM32A〜32
DからのLPRM信号をコンピュータ37により統計数
学的方法により信号処理することにより、炉心流量を正
確にオンラインリアルタイムで測定することができる。
【0037】次に、原子炉内流量の測定システムを用い
た炉心流量の測定原理を図6に、また炉心流量測定のた
めのブロックダイアグラムを図7にそれぞれ示す。
【0038】この測定システムは、沸騰水型原子炉の炉
心部に内蔵されているLPRM32A〜32DからのL
PRM信号を利用し、このLPRM信号を、統計数学的
方法や炉出力と流動様式の相関関係が予め内蔵されてい
るコンピュータ37により信号処理して炉心流量を求め
るものである。この測定システムは、各LPRM32A
〜32DからのLPRM信号をコンピュータ37に入力
し、複数の流量推定モデル50,51により流量推定を
行ない、各推定された流量から統計数学的方法による最
小誤差とする最適化理論により炉心流量を推定し、オン
ラインで計測するようにしたものである。
【0039】この測定システムは具体的には、図7に簡
略的に示すブロックダイアグラムにより信号処理され
る。
【0040】炉心11に装荷された各LPRM32A〜
32DからのLPRM信号は、統計処理回路38である
ブロック1により各区間分のボイド上昇速度Aが統計数
学的方法により求められる。ブロック1には例えば蒸気
ボイド・スラグの上昇モデルを組み込んだカルマンフィ
ルタが備えられている。
【0041】また、各LPRM信号は解析処理回路39
であるブロック2により各区間毎のボイド率Bが統計数
学的方法により推定される。ブロック2には例えば中性
子束動特性に基づくボイド率推定モデルカルマンフィル
タまたは統計的推定回路が解析推定回路48として備え
られている。
【0042】ここにおいて、カルマンフィルタ53は、
図8に示すように表わされ、逐次的に得られるLPRM
信号等の原子炉計測データを計測精度情報を取り入れた
計測過程モデル55によって補正した物理量推定値と、
原子炉運転・制御パラメータに関するプロセス制御情報
およびプロセス量変動情報からプラント物理モデル56
を使って推定した物理量推定値とを、統計数学的に最小
誤差となるようにカルマンゲインKで適切に重み付けし
て加算することによって、高精度の物理量推定値(例え
ば、ボイド率やボイド上昇速度)を得るようになってい
る。カルマンゲインKは計測精度情報やフィルタ推定値
と計測データとのずれから、逐次算出された値である。
【0043】また、上記のカルマンフィルタ53におい
て、計測精度情報はLPRM計測センサの仕様・性能で
資料や経験から得られる情報であり、またプロセス制御
情報は原子炉のプラント設計や運転状態に関する知識か
ら得られる情報であり、さらにプロセス量変動情報は原
子炉のプラント機器の仕様や運転モード、実測等の知識
から取得した情報である。カルマンフィルタ53はコン
ピュータ37の統計処理回路38や解析推定回路48に
用いられ、ボイド上昇速度Aやボイド率Bの物理量を精
度よく推定し、測定するようになっている。カルマンフ
ィルタ53以外の統計数学的方法による最小誤差とする
最適化理論を用いてもよい。
【0044】このようにして求められたボイド上昇速度
Aやボイド率Bは演算処理回路40であるブロック3に
入力され、ここで既知のドリフトフラックスモデルから
ボイド分布定数やドリフト速度を基にして液層上昇速度
Cが推定され、求められる。ブロック4はボイド分布定
数やドリフト速度、ボイド−クオリティ相関式、フロー
パターンの既知のデータが物性値テーブルとして予め備
えられているもので、例えば図4のシミュレーション回
路43に内含されている。
【0045】また、ブロック1〜3で推定され、求めら
れたボイド上昇速度Aやボイド率Bおよび液層上昇速度
Cから既知のボイド密度や液相密度を考慮して流量演算
処理回路41であるブロック5により炉心流量Qが精度
よく推定され、求められる。
【0046】
【発明の効果】以上に述べたようにこの発明において
は、沸騰水型原子炉の炉出力計装用に設けられているロ
ーカルパワーレンジモニタを積極的に利用し、ローカル
パワーレンジモニタからのLPRM信号をコンピュータ
に入力して炉出力と流動様式の相関関係データを統計数
学的方法により信号処理し、ボイド率やボイド上昇速
度、液層上昇速度をそれぞれ求め、このボイド率やボイ
ド上昇速度、液層上昇速度を解析・演算処理し、炉心差
圧が小さな場合や自然循環型炉心であっても、原子炉炉
心内の炉心流量を正確にオンラインリアルタイムで高精
度に測定することができる。
【0047】この発明に係る原子炉内流量の測定方法お
よび測定システムは、炉出力計装用に設けられた既存の
炉内計装設備を積極的に利用できるので、複雑な炉内計
装装置を新たに追加する必要がない。
【0048】また、この発明は、ローカルパワーレンジ
モニタからのLPRM信号をコンピュータにて信号処理
することにより、炉心流量を精度よく正確に測定できる
ようにしたので、自然循環炉心のようにジェットポンプ
がない場合や、ジェットポンプがあってもそのポンプ出
入口の差圧が小さく、微小値をとる場合にも、炉心流量
を正確に測定でき、流量測定の簡素化や信頼性の向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る原子炉内流量の測定システムを
備えた沸騰水型原子炉の縦断面図。
【図2】上記沸騰水型原子炉の炉心構造を示す平面図。
【図3】沸騰水型原子炉の炉心に装荷されるPRM検出
器を示す縦断面図。
【図4】この発明に係る原子炉内流量の測定システムの
一実施例を示す図。
【図5】PRM検出器の各LPRMからの出力信号とボ
イド通過との関係を示すグラフ。
【図6】原子炉内流量を統計数学的方法により測定する
測定原理を示す概略図。
【図7】この発明に係る原子炉内流量の測定システムで
用いられる測定方法を示すブロックダイアグラム。
【図8】図7のブロックダイアグラムに備えられるカル
マンフィルタを例示する図。
【符号の説明】
10 原子炉圧力容器 11 炉心 12 炉心シュラウド 15 シュラウドヘッド 17 ダウンカマ部 18 ジェットポンプ 20 炉心下部プレナム 21 炉心上部プレナム 22 気水分離器 23 蒸気乾燥器 25 燃料集合体 26 制御棒 30 PRM検出器(出力領域モニタ検出器) 32A〜32D LPRM(ローカルパワーレンジモニ
タ) 37 コンピュータ 38 統計処理回路 39 解析処理回路 40 演算処理回路 41 流量演算処理回路 43 シミュレーション回路 45 蒸気ボイド 47 解析計算回路 48 解析推定回路 53 カルマンフィルタ A ボイド上昇速度 B ボイド率 C 液層上昇速度 D 計測断面領域の断面流量(Qi) Q 炉心流量

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中性子束の強度測定を行なうローカルパワ
    ーレンジモニタ(LPRM)からのLPRM信号をコン
    ピュータに入力し、このコンピュータにて前記LPRM
    信号を、炉出力と流動様式の相関関係データおよび統計
    数学的方法により信号処理し、ボイド率、ボイド上昇速
    度および液層上昇速度を求め、上記ボイド率、ボイド上
    昇速度および液層上昇速度から計測断面領域の断面流量
    を求め、各断面流量を積算して炉心流量を求め、炉心を
    通る炉心流量を測定することを特徴とする原子炉内流量
    の測定方法。
  2. 【請求項2】 原子炉の炉心部にローカルパワーレンジ
    モニタ(LPRM)を設置し、このローカルパワーレン
    ジモニタからのLPRM信号を入力して信号処理するコ
    ンピュータを設け、このコンピュータは、LPRM信号
    からボイドの上昇速度を計算する統計処理回路と、炉出
    力とこの炉出力に基づくボイド率推定モデルからボイド
    率を計算する解析処理回路と、前記統計処理回路のボイ
    ド上昇速度と解析処理回路のボイド率とから液層上昇速
    度を演算する演算処理回路と、前記ボイド率とボイド上
    昇速度と液層上昇速度とから計測断面領域の断面流量を
    求め、各断面流量を積算して炉心流量を求める流量演算
    処理回路とを備え、炉心を通る炉心流量を測定するよう
    にしたことを特徴とする原子炉内流量の測定システム。
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