JP2003057384A - 原子力発電所の炉心流量計測演算方法およびその装置 - Google Patents

原子力発電所の炉心流量計測演算方法およびその装置

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JP2003057384A
JP2003057384A JP2001243003A JP2001243003A JP2003057384A JP 2003057384 A JP2003057384 A JP 2003057384A JP 2001243003 A JP2001243003 A JP 2001243003A JP 2001243003 A JP2001243003 A JP 2001243003A JP 2003057384 A JP2003057384 A JP 2003057384A
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Toshihiro Fujii
敏浩 藤井
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Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉炉心部分の流動抵抗係数の増加が予想さ
れる場合にも、計測される炉心差圧または炉心支持板差
圧から炉心流量を正確に精度よく求めたものである。 【解決手段】原子力発電所の炉心流量計測演算装置は、
炉心差圧計測装置44、炉心支持板差圧計測装置45、
再循環ポンプ前後間差圧計測装置46を備え、各差圧計
測装置44,45,46で原子炉炉心部の炉心差圧、炉
心支持板差圧、再循環ポンプ前後間差圧を原子炉運転時
に経時的に測定する。測定された炉心差圧、炉心支持板
差圧および再循環ポンプ前後間差圧データをプロセス計
算機60に入力して、炉心差圧または炉心支持板差圧か
ら予め内蔵された炉心熱水力計算コードを用いて演算処
理し、炉心流量や原子炉炉心部分の流動抵抗係数を求め
る。この炉心流量は、原子炉炉心部の流動抵抗係数の増
加を考慮して修正し、炉心流量を正確に精度よく求めた
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所の炉
心流量計測演算方法およびその装置に係り、特に原子炉
の運転に伴う原子炉冷却材の流動抵抗係数の経時的増加
を考慮して炉心流量を正確に精度よく求めることができ
る炉心流量計測演算方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電所においては原子炉
圧力容器にある原子炉燃料内で発生するウラン等の核燃
料の核分裂量を制御し、かつ核分裂によって発生した熱
を有効に除去するために冷却材である水を強制的に循環
させる方式を採用している。原子炉冷却材の循環量(=
炉心流量)は多ければ多いほど、ウラン等の核燃料の核
分裂は促進され原子炉の出力は増加する。逆に、原子炉
冷却材の循環量が少なければ少ないほど、核燃料の核分
裂の数は減少し原子炉出力は低下する。
【0003】このように原子炉炉心部分を流れる炉心流
量によって原子炉の出力が決定される。炉心流量が多い
と原子炉炉心部で発生する気泡(ボイド)の量が少なく
なり、気泡の量が少なくなると核燃料の核分裂によって
生成される高速中性子が減速されやすくなり、高速中性
子が減速されていわゆる比較的速度の遅い熱中性子が多
く生成される。熱中性子が多く生成されると、次の核燃
料の核分裂が促進されて原子炉の出力が増加する。ま
た、原子炉の炉心部分を流れる炉心流量が少ない場合に
はこれとは逆の過程を辿って気泡の量が多くなり、原子
炉出力は低下する。
【0004】また、原子炉の炉心部分を流れる炉心流量
は原子炉出力を制御すると共に核分裂で発生した熱を原
子炉燃料から除去するものである。このため、原子炉の
炉心流量が原子炉で発生する出力に見合う量に満たない
場合には、原子炉燃料表面で冷却量が不足し、冷却不全
に陥る可能性がある。このように、沸騰水型原子力発電
所において原子炉の炉心流量は原子炉の制御、運転、安
全の観点から極めて重要な物理量であり、より高い精度
に計測または計算することが要求されている。
【0005】一方、沸騰水型原子力発電所においては、
原子炉の運転に伴って原子炉炉心部分の流動抵抗係数が
経時的に増加する可能性がある。原子炉炉心部分の流動
抵抗係数が増加するのは、原子炉冷却材中に含まれる金
属イオンやクラッド等の不純物が炉内構造物の表面に付
着することが原因であると考えられている。
【0006】原子炉炉心部分の流動抵抗係数の増加を抑
制するためには、原子炉冷却材を何らかの方法で浄化す
ればよいが、原子炉圧力容器内を循環する高温・高圧の
冷却材を浄化することに困難性を伴い、実際には金属イ
オンや不純物を完全に除去することは難しい。
【0007】また、原子炉炉心部分の流動抵抗係数が増
加した場合であっても、炉心差圧や炉心支持板差圧の計
測により流動抵抗係数を定量化することが可能であれ
ば、炉心差圧や炉心支持板差圧の計測による測定値を炉
心熱水力計算コードの入力値として用いて解析すると、
正しい解析結果を得ることができ、炉心流量を正確に求
めることができる。ここにおいて、炉心差圧とは原子炉
圧力容器内の炉心下部プレナムと炉心上部プレナムとの
間の差圧をいい、炉心差圧は原子炉炉心部分の流動抵抗
係数の増加によって増加していく性質を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】沸騰水型原子炉の設計
や運転管理において、炉心差圧や炉心支持板差圧を正し
く評価することは、炉心流量ひいては原子炉出力を正確
に演算するために大変重要であるが、炉心差圧や炉心支
持板差圧は原子炉の運転とともに経時的に変化すること
が予想される。
【0009】しかし、沸騰水型原子力発電所において、
原子炉の運転中に金属イオンや不純物の付着量を実際に
測定することは困難であり、現在の原子炉測定技術では
原子炉炉心部分の流動抵抗係数を正しく把握できない課
題を有している。
【0010】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、原子炉炉心部分の流動抵抗係数の増加が予想
される場合にも、計測される炉心差圧または炉心支持板
差圧から炉心流量を正確に精度よく求めることができる
原子力発電所の炉心流量計測演算方法およびその装置を
提供することを目的とする。
【0011】本発明の他の目的は、原子炉冷却材中の金
属イオンや不純物付着により、炉心部分の流動抵抗係数
値の増加が予想される場合にも、計測される炉心差圧や
炉心支持板差圧から炉心流量を正確に求め、原子炉出力
を精度よく正確に測定できるようにした原子力発電所の
炉心流量計測演算方法およびその装置を提供するにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子力発電
所の炉心流量計測演算方法は、上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載したように、原子炉炉心部の炉
心差圧または炉心支持板差圧を原子炉運転に伴い経時的
に測定し、この炉心差圧または炉心支持板差圧をプロセ
ス計算機内蔵の炉心熱水力計算コードに適用して演算処
理し、原子炉炉心部を流れる炉心流量を求める方法であ
る。
【0013】本発明に係る原子力発電所の炉心流量計測
演算方法は、上述した課題を解決するために、請求項2
に記載したように、原子炉炉心部の炉心差圧または炉心
支持板差圧と再循環ポンプ前後間差圧とを原子炉運転に
伴い経時的に測定し、測定された炉心差圧または炉心支
持板差圧と再循環ポンプ前後間差圧との相関関係を示す
直線の傾きαから原子炉炉心部分の流動抵抗係数の増加
割合を求める方法である。
【0014】上述した課題を解決するために、本発明に
係る原子力発電所の炉心流量計測演算方法は、請求項3
に記載したように、前記炉心差圧または炉心支持板差圧
と再循環ポンプ前後間差圧との相関関係直線の傾きαの
原子炉運転直後の値と現在の値から原子炉炉心部分の流
動抵抗係数の増加割合を求め、前記炉心差圧または炉心
支持板差圧から炉心流量を前記流動抵抗係数の増加割合
を用いて修正して求める方法である。
【0015】本発明に係る原子力発電所の炉心流量計測
演算方法は、上述した課題を解決するために、請求項4
に記載したように、原子炉炉心部の炉心差圧または炉心
支持板差圧を原子炉運転に伴い経時的に測定し、測定さ
れた炉心差圧または炉心支持板差圧をプロセス計算機内
蔵の炉心熱水力計算コードに適用して演算処理し、炉心
流量を求め、この炉心流量に原子炉炉心部の流動抵抗計
数の増加割合εの平方根√εの逆数を乗じて炉心流量を
修正する方法である。
【0016】本発明に係る原子力発電所の炉心流量計測
演算装置は、上述した課題を解決するために、請求項5
に記載したように、原子炉炉心部の炉心差圧を測定する
炉心差圧計測装置および原子炉炉心部の炉心支持板差圧
を測定する炉心支持板差圧計測装置の少なくとも一方
と、原子炉再循環ポンプ上流側および下流側の差圧であ
る再循環ポンプ前後間差圧を測定する再循環ポンプ差圧
計測装置と、前記各差圧計測装置で測定された炉心差圧
または炉心支持板差圧および再循環ポンプ前後間差圧デ
ータを入力する一方、炉心熱水力コードが予め内蔵され
たプロセス計算機とを備え、このプロセス計算機は測定
された炉心差圧または炉心支持板差圧を炉心熱水力計算
コードに適用して演算処理して炉心流量を求め、炉心差
圧または炉心支持板差圧と再循環ポンプ前後間差圧との
相関関係を示す直線の傾きαから原子炉炉心部分の流動
抵抗係数の増加割合を求め、この流動抵抗係数の増加割
合を用いて前記炉心流量を修正したものである。
【0017】上述した課題を解決するために、本発明に
係る原子力発電所の炉心流量計測演算装置は、請求項6
に記載したように、前記相関関係を示す直線の傾きαの
原子炉運転直後の値と現在の値から原子炉炉心部分の流
動抵抗係数の増加割合を求めたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る原子力発電所の炉心
流量計測演算方法およびその装置の実施の形態について
添付図面を参照して説明する。
【0019】図1は本発明が適用される改良型沸騰水型
原子力発電所を簡略的に示す構成図である。
【0020】この原子力発電所10は、図示しない原子
炉格納容器内に格納される原子炉圧力容器11を有し、
この原子炉圧力容器11内に原子炉炉心12が収容され
る。原子炉炉心12は炉心支持板13上に据え付けられ
て支持される。原子炉炉心12は炉心シュラウド14で
囲まれる一方、炉心シュラウド14上方に気水分離器1
5が設置され、この気水分離器15で原子炉炉心12を
通る気液二相流が気液分離される。気水分離された気相
分は、図示しない蒸気乾燥器にて乾燥され、乾き蒸気と
なって主蒸気管17に案内される。
【0021】原子炉で発生した蒸気は主蒸気管17を経
て蒸気タービン18に導かれ、この蒸気タービン18を
回転駆動させて同軸上に接続された発電機19を駆動さ
せる。蒸気タービン18で仕事をし、膨張した蒸気は続
いて復水器20に案内されて冷却され、凝縮して復水と
なる。この復水は原子炉復水・給水系21を通って給水
となり、給水ポンプ22により原子炉圧力容器11内に
給水される。
【0022】一方、気水分離器15で気水分離された液
相分は、給水ポンプ22から原子炉圧力容器11内に供
給される給水と合流し、ダウンカマ領域24で混合せし
められ、原子炉内再循環ポンプ25により原子炉炉心1
2下方の炉心下部プレナム26に案内される。
【0023】原子炉再循環ポンプ25は原子炉圧力容器
11の下鏡部に周方向に複数台、例えば10台設置され
る。原子炉再循環ポンプ25はモータ部27とポンプ部
28を有し、モータ部27の駆動によりポンプ部28は
回転せしめられる。ポンプ部28はダウンカマ領域24
に設けられたポンプデッキ部29に設置される。ダウン
カマ領域24は原子炉圧力容器11と炉心シュラウド1
4とで囲まれた円筒状あるいは環状の領域であり、ダウ
ンカマ領域24に原子炉再循環ポンプ25のポンプ部2
8が設置される。
【0024】原子炉再循環ポンプ25の駆動により、ダ
ウンカマ領域24に存在する液相の原子炉冷却材(炉
水)は下降流となって炉心下部プレナム26に案内され
る。炉心下部プレナム26に案内された原子炉冷却材は
ここで反転して原子炉炉心12に案内され、この原子炉
炉心12を通る間に原子炉燃料の核分裂で発生した熱を
吸収し、原子炉炉心12を冷却している。原子炉炉心1
2を通る間に原子炉燃料の核分裂に伴う熱作用を受けて
加熱された原子炉冷却材は気液二相流となって、炉心上
部プレナム30を経て気水分離器12に導かれ、ここで
気相(蒸気)と液相に分離される。
【0025】一方、図2は原子炉圧力容器11内に収納
される原子炉炉心12部分の下部構成を示す。原子炉炉
心12の内部には多数、例えば数百本の燃料集合体33
が格納されており、各燃料集合体33は炉心支持板13
に設けられた燃料支持金具34に保持される。
【0026】燃料集合体33は角筒状のチャンネルボッ
クス35内に多数の燃料棒36,36が収納される。各
燃料棒36,36は軸方向に適宜間隔を置いて配置され
た燃料スペーサ37,37により間隔保持されて燃料バ
ンドル38が構成される。燃料集合体33は、チャンネ
ルボックス35の下方に設けられた下部タイプレート3
9が燃料支持金具34に係合して保持される。
【0027】また、原子炉再循環ポンプ25のポンプ作
動により、原子炉冷却材は炉心下部プレナム26を径由
して燃料集合体33の下部より上部に向かって流れる。
炉心下部プレナム26から燃料集合体33に炉心入口オ
リフィス40を経て原子炉冷却材が流入する。炉心入口
オリフィス40に流入した原子炉冷却材は、続いて燃料
支持金具34、下部タイプレート39を径由して、燃料
棒36に到達する。
【0028】その際、原子炉炉心12を通る原子炉冷却
材の総量が炉心流量である。炉心流量の大半は燃料集合
体33のチャンネルボックス35内側を通過して炉心上
部プレナム30に到達する。炉心流量の一部は炉心下部
プレナム26から原子炉炉心12に流入した後、燃料支
持金具34、下部タイプレート39の僅かな隙間から、
燃料集合体33の外側を流れて炉心上部プレナム30に
達する。燃料集合体33のチャンネルボックス35の外
側を通る流れはバイパス流量と呼ばれる。バイパス流量
は通常は炉心流量の全量の一部、例えば通常10%程度
である。このように再循環ポンプ25で駆動された原子
炉冷却材は、炉心下部プレナム26から燃料集合体33
の内側または外側を径由して炉心上部プレナム30に到
達する。
【0029】この原子炉冷却材の流れにおいて、燃料集
合体33、燃料棒36、燃料スペーサ37、あるいは炉
心入口オリフィス40、燃料支持金具34、下部タイプ
レート39等の原子炉炉心部分の炉内構造物の幾何学的
形状や流動抵抗係数等はあらかじめ沸騰水型原子力発電
所の設計段階において正確に求められている。
【0030】ここで、炉内構造物の流動抵抗係数とは一
般に2点間を流れる原子炉冷却材の流量をW、差圧をΔ
P、原子炉冷却材の密度をρとしたとき、
【数1】 で定義されるようなKの値である。なお、流動抵抗係数
Kの定義の方法は他にも種々存在する。原子炉の、より
複雑な流路体系では差圧ΔPが式(2)で示されるよう
に、流量Wの多項式で表現される場合もあり、その場合
には、多項式の係数Kjが予め定められている。
【0031】
【数2】
【0032】ところで、沸騰水型原子力発電所の原子炉
炉心12では、流量Wと差圧ΔPの関係を定量化して数
式にあらわすことが可能であるので、例えば原子炉炉心
12内の差圧を実際に測定すれば、逆に炉心流量を計算
することができる。
【0033】原子炉炉心12において、炉心流量を与え
て差圧を求めたり、逆に差圧を与えて炉心流量を求めた
りする解析プログラムを炉心熱水力計算コードと呼んで
おり、この炉心熱水力計算コードはプロセス計算機に内
蔵されて沸騰水型原子力発電所の設計や運転管理におい
て活用されている。
【0034】炉心熱水力計算コードを用いる解析におい
ては、入力値を構成する原子炉炉心12内各部の幾何学
的な形状や流動抵抗係数を正しく定めることが重要であ
る。通常は原子炉外の試験装置等を用いてあらかじめか
なり良い精度で必要な流動抵抗係数値が正確に求められ
ており、この値は設計値と呼ばれている。
【0035】ところが、炉心熱水力計算コードを用いる
解析において、原子炉炉心部分の炉内構造物を構成する
燃料集合体33の燃料棒36やスペーサ37等の流動抵
抗係数が原子炉の運転にともなって経時的に増加する可
能性があり、解析の結果として得られる炉心流量の値が
正しい値を示さなくなる場合がある。
【0036】流動抵抗係数が増加するのは、原子炉冷却
材中に含まれる金属イオンや不純物がチャンネルボック
ス35に収納される各燃料棒36や燃料スペーサ37等
の構造物表面に付着することが主な原因であると考えら
れる。もちろん、流動抵抗係数が増加した場合であって
も、流動抵抗係数の増加を測定し定量化することが可能
であれば、この測定結果として得られる値を炉心熱水力
計算コードの入力値として用いることによって、正しい
解析結果(炉心流量)を得ることができる。
【0037】炉心下部プレナム26と炉心上部プレナム
30の差圧である炉心差圧は、流動抵抗係数の増加によ
って、増加していく性質のものである。
【0038】沸騰水型原子力発電所の設計や運転管理に
おいて、原子炉炉心12部分の流動抵抗係数の増加を考
慮して炉心差圧や炉心支持板差圧を正しく評価すること
は原子炉出力を正確に測定する上で大変重要である。こ
の流動抵抗係数の増加により、原子炉の運転と共に炉心
差圧や炉心支持板差圧が経時的に変化していくことが予
想される。
【0039】チャンネルボックス35、各燃料棒36や
燃料スペーサ37等の原子炉炉心12部分の炉内構造物
に金属イオンや不純物の付着した量を運転中の沸騰水型
原子力発電所において、実際に測定することは困難であ
る。現在の測定技術では流動抵抗係数の変化ひいては炉
心流量を正しく把握することが困難であった。
【0040】この沸騰水型原子力発電所の炉心流量計測
方法およびその装置においては、実際に測定され、計測
された炉心差圧または炉心支持板差圧の測定値ΔPcか
ら炉心熱水力解析コードを用いて炉心流量を正確に精度
よく演算にて求め得るようにしたものである。
【0041】図3は、沸騰水型原子力発電所の原子炉内
を流れる原子炉冷却材の流動様式を示すものである。
【0042】原子炉再循環ポンプ25で駆動された原子
炉冷却材は炉心下部プレナム26を経て原子炉炉心12
に流入し、燃料集合体33の内側または外側(燃料集合
体33間)を経由して炉心上部プレナム30に至る。炉
心下部プレナム26では原子炉冷却材は単相流である
が、原子炉炉心12内を上昇する間に上昇流はウラン等
の核燃料の核分裂反応によって加熱されるため、炉心上
部プレナム30では気液二相流となり、重量割合で例え
ば15%程度の気泡(ボイド)を含んでいる。この気液
二相流のうち、気相分(蒸気)は主蒸気管17を経て蒸
気タービン18へ、また液相分は気水分離器15から下
降流となってダウンカマ領域24に案内され、このダウ
ンカマ領域24で原子炉復水・給水系21からの給水と
合流し、混合されて原子炉再循環ポンプ25に再び案内
される。
【0043】図3において実線aは、原子炉圧力容器1
1内における炉水としての原子炉冷却材の流れの態様を
示すものであり、原子炉冷却材は原子炉圧力容器11内
で原子炉炉心12とダウンカマ領域24との間を炉心上
部プレナム30および炉心下部プレナム26を経て循環
サイクルを描くように、循環している。
【0044】原子炉冷却材は原子炉圧力容器11内を実
線aで示すように循環しており、この原子炉冷却材の流
れを有する原子炉圧力容器11内において、差圧を検出
するため、数種類の差圧計測装置44,45,46が設
けられる。これらの差圧計測装置は、上部炉心プレナム
30と下部炉心プレナム26の差圧すなわち炉心差圧を
検出する炉心差圧計測装置44、炉心支持板13上下の
差圧すなわち炉心支持板差圧を検出する炉心支持板差圧
計測装置45および原子炉再循環ポンプ25のポンプデ
ッキ部29上下の差圧すなわち再循環ポンプ前後間差圧
を検出する再循環ポンプ差圧計測装置46である。
【0045】炉心差圧計測装置44は炉心支持板13の
下方で炉心下部プレナム26に設置された下部圧力計測
タップ48と炉心上部プレナム30に設けられた上部圧
力計測タップ49と、両圧力計測タップ48と49とを
計測配管50を介して連結された差圧伝送器51とを有
し、この差圧伝送器51で炉心差圧を測定し、検出して
いる。なお、炉心差圧計測装置44は、上部および下部
圧力計測タップ48,49を1個ずつ設置した例を例示
したが、実際には、炉心上部プレナム30および炉心下
部プレナム26にそれぞれ複数個ずつ、例えば数個ずつ
設けられる。
【0046】また、炉心支持板差圧計測装置45は、炉
心支持板13上部に設けられた上部圧力計測タップ53
と、炉心支持板13下部に設けられた下部圧力計測タッ
プ48と、両計測タップ53,48に計測配管54を介
して連結された差圧伝送器55とを有し、この差圧伝送
器55にて炉心支持板13の上下間差圧を測定し、検出
している。その際、炉心支持板差圧計測装置45の下部
圧力計測タップを炉心差圧計測装置44の下部圧力計測
タップ48と共用させた例が示されている。しかし、下
部圧力計測タップ48は必ずしもこれに限定されず、独
立して設置してもよい。この場合にも、炉心支持板差圧
計測装置45の上部および下部圧力計測タップ53,4
8はそれぞれ複数個ずつ設けられる。
【0047】さらに、再循環ポンプ差圧計測装置46
は、原子炉再循環ポンプ25のポンプデッキ部29上方
に設けられた上部圧力計測タップ56と、ポンプデッキ
部29下方に設けられた下部圧力計測タップ57と、両
圧力計測タップ57,58に計測配管58を介して連結
された差圧伝送器59とを有する。この差圧伝送器59
にて原子炉再循環ポンプ25のポンプデッキ部29上流
側および下流側間の差圧が測定され、検出される。再循
環ポンプ差圧計測装置46においても上部および下部の
圧力計測タップ56,57は複数個ずつ設けられる。
【0048】図4に示された○印は各差圧計測装置4
4,45,46で検出され、測定された炉心差圧や炉心
支持板差圧ΔPcと再循環ポンプ前後間差圧ΔPmの実
測値を原子炉運転に伴って経時的にプロットしたもので
ある。実際には、ΔPcは炉心差圧炉心装置44で計測
された炉心差圧の実測値であるが、この炉心差圧に代え
て炉心支持板差圧を用いてもよく、また、ΔPcは炉心
差圧と炉心支持板差圧の平均を採るようにしてもよい。
さらに、炉心差圧と炉心支持板差圧に重み付けして平均
してもよい。
【0049】しかして、原子炉運転に伴って経時的に実
測された炉心差圧や炉心支持板差圧ΔPcと再循環ポン
プ前後間差圧ΔPmの実測データを結ぶと、原子炉運転
に伴う炉心差圧や炉心支持板差圧ΔPcと再循環ポンプ
前後間差圧ΔPmの相関関係を示す履歴データ曲線bが
得られる。この履歴データ曲線bは直線状をなす相関関
係を表わしている。
【0050】また、各差圧計測装置44,45,46で
検出され、測定された炉心差圧や炉心支持板差圧ΔPc
および再循環ポンプ前後間差圧ΔPmは図示しないA/
D変換器等を介してプロセス計算機60に送られ、この
プロセス計算機60で予め内蔵された炉心熱水力解析コ
ードを用いて演算処理され、炉心流量Wが求められる。
【0051】図3に示された差圧計測装置44,45,
46は炉心差圧、炉心支持板差圧および再循環ポンプ差
圧を計測配管を用いて機械的に測定し、検出する例を示
したが、この差圧計測装置には種々のタイプの差圧計測
手段がある。各差圧計測装置44,45,46に用いら
れる差圧伝送器51,55,59は差圧検出手段を構成
しており、各差圧伝送器51,55,59で測定された
差圧データはプロセス計算機60に図示しないA/D変
換器を介して入力され、このプロセス計算機60で演算
処理される。
【0052】そして、炉心差圧計測装置44で測定され
た炉心差圧または炉心支持板差圧計測装置45で測定さ
れた炉心支持板差圧をΔPcとし、再循環ポンプ前後間
差圧(再循環ポンプ上流側と下流側の前後差圧)をΔP
mとする。再循環ポンプ前後間差圧ΔPmは、原子炉再
循環ポンプ25で原子炉冷却材をポンプ駆動させること
により生じるポンプ上流側と下流側の差圧である。
【0053】また、原子炉圧力容器11内を流れる原子
炉冷却材の一連の流れにおいて、圧力の降下(差圧)は
主として原子炉炉心12で発生し、原子炉炉心部分以外
のその他の圧力降下は気水分離器15等で主に発生す
る。このため、原子炉炉心12以外での圧力降下に基づ
く差圧、すなわち、炉心差圧以外の差圧をΔPsとする
と、再循環ポンプ前後間差圧ΔPcmは、
【数3】 ΔPm=ΔPc+ΔPs ……(3) の関係式が成立する。
【0054】一方、炉心差圧(あるいは炉心支持板差
圧)ΔPcや炉心差圧以外の差圧ΔPsは、それぞれ炉
心流量の2乗に比例するので、原子炉炉心12部分およ
び炉心部分以外の流動抵抗係数をKc,Ksとすると、
【数4】 で表わすことができる。ここでhは、炉心シュラウド1
4で仕切られた炉心内側と炉心外側での原子炉冷却材の
密度差によって発生する自然循環力である。
【0055】また、沸騰水型原子力発電所10の原子炉
(原子炉圧力容器11)内の原子炉冷却材の流れから、
再循環ポンプ前後間差圧ΔPmは、
【数5】 ΔPm=α・ΔPc+β ……(5) のように、炉心差圧または炉心支持板差圧ΔPcの1次
式で表わされることが知られている。ただし、αおよび
βは定数である。
【0056】式(5)の1次式を図4に関係曲線cで示
すように表わされ、実際には前述した履歴データ曲線b
と一致する。
【0057】さらに、式(4)から次式を導くことがで
きる。
【0058】
【数6】
【0059】そして、式(6)を式(3)に代入して整
理すると、次式が得られる。
【0060】
【数7】
【0061】式(7)は沸騰水型原子力発電所の原子炉
の運転において、再循環ポンプ差圧ΔPmが炉心差圧ま
たは炉心支持板差圧ΔPcの1次式で表わされるという
一般的な経験則を物理的に証明できることを示してい
る。
【0062】上述した式(5)および式(7)を比較す
ると、
【数8】 となり、この式(8)を整理すると、
【数9】 の関係が成立する。
【0063】式(9)から、図4に示すように炉心差圧
または炉心支持板差圧ΔPcを横軸に、再循環ポンプ前
後間差圧ΔPmを縦軸としてグラフを描くと、原子炉運
転の経時変化に伴う相関関係は直線となり、この相関曲
線cの傾きαは、原子炉炉心12および炉心以外の圧力
降下に関する流動抵抗係数の比率(Ks/Kc)によっ
て定まる。なお、この相関曲線cは履歴データ曲線bと
一致することがわかった。
【0064】原子炉炉心12の部分は、原子炉冷却材中
に含まれる金属イオンやクラッド等の不純物の付着によ
り、流動抵抗係数Kcが増加することが考えられる。
【0065】いま、原子炉炉心12部分の流動抵抗係数
Kcがε倍になったとすると、図4における相関直線b
の傾きαは小さくなる方向に変化する。例えば原子炉の
運転開始直後の状態の直線の傾きをα、原子炉炉心部
分の流動抵抗係数が増加した後の直線の傾きをαとする
と、式(9)より以下の関係が成り立つ。
【0066】
【数10】
【0067】この2つの式からKs/Ksを消去するこ
とによって、
【数11】 と表すことができる。εは原子炉炉心12部分の流動抵
抗係数の増加割合である。
【0068】次に、プロセスコンピュータであるプロセ
ス計算機61に内蔵された炉心熱水力解析コードを用い
て観測された炉心差圧または炉心支持板差圧の測定値Δ
Pcから炉心流量Wを求める方法を図5に示す。
【0069】この炉心熱水力解析プログラムを用いて炉
心流量10を求める場合には、原子炉炉心12に装架さ
れる燃料集合体33や燃料棒36等の燃料の幾何学的形
状、原子炉炉心12部分の流動抵抗係数Kcの他に、原
子炉出力や原子炉圧力、原子炉冷却材温度等の物理量が
必要となる。
【0070】このうち、原子炉出力は原子炉炉心12部
で発生する気泡(ボイド)の量を計算するために必要で
あり、原子炉圧力は原子炉冷却材の物性値を求めるため
に用いられる。
【0071】ここでは、炉心流量Wが炉心差圧または炉
心支持板差圧ΔPcの関数fであることを考慮すると、
【数12】 W=f(ΔPc) ……(12) で表わされる。
【0072】この場合、炉心熱水力計算コードの入力値
である流動抵抗係数Kcは原子炉冷却材中の金属イオン
や不純物によって、その流動抵抗係数が増加する前のい
わゆる設計値と呼ばれる値である。
【0073】式(12)で求められる炉心流量Wは、原
子炉炉心部分の流動抵抗係数が増加する前の値Kcによ
っているから式(12)は、式(4)から、
【数13】 ΔPc=KcW ……(13) で表わされる。
【0074】一方、原子炉炉心部分の流動抵抗係数は実
際には増加してεKcとなっているので、
【数14】 ΔPc=εKcW ……(14) となる。式(13)で求められる原子炉炉心部分の流動
抵抗係数はその値が増加していない場合には正しいが、
増加している場合には、正しい値よりも大きくなる。こ
れをはじめの状態という意味で添字0を付し、Wと書
くこととすれば、式(13)と式(14)を等しいとお
いて、以下の関係式が得られる。
【0075】
【数15】
【0076】式(15)で関数f(ΔPc)は、炉心差
圧または炉心支持板差圧の観測値ΔPcを、プロセス計
算機60の炉心熱水力計算コードに適用して得られる炉
心流量の値である。プロセス計算機60は式(15)の
関数に基づいて炉心流量Wを演算にて算出している。こ
の炉心流量Wは、計測された炉心差圧または炉心支持板
差圧ΔPcを炉心熱水力計算コードに適用して求めた炉
心流量Wを較正したもので、この炉心流量Wに流動
抵抗係数Kcの増加割合εの平方根√εの逆数を乗じて
較正したものである。
【0077】式(11)と式(15)から、炉心流量W
は、
【数16】 となるが、この式(16)は図4に示された炉心差圧ま
たは炉心支持板差圧ΔPcと再循環ポンプΔPmの相関
関係から相関直線bの傾きαを求めれば、原子炉炉心部
分の流動抵抗係数Kcが、原子炉冷却材中の金属イオン
や不純物付着によって、その流動抵抗係数値が増加した
と予測される場合においても、観測される炉心差圧また
は炉心支持板差圧ΔPcから正しい炉心流量Wを求める
ことができることを示している。
【0078】以上に述べたように、沸騰水型原子力発電
所において、実際に測定された炉心差圧または炉心支持
板差圧ΔPcからプロセス計算機60に内蔵された炉心
熱水力計算コードを用いて炉心流量Wを求める場合、原
子炉炉心部分の流動抵抗係数Kcが原子炉冷却材中の金
属イオンや不純物の付着によって増加したことが予想さ
れるとき、炉心流量計測演算方法を用いることによっ
て、炉心差圧または炉心支持板差圧ΔPcと再循環ポン
プ前後間差圧ΔPmの関係を示した図4における直線b
の傾きαを求め、さらに流動抵抗係数Kcの増加を推定
し、炉心熱水力計算コードの解析結果とあわせて、正し
い炉心流量Wを求めることができる。
【0079】このようにして得られた炉心流量Wの値
は、沸騰水型原子力発電所の運転管理において、重要な
物理量情報として活用することができる。
【0080】なお、本発明の一実施形態では沸騰水型原
子力発電所に適用した例を示したが、加圧水型原子力発
電所のように軽水型原子力発電所にも本発明を適用する
ことができる。
【0081】
【発明の効果】本発明に係る原子力発電所の炉心流量計
測演算方法およびその装置においては、原子炉炉心部分
の流動抵抗係数の増加が予想される場合にも、計測され
る炉心差圧または炉心支持板差圧からプロセス計算機に
予め内蔵される熱水力計算コードに適用して演算処理す
ることにより、炉心流量を正確に精度よく求めることが
できる。
【0082】原子炉運転により原子炉冷却材中の金属イ
オンおよび不純物付着による原子炉炉心部分の流動抵抗
係数の増加を考慮して炉心流量を正確に精度よく測定で
きるので、原子炉出力も正確に求めることができ、原子
炉運転の信頼性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子力発電所の炉心流量計測演算
方法およびその装置を適用した沸騰水型原子力発電所の
簡略的な模式図。
【図2】図1に示された沸騰水型原子力発電プラントの
原子炉圧力容器内の炉心入口部を示す構成図。
【図3】本発明に係る原子力発電所の炉心流量計測演算
方法およびその装置の一実施形態を示すもので、原子炉
圧力容器内の差圧計測を説明する説明図。
【図4】炉心差圧(炉心支持板差圧)と再循環ポンプ前
後間差圧の相関関係を示す説明図。
【図5】プロセス計算機に内蔵された炉心熱水力計算コ
ードによる演算処理および解析方法を示す説明図。
【符号の説明】
10 沸騰水型原子力発電所 11 原子炉圧力容器 12 原子炉炉心 13 炉心支持板 14 炉心シュラウド 15 気水分離器 17 主蒸気管 18 蒸気タービン 19 発電機 20 復水器 21 原子炉復水・給水系 22 給水ポンプ 24 ダウンカマ領域 25 原子炉再循環ポンプ 26 炉心下部プレナム 27 モータ部 28 ポンプ部 29 ポンプデッキ部 30 炉心上部プレナム 33 燃料集合体 34 燃料支持金具 35 チャンネルボックス 36 燃料棒 37 燃料スペーサ 38 燃料バンドル 39 下部タイプレート 40 炉心入口オリフィス 44 炉心差圧計測装置 45 炉心支持板差圧計測装置 46 再循環ポンプ差圧計測装置 48,57 下部圧力計測タップ 49,53,56 上部圧力計測タップ 50,54,58 計測配管 51,55,59 差圧伝送器(差圧伝送装置) ΔPm 再循環ポンプ前後間差圧 ΔPc 炉心差圧または炉心支持板差圧 ΔPs 炉心差圧以外の差圧

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉炉心部の炉心差圧または炉心支持
    板差圧を原子炉運転に伴い経時的に測定し、この炉心差
    圧または炉心支持板差圧をプロセス計算機内蔵の炉心熱
    水力計算コードに適用して演算処理し、原子炉炉心部を
    流れる炉心流量を求めることを特徴とする原子力発電所
    の炉心流量計測演算方法。
  2. 【請求項2】 原子炉炉心部の炉心差圧または炉心支持
    板差圧と再循環ポンプ前後間差圧とを原子炉運転に伴い
    経時的に測定し、測定された炉心差圧または炉心支持板
    差圧と再循環ポンプ前後間差圧との相関関係を示す直線
    の傾きαから原子炉炉心部分の流動抵抗係数の増加割合
    を求めることを特徴とする原子力発電所の炉心流量計測
    演算方法。
  3. 【請求項3】 前記炉心差圧または炉心支持板差圧と再
    循環ポンプ前後間差圧との相関関係直線の傾きαの原子
    炉運転直後の値と現在の値から原子炉炉心部分の流動抵
    抗係数の増加割合を求め、前記炉心差圧または炉心支持
    板差圧から炉心流量を前記流動抵抗係数の増加割合を用
    いて修正して求めることを特徴とする請求項2記載の原
    子力発電所の炉心流量計測演算方法。
  4. 【請求項4】 原子炉炉心部の炉心差圧または炉心支持
    板差圧を原子炉運転に伴い経時的に測定し、測定された
    炉心差圧または炉心支持板差圧をプロセス計算機内蔵の
    炉心熱水力計算コードに適用して演算処理し、炉心流量
    を求め、この炉心流量に原子炉炉心部の流動抵抗計数の
    増加割合εの平方根√εの逆数を乗じて炉心流量を修正
    することを特徴とする原子力発電所の炉心流量計測演算
    方法。
  5. 【請求項5】 原子炉炉心部の炉心差圧を測定する炉心
    差圧計測装置および原子炉炉心部の炉心支持板差圧を測
    定する炉心支持板差圧計測装置の少なくとも一方と、原
    子炉再循環ポンプ上流側および下流側の差圧である再循
    環ポンプ前後間差圧を測定する再循環ポンプ差圧計測装
    置と、前記各差圧計測装置で測定された炉心差圧または
    炉心支持板差圧および再循環ポンプ前後間差圧データを
    入力する一方、炉心熱水力コードが予め内蔵されたプロ
    セス計算機とを備え、このプロセス計算機は測定された
    炉心差圧または炉心支持板差圧を炉心熱水力計算コード
    に適用して演算処理して炉心流量を求め、炉心差圧また
    は炉心支持板差圧と再循環ポンプ前後間差圧との相関関
    係を示す直線の傾きαから原子炉炉心部分の流動抵抗係
    数の増加割合を求め、この流動抵抗係数の増加割合を用
    いて前記炉心流量を修正したことを特徴とする原子力発
    電所の炉心流量計測演算装置。
  6. 【請求項6】 前記相関関係を示す直線の傾きαの原子
    炉運転直後の値と現在の値から原子炉炉心部分の流動抵
    抗係数の増加割合を求めたことを特徴とする請求項5記
    載の原子力発電所の炉心流量計測演算装置。
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